JPH0315623B2

JPH0315623B2 -

Info

Publication number: JPH0315623B2
Application number: JP17078485A
Authority: JP
Inventors: Shuji Takahashi; Kazuo Nakayasu
Original assignee: Showa Denko KK
Current assignee: Resonac Holdings Corp
Priority date: 1985-08-02
Filing date: 1985-08-02
Publication date: 1991-03-01
Also published as: JPS6230742A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は電気透析によつてアミノ酸のアルカリ
塩からアミノ酸を回収する方法に関する。

〔従来の技術〕

従来、アミノニトリルやヒダントイン類の加水
分解によつてアミノ酸を得る方法が行なわれてい
る。すなわち、加水分解をアルカリによつて行な
うとアミノ酸のアルカリ塩が得られるが、このア
ミノ酸のアルカリ塩をアミノ酸とするには、これ
を無機酸によつて処理して、塩とアミノ酸にし、
これを物理的に分離する方法、電気透析によつて
分離する方法、或いは、アミノ酸のアルカリ塩を
陽イオン交換樹脂と接触させて、イオン交換する
方法、電気分解してアミノ酸と苛性アルカリとに
する方法等が行なわれている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで、上記無機酸で処理する方法は、処理
後、アミノ酸と塩とを分離する工程に種々の問題
がある。すなわち陽イオン交換樹脂を用いる方法
は、多量の酸、アルカリを必要とする上、バツチ
システムの操作を行なわなければならないので、
工業上問題が多く、さらに電解法は、装置が大規
模となり設備が高価となるなど、それぞれ大きな
欠点があつた。

本発明は上記の事情に鑑み、アミノ酸のアルカ
リ塩から容易にアミノ酸を回収することが出来る
方法を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は上記目的を達成するためになされたも
ので、その要旨は、複数枚の陽イオン交換膜が隔
膜として取付けられている電気透析槽の、それぞ
れ２枚の陽イオン交換膜で仕切られた並列する室
の一つおきに、アミノ酸のアルカリ塩の水溶液ま
たは鉱酸水溶液を流して電解透析を行なうアミノ
酸のアルカリ塩からアミノ酸を回収する方法にあ
る。

〔発明の具体的構成および作用〕

以下本発明を図面を参照して説明する。

第１図は、本発明の方法を実施する電気透析装
置の一例を示すもので、図中符号１は、電気透析
槽である。電気透析槽１の両側にはそれぞれ陽極
２および陰極３が設けられ、その間が陽イオン交
換膜４…を隔膜として並列した室に仕切られてい
る。これら室の陽極２および陰極３のある室は、
陽極室５、陰極室６となつており、これらの間の
室は、一つおきに中間室７，８，７，８…となつ
て電解透析装置が構成されている。

上記陽極２或いは陰極３としては、白金、白金
族金属、白金メツキチタン、白金属メツキチタン
等が用いられる。

また陽イオン交換膜４としては、スルフオン酸
基、カルボン酸基、スルフオン酸アミド基、水酸
基、リン酸基等の単独、または２枚以上を貼り合
わせた複合膜が使用出来る。

上記電気透析装置を用いてアミノ酸のアルカリ
塩からアミノ酸を回収するには、先ず陽極室５、
および陰極室６にそれぞれH₂SO₄、HCl等の鉱酸
９，１０を供給し、中間室７…にはアミノ酸のア
ルカリ塩水溶１１、中間室８…にはH₂SO₄、HCl
等の鉱酸水溶液１２をそれぞれ供給する。次いで
陽陰極２，３に電圧をかけると、中間室７のアル
カリ金属イオンは、陽イオン交換膜４を透過して
中間室８に移行し、中間室８の水素イオンが陽イ
オン交換膜４を透過して中間室７に移行すること
によつて、アミノ酸のアルカリ塩を遊離のアミノ
酸とすることができる。

本発明においてアミノ酸アルカリ塩から分離さ
れるアミノ酸としてはグリシン、アラニン、セリ
ン、システイン、アミノ酪酸、スレオニン、バリ
ン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、等の
中性アミノ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等
の酵性アミノ酸、およびリジン、アルギニン、オ
ルニチン等の塩基性アミノ酸である。

上記アミノ酸のアルカリ塩水溶液濃度として
は、５〜30wt％が適当である。5wt％未満では処
理能力が低く、30wt％を越えると取扱いがむづ
かしくなる。また、陽極室５、陰極室６、中間室
８に供給される鉱酸水溶液濃度は、３〜20wt％
の範囲が用いられる。3wt％未満では電導度が低
く、20wt％を越えると高すぎて取扱いがめんど
うになる。

次に実施例を示して本発明の方法を説明する。

実施例１鉱酸水溶液９，１０，１２、アミノ酸のアルカ
リ塩水溶液１１を、それぞれ循環係として、第１
図に示す電気透析装置を用いた。この装置の陽極
２、陰極３として、200cm²の白金メツキチタンを
使用し、陽イオン交換膜４として、セレミオン
CMV（商品名、旭硝子株式会社製）を用いた。ま
た、陽極室５、陰極室６および中間室８…には
10wt％のH₂SO₄水溶をそれぞれ循環させ、中間
室７…には20wt％のアラニン酸ソーダ水溶液を
循環させた。また流速は、各室の線速度として、
中間室、７…，８…においては、それぞれ0.05
ｍ／sec、陽陰極室５，６においては、0.1ｍ／
secとした。

電気透析終了後分析を行なつた結果、回収液中
のアラニンの回収率は94.6％、ナトリウム除去率
は99.4％であつた。

実施例２ 20wt％のアラニン酸ソーダ水溶液の代りに、
20wt％のグリシン酸ソーダを用いた他は、実施
例１と同じにして電気透析を行なつた。

電気透析終了後分析を行なつた結果、回収液中
のグリシンの回収率は93.4％、ナトリウム除去率
は、99.2％であつた。

〔効果〕

以上述べたように、本発明の方法は、アミノ酸
のアルカリ塩水溶液と、鉱酸水溶液とを、陽イオ
ン交換膜で仕切られ隣り合う室に供給して電気透
析を行なうことにより、容易かつ効率よく各種ア
ミノ酸が得られる優れた方法である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の方法を実施する電気透析装
置の一例を示す概略図である。１……電気透析槽、２……陽極、３……陰極、
４……陽イオン交換膜、５……陽極室、６……陰
極室、７，８……中間室、９，１０……鉱酸水溶
液、１１……アミノ酸のアルカリ塩水溶液、１２
……鉱酸水溶液。

Claims

【特許請求の範囲】

１複数枚の陽イオン交換膜が隔膜として取付け
られている電気透析槽の、それぞれ２枚の陽イオ
ン交換膜で仕切られた並列する室の一つおきに、
アミノ酸のアルカリ塩水溶液または鉱酸水溶液を
流して電解透析を行なうことを特徴とするアミノ
酸のアルカリ塩からアミノ酸を回収する方法。