JP4166294B2 - シール材用ポリウレタンフォーム及びそれを用いた空気調和装置用ドア - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐オゾン劣化性に優れ、オゾンに長時間晒した後も実用的な通気度が維持され、且つ高温、高湿雰囲気に長時間晒した後の機械的強度の低下が小さい、優れた性能のシール材用ポリウレタンフォーム(以下、シール材用フォームという。)及びこのシール材用フォームをシール材として用いた空気調和装置用ドアに関する。本発明のシール材用フォームは、車両等の空気調和装置に用いられるドアのシール材、及び各種プリンタ、ファクシミリ、複写機等のトナーシール材などとして利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
エアーシール材は、例えば車両等の各種エアーダクト等に設けられる空気調和装置用ドアなどにおいて使用される。このエアーシール材は、空調用、換気用として、車両の室内へ適度な温度、湿度等の空気を導入するためのダクトの、流路切替弁をシールするものである。また、トナーシール材は、例えばレーザー式のプリンタ、複写機等のトナー容器のシール材として使用されるものである。インクトナーの充填容器は、このトナーシール材によってシールされ、細かな粉体であるトナーが外部へ漏れ出さないようになっている。
【0003】
ポリエステルポリオールを使用したポリウレタンフォーム(以下、エステル系フォームという。)は、柔軟であって、通気性が低い。また、圧縮永久歪が小さく、耐久性に優れるため、各種のシール材として従来より多用されている。更に、上記のようなシール材の用途においては、優れた耐オゾン劣化性等を有する必要がある。そして、エステル系フォームはポリエーテルポリオールを使用したポリウレタンフォーム(以下、エーテル系フォームという。)に比べ、この点でも非常に優れている。
【0004】
しかし、エアーシール材、トナーシール材いずれの場合も、エステル系フォームといえども、雰囲気中の微量のオゾンに長期間晒されるうちに、セル膜が破壊されて通気度が大幅に上昇し、シール材として機能しなくなるという問題がある。また、エステル系フォームには、その主原料であるポリエステルポリオールに起因する、エステル結合の加水分解による劣化という問題もある。
【0005】
車両の空気調和装置用ドアのシール材としては、これまでエステル系フォーム或いはエーテル系フォームが使用されてきた。このエステル系フォームは初期のシール性には優れるものの、実車使用環境下においては数年で加水分解を生じて脆化する。甚だしい場合は触れると粉状に崩壊することもあり、その結果、シール性が大きく低下するという問題がある。この加水分解の問題に対処するため、近年、エーテル系フォームも用いられ始めた。このエーテル系フォームは加水分解に対してはエステル系フォームの3倍以上の寿命を有することが確認されたが、エステル系フォームに比べてオゾン劣化し易いとの問題がある。
【0006】
また、車両の空気調和装置用ドアでは、想定される使用環境が過酷であるため、最近では、使用されエアーシール材にも、例えば10年保証等の長期耐久性が要求されることが多くなっている。そのため、エステル系フォームの加水分解或いはエーテル系フォームのオゾン劣化はより大きな問題になっている。
【0007】
更に、近年、複写機等では、画像の精細化とカラー化に伴って、トナー粒子の微細化が進められている。そのため着色剤をトナー化するための樹脂成分として、従来の中性のものではなく、強い酸性又はアルカリ性の樹脂を使用する場合が多くなっている。この樹脂のpHの変化等により、エステル系フォームの加水分解が加速され、比較的短期間のうちにシール材として十分に機能しなくなる例が増加している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、シール材用フォームの原料に、特定のアミン系の添加剤等のオゾン劣化防止剤を適量配合することにより、上記の問題を解決したものである。これにより、オゾン劣化(本発明では、オゾンに晒した後の通気度によって劣化の程度を評価している。尚、オゾン劣化が抑えられることを、以下、耐オゾン劣化性ということもある。)、及び加水分解(本発明では、湿熱雰囲気に晒した後の引張強度の保持率によって加水分解の難易を評価している。尚、加水分解が抑えられることを、以下、耐湿熱老化性ということもある。)のいずれもが低く抑えられた、優れた性能のシール材用フォーム及びこのシール材用フォームを用いた空気調和装置用ドアを提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、ポリオールとして、特定のポリエステルポリエーテルポリオールを使用し、又はこれに通常のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールを併用し、更に上記の特定のアミン系化合物等のオゾン劣化防止剤を配合することにより、同様に優れた性能のシール材用フォーム及びこのシール材用フォームを用いた空気調和装置用ドアを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
発明のシール材用フォームは、ポリイソシアネート、ポリオール、及びオゾン劣化防止剤を含有する発泡性組成物を反応、硬化させて得られるポリウレタンフォームにおいて、上記ポリオールを100重量部とした場合に、上記オゾン劣化防止剤は1〜25重量部であることを特徴とする。また、このオゾン劣化防止剤として特に芳香族第2級アミン系化合物を使用することが好ましい
【0011】
上記「ポリイソシアネート」としては、一般に軟質ポリウレタンフォームの製造に使用されるものを特に制限されることなく用いることができる。例えばTDI、MDI及びTDIとMDIとの混合物、又はMDI、TDI等の変性物などを使用することができる。
【0012】
また、上記「ポリオール」としても、通常、軟質ポリウレタンフォームの製造に使用されるものを特に制限されることなく用いることができる。例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等の他、ポリカーボネートポリオール、ポリジエン系ポリオールなどを使用することもできる。これらポリオールは1種のみを使用してもよいが、2種以上を併用してもよい。
【0013】
上記のように使用するポリオールは特定されない。しかし、本発明では、得られる「シール材用フォーム」のオゾン劣化及び加水分解を抑制する必要がある。そのため、得られるフォームの耐オゾン劣化性は優れるものの、耐湿熱老化性に劣るポリエステルポリオールと、フォームが加水分解はしないものの、耐オゾン劣化性に劣るポリエーテルポリオールとの併用が好ましい。その量比は特に限定されないが、ポリオールの全量を100重量部とした場合に、ポリエーテルポリオールが60重量部以上、特に70重量部以上であることが好ましい。
【0014】
また、ポリオールとしては、ポリエステルポリエーテルポリオールが好ましい。このポリオールは、その分子内にポリエステル部分とポリエーテル部分とを有している。そのため、エーテル系フォームに比べて、得られるフォームの耐オゾン劣化性は相当に向上する。更に、耐湿熱老化性はエーテル系フォームと同程度にまで改良される。
【0015】
しかし、このポリエステルポリエーテルポリオールのみでは、特に耐オゾン劣化性が十分ではない。そのため、本発明では、発泡性組成物に特定量の芳香族第2級アミン系化合物等のオゾン劣化防止剤を配合している。これによって、特にポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールを併用しなくても、優れた耐オゾン劣化性と耐湿熱老化性とを併せ有するシール材用フォームを得ることができる。
【0016】
尚、ポリオールとして、上記のポリエステルポリエーテルポリオールと、ポリエステルポリオールとを併用する場合は、ポリオールの全量を100重量部とした場合、ポリエステルポリオールを15〜60重量部、特に20〜50重量部とすることが好ましい。また、ポリエーテルポリオールとの併用では、このポリエーテルポリオールを50〜80重量部、特に60〜75重量部とすることが好ましい。
【0017】
更に、上記3種類のポリオールを併用する場合は、ポリオールの全量を100重量部とした場合に、ポリエステルポリオールを15〜30重量部、ポリエステルポリエーテルポリオールを25〜45重量部、ポリエーテルポリオールを30〜50重量部程度とすることが好ましい。また、この場合、ポリエステルポリオールに比べて、ポリエーテルポリオールを多量に配合することがより好ましい。尚、ポリエステルポリエーテルポリオールは、ポリエーテルポリオールとの混合物として提供されることが多く、上記ポリオールの量比の設定においては、この点を考慮する必要がある。
【0018】
上記「オゾン劣化防止剤」としては、上記「芳香族第2級アミン系化合物」(以下、2級アミン化合物という。)を使用することが特に好ましい。この2級アミン化合物としては、フェニル−1−ナフチルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、混合ジアリル−p−フェニレンジアミン、オクチル化ジフェニルアミン等が挙げられる。また、ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン等のアミン−ケトン系の化合物などを使用することもできる。
【0019】
これら2級アミン化合物は、ゴム等の老化防止剤などとして使用されているものである。しかし、それら化合物が、ポリウレタンフォームのオゾン劣化を抑制する作用を有することは知られていない。また、ゴムの老化防止剤などとして使用する場合、その配合量は、通常、ゴムに対して数百から数千ppm、高々5000ppm程度である。
【0020】
一方、本発明では、ポリオールに対して1重量部以上、特に3重量部以上、更には5重量部以上と多量に配合する。これをフォームに対する配合量に換算しても、7000ppm以上、特に2重量部、更には3.5重量部以上となる。このように、本発明においては、2級アミン化合物は、その作用、効果が知られていないばかりか、従来の通常の配合量を大きく越えて多量に使用されている。
【0021】
上記の2級アミン化合物は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。この化合物の配合量が1重量部未満では、耐オゾン劣化性が実用上十分な程度に改良されない。またこの配合量が25重量部を越える場合は、発泡性組成物を反応、硬化させることが難しく、正常なフォームを得ることができない。
【0022】
2級アミン化合物の配合量は、3〜12重量部の範囲が好ましい。この配合量であれば、JIS K 6301のオゾン劣化試験に従って400時間暴露した後の、JIS L 1096に従って測定したフォームの通気度は5〜20cc/cm2 /秒(この配合量と通気度の範囲は、図3における〔A〕の領域である。)となり、実用上十分な性能を備えたシール材用フォームが得られる。同時に反応、硬化も容易であり、操作上も何ら問題がない。
【0023】
また、2級アミン化合物を、8〜12重量部の範囲とすれば、同様に反応、硬化は容易であり、オゾン暴露後の通気度は5〜10cc/cm2 /秒(この配合量と通気度の範囲は、図3における〔B〕の領域である。)となり、優れた性能のシール材用ポリウレタンフォームが得られる。更に、2級アミン化合物の種類によっては、その配合量を3〜7重量部と少量にしても、オゾン暴露後の通気度が3.5〜6.5cc/cm2 /秒(この配合量と通気度の範囲は、図3における〔C〕の領域である。)と、非常に優れた性能のシール材用フォームを得ることができる。尚、このように少量配合した場合は、反応、硬化の操作性はより向上し、特に好ましい。
【0024】
また、本発明のシール材用フォームでは、温度80℃、相対湿度95%に調温、調湿された雰囲気に1600時間晒した後の、JIS K6301に従って測定した「引張強度の保持率」が、通常、「70%以上」である。この優れた耐湿熱老化性は、この性能を改善する効果の著しいポリエステルポリエーテルポリオール以外のポリオールであっても同様に達成される。
【0025】
更に、上記の耐湿熱老化性は2級アミン化合物等のオゾン劣化防止剤の種類及びその配合量にも影響されず、同様に優れた性能のシール材用フォームが得られる。この過酷な促進試験によっても、引張強度の保持率がこのように高いことは、本発明のシール材用フォームが非常に加水分解され難いものであることを裏付けている。
【0026】
発明の空気調和装置用ドアは、基板と該基板の少なくとも一方の表面に形成されるシール材層とからなる空気調和装置用ドアにおいて、上記シール材層は発明のシール材用フォームからなることを特徴とする。尚、シール材層は、基板の両表面の一方の表面に形成されていてもよいが、通常、基板の表裏両面に形成される。
【0027】
車両用空気調和装置2に用いられる空気調和装置用ドア1は、一般に図4のように、シャフト11、基板12及びシール材層13によって構成される。このシール材層13は基板12に接着されて構成されているが、基板12上に直接に発泡形成されていてもよい。そして、図5のように車両用空気調和装置2のケース9及び16内の風路を開閉し、又は切り換える作用を有する。この風路の閉鎖は、例えば図6のようにケース34の開口部内側周縁にシール材層13を押し当てることによってなされる。しかし、オゾン劣化或いは排ガス中のオキシダント等による酸化劣化などによってセル膜の一部が破壊された場合、シール材層の通気度が大きくなって、図6、Aの流路を透過する空気量が増加し、シール性が低下する。一方、ケース34の開口部内側周縁に押し当てられたシール材層13がオゾン等によって劣化し、表面の一部が欠落した場合、或いはシール材層13の圧縮歪みが十分に回復しない場合は、図6、Bの流路を透過する空気量が増加し、空気調和装置用ドア1のシール性が低下する。
【0028】
発明の空気調和装置用ドアでは、そのシール材層として、2級アミン化合物等のオゾン劣化防止剤を配合したシール材用ポリウレタンフォームを使用することにより、シール性の低下が抑えられる。また、特定の量比のポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールとを併用し、或いはその分子中にエーテル結合とエステル結合とを併せ有するポリエステルポリエーテルポリオールを使用することにより、シール性の低下をより確実に抑えることができる。更に、これらポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリエステルポリエーテルポリオールの3種類を併用することもできる。また、発明の空気調和装置用ドアに用いられているシール材用フォームは、ドアのシール材としてばかりではなく、空気調和装置のケースとダクトとの間に介在させ、それらの接合部のシール材として使用することもできる。
【0029】
尚、本発明では、発泡性組成物には上記の各種の成分の他、発泡剤、触媒、整泡剤等が配合される。発泡剤としては水が主に使用されるが、発熱の抑制等を目的としてジクロルメタン等を併用することもできる。触媒としては、通常、アミン系触媒、特に3級アミンと、スタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート等の有機錫化合物とを併用する。また、整泡剤としては、汎用のジメチルポリシロキサンとポリエーテルのブロック共重合体を使用する。この他、着色剤、充填剤等を必要に応じて配合することもできる。
【0030】
【発明の実施の形態】
表1〜5(比較例)及び表6〜11(実施例)に示すポリオール及び2級アミン化合物(表6〜11の場合)又は他の各種老化防止剤或いは可塑剤等(表1〜5の場合)と、下記のポリイソシアネート、触媒及び整泡剤とからなる発泡性組成物を使用し、常法に従って軟質スラブフォームを製造した。尚、表1〜11において、2級アミン化合物又は他の各種老化防止剤等の数値は、ポリオールの全量を100重量部とした場合の重量部を表す。
【0031】
(1) ポリイソシアネート;日本ポリウレタン株式会社製、商品名「TDI80」を41.5重量部使用した。
(2) 触媒;日本乳化剤株式会社製のアミン系触媒、商品名「LV33」、及び城北化学株式会社製、スタナスオクトエート(SO)を、それぞれ0.3重量部使用した。
(3) 整泡剤;比較例1以外では、東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「SH193」を、比較例1では、日本ユニカー株式会社製、商品名「L532」を使用した。配合量はいずれも1.5重量部である。
【0032】
【表1】
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【0033】
【表2】
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【0034】
【表3】
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【0035】
【表4】
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【0036】
【表5】
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【0037】
【表6】
Figure 0004166294
【0038】
【表7】
Figure 0004166294
【0039】
【表8】
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【0040】
【表9】
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【0041】
【表10】
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【0042】
【表11】
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【0043】
上記の表1〜11に記載のポリオール、2級アミン化合物及び各種老化防止剤等の詳細は下記の通りである。
(1) ポリオール
▲1▼商品名「GP3000」(三洋化成株式会社製):プロピレンオキサイドベースのポリエーテルポリオール、水酸基価(OHV);56
▲2▼商品名「3P56B」(武田薬品工業株式会社製):商品名「PPG1500」(同社製、ポリエーテルポリオール)に、フタル酸とプロピレングリコールをそれぞれ10モル付加したポリエステルポリエーテルポリオールと、商品名「PPG3000」(同社製、ポリエーテルポリオール)との75/25(重量比)の量比の混合品、OHV;56
【0044】
▲3▼商品名「N2200」(日本ポリウレタン株式会社製):アジピン酸とジエチレングリコール(DEG)及びトリメチロールプロパンとを縮合させたポリエステルポリオール、OHV;60
▲4▼商品名「テスラック2458」(日立化成ポリマー株式会社製):ダイマー酸とDEGとを縮合させたポリエステルポリオール、OHV;70
【0045】
▲5▼商品名「クラポールP2010」(株式会社クラレ製):メチルペンタンジオールとアジピン酸とを縮合させたポリエステルポリオール、OHV;56
▲6▼商品名「クラポールL2010」(株式会社クラレ製):メチルバレロラクトンの開環重合によるポリエステルポリオール、OHV;56
▲7▼商品名「プラクセル220」(ダイセル化学工業株式会社製):カプロラクトンの開環重合によるポリエステルポリオール、OHV;56
【0046】
(2) 2級アミン化合物
以下の2級アミン化合物及びその他の老化防止剤において、商品名に「ノクラック」と付されているものは、すべて大内新興化学工業株式会社製である。
▲1▼商品名「ノクラック224」;ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)
▲2▼商品名「ノクラックAW」;6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン
【0047】
▲3▼商品名「ノクラックAD」;オクチル化ジフェニルアミン
▲4▼商品名「ノクラックODA」;アルキル化ジフェニルアミン
▲5▼商品名「ノクラックCD」;4,4’−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン
▲6▼商品名「ノクラックDP」;N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン
【0048】
(3) ヒンダードフェノール系老化防止剤
▲1▼商品名「ノクラック200」2,6−ジ−t−ブチルメチルフェノール
▲2▼商品名「ノクラックNS6」;2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)
▲3▼商品名「イルガノックス1010」(チバガイギー社製);テトラキス−〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン
【0049】
(4) イミダゾール系老化防止剤
▲1▼商品名「ノクラックMMB」;2−メルカプトメチルベンズイミダソール
▲2▼商品名「ノクラックMBZ」;2−メルカプトベンズイミダソールの亜鉛塩
【0050】
(5) 亜リン酸エステル系老化防止剤(いずれも城北化学工業株式会社製)
▲1▼商品名「JP360」;トリフェニルホスファイト
▲2▼商品名「JP351」;トリス(ノニルフェニル)ホスファイト
▲3▼商品名「JP650」;トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト
▲4▼商品名「JPP13」;ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト
【0051】
(6) 可塑剤、炭化水素
▲1▼DOP;ジオクチルフタレート
▲2▼DOA;ジオクチルアジペート
▲3▼商品名「ハイゾールSAS−LH」;(日本石油化学株式会社製)、石油系液状樹脂
▲4▼流動パラフィン
【0052】
得られた軟質スラブフォームから、試片を切り出し、JIS K 6301に従って密度及び引張強度を測定した。また、オゾン劣化試験用の試片及び一部の実施例、比較例については湿熱老化試験のための厚さ10mmのシートを切り出し、それぞれの試験に供した。尚、オゾン劣化試験では、暴露開始後、50、100、200及び400時間経過毎に通気度を測定した。更に、湿熱老化試験では、暴露開始後、300、600、900、1200及び1600時間経過毎に引張強度を測定した。結果を表1〜11に併記する。
【0053】
表1の比較例1及び2の結果によれば、エステル系フォームとエーテル系フォームの優れた点、劣った点がはっきり表れている。そして比較例3の結果によれば、ポリエステルポリエーテルポリオールを使用した場合、得られるフォームの耐湿熱老化性はエーテル系フォームと同程度にまで向上するものの、耐オゾン劣化性は十分に向上しないことが分かる。このことは図1の●、▲及び■の比較、並びに図2の引張強度の保持率の結果によっても明らかである。
【0054】
表1〜5の比較例4〜44では、このポリエステルポリエーテルポリオールを使用して、ヒンダードフェノール系、イミダゾール系、亜リン酸エステル系の各種老化防止剤、可塑剤及び炭化水素を1〜20重量部の範囲で配合している。しかし、オゾンに400時間暴露した後の通気度は、多くの例で200cc/cm2 /秒以上となっている。また、配合した化合物の種類によっては、200時間、更には100時間の暴露で通気度は200cc/cm2 /秒以上となっている。このように、これら老化防止剤等には耐オゾン劣化性を向上させる効果がまったくないことが分かる。
【0055】
一方、表6〜9の実施例1〜35では、上記のポリエステルポリエーテルポリオールを使用して、各種の2級アミン化合物を1〜25重量部の範囲で配合している。それらの結果によれば、実施例18〜23のノクラックODA(アルキル化ジフェニルアミン)の場合を除いて、1重量部の配合では耐オゾン性は相当に改善されるものの、シール材用フォームとしては未だ十分ではないことが分かる。
【0056】
しかし、5重量部の配合では、2級アミン化合物の種類によらず、オゾン暴露後の通気度は20cc/cm2 /秒以下となり、シール材用フォームとして十分な性能であることが分かる。また、配合量の増加とともに通気度はより低下し、例えば10重量部の配合では、その通気度は5.4〜8.9cc/cm2 /秒となり、フォーム製造の操作性等にも特に問題はなく、且つ非常に優れた耐オゾン劣化性を有するシール材用フォームが得られることが分かる。このような2級アミンの配合量と耐オゾン劣化性との相関は、図1の○、△、□及び◇の結果によっても明らかである。
【0057】
また、上記のような2級アミン化合物の種類及びその配合量と、耐オゾン劣化性を向上させる効果との相関は図3によっても明らかである。特に、表7〜8の実施例18〜23において使用されているノクラックODAが、他の2級アミン化合物に比べて、極めて高い効果を有することが分かる。
【0058】
ノクラックODAを使用した場合、1重量部の配合でも、オゾン暴露後の通気度は14.2cc/cm2 /秒と、他の2級アミン化合物を5重量部配合した場合を上回る優れた結果となっている。そして5重量部の配合では、その通気度は4.5cc/cm2 /秒、10重量部の配合では、その通気度は2.0cc/cm2 /秒である。従って、この2級アミン化合物では、他の化合物に比べて配合量を少なくすることができる。そのため、操作性は更に向上し、より容易にフォームを製造することができる。
【0059】
尚、ポリオールとして、ポリエステルポリエーテルポリオールである「3P56B」のみを使用した実施例では、高温、高湿雰囲気にに1600時間暴露した後の引張強度の保持率は、いずれの例でも75%以上であり、優れた耐湿熱老化性を有するフォームが得られることが分かる。また、ポリエステルポリエーテルポリオール又はポリエーテルポリオールと、ポリエステルポリオールとを併用した場合は、組み合わせによっては、この保持率が50%程度と低い場合がある。しかし、このようにポリオールを併用した場合も、多くの例で80%以上の保持率となっており、優れた性能のシール材用フォームが得られることが分かる。
【0060】
また、ポリエステルポリオール75重量%とポリエーテルポリオール25重量%とを使用し、2級アミン化合物を配合したフォーム(フォーム1)及びポリエーテルポリオールのみを使用し、これに2級アミン化合物を配合したフォーム(フォーム2)と、配合しないフォーム(フォーム3)について、40℃で50ppmのオゾンに晒し、通気度の変化を検討した。その結果、フォーム1では430時間経過後でも初期の通気度に対して1.3倍に上昇する程度であった。一方、フォーム3では初期の通気度に対し170時間経過後に3.2倍、280時間経過後に44倍と急激に通気度が上昇し、エーテル系フォームが耐オゾン劣化性に劣ることは明らかである。しかし、このエーテル系フォームに2級アミン化合物を配合したフォーム2では、初期の通気度に対し170時間経過後に1.9倍、280時間経過に2.6倍、430時間経過には4.8倍であった。このようにポリエーテルポリオールのみを使用したフォームにおいても2級アミン化合物の顕著な効果が確認された。
【0061】
【発明の効果】
発明では、シール材用フォームの原料に、特定量のオゾン劣化防止剤を配合し、特に、このオゾン劣化防止剤として特定の2級アミン化合物を使用する。これによって、エステル系フォームの優れた耐オゾン劣化性と、エーテル系フォームの優れた耐湿熱老化性とを併せ有するシール材用フォームが得られる。また、ポリエステルポリエーテルポリオールを使用することにより、ポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールの配合を要することなく、上記の優れた性能のシール材用フォームを得ることができる。更に、発明では、発明の優れたシール性を有するシール材用フォームを使用することにより、特に耐オゾン劣化性に優れた空気調和装置用ドアを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリオールの種類及び2級アミン化合物の配合量を変えた場合の、オゾン暴露時間とオゾン暴露後の通気度との関係を表すグラフである。
【図2】ポリオールの種類及びその組み合わせを変えた場合の、湿熱暴露時間と引張強度の保持率との関係を表すグラフである。
【図3】各種の2級アミン化合物の配合量と、オゾンに400時間暴露した後の通気度との関係を表すグラフである。尚、この図には、前記の2級アミン化合物の配合量と通気度との特定の領域〔A〕、〔B〕及び〔C〕を併記する。
【図4】空気調和装置用ドアの斜視図である。
【図5】車両用空気調和装置の断面の模式図である。
【図6】空気調和装置用ドアが車両用空気調和装置のケースの開口部内側周縁に押し当てられた様子を表す断面図である。
【符号の説明】
1;空気調和装置用ドア、11;回転軸、12;基板、13;シール材層、2;車両用空気調和装置、3;ブロワユニット、31;ブロアケース、32;ファン、33;ブロワモータ、34;内外気切替箱、35;内気導入口、36;外気導入口、37;内外気切替ドア、4;クーラユニット、41;冷房用熱交換器、42;クーラケース、5;ヒータユニット、51;暖房用熱交換器、52;ヒータケース、53;温水配管、6;エアミックスドア、71、72、73;吹出口切替ドア、81、82、83;吹出口、;迂回路。

Claims (11)

  1. ポリイソシアネート、ポリオール、及びオゾン劣化防止剤を含有する発泡性組成物を反応、硬化させて得られるポリウレタンフォームにおいて、上記ポリオールを100重量部とした場合に、上記オゾン劣化防止剤は1〜25重量部であることを特徴とするシール材用ポリウレタンフォーム。
  2. 上記オゾン劣化防止剤が芳香族第2級アミン系化合物である請求項1記載のシール材用ポリウレタンフォーム。
  3. 上記オゾン劣化防止剤は3〜25重量部である請求項2記載のシール材用ポリウレタンフォーム。
  4. 上記ポリオールは、ポリエステルポリオールと、ポリエーテルポリオールとからなり、該ポリエステルポリオールと、該ポリエーテルポリオールとの合計を100重量部とした場合に、該ポリエーテルポリオールは60重量部以上である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシール材用ポリウレタンフォーム。
  5. 上記ポリオールの少なくとも一部はポリエステルポリエーテルポリオールである請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシール材用ポリウレタンフォーム。
  6. 上記ポリオールは、上記ポリエステルポリエーテルポリオールと、ポリエステルポリオールとからなり、該ポリエステルポリエーテルポリオールと、該ポリエステルポリオールとの合計を100重量部とした場合に、該ポリエステルポリオールは15〜60重量部である請求項5記載のシール材用ポリウレタンフォーム。
  7. 上記ポリオールは、上記ポリエステルポリエーテルポリオールと、ポリエーテルポリオールとからなり、該ポリエステルポリエーテルポリオールと、該ポリエーテルポリオールとの合計を100重量部とした場合に、該ポリエーテルポリオールは50〜80重量部である請求項5記載のシール材用ポリウレタンフォーム。
  8. 上記ポリオールは、上記ポリエステルポリオールと、ポリエステルポリエーテルポリオールと、ポリエーテルポリオールとからなり、該ポリエステルポリオールと、該ポリエステルポリエーテルポリオールと、該ポリエーテルポリオールとの合計を100重量部とした場合に、該ポリエステルポリオールは15〜30重量部、該ポリエステルポリエーテルポリオールは25〜45重量部、該ポリエーテルポリオールは30〜50重量部である請求項5記載のシール材用ポリウレタンフォーム。
  9. 上記オゾン劣化防止剤は3〜12重量部であり、JIS K 6301のオゾン劣化試験に従って400時間暴露した後の、JIS L 1096によって測定した通気度が5〜20cc/cm/秒である請求項1乃至のいずれか1項に記載のシール材用ポリウレタンフォーム。
  10. 温度80℃、相対湿度95%に調温、調湿された雰囲気に1600時間晒した後の、JIS K 6301に従って測定した引張強度の保持率が70%以上である請求項1乃至のいずれか1項に記載のシール材用ポリウレタンフォーム。
    保持率=(上記雰囲気に晒した後の引張強度/上記雰囲気に晒す前の引張強度)×100(%)
  11. 基板と該基板の少なくとも一方の表面に形成されるシール材層とからなる空気調和装置用ドアにおいて、上記シール材層は請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシール材用ポリウレタンフォームからなることを特徴とする空気調和装置用ドア。
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