JP4167001B2 - 配線基板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICチップを有する配線基板に関し、特に、基板本体に設けられた収容部にICチップが内蔵された配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、チップコンデンサ等の電子部品が表面実装され、基板内部にICチップが内蔵された配線基板が知られている。このような形態をとるのは、ICチップと電子部品を共に表面実装するよりも、ICチップと電子部品との間の配線長の短縮化を図ることができるため、配線のインダクタンス成分が増加するのを抑制できるからである。特に、搭載する電子部品がチップコンデンサの場合には、ICチップのスイッチングノイズの低減や動作電源電圧の安定化を図る上で有利となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、基板本体に設けた収容部にICチップを高精度で配置することは容易でない。即ち、ICチップを収容部の所望の位置に配置しても、ICチップが基板本体内に固定されるまでの間に、外部からの振動等によってICチップの位置がずれる可能性がある。その結果、ICチップと基板の配線との電気的接続に不具合が生じる。そして、この問題は、特に、製造する配線基板が、個々の配線基板が複数連結した多数個取り用の配線基板の場合に顕著に現れる。複数個所にICチップを配置する際に、すべてのICチップの位置を高精度に制御するのはより困難だからである。
【0004】
ところで、ICチップを内蔵する基板本体には、その基板主面と基板裏面との間を貫通するスルーホール導体を形成することが多いが、ICチップを基板本体に内蔵すると共にスルーホール導体を形成する手法としては、図43〜図45に示すような方法が考えられる。
即ち、基板本体903に、ICチップIC1用の収容部905を形成すると共に、スルーホール導体908用のスルーホール907を形成する(図43参照)。そして、収容部905内にICチップIC1を配置し、さらに、固定用樹脂906を充填し硬化させることにより、ICチップIC1を基板本体903内に固定する。その後、図44に示すように、パネルメッキにより、スルーホール907にスルーホール導体908を形成すると共に、基板主面903a及び基板裏面(図示しない)上や固定用樹脂906の露出面上にメッキ層911を形成する。そしてさらに、図45に示すように、スルーホール導体908の孔に孔埋用樹脂909を充填し硬化させる、というものである。
【0005】
しかしながら、この手法では、収容部905に固定用樹脂906を充填する際に、この固定用樹脂906がはみ出してスルーホール907を塞いでしまい、その後のスルーホール導体908の形成が上手くいかない可能性がある。また、固定用樹脂906の露出面上やその周縁の基板主面903aまたは基板裏面上にメッキ層911を形成する際に、収容部905の開口縁近傍において、メッキ層911に窪み923が生じる可能性がある(図44参照)。これは、固定用樹脂906と収容部905の開口縁とが完全には密着し難く、それらの間に僅かな隙間921が生じるためである(図43参照)。こうした窪み923が生じた場合、メッキ後、スルーホール導体908の孔に孔埋用樹脂909を充填するときに、その窪み923にも孔埋用樹脂909が入り込む可能性があり(図45参照)、その後、メッキ層911から所定パターンの導体層を形成するのに支障を来す結果となる。例えば、所定のパターンを形成するためにメッキ層911をエッチングする際に、樹脂残り部がエッチングされずに短絡を生じるなどの不具合を生じることとなる。
【0006】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、基板本体内にICチップが内蔵された配線基板において、合理的な配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
その解決手段は、基板主面と基板裏面を有し、これら基板主面と基板裏面との間を貫通する収容部を有する基板本体と、上記収容部内に内蔵されたICチップと、を備える配線基板の製造方法であって、表面に粘着剤を有するシート材により、上記収容部の上記基板主面側または基板裏面側の開口部を、上記粘着剤が上記収容部の内側に露出するように塞ぐ閉塞工程と、上記ICチップを、上記シート材に粘着した状態となるように、上記収容部内に配置するIC配置工程と、上記ICチップが配置された上記収容部内に、固定用樹脂を充填し硬化させて、上記ICチップを上記基板本体内に固定するIC固定工程と、を備え、前記IC配置工程では、前記ICチップのIC端子が配置された端子面を前記シート材に向けて、上記端子面の少なくとも周縁と上記シート材とを隙間なく密着させる配線基板の製造方法である。
【0008】
本発明では、まず閉塞工程において、基板本体を貫通する収容部のうち、基板主面側または基板裏面側の一方の開口部をシート材により塞ぐ。シート材は表面に粘着剤を有するものであり、上記開口部は、その粘着剤が収容部の内側に露出するように塞がれる。また、IC配置工程では、ICチップを収容部内に配置するが、その際、ICチップがシート材に粘着した状態となるようにする。そして、IC固定工程では、ICチップが配置された収容部内に樹脂を充填し、それを硬化させて、ICチップを基板本体内に固定する。
従って、高い位置精度で収容部内、即ち、配線基板の内部に、ICチップを配置できる。そのため、ICチップと基板の配線との電気的接続も確実に図ることができ、信頼性の高い配線基板を得ることができる。
さらに本発明によれば、IC配置工程において、ICチップの端子面の少なくとも周縁とシート材とを隙間なく密着させる。このため、IC固定工程で収容部内に固定用樹脂を充填しても、ICチップの端子面には固定用樹脂が付着しない。従って、その後、シート材を剥離すれば、ICチップの端子面とIC端子が露出するので、直ちにIC端子に配線等を接続することが可能となる。即ち、固定用樹脂の一部を穿孔したり研磨するなどしてIC端子を露出させる手間が省ける。
なお、IC配置工程は、必ずしも閉塞工程の後に行う必要はなく、同時に行うようにしてもよい。例えば、シート材にICチップを粘着させておき、そのシート材で収容部を塞ぐと同時に、ICチップが収容部内部に配置されるようにすれば、閉塞工程とIC配置工程を同時に行うことができる。
【0009】
なお、ICチップとしては、MPUチップ、CPUチップ、DSPチップなどが挙げられる。
また、基板本体としては、例えば、1層の絶縁層からなるコア基板の他、導体層と絶縁層とが交互に積層された基板などが挙げられる。
また、シート材としては、例えば、ポリイミド、ポリエステル、PET、テフロン(登録商標)で構成されたものが考えられる。このうち、耐熱性、耐薬品性に優れているテフロン(登録商標)を使用するのが比較的好ましい。また、シート材の表面に付される粘着剤としては、例えば、シリコン系の粘着剤、アクリル系の粘着剤、熱可塑性ゴム系の粘着剤などが挙げられる。このうち、離型性、即ち、剥がし易さや、耐熱性の点で優れているシリコン系の粘着剤を使用するのが比較的好ましい。
【0010】
ところで、シート材の表面においてICチップを正確な位置に配置しても、その後、充填される固定用樹脂に押さえ付けられることにより、その位置がずれたり、傾いたりする可能性がある。そうすると、後で、ICチップと基板の配線との接続が困難となることが考えられる。
そこで、ICチップの位置精度を上げるためには、シート材の粘着力を高くした方が好ましい。具体的には、粘着力が8.0N/25mm以上であるのが好ましい。この粘着力は、180度引き剥がし法(JIS Z0237)により測定されるものである。また、この単位[N/25mm]は、幅25mmのシート材を試料として測定された力を意味する(以下同様)。このようにシート材の粘着力が高ければ、ICチップが配置された収容部に固定用樹脂を充填する際にも、ICチップが動きにくくなり、ICチップの位置精度を高めることができる。
また、シート材は、機械的強度の高いものである方が好ましい。シート材の強度が低すぎると、シート材にICチップを配置する際にシート材が変形しICチップの位置ずれが生じるなど、ICチップの正確な配置が困難となるからである。具体的には、引張強さ(JIS Z0237)が100N/25mm以上、より好ましくは150N/25mm以上であるのがよい。
【0011】
また、他の解決手段は、基板主面と基板裏面を有し、これら基板主面と基板裏面との間を貫通する複数の収容部を有する基板本体と、各々の上記収容部内に内蔵された複数のICチップと、を備える多数個取り用の配線基板の製造方法であって、表面に粘着剤を有するシート材により、上記複数の収容部の上記基板主面側または基板裏面側の開口部を、上記粘着剤が上記収容部の内側にそれぞれ露出するように塞ぐ閉塞工程と、上記複数のICチップを、上記シート材に粘着した状態となるように、上記収容部内にそれぞれ配置するIC配置工程と、上記ICチップが配置された各々の上記収容部内に、固定用樹脂を充填し硬化させて、上記ICチップを上記基板本体内にそれぞれ固定するIC固定工程と、を備え、前記IC配置工程では、前記ICチップのIC端子が配置された端子面を前記シート材に向けて、上記端子面の少なくとも周縁と上記シート材とを隙間なく密着させる多数個取り用の配線基板の製造方法である。
【0012】
本発明では、多数個取り用の配線基板において、前述したように、閉塞工程とIC配置工程とIC固定工程を行う。従って、複数個のICチップを一挙に内蔵するにも拘わらず、高い位置精度で収容部内、即ち、配線基板の内部にICチップを配置できる。そのため、ICチップと基板の配線との電気的接続も確実に図ることができ、信頼性の高い配線基板を得ることができる。
さらに本発明によれば、IC配置工程において、ICチップの端子面の少なくとも周縁とシート材とを隙間なく密着させる。このため、IC固定工程で収容部内に固定用樹脂を充填しても、ICチップの端子面には固定用樹脂が付着しない。従って、その後、シート材を剥離すれば、ICチップの端子面とIC端子が露出するので、直ちにIC端子に配線等を接続することが可能となる。即ち、固定用樹脂の一部を穿孔したり研磨するなどしてIC端子を露出させる手間が省ける。
なお、収容部の開口部は、各々別個のシート材で塞ぐようにしても上記効果を得ることができるが面倒である。そこで、1枚のシート材で複数の収容部を同時に塞ぐようにするのが好ましい。製造工程を簡素化することができるからである。
【0013】
また、他の解決手段は、基板主面と基板裏面を有し、収容部、及び、上記基板主面と基板裏面との間を貫通するスルーホールを有する基板本体と、上記収容部内に内蔵されたICチップと、上記スルーホールに形成されたスルーホール導体と、を備える配線基板の製造方法であって、前記収容部は、前記基板主面と基板裏面との間を貫通してなり、表面に粘着剤を有するシート材により、上記収容部の上記基板主面側または基板裏面側の開口部を、上記粘着剤が上記収容部の内側に露出するように塞ぐ閉塞工程と、前記ICチップを、上記シート材に粘着した状態となるように、上記収容部内に配置するIC配置工程と、上記基板本体に穿孔された上記スルーホールの内周面にメッキを施して、上記スルーホール導体を形成するメッキ工程と、上記スルーホール導体の孔に孔埋用樹脂を充填し硬化させる孔埋工程と、上記孔埋工程後に、上記ICチップが配置された上記収容部内に固定用樹脂を充填し硬化させて、上記ICチップを上記基板本体内に固定するIC固定工程と、を備え、前記IC配置工程では、前記ICチップのIC端子が配置された端子面を前記シート材に向けて、上記端子面の少なくとも周縁と上記シート材とを隙間なく密着させる配線基板の製造方法である。
【0014】
本発明では、スルーホール導体の孔を孔埋用樹脂で孔埋めした後に(孔埋工程後に)、ICチップが配置された収容部への固定用樹脂の充填、硬化を行うこととしているため(IC固定工程)、収容部に充填されるべき固定用樹脂によりスルーホールまたはスルーホール導体の孔が塞がれるといった不具合が生じない。また、収容部の開口縁近傍においてメッキ層に窪みが生じても、この窪みに孔埋用樹脂が詰まることもないため、この詰まりに起因して所定パターンの導体層の形成に支障が生じることもなくなる。
また、本発明では、前述したように、シート材を用いて、閉塞工程とIC配置工程を行う。従って、高い位置精度で収容部内、即ち、配線基板の内部にICチップを配置できる。そのため、ICチップと基板の配線との電気的接続も確実に図ることができ、信頼性の高い配線基板を得ることができる。
さらに本発明では、IC配置工程において、ICチップの端子面の少なくとも周縁とシート材とを隙間なく密着させる。このため、IC固定工程で収容部内に固定用樹脂を充填しても、ICチップの端子面には固定用樹脂が付着しない。従って、その後、シート材を剥離すれば、ICチップの端子面とIC端子が露出するので、直ちにIC端子に配線等を接続することが可能となる。即ち、固定用樹脂の一部を穿孔したり研磨するなどしてIC端子を露出させる手間が省ける。
なお、基板本体への収容部の形成や、収容部へのICチップの配置は、IC固定工程における固定用樹脂の充填前であれば、いつ行ってもよい。
収容部は、基板主面と基板裏面との間を貫通してなるものの他、基板主面側あるいは基板裏面側に開口する凹部等であっても構わない。但し、凹部にICチップを高い位置精度で配置し、さらに固定することは容易ではないので、後述するように、収容部は貫通孔であるのが好ましい。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
さらに、上記のいずれかに記載の配線基板の製造方法であって、前記IC固定工程後に、前記固定用樹脂のうち、前記ICチップのIC端子が配置された端子面側に位置する露出面を、平坦に整面する整面工程を備える配線基板の製造方法とすると良い。
【0020】
本発明によれば、IC固定工程後に、固定用樹脂のうち、ICチップの端子面側に位置する露出面を、平坦に整面する。固定用樹脂は、収容部内に充填後、硬化により形成されるので、その露出面が盛り上がったり、その露出面に凹凸ができやすい。しかし、本発明では、その露出面のうち、少なくともICチップの端子面側に位置する露出面を平坦化することから、その後、この上にビルドアップ層(絶縁層及び導体層)の形成を支障なく行うことができる。また、固定用樹脂の露出面の平坦化を、固定用樹脂の硬化が不完全な状態で行うと、収容部内でICチップの位置がずれる可能性があるが、本発明では、固定用樹脂を硬化させた後(IC固定工程後)に平坦化を行うので、そういった心配もない。
なお、固定用樹脂の平坦化は、特に、機械研磨、例えば、バフ研磨、ベルトサンダーによる研磨などにより行うのが好ましく、そうすれば、固定用樹脂の露出面と基板本体の基板主面または基板裏面とを簡単に同一平面にすることができる。
【0021】
さらに、上記の配線基板の製造方法であって、前記整面工程では、#320以上の研磨紙により、前記露出面を研磨して平坦に整面する配線基板の製造方法とすると良い。
【0022】
本発明では、整面工程は、#320以上の研磨紙により、露出面を研磨することにより行う。#320以上の番手(JIS規格R6001「研磨剤の粒度」に規定されている。)の研磨紙を用いて固定用樹脂を研磨すれば、基板本体の表面に傷が付きにくい。そのため、例えば、ビルドアップ法による配線形成など、配線形成を支障なく行うことができる。
また、#320以上#600以下の研磨紙を利用すれば、基板本体の表面に導体層が形成されている場合であっても、その導体層の剥離を抑制できるという効果を奏する。
【0023】
なお、以上で説明した製造方法によって得られる配線基板において、所望の配線パターンを形成するためには、収容部に充填された固定用樹脂の露出面及びその周辺などに導体層(メッキ層)を形成して配線パターンを構成する必要がある。そして、基板本体には、収容部の他にも、スルーホールを設けてその内周面にメッキによりスルーホール導体を形成し、基板本体の基板主面と基板裏面に形成された配線同士を導通させる。そして、そのスルーホール導体の孔に孔埋用樹脂を充填する場合が多い。
【0024】
固定用樹脂には、固定用樹脂よりも熱膨張係数が小さいフィラー(例えばSiO2 等)を混合(樹脂を含む複合材料となる。)しておくのが好ましい。こうすることにより、固定用樹脂とフィラーとの複合体としての熱膨張係数を精度よくコントロールすることが可能となる。その結果、例えば、Cu等により形成される配線(導体層)やSi等により形成されるICチップと基板本体との間で熱膨張係数の整合をとり易くなり、熱に対する信頼性を向上させることができる。
【0025】
また、特に、固定用樹脂には、酸化剤に溶解しにくい成分として無機フィラーを含有させるとよい。固定用樹脂の表面は、配線パターンや電子部品との密着性を高めるために、酸化剤により粗化処理をすることがある。そこで、酸化剤に溶解しにくい成分として無機フィラーを含有させると、熱膨張係数を調整できる他、固定用樹脂の硬化後において無機フィラーが骨材として機能することにより、粗化処理後における固定用樹脂の形状が必要以上に崩れることを防止できる。
酸化剤に実質的に溶解しない無機フィラーとしては、特に制限はないが、結晶性シリカ、溶解シリカ、アルミナ、窒化ケイ素等がよく、固定用樹脂の熱膨張率を効果的に下げることができる。これらの無機フィラーを充填材として高い充填率になるように添加し、固定用樹脂の熱膨張率を40ppm/℃以下、好ましくは30ppm/℃以下、より好ましくは25ppm/℃以下、さらに好ましくは20ppm/℃以下であって、下限値として10ppm/℃以上にすることで、内蔵されたICチップと実装される電子部品との熱膨張係数の差に起因する応力集中を少なくすることができる。
【0026】
無機フィラーの形状は、固定用樹脂の流動性と充填率とを高くするために、略球状であるとよい。特に、シリカ系の無機フィラーは、容易に球状のものが得られるため好ましい。固定用樹脂の粘度、高充填率化をさらに向上達成させるためには、粒子の形状の異なる無機フィラーを2種以上添加するとよい。
無機フィラーの径は、固定用樹脂の流動性をよくするため、粗径50μm以下のフィラーを使用するとよい。この粒径の好ましい範囲は、30μm以下であり、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。50μmを越えると、流動性が悪く充填がうまくいかないこと可能性がある上、固定用樹脂の露出面を平坦化するために研磨する際に、フィラーが脱落して大きな凹みが発生し、その後のメッキによる微細配線の形成を妨げる。フィラー径の下限値としては、0.1μm以上がよい。これよりも細かいと、固定用樹脂の流動性が確保しにくくなる。好ましくは0.3μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上がよい。固定用樹脂の低粘度、高充填化を達成するためには、粒度分布を広くとるとよい。
【0027】
無機フィラーの表面は、必要に応じてカップリング剤により表面処理するとよい。無機フィラーの樹脂成分との濡れ性がよくなり、固定用樹脂の流動性を良好にできるからである。カップリング剤の種類としては、シラン系、チタン系、アルミニウム系等が用いられる。
【0028】
また、固定用樹脂には、酸化剤に実質的に溶解しない成分として、他に、硬化促進剤、シリコンオイル、反応性シリコンゲル、反応性希釈剤、消泡剤、改質剤等を用いることができる。固定用樹脂に熱硬化性樹脂を含む場合には、硬化剤の添加が必要である。硬化剤の種類に特に制限はないが、イミダゾール系、アミン系、酸無水物系、ノボラック樹脂系等を用いるとよい。特に、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いた場合は、イミダゾール系、アミン系や酸無水物系等の液状硬化剤を用いると、固定用樹脂の低粘度化が容易なため、無機フィラー等の充填材を添加する際に有効でよい。
【0029】
硬化した固定用樹脂は、少なくとも配線との接触界面において粗化されているとよい。粗化面の細かい凹凸が、メッキにより形成される配線との密着性を高めるアンカー効果を奏するからである。この粗化面は、表面粗度Rzが0.1μm〜15μmになるように調整するのがよい。好ましくは0.5μm〜10μm、より好ましくは1μm〜8μm、さらに好ましくは3μm〜7μm、特には5〜7μmがよい。配線は、この粗化面の凹凸に実質的に食い込んでいるのがよい。配線が凹凸に実質的に食い込んでいないような微細な隙間や密着不良部があると、信頼性試験において配線膨れが発生しやすくなるからである。
【0030】
無機フィラーを固定用樹脂に含有させることは、固定用樹脂の粗化後の表面形状(凹凸)を調整する上でも意義がある。即ち、固定用樹脂は、少なくとも1種類の無機フィラーを含むものであり、かつ、その含有量が35〜65体積%の範囲、好ましくは、40〜60体積%の範囲、より好ましくは40〜50体積%の範囲であるとよい。固定用樹脂の表面粗度Rzが所定の範囲となるように調整し、また、無機フィラーの含有量を所定の範囲とすることで、配線の密着性を得るために必要なアンカー効果がより効果的に得られると共に、粗化処理後の固定用樹脂の形状保持を図って、配線の下部に過大な大きさの空孔等の潜在的欠陥の発生を抑制できる利点がある。
【0031】
そして特に、熱硬化性樹脂とその硬化剤と少なくとも1種類の無機フィラーとを含む固定用樹脂であってその熱硬化性樹脂がビスフェノールエポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック樹脂から選ばれる少なくとも1種であり、その無機フィラーの含有量が35〜65体積%であり、その硬化剤が酸無水物系の硬化剤である固定用樹脂を用いるとよい。配線の固定用樹脂に対する密着力を向上できると共に、耐熱衝撃試験、耐水性試験などの信頼性試験において高い信頼性が得られるからである。
【0032】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は本実施形態1に係る配線基板101の内部構成を説明する図である。なお、この配線基板101は、図2に示すように、分割により複数の配線基板102(縦横約40mm×約40mm)となる多数個取り用の配線基板(縦横約330mm×約330mm)である。
【0033】
図1に示すように、この配線基板101においては、厚さ約0.8mmのガラス−エポキシ樹脂複合材料製であるコア基板(基板本体)103の基板主面103aと基板裏面103bには、厚さ約25μmのCuからなる第1導体層105a,105bが形成されている。
コア基板103には、基板主面103aと基板裏面103bとの間を貫通するスルーホール107の内周面に、Cuからなる直径約250μmのスルーホール導体108が形成されている。そして、スルーホール導体108の孔には、孔埋用樹脂109が充填形成されている。このスルーホール導体108により、基板主面103a上の第1導体層105aと基板裏面103b上の第1導体層105bとが相互に接続されている。
【0034】
また、コア基板103には、基板主面103aと基板裏面103bとの間を貫通する収容部111(縦横約12mm×約12mm)が形成されており、その内部には、ICチップIC2が、そのIC端子IC2tが多数配置された端子面IC2mを基板裏面103b側に向けて内蔵されている。
収容部111の内部において、ICチップIC2は、硬化した固定用樹脂113によりコア基板103内に固定されている。配線基板101の裏面側には複数のチップコンデンサCCが実装されるので、これにより、ICチップIC2で発生するスイッチングノイズの抑制や、また、ICチップIC2に供給すべき動作電源電圧の安定化を図ることができる。
【0035】
第1導体層105a,105b上には、厚さ約30μmのエポキシ樹脂等からなる第1層間絶縁層115a,115bが積層され、さらに、第1層間絶縁層115a,115bの上には、厚さ約15μmのCuからなる第2導体層117a,117bが形成されている。即ち、第1導体層105a(105b)と第2導体層117a(117b)とは、第1層間絶縁層115a(115b)を間に挟んで積層されている。また、第1導体層105a(105b)と第2導体層117a(117b)とは、第1層間絶縁層115a(115b)に形成された開口径約60μmのCuからなるフィルドビア導体119a(119b)により相互に接続されている。
【0036】
第2導体層117a,117b上には、厚さ約30μmのエポキシ樹脂等からなる第2層間絶縁層121a,121bが積層され、さらに、この第2層間絶縁層121a,121bの上には、厚さ約15μmのCuからなる第3導体層123a,123bが形成されている。
このうち、基板主面103a側の第3導体層123aには、チップコンデンサCCを接続するためのフリップチップパッド(図示しない)が多数形成され、各フリップチップパッド上には、高温ハンダからなる略半球状のフリップチップバンプ(図示しない)が形成されている。なお、フリップチップパッドの周囲には、フリップチップバンプの形成時に、フリップチップパッドの周囲にハンダが流れ出すのを防止するためのソルダーレジスト層125a(厚さ約20μm)が積層されている。
一方、基板裏面103b側の第3導体層123bにも、チップコンデンサCCを接続するためのフリップチップパッド123bfが多数形成され、各フリップチップパッド123bf上には、高温ハンダからなる略半球状のフリップチップバンプ127が形成されている。また、マザーボードなどの他の基板と接続するため、ピンパッド(図示しない)が多数形成され、さらに、各ピンパッドにはハンダによりピン(図示しない)が立設されている。なお、フリップチップパッド123bfやピンパッドの周囲にも、ソルダーレジスト層125b(厚さ約20μm)が積層されている。
【0037】
なお、第2導体層117a(117b)と第3導体層123a(123b)とは、第2層間絶縁層121a(121b)に形成された開口径約50μmのCuからなるフィルドビア導体129a(129b)により相互に接続されている。このように、層間接続にフィルドビア導体119b,129bを用いることでICチップIC2のIC端子IC2tとフリップチップパッド123bfとを一直線で結ぶことができる(即ち、スタックトビアを形成できる。)。そのため、ICチップIC2とチップコンデンサCCとを短い距離で結ぶことが可能となり、電気的特性の向上を図ることが可能となる。
この多数個取り用の配線基板101は、後述する各工程を経た後、ダイシング加工により分割され、複数の配線基板102となる。
【0038】
次いで、上記配線基板101の製造方法について、図を参照しつつ説明する。
図3に示すように、コア基板(基板本体)103としては、予め銅張積層板の一部として構成されたものを使用すると好ましい。銅張積層板は、樹脂製の絶縁性基板の両面に銅箔を載せ、加熱及び加圧により、絶縁性基板にCuからなる導体層103da,103dbを積層したものである。なお、コア基板103として、こうした導体層103da,103dbが積層されていない絶縁性基板を使用してもよい。
そして、このコア基板103に、基板主面103aと基板裏面103bとの間を貫通するスルーホール107を例えばドリルにより多数形成すると共に、基板主面103aと基板裏面103bとの間を貫通する収容部111を例えばパンチングにより形成する。これらスルーホール107や収容部111は、レーザ(CO2 、YAG、エキシマ等)で穿孔することとすれば、その大きさを小さくすることも可能である。なお、図2に示すように、配線基板101には、複数の収容部111が形成される。
【0039】
次に、図4に示すように、収容部111の開口部の一方(基板裏面103b側の開口部111b)を、片面にシリコン系の粘着剤151を有するポリイミドからなるシート材153で覆う(閉塞工程)。その際、粘着剤151をコア基板103側に向けてシート材153をコア基板103に貼り付ける。そうすれば、粘着剤151は、収容部111の内側に露出する。また、コア基板103には複数の収容部111が形成されているが、これらの開口部111bを1枚のシート材153で覆う。
【0040】
シート材153で一方の開口部111bを塞いだ後、図5に示すように、ICチップIC2を、シート材153に粘着するように、収容部111の内部に配置する(IC配置工程)。この際、IC端子IC2tが配置された端子面IC2m全体がシート材153と隙間なく粘着するように配置する。一方、IC端子IC2tとシート材153との間には、若干の隙間ができることもある。
なお、シート材153として、8.83N/25mmの粘着力を有するものを使用したところ、一部のピースにおいて、シート材153からのICチップIC2の剥がれが確認された。このことから、シート材153上にICチップIC2を保持するためには、粘着力が8.0N/25mm以上のものを使用すると好ましいと思われる。
【0041】
このようにして、収容部111内にICチップIC2を配置した状態で、図6に示すように、収容部111内に固定用樹脂113を充填し、さらにこれを硬化させる(IC固定工程)。これにより、コア基板103内にICチップIC2が内蔵されることとなる。なお、ICチップIC2とシート材153との間には、固定用樹脂113は流れ込まない。端子面IC2mとシート材153とが隙間なく密着しているからである。
固定用樹脂113を充填した後、これを硬化させる前には、真空脱法により固定用樹脂113から気泡を抜く。固定用樹脂113を硬化させるには、固定用樹脂113の種類に応じて様々な方法が考えられる。本実施形態1では、固定用樹脂113として熱硬化性のエポキシ系樹脂を使用しており、加熱及び乾燥により硬化(キュア)させる。具体的には、充填した固定用樹脂113を、1時間〜3時間ほど、100℃〜120℃の温度に保つことによってキュアを行う。
なお、固定用樹脂113には、固定用樹脂113よりも熱膨張係数が小さいフィラー(例えばSiO2 等)を混合(樹脂を含む複合材料となる。)しておくと好ましい。こうすることにより、固定用樹脂113とフィラーとの複合体として、熱膨張係数を精度よくコントロールすることができる。その結果、例えば、Cu等によって形成される配線(導体層)やSi等によって形成されるICチップIC2とコア基板103との間で熱膨張係数の整合をとりやすくなり、熱に対する信頼性を向上させることができる。
【0042】
次に、シート材153を除去し、その後、基板主面103a及び固定用樹脂113の基板主面103a側の露出面、並びに、基板裏面103b、固定用樹脂113の基板裏面103b側の露出面及びICチップIC2の端子面IC2mを、ベルトサンダーにより研磨する(整面工程)(図7参照)。この研磨により、固定用樹脂113の各露出面が平坦化されると共に、固定用樹脂113の各露出面と基板主面103a及び基板裏面103b(導体層103da,103dbの表面)との高さが揃えられる。即ち、固定用樹脂113と基板主面103aとが同一平面をなすと共に、固定用樹脂113と基板裏面103bとICチップIC2とが同一平面をなすことになる。その結果、基板主面103a及び基板裏面103b側に、公知のビルドアップ法により、平坦な導体層や層間絶縁層を形成することが可能となる。
【0043】
なお、研磨に使用する研磨紙は、目の細かさが#400のものを使用したが、好ましくは#320または#320よりも目の細かい研磨紙を使用するのがよく、特に、#320以上#600以下の研磨紙を利用するとさらに好ましい。その理由は、表1に示すように、#120、#240の研磨紙により研磨を行ったところ、導体層103da,103dbが剥げたり、導体層103da,103dbの表面にキズが見られ、また、#800の研磨紙を用いたところ、導体層103da,103dbにキズは見られなかったが、一部に剥げが生じたためである。これは、研磨紙の目が細かくなると、固定用樹脂113が削られにくくなるにも拘わらず、その分、金属部分が相対的に削られ易くなり、導体層103da,103dbに剥離が生じたものと考えられる。
【0044】
【表1】
【0045】
なお、表1において、○は良好、×は不良を示す。
また、本実施形態1では、シート材153の粘着剤151としてシリコン系のものを使用したが、これは、次のような実験に基づいている。表2は、シート材153の基材と粘着剤151との種々の組み合わせについて、硬化した固定用樹脂113からの剥がし易さ、及び、シート材153の耐熱性(200℃の環境における変形、変質の有無)について調べた結果を示している。この実験において、固定用樹脂113としては、エポキシ系樹脂を使用し、これにシリカフィラーを混入したものを用いた。
【0046】
【表2】
【0047】
なお、表2において、○は良好、×は不良、−は未確認であることを示す。
表2に示すように、基材がポリエステルまたはポリイミドであると、シート材153は耐熱性に優れたものとなり変形や変質がなく、また、粘着剤151がシリコン系である場合には、固定用樹脂113の硬化後に剥がし易いことが判る。
本実施形態1では、シート材153の基材としてポリイミドを用い、かつ、シリコン系の粘着剤151を用いているので、固定用樹脂113を熱硬化させる際にシート材153に変形がなく、そのため、シート材153上に配置したICチップIC2の位置ずれが少なく、高い位置精度でICチップIC2をコア基板103内に配置することができる。また、硬化した固定用樹脂113からシート材153を剥がし易いため、シート材153の一部が残渣となって後のビルドアップ工程に支障を来すことを防ぐことができる。
【0048】
さて、本実施形態1では、整面工程の後、図8に示すように、スルーホール導体108の形成、及び、基板主面103aと基板裏面103bへの第1導体層105a,105bの形成を行う。
これらの形成は、次のようにして行われる。即ち、収容部111内にICチップIC2を内蔵したコア基板103全体に、Cu無電解メッキを施した後、さらに、Cu電解メッキを施すことにより、コア基板103全体にパネルメッキを行う(メッキ工程)。そして、エッチングによって不要部分を除去することにより、第1導体層105a,105bを形成する。なお、パネルメッキの際には、スルーホール107の内周面にスルーホール導体108も形成される。従って、その後、スルーホール導体108の孔に孔埋用樹脂109を充填し硬化させる(孔埋工程)。この孔埋用樹脂109には、SiO2 やCu粉等の無機フィラーや金属フィラーを混合(樹脂を含む複合材料となる。)しておくとよい。
【0049】
第1導体層105a、105bの形成後は、以下の様なビルドアップ工程を行う。まず、基板主面103a側及び基板裏面103b側に、エポキシ樹脂を主成分とするフィルム化された感光性樹脂を貼付する。そして、この感光性樹脂を露光・現像することにより、所定の位置にビアホールを形成し、感光性樹脂を硬化させて、第1層間絶縁層115a,115bを形成する(図1参照)。なお、ビアホールは、第1層間絶縁層115a,115bを感光性のない樹脂で形成した後、レーザなどを用いて穿設しても良い。
【0050】
さらに、Cu無電解メッキおよびCu電解メッキを施し、第1層間絶縁層115a、115bに形成したビアホールにフィルドビア導体119a,119bを充填形成すると共に、第1層間絶縁層115a、115bの表面にメッキ層を形成する。そして、このメッキ層の上にドライフィルムを貼り付け、露光・現像してエッチングレジストを形成し、メッキ層のうちの不要部分をエッチングにより除去する。これにより、配線等からなる所定パターンの第2導体層117a、117bが形成される。なお、第2導体層117a,117bの形成には、周知のセミアディティブティブ法やフルアディテイブ法を利用してもよい。
【0051】
以降は、同様にして、第2層間絶縁層121a,121b、フィルドビア導体129a,129b、第3導体層123a,123bを順に形成し、その後、ソルダレジスト層125a,125bを形成する。そして、基板主面103a側のソルダレジスト層125aから露出したフリップチップパッド上には、Ni−Auメッキ層を形成し、さらに、ハンダペーストを塗布しリフローすることで、フリップチップバンプを形成する。一方、基板裏面103b側のソルダレジスト層125bから露出したフリップチップパッド123bf及びピンパッドの上にも、Ni−Auメッキ層を形成し、さらに、フリップチップパッド123bf上には、ハンダペーストを塗布しリフローすることで、フリップチップバンプ127を形成する。また、ピンパッド上には、ハンダペーストを塗布した後ピンを載置してリフローすることで、ピンを立設する。
以上のようにして、図1に示す構造の配線基板1が完成する。なお、この多数個取り用の配線基板1は、例えばダイシング加工などにより分割されて最終製品である配線基板102となる。
【0052】
以上で説明した製造方法によれば、以下の効果を奏する。
即ち、収容部111内にICチップIC2を配置する前には、まず、粘着剤151付きのシート材153により、その収容部111の基板裏面103b側の開口部111bを塞ぐ。その際、シート材153は、粘着剤151が収容部111の内側に露出するように収容部111を塞ぐ。そして、ICチップIC2を収容部111内に配置するにあたっては、ICチップIC2をシート材153に粘着させ、収容部111内で当該ICチップIC2の位置がずれないようにしておき、その状態で固定用樹脂113を収容部111内に充填し硬化させる。このため、高い位置精度で収容部111内、即ち、コア基板103内にICチップIC2を内蔵できる。そして、ICチップIC2の位置精度が高いため、ICチップIC2と基板の配線との電気的接続も確実に図ることができ、信頼性の高い配線基板101を得ることができる。
【0053】
また、1枚のシート材153で複数の収容部111を同時に塞ぐこととしているため、製造工程を簡素化することができる。
また、シート材153は除去することから、その後、基板裏面103a側における第1導体層105bや第1層間絶縁層115bの形成など(即ち、ビルドアップ工程)を支障なく行うことができる。また、シート材153の除去を、固定用樹脂113が硬化した後に行うことから、ICチップIC2の位置がずれるという心配もない。
また、ICチップIC2を、その端子面IC2mがシート材153に隙間なく密着するように配置していることから、端子面IC2mやIC端子IC2tには固定用樹脂113が付着しない。このため、シート材153を除去すれば、IC端子IC2tが基板裏面103b側に露出する。従って、その後IC端子IC2t上の固定用樹脂113を除去することなく、IC端子IC2tと基板の配線とを接続することが可能となる。しかも、IC端子IC2tと基板の配線とをビア導体を介することなく、直接接続することが可能となる。
【0054】
また、固定用樹脂113の各露出面を研磨により平坦化することから、その後、これらの上でのビルドアップ工程を支障なく行うことができる。しかも、化学研磨ではなく、ベルトサンダーを使用した機械研磨により研磨を行うことから、固定用樹脂113と基板主面103a及び基板裏面103bとを同一平面にすることができ、平坦なビルドアップ層(第1導体層105a,105bや第1層間絶縁層115a,115bなど)を形成できる。さらに、#400の研磨紙を用いて研磨するので、コア基板103の導体層103da,103dbにキズが付きにくい。そのため、例えば、ビルドアップ法などの、配線形成を支障なく行うことができる。また、導体層103da,103dbの剥離を生じさせる可能性も少ない。
【0055】
(実施形態2)
次いで、第2の実施の形態について説明する。なお、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
上記実施形態1では、ICチップIC2を収容部111内に固定用樹脂113で固定し、その後、スルーホール導体108を形成する場合を説明した。しかし、このような手順を採ると、従来の技術で説明したように、いくつかの問題が生じる。
そこで、本実施形態2では、スルーホール導体208の形成等をICチップIC3の固定よりも先に行う。なお、本実施形態2では、図9に示すように、コア基板(基板本体)203として、銅箔が張られていない絶縁性基板を使用するものとして説明する。また、上記実施形態1のように多数個取り用の配線基板を製造するのではなく、1つの配線基板を製造するものとして説明する。
【0056】
まず、図10に示すように、コア基板203に、基板主面203aと基板裏面203bとの間を貫通するスルーホール207を形成する。次に、図11に示すように、コア基板203に対してパネルめっきを施すことによって、スルーホール207の内周面にスルーホール導体208を形成すると共に、基板主面203aと基板裏面203bにメッキ層204a,204bを形成する(メッキ工程)。その後、図12に示すように、スルーホール導体208の孔に孔埋用樹脂209を充填し硬化させる(孔埋工程)。なお、孔埋用樹脂209の端部は、メッキ層204a,204bと略同一面を形成するように研磨するとよい。
【0057】
次に、図13に示すように、基板主面203aと基板裏面203bとの間を貫通する収容部211を形成する。次に、上記実施形態1で示した手順と同様にして、収容部211の一方の開口部211b(基板裏面203b側)を、粘着剤251が収容部211の内側に露出するようにシート材253で覆う(閉塞工程)。そして、このシート材253にICチップIC3の端子面IC3m全体が粘着するように、収容部211内にICチップIC3を配置する(IC配置工程)。その後、収容部211内に固定用樹脂213を充填し、気泡を抜いた後、硬化させる(IC固定工程)(図14参照)。
【0058】
固定用樹脂213を硬化させた後、固定用樹脂213の露出面等を上記実施形態1と同様にして研磨して平坦化する(整面工程)(図15参照)。なお、上記のスルーホール導体208に充填した孔埋用樹脂209に対する研磨は、その硬化後であればいつでも行い得るが、この研磨と同時に行うと作業効率がよい。
その後、パネルめっきにより、Cuからなるメッキ層206a,206bを上記のメッキ層204a,204b上、固定用樹脂213上、端子面IC3m上及び孔埋用樹脂209上に形成する(図16参照)。そして、エッチングによって不要部分を除去することにより、第1導体層205a、205b(第1実施例の第1導体層105a、105bに相当する)を形成する(図17参照)。
こうして第1導体層205a,205bを形成した後は、上記実施形態1と同様のビルドアップ工程を行うことにより、上記実施形態1に示した配線基板1と同様の構成を有する配線基板を得ることができる。
【0059】
このような製造方法によれば、スルーホール導体208の孔を孔埋用樹脂209で孔埋めした後に、ICチップIC2の収容部211への固定用樹脂213の充填、硬化を行うこととしているため、収容部211に充填されるべき固定用樹脂213によりスルーホール207またはスルーホール導体208の孔が塞がれるといった不具合が生じない。また、収容部211の開口縁近傍においてメッキ層に生じた窪みに孔埋用樹脂209が詰まることもないため、この詰まりに起因して配線パターンの形成に支障が生じることもなくなる。
【0060】
(変形形態1)
次いで、第1の変形形態について説明する。
本変形形態1では、コア基板303を用意し、シート材353を貼り付けるまでの工程が、上記実施形態2と異なる。
本変形形態1では、図18に示すように、コア基板(基板本体)303として、上記実施形態2と同様な銅箔のない絶縁性基板を使用するものとしている。そして、図19に示すように、コア基板303に、基板主面303aと基板裏面303bとの間を貫通するスルーホール307と収容部311を形成する。
次に、図20に示すように、コア基板303に対してパネルめっきを施すことにより、スルーホール9の内周面にスルーホール導体308を、収容部311の内周面にメッキ層312を形成すると共に、基板主面303aと基板裏面303bにもメッキ層304a,304bを形成する。そして、図21に示すように、スルーホール導体308の孔に孔埋用樹脂309を充填し硬化させる。
そして次に、図22に示すように、上記実施形態2等と同様に、収容部311の一方の開口部311b(基板裏面303b側)を、粘着剤351が収容部311の内側に露出するようにシート材353で覆う。
このような手順に従って、シート材353を貼り付けるまでの工程を行うこともできる。
【0061】
(変形形態2)
次いで、第2の変形形態について説明する。
本変形形態2では、コア基板403を用意し、シート材453を貼り付けるまでの工程が、上記実施形態2と異なる。
本変形形態2では、図23に示すように、コア基板(基板本体)403として、導体層が予め積層されたコア基板を使用するものとしている。そして、図24に示すように、基板主面403aと基板裏面403bとの間を貫通するスルーホール407を形成し、その後に、図25に示すように、基板主面403aと基板裏面403bとの間を貫通する収容部411を形成する。
次に、図26に示すように、コア基板403に対してパネルめっきを施すことにより、スルーホール407の内周面にスルーホール導体408を、収容部411の内周面にメッキ層412を形成すると共に、基板主面403aと基板裏面403bにも、メッキ層404a,404bを形成する。そして、図27に示すように、スルーホール導体408の孔に孔埋用樹脂409を充填し硬化させる。
そして次に、図28に示すように、上記実施形態2等と同様に、収容部411の一方の開口部411b(基板裏面403b側)を、粘着剤451が収容部411の内側に露出するようにシート材453で覆う。
このような手順に従って、シート材453を貼り付けるまでの工程を行うこともできる。
【0062】
(変形形態3)
次いで、第3の変形形態について説明する。
上記各実施形態1,2等では、基板本体内に導体層が存在しないコア基板103,203等を例示したが、基板本体内に導体層(導体パターン)が内蔵されているものを用いてもよい。例えば、図29に示す配線基板の基板本体503の内部には、導体層561a,561bが形成されている。この基板本体503は、例えば、次のような手順により得ることができる。
即ち、まず、図30に示すような銅張積層板563を用意する。これは、例えば、BT樹脂、FR−4、FR−5などからなる絶縁基板の両面に銅を積層したものである。この絶縁基板の両面に積層された銅をエッチングすることにより、所要のパターンの導体層561a,561bを形成する(図31参照)。
次に、銅張積層板563の両面を粗化した後、図32に示すように、両面に絶縁材565a,565bをラミネートする。絶縁材565a,565bは、上記の絶縁基板を構成する樹脂とは異なる材料であっても同じ材料であってもよく、例えばエポキシ樹脂など、種々の樹脂のものを使用できる。このようにして、内部に導体層561a,561bを有する基板本体503を得ることができる。
【0063】
次に、図33に示すように、絶縁材565a,565bに対しレーザでビアホール567a,567bを形成したり、基板主面503aと基板裏面503bとの間を貫通するスルーホール507をレーザやドリルにより形成する。
その後、図34に示すように、基板本体503にパネルめっきを施すことにより、スルーホール507の内周面にスルーホール導体508を、ビアホール567a,567bの内面にビア導体569a,569bを形成すると共に、基板主面503a及び基板裏面503bにメッキ層504a,504bを形成する。そして、図35に示すように、スルーホール導体505の孔に、孔埋用樹脂509を充填し硬化させる。この孔埋用樹脂509は、メッキ層504a,504bの表面と略同一面を形成するように研磨する。
次に、図36に示すように、基板主面503aと基板裏面503bとの間を貫通する収容部511を形成する。その後は、上記各実施形態1,2等で説明した手順に従えば、ICチップを基板本体503に内蔵でき、更に、ビルドアップ層を形成することができる。
【0064】
(変形形態4)
次いで、第4の変形形態について説明する。
本変形形態4は、例えば、図37に示すように、予め内部に導体層661a,661bを有する基板本体603を用いる。これを用いて図29と略同様な配線基板を得るには、まず、図37に示す基板本体603に、基板主面603aと基板裏面603bとの間を貫通するスルーホール607や、ビアホール(図示せず)を形成する(図38参照)。次に、パネルめっきにより、スルーホール607の内周面にスルーホール導体608を、ビアホールの内面にビア導体(図示しない)を形成すると共に、基板主面603a及び基板裏面603bにメッキ層604a,604bを形成する(図39参照)。そして、スルーホール導体608の孔に孔埋用樹脂609を充填し硬化させる(図40参照)。そしてさらに、基板主面603aと基板裏面603bとの間を貫通する収容部611を形成する(図41参照)。その後は、上記各実施形態1,2等で説明した手順に従えば、ICチップを基板本体603に内蔵でき、更にビルドアップ層を形成することができる。
【0065】
上記変形形態3,4のように、基板本体503,603として、導体層561a,561b、661a,661bが内蔵されているものを用いると、基板本体503,603の上に積層すべき導体層の数を減らすことができる。例えば、上記各実施形態1,2では、基板本体(コア基板)103,203の両面上に導体層を3層ずつ積層したものを示したが、これに対し、上記変形形態3,4では、図29に示すように、両面の上に積層すべき導体層の数が2層ずつに減少している。
そのため、ICチップと電子部品との間の導通経路を短くすることができ、ループインダクタンス、スイッチングノイズ、クロストークノイズなどの低減、即ち、配線基板の電気的特性の向上を図ることが可能となる。
【0066】
また、基板本体503,603の両面上に積層すべき導体層の数が2層ずつになっていることから、スタックトビア(積み上げビア)を形成する必要がなくなる。そして、スタックトビアが不要となるため、フィルドビア(導体で完全に充填されたビア)を形成する必要がなくなり、コンフォーマルビア(導体で完全には充填されないビア)で足りることになるので、ビアの形成にかかるコストを抑制することができる。
なお、上記変形形態3,4では、基板本体503,603の両面上に2層の導体層を積層したものを示したが、その層数はこれに限定されない。また、基板本体503,603の内部には2層の導体層561a,561b,661a,661bを有するものを説明したが、その層数はこれに限定されるものではない。
【0067】
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記各実施形態1,2等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上記各実施形態1,2等では、収容部111等が、基板主面103a等と基板裏面103b等と貫通してなるものを示したが、これに限られるものでなはい。例えば、図42に示すように、収容部711を凹部として構成することもできる。但し、このような配線基板では、シート材を利用してICチップを固定することができないので、上記各実施形態1,2等のように貫通孔型の収容部111等を構成するのが好ましい。
【0068】
また、上記各実施形態1,2等では、配線基板101等の主面及び裏面に実装する電子部品として、チップコンデンサCCを示したが、これに限らず、チップ状の抵抗体、インダクタ、フィルタ(SAWフィルタ、LCフィルタ等)、トランジスタ、メモリ、ローノイズアンプ(LNA)、FET、アンテナスイッチモジュール、カブラ、ダイプレクサなど、各種の電子部品を実装してもよい。また、異種の電子部品同士を実装してもよい。
【0069】
また、上記各実施形態1,2等では、基板本体(コア基板)103等の材質として、ガラスーエポキシ樹脂複合材料を用いたが、これに限られることなく、耐熱性、機械強度、可境性、加工の容易さ等を考慮して選択すればよい。従って、例えば、ガラス織布、ガラス不織布などのガラス繊維と、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BT樹脂等の樹脂との複合材料であるガラス繊維一樹脂複合材料を用いることができる。また、ポリイミド繊維などの有機繊維と樹脂との複合材料、連続気孔を有するPTFEなど3次元網目構造のフッ素系樹脂にエポキシ樹脂等の樹脂を含浸させた樹脂一樹脂複合材料などを用いることができる。
【0070】
また、上記各実施形態1,2等では、第1層間絶縁層115a,115b等、第2層間絶縁層121a,121b等としてエポキシ樹脂を主成分とするものを用いたが、耐熱性、パターン成形性等を考慮して適宜選択すればよい。例えば、ポリイミド樹脂、BT樹脂、PPE樹脂、連続気孔を有するPTFEなど3次元網目構造のフッ素系樹脂にエポキシ樹脂等の樹脂を含浸させた樹脂一樹脂複合材料などを用いることができる。絶縁層の形成には、絶縁層をフィルム化したものを熱圧着する方法の他、液状樹脂をロールコータなどにより塗布して形成しても良い。
【0071】
また、上記各実施形態1,2等では、第1導体層105a,105b、第2導体層117a,117b等をCu無電解メッキ及びCu電解メッキによって形成したが、他の材質、例えばNi,Ni−Au等によって形成しても良く、さらには、メッキによらず、導電性樹脂を塗布するなどの手法によって形成しても良い。
また、上記各実施形態1,2等では、チップコンデンサCCとの接続のために、フリップチップパッド123bfやフリップチップバンプ127を多数設けるものを説明した。しかし、この接続端子としては、チップコンデンサに形成された端子に応じて、適切な形態のものを使用すれば良く、フリップチップパッドのみのもの、あるいは、ワイヤボンディングパッドやTAB接続用のパッドを形成したものなどが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1,2に係る配線基板の構成を示す説明図である。
【図2】 実施形態1に係る配線基板の簡略化した平面図である。
【図3】 実施形態1の配線基板の製造方法に関し、コア基板にスルーホールと収容部を形成した様子を示す説明図である。
【図4】 実施形態1の配線基板の製造方法に関し、コア基板にシート材を貼り付けた様子を示す説明図である。
【図5】 実施形態1の配線基板の製造方法に関し、収容部内にICチップを配置した様子を示す説明図である。
【図6】 実施形態1の配線基板の製造方法に関し、収容部内に固定用樹脂を充填し硬化させた様子を示す説明図である。
【図7】 実施形態1の配線基板の製造方法に関し、固定用樹脂の露出面等を研磨した様子を示す説明図である。
【図8】 実施形態1の配線基板の製造方法に関し、第1導体層を形成した様子を示す説明図である。
【図9】 実施形態2の配線基板の製造方法に関し、コア基板を示す説明図である。
【図10】 実施形態2の配線基板の製造方法に関し、コア基板にスルーホールを形成した様子を示す説明図である。
【図11】 実施形態2の配線基板の製造方法に関し、コア基板にパネルメッキを施した様子を示す説明図である。
【図12】 実施形態2の配線基板の製造方法に関し、スルーホール導体の孔に孔埋用樹脂を充填形成した様子を示す説明図である。
【図13】 実施形態2の配線基板の製造方法に関し、コア基板に収容部を形成した様子を示す説明図である。
【図14】 実施形態2の配線基板の製造方法に関し、収容部にICチップを内蔵した様子を示す説明図である。
【図15】 実施形態2の配線基板の製造方法に関し、固定用樹脂の露出面等を研磨した様子を示す説明図である。
【図16】 実施形態2の配線基板の製造方法に関し、コア基板にパネルメッキを施した様子を示す説明図である。
【図17】 実施形態2の配線基板の製造方法に関し、第1導体層を形成した様子を示す説明図である。
【図18】 変形形態1の配線基板の製造方法に関し、コア基板を示す説明図である。
【図19】 変形形態1の配線基板の製造方法に関し、コア基板にスルーホールと収容部を形成した様子を示す説明図である。
【図20】 変形形態1の配線基板の製造方法に関し、コア基板にパネルメッキを施した様子を示す説明図である。
【図21】 変形形態1の配線基板の製造方法に関し、スルーホール導体の孔に孔埋用樹脂を充填形成した様子を示す説明図である。
【図22】 変形形態1の配線基板の製造方法に関し、コア基板にシート材を貼り付けた様子を示す説明図である。
【図23】 変形形態2の配線基板の製造方法に関し、コア基板を示す説明図である。
【図24】 変形形態2の配線基板の製造方法に関し、コア基板にスルーホールを形成した様子を示す説明図である。
【図25】 変形形態2の配線基板の製造方法に関し、コア基板に収容部を形成した様子を示す説明図である。
【図26】 変形形態2の配線基板の製造方法に関し、コア基板にパネルメッキを施した様子を示す説明図である。
【図27】 変形形態2の配線基板の製造方法に関し、スルーホール導体の孔に孔埋用樹脂を充填形成した様子を示す説明図である。
【図28】 変形形態2の配線基板の製造方法に関し、コア基板にシート材を貼り付けた様子を示す説明図である。
【図29】 変形形態3,4に係る配線基板の構成を示す説明図である。
【図30】 変形形態3の配線基板の製造方法に関し、コア基板を示す説明図である。
【図31】 変形形態3の配線基板の製造方法に関し、コア基板の両面に所定パターンの導体層を形成した様子を示す説明図である。
【図32】 変形形態3の配線基板の製造方法に関し、コア基板の両面に絶縁層を積層し基板本体を形成した様子を示す説明図である。
【図33】 変形形態3の配線基板の製造方法に関し、基板本体にスルーホールとビアホールを形成した様子を示す説明図である。
【図34】 変形形態3の配線基板の製造方法に関し、基板本体にパネルメッキを施した様子を示す説明図である。
【図35】 変形形態3の配線基板の製造方法に関し、スルーホール導体の孔に孔埋用樹脂を充填形成した様子を示す説明図である。
【図36】 変形形態3の配線基板の製造方法に関し、基板本体に収容部を形成した様子を示す説明図である。
【図37】 変形形態4の配線基板の製造方法に関し、基板本体を示す説明図である。
【図38】 変形形態4の配線基板の製造方法に関し、基板本体にスルーホール等を形成した様子を示す説明図である。
【図39】 変形形態4の配線基板の製造方法に関し、基板本体にパネルメッキを施した様子を示す説明図である。
【図40】 変形形態4の配線基板の製造方法に関し、スルーホール導体の孔に孔埋用樹脂を充填形成した様子を示す説明図である。
【図41】 変形形態4の配線基板の製造方法に関し、基板本体に収容部を形成した様子を示す説明図である。
【図42】 別の実施形態に係る配線基板の構成を示す説明図である。
【図43】 従来技術の配線基板の製造方法に関し、基板本体にICチップを内蔵した様子を示す説明図である。
【図44】 従来技術の配線基板の製造方法に関し、基板本体にパネルメッキを施した様子を示す説明図である。
【図45】 従来技術の配線基板の製造方法に関し、スルーホール導体の孔に孔埋用樹脂を充填形成した様子を示す説明図である。
【符号の説明】
101 配線基板
103,203,303,403 コア基板(基板本体)
503,603 基板本体
103a,203a,303a,403a,503a,603a 基板主面
103b,203b,303b,403b,503b,603b 基板裏面
107,207,307,407,507,607 スルーホール
108,208,308,408,508,608 スルーホール導体
109,209,309,409,509,609 孔埋用樹脂
111,211,311,411,511,611 収容部
111b,211b,311b,411b (基板裏面側の)開口部
113,213 固定用樹脂
151,251,351,451 粘着剤
153,253,353,453 シート材
IC2,IC3 ICチップ
IC2t IC端子
IC2m,IC3m 端子面

Claims (5)

  1. 基板主面と基板裏面を有し、これら基板主面と基板裏面との間を貫通する収容部を有する基板本体と、
    上記収容部内に内蔵されたICチップと、
    を備える配線基板の製造方法であって、
    表面に粘着剤を有するシート材により、上記収容部の上記基板主面側または基板裏面側の開口部を、上記粘着剤が上記収容部の内側に露出するように塞ぐ閉塞工程と、
    上記ICチップを、上記シート材に粘着した状態となるように、上記収容部内に配置するIC配置工程と、
    上記ICチップが配置された上記収容部内に、固定用樹脂を充填し硬化させて、上記ICチップを上記基板本体内に固定するIC固定工程と、
    を備え
    前記IC配置工程では、前記ICチップのIC端子が配置された端子面を前記シート材に向けて、上記端子面の少なくとも周縁と上記シート材とを隙間なく密着させ
    配線基板の製造方法。
  2. 基板主面と基板裏面を有し、これら基板主面と基板裏面との間を貫通する複数の収容部を有する基板本体と、
    各々の上記収容部内に内蔵された複数のICチップと、
    を備える多数個取り用の配線基板の製造方法であって、
    表面に粘着剤を有するシート材により、上記複数の収容部の上記基板主面側または基板裏面側の開口部を、上記粘着剤が上記収容部の内側にそれぞれ露出するように塞ぐ閉塞工程と、
    上記複数のICチップを、上記シート材に粘着した状態となるように、上記収容部内にそれぞれ配置するIC配置工程と、
    上記ICチップが配置された各々の上記収容部内に、固定用樹脂を充填し硬化させて、上記ICチップを上記基板本体内にそれぞれ固定するIC固定工程と、を備え
    前記IC配置工程では、前記ICチップのIC端子が配置された端子面を前記シート材に向けて、上記端子面の少なくとも周縁と上記シート材とを隙間なく密着させ
    多数個取り用の配線基板の製造方法。
  3. 基板主面と基板裏面を有し、収容部、及び、上記基板主面と基板裏面との間を貫通するスルーホールを有する基板本体と、
    上記収容部内に内蔵されたICチップと、
    上記スルーホールに形成されたスルーホール導体と、
    を備える配線基板の製造方法であって、
    前記収容部は、前記基板主面と基板裏面との間を貫通してなり、
    表面に粘着剤を有するシート材により、上記収容部の上記基板主面側または基板裏面側の開口部を、上記粘着剤が上記収容部の内側に露出するように塞ぐ閉塞工程と、
    前記ICチップを、上記シート材に粘着した状態となるように、上記収容部内に配置するIC配置工程と、
    上記基板本体に穿孔された上記スルーホールの内周面にメッキを施して、上記スルーホール導体を形成するメッキ工程と、
    上記スルーホール導体の孔に孔埋用樹脂を充填し硬化させる孔埋工程と、
    上記孔埋工程後に、上記ICチップが配置された上記収容部内に固定用樹脂を充填し硬化させて、上記ICチップを上記基板本体内に固定するIC固定工程と、
    を備え
    前記IC配置工程では、前記ICチップのIC端子が配置された端子面を前記シート材に向けて、上記端子面の少なくとも周縁と上記シート材とを隙間なく密着させ
    配線基板の製造方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記IC固定工程後に、前記固定用樹脂のうち、前記ICチップのIC端子が配置された端子面側に位置する露出面を、平坦に整面する整面工程を備える
    配線基板の製造方法。
  5. 請求項4に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記整面工程では、#320以上の研磨紙により、前記露出面を研磨して平坦に整面する
    配線基板の製造方法。
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