JP4166864B2 - アミノ酸又はその塩の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、2級又は3級アミノ基と3以上のカルボキシル基を有するアミノ酸(以下「AADA」と記すことがある。)アルカリ金属塩の水溶液から効率的にアルカリ金属イオンを減少させる製造方法に関し、より詳しくはAADAアルカリ金属塩の水溶液からアルカリ金属イオンを減少させてpHの低いAADA塩水溶液又はAADAの酸体を収率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エチレンジアミン四酢酸(以下「EDTA」と記すことがある。)、ジエチレントリアミン五酢酸(以下「DTPA」と記すことがある。)の金属塩やアミン塩は、洗剤添加剤や農業用微量金属補給剤、写真用薬剤などとして従来から使用されている。特に、EDTAやDTPAの鉄塩やアンモニウム塩はカラー写真焼付の際の酸化剤として多量に使用されている。しかし、これらのキレート塩化合物は生物による分解が起こりにくいため、近年の環境保護の観点からこれらに代わる生分解性の良いキレート塩化合物の開発が行われ、アミノ酸を原料とする生分解性の良いキレート塩化合物が種々開発された。中でも、生分解性が良好であることからアミノ酸二酢酸塩が注目されている。かかるアミノ酸二酢酸塩の中でも特に、グルタミン酸を原料とするグルタミン酸−N,N−二酢酸(以下、「GLDA」と記すことがある。)の需要がもっとも多い。
【0003】
AADA塩の製法としては、対応するアミノ酸を、実験室的製法ではモノクロロ酢酸ソーダ(特開平6−59422公報)、工業的製法ではシアン化ソーダとホルマリン(米国特許第2500019号)と反応させる方法が一般に使用されている。いずれの製法でも、生成されるのはAADAのナトリウム塩の溶液であり、液中に多量のナトリウムイオンを含み、液性は強アルカリ性を示す。このため、洗浄剤と混合した場合には相溶性が悪く、白濁・沈殿物が生じることがある。また、例えばシャンプーなどpHを中性として使用する製品の材料としては、このままでは使用することができない。さらにカリウム塩やアンモニウム塩、アミン塩を製造する場合、原料としてナトリウムイオンを全く含まないAADAが望まれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来から使用されているEDTAやDTPAでは、それら酸体の溶解度が低いため、硫酸や塩酸を添加してpHを下げることによってナトリウムイオンを含まない酸体の結晶が容易に得ることができたが、AADAは溶解度が高いため、pHを下げても、ナトリウムイオンを含まない酸体の結晶を得ることは困難であり、また得られたとしても歩留まりが悪くコスト上好ましくない。
【0005】
そこで、AADAのナトリウム塩溶液に無機酸を添加して酸性化し、有機溶剤を貧溶媒としてAADA塩を固形回収する方法やイオン交換樹脂を使用してアルカリ金属イオンを除去する方法、硫酸を添加して芒硝にしてアルカリ金属イオンを除去する方法などがこれまで試みられた。
【0006】
しかしながら、有機溶剤を貧溶媒としてAADA塩を固形回収する方法では、共存する無機塩の溶解度も低下するので、得られたAADA中に無機塩が混入する問題がある。無機塩の混入を少なくするには有機溶剤の添加を少なくする必要があるが、有機溶剤の添加量を少なくすると得られるAADAの収率も悪くなる。
【0007】
また、イオン交換樹脂を使用する方法は、一般的に低濃度のアルカリ金属イオンを除去する手段として採用される方法であって、AADA反応液のような高濃度のナトリウムイオンを除去する手段としてはむいていない。高濃度のナトリウムイオンを除去するには、多量のイオン交換樹脂が必要となり、しかも当該樹脂を頻繁に再生する必要が生じ、生産効率が悪くなるからである。加えてイオン交換樹脂に付着したAADA塩が当該樹脂の再生処理過程で廃液中に散出してしまうのでAADA塩の収率がきわめて悪くなる。
【0008】
硫酸を添加して芒硝にしてナトリウムイオンを除去する方法は、低温度でも芒硝の溶解度が大きいため、AADA塩水溶液中のナトリウムイオン濃度を3%以下という低濃度に減らすことは難しい。またこの方法の場合、硫酸イオンが高濃度でAADA塩水溶液中に混入するという大きな欠点がある。
【0009】
本発明は上記問題を解決するためになされたものであって、アルカリ金属イオンを減少させた、または全くアルカリ金属イオンを含まない生分解性に優れた2級又は3級アミノ基と3以上のカルボキシル基を有するアミノ酸アルカリ金属塩の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、電気透析を行うことにより、2級又は3級アミノ基と3以上のカルボキシル基を有するアミノ酸アルカリ金属塩の水溶液からアルカリ金属イオンを減少させることを特徴とする2級又は3級アミノ基と3以上のカルボキシル基を有するアミノ酸又は当量以下のアルカリ金属との塩を製造する方法が提供される。
【0011】
かかる電気透析において、陽極側に水素イオン選択透過膜を、陰極側に陽イオン透過膜を配置して電気透析を行う、又は陽極側及び陰極側に陽イオン透過膜を配置して電気透析を行うことが好ましい。
【0012】
また電気透析を行う前に、2級又は3級アミノ基と3以上のカルボキシル基を有するアミノ酸アルカリ金属塩の水溶液に、無機酸または有機酸を添加して、無機酸アルカリ金属塩または有機酸アルカリ金属塩を生成させ、その後陽極側に陰イオン透過膜、陰極側に陽イオン透過膜を配置して電気透析を行ってもよい。
【0013】
2級又は3級アミノ基と3以上のカルボキシル基を有するアミノ酸アルカリ金属塩は下記一般式(1)で表されるものであることが好ましく、アミノ酸−N,N−二酢酸アルカリ金属塩であることがより好ましく、グルタミン酸−N,N−二酢酸アルカリ金属塩であることがさらに好ましい。
【0014】
【化2】
【0015】
(式中、Mはアルカリ金属を表し、mは0又は1〜2の整数、nは0又は1〜3の整数を表す。)
本願請求項1に係る製造方法では、電気透析を行うによってAADAアルカリ金属塩の水溶液からアルカリ金属イオンを減少させることが大きな特徴である。電気透析では、イオン交換樹脂を使用する場合のような樹脂の再生操作を必要とせず、また有機溶媒を添加する場合のようなAADA塩の結晶の晶析分離を必要とせず、AADAアルカリ金属塩の水溶液中からアルカリ金属イオンを効率的に減らすことができる。
【0016】
電気透析は、電解質の水溶液中に+−の電極を入れて電位勾配を与えると、溶液中の正および負のイオンが、それぞれ反対符号の電極方向へ移動する原理を利用したもので、両電極間にイオン交換膜と半透膜をおいて膜間にある溶液中の両イオンを別方向に移動させて膜外へ出す処理を言う。
【0017】
本願請求項2における電気透析では、陽極側に水素イオン選択透過膜を、陰極側に陽イオン透過膜を配置して電気透析を行う。図1を参照して、本願請求項2の製造方法で使用する電気透析では、AADAアルカリ金属塩の水溶液(図中では「AADAナトリウム塩」)の通過する膜室のプラス電極側の半透膜として水素イオン選択透過膜を使用し、マイナス電極側のイオン交換膜として陽イオン透過膜を使用し、水素イオン選択透過膜および陽イオン透過膜の両側にはそれぞれ酸水溶液(図中では「硫酸」)を流す。このとき、AADAアルカリ金属塩の水溶液中のアルカリ金属イオンは、反対符号の電極側、すなわちマイナス電極側に移動するが、マイナス電極側の透過膜は陽イオン透過膜であるため、アルカリ金属イオンは当該膜をそのまま通過し酸水溶液中に浸入する。一方、AADAアルカリ金属塩の水溶液中には水素イオン選択透過膜を通ってプラス電極側の酸水溶液から水素イオンが浸入する。これによりAADAアルカリ金属塩の水溶液中のアルカリ金属イオンは水素イオンに交換され、AADA塩水溶液中のアルカリ金属イオンが減少するのである。
【0018】
ここで、水素イオン選択透過膜とは、水素イオンのみが透過でき、他のカチオンやアニオンは透過できない機能をもった膜で、その構造はカチオン交換膜とアニオン交換膜を張り合わされたハイブリッド膜である。当該膜に電位勾配を与えると水が分解して水素イオンと水酸化イオンが生成し、水素イオンがマイナス電極側、水酸化イオンがプラス電極側にそれぞれ移動し、水酸化イオンは酸水溶液中の水素イオンと反応して水となる結果、見掛け上、水素イオンのみが当該膜を透過できることになる。水素イオン選択透過膜としては、市販品であれば例えば「SelemionHSV」(旭硝子社製)、「NEOSEPTA BP1」(徳山曹達社製)などを挙げることができる。
【0019】
陽イオン透過膜とは、カチオンを透過し、アニオンを透過しない機能をもった膜を言う。当該膜は、スルホン酸基やカルボン酸基など電離して負の電荷を持つ解離基を高密度に保持する膜であって、スチレン系の重合型均質膜でできたものが好適に使用できる。市販されていてるものとして、例えば「SelemionCMV」(旭硝子社製)、「AciplexCK−1,CK−2,K−101,K−102」(旭化成社製)、「NeoseptaCL−25T,CH−45T,C66−5T,CHS−45T」(徳山曹達社製)、「Nafion120,315,415」(DuPont社製)などを使用することができる。膜の選択は、アミノ酸二酢酸アルカリ金属塩の種類や除去したい不純物などに応じて選択すればよい。
【0020】
本願請求項3における電気透析では、陽極側及び陰極側に陽イオン透過膜を配置して電気透析を行う。図2を参照して、本願請求項3の製造方法で使用する電気透析では、AADAアルカリ金属塩の水溶液(図中では「サンプル」と表示する。)の通過する膜室のプラス電極側及びマイナス電極側の半透膜として、いずれも陽イオン透過膜を使用し、陽イオン透過膜(図中では「C」と表示する。)の両側にはそれぞれ酸水溶液を流す。このとき、AADAアルカリ金属塩の水溶液中のアルカリ金属イオンは、反対符号の電極側、すなわちマイナス電極側に移動し、マイナス電極側の透過膜は陽イオン透過膜であるから、アルカリ金属イオンは当該膜をそのまま通過し酸水溶液中に浸入する。一方、AADAアルカリ金属塩の水溶液中にはプラス電極側の陽イオン透過膜を通ってプラス電極側の酸水溶液から水素イオンが浸入してくる。これによりAADAアルカリ金属塩の水溶液中のアルカリ金属イオンは水素イオンに交換され、AADA塩水溶液中のアルカリ金属イオンが減少するのである。また同時に含有する低分子量の不純物、例えばグリコール酸、原料のアミノ酸、ハロゲン化ソーダ等も除去できる。
本願請求項3の製造方法で使用できる電気透析装置としては、上記構造を有する装置であればいずれも使用できる。市販されているものとしては、例えば「マイクロアシライザーEX3」(旭化成社製)が好適に使用できる。
【0021】
陽イオン透過膜としては、上記請求項2の方法に使用できるものがここでも使用できる。
本願請求項4に係る製造方法では、2級又は3級アミノ基と3以上のカルボキシル基を有すアミノ酸アルカリ金属塩の水溶液に、無機酸または有機酸を添加し、無機酸アルカリ金属塩または有機酸アルカリ金属塩を生成させ、この水溶液を陽極側に陰イオン透過膜、陰極側に陽イオン透過膜を配置して、電気透析を行う。かかる電気透析によれば、アルカリ金属イオンが効率的に除去できると共に、不要な有機アニオン、無機アニオンも除去できるという利点がある。図3を参照して、本願発明で使用する電気透析では、アミノ酸−N,N−二酢酸アルカリ金属塩の水溶液(図中では「サンプル」と表示する。)の通過する膜室のプラス電極側の半透膜として陰イオン透過膜(図中では「A」と表示する。)を使用し、マイナス電極側の半透膜として陽イオン透過膜(図中では「C」と表示する。)を使用し、透過膜の両側にはそれぞれ酸水溶液を流す。このとき、無機酸または有機酸で中和されたAADAアルカリ金属塩の水溶液中には、アルカリ金属イオンとアミノ酸−N,N−二酢酸イオン、水素イオン、有機又は無機アニオンとが存在している。アルカリ金属イオンは、反対符号の電極側、すなわちマイナス電極側に移動し、マイナス電極側の透過膜は陽イオン透過膜であるから、アルカリ金属イオンは当該膜をそのまま通過し酸水溶液中に浸入する。原理的には水素イオンも、アルカリ金属イオンと同じように陽イオン透過膜を通過し酸水溶液中に移動するはずであるが、アミノ酸−N,N−二酢酸塩水溶液中の水素イオンの大半はアミノ酸−N,N−二酢酸塩に取り込まれているため、陽イオン透過膜を越えて酸水溶液へ移動することはなく、アミノ酸−N,N−二酢酸塩水溶液中に残留する。これにより結果的に、AADAアルカリ金属塩の水溶液中のアルカリ金属イオンは、水素イオンに交換されたことになる。同時に、有機又は無機アニオンも反対符号の電極側、すなわちプラス電極側に移動し、マイナス電極側の透過膜は陰イオン透過膜であるから、有機又は無機アニオンは当該膜をそのまま通過し酸水溶液中に浸入する。これにより、本願請求項4に係る製造方法によれば、AADAアルカリ金属塩水溶液から有機又は無機アニオンをも除去することができる。
【0022】
ここで陰イオン透過膜とは、アニオンを透過し、カチオンを透過しない機能を持った膜を言い、具体的にはグリコール酸アニオンや無機アニオン、硫酸アニオン、ハロゲンアニオンなど低分子量アニオンは透過でき、カチオンや分子量の大きいアニオンは透過できない膜を言う。当該膜は、第四級アンモニウム基など正の固定電荷をもつ膜であって、スチレン系重合型均質膜でできたものが好適に使用できる。市販されていてるものとして、例えば「SelemionAMV,ASV」(旭硝子社製)、「AciplexCA−1,CA−2,A−101,A−102」(旭化成社製)、「NeoseptaAV−4T,AF−4T,AFS−4T,ACH−45T」(徳山曹達社製)、「Nepton61AZL386」(Ionics社製)などを使用することができる。
【0023】
陽イオン透過膜としては、請求項2に係る製造方法で例示したものが使用できる。
本発明に係る製法で使用できる電気透析装置としては、上記構造を有するものであればいずれも使用することができる。市販されている装置としては、例えば「マイクロアシライザーS3」(旭化成社製)を挙げることができる。
【0024】
本願請求項4の製造方法で中和に使用できる有機酸としては、ギ酸や酢酸など一般に使用される低分子量の有機酸であればよい。中和に使用できる無機酸としては、塩酸や硫酸など一般に使用される無機酸であればよい。
【0025】
電気透析で使用する酸水溶液の酸としては、例えば硫酸や塩酸、リン酸、硝酸、等の無機酸や酢酸、グリコール酸、クエン酸等を使用できるが、コストの点から硫酸が好適に使用できる。酸水溶液量は除去したいアルカリ金属イオン量により算出されるが、過剰に使用すれば当然ながらコストアップにつながる。酸水溶液は、算出された所定量の全量を一度に使用すると電気効率が悪くなるので、分割して、電気透析中に入れ替えて使用するのが望ましい。かかる分割使用により、AADAアルカリ金属塩水溶液中のアルカリ金属イオン濃度を効率的に低くすることができる。酸水溶液は循環使用すればよい。
【0026】
酸水溶液の濃度としては1〜40wt%が好ましい。より好ましい範囲について述べると、下限側としては5wt%以上、さらに好ましくは8wt%以上であり、他方上限側としては20wt%以下、さらに好ましくは15wt%以下である。酸水溶液の濃度が40wt%より大きいと、AADA塩水溶液中へ浸入する硫酸イオンなどの塩基の量が多くなおそれがあり、また液温が低いときには硫酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩の結晶が析出して膜が詰まるおそれがある。一方、酸水溶液の濃度が1wt%未満では酸水溶液の循環液量を多くする必要が生じ、このため貯槽の容量を大きくしなければならないという問題が起こる。
【0027】
AADAアルカリ金属塩水溶液の濃度としては、5〜60wt%が好ましい。より好ましい範囲について述べると、下限側としては10wt%以上、さらに好ましくは20wt%以上であり、他方上限側としては50wt%以下、さらに好ましくは40wt%以下である。AADAアルカリ金属塩水溶液の濃度が60wt%より大きいと、液の粘度が高くなって液の拡散性が悪くなり、時間当たりの透析効率が低下する。また透析膜にかかる圧力が大きくなり過ぎ膜を破壊するおそれがある。さらに膜間の均圧を図る必要性が生じ装置の運転性が損なわれる。一方、AADAアルカリ金属塩水溶液の濃度が5wt%未満では、生産効率が落ち、透析後に濃縮操作が必要となることがあるため実用的でない。
【0028】
なお生成するAADAがグルタミン酸−N,N−二酢酸やセリン二酢酸の場合は、それらの水に対する溶解度が非常に高いため、AADA塩の水溶液を高濃度で処理することができる。またアルカリ金属イオンの完全な除去でない場合、例えばAADAの当量に対して半分以下のアルカリ金属イオンを除去する場合であれば、生成するAADA又はその塩の水に対する溶解度は高いので、高い濃度で処理することができる。
【0029】
またAADAアルカリ金属塩水溶液からアルカリ金属イオンを全量近く除去する場合には、透析中にAADAの結晶が析出しないよう予め濃度調整しておくことが必要である。
【0030】
電極室に循環させる電極液は透析に用いる酸と同じ種類の酸を使用することが好ましく、その濃度は1〜2wt%程度が好ましい。電極液の濃度が2wt%よりも高いと極板の腐食が早くなるおそれがあり、他方1wt%よりも低いと電流が流れにくくなるおそれがある。
【0031】
電気透析の電極電流を制御する方法は、定電圧法、定電流法いずれでもよい。電流量が多いほど処理時間は短くなるが、通電による発熱で液温が上昇するので、膜を劣化させないよう液を冷却する必要が生じる。このため、膜を劣化させないような液温に抑えるよう電流量の上限を調整することが望まれる。
【0032】
電気透析操作は通常バッチ処理で行い、一回の透析操作が終了すればAADAアルカリ金属塩水溶液は入れ替える。ただし、このとき酸水溶液まで同時に入れ替える必要はなく、次バッチの途中まで使用して新しい酸水溶液に入れ替えればよい。これにより、AADAアルカリ金属塩水溶液中のアルカリ金属イオン濃度を効率よく低下させることができる。もちろん、透析装置を多段に連結して電気透析を連続で行ってもよい。
【0033】
バッチ処理において、電気透析操作の終了は、AADAアルカリ金属塩水溶液の濃度又はpH値が所定の値になったかどうかで判断する。アルカリ金属イオンを除去したAADA水溶液の生成を目的とする場合は、アルカリ金属イオン濃度が許容下限以下となった時に電気透析操作を終了するのがよい。アルカリ金属イオンを完全に除去しようと過剰に電気透析すると電流効率が低下し、またAADA液に混入する硫酸イオンなどの塩基量が多くなるので好ましくないからである。電気透析によってアルカリ金属イオンを減少させたAADA塩水溶液には硫酸イオンなど微量の塩基が混入しているので、必要であれば、水酸化バリウム又は炭酸バリウムを所定量添加して硫酸バリウムを生成させ、濾別することによって硫酸イオンを除去することができる。
【0034】
本願発明に係る製造方法において、電気透析を行う被対象物である2級又は3級アミノ基と3以上のカルボキシル基を有するアミノ酸アルカリ金属塩としては、一般式(1)で表されるアルカリ金属塩が好ましい。かかる金属塩として、例えばアミノ酸−N,N−二酢酸アルカリ金属塩やイミノジコハク酸アルカリ金属塩、エチレンジアミンジコハク酸アルカリ金属塩等を挙げることができる。この中でも、アミノ酸−N,N−二酢酸アルカリ金属塩が好ましい。
【0035】
アミノ酸−N,N−二酢酸アルカリ金属塩としては、例えばグルタミン酸−N,N−二酢酸アルカリ金属塩、アスパラギン酸−N,N−二酢酸アルカリ金属塩、グリシン−N,N−二酢酸アルカリ金属塩、α−アラニン−N,N−二酢酸アルカリ金属塩、β−アラニン−N,N−二酢酸アルカリ金属塩、セリン−N,N−二酢酸アルカリ金属塩などを挙げることができる。このなかでも特にグルタミン酸−N,N−二酢酸アルカリ金属塩が好適に使用できる。
【0036】
本発明の方法で得られたアルカリ金属イオンを減量又は除去したAADA又はその塩水溶液は、洗剤添加剤や農業用微量金属補給剤の原料としてAADA金属塩やAADA有機アミン塩の形で使用される。AADA水溶液をAADA金属塩とするには、金属単体、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩等と反応させればよく、これらの2種類以上あるいは混合物としても使用できる。
【0037】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0038】
実施例1
本実施例で使用する電気透析装置(旭硝子:DU−Ob型電解槽)の概要を図1に示す。硫酸液は、貯槽(図示せず。)から循環ポンプ(図示せず。)によって、図中「硫酸」と表記された膜間を通過して貯槽に循環される。硫酸の濃度は10wt%である。極液としての希硫酸は、貯槽(図示せず。)から循環ポンプ(図示せず。)によって、電気透析装置の両極室に送液され貯槽に循環される。図中「AADA」と表記された部屋はAADA液が流入する部屋で、AADA液は貯槽(図示せず。)から循環ポンプ(図示せず。)によって電気透析装置の膜間を通過して貯槽に循環される。
【0039】
水素イオン選択透過膜(旭硝子:セレミオンHSV、図中「H」と表記)、カチオン透過膜(旭硝子:セレミオンCMV、図中「C」と表記)、厚膜カチオン透過膜(旭硝子:セレミオンCMT図中「T」と表記)を図1に示す配置でセットした。透析の有効セット数は8セットで各膜の有効面積は209平方センチメートルであった。グルタミン酸−N,N−二酢酸4ナトリウム液18.0kg(グルタミン酸−N,N−二酢酸4ナトリウム:35.2%、Na濃度:10.2%、pH12.0)、硫酸液は初期40kg(10%)(途中で2回同量の硫酸液に更新)、極液10kg(2%硫酸)を各貯槽に入れて、それぞれの液をポンプで循環をしながら電気透析を行い、52時間で684AHrの電気量を流した。電圧は15V一定とした。初期の最高電流は15Aであったが、後半は9Aまで低下した。得られたグルタミン酸−N,N−二酢酸液は、13.2kg(グルタミン酸−N,N−二酢酸:34.2%、Na濃度:0.007%、pH1.1)で、硫酸イオン混入量はNa2 SO4 として、0.2%であった。GLDAの収率は95.4%であった。
【0040】
実施例2
本実施例で使用する電気透析装置(旭硝子:マイクロアシライザーEX3)の概要を図2に示す。GLDA4ナトリウム塩の水溶液(図中「サンプル」と表示。)は、循環ポンプ(図示せず。)によって、貯槽(図示せず。)からカチオン透過膜(旭化成社製「K501SB」、図中は「C」と表記)間を通過し、貯槽に循環される。プラス電極側のカチオン透過膜を隔てた次の部屋には2Nの硫酸(図中「酸水溶液」と表記)が循環され、他方マイナス電極側のカチオン透過膜を隔てた次の部屋には水が循環される。電極液としては1Nの硫酸ナトリウムを使用する。
【0041】
かかる装置に、グルタミン酸−N,N−二酢酸4ナトリウム液1kg(グルタミン酸−N,N−二酢酸4ナトリウム:40.1%、Na濃度:11.6%、pH13.0)をポンプで循環をしながら電気透析を行い、6時間で溶液のpHを7とした。溶液のナトリウム濃度は8.8wt%に低下した。
得られたのは、濃度40.3wt%のグルタミン酸−N,N−二酢酸3ナトリウム1水素塩液で、当該塩の収率は99%であった。結果をまとめて表2に示す。
【0042】
実施例3〜9
電気透析の被対象物、電気透析時間を表1に示す条件によって、実施例1と同様にして電気透析を行った。
結果を表2に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
GLDA−4Na:グルタミン酸−N,N−二酢酸4ナトリウム塩液
ASDA−4Na:アスパラギン酸−N,N−二酢酸4ナトリウム塩液
SDA−4Na :セリン−N,N−二酢酸4ナトリウム塩液
αADA−3Na:α−アラニン−N,N−二酢酸3ナトリウム塩液
βADA−3Na:β−アラニン−N,N−二酢酸3ナトリウム塩液
IDS−4Na :イミノジコハク酸二酢酸4ナトリウム塩液
【0045】
【表2】
【0046】
GLDA−3Na1H:グルタミン酸−N,N−二酢酸3ナトリウム塩液
GLDA−2Na2H:グルタミン酸−N,N−二酢酸2ナトリウム塩液
GLDA−4H :グルタミン酸−N,N−二酢酸液
ASDA−2Na2H:アスパラギン酸−N,N−二酢酸ナトリウム塩液
SDA−3H :セリン−N,N−二酢酸液
αADA−2Na1H:α−アラニン−N,N−二酢酸2ナトリウム塩液
βADA−2Na1H:β−アラニン−N,N−二酢酸2ナトリウム塩液
IDS−2Na2H :イミノジコハク酸二酢酸2ナトリウム塩液
実施例10
本実施例で使用する電気透析装置(旭硝子:マイクロアシライザーS3)の概要を図3に示す。GLDA4ナトリウム塩の水溶液(図中「サンプル」と表示。)は、循環ポンプ(図示せず。)によって、貯槽(図示せず。)からカチオン透過膜とアニオン透過膜(旭化成社製「AC−110−800」カートリッジタイプ、図中は「C」、「A」と表記)との間を通過し、貯槽に循環される。プラス電極側の透過膜としてアニオン透過膜を用い、他方マイナス電極側の透過膜としてカチオン透過膜を用いる。このアニオン透過膜およびカチオン透過膜により隔てられた次の部屋にはそれぞれ2Nの硫酸(図中「酸水溶液」と表記)が循環される。電極液としては1Nの硫酸ナトリウムを使用する。
【0047】
まず、試料であるグルタミン酸−N,N−二酢酸4ナトリウム液1kg(グルタミン酸−N,N−二酢酸4ナトリウム:35.2%、Na濃度:10.2%、pH12.0)に濃塩酸100gを加え、溶液のpHを7とした。
つぎに中和した試料をポンプで循環をしながら電気透析を行った。3時間の透析処理により、溶液中のClイオン濃度は5ppm(硝酸銀滴定法)に減少した。得られたのは、濃度36.1wt%のグルタミン酸−N,N−二酢酸3ナトリウム1水素塩液で、当該塩の収率は99%であった。最終的なナトリウム濃度は7.5wt%で、溶液のpHは7であった。またグリコール酸ナトリウム量が6.5wt%から1.1wt%に減少した。
結果をまとめて表4に示す。
【0048】
実施例11〜13
電気透析の被対象物、電気透析時間を表3に示す条件によって、実施例10と同様にして電気透析を行った。
結果を表4に示す。
【0049】
比較例1
実施例2のグルタミン酸−N,N−二酢酸4ナトリウム溶液に塩酸を加えてpH1とし析出した塩化ナトリウムをろ別し、ろ液を3倍容量のメタノール中に添加した。析出固形で得られたグルタミン酸−N,N−二酢酸の純度は30%で残りは塩化ナトリウムであり、グルタミン酸−N,N−二酢酸の収率は40%であった。
【0050】
比較例2
実施例5のアスパラギン酸−N,N−二酢酸4ナトリウム溶液に硫酸を加えてpH4とし3倍容量のメタノール中に添加した。析出固形で得られたアスパラギン酸−N,N−二酢酸2ナトリウムでの純度は30%で残りは硫酸ソーダであり、アスパラギン酸−N,N−二酢酸2ナトリウムの収率は45%であった。
【0051】
比較例3
実施例2のグルタミン酸−N,N−二酢酸4ナトリウム溶液1kgにオルガノ製H型イオン交換樹脂IRA−120BをpH4になるまでバッチで加え攪拌した。約イオン交換樹脂1リットルを要した。その後、樹脂をろ過してグルタミン酸−N,N−二酢酸2ナトリウム溶液を得た。グルタミン酸−N,N−二酢酸2ナトリウムの樹脂への付着ロスが大きく、収率は80%であった。
【0052】
【表3】
【0053】
EDDS−4Na:エチレンジアミンジコハク酸4ナトリウム塩液
【0054】
【表4】
【0055】
EDDS−2Na2H:エチレンジアミンジコハク酸2ナトリウム塩液
本願請求項2に係る製造方法に該当する実施例1では、収率が95.4%と極めて高い収率でグルタミン酸−N,N−二酢酸が得られている。本願請求項3に係る製造方法に該当する実施例2〜9では、所望の生成化合物を比較例に比べ遙かに高い収率で得ている。また本願請求項4に係る製造方法に該当する実施例10〜13では、実施例2〜9と同様に高い収率で目的の生成化合物を得ることができた。また実施例10〜13では、グリコール酸ナトリウムや臭化ナトリウムといった中和反応による副生成物をも除去することができる。
【0056】
【発明の効果】
本願発明に係るAADA又は当量以下のアルカリ金属との塩を製造する方法では、電気透析を行い、AADAアルカリ金属塩の水溶液からアルカリ金属イオンを減少させるので、イオン交換樹脂を使用する場合のような樹脂の再生操作を必要とせず、また有機溶媒を添加する場合のようなAADA塩の結晶の晶析分離を必要とせず、従来に比べ遥かに高い収率でAADA塩を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願請求項2に係る発明で使用する電気透析機の概略図である。
【図2】本願請求項3に係る発明で使用する電気透析機の概略図である。
【図3】本願請求項4に係る発明で使用する電気透析機の概略図である。
【符号の説明】
H:水素イオン選択透過膜
C:陽イオン透過膜
A:陰イオン透過膜
T:厚膜陽イオン透過膜
Claims (6)
- 前記一般式(1)で表されるアミノ酸アルカリ金属塩がアミノ酸−N,N−二酢酸アルカリ金属塩である請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法。
- アミノ酸−N,N−二酢酸アルカリ金属塩がグルタミン酸−N,N−二酢酸アルカリ金属塩である請求項4記載の製造方法。
- 前記陽極側に配置する膜の陽極側、および前記陰極側に配置する膜の陰極側に、酸水溶液を流す請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法。
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