JP4167892B2 - 光ディスク再生装置および方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録可能光ディスクと再生専用光ディスクとを判別する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ディスク分野において、再生専用光ディスクと再生互換性のある記録可能光ディスクが開発されている。記録可能光ディスクは再生専用光ディスクと同等の記録容量を持つことから、近年の大容量化の要求に応える記録メディアとして注目され、普及しつつある。また再生専用光ディスクと再生互換性のない記録可能光ディスクも存在するが、多くの記録/再生装置は、両方の光ディスクを再生できるように構成されている。このような記録可能光ディスクとして、例えばDVD−R/RW、DVD−RAMが知られている。
【0003】
一方、記録可能光ディスクの普及に伴い、再生専用光ディスクに記録されている情報がそのまま記録可能光ディスクに複写され、その情報に関する著作権が侵害されるという問題が発生している。この問題への対策として、再生専用光ディスクにID情報を付加し、そのID情報を有するか否かで再生専用光ディスクか記録可能光ディスクかを判別する手法が考えられる。しかしこの手法では、ID情報が複写された場合には対処できない。
【0004】
そこで、再生専用光ディスクと記録可能光ディスクを、ID情報等によらず、光ディスク自体の物理的な特性の差異に基づいて判定する別の手法が開発されている。光ディスク自体の物理的な特性を具体的に説明すると、まず再生専用光ディスクには、螺旋状のデータ記録トラックに沿ってピットおよびスペースが配列される。そしてそのピットおよびスペースにより情報が記録されている。一方、記録可能光ディスクには、螺旋状に構築されたグルーブ、またはグルーブに挟まれたランドに記録マークとスペースが配列される。そしてその記録マークとスペースにより情報を記録する。記録可能光ディスクのグルーブは、データ再生速度の数百分の一の周波数で蛇行(ウォブル)して形成されており、この周波数に基づいて記録クロックが生成される。またグルーブの蛇行により、光ディスク上のアドレス情報も埋め込まれている。
【0005】
再生専用光ディスクと記録可能光ディスクとの差異は、光ディスク上に上述した蛇行するトラックが存在するか否かにある。そこでそのような蛇行するトラックを検出することにより、記録可能光ディスクであるか再生専用光ディスクかを判定できる。再生しようとする光ディスクが記録可能光ディスクであると判定され、かつ、その記録可能光ディスクに著作権保護されるべき情報が記録されている場合には、その情報の再生を禁止する。これにより著作権保護を確実にすることができる。さらに近年の光ディスクドライブは、様々なフォーマット規格の光ディスクを対象として情報の記録/再生ができるので、著作権の保護以外の観点からも、再生専用光ディスクと記録可能光ディスクとを判別することは非常に有用である。この判別手法として、従来から、記録可能光ディスクにあるグルーブの蛇行を検出する技術(特許文献1参照)およびグルーブの蛇行周波数を測定して記録可能光ディスクを判定する技術(特許文献2参照)が知られている。
【0006】
図9は、従来の再生装置50の構成を示すブロック図である。再生装置50は、光ディスク1上のデータ記録トラック2が蛇行しているか否かを検出して光ディスク1の種別を判定する。再生装置50は、光ディスク1を回転させるディスクモーター3と、光ディスク1に光ビームを照射し反射光を受光する光ヘッド4と、光ヘッド4内にあって光ディスク1からの反射光を受光する受光素子5と、光ヘッド4を光ディスク1の半径方向に移動する移動機構6と、ディスクモーター3および移動機構6を制御して再生線速度を制御する線速度制御部7とを備えている。再生装置50はさらに、受光素子5の出力信号の差を取ってプッシュプル信号を生成するプッシュプル信号生成部8と、プッシュプル信号生成部8から出力されるプッシュプル信号の所定の周波数成分のみを通過させる帯域通過フィルター9と、帯域通過フィルター9の出力信号の周期を測定する周期測定カウンタ10と、周期測定カウンタ10に測定クロックを供給するクロック発生部11と、周期測定カウンタ10によって測定された周期データに演算処理を施す演算部12とを備えている。
【0007】
再生装置50のプッシュプル信号生成部8が生成するでプッシュプル信号には、データ記録トラック2が蛇行している場合にはその蛇行する周波数成分が含まれている。帯域通過フィルター9は、この周波数成分を抽出する。そして再生装置50は、演算部12の演算結果によってデータ記録トラック2が蛇行しているか否かを判定して判定結果を出力する判定部13をさらに備えており、判定結果に基づいて光ディスク1上のデータ記録トラック2が蛇行しているか否か、すなわち光ディスク1が記録可能光ディスクか再生専用光ディスクかを判定する。
【0008】
【特許文献1】
特開平4−123320号公報
【特許文献2】
特開2000−322742号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、記録可能光ディスクが例えばDVD−R/RWの場合には、再生装置50は再生専用光ディスクであると誤って判定する場合、または判定できない場合がある。その理由は以下のとおりである。まずDVD−R/RWにはランドプリピットと呼ばれるランド部に形成されたピットが存在するため、プッシュプル信号出力は一定の正弦波とならない。また、グルーブに記録マークが記録されている場合には、記録マークの影響によりプッシュプル信号の信号対雑音比(S/N比)が極端に悪化する。このため、帯域通過フィルター9の出力のジッターは増大し、再生専用光ディスクを再生した場合のジッターとの差が小さくなる。よって記録可能光ディスクと再生専用光ディスクとを判別するための閾値の設定が困難である。
【0010】
さらに光ディスクに大きな偏心がある場合は、偏心により再生線速度が変化する。すると偏心の位相によって周期測定の結果が大きく異なり、判定閾値の設定がさらに困難となったり、場合によっては設定できないことがある。
【0011】
本発明の目的は、情報の記録の有無およびディスク偏心の大きさにかかわらず、ディスクの種別判定を信頼性高く実現することである。
【課題を解決するための手段】
本発明は、光ディスクのトラックに記録された情報を再生するために該光ディスクの種別を判定する再生装置を提供する。この光ディスクは、前記トラックがピットで構成されている再生専用光ディスク、および、前記トラックが蛇行したグルーブで構成されている記録可能光ディスクの一方の種別に属する。再生装置は、前記光ディスクを回転させるモーターと、前記モーターにより回転する前記光ディスクのトラックに光ビームを照射して、前記光ディスクからの反射光に応じた2つの検出信号を出力するヘッドと、前記2つの検出信号の差からプッシュプル信号を生成する信号生成部と、前記信号生成部が生成した前記プッシュプル信号から、特定信号を抽出する帯域通過フィルタと、前記モーターの回転数を変化させることにより、前記帯域通過フィルタの中心周波数とは異なる周波数成分を含むプッシュプル信号が得られ、前記得られたプッシュプル信号から抽出された前記特定信号の周期の変化に応じて、前記光ディスクの種別を判定するコントローラとを備え、前記コントローラは、前記モーターの回転数を制御して前記トラックの線速度を変化させる制御部と、前記2つの検出信号の和から再生データ信号を生成する再生データ処理部と、前記再生データ処理部から出力された前記再生データ信号の周波数のクロックに基づいて、前記帯域通過フィルタにより抽出された前記特定信号の周期を出力するカウンタと、カウンタから出力された前記特定信号の周期が、前記線速度の変化の前後で一定である場合には前記光ディスクが記録可能光ディスクであると判定し、前記線速度の変化に応じて変化していた場合には前記光ディスクが再生専用光ディスクであると判定する判定部とを備えている。これにより上記目的を達成できる。
【0017】
前記特定信号の周期の平均値を計算する演算部をさらに備え、前記制御部は、前記トラックの線速度を複数回変化させ、前記演算部は、前記トラックの線速度の変化毎に前記特定信号の周期の平均値を計算し、前記判定部は、前記演算部が得た各平均値が一定である場合に、前記特定信号の周期が前記線速度の変化に応じて変化したと判断する。
【0018】
前記特定信号の分散値および標準偏差の一方を計算する演算部をさらに備え、前記判定部は、前記演算部が計算した前記分散値および標準偏差の一方が所定の範囲に入っている場合に、前記光ディスクが記録可能光ディスクであると判断する。
【0019】
本発明は、光ディスクのトラックに記録された情報を再生するために該光ディスクの種別を判定する再生方法、および、コンピュータで実行可能なコンピュータプログラムを提供する。この光ディスクは、前記トラックがピットで構成されている再生専用光ディスク、および、前記トラックが蛇行したグルーブで構成されている記録可能光ディスクの一方の種別に属する。再生方法およびコンピュータプログラムは、前記光ディスクを回転させるステップと、回転する前記光ディスクのトラックに光ビームを照射するステップと、前記光ディスクからの反射光に応じた2つの検出信号を生成するステップと、前記2つの検出信号の差からプッシュプル信号を生成するステップと、前記プッシュプル信号から、特定信号を抽出するために帯域通過フィルタリングするステップと、前記光ディスクの回転数を制御して前記トラックの線速度を変化させるステップと、前記2つの検出信号の和から再生データ信号を生成するステップと、前記再生データ信号の周波数のクロックに基づいて、前記特定信号の周期をカウントするステップと、前記特定信号の周期が、前記線速度の変化の前後で一定である場合には前記光ディスクが記録可能光ディスクであると判定し、前記線速度の変化に応じて変化していた場合には前記光ディスクが再生専用光ディスクであると判定するステップとを含む。これにより上記目的が達成される。
【0020】
各実施の形態を説明する前に、まず実施の形態で言及する光ディスクを説明する。光ディスクは、再生専用光ディスクと記録可能光ディスクの2種に分類される。
【0021】
再生専用光ディスクの物理的特性として、再生専用光ディスクには、螺旋状のデータ記録トラックに沿ってピットおよびスペースが配列される。そしてそのピットおよびスペースにより情報が記録されている。
【0022】
一方、記録可能光ディスクの物理的特性として、記録可能光ディスクには、螺旋状に構築されたグルーブ、またはグルーブに挟まれたランドに記録マークとスペースが配列される。そしてその記録マークとスペースにより情報を記録する。さらに記録可能光ディスクのグルーブは、データ再生速度の数百分の一の周波数で蛇行して形成されており、この周波数に基づいて記録クロックが生成される。またグルーブの蛇行により、光ディスク上のアドレス情報も埋め込まれている。より具体的に説明すると、記録可能光ディスクがDVD−R/RW、DVD−RAMの場合には、グルーブの蛇行周波数はデータ転送レートの1/186と規定されている。よって、データ転送レート27MHzの標準速再生の場合、蛇行周波数は145KHzとなる。このときの再生線速度は3.6m/secである。
【0023】
記録可能光ディスクの物理的特性は、蛇行したデータ記録トラックを有する点において再生専用光ディスクの物理的特性と相違する。以下の実施の形態では、この相違を利用して記録可能光ディスクか再生専用光ディスクかを判別する。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1による再生装置100の構成を示すブロック図である。再生装置100は、光ディスク1上のデータ記録トラック2が蛇行しているか否かを検出して、光ディスク1の種別を判定する。本実施の形態の主要な特徴は、光ディスク1を標準速再生における線速度と異なる線速度で回転させ、光ディスク1の種別を判定することにある。この特徴は、プッシュプル信号に含まれる特定周波数の信号成分は、データ記録トラック2が蛇行している場合には、光ディスク1の再生線速度を変化させるとその変化に応じて周波数帯域が移動し、データ記録トラック2が蛇行していない場合には、光ディスク1の再生線速度を変化させても周波数帯域が移動しない、という原理に基づいている。
【0025】
再生装置100は、光ディスク1を回転させるディスクモーター103と、光ディスク1に光ビームを照射し反射光を受光する光ヘッド104と、光ヘッド104内に設けられ、光ディスク1からの反射光を受光する2つの受光素子105と、光ヘッド104を光ディスク1の半径方向に移動する移動機構106と、コントローラ120とを備えている。
【0026】
再生装置100のコントローラ120は、光ディスク1に記録された情報の再生を制御する。より具体的には、コントローラ120は、ディスクモーター103の回転数を制御し、また光ヘッド104の位置を調整して、光ビームの照射位置を制御する。またコントローラ120は、受光素子105において受けた反射光に基づいて、光ディスク1上にデータ記録トラック2が存在するか否かを判定し、光ディスク1の種別を判定する。
【0027】
さらにコントローラ120の具体的な構成を説明する。コントローラ120は、線速度制御部107と、プッシュプル信号生成部108と、帯域通過フィルター109と、周期測定カウンタ110と、クロック発生部111と、演算部112と、判定部113と、中央処理部(Central Processing Unit;CPU)114とを有する。
【0028】
まずCPU114は、コントローラ120の動作を総合的に制御する。すなわちCPU114は、コントローラ120内の各要素へ制御信号を送り、その制御信号に基づいて各要素を制御する。制御信号は、各要素を動作させる駆動信号、各要素にパラメータを設定する設定値等である。より具体的には、制御信号は、線速度制御部107への線速度制御信号、帯域通過フィルター109への周波数設定値、周期測定カウンタ110および演算部112への測定開始指示、クロック発生部111へのクロック選択値、および判定部113への判定開始指示および判定基準値が該当する。
【0029】
次にコントローラ120内の各要素を説明する。線速度制御部107は、CPU114から線速度制御信号を受け取り、線速度制御信号に基づいてディスクモーター3および移動機構6を駆動し再生線速度を制御する。再生線速度とは、光ヘッド104が光ビームを照射するデータ記録トラック2の円周方向の回転速度である。線速度制御信号には再生線速度の目標値が含まれており、線速度制御部107は当該目標値に近づけるよう再生線速度を調整する。標準の再生線速度は、例えば3.6m/secである。
【0030】
プッシュプル信号生成部108は、2つの受光素子105からの2つの出力信号の差を取ってプッシュプル信号を生成する。光ディスク1が記録可能である場合、すなわちデータ記録トラック2が蛇行している場合には、プッシュプル信号には、その蛇行の周波数成分が含まれている。データ記録トラック2が蛇行している場合には、プッシュプル信号生成部108は、標準の再生線速度で周波数145KHzの正弦波信号を出力する。
【0031】
帯域通過フィルター109は、プッシュプル信号生成部108から出力されるプッシュプル信号の所定の周波数成分のみを通過させる。通過させる周波数成分は、CPU114からの周波数設定値に基づいて定められる。図2は、帯域通過フィルター109の周波数特性201の例を示す図である。この例では、145KHzを中心にして、±10%の範囲(すなわち130.5〜159.5KHz)を主な通過帯域幅として設計されている。プッシュプル信号にはディスクノイズなどのノイズ成分が高いレベルで重畳されているので、蛇行周波数と同じ145KHz中心の通過帯域を持った帯域通過フィルター9によって、ノイズが除去される。
【0032】
再び図1を参照して、クロック発生部111は、測定クロックを生成する。このクロックは、CPU114からのクロック選択値に基づいて定められる。例えばデータ転送レートが27MHzの標準速再生時には、クロック発生部111はデータ転送レートに等しい周波数27MHzの測定クロックを生成する。測定クロックは固定されている。
【0033】
周期測定カウンタ110は、帯域通過フィルター109の出力信号の周期を測定する。測定にはクロック発生部111が生成した測定クロックを用いる。周期を測定する理由は、周波数は周期の逆数として得られるため、周期を測定すれば信号の周波数を特定できるからである。周期測定カウンタ110が、クロック発生部111から周波数27MHzの測定クロックを受け取り、かつ帯域通過フィルター109から周波数145KHzの正弦波信号を受け取るとき、出力する周期は概ね186である。ただし実際には誤差等のため、出力は186を中心としてばらつく。
【0034】
演算部112は、周期測定カウンタ110によって測定された周期データに演算処理を施す。判定部113は、CPU114から与えられた判定基準と、演算部112の演算結果とに基づいて、光ディスク1が記録可能光ディスクか再生専用光ディスクを判定する。具体的な演算および判定手順は、再生装置100の動作とともに、以下詳述する。
【0035】
図3は、実施の形態1による再生装置100(図1)の処理動作を示すフローチャートである。まずCPU114(図1)は、線速度制御部107に線速度制御信号を送り、光ディスクの回転速度を再生線速度を標準値のα倍に変化させる(ステップS301)。例えばα=1.1とすると、再生線速度は標準値3.6m/secよりも10%高い3.96m/secにする。その後光ヘッド104が光ディスク1に光ビームを照射し、その反射光が2つの受光素子105において検出される。各受光素子105からの信号に基づいて、プッシュプル信号生成部108(図1)はプッシュプル信号を生成する(ステップS302)。
【0036】
光ディスク1が記録可能光ディスクの場合、すなわちデータ記録トラック2が蛇行している場合には、プッシュプル信号生成部108は、周波数159.5KHzの正弦波信号を主成分として含む信号を出力する。より詳しくは、光ビームのデータ記録トラック2に対する追従周波数帯域は8KHz以下であり、データ記録トラック2の蛇行周波数に対して十分低い。よって、データ記録トラック2が蛇行している場合には、プッシュプル信号生成部108は、データ記録トラック2の蛇行による追従誤差信号として、周波数159.5KHzの正弦波信号を主成分として含む信号を出力する。この周波数は再生線速度が標準値のときの蛇行周波数(145KHz)の10%高い値である。一方、光ディスク1が再生専用光ディスクの場合、プッシュプル信号生成部108は、ディスクノイズ等の単なるノイズ信号を出力する。すなわち出力信号は、周波数159.5KHzの信号を主成分として含まない。
【0037】
その後帯域通過フィルター109は、プッシュプル信号から所定の周波数帯域の信号を抽出する(ステップS303)。帯域通過フィルター109は、図2に示すように、周波数145KHzを中心として±10%を主な通過帯域幅とするように設計されている。したがってプッシュプル信号が帯域通過フィルター109を通過することにより、光ディスク1が記録可能光ディスクの場合には、信号の主成分が周波数159.5KHzの正弦波信号が出力される。一方光ディスク1が再生専用光ディスクの場合には、130.5〜159.5KHzを中心として、振幅が小さく、ジッターも大きい信号が出力される。図2に示すフィルタでは周波数145KHzが最もよく通過するように設計されていることから、周波数分布も周波数145KHzを中心にした周波数特性になる。
【0038】
次に、周期測定カウンタ110(図1)は、抽出した信号の周期をカウントする(ステップS304)。図4は、帯域通過フィルター109により抽出された信号の周期カウント結果を示す図である。図では連続的な曲線であるが、実装の際には、特定の周波数別にカウントされたカウント値のヒストグラムとして表現できる。図の横軸は周期である。周波数と周期とは逆数の関係にあるので、標準値のα倍の周波数を持つ信号の周期は1/α倍になることに留意されたい。図3のグラフSは、再生専用光ディスクの周期分布を示す。グラフAは、記録可能光ディスクの周期分布を示す。グラフから明らかなように、再生線速度をα倍すると、記録可能光ディスクは標準値より1/αだけ低い周期分布へとシフトするが、再生専用光ディスクは標準値を基準とした周期分布のままである。α=1.1とし、かつクロック発生部111(図1)から27MHzの測定クロックが供給されている場合には、記録可能光ディスクは標準カウント値186の約0.91倍のカウント値169を中心とした周期分布へとシフトし、再生専用光ディスクは標準カウント値186を中心としてばらついた周期分布となる。よって再生線速度を変化させたことにより周期分布が変化した場合には、光ディスク1は記録可能光ディスクであるといえる。
【0039】
この分布の相違を利用して光ディスク1の種別を判定するために、ここでは分布の最大値および最小値を利用する。図3を参照して、演算部112(図1)は、カウント結果を利用して周期の最大値および最小値を求める(ステップS305)。その後判定部113(図1)は、求めた最大値および最小値が、判定基準の範囲内に入るか否かを判定する(ステップS306)。
【0040】
以下、分布の最大値および最小値を利用した処理をより詳しく説明する。図5の(a)は、最大値および最小値に基づく種別判定の基準となる範囲Rを示す図である。範囲Rは、例えばコントローラ120(図1)を製造する際に予め複数の記録可能光ディスクおよび再生専用光ディスクの分布統計をとり、その上で決定されており、シフトした周期分布とシフトしていない周期分布とが区別可能に規定されている。例えば蛇行周波数(145KHz)の10%高い周波数を基準として、記録可能光ディスクの周波数分布が±3%の範囲に分布していた場合には、周波数では概ね145KHzの+7%〜+13%、カウント値では概ね186の−13%〜−7%で規定される。なお再生専用光ディスクの周波数の最大値は、この周波数(周期)の範囲に入ることはない。
【0041】
演算部112は、周期測定カウンタ110のカウント結果に基づいて、その中から周期の最大値および最小値を特定する。グラフSが得られた場合には、最大値MAXおよび最小値MINが特定される。一方グラフAが得られた場合には、最大値MAXおよび最小値MINが特定される。
【0042】
次いで判定部113は、得られた最大値および最小値の両方が、予め規定された範囲Rに含まれるか否かを判定する。図では、(MAX,MIN)の組は範囲Rに含まれ、(MAX,MIN)の組は範囲Rに含まれないことが理解される。
【0043】
判定の結果、周期分布の最大値および最小値が範囲Rに含まれる場合には、その周期分布に対応する光ディスク1には蛇行周波数が含まれていると判断できる。よってその光ディスク1は記録可能光ディスクであると判定する(図3のステップS307)。逆に、周期分布の最大値および最小値が範囲Rに含まれない場合には、光ディスク1は再生専用光ディスクであると判定する(ステップS308)。実施の形態1の判定方法によれば、判別範囲は、中心周波数が異なる分布に対して設定すればよいため非常に簡単に設定でき、光ディスクを再生した場合のジッター等に影響を受けない。さらにノイズによる異常分布等の影響を受けず、信頼性の高い光ディスク1の種別判定を行うことができる。
【0044】
なお上述の説明では、演算部112が周期の最大値および最小値を求め、判定部113が、その周期の最大値および最小値が所定の範囲Rに入るか否かを判定するとした。しかし第1の変形例として、周期の最大値および最小値ではなく、周期の平均値を用いても判定できる。図5の(b)は、周期の平均値に基づく種別判定の基準となる範囲Rを示す図である。この範囲Rもまた、統計的に算出等することにより、シフトした周期分布とシフトしていない周期分布とが区別可能に規定されている。
【0045】
演算部112は、周期測定カウンタ110のカウント結果に基づいて、周期の平均値を求める。周期の平均値は、例えば(周期の値)×(その周期のカウント値)/(カウント値の総数)により得られる。グラフSが得られた場合には、平均値Pが特定される。一方グラフAが得られた場合には、平均値Pが特定される。
【0046】
次いで判定部113は、得られた平均値が、予め規定された範囲Rに含まれるか否かを判定する。図では、平均値Pは範囲Rに含まれ、平均値Pは範囲Rに含まれないことが理解される。
【0047】
第1の変形例を利用して、さらに第2の変形例を説明する。第2の変形例では、再生線速度を変化させて周期分布を求めた後、さらに2回、3回と再生線速度を段階的に変化させる。そして、各周期分布の平均値が再生線速度の変化に応じて変化している場合には記録可能光ディスクであると判定し、ほぼ同じ値で変化が見られない場合には再生専用光ディスクであると判定する。
【0048】
図5の(c)は、再生線速度を段階的に変化させた場合の、記録可能光ディスクの周期分布と再生専用光ディスクの周期分布とを示す図である。再生線速度を標準速から段階的にα倍、α倍、α倍したとする(1<α<α<α)。図に示すように、再生線速度を変化させたか否かにかかわらず、再生専用光ディスクの周期分布はほとんど変化しない。第1の変形例で説明した周期分布の平均値を求めると、その平均値はほぼ一定値Pである。一方記録可能光ディスクの周期分布は、変化に応じて周期分布が遷移する。周期分布の平均値は、再生線速度の変化率に反比例する。具体的には、再生線速度をα倍したときは、標準速の周期分布の平均値から1/α倍された平均値PA1に、α倍したときは1/α倍された平均値PA2に、α倍したときは1/α倍された平均値PA3に変化する。
【0049】
このように、演算部112が再生線速度の変化に応じた平均値を算出し、その結果に応じて平均値が反比例して変化した場合には、判定部113は光ディスク1が記録可能光ディスクであると判定する。平均値がほぼ一定であった場合には、判定部113は光ディスク1が再生専用光ディスクであると判定する。第2の変形例によれば、図5の(a)および(b)に示す範囲Rを定めることなく、光ディスクの種別を判定できる。
【0050】
倍率α、α等は、上述の例以外にも種々の値を取りうる。いま再生線速度を標準速から段階的に0.9倍と1.1倍に変化させた場合を考える。上述の例ではα<1<αである。帯域通過フィルター109(図1)は周波数特性201(図2)を有するとする。
【0051】
まずディスクモーター103は、標準の再生線速度3.6m/secに対して10%低い3.24m/secの第1の再生線速度で光ディスク1を回転する。するとデータ記録トラック2が蛇行している場合には、プッシュプル信号生成部108は、周波数130.5KHzの正弦波信号を主成分として有するプッシュプル信号を出力する。データ記録トラック2が蛇行していない場合には、プッシュプル信号生成部108は、ディスクノイズ等の単なるノイズ信号を出力する。このノイズ信号は、周波数145KHzにおいても単なるノイズ成分を含むのみである。
【0052】
帯域通過フィルター109はこのプッシュプル信号から上述した正弦波信号を抽出し、周期測定カウンタ110はその周期分布を測定する。周期分布は、データ記録トラック2が蛇行している場合には、図5の(a)において、グラフAを、グラフSに関して対称に移動させた形状を呈する。演算部112はその周期分布の平均値を計算して第1の演算結果を算出する。クロック発生部111から27MHzのクロックが供給されている場合には、周期分布の中心周波数は130.5KHzであるので、第1の演算結果は205となる。一方データ記録トラック2が蛇行していない場合には、図5の(a)におけるグラフSである。第1の演算結果は186となる。
【0053】
次にディスクモーター103は、標準の再生線速度3.6m/secに対して10%高い3.96m/secの第2の再生線速度で光ディスク1を回転する。これは先の図3に関連して説明したとおりであるためその説明は省略する。演算部112は周期分布の平均値を計算して第2の演算結果を算出する。第2の演算結果は、データ記録トラック2が蛇行している場合には169、蛇行していない場合には186である。
【0054】
データ記録トラック2が蛇行している場合の第1の測定結果205と第2の測定結果169の比(約0.8)は、概ね、第1の再生線速度3.24と第2の再生線速度3.96の比の逆数と等しい。一方データ記録トラック2が蛇行していない場合には、第1の測定結果304と第2の測定結果304の比(1)は、第1の再生線速度3.24と第2の再生線速度3.96の比の逆数と等しいとはいえない。
【0055】
そこで判定部113は、第1の測定結果と第2の測定結果の比が、第1の再生線速度と第2の再生線速度の比の逆数に等しいか否かを判定するようにした。その結果、第1の測定結果と第2の測定結果の比が、概ね、第1の再生線速度と第2の再生線速度の比の逆数と等しい場合には、光ディスク1が記録可能光ディスクであると判定する。等しくない場合には、再生専用光ディスクであると判定する。なお上述の「概ね」とは、例えば±5%の範囲内である。
【0056】
本実施の形態では、線速度、および、周期測定結果の相対的な変化を利用して判別することにより、線速度の絶対値のばらつきなどに対して、より信頼性の高い判別を行うことができる。
【0057】
(実施の形態2)
実施の形態2では、標準的な再生線速度(3.6m/sec)により、光ディスク1の種別を判別する手順を説明する。
【0058】
図6は、実施の形態2による再生装置600の構成を示すブロック図である。実施の形態2において、再生装置600の構成が再生装置100(図1)の構成と異なるのは、コントローラ620である。さらにコントローラ620の構成がコントローラ120(図1)の構成と異なるのは、再生データ処理部615を設けたこと、および、クロック発生部111が再生データ処理部615からのデータクロックに基づいて測定クロックを生成することである。その他の構成に関しては実施の形態2の各構成要素は、再生装置100(図1)の構成要素の機能および動作と同じであるので、その説明は省略する。
【0059】
図6に示すように、再生データ処理部615は2つの受光素子105の各々から信号を受け取り、それらの和信号である再生データ信号から再生データクロックを抽出する。クロック発生部611は、CPU114からの指示に基づいて、再生データ処理部615からの再生データクロックを分周し、またはそのまま利用して測定クロックを生成し、周期測定カウンタ110に送る。周期測定カウンタ110は、測定クロックを利用して周期をカウントする。生成される測定クロックは、例えばデータ転送レートに等しい27MHzの周波数を持つ。
【0060】
留意すべきは、再生データクロックは線速度の変化に追従するため、再生データクロックを用いて生成されたクロックも線速度の変化に追従できることである。これにより偏心などによる線速度制御のばらつきが発生しても、常にそのばらつきに追従して周期をカウントでき、測定結果の誤差を小さい範囲に抑えることができる。
【0061】
以下、標準的な再生線速度(3.6m/sec)により、光ディスク1の種別を判別する手順を説明する。実施の形態1で説明したように、データ記録トラック2が蛇行している場合には、プッシュプル信号生成部108は蛇行周波数145KHzに等しい周波数の正弦波を含むプッシュプル信号を出力する。このプッシュプル信号にはディスクノイズなどのノイズ成分が高いレベルで重畳されているので、蛇行周波数と同じ145KHz中心の通過帯域を持った帯域通過フィルター109によって、ノイズが除去され、周期測定カウンタ110に入力される。一方、データ記録トラック2が蛇行していない場合には、プッシュプル信号生成部108は、ディスクノイズ等の単なるノイズ信号を出力する。このノイズ信号は、周波数145KHzにおいても単なるノイズ成分を含むのみである。
【0062】
プッシュプル信号生成部108からの出力は帯域通過フィルター109により、周波数145KHz付近の信号のみが抽出され周期測定カウンタ110へ入力される。ここで上述したノイズ信号については、帯域通過フィルター109通過後の信号が145KHz中心ではあるものの、信号振幅が小さく、ジッターが大きい。このような特性を持つ理由は、帯域通過フィルター109の通過帯域は線速度制御の誤差などを勘案してある程度の幅(例えば±10%)を持たせているため、信号振幅が低く周波数帯域が広いノイズ信号は、必然的に信号振幅が小さく、ジッターが大きくなってしまうからである。
【0063】
周期測定カウンタ110に入力されている信号周波数は、データ記録トラック2が蛇行している場合には145KHzであるので、周期のカウント結果は理想的には186になる。但し、ノイズなどの影響により、実際の周期測定結果は186を中心に小さな範囲でばらつく。これは上述のように再生データクロックが線速度の変化に追従して変化することによる効果である。一方ノイズ信号の場合には、データ記録トラック2が蛇行している場合に比べるとより大きなばらつきを持った値となる。そこで本実施の形態では、このばらつきに基づいてデータ記録トラック2が蛇行しているか否かを判定し、よって光ディスク1の種別を判定する。
【0064】
図7の(a)は、最大値および最小値に基づく種別判定の基準となる範囲Rを示す図である。データ記録トラック2が蛇行していない場合の周期分布Sは、データ記録トラック2が蛇行している場合の周期分布Aに比べると大きなばらつきを持つ。よって周期分布の最大値および最小値に着目すればよい。
【0065】
演算部112は、得られた周期分布の最大値および最小値を求める。そして判定部113は、最大値および最小値が所定の範囲R内に収まるか否かを判定する。一定の範囲Rは、例えば標準カウント値186の±5%以内である。この範囲R内に収まる場合には、データ記録トラック2が145KHzで蛇行していると判断し、光ディスク1が記録可能光ディスクであると判定する。一方最大値および最小値が範囲R内に収まらない場合には、判定部113はデータ記録トラック2は蛇行していないと判断し、光ディスク1が再生専用光ディスクであると判定する。
【0066】
演算部112および判定部113は、別のパラメータに基づいても光ディスク1の種別を判定できる。まず第1の変形例として、周期分布の分散を用いて判定する例を説明する。図7の(b)は、周期分布の分散σに基づく種別判定の基準となる範囲Rを示す図である。演算部112は、数1により周期分布の分散σを求める。
【0067】
【数1】
Figure 0004167892
ここで、Nはカウントの総数、Pはその周期分布の平均値である。その結果、判定部113は、得られた分散σが所定の範囲Rに入る場合には、その分散がデータ記録トラック2が蛇行している場合の周期分布Aの分散σ であると判断し、光ディスク1が記録可能光ディスクであると判定する。一方、得られた分散σが所定の範囲Rに入らない場合には、その分散は、データ記録トラック2が蛇行していない場合の周期分布Aの分散σ であると判断し、光ディスク1が再生専用光ディスクであると判定する。範囲Rは、例えば平均値の±5%以内である。なお分散の平方根として得られる標準偏差σを用いて判定することもできる。
【0068】
これにより、周期測定データの統計処理が行われることで、ディフェクトなどによる散発的な異常周期データに対して、判別結果の信頼性を向上することができる。
【0069】
次に第2の変形例として、周期の最大値、最小値および周期の平均値に基づく判定を説明する。演算部112は周期の最大値、最小値および周期の平均値を計算した後、平均値に対する最大値と最小値の比を計算する。判定部113は、その比が所定の範囲内(例えば、0.95〜1.05)であれば、光ディスク1が記録可能光ディスクであると判定する。逆にこの範囲を超える場合には、光ディスク1が再生専用光ディスクであると判断する。これにより、線速度の誤差による周期測定データのばらつきを抑えることができ、判別結果の信頼性を向上することができる。
【0070】
続いて第3の変形例として、周期分布の分散と平均値とに基づく判定を説明する。演算部112は、数1により周期分布の分散と、周期分布の平均値とを計算し、平均値に対する分散の比を計算する。判定部113は、その比が所定の範囲内(例えば、0.95〜1.05)であれば、光ディスク1が記録可能光ディスクであると判定してもよい。逆にこの範囲を超える場合には、光ディスク1が再生専用光ディスクであると判断する。これにより、線速度の誤差による周期測定データのばらつきを抑えると共に、周期測定データの統計処理が行われることで、ディフェクトなどによる散発的な異常周期データに対して、判別結果の信頼性を向上することができる。
【0071】
最後に第4の変形例として、周期分布の標準偏差と平均値とに基づく判定を説明する。演算部112は、周期分布の標準偏差と、周期分布の平均値とを計算し、平均値に対する標準偏差の比を計算する。判定部113は、その比が所定の範囲内(例えば、0.95〜1.05)であれば、光ディスク1が記録可能光ディスクであると判定してもよい。逆にこの範囲を超える場合には、光ディスク1が再生専用光ディスクであると判断する。これにより、線速度の誤差による周期測定データのばらつきを抑えると共に、周期測定データの統計処理が行われることで、ディフェクトなどによる散発的な異常周期データに対して、判別結果の信頼性を向上することができる。
【0072】
以上、本発明の実施の形態を説明した。
実施の形態2では、標準的な再生線速度のみで光ディスク1の種別を判別した。しかし実施の形態2の再生装置600(図6)を用いて、実施の形態1で説明した判定を行ってもよい。
【0073】
より詳しくは、再生データ処理部615(図6)が再生データ信号から抽出した再生データクロックを用い、かつ、光ディスク1を標準速再生における線速度と異なる線速度で回転させ、光ディスクの物理的特性を表す信号の周波数がシフトしたか否かにより光ディスク1の種別を判定することもできる。このように組み合わせると、データ記録トラック2が蛇行している場合の周期分布は測定結果が常に186を中心とした分布になる。よって偏心や制御誤差による再生線速度のばらつきがあっても判別値を調整する必要がなく、信頼性の高い判別結果を得ることができる。判定部113の判定は、周期測定結果の最大値と最小値が一定の範囲に入る場合にデータ記録トラック2が蛇行していると判断してもよいし、周期測定結果の平均値が約186であることで判断してもよい。
【0074】
または、実施の形態2の再生装置600(図6)は、実施の形態1の変形例として説明した再生線速度の段階的変化に基づく判定を行うこともできる。図8は、再生線速度を段階的に変化させ、かつ再生データクロックを用いて周期をカウントした場合の、記録可能光ディスクの周期分布A1〜A3と再生専用光ディスクの周期分布S1〜S3とを示す図である。この例では、再生線速度を標準速から段階的にα倍、α倍、α倍したとする(1<α<α<α)。図に示すように、再生線速度の変化の前後で、記録可能光ディスクの周期分布A1〜A3はほとんど変化しない。その平均値はほぼ一定値Pである。これは再生データクロックを用いて周期をカウントするため、常にデータ記録トラック2の蛇行する周期と同期してデータ記録トラック2の周期を検出できるからである。一方再生専用光ディスクの周期分布は、変化に応じて周期分布が遷移する。周期分布の平均値は、再生線速度の変化率に比例する。具体的には、再生線速度をα倍したときは、標準速の周期分布の平均値からα倍された平均値PS1に、α倍したときはα倍された平均値PS2に、α倍したときはα倍された平均値PS3に変化する。
【0075】
よって演算部112が再生線速度の変化に応じた平均値を算出し、その結果に応じて平均値が比例して変化した場合には、判定部113は光ディスク1が再生専用光ディスクであると判定する。平均値がほぼ一定であった場合には、判定部113は光ディスク1が記録可能光ディスクであると判定する。
【0076】
上述した再生装置100(図1)および再生装置600(図6)は、例えば図3に示すフローチャートに基づく動作を規定したコンピュータプログラムに基づいて動作する。したがって本発明は、そのようなコンピュータプログラムの形態をとることができる。
【0077】
【発明の効果】
コントローラは、モーターの回転数を変化させることにより、2つの検出信号から生成したプッシュプル信号に含まれる特定信号の周期の変化に応じて、光ディスクの種別を判定する。プッシュプル信号が、記録可能光ディスクの場合にのみ検出できる蛇行成分を含んでいる場合には、モーターの回転数の変化に応じて周期測定結果が変化するので、判定閾値の設定を容易にして、信頼性の高くディスク判別を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1による再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 帯域通過フィルターの周波数特性の例を示す図である。
【図3】 実施の形態1による再生装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図4】 帯域通過フィルターにより抽出された信号の周期カウント結果を示す図である。
【図5】 (a)は、最大値および最小値に基づく種別判定の基準となる範囲を示す図である。(b)は、周期の平均値に基づく種別判定の基準となる範囲を示す図である。(c)は、再生線速度を段階的に変化させた場合の、記録可能光ディスクの周期分布と再生専用光ディスクの周期分布とを示す図である。
【図6】 実施の形態2による再生装置の構成を示すブロック図である。
【図7】 (a)は、最大値および最小値に基づく種別判定の基準となる範囲Rを示す図である。(b)は、周期分布の分散σに基づく種別判定の基準となる範囲Rを示す図である。
【図8】 再生線速度を段階的に変化させ、かつ再生データクロックを用いて周期をカウントした場合の、記録可能光ディスクの周期分布A1〜A3と再生専用光ディスクの周期分布S1〜S3とを示す図である。
【図9】 従来の再生装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 光ディスク
2 データ記録トラック
100 再生装置
103 ディスクモーター
104 光ヘッド
105 受光素子
106 移動機構
107 線速度制御部
108 プッシュプル信号生成部
109 帯域通過フィルター
110 周期測定カウンタ
111 クロック発生部
112 演算部
113 判定部
114 CPU
120 コントローラ

Claims (5)

  1. 光ディスクのトラックに記録された情報を再生するために該光ディスクの種別を判定する再生装置において、
    前記光ディスクは、前記トラックがピットで構成されている再生専用光ディスク、および、前記トラックが蛇行したグルーブで構成されている記録可能光ディスクの一方の種別に属し、
    前記光ディスクを回転させるモーターと、
    前記モーターにより回転する前記光ディスクのトラックに光ビームを照射して、前記光ディスクからの反射光に応じた2つの検出信号を出力するヘッドと、
    前記2つの検出信号の差からプッシュプル信号を生成する信号生成部と、
    前記信号生成部が生成した前記プッシュプル信号から、特定信号を抽出する帯域通過フィルタと、
    前記モーターの回転数を変化させることにより、前記帯域通過フィルタの中心周波数とは異なる周波数成分を含むプッシュプル信号が得られ、前記得られたプッシュプル信号から抽出された前記特定信号の周期の変化に応じて、前記光ディスクの種別を判定するコントローラとを備え、
    前記コントローラは、
    前記モーターの回転数を制御して前記トラックの線速度を変化させる制御部と、
    前記2つの検出信号の和から再生データ信号を生成する再生データ処理部と、
    前記再生データ処理部から出力された前記再生データ信号の周波数のクロックに基づいて、前記帯域通過フィルタにより抽出された前記特定信号の周期を出力するカウンタと、
    カウンタから出力された前記特定信号の周期が、前記線速度の変化の前後で一定である場合には前記光ディスクが記録可能光ディスクであると判定し、前記線速度の変化に応じて変化していた場合には前記光ディスクが再生専用光ディスクであると判定する判定部と
    を備えた再生装置。
  2. 前記特定信号の周期の平均値を計算する演算部をさらに備え、
    前記制御部は、前記トラックの線速度を複数回変化させ、
    前記演算部は、前記トラックの線速度の変化毎に前記特定信号の周期の平均値を計算し、
    前記判定部は、前記演算部が得た各平均値が一定である場合に、前記光ディスクが記録可能光ディスクであると判断する、請求項1に記載の再生装置。
  3. 前記特定信号の分散値および標準偏差の一方を計算する演算部をさらに備え、
    前記判定部は、前記演算部が計算した前記分散値および標準偏差の一方が所定の範囲に入っている場合に、前記光ディスクが記録可能光ディスクであると判断する、請求項1に記載の再生装置。
  4. 光ディスクのトラックに記録された情報を再生するために該光ディスクの種別を判定する再生方法において、
    前記光ディスクは、前記トラックがピットで構成されている再生専用光ディスク、および、前記トラックが蛇行したグルーブで構成されている記録可能光ディスクの一方の種別に属し、
    該方法は、
    前記光ディスクを回転させるステップと、
    回転する前記光ディスクのトラックに光ビームを照射するステップと、
    前記光ディスクからの反射光に応じた2つの検出信号を生成するステップと、
    前記2つの検出信号の差からプッシュプル信号を生成するステップと、
    前記プッシュプル信号から、特定信号を抽出するために帯域通過フィルタリングするステップと、
    前記光ディスクの回転数を制御して前記トラックの線速度を変化させるステップと、
    前記2つの検出信号の和から再生データ信号を生成するステップと、
    前記再生データ信号の周波数のクロックに基づいて、前記特定信号の周期をカウントするステップと、
    前記特定信号の周期が、前記線速度の変化の前後で一定である場合には前記光ディスクが記録可能光ディスクであると判定し、前記線速度の変化に応じて変化していた場合には前記光ディスクが再生専用光ディスクであると判定するステップと
    を含む再生方法。
  5. 光ディスクのトラックに記録された情報を再生するために該光ディスクの種別を判定する、コンピュータで実行可能なコンピュータプログラムにおいて、
    前記光ディスクは、前記トラックがピットで構成されている再生専用光ディスク、および、前記トラックが蛇行したグルーブで構成されている記録可能光ディスクの一方の種別に属し、
    該コンピュータプログラムは、
    前記光ディスクを回転させるステップと、
    回転する前記光ディスクのトラックに光ビームを照射するステップと、
    前記光ディスクからの反射光に応じた2つの検出信号を生成するステップと、
    前記2つの検出信号の差からプッシュプル信号を生成するステップと、
    前記プッシュプル信号から、特定信号を抽出するために帯域通過フィルタリングするステップと、
    前記光ディスクの回転数を制御して前記トラックの線速度を変化させるステップと、
    前記2つの検出信号の和から再生データ信号を生成するステップと、
    前記再生データ信号の周波数のクロックに基づいて、前記特定信号の周期をカウントするステップと、
    前記特定信号の周期が、前記線速度の変化の前後で一定である場合には前記光ディスクが記録可能光ディスクであると判定し、前記線速度の変化に応じて変化していた場合には前記光ディスクが再生専用光ディスクであると判定するステップと
    を含む、コンピュータで実行可能なコンピュータプログラム。
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