JP4167487B2 - 内燃機関のノック検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のノック検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、内燃機関としてのエンジンで発生するノック波形の周波数(ノック周波数)は、エンジン毎に異なり、シリンダのボア径で決まる。そのため、筒内圧センサの出力或いはブロック振動センサの出力からノック波形を抽出するのにバンドパスフィルタ等のフィルタを使う方法が主流である。
【0003】
このような方法でノック(ノッキング)を検出するノック検出装置として、筒内圧センサの出力信号から所定のノック周波数帯域(12〜14KHz程度)の振動成分をフィルタにより抽出するものが知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
実公平4−5734号公報。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記前者の従来技術では、各気筒の筒内圧センサの出力信号から所定のノック周波数帯域の信号成分をバンドパスフィルタ等のフィルタにより抽出するので、エンジン毎にノック周波数を事前に特定し、その周波数に応じたフィルタ中心波長をもつバンドパスフィルタを選定する必要がある。このようなノック周波数の特定とバンドパスフィルタの選定は、人間が行なう必要があるとともに、内燃機関の点火時期、燃料増量値、VVT進角等の自動適合をする際に必須となるノックの自動検出を実現できない。
【0006】
これと同様な問題は、エンジンのシリンダブロックに直接取り付けるブロック振動センサでノックを検出するノック検出装置においても発生する。すなわち、このノック検出装置では、機械ノイズ等のノック以外の振動成分とノックによる振動発生成分とを分離しなければならない。このため、事前に、ノック周波数の選定と、その周波数に応じたフィルタ中心波長をもつバンドパスフィルタの設定と、センサ出力と比較されるノック判定のしきい値の設定とを行なう必要がある。なぜなら、ブロック振動センサでは、シリンダブロックに伝わるあらゆる振動を拾ってしまうため、ノック振動のみを分離する必要があるが、ノック周波数はエンジン毎に異なるとともに、機械ノイズの発生周波数も異なるからである。ところで、ノック周波数に応じたバンドパスフィルタの設定やしきい値の設定をする際には、まずはそのエンジンで実際に聴覚で聞えるノックを発生させて、その時のセンサ出力のFFT解析によりノック共振周波数がどこに有るのかを特定する必要がある。しかし、ノック共振周波数には機械ノイズ周波数のピークが重なることも有り得るため、必ずしもS/Nが良いとは限らない。したがって、ノック判定のためのしきい値も一義的には決まらず、エンジン毎の適合が必要となる。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その目的は、ノック周波数の選定やノック判定のしきい値の設定をエンジン毎に事前に行わずにノックの自動検出を可能にした内燃機関のノック検出装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に係る発明は、内燃機関の各気筒の筒内圧センサ出力を高周波サンプリングした筒内圧データに基づき、各筒内圧センサ出力に含まれる振動成分の振幅相当量と、該振幅相当量の最大値或いは積分値とを気筒毎およびサイクル毎に算出するように構成された内燃機関のノック検出装置であって、前記最大値或いは積分値の任意サイクル分の加算平均値に基づきしきい値を算出するしきい値算出手段と、前記最大値或いは積分値と前記しきい値との比較により各サイクルにおいてノックがあるか否かを判断するノック判定を行なうノック判定手段とを備え、前記しきい値算出手段は前記任意サイクルのうち前記ノック判定手段によってノック無しと判断されたサイクルだけの前記最大値或いは積分値の加算平均値に基づき前記しきい値を再計算し、前記ノック判定手段は前記ノック無しと判断されたサイクルの前記ノック判定を前記しきい値算出手段を通じて再計算された前記しきい値に基づき前記ノック判定手段を通じて再度行うことを要旨とする。
【0009】
この構成によれば、各筒内圧センサ出力に含まれる振動成分の振幅相当量の最大値或いは積分値の任意サイクル分の加算平均値に基づきノック判定のしきい値が算出される。したがって、ノック周波数の選定やノック判定のしきい値の設定をエンジン毎に事前に行わずにノックを自動検出することができる。
またこの構成によれば、任意サイクルのうちノック無しと判定されたサイクルだけの振幅相当量の最大値或いは積分値の加算平均値と標準偏差よりしきい値を再計算する。そして、ノック無しと判定されたサイクルのノック判定を再計算したしきい値に基づき再度行なう。このため、各筒内圧センサ出力を高周波サンプリングした任意サイクル内に、ノック強度の強いサイクルが頻度大で含まれているためにしきい値が高くなっている場合でも、小レベルのノックを検出できる。
このため、上記自動適合用ノック自動検出装置に適用する場合、必ずノックが発生していない遅角側の点火時期で任意サイクル運転してしきい値を計算し、その後徐々に進角させた任意サイクル運転を何回か繰り返し、該各運転でしきい値を計算し直しながらノックを検出する点火時期設定方法を採る必要がない。これにより、自動適合時の点火時期設定方法が制限されず、適合時間が短縮される。
したがって、自動適合用ノック自動検出装置に適用する場合、ノック検出性を向上させることができ、自動適合時の点火時期設定方法が制限されることがなく、また、適合時間を短縮することができる。
一方、ノック制御装置に適用する場合、車両走行時においてノックのしきい値を随時更新することが可能になり、最適な点火時期を常に設定することができる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関のノック検出装置において、前記ノック判定手段は前記ノック判定を気筒毎およびサイクル毎に行うことを要旨とする。
【0011】
この構成によれば、ノック判定を気筒毎およびサイクル毎に行うことができる。つまり、気筒毎およびサイクル毎に「ノック」か「ノイズ」の判定結果が得られる。例えば、1気筒の4サイクル目が「ノック」であるという判定結果が得られる。このような判定結果が得られるので、内燃機関の点火時期、燃料増量値、VVT進角等を自動適合する自動適合用ノック自動検出装置に適用する場合、きめの細かい自動適合が可能になる。
【0012】
一方、内燃機関の運転状態を制御する電子制御装置に組み込んでノック判定結果に基づき点火時期等を制御するノック制御装置に適用する場合、気筒毎およびサイクル毎のノック判定結果に基づき点火時期等をきめ細かく制御することができる。
【0017】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の内燃機関のノック検出装置において、前記しきい値は、前記最大値或いは積分値の任意サイクル分の加算平均値とその標準偏差を整数倍した値との加算値であることを要旨とする。
【0018】
この構成によれば、前記筒内圧データを任意サイクル例えば100サイクル分取ると、振幅相当量の最大値或いは積分値の100サイクル分の加算平均値および標準偏差は、その取った筒内圧データから自動的に求まってしまう。すなわち、ノック判定のためのしきい値は、内燃機関毎に固有の値を設定する必要が無く、そのしきい値を自動で設定することができる。また、そのしきい値は、前記最大値或いは積分値の任意サイクル分の加算平均値だけでなく、その標準偏差を整数倍した値を加味して求められるので、そのしきい値を任意サイクルでの最大値或いは積分値のばらつきに応じて設定することができる。
【0019】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関のノック検出装置において、前記しきい値算出手段は、前記再計算したしきい値の今回値がその前回値と同じになるまで同しきい値の計算を繰り返し、前記ノック判定手段は前記再計算したしきい値の今回値がその前回値と同じになるまでノック無しと判定されたサイクルに対するノック判定を繰り返すことを要旨とする。
【0020】
この構成によれば、再計算したしきい値の今回値がその前回値と同じになるまで、ノック無しと判定されたサイクルに対するノック判定を繰り返すことにより、しきい値が徐々に下がっていく。これにより、そのしきい値は、ノックの発生しない遅角側から徐々に進角させることでノックを検出する場合のしきい値に収束していく。このため、自動適合用ノック自動検出装置に適用する場合、上述した点火時期設定方法を採る場合と同様のノック判定結果を短時間で得ることができる。
【0021】
請求項5に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関のノック検出装置において、前記しきい値算出手段は、点火時期を遅角側の値に設定して内燃機関を任意サイクル運転したときに得られる前記最大値或いは積分値の任意サイクル分の加算平均値に基づきしきい値を算出し、この算出後、前記ノック判定手段は、点火時期を前記遅角側の値から進角させて内燃機関をさらに任意サイクル運転したときに得られる前記最大値或いは積分値と前記遅角側でのしきい値との比較により気筒毎およびサイクル毎にノック判定を行い、このノック判定後、前記しきい値算出手段は、任意サイクルのうち前記遅角側のしきい値に基づくノック判定によりノック無しと判定されたサイクルだけの前記最大値或いは積分値の加算平均値に基づきしきい値を再計算し、前記ノック判定手段は、前記再計算したしきい値に基づきノック無しと判定されたサイクルのノック判定を再度行なうことを要旨とする。
【0022】
この構成によれば、再計算したしきい値に基づきノック無しと判定された全てのノイズサイクルのノック判定を一度だけ行ない、これらのノイズサイクルについて「ノック」か「ノイズ」の最終的なノック判定を確定する。このため、自動適合用ノック自動検出装置に適用する場合、気筒毎およびサイクル毎のノック判定結果を短時間で得ることができ、適合時間を短縮することができる。また、遅角側でのしきい値と再計算したしきい値は値が異なるが、一度ノック無しと判定された全てのノイズサイクルに対して再度ノック判定をするので、ノック誤判定を回避できる。
【0023】
請求項6に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関のノック検出装置において、前記しきい値算出手段は、筒内圧最大位置以前の所定のクランク角範囲を含む第1区間での前記最大値或いは積分値の任意サイクル分の加算平均値に基づきしきい値を算出し、前記ノック判定手段は、筒内圧最大位置以降の所定のクランク角範囲を含む第2区間での前記最大値或いは積分値と前記しきい値との比較により気筒毎およびサイクル毎にノック判定を行ない、この判定後、前記しきい値算出手段は、任意サイクルのうちノック判定によりノック無しと判定されたサイクルだけの前記第2区間での前記最大値或いは積分値の加算平均値に基づきしきい値を再計算し、前記ノック判定手段は、前記再計算したしきい値に基づきノック無しと判定されたサイクルのノック判定を再度行なうことを要旨とする。
【0024】
この構成によれば、再計算したしきい値に基づきノック無しと判定された全てのノイズサイクルのノック判定を一度だけ行ない、これらのノイズサイクルについて「ノック」か「ノイズ」の最終的なノック判定を確定する。このため、自動適合用ノック自動検出装置に適用する場合、気筒毎およびサイクル毎のノック判定結果を短時間で得ることができる。また、第1区間でのデータから求めたしきい値と、第2区間でのデータから求めたしきい値とは値が異なるが、一度ノック無しと判定された全てのノイズサイクルに対して再度ノック判定をするので、ノック誤判定を回避できる。
【0025】
請求項7に係る発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関のノック検出装置において、前記各気筒の筒内圧センサ出力を高周波サンプリングするとともに、前記しきい値算出手段および前記ノック判定手段の機能を有するノック検出手段が前記内燃機関の運転状態を制御する電子制御装置に実装され、該電子制御装置は、前記ノック検出手段から送られる前記ノック判定の結果に基づき点火時期等の前記運転状態の制御を実行することを要旨とする。
【0026】
この構成によれば、車両走行時においてノックのしきい値を随時更新することが可能になり、最適な点火時期を常に設定することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る内燃機関のノック検出装置を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
[ 第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る自動適合用ノック自動検出装置の全体構成を模式的に示している。この自動適合用ノック自動検出装置は、エンジンの点火時期、燃料増量値、VVT進角等を自動適合化するための装置であり、筒内圧を利用してノックを自動検出するものである。ここにいう「VVT」とは、エンジン21の吸気カムシャフト(図示略)のクランクシャフト(図示略)に対する相対角を連続的に変化させるための可変バルブタイミング機構をいう。
【0029】
エンジン21には、クランク角センサ22および筒内圧センサ24が取り付けられている。筒内圧センサ24は、4気筒エンジン21の各気筒に設けられている。クランク角センサ22は、クランクシャフトの1回転につき所定角度毎(例えば15度毎)にパルス状の信号(クランク角信号)を出力する。このクランク角信号は、各気筒の圧縮上死点位置TDCを算出するのに用いられる。そして、各筒内圧センサ24は、気筒毎の筒内圧(燃焼圧)をそれぞれ検出し、筒内圧信号を出力する。図9は、各気筒の筒内圧センサ24の出力(筒内圧センサ出力)が表す1/2サイクル分の筒内圧波形(指圧線)を示している。この指圧線には、筒内圧が筒内圧最大値Pmaxとなる位置付近(破線65で囲んだ領域)に、ノック波形が含まれている。
【0030】
自動適合用ノック自動検出装置(以下、単に「ノック自動検出装置」という。)は、増幅回路25と、高速データ収録手段としての高速データロガー26と、筒内圧解析用パソコン(パーソナルコンピュータ)27とを備える。増幅回路25は、4つの筒内圧センサ24からそれぞれ出力される筒内圧センサ出力を増幅して高速データロガー26に出力する。
【0031】
高速データロガー26は、増幅回路25により増幅された各筒内圧センサ出力を高周波サンプリングして、気筒毎およびサイクル毎に単位期間毎の筒内圧データPdata[i]を収録する。なお、高速データロガー26による高周波サンプリングは、時間ベースまたはクランク角ベースのいずれでも良い。本実施形態では、高速データロガー26は、各筒内圧センサ出力(各気筒の筒内圧波形)に含まれるノック波形(振動周波数が12〜14KHz程度の振動成分)を精度良く解析して抽出するのに十分高い周波数、例えば200KHzで各気筒の筒内圧センサ出力をサンプリングする。
【0032】
また、高速データロガー26には、各筒内圧センサ出力の他に、クランク角センサ22から出力されるクランク角信号が入力されている。これにより、高速データロガー26は、デジタル信号に変換したクランク角信号と、各気筒の筒内圧データPdata[i]とを同期して筒内圧解析用パソコン27へ出力するようになっている。
【0033】
また、筒内圧解析用パソコン27は、高速データロガー26にデータ計測指示を与えて、同データロガーから各気筒の筒内圧データPdata[i]およびクランク角信号のデータを任意サイクル分(例えば、100サイクル分)一括して取り込むようになっている。
【0034】
また、筒内圧解析用パソコン27には、「ノック判定処理」用のプログラムが組み込まれている。このノック判定処理では、各気筒の筒内圧データとクランク角信号とに基づき、各筒内圧センサ出力に含まれるノック波形等の振動成分の振幅相当量Amp[i](図10に示す振動波形)を気筒毎およびサイクル毎に算出し、ノック判定を行なう。
【0035】
次に、この「ノック判定処理」について図2〜図14を参照して説明する。
まず、図2に示すフローチャートのステップS10で、エンジン21の運転状態を定常状態に設定し、所定の運転条件および所定の点火時期にてエンジン21を運転する。つまり、エンジン21を、エンジン回転数、吸入空気量および空燃比をそれぞれ一定に設定するとともに、点火時期を一定値に設定して運転する。
【0036】
次に、ステップS100に進み、高速データロガー26により気筒毎にそれぞれ収録された筒内圧データPdata[i]とクランク角信号を、上記任意サイクル分取り込む。ここで、高速データロガー26による1サイクル当たりの筒内圧データのサンプリングデータ数をsizeとすると、筒内圧データPdata[i]は、i=0(吸気工程下死点付近の基準点で、クランク角0度)〜i=size(クランク角720度)である。また、筒内圧解析用パソコン27は、取り込んだクランク角信号に基づき、各気筒の圧縮上死点位置TDCを算出する。
【0037】
次に、ステップS200に進み、ステップS100で取り込んだ各気筒の筒内圧データに基づき、気筒毎およびサイクル毎に筒内圧最大値Pmaxとその位置imax(図9参照)を算出する。このステップS200が最大値算出手段に相当する。
【0038】
次に、ステップS300に進み、気筒毎およびサイクル毎に、筒内圧波形(指圧線)の形から点火時期の大遅角状態を検出する。具体的には、気筒毎およびサイクル毎に、ステップS200で算出した筒内圧最大値Pmaxと圧縮上死点位置での筒内圧P[i=TDC]との差が所定のしきい値を超えているか否かを判定する。その差がしきい値を超えている場合には大遅角状態ではないと判定されてステップS400に進み、その差がしきい値以下の場合には、大遅角状態であると判定されてステップS310に進み、分析を終了する。
【0039】
大遅角状態ではないと判定されてステップS400に進むと、筒内圧データに基づき気筒毎およびサイクル毎に筒内圧最小値Pminとその位置iminを算出する。
【0040】
次に、ステップS500に進み、気筒毎およびサイクル毎に指圧線全体の変曲点の数を算出する。ここにいう、「指圧線全体」とは、1サイクルの指圧線をいう。このステップS500では、図4に示すように、ステップS400で算出した筒内圧最小値PminとステップS100で算出した圧縮上死点位置での筒内圧P[i=TDC]を比較し、両者が等しい場合には指圧線全体の変曲点が1つであると判定し、そうでない場合には変曲点が3つであると判定する。つまり、筒内圧が圧縮上死点位置TDCの前後で上昇し続けて筒内圧最大値Pmaxに達し、この位置imaxから筒内圧が下降し続ける場合には、指圧線全体の変曲点が1つであると判定される。この判定がなされると、ステップS510に進み、1つの変曲点の位置をimaxとして設定する。
【0041】
一方、圧縮上死点位置TDCの近傍に極大値を持つ場合には、指圧線全体の変曲点が3つであると判定される。この判定がなされると、ステップS520に進み、3つの変曲点の位置をそれぞれTDC、iminおよびimaxとして設定する。なお、指圧線の圧縮上死点位置TDC近傍に極大値(変曲点)ができる場合には、その変曲点はTDCの近傍にできるので、TDCをその変曲点に代えて1つの変曲点に設定している。これにより、圧縮上死点位置TDC近傍の変曲点を算出する処理を省略でき、処理速度を早くすることができる。
【0042】
こうして気筒毎およびサイクル毎に指圧線全体の変曲点の数を算出した後、図2のステップS600に進む。このステップS600では、気筒毎およびサイクル毎に、筒内圧データPdata[i]に基づき筒内圧波形(指圧線)に含まれる振動波形を抽出し、その振動成分の振幅相当量Amp[i](図10参照)を算出する。
【0043】
次に、変曲点の数が1と判定された場合にステップS600で実行される振幅相当量Amp[i]の計算処理を図5および図6に基づいて説明する。上記ステップS500で変曲点が1つと判定された場合、気筒毎およびサイクル毎に、筒内圧Pの上昇中(0<i<imax)と、筒内圧Pの下降中(imax<i<size)とに分けて振幅相当量Amp[i]を計算する。
【0044】
まず、筒内圧データPdata[i]のデータ数iが0〜imaxまでの筒内圧上昇中(0<i<imax)、すなわち図9で筒内圧PがPmaxに達するまでのクランク角区間では、上記ステップS510から図5のステップS610に進み、同図に示す計算処理を実行する。
【0045】
このステップS610は、データ数iが0〜imaxまでのクランク角区間で計算処理がなされるように、ゲートをかけている。すなわち、このステップS610では、最初にiを0に設定し、iがimaxになるまでの間、ステップS614以下の処理を繰り返しつつ、データ数iを1ずつインクリメント(i←i+1)する。
【0046】
iがimaxになるまでの間はステップS610の判定結果はYESになり、ステップS614に進む。このステップS614では、筒内圧データの単位期間当たりの変化量DLP[i](DLP[i]=Pdata[i]−Pdata[i−1])を算出し、DLP[i]が負または0であるか否かを判定する。DLP[i]が正の場合、すなわち筒内圧データの今回値Pdata[i]がその前回値Pdata[i−1]より大きい場合、ステップS614の判定結果はNOになり、ステップS616に進み、振幅相当量Amp[i]およびt-ampを共に0に設定する。
【0047】
この後、ステップS610に戻り、筒内圧データのデータ数iを1だけインクリメントし(i←i+1)、iがimaxより小さいか否かを判定する。i<imaxでかつDLP[i]が正の間は、ステップS610の判定結果はYESでかつステップS614の判定結果はNOであるので、ステップS610,S614およびS616が繰り返し実行される。その間、ステップS610でデータ数iが1ずつインクリメントされていくとともに、Amp[i]およびt-ampは共に0のままに維持される。
【0048】
こうして、ステップS610,S614およびS616が繰り返される間に、図13の区間90のように筒内圧が低下すると、筒内圧データの今回値DLP[i]がその前回値Pdata[i−1]より小さくなり、DLP[i]が負になるので、ステップS614からステップS618に進む。
【0049】
このステップS618では、t-ampとDLP[i]の加算値をt-ampとして設定する。このとき、t-ampは上記ステップS616で0に設定されているので、このステップS618で設定されるt-ampはDLP[i]に等しい。
【0050】
この後、ステップS620に進み、筒内圧データの今回値と次回値の変化量DLP[i+1](DLP[i+1]=Pdata[i+1]−Pdata[i])が正であるか否かを判定する。図13の区間90で示すようにその変化量DLP[i+1]が負の場合には、ステップS622に進み、振幅相当量Amp[i]を0に維持する。
【0051】
この後、ステップS610に戻り、ステップS614に進む。このとき、ステップS614では、前回算出した変化量DLP[i]よりデータ数が1つ増えたデータ数iの筒内圧データ(今回値)とその前回値の変化量DLP[i]を算出し、その変化量が負または0であるか否かについて判定する。つまり、図13の区間90で、DLP[i+1]が負または0であるか否かを判定する。DLP[i+1]は負であるので、ステップS614の判定結果はYESになり、ステップS618に進む。このとき、t-amp=DLP[i]であるので、ステップS618で設定されるt-ampはDLP[i]にDLP[i+1]を加算した値に設定される。
【0052】
この後、ステップS620に進み、筒内圧データの今回値と次回値の変化量DLP[i+1]が正であるか否かを判定する。ここでは、図13の場合でいうと、その今回値に相当する区間90のi+1位置の筒内圧と、その次回値であるi+2位置の筒内圧の変化量が正であるか否かを判定する。同図の場合、筒内圧はi+1位置からi+2位置の間で上昇に転じているので、ステップS620の判定結果がYESになり、ステップS624に進む。
【0053】
このステップS624では、ステップS618で設定したt-amp(負の値)の絶対値を振幅相当量Amp[i]として設定する。こうして、筒内圧上昇中には(データ数iが0〜imaxまでのクランク角区間では)、図13の区間90、91、92のように筒内圧データの変化量DLP[i]が負である各区間内での同変化量の総和の絶対値を振幅相当量Amp[i]として算出する。
【0054】
そして、データ数iがimaxに達すると、ステップS610の判定結果がNOになるので、ステップS612に進み、図5の計算処理を終了する。また、i=imaxの位置では、変化量DLP[i]は0に設定される。
【0055】
次に、変曲点が1つと判定された場合、気筒毎およびサイクル毎に、筒内圧Pの下降中(imax<i<size)に、図6の計算処理が実行される。筒内圧データPdata[i]のデータ数iがimax〜sizeまでの筒内圧下降中、すなわち図9で筒内圧PがPmaxから低下し続けるクランク角区間では、上記ステップS510から図6のステップS630に進み、図6に示す計算処理を実行する。
【0056】
このステップS630は、データ数iがimax〜sizeまでのクランク角区間で計算処理がなされるように、ゲートをかけている。すなわち、このステップS630では、最初にiをimax+1に設定し、iがsizeになるまでの間、ステップS634以下の処理を繰り返しつつ、データ数iを1ずつインクリメント(i←i+1)する。
【0057】
iがsizeになるまでの間はステップS630の判定結果はYESになり、ステップS634に進む。このステップS634では、筒内圧データの単位期間当たりの変化量DLP[i]を算出し、DLP[i]が正または0であるか否かを判定する。DLP[i]が負の場合、ステップS634の判定結果はNOになり、ステップS636に進み、振幅相当量Amp[i]およびt-ampを共に0に設定する。
【0058】
この後、ステップS630に戻り、筒内圧データのデータ数iを1だけインクリメントし(i←i+1)、iがsizeより小さいか否かを判定する。i<sizeでかつDLP[i]が負の間は、ステップS630の判定結果はYESでかつステップS634の判定結果はNOであるので、ステップS630,S634およびS636が繰り返し実行される。その間、ステップS630でデータ数iが1ずつインクリメントされていくとともに、Amp[i]およびt-ampは共に0のままに維持される。
【0059】
こうして、ステップS630,S634およびS636が繰り返される間に、図14の区間95のように筒内圧が上昇すると、筒内圧データの今回値Pdata[i]がその前回値Pdata[i−1]より大きくなり、DLP[i]が正になるので、ステップS634からステップS638に進む。
【0060】
このステップS638では、t-ampとDLP[i]の加算値をt-ampとして設定する。このとき、t-ampは上記ステップS636で0に設定されているので、このステップS638で設定されるt-ampはDLP[i]に等しい。
【0061】
この後、ステップS640に進み、筒内圧データの今回値と次回値の変化量DLP[i+1](DLP[i+1]=Pdata[i+1]−Pdata[i])が負であるか否かを判定する。図14の区間95で示すようにその変化量DLP[i+1]が正の場合には、ステップS642に進み、振幅相当量Amp[i]を0に維持する。
【0062】
この後、ステップS630に戻り、ステップS634に進む。このとき、ステップS634では、前回算出した変化量DLP[i]よりデータ数が1つ増えたデータ数iの筒内圧データ(今回値)とその前回値の変化量DLP[i]を算出し、その変化量が正または0であるか否かについて判定する。つまり、図14の区間95で、DLP[i+1]が正または0であるか否かを判定する。DLP[i+1]は正であるので、ステップS634の判定結果はYESになり、ステップS638に進む。このとき、t-amp=DLP[i]であるので、ステップS638で設定されるt-ampはDLP[i]にDLP[i+1]を加算した値に設定される。
【0063】
この後、ステップS640に進み、筒内圧データの今回値と次回値の変化量DLP[i+1]が負であるか否かを判定する。ここでは、図14の場合でいうと、その今回値に相当する区間95のi+1位置の筒内圧と、その次回値であるi+2位置の筒内圧の変化量が負であるか否かを判定する。同図の場合、筒内圧はi+1位置からi+2位置の間で下降に転じているので、ステップS640の判定結果がYESになり、ステップS644に進む。
【0064】
このステップS644では、ステップS638で設定したt-amp( 正の値)を振幅相当量Amp[i]として設定する。こうして、筒内圧下降中には(データ数iがi〜sizeまでのクランク角区間では)、図14の区間94、95、96のように筒内圧データの変化量DLP[i]が正である各区間内での同変化量の総和を振幅相当量Amp[i]として算出する。そして、データ数iがsizeに達すると、ステップS630の判定結果がNOになるので、ステップS632に進み、図6の計算処理を終了する。
【0065】
このようにして、指圧線全体の変曲点が1つの場合、気筒毎およびサイクル毎に、筒内圧データPdata[i]に基づき筒内圧波形(指圧線)に含まれる振動波形を抽出し、その振動成分の振幅相当量Amp[i]を算出することができる。こうして気筒毎およびサイクル毎に算出される振幅相当量Amp[i]を、図10で示してある。
【0066】
次に、上記ステップS500で変曲点の数が3と判定された場合に、ステップS600で実行される振幅相当量Amp[i]の計算処理について説明する。
(1)まず、筒内圧P上昇中のクランク角区間(0<i<TDC)では、気筒毎およびサイクル毎に、筒内圧データの変化量DLP[i]が負である各区間内での同変化量の総和の絶対値を振幅相当量Amp[i]として算出する。
【0067】
(2)次に、圧縮上死点位置(i=TDC)では、振幅相当量Amp[i]を0に設定する。
(3)次に、筒内圧P下降中のクランク角区間(TDC<i<imin)では、気筒毎およびサイクル毎に、筒内圧データの変化量DLP[i]が正である各区間内での同変化量の総和を振幅相当量Amp[i]として算出する。
【0068】
(4)次に、筒内圧最小値Pminの位置(i=imin)では、振幅相当量Amp[i]を0に設定する。
(5)次に、筒内圧P上昇中のクランク角区間(imin<i<imax)では、気筒毎およびサイクル毎に、筒内圧データの変化量DLP[i]が負である各区間内での同変化量の総和の絶対値を振幅相当量Amp[i]として算出する。
【0069】
(6)次に、筒内圧最大値Pmaxの位置(i=imax)では、振幅相当量Amp[i]を0に設定する。
(7)そして、筒内圧P下降中のクランク角区間(imax<i<size)では、気筒毎およびサイクル毎に、筒内圧データの変化量DLP[i]が正である各区間内での同変化量の総和を振幅相当量Amp[i]として算出する。
【0070】
このようにして、指圧線全体の変曲点が3つの場合、気筒毎およびサイクル毎に、筒内圧データPdata[i]に基づき筒内圧波形(指圧線)に含まれる振動波形を抽出し、図10で示すその振動成分の振幅相当量Amp[i]を算出することができる。上記ステップS600が振動成分抽出手段に相当する。
【0071】
このようにして上記ステップS600で振幅相当量Amp[i]を計算した後、図2のステップS700に進む。このステップS700では、気筒毎およびサイクル毎に、1サイクル中の第1ゲート区間(図11参照)内での振幅相当量Amp[i]の最大値Ampmaxを算出する。その第1ゲート区間は、図9で示すように、上記ステップS200で算出したimax前後のα+βのクランク角区間(図9参照)である。
【0072】
ステップS700の処理を図7のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS710では、データ数iがimax−αからimax−βまでの第1ゲート区間で計算処理がなされるように、ゲートをかけている。すなわち、このステップS710では、最初にiをimax−αに設定し、iがimax−βになるまでの間、ステップS710、S720およびS730の処理を繰り返しつつ、データ数iを1ずつインクリメント(i←i+1)する。
【0073】
iがimax−βになるまでの間はステップS710の判定結果はYESになり、ステップS720に進む。このステップS720では、振幅相当量Amp[i]の今回値が最大値Ampmaxを超えているか否かを判定する。その今回値がAmpmax以下の場合には、ステップS710に戻る。一方、その今回値がAmpmaxを超えている場合には、ステップS730に進み、振幅相当量Amp[i]の今回値をAmpmaxとして設定する。この後、ステップS710に戻る。
【0074】
こうして、データ数iがimax−αからimax−βまでの第1ゲート区間において、振幅相当量Amp[i]の今回値が最大値Ampmaxを超える度にその今回値でAmpmaxを更新していくことで、第1ゲート区間内での最大値Ampmaxを算出する。なお、上記ステップS700が、振幅最大値算出手段に相当する。
【0075】
この後、図2のステップS800に進み、気筒毎に、しきい値1としきい値2を設定する(図11参照)。このステップS800では、ステップS700で算出した最大値Ampmaxの任意サイクル(例えば100サイクル)分の加算平均値と、その標準偏差σを3倍した値との加算値(任意サイクル平均値+3σ)をしきい値1として算出する。また、最大値Ampmaxの任意サイクル分の加算平均値(任意サイクル平均値)をしきい値2として算出する。なお、このステップS800が、しきい値算出手段に相当する。
【0076】
この後、図3のステップS900に進み、気筒毎およびサイクル毎にノック判定を行なう。このステップS900では、上記ステップS700で算出した振幅相当量Amp[i]の最大値Ampmaxと、振動成分の繰り返し性の有無とに基づき、気筒毎およびサイクル毎にノック判定を行なう。
【0077】
ステップS900の処理(「ノックORノイズ判定処理」)を図8のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS910では、ステップS700で算出した振幅相当量Amp[i]の最大値AmpmaxがステップS800で設定したしきい値1を超えているか否かについて判定する。この判定結果がNOの場合、すなわち最大値Ampmaxがしきい値1以下の場合、ステップS960に進み、「ノイズ」と判定される。こうして、気筒毎に最大値Ampmaxがしきい値1以下のサイクルについては、「ノイズ」と判定される。
【0078】
また、ステップS910の判定結果がYESの場合、すなわち最大値Ampmaxがしきい値1を超えている場合には、振動が大きくノックである可能性が高いので、次のステップ920に進む。このステップS920では、データ数iが最大値Ampmaxの位置であるiampmaxからiampmax+γまでの第2ゲート区間(図11参照)で計算処理がなされるように、ゲートをかけている。すなわち、このステップS920では、最初にiをiampmaxに設定し、iがiampmax+γになるまでの間、ステップS920〜S970の処理を繰り返しつつ、データ数iを1ずつインクリメント(i←i+1)する。
【0079】
iがiampmax+γになるまでの間はステップS920の判定結果はYESになり、ステップS930に進む。このステップS930では、振幅相当量Amp[i]の今回値がステップS800で設定したしきい値2を超えているか否かを判定する。この判定結果がNOの場合にはステップS920に戻る。一方、その判定結果がYESの場合にはステップS940に進む。
【0080】
このステップS940では、振幅相当量Amp[i]がしきい値2を超える回数である振幅繰り返し数Nを1だけインクリメントする。なお、ステップS940では、iampmaxでの最大値Ampmaxを含めて振幅繰り返し数Nをカウントする。つまり、図8の処理が開始されたときのiampmaxの位置で、ステップS940において振幅繰り返し数Nが1に設定されるようになっている。この後、ステップS920に戻る。
【0081】
こうしてiがiampmax+γになるまでの第2ゲート区間内に、最大値Ampmaxを含めて振幅相当量Amp[i]がしきい値2を超えた振幅繰り返し数Nをカウントする。
【0082】
そして、iがiampmax+γになると、ステップS920の判定結果がNOになり、ステップS950に進む。このステップS950では、ステップS940で設定した振幅繰り返し数Nがしきい値3を超えているか否かを判定する。
【0083】
振幅繰り返し数Nがしきい値3以下の場合には、ステップS950の判定結果がNOになり、上記ステップS960に進み、「ノイズ」と判定される。すなわち、ノック無しサイクルであるノイズサイクルと判定される。一方、振幅繰り返し数Nがしきい値3を超えている場合には、ステップS950の判定結果がYESになり、ステップS970に進み、「ノック」と判定される。すなわち、ノック有りサイクルであるノックサイクルと判定される。
【0084】
このようにして、気筒毎に、次の2つの条件が成立したサイクルについては、「ノック」と判定される(ステップS970)。(条件1)図11で示すように、第1ゲート区間内での最大値Ampmaxがしきい値1を超えている(ステップS910でYES)。(条件2)第2ゲート区間内での振幅繰り返し数Nがしきい値3を超えている(ステップS950でYES)。すなわち、振動成分の繰り返し性が有ると判定される。
【0085】
これに対して、最大値Ampmaxがしきい値1以下(ステップS910でNO)となる各気筒のサイクル、或いは振幅繰り返し数Nがしきい値3以下(ステップS950でNO)となる各気筒のサイクルは、いずれもノック無し、すなわち「ノイズ」(ノイズサイクル)と判定される。なお、上記ステップS900が、ノック判定手段に相当する。
【0086】
そして、図3に示す上記ステップS960に進み、「ノイズ」と判定された場合には、図3のステップS1000に進む。このステップS1000では、図2の上記ステップS800で算出したしきい値1,しきい値2を再計算する。すなわち、任意サイクルのうちステップS900でノック無しと判定されたノイズサイクルだけの最大値Ampmaxの加算平均値と、その標準偏差σを3倍した値との加算値(「ノイズ」サイクルのAmpmaxの平均値+3σ)をしきい値1として算出する。また、ノイズサイクルだけの最大値Ampmaxの加算平均値(ノイズサイクルのAmpmaxの平均値)をしきい値2として算出する。このステップS1000も、しきい値設定手段に相当する。
【0087】
この後、ステップS1100に進み、しきい値の収束判定を行なう。すなわち、ステップS1000で再計算したしきい値2の今回値が前回のしきい値2(しきい値2の前回値)と同じになったか否かを判定する。しきい値2の今回値がその前回値と同じになるまでは、ステップS900、S960およびS1000が繰り返されて値の大きな最大値Ampmaxが徐々に除外されるので、しきい値1,しきい値2がそれぞれ徐々に下がっていく(図12参照)。また、その間にステップS900の判定結果がYESになる場合には、ステップS970に進み「ノック」と判定される。こうして、しきい値2の今回値がその前回値と同じになるまでは、「ノック」と判定されるサイクルを除外しながら(図12参照)、ノック無しと判定されたノイズサイクルだけの最大値Ampmaxの加算平均値とその標準偏差σとに基づき両しきい値1,2が再計算される。
【0088】
そして、しきい値2の今回値がその前回値と同じになり、ステップS1100の判定結果がYESになると、ステップS1200に進み、ステップS900〜S1100の繰り返し判定を終了する。これにより、気筒毎およびサイクル毎に「ノック」か「ノイズ」の判定結果(k,cycle)=「ノック」OR「ノイズ」が得られる。ここで、kは気筒番号であり、cycleはサイクル番号である。例えば、1気筒の4サイクル目が「ノック」の場合には、(1,4)=「ノック」という判定結果が得られる。
【0089】
こうして、ステップS1100の判定結果がYESになった時点でノック無しと判定されていたサイクルが最終的にノイズサイクルとなり、それ以外のサイクルは「ノック」となる。この後、図2及び図3に示すノック判定処理が終了する。
【0090】
以上のように構成された第1実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(イ)各気筒の筒内圧データPdata[i]に基づき、各筒内圧センサ出力に含まれる振動成分の振幅相当量Amp[i]を気筒毎およびサイクル毎に算出することにより、振動波形(ノック波形)が得られる。このため、エンジン毎にノック周波数を事前に特定し、その周波数に応じたフィルタ中心波長をもつバンドパスフィルタ等のフィルタを選定する必要がない。換言すると、ノック波形の周波数に関係なくノック波形を抽出できる。この結果、内燃機関の点火時期、燃料増量値、VVT進角等を自動適合する際に必須となるノック波形の自動抽出が可能となる。したがって、ノック周波数の選定やノック判定のしきい値の設定をエンジン毎に事前に行わずにノックを自動検出することができる。
【0091】
(ロ)ノック判定を気筒毎およびサイクル毎に行うことができる。つまり、気筒毎およびサイクル毎に「ノック」か「ノイズ」の判定結果(k,cycle)=「ノック」OR「ノイズ」が得られる。このような判定結果が得られるので、きめの細かい自動適合が可能になる。
【0092】
(ハ)任意サイクルのうちノック無しと判定されたサイクル(ノイズサイクル)だけの振幅相当量Amp[i]の最大値Ampmaxの加算平均値と標準偏差σよりしきい値を再計算する(図3のステップS1000)。この後、ノイズサイクルのノック判定を再計算したしきい値に基づき再度行なう(図3のステップS900)。このため、各筒内圧センサ出力を高周波サンプリングした任意サイクル内に、ノック強度の強いサイクルが頻度大で含まれているためにしきい値が高くなっている場合でも、小レベルのノックを判定できる。このため、自動適合時に、必ずノックが発生していない遅角側の点火時期で任意サイクル運転してしきい値を計算し、その後徐々に進角させた任意サイクル運転を何回か繰り返し、該各運転でしきい値を計算し直しながらノックを検出する点火時期設定方法を採る必要がない。これにより、自動適合時の点火時期設定方法が制限されず、適合時間が短縮される。したがって、ノック検出性を向上させることができ、自動適合時の点火時期設定方法が制限されることがなく、また、適合時間を短縮することができる。
【0093】
(ニ)図2のステップS800および図3のステップS1000で計算するしきい値1は、最大値Ampmaxの任意サイクル分の加算平均値と、その標準偏差σを3倍した値との加算値(Ampmaxの任意サイクル平均値+3σ)である。筒内圧データPdata[i]を任意サイクル例えば100サイクル分取ると、振幅相当量Amp[i]の最大値Ampmaxの100サイクル分の加算平均値および標準偏差は、その取った筒内圧データから自動的に求まってしまう。すなわち、ノック判定のためのしきい値1,2は、エンジン毎に固有の値を設定する必要が無く、そのしきい値1,2を自動で設定することができる。
【0094】
(ホ)図3のステップS1000で再計算したしきい値2の今回値がその前回値と同じになるまで、同図のステップS900〜S1100を繰り返してノック無しと判定されたノイズサイクルに対するノック判定を繰り返すことにより、しきい値1,2が徐々に下がっていく。これにより、そのしきい値1,2は、ノックの発生しない遅角側から徐々に進角させることでノックを検出する場合のしきい値に収束していく。このため、遅角側の点火時期でしきい値を計算し、その後徐々に進角すると同時にしきい値を計算し直しながらノックを検出する場合と同様の判定結果を得ることができる。
【0095】
(ヘ)各筒内圧センサ24から出力される筒内圧センサ出力を高速データロガー26により高周波サンプリングした各気筒の筒内圧データPdata[i]に基づき、筒内圧波形に含まれる振動成分の振幅相当量Amp[i]を気筒毎およびサイクル毎に算出する。そして、図2のステップS700で算出した振幅相当量の最大値Ampmaxと振動成分の繰り返し性の有無とに基づくノック判定をステップS900により気筒毎およびサイクル毎に行い、最大値Ampmaxがしきい値1を超えかつ前記繰り返し性が有る場合にノックと判定する。これにより、その繰り返し性が無く、ノック波形の周波数帯にノイズが乗ったために最大値Ampmaxがしきい値を超えた場合に、ノックと判定されるのを回避できる。
【0096】
このため、ノック周波数帯域の振動成分、つまりノック波形の周波数帯にノイズが乗る場合でも、ノックであるのかノイズであるのかの判定を精度良く行なうことができる。したがって、ノック検出性を向上することができ、精度の高いノック判定を行なうことができる。
【0097】
(ト)上記2つの条件(条件1および2)が同時に成立したときに「ノック」と判定する。このようにして最大値Ampmaxと前記振動成分の繰り返し性の有無とに基づくノック判定を気筒毎およびサイクル毎に実行する。これにより、最大値Ampmaxがしきい値1を超えていても、振幅繰り返し数Nが第3しきい値未満であれば、ノック周波数帯域の振動成分にノイズが乗っているために最大値Ampmaxが大きくなっていると判定できる。このため、ノック周波数帯域の振動成分にノイズが乗り、最大値Ampmaxがしきい値を超えてノックと判定されるのを回避できる。したがって、ノック検出性をより一層向上することができ、より精度の高いノック判定を行なうことができる。
【0098】
(チ)ステップS200で筒内圧データPdata[i]に基づき気筒毎およびサイクル毎に筒内圧最大値Pmaxとその位置imaxを算出する。そして、図9に示す第1ゲート区間および図11に示す第2ゲート区間は、筒内圧最大値の位置imax以降の所定期間をそれぞれ含んでいる。これにより、各筒内圧センサ出力に含まれる振動成分がノック波形の場合、理想的にはその振幅相当量Amp[i]が位置imaxの位置以降に徐々に減衰することが多いという特徴を利用してノック判定を行なうようにしている。すなわち、位置imax以降の所定期間を含む第1ゲート区間内での最大値Ampmaxがしきい値1を超えるとともに、その所定期間を含む第2ゲート区間内でしきい値2を超える回数がしきい値3を超える場合にノックと判定する。これにより、ノック波形の理想的な形に応じたノック判定を精度良く行なうことができる。
【0099】
(リ)バンドパスフィルタ等のフィルタを使わずに筒内圧を利用してノックを自動検出することができるので、エンジン21の点火時期、燃料増量値、VVT進角等の自動適合が可能になる。
【0100】
[ 第2実施形態]
図15は第2実施形態に係る自動適合用ノック自動検出装置により実行される「ノック判定処理」を示している。この「ノック判定処理」の特徴は次の点にある。すなわち、点火時期を遅角側の値に設定した任意サイクル運転時のデータからしきい値を設定し、このしきい値でノック判定を行なう。この後、点火時期を進角側の値に設定してさらに任意サイクル運転した時のデータからしきい値を再計算し、このしきい値でノック無しと判定されたサイクルのノック判定を再度行なう。
【0101】
エンジン回転数ne,吸入空気量が同一であれば、ノックが発生していない点火時期領域では、任意サイクル分の最大値Ampmaxの加算平均値と標準偏差σ共にそう大きく値が変わらないことが実験結果によりわかっている。このため、上記従来技術のように点火時期を遅角側から進角側へ除変しながらノック発生点を検出するようにはしない。すなわち、本実施形態では、1度遅角側でしきい値を算出し、その後任意の点火時期に一気に進角させ、遅角側で求めたしきい値でノック判定を行い、その結果を基にノイズサイクルで再度しきい値を算出し、ノイズサイクルのノック判定を再度行なう。
【0102】
この「ノック判定処理」について、その特徴部を中心に図15に基づいて説明する。この説明において、図2および図3での処理と同様の処理については一部説明を省略する。
【0103】
まず、ステップS2010では、上記ステップS10と同様にエンジン21の運転状態を定常状態に設定するとともに、点火時期を遅角側の値(ne等から求まる基本点火時期−5°CA)に設定してエンジン21を任意サイクル運転する。
【0104】
この任意サイクル運転時にステップS2100で任意サイクル分取り込んだ筒内圧データPdata[i]とクランク角信号とに基づき、imax〜20°CA間での振幅相当量Amp[i]の最大値Ampmaxを気筒毎およびサイクル毎に算出する(ステップS2700)。
【0105】
次に、ステップS2800に進み、ステップS2700で算出した最大値Ampmaxの任意サイクル分の加算平均値とその標準偏差σより遅角側でのしきい値1A,2Aを算出する。
【0106】
この算出後、点火時期を遅角側の値から進角させてエンジン21をさらに任意サイクル運転し、このときに得られる最大値Ampmaxと遅角側でのしきい値1A,2Aとの比較により気筒毎およびサイクル毎にノック判定を行う。すなわち、遅角側でのしきい値1A,2Aの算出後、ステップS2011に進み,点火時期をステップS2010での設定値より進角側の値に設定してエンジン21をさらに任意サイクル運転する。この2回目の運転後にステップS2110で取り込んだ筒内圧データPdata[i]とクランク角信号とに基づき、imax〜20°CA間での振幅相当量Amp[i]の最大値Ampmaxを気筒毎およびサイクル毎に算出する(ステップS2710)。そして、ステップS2710で算出した最大値Ampmaxと遅角側のしきい値1Aとの比較等により、上記ステップS900と同様のノック判定を行なう。
【0107】
このノック判定後、ステップS2820に進み、上記2回目の運転による任意サイクルのうち遅角側のしきい値1A,2Aに基づくノック判定によりノック無しと判定されたノイズサイクルだけの最大値Ampmaxの加算平均値と標準偏差より進角側でのしきい値1B,2Bを算出する(しきい値を再計算する)。
【0108】
そして、再計算したしきい値1B,2Bに基づきノック無しと判定された全てのノイズサイクルのノック判定を再度行なう(ステップS2920)。すなわち、ステップS2900でノック有りと判定される場合には、ステップS2910に進み「ノック」と判定される。一方、ステップS2900でノック無しと判定される場合には、ステップS2920に進み、ノック判定を再度行なう。ここでのノック判定により、ステップS2900で「ノイズ」と判定された全てのノイズサイクルについて、「ノック」か「ノイズ」の最終的なノック判定が確定する。
【0109】
このようにして、上記第1実施形態と同様に、気筒毎およびサイクル毎に「ノック」か「ノイズ」の判定結果(k,cycle)=「ノック」OR「ノイズ」が得られる。
【0110】
以上のように構成された第2実施形態によれば、上記作用効果(イ)〜(ハ)および(ホ)〜(リ)に加えて以下の作用効果を奏する。
(ヌ)再計算したしきい値1B,2Bに基づきノック無しと判定された全てのノイズサイクルのノック判定を一度だけ行ない、これらのノイズサイクルについて「ノック」か「ノイズ」の最終的なノック判定を確定する(ステップS2920)。このため、気筒毎およびサイクル毎のノック判定結果を短時間で得ることができ、適合時間を短縮することができる。
【0111】
(ル)遅角側でのしきい値1A,2Aと進角側でのしきい値1B,2Bは値が異なる(遅角側の方が値が小さい)が、一度ノック無しと判定された全てのノイズサイクルに対してステップS2920で再度ノック判定をするので、ノック誤判定を回避できる。
【0112】
[ 第3実施形態]
図16は第3実施形態に係る自動適合用ノック自動検出装置により実行される「ノック判定処理」を示している。
【0113】
任意サイクル分の最大値Ampmaxの加算平均値、およびその標準偏差σは、ノック無しサイクル(ノイズサイクル)に限って言えば結局のところ、各筒内圧センサ出力に含まれるノイズレベルを測定しているに過ぎない。ノック発生と同じクランク角領域(例えばimax〜20°CA)でのデータからしきい値を計算しなくても、例えばimax−20°CA〜imax領域でのデータを用いてしきい値を計算しても近い計算結果が得られる。このため、本実施形態の「ノック判定処理」は、任意のクランク角領域でのデータから設定したしきい値でノック判定し、ノック無しと判定されたサイクルについて、別のクランク角領域でのデータから再設定したしきい値で再度ノック判定を行なう点に特徴がある。
【0114】
この「ノック判定処理」について、その特徴部を中心に図16に基づいて説明する。この説明においても、図2および図3での処理と同様の処理については一部説明を省略する。
【0115】
まず、ステップS3010では、エンジン21の運転状態を定常状態に設定するとともに、点火時期を一定値に設定してエンジン21を任意サイクル運転する。
【0116】
次に、ステップS3100で任意サイクル分取り込んだ筒内圧データPdata[i]とクランク角信号とに基づき、任意のクランク角領域である第1区間(imax−20°CA〜imax)での振幅相当量Amp[i]の最大値Ampmaxを気筒毎およびサイクル毎に算出する(ステップS3700)。
【0117】
次に、ステップS3800に進み、ステップS3700で算出した最大値Ampmaxの任意サイクル分の加算平均値とその標準偏差σよりしきい値1A,2Aを算出する。
【0118】
次に、第1区間とは別のクランク角領域である第2区間(imax〜20°CA)での振幅相当量Amp[i]の最大値Ampmaxを気筒毎およびサイクル毎に算出する(ステップS3720)。
【0119】
次に、ステップS3700で算出した最大値Ampmaxとしきい値1Aとの比較等により、上記ステップS900と同様のノック判定を行なう(ステップS3900)。
【0120】
このノック判定後、ステップS2820に進み、任意サイクルのうちしきい値1A,2Aに基づくノック判定によりノック無しと判定されたノイズサイクルだけの最大値Ampmaxの加算平均値と標準偏差よりしきい値1B,2Bを算出する(しきい値を再計算する)。
【0121】
そして、ステップS3720で算出した最大値Ampmaxと再計算したしきい値1B,2Bとの比較等により上記ステップS3900でノック無しと判定された全てのノイズサイクルのノック判定を再度行なう(ステップS3920)。すなわち、ステップS3900でノック有りと判定される場合には、ステップS3910に進み「ノック」と判定される。一方、ステップS3900でノック無しと判定される場合には、ステップS3920に進み、ステップS3900のしきい値1A,2Aとは異なるしきい値1B,2Bに基づいてノック判定を再度行なう。ここでのノック判定により、ステップS3900で「ノイズ」と判定された全てのノイズサイクルについて、「ノック」か「ノイズ」の最終的なノック判定が確定する。
【0122】
このようにして、上記第1実施形態と同様に、気筒毎およびサイクル毎に「ノック」か「ノイズ」の判定結果(k,cycle)=「ノック」OR「ノイズ」が得られる。
【0123】
以上のように構成された第3実施形態によれば、上記作用効果(イ)〜(ハ)および(ホ)〜(リ)に加えて以下の作用効果を奏する。
(ヲ)再計算したしきい値1B,2Bに基づきノック無しと判定された全てのノイズサイクルのノック判定を一度だけ行ない、これらのノイズサイクルについて「ノック」か「ノイズ」の最終的なノック判定を確定する(ステップS2920)。このため、気筒毎およびサイクル毎のノック判定結果を短時間で得ることができ、適合時間を短縮することができる。
【0124】
(ワ)第1区間(imax〜20°CA)でのデータから求めたしきい値1A,2Aと、第2区間(imax−20°CA〜imax)でのデータから求めたしきい値1B,2Bとは値が異なる。しかし、ステップS3900でしきい値1A,2Aに基づいて一度ノック無しと判定された全てのノイズサイクルに対してステップS3920でしきい値1B,2Bに基づいて再度ノック判定をするので、ノック誤判定を回避できる。
【0125】
[第4実施形態]
図17は、第4実施形態に係るノック検出装置の概略構成を示している。このノック検出装置は、エンジン21の運転状態を制御する電子制御装置に組み込んでノック判定結果に基づき点火時期等を制御するノック制御装置に適用したものである。
【0126】
このノック検出装置は、4つの筒内圧センサ24からそれぞれ出力される各筒内圧センサ出力を増幅する増幅回路25と、増幅回路25で増幅された各気筒の筒内圧信号を高周波サンプリングするノック検出用マイクロコンピュータ40とを備えている。増幅回路25とノック検出用マイクロコンピュータ40は、エンジン21の運転状態を制御する電子制御装置としてのエンジンコントロールユニット(以下、「ECU」という。)30に組み込んで車両に実装されている。
【0127】
ノック検出用マイクロコンピュータ40は、各気筒の筒内圧センサ出力を例えば200KHzで高周波サンプリングできるAD変換周期(5μs、200KHz)のものを用いる。また、ノック検出用マイクロコンピュータ40は、図18に示すノック判定処理(ステップ4100〜S5000の処理)を実行してノック判定結果を制御用マイクロコンピュータ31に送信する機能を有する。すなわち、ノック検出用マイクロコンピュータ40は、各気筒の筒内圧センサ出力を高周波サンプリングするとともに、しきい値算出手段およびノック判定手段の機能を有するノック検出手段に相当する。
【0128】
また、制御用マイクロコンピュータ31のCPU34は、ノック検出用マイクロコンピュータ40から送られるノック判定の結果に基づき点火時期等の運転状態の制御を実行するようになっている。
【0129】
この制御用マイクロコンピュータ31は、エンジン21の各種制御、例えば、燃焼形態の切替制御、スロットル開度制御、燃料噴射制御、ノック制御(KCS制御)を含む点火時期制御等を実行するように構成されている。制御用マイクロコンピュータ31は、ROM33、CPU34、RAM35、及びバックアップRAM36等を備えている。
【0130】
ここで、ROM33は各種制御プログラムや、これらのプログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されたメモリであり、CPU34はROM33に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAM35は、CPU34での演算結果や上記各種制御に必要な各種センサから入力されるデータ等を一時的に記憶するメモリである。また、バックアップRAM36は、エンジン21の停止時にその記憶されたデータ等を保存する不揮発性のメモリである。そして、ROM33、CPU34、RAM35及びバックアップRAM36は、バス37を介して互いに接続されるとともに、外部入力回路38及び外部出力回路39と接続されている。
【0131】
外部入力回路38には、ノック検出用マイクロコンピュータ40の他に、上記各種制御に必要な各種センサ、例えばカムポジションセンサ、アクセルポジションセンサ、バキュームセンサ及び吸気温センサ等が接続されている。また、外部出力回路39には、それぞれ図示を省略したスロットル用モータ、燃料噴射弁、及びイグナイタ等が接続されている。そして、制御用マイクロコンピュータ31は、点火プラグ(図示略)の一次コイルに通電を開始するクランク角(通電開始時期)と一次コイルの電流を遮断するクランク角(点火時期)を、イグナイタを介して制御する(点火時期制御を行う)ようになっている。
【0132】
ノック検出用マイクロコンピュータ40は、各気筒の筒内圧データPdata[i]とクランク角信号とに基づき、図2に示す上記「ノック波形抽出処理」を実行して気筒毎およびサイクル毎に上記振動成分の振幅相当量Amp[i]を算出する。そして、その算出結果に基づき、気筒毎およびサイクル毎にノックであるのか否かのノック判定を実行し、その判定結果を制御用マイクロコンピュータ31へ出力するように構成されている。
【0133】
そして、制御用マイクロコンピュータ31は、ノック検出用マイクロコンピュータ40から気筒毎およびサイクル毎に出力されるノック判定結果に基づき、ノック制御(KCS制御)を実行する。ここにいう、「ノック制御」とは、ノック検出用マイクロコンピュータ40からのノック判定結果に基づき点火プラグの通電をイグナイタを介して制御することで、点火時期を最適点火時期より遅角させ、ノックの発生を抑制する制御である。
【0134】
次に、「ノック判定処理」について図18のローチャートを参照して説明する。ノック検出用マイクロコンピュータ40は、ノック判定処理(ステップ4100〜S5000の処理)を所定の制御周期毎に繰り返し実行し、その判定結果に基づき制御用マイクロコンピュータ31がステップS5100の処理を実行する。
【0135】
まず、図18のステップS4100で、図2の上記ステップS100と同様に、4つの筒内圧センサ24からそれぞれ出力される各筒内圧センサ出力(増幅回路25で増幅された筒内圧データPdata[i])を200kHzで高周波サンプリングする(筒内圧計測)。
【0136】
次に、ステップS4200に進み、図2の上記ステップS600と同様に、
気筒毎およびサイクル毎に、筒内圧データPdata[i]に基づき筒内圧波形(指圧線)に含まれる振動波形を抽出し、図10で示すその振動成分の振幅相当量Amp[i]を算出する。
【0137】
次に、ステップS4300に進み、気筒毎およびサイクル毎に、1サイクル中の第1ゲート区間(図11参照)内での振幅相当量Amp[i]の最大値Ampmaxを算出する。
【0138】
次に、ステップS4400に進み、図2の上記ステップS800と同様に、気筒毎に、上記しきい値1としきい値2を設定する(図11参照)。
次に、ステップS4500に進み、図3のステップS900と同様に、気筒毎およびサイクル毎にノック判定を行なう。この判定結果がYESの場合、ステップS4600に進み、ノック有りサイクルである「ノック」と判定される。一方、その判定結果がNOの場合、ステップS4700に進み、ノック無しサイクルである「ノイズ」と判定される。
【0139】
ステップS4700に進んで「ノイズ」と判定されると、ステップS4800に進む。このステップS4800では、図3のステップS1000と同様に、上記ステップS4400で算出したしきい値1,しきい値2を再計算する。すなわち、任意サイクルのうちステップS4500でノック無しと判定されたノイズサイクルだけの最大値Ampmaxの加算平均値と、その標準偏差σを3倍した値との加算値とに基づき、しきい値1およびしきい値2を再計算する。
【0140】
次に、ステップS4900に進み、図3のステップS1100と同様に、しきい値の収束判定を行なう。すなわち、ステップS4800で再計算したしきい値2の今回値が前回のしきい値2(前回の計算値)と同じになったか否かを判定する。しきい値2の今回値がその前回値と同じになるまでは、ステップS4500、S4700およびS4800が繰り返されて値の大きな最大値Ampmaxが徐々に除外されるので、しきい値1、しきい値2がそれぞれ徐々に下がっていく(図12参照)。また、その間にステップS4500の判定結果がYESになる場合には、ステップS4600に進み「ノック」と判定される。こうして、しきい値2の今回値がその前回値と同じになるまでは、「ノック」と判定されるサイクルを除外しながら(図12参照)、ノック無しと判定されたノイズサイクルだけの最大値Ampmaxの加算平均値とその標準偏差σとに基づき両しきい値1,2が再計算される。
【0141】
そして、しきい値2の今回値がその前回値と同じになり、ステップS4900の判定結果がYESになると、ステップS5000に進む。このステップS5000では、気筒毎およびサイクル毎に得られた「ノック」か「ノイズ」の判定結果に基づき「ノック有り」或いは「ノック無し」のノック検出結果を制御用マイクロコンピュータ31に送信する。
【0142】
そして、ノック検出用マイクロコンピュータ40よりノック検出結果を受けた制御用マイクロコンピュータ31は、その検出結果に基づきエンジン21の運転状態を制御する。つまり、「ノック有り」のノック検出結果を受けた場合には、点火時期を遅角させ、また、「ノック無し」のノック検出結果を受けた場合には、点火時期を進角させる。
【0143】
以上のように構成された第4実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(カ)各筒内圧センサ出力に含まれる振動成分の振幅相当量の最大値Ampmaxの任意サイクル分の加算平均値に基づきノック判定のしきい値1,2が算出される。したがって、ECU30に組み込んで車両に実装してノック制御装置に適用される場合に、ノック周波数の選定やノック判定のしきい値の設定をエンジン毎に事前に行わずに、ノックを自動検出することができる。
【0144】
(ヨ)ノック検出用マイクロコンピュータ40は、気筒毎およびサイクル毎に得られた「ノック」か「ノイズ」の判定結果に基づき「ノック有り」或いは「ノック無し」のノック検出結果を制御用マイクロコンピュータ31に送信する。このため、点火時期等をきめ細かく制御することができる。
【0145】
(タ)任意サイクルのうちノック無しと判定されたサイクルだけの振幅相当量の最大値或いは積分値の加算平均値と標準偏差よりしきい値を再計算する。そして、ノック無しと判定されたサイクルのノック判定を再計算したしきい値に基づき再度行なう。このため、各筒内圧センサ出力を高周波サンプリングした任意サイクル内に、ノック強度の強いサイクルが頻度大で含まれているためにしきい値が高くなっている場合でも、小レベルのノックを検出できる。このため、ノック制御装置に適用される場合に、車両走行時においてノックのしきい値を随時更新することが可能になり、最適な点火時期を常に設定することができる。
【0146】
(レ)しきい値1は、振幅相当量の最大値Ampmaxの任意サイクル分の加算平均値だけでなく、その標準偏差を3倍した値を加味して求められるので、しきい値1を任意サイクルでの最大値Ampmaxのばらつきに応じて設定することができる。
【0147】
[ 変形例]
なお、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
・上記各実施形態において、しきい値を、最大値Ampmaxの任意サイクル分の加算平均値と、その標準偏差σを3以外の整数倍した値との加算値としてもよい。
【0148】
・上記各実施形態では、本発明を4気筒のエンジン21に適用した例を示したが、本発明は多気筒の内燃機関に広く適用可能である。
・上記各実施形態では、図2のステップS700で振幅相当量の最大値Ampmaxを算出しているが、その最大値に代えて同振幅相当量の積分値を算出するようにしてもよい。この場合、ステップS900(ノック判定手段)により、その積分値と振動成分の繰り返し性の有無とに基づき、気筒毎およびサイクル毎にノック判定を行なう。
【0149】
・上記第1実施形態では、指圧線の圧縮上死点位置TDC近傍に極大値(変曲点)ができる場合には、その変曲点はTDCの近傍にできるので、TDCをその変曲点に代えて1つの変曲点に設定しているが、その変曲点の位置を算出して、この変曲点を1つの変曲点として設定するようにしても良い。
【0150】
・上記第1実施形態では、高速データロガー26は、各筒内圧センサ出力を例えば200KHzでサンプリングしているが、そのサンプリング周波数は適宜変更可能である。
【0151】
・上記第1実施形態において、図8に示す第1ゲート区間を図11に示す第2ゲート区間と同じにしても良い。
・上記第4実施形態において、ノック検出用マイクロコンピュータ40に代えて、各気筒の筒内圧信号を高周波サンプリングするデジタル信号処理装置としてのDSPを用いる構成にも本発明は適用可能である。
【0152】
以下、上記各実施形態から把握できる技術思想について説明する。
(1)各気筒の筒内圧を検出する複数の筒内圧センサを備えた自動適合用ノック自動検出装置において、
前記複数の筒内圧センサからそれぞれ出力される各筒内圧センサ出力を高周波サンプリングして、気筒毎およびサイクル毎に筒内圧データを収録する高速データ収録手段と、
前記筒内圧データに基づき、前記各筒内圧センサ出力に含まれる振動成分の振幅相当量を気筒毎およびサイクル毎に算出する振動成分抽出手段と、
気筒毎およびサイクル毎に、前記振幅相当量の最大値或いは積分値を算出する振幅最大値算出手段と、
前記最大値或いは積分値の任意サイクル分の加算平均値と標準偏差とからしきい値を算出するしきい値算出手段と、
前記最大値或いは積分値と前記振動成分の繰り返し性の有無とに基づくノック判定を気筒毎およびサイクル毎に行い、同最大値或いは積分値がしきい値を超えかつ前記繰り返し性が有る場合にノックと判定するノック判定手段とを備え、
前記しきい値算出手段は、任意サイクルのうちノック無しと判定されたサイクルだけの前記最大値或いは積分値の加算平均値と標準偏差より前記しきい値を再計算し、
前記ノック判定手段は、ノック無しと判定されたサイクルのノック判定を前記再計算したしきい値に基づき再度行なうことを特徴とする自動適合用ノック自動検出装置。
【0153】
ここで、高速データ収録手段は高速データロガー26により構成されている。また、ステップS600が振動成分抽出手段に、ステップS700が振幅最大値算出手段に、ステップS800がしきい値算出手段に、ステップS900がノック判定手段にそれぞれ相当する。
【0154】
(2)上記(1)に記載の自動適合用ノック自動検出装置において、前記ノック判定手段は、1サイクル中の第1ゲート区間内での前記最大値或いは積分値が第1しきい値を超えるとともに、前記振幅相当量が1サイクル中の第2ゲート区間内で前記第1しきい値より低い第2しきい値を超える回数が第3しきい値を超える場合にノックと判定することを特徴とする自動適合用ノック自動検出装置。
【0155】
(3)上記(2)に記載の自動適合用ノック自動検出装置において、前記筒内圧データに基づき気筒毎およびサイクル毎に筒内圧最大値とその位置を算出する最大値算出手段を備え、前記第1ゲート区間および第2ゲート区間は、前記筒内圧最大値の位置以降の所定期間をそれぞれ含むことを特徴とする自動適合用ノック自動検出装置。
【0156】
(4)上記(1)〜(3)のいずれ一つに記載の自動適合用ノック自動検出装置において、前記各筒内圧センサ出力を増幅する増幅回路と、該増幅回路で増幅された各筒内圧センサ出力を高周波サンプリングする前記高速データ収録手段としての高速データロガーと、前記振動成分抽出手段としての筒内圧解析用パーソナルコンピュータとを備えることを特徴とする自動適合用ノック自動検出装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係る自動適合用ノック自動検出装置の全体を模式的に示す構成図。
【図2】 ノック判定処理を示すフローチャート。
【図3】 図2のノック判定処理の続きを示すフローチャート。
【図4】 図2のステップS500の処理内容を示すフローチャート。
【図5】 図2のステップS600における変曲点1つの場合で筒内圧上昇中の振幅相当量の計算処理を示すフローチャート。
【図6】 図2のステップS600における変曲点1つの場合で筒内圧下降中の振幅相当量の計算処理を示すフローチャート。
【図7】 図2のステップS700の処理内容を示すフローチャート。
【図8】 図2のステップS900の処理内容を示すフローチャート。
【図9】 筒内圧波形を示すグラフ。
【図10】 図9の筒内圧波形から抽出した振動波形を示すグラフ。
【図11】 しきい値と振動成分の関係を示す説明図。
【図12】 しきい値の再計算についての説明図。
【図13】 変曲点1つの場合で筒内圧上昇中の振幅相当量の計算処理を示す説明図。
【図14】 変曲点1つの場合で筒内圧下降中の振幅相当量の計算処理を示す説明図。
【図15】 第2実施形態によるノック判定処理を示すフローチャート。
【図16】 第3実施形態によるノック判定処理を示すフローチャート。
【図17】 車両に実装した第4実施形態に係るノック検出装置の全体を模式的に示す構成図。
【図18】 第4実施形態によるノック判定処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
21…内燃機関としてのエンジン、24…筒内圧センサ、25…増幅回路、26…高速データ収録手段としての高速データロガー、27…筒内圧解析用パソコン(パーソナルコンピュータ)、30…電子制御装置としてのエンジンコントロールユニット(ECU)、31…制御用マイクロコンピュータ、40…ノック検出手段としてのノック検出用マイクロコンピュータ。
Claims (7)
- 内燃機関の各気筒の筒内圧センサ出力を高周波サンプリングした筒内圧データに基づき、各筒内圧センサ出力に含まれる振動成分の振幅相当量と、該振幅相当量の最大値或いは積分値とを気筒毎およびサイクル毎に算出するように構成された内燃機関のノック検出装置であって、
前記最大値或いは積分値の任意サイクル分の加算平均値に基づきしきい値を算出するしきい値算出手段と、前記最大値或いは積分値と前記しきい値との比較により各サイクルにおいてノックがあるか否かを判断するノック判定を行なうノック判定手段とを備え、
前記しきい値算出手段は前記任意サイクルのうち前記ノック判定手段によってノック無しと判断されたサイクルだけの前記最大値或いは積分値の加算平均値に基づき前記しきい値を再計算し、
前記ノック判定手段は前記ノック無しと判断されたサイクルの前記ノック判定を前記しきい値算出手段を通じて再計算された前記しきい値に基づき前記ノック判定手段を通じて再度行うことを特徴とする内燃機関のノック検出装置。 - 前記ノック判定手段は前記ノック判定を気筒毎およびサイクル毎に行うことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のノック検出装置。
- 前記しきい値は前記最大値或いは積分値の任意サイクル分の加算平均値とその標準偏差を整数倍した値との加算値であることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関のノック検出装置。
- 前記しきい値算出手段は前記再計算したしきい値の今回値がその前回値と同じになるまで同しきい値の計算を繰り返し、前記ノック判定手段は前記再計算したしきい値の今回値がその前回値と同じになるまでノック無しと判定されたサイクルに対するノック判定を繰り返すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関のノック検出装置。
- 前記しきい値算出手段は、点火時期を遅角側の値に設定して内燃機関を任意サイクル運転したときに得られる前記最大値或いは積分値の任意サイクル分の加算平均値に基づきしきい値を算出し、この算出後、前記ノック判定手段は、点火時期を前記遅角側の値から進角させて内燃機関をさらに任意サイクル運転したときに得られる前記最大値或いは積分値と前記遅角側でのしきい値との比較により気筒毎およびサイクル毎にノック判定を行い、このノック判定後、前記しきい値算出手段は、任意サイクルのうち前記遅角側のしきい値に基づくノック判定によりノック無しと判定されたサイクルだけの前記最大値或いは積分値の加算平均値に基づきしきい値を再計算し、前記繰返判定手段は、前記再計算したしきい値に基づきノック無しと判定されたサイクルのノック判定を再度行なうことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関のノック検出装置。
- 前記しきい値算出手段は、筒内圧最大位置以前の所定のクランク角範囲を含む第1区間での前記最大値或いは積分値の任意サイクル分の加算平均値に基づきしきい値を算出し、前記ノック判定手段は、筒内圧最大位置以降の所定のクランク角範囲を含む第2区間での前記最大値或いは積分値と前記しきい値との比較により気筒毎およびサイクル毎にノック判定を行ない、この判定後、前記しきい値算出手段は、任意サイクルのうちノック判定によりノック無しと判定されたサイクルだけの前記第2区間での前記最大値或いは積分値の加算平均値に基づきしきい値を再計算し、前記繰返判定手段は、前記再計算したしきい値に基づきノック無しと判定されたサイクルのノック判定を再度行なうを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関のノック検出装置。
- 前記各気筒の筒内圧センサ出力を高周波サンプリングするとともに、前記しきい値算出手段および前記ノック判定手段の機能を有するノック検出手段が前記内燃機関の運転状態を制御する電子制御装置に実装され、該電子制御装置は、前記ノック検出手段から送られる前記ノック判定の結果に基づき点火時期等の前記運転状態の制御を実行することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関のノック検出装置。
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