JP4168387B2 - メッキ表面の後処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はメッキ表面を後処理液に接触させて同表面を後処理する方法に関して、メッキ表面のハンダ濡れ性を良好に確保するとともに、表面処理を迅速・簡便化できるものを提供する。
【0002】
【従来の技術】
金属材料にハンダ付けをする場合、ハンダ濡れ性を確保するため、一般に、予め金属材料にスズ又はスズ合金などのメッキ皮膜を形成するが、このメッキ面は酸化により経時劣化し易い。
一方、このようなメッキ表面の後処理とは異なるが、金属材料に付着した酸化膜や硬度成分を除去する広義の表面処理液の従来技術としては、特許文献1に、2−メルカプトベンゾチアゾール、3−(2−ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸、(2−ベンゾチアジルチオ)酢酸などのチアゾール化合物と、アルキルベンゼンスルホン酸塩よりなるアニオン系界面活性剤とを含有する腐食抑制剤組成物、並びに、この腐食抑制剤組成物を無機酸や有機酸の水溶液に添加した金属の酸洗浄液組成物が開示されている。
また、特許文献2には、2−ベンゾチアジルチオ酢酸、3−(2−ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸、4−(2−ベンゾチアジルチオ)酪酸、5−(2−ベンゾチアジルチオ)吉草酸などのベンゾチアゾール環を有するカルボン酸、或は、そのアルカリ金属、アルカリ土類金属、4級アンモニウムの各種塩を濃度200ppmで添加した防錆剤が開示されている(同文献の特許請求の範囲、第3頁の表参照)。
【0003】
一方、スズ、スズ−鉛合金などのメッキ皮膜を形成した金属材料にハンダ付けを行うに際して、このメッキ材の経時劣化を防止する目的の表面処理方法又は表面処理液の従来技術には、次のものがある。
(1)特許文献3
金属材料にスズ又はスズ−鉛合金メルカプトベンゾチアゾール皮膜を形成した後、ベンゾトリアゾール、1−メチルベンゾトリアゾール、トリルベンゾトリアゾール、1−(N,N−ジオクチルアミノメチル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物、メルカプトベンゾチアゾール又はそのアルカリ金属塩、或はトリアジン系化合物からなる群から選ばれた1種又は2種以上を含有する表面処理液をこの材料に塗布することが開示されている。
特許文献4〜7にも同様な表面処理液が開示されている。
【0004】
(2)特許文献8
金属材料にニッケル又はニッケル合金を下地メッキとして具備する金又は金合金メッキを形成した後、上記特許文献3と同様な化合物を含有する封孔処理液を塗布することが開示されている。
特許文献9〜10にも同様な封孔処理液が開示されている。
【0005】
(3)特許文献11
5−メチルベンゾトリアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールなどの防錆剤と、二塩基酸、そのアミン塩、ヒマシ油脂肪酸エステルなどのベース油と、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの溶剤とを含有する封孔処理剤で金属メッキ表面を処理することが開示されている。
【0006】
(4)特許文献12
2−メルカプトベンゾチアゾール又はそのアルカリ金属塩、或は、ベンゼン環にアルキル基が結合した2−メルカプトベンゾチアゾール誘導体を含有する水溶液に金を含む金属膜を備えた基体を接触させて、基体表面に腐食防止膜を形成することが開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−316858号公報
【特許文献2】
特公平1−28108号公報
【特許文献3】
特開平7−173675号公報
【特許文献4】
特開平7−173676号公報
【特許文献5】
特開平7−173677号公報
【特許文献6】
特開平7−173678号公報
【特許文献7】
特開平7−173679号公報
【特許文献8】
特開平8−260192号公報
【特許文献9】
特開平8−260193号公報
【特許文献10】
特開平8−260194号公報
【特許文献11】
特開平2001−279491号公報
【特許文献12】
特開2000−17483号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載されている2−メルカプトベンゾチアゾールを無機酸又は有機酸を含む酸性水溶液に添加すると、アニオン系界面活性剤の存在下でも溶解性はそれほど良くなく、特許文献1〜2の3−(2−ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸や(2−ベンゾチアジルチオ)酢酸のカルボン酸誘導体にあっても、充分な水溶性は具備しておらず、有効成分は液中で不均一になり易いという実情がある。そのうえ、特許文献1の酸洗浄液は同文献の実施例に示すような高炭素鋼や軟鋼板には適用できても、本発明の対象とするスズ又はスズ合金などのメッキ表面にこの酸洗浄液を適用すると、メッキ面が腐食してしまう恐れがある。しかも、上記特許文献1の酸洗浄液による表面処理では、50〜70℃の加熱域、30分〜4時間の長時間を必要とする(同文献の実施例1〜4参照)。
【0009】
また、上述のように、上記特許文献3〜12に記載の2−メルカプトベンゾチアゾールはそれほど水溶性はなく、例えば、アルコールに溶解したり、或は、特許文献10に示すように、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸と、モノアルキル又はジアルキルリン酸エステルなどの乳化剤を含む水に添加する必要がある。
しかしながら、この2−メルカプトベンゾチアゾールについては、性状自体が不安定であり、水や有機溶媒に添加した場合、経時的にある種の化学反応を引き起こして難溶性の沈殿を生じるため、長時間連続で表面処理すると、目的とする効果が持続せず、ハンドリングに大いに問題があり、また、長期に保管する場合にも同様の問題がある。
本発明は、メッキ表面の後処理において、ハンダ濡れ性の良好な確保と、後処理の迅速・簡便化を技術的課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
2−メルカプトベンゾチアゾールのカルボン酸誘導体の一部は上記特許文献1〜2にも示されているが、2−メルカプトベンゾチアゾールとは異なり、このカルボン酸誘導体は難溶性沈殿物を生じないため、本発明者らは、この2−メルカプトベンゾチアゾールのカルボン酸誘導体をメッキ表面の後処理に活用することを鋭意研究した結果、先ず、当該カルボン酸誘導体をアルコールに溶解し、次いで、このアルコール溶液を水に添加すると、上記カルボン酸誘導体を処理液中に溶解又は均一分散できることから、メッキ材をこの処理液に浸漬した場合、メッキ表面のハンダ濡れ性が顕著に改善すること、上記特許文献1の酸洗浄液では液温50〜70℃、処理時間30分〜4時間を要しているが、上記処理液を用いると0〜40℃の常温近辺で、且つ、1秒〜10分の短時間で迅速・簡便に後処理できることを見い出し、本発明を完成した。
【0011】
即ち、本発明1は、スズ、スズ合金、銀、銅のいずれかのメッキ皮膜を形成した金属材料を後処理液に接触させてメッキ表面を後処理する方法において、
上記後処理液が、下記の一般式(1)で表される2−メルカプトベンゾチアゾールのカルボン酸誘導体
【化2】
(式(1)中、R1はC1〜C40アルキレン、OHとNRR(Rは水素又はC1〜C4アルキル基)の少なくとも一個が結合した置換C1〜C40アルキレンである;nは1〜3の整数である;R2はアルキル、アルコキシ、NRR、COOM(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、1〜3級アミンである)、SO3M、OHである;mは0〜3の整数である。)
をアルコール類などの有機溶剤に溶解し、この溶液を水に添加したものであり、
処理時間1秒〜10分、液温0〜40℃の条件で後処理することを特徴とするメッキ表面の後処理方法である。
【0012】
本発明2は、上記本発明1において、2−メルカプトベンゾチアゾールのカルボン酸誘導体が、2−〔2(ベンゾチアゾリル)チオ〕酢酸、2−〔2(4−メチルベンゾチアゾリル)チオ〕酢酸、3−〔2(ベンゾチアゾリル)チオ〕プロピオン酸、4−〔2(ベンゾチアゾリル)チオ〕酪酸、2−〔2(ベンゾチアゾリル)チオ〕イソ酪酸、11−〔2(ベンゾチアゾリル)チオ〕ウンデカン酸であることを特徴とするメッキ表面の後処理方法である。
【0013】
本発明3は、上記本発明1又は2において、後処理液にさらに、界面活性剤を含有することを特徴とするメッキ表面の後処理方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、所定の2−メルカプトベンゾチアゾールのカルボン酸誘導体をアルコールなどの有機溶剤に溶解した後、この溶液を水に添加した後処理液を、スズ、スズ合金、銀、銅のいずれかのメッキ皮膜を形成した金属材料に接触させて、当該メッキ面を後処理する方法である。上記後処理液は、上記カルボン酸誘導体が水中に溶解した溶液形態、或は、カルボン酸誘導体が水中に均一分散した水性エマルジョンの形態のいずれであっても良い。
【0017】
本発明の2−メルカプトベンゾチアゾールのカルボン酸誘導体は、上記一般式(1)で表される。
ベンゾチアゾール環の2位に結合するメルカプト基には置換基R1が結合し、置換基R1はC1〜C40アルキレン、置換C1〜C40アルキレンである。C1〜C40アルキレンの具体例は、メチレン、エチレン、n−プロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、C10アルキレンなどである。このアルキレン基は、上述のように、水酸基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基が結合した置換アルキレンであっても良い。
また、一般式(1)のベンゾチアゾール環は無置換(m=0)でも良いし、アルキル、アルコキシ、NRR、COOM、SO3M、OHよりなる群から選ばれた置換基R2が1〜3個結合しても良い。この場合、上記NRRは前記アルキレン基R1の場合と同様に、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基を意味する。また、カルボキシル基又はスルホン酸基のアニオン部分Mは水素であっても良いし、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、1〜3級アミンであって、塩を形成しても良い。
本発明の2−メルカプトベンゾチアゾール誘導体は、メルカプト基に結合する置換基R1にカルボキシル基を有する点に特徴がある。カルボキシル基はアルキレン鎖R1の一端に結合しても良いし、鎖の途中に結合しても良い。例えば、R1=C3アルキレンの場合、C3アルキレンがカルボキシル基の炭素原子と合わせてn−ブチレン鎖を形成する場合には、鎖の一端にカルボキシル基が結合し、イソブチレン鎖であれば鎖の途中にカルボキシル基が結合することになる。誘導体分子中のカルボキシル基の結合数は1〜3個である。
【0018】
上記2−メルカプトベンゾチアゾールのカルボン酸誘導体としては、本発明2に示すように、2−〔2(ベンゾチアゾリル)チオ〕酢酸、2−〔2(4−メチルベンゾチアゾリル)チオ〕酢酸、3−〔2(ベンゾチアゾリル)チオ〕プロピオン酸、4−〔2(ベンゾチアゾリル)チオ〕酪酸、2−〔2(ベンゾチアゾリル)チオ〕イソ酪酸、11−〔2(ベンゾチアゾリル)チオ〕ウンデカン酸が好ましく、2−〔2(ベンゾチアゾリル)チオ〕酢酸、3−〔2(ベンゾチアゾリル)チオ〕プロピオン酸、4−〔2(ベンゾチアゾリル)チオ〕酪酸、2−〔2(ベンゾチアゾリル)チオ〕イソ酪酸、11−〔2(ベンゾチアゾリル)チオ〕ウンデカン酸がより好ましい。
【0019】
本発明の2−メルカプトベンゾチアゾールのカルボン酸誘導体は単用又は併用できる。また、2−メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール又はこれらの塩を本発明のカルボン酸誘導体と複用することもできる。
本発明の後処理液において、2−メルカプトベンゾチアゾールのカルボン酸誘導体の含有量は0.005〜10.0mmol/Lが適量であり、0.1〜5.0mmol/Lが好ましい。0.005mmol/Lより少ないと、ハンダ付けの際のハンダ濡れ性を確保できず、10.0mmol/Lより多くても表面処理効果にあまり変化はなく、コストの無駄であり、また、ハンダ付けに悪影響を及ぼす恐れがある。
【0020】
本発明は、2−メルカプトベンゾチアゾールのカルボン酸誘導体を液中に溶解又は均一分散させるために、同カルボン酸誘導体を各種有機溶剤に溶解した後、この溶液を水に添加した点に特徴がある。従って、本発明の後処理液の形態は、前述したように、水性エマルジョン又は溶液のいずれであっても良い。この後処理液の形態は、基本的に、有機溶剤やカルボン酸誘導体の濃度、或は、液温などの各種要因により規定される。
上記有機溶剤としては、アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、トルエンなどが挙げられ、アルコール類が好ましい。
上記アルコール類は任意のものが使用できるが、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、グリセリンなどが好適である。
上記カルボン酸誘導体を有機溶剤に溶解した液は、撹拌しながら水中に分散又は溶解される。
【0021】
この後処理液には、本発明3に示すように、メッキ表面への液の浸透力を向上し、或は、本発明のカルボン酸誘導体の水中への分散性を高める目的で、界面活性剤を含有することができる。分散性の向上を目的に含むため、上記界面活性剤は乳化剤を包含する概念である。
上記界面活性剤としては、モノアルキルリン酸エステル、ジアルキルリン酸エステルを初め、通常のノニオン系、アニオン系、両性、或はカチオン系などの各種界面活性剤を使用できる。
上記アニオン系界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩などが挙げられる。カチオン系界面活性剤としては、モノ〜トリアルキルアミン塩、ジメチルジアルキルアンモニウム塩、トリメチルアルキルアンモニウム塩などが挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、C1〜C20アルカノール、フェノール、ナフトール、ビスフェノール類、C1〜C25アルキルフェノール、アリールアルキルフェノール、C1〜C25アルキルナフトール、C1〜C25アルコキシルリン酸(塩)、ソルビタンエステル、ポリアルキレングリコール、C1〜C22脂肪族アミドなどにエチレンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキシド(PO)を2〜300モル付加縮合させたものなどが挙げられる。両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、イミダゾリンベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸などが挙げられる。
上記界面活性剤には、モノアルキルリン酸エステル、ジアルキルリン酸エステルなどが好ましい。
【0022】
上記後処理液を用いたメッキ表面の後処理方法は、銅或は銅合金製などの金属材料(即ち、被メッキ物)にメッキ皮膜を形成した後に、後処理液をこのメッキ面に接触させることにより実施される。
上記被メッキ物は特に制限されないが、半導体集積回路、プリント基板、フィルムキャリア、コンデンサ、インダクタ、サーミスタ、抵抗、ICなどの電子部品を代表例とする。上記メッキ皮膜は、ハンダ付け性を良好に保持する見地から、スズ皮膜、スズ−銅合金、スズ−銀合金、スズ−ビスマス合金、スズ−鉛合金などのスズ合金皮膜、銀皮膜、銅皮膜から選ばれたいずれかである。メッキ方法は電気メッキ、無電解メッキを問わない。
【0023】
上記接触方法は、メッキ材を後処理液に浸漬することを基本とするが、メッキ材に後処理液を塗布しても良いし、噴霧しても良い。
処理条件のうち、後処理の時間は1秒〜10分であり、液の温度は0℃〜40℃である。好ましい処理時間は10秒〜5分、好ましい温度は室温近辺である。
即ち、冒述の特許文献1では、50〜70℃の加熱条件で、30分〜4時間の長時間をかけて酸洗浄しているが、本発明の後処理方法では、このような方法とは異なり、常温近辺の温度で短時間の接触処理だけで足り、この迅速且つ簡便な後処理によりメッキ面のハンダ濡れ性は充分に向上するのである。尚、処理時間は処理温度により適宜増減でき、また、メッキ材の形状や材質に応じて処理時間と温度を適宜選択できる。
【0024】
【発明の効果】
冒述したように、電子部品などの金属材料にハンダ付けをする場合、ハンダ濡れ性を確保するために、予めスズ又はスズ合金などのメッキ皮膜を形成しているが、このメッキ面は酸化により経時劣化し易い。
本発明では、予め、所定の2−メルカプトベンゾチアゾールのカルボン酸誘導体を有機溶剤に溶解し、この溶液を水に添加して得られた溶液又は水性エマルジョンを用いてスズ、スズ合金、銀、銅のいずれかのメッキ表面を後処理するため、上記カルボン酸誘導体を液中に溶解又は均一分散でき、メッキ面のハンダ濡れ性を良好に改善できる。
また、本発明の後処理方法においては、上述の優れた均一分散性により、0℃〜40℃の常温近辺の温度域で、且つ1秒〜10分の短時間で液をメッキ面に接触させるだけで、スズ、スズ合金、銀、銅のいずれかのメッキ面のハンダ濡れ性を充分に向上することができるため、50〜70℃の加熱域で、且つ30分〜4時間の長時間をかけて酸洗浄する特許文献1とは異なり、メッキ表面の後処理を迅速・簡便化できる。
尚、本発明に使用するカルボン酸誘導体は、前述したように、2−メルカプトベンゾチアゾールとは異なり、経時的に難溶性沈殿物を生じないため、長時間後処理に供しても効果の減退はなく、ハンドリングに優れる。長期保管する場合にも同様である。
【0025】
【実施例】
以下、スズメッキ表面を本発明の方法で後処理する実施例、並びに、当該後処理方法を施したメッキ表面のハンダ濡れ性試験例を説明する。
尚、本発明は下記の実施例、試験例に拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
【0026】
《スズメッキ表面を後処理する実施例》
下記の実施例1〜7のうち、実施例7は本発明の2−メルカプトベンゾチアゾールのカルボン酸誘導体にベンゾトリアゾールを共存させた溶液を用いた例、他の実施例は各種の当該カルボン酸誘導体を単用した溶液の例である。
また、比較例1〜4のうち、比較例1はメッキ表面を後処理しないブランク例、比較例2は冒述の特許文献10を援用して、2−メルカプトベンゾチアゾールとオレイン酸とリン酸モノラウリルエーテルを含有する処理液を用いた例、比較例3は冒述の特許文献1に準拠したもので、(2−ベンゾチアゾリル)チオ酢酸を水に添加した処理液を用いて、70℃の加熱下、30分の条件で処理した例、比較例4は上記比較例3の処理液を用いて、本発明の後処理条件(室温、30秒の短時間)を適用して処理した例である。尚、上記特許文献1に開示された(2−ベンゾチアゾリル)チオ酢酸を同文献の実施例1〜4の形態でそのまま援用すると、硫酸や塩酸を含有する酸性洗浄液であるため、同実施例の高炭素鋼や軟鋼板などに適用することはできても、本発明のメッキ表面に適用すると腐食してしまう恐れがあるため、直接の援用は避けて、上記比較例3〜4の条件で準拠することにした。
【0027】
(1)実施例1
(a)スズメッキ処理
先ず、下記の組成でスズメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 10g/L
メタンスルホン酸 100g/L
オクチルフェノールポリエトキシレート(EO12モル) 10g/L
次いで、3216型チップ抵抗器を被メッキ物として、上記スズメッキ浴を用いて電気メッキを行い、膜厚5μmでスズメッキ皮膜を形成した。
その後、スズメッキを施したチップ抵抗器を5%第三リン酸ナトリウムの水溶液に70℃、30秒の条件で浸漬した後、純水で水洗した。
(b)メッキ表面の後処理
2−メルカプトベンゾチアゾールのカルボン酸誘導体として(2−ベンゾチアゾリル)チオ酢酸を用いて、10g/Lの含有量でメタノール水溶液に溶解させた後、このメタノール溶液を必要量の水に溶解させて、当該カルボン酸誘導体の後処理溶液を得た。後処理溶液中の当該カルボン酸誘導体の添加量は0.2g/L(モル添加量換算では0.89mmol/L)に調整した。
次いで、前記チップ抵抗器をこの後処理溶液に25℃、30秒の条件で浸漬した後、純水で水洗し、ドライヤーで乾燥した。
【0028】
(2)実施例2
上記実施例1を基本として、2−メルカプトベンゾチアゾールのカルボン酸誘導体を3−〔(2−ベンゾチアゾリル)チオ〕プロピオン酸に代替し、後処理溶液中の添加量を0.3g/L(モル添加量換算:1.3mmol/L)に変更した以外は、上記実施例1と同様の条件で、メッキ処理と後処理を行った。
【0029】
(3)実施例3
上記実施例1を基本として、2−メルカプトベンゾチアゾールのカルボン酸誘導体を2−(4−メチルベンゾチアゾリル)チオ酢酸に代替し、後処理溶液中の添加量を0.1g/L(モル添加量換算:0.42mmol/L)に変更した以外は、上記実施例1と同様の条件で、メッキ処理と後処理を行った。
【0030】
(4)実施例4
上記実施例1を基本として、2−メルカプトベンゾチアゾールのカルボン酸誘導体を11−〔(2−ベンゾチアゾリル)チオ〕ウンデカン酸に代替し、後処理溶液中の添加量を0.05g/L(モル添加量換算:0.142mmol/L)に変更した以外は、上記実施例1と同様の条件で、メッキ処理と後処理を行った。
【0031】
(5)実施例5
上記実施例1を基本として、2−メルカプトベンゾチアゾールのカルボン酸誘導体を4−〔(2−ベンゾチアゾリル)チオ〕酪酸に代替し、後処理溶液中の添加量を1.2g/L(モル添加量換算:4.7mmol/L)に変更した以外は、上記実施例1と同様の条件で、メッキ処理と後処理を行った。
【0032】
(6)実施例6
上記実施例1を基本として、2−メルカプトベンゾチアゾールのカルボン酸誘導体を2−〔(2−ベンゾチアゾリル)チオ〕イソ酪酸に代替し、後処理溶液中の添加量を0.05g/L(モル添加量換算:0.20mmol/L)に変更した以外は、上記実施例1と同様の条件で、メッキ処理と後処理を行った。
【0033】
(7)実施例7
上記実施例2を基本として、3−〔(2−ベンゾチアゾリル)チオ〕プロピオン酸に加えて、ベンゾトリアゾールを併存させて、後処理溶液中の各添加量を3−〔(2−ベンゾチアゾリル)チオ〕プロピオン酸=1.3mmol/L、ベンゾトリアゾール=1.0mmol/Lとした以外は、上記実施例2と同様の条件で、メッキ処理と後処理を行った。
【0034】
(8)比較例1
チップ抵抗器に上記実施例1のスズメッキ処理(a)だけを施し、後処理(b)は行わなかった。
【0035】
(9)比較例2
2−メルカプトベンゾチアゾール0.1g/L(モル添加量換算:0.53mmol/L)とオレイン酸3g/Lとリン酸モノラウリルエーテル3g/Lを含有させて後処理用の水溶液を調製した。
そして、上記実施例1を基本として、同実施例の溶液に替えて上記後処理液を使用した以外は、上記実施例1と同様の条件により、メッキ処理と後処理を行った。
【0036】
(10)比較例3
(2−ベンゾチアゾリル)チオ酢酸をそのまま水に添加して、含有量0.1g/L(モル添加量換算:0.44mmol/L)の後処理液を調製した。
そして、上記実施例1を基本として、同実施例の溶液に替えて上記後処理液を使用し、チップ抵抗器の後処理液への浸漬条件を70℃、30分にした以外は、上記実施例1と同様の条件で、メッキ処理と後処理を行った。
【0037】
(11)比較例4
上記比較例3を基本として、チップ抵抗器の後処理液への浸漬条件を25℃、30秒(即ち、前記実施例1と同じ)にした以外は、上記比較例3と同様の条件で、メッキ処理と後処理を行った。
【0038】
そこで、上記実施例1〜7及び比較例2〜4の後処理方法、或は、比較例1のメッキ方法で得られたチップ抵抗器のメッキ面のハンダ濡れ性を調べた。
《スズメッキ面のハンダ濡れ性試験例》
下記のハンダ濡れ性試験では加速試験を加えて、後処理を行ったメッキ表面を苛酷な雰囲気中に置いてハンダ濡れ性を評価した。
即ち、上記実施例1〜7及び比較例1〜4の処理を行ったチップ抵抗器を下記の条件でハンダ濡れ性試験に供して、ゼロクロスタイム(秒)を測定した。
(A)加速試験
プレッシャークッカーに基づき、温度105℃、相対湿度100%、8時間とした。
(B)濡れ性試験の条件
EIAJ ET−7404(ソルダーペーストを用いた表面実装部品のハンダ付け性試験法(平衡法))に基づく。ハンダペーストはEIAJで規定されたSn63/Pb37の標準ペーストを使用した。試験温度は215℃とした。
【0039】
下表はその試験結果である。尚、下表のZCTはゼロクロスタイムである。
【0043】
《後処理したメッキ表面のハンダ濡れ性の評価》
スズメッキ表面を後処理した実施例1〜7では、後処理を行わなかった比較例1に対して、明らかにゼロクロスタイムが短縮され、後処理がハンダ濡れ性の向上に確実に寄与していることが確認できた。この場合、実施例3〜4に示すように、2−メルカプトベンゾチアゾールのカルボン酸誘導体は1リットル当たり0.137〜0.42ミリモル程度の微量を添加しても、ハンダ濡れ性の改善に有効であることが判った。また、実施例2はプロピオン酸誘導体の添加例であるが、当該プロピオン酸誘導体の同量とベンゾトリアゾールが共存する実施例7は、ハンダ濡れ性の改善で実施例2と同程度の評価であった。
【0044】
一方、冒述の特許文献1を援用し、2−メルカプトベンゾチアゾールのカルボン酸誘導体を水に直接添加した処理液を用いて、70℃、30分の条件で後処理した比較例3では、当該誘導体が液中できわめて不均一になり、ハンダ濡れ性の改善は望めず、また、25℃、30秒の条件で後処理した比較例4でも、後処理しない比較例1と同様にハンダ濡れ性の評価は低かった。従って、これらの比較例3〜4を実施例1〜7に対比すると、2−メルカプトベンゾチアゾールのカルボン酸誘導体をメッキ表面の後処理に適用する場合、メッキ面のハンダ濡れ性を向上するには、単に水に添加するだけでは有効性が乏しく、アルコールなどの有機溶剤を介在させて水中に溶解することの重要性が裏付けられた。
尚、本発明のようなカルボン酸誘導体ではなく、2−メルカプトベンゾチアゾールを直接使用した比較例2では、ハンダ濡れ性の評価は実施例と同程度であった。ちなみに、この2−メルカプトベンゾチアゾールと本発明のカルボン酸誘導体である(2−ベンゾチアゾリル)チオ酢酸とを含有量0.4mol/Lでメタノールに溶解し、このメタノール溶液を試料としてガラス容器に夫々収容して1カ月強、日光に暴露したところ、カルボン酸誘導体の方には変化はなかったが、2−メルカプトベンゾチアゾールの方には沈殿物の発生が確認できた。このため、各試料を液体クロマトグラフィーで分析したところ、カルボン酸誘導体では含有量の減少はなかったが、2−メルカプトベンゾチアゾールの含有量は31%程度減少していた。従って、2−メルカプトベンゾチアゾールを使用した比較例2は後処理液を調製した初期段階では、実施例1〜7と同程度のハンダ濡れ性を保持できるが、長時間連続で後処理を行うと、含有量が低減しない実施例1〜7とは異なり、この効果は減退してしまうものと思われ、ハンドリングに問題があることが判明した。
以上のように、プリント基板、チップ部品などの電子部品を初めとする金属材料に各種メッキを行い、そのメッキ面をハンダ付けに供する場合、予め、本発明の溶液で当該メッキ面を後処理すると、スズなどの各種メッキ面のハンダ濡れ性を確実に向上することができ、上記電子部品などをハンダ付けする際の信頼性を良好に担保できる。
Claims (3)
- スズ、スズ合金、銀、銅のいずれかのメッキ皮膜を形成した金属材料を後処理液に接触させてメッキ表面を後処理する方法において、
上記後処理液が、下記の一般式(1)で表される2−メルカプトベンゾチアゾールのカルボン酸誘導体
をアルコール類などの有機溶剤に溶解し、この溶液を水に添加したものであり、
処理時間1秒〜10分、液温0〜40℃の条件で後処理することを特徴とするメッキ表面の後処理方法。 - 2−メルカプトベンゾチアゾールのカルボン酸誘導体が、2−〔2(ベンゾチアゾリル)チオ〕酢酸、2−〔2(4−メチルベンゾチアゾリル)チオ〕酢酸、3−〔2(ベンゾチアゾリル)チオ〕プロピオン酸、4−〔2(ベンゾチアゾリル)チオ〕酪酸、2−〔2(ベンゾチアゾリル)チオ〕イソ酪酸、11−〔2(ベンゾチアゾリル)チオ〕ウンデカン酸であることを特徴とする請求項1に記載のメッキ表面の後処理方法。
- 後処理液にさらに、界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のメッキ表面の後処理方法。
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