JPH07216344A - ガスケット材 - Google Patents

ガスケット材

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JPH07216344A
JPH07216344A JP940494A JP940494A JPH07216344A JP H07216344 A JPH07216344 A JP H07216344A JP 940494 A JP940494 A JP 940494A JP 940494 A JP940494 A JP 940494A JP H07216344 A JPH07216344 A JP H07216344A
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JP
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gasket
parts
test
gasket material
mineral oil
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JP940494A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Sugiyama
満 杉山
Haruhisa Ishigaki
治久 石垣
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パーフロロカーボン液や六フッ化イオウガス
入変圧器のガスケット材料の耐クラック性を向上させ
る。 【構成】 パーフロロカーボン液や六フッ化イオウガス
入変圧器のガスケット材料において、非金属ガスケット
の主材料にエチレン−プロピレン−ジエン化合物を加え
た三成分共重合体EPDMを用い、EPDMの配合比を
100部として、充填剤の鉱物油を10〜25部含有す
ることを特徴とするガスケット材料を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガスケット材に関し、特
にパーフロロカーボン液や六フッ化イオウガス入変圧器
のガスケット材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】変圧器の大容量化、コンパクト化及び燃
損防止による不燃化をはかるうえで、変圧器の冷却、絶
縁媒体が重要な役割を果たしている。従来、冷却及び絶
縁媒体には絶縁油が用いられているが、冷却及び絶縁特
性に優れた特性を有するパーフロロカーボン(C816
O、以下PFC液と略す)や絶縁耐力の高い六フッ化イ
オウ(SF6)ガスを用いた変圧器の開発が活発に推進
されている。
【0003】PFC液やSF6ガスを媒体に用いたコン
パクトで大容量の変圧器の製造にあたり、変圧器のガス
ケット材料やその特性が重要な鍵を握っている。
【0004】PFC液やSF6ガス入変圧器には、非金
属ガスケットの主材料にエチレン−プロピレン−ジエン
化合物を加えた三成分共重合体EPDM等が用いられて
いる。
【0005】ガスケット材料には、永久変形に対する抵
抗性、耐候性、耐オゾン性をはじめ、熱老化、低温ぜい
性等の基本的な特性が求められ、ガスケットは変圧器を
安定に長期間作動させるうえで重要な機能を果たしてい
る。またPFC液やSF6ガスというような、互いに性
質の異なる流体にも適合するガスケット材料の開発が進
められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、パーフロ
ロカーボンに耐食性を有するガスケット材として、EP
DMを主原料とし、加硫剤に有機過酸化物であるジクミ
ルパーオキサイドを用いたガスケット材(EP666)
を既に出願している。このEP666はPFC液に対す
る耐性やガスケットの特性として重要な圧縮永久歪特性
等に優れたガスケット材料である。
【0007】しかし、これらの従来品は耐クラック性に
課題がのこされており、ガスケットとフランジの接面
(機能上からみれば密封面)に小さな異物や突起などが
あると応力集中によってクラック(ひび割れ)を誘起
し、EP666が圧縮破壊してしまう可能性もないとは
いえなかった。
【0008】したがって、EP666をガスケット材料
として用いる場合、厳密な接面の管理が必要となってい
る。
【0009】さらに、ガスケットにクラックが発生する
と変圧器の正常な作動ができなくなったり、PFC液の
液漏れを誘発する可能性があるという課題も残されてい
た。また、SF6ガスのような絶縁耐力の高いガスを用い
た乾式ガス入変圧器も開発されており、PFC液やSF
6ガス入変圧器の双方に使用可能なガスケット材料の開
発が求められている。
【0010】本発明は、上述した問題や背景のもとにな
されたものであり、その目的とするところは、PFC液
やSF6ガス入変圧器の双方に使用可能で、かつ耐クラ
ック性が高く、変圧器を長期にわたって安定に作動でき
るようなガスケット材料を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】上記課題を解決
するため、本発明はEPDMを主成分とし、前記EPD
M100部に対して10〜25部の鉱物油を含有するこ
とを特徴とするガスケット材を提供する。
【0012】上記ガスケット材においては、加工助剤と
してハイドロカーボンレジンを含有することが好まし
い。
【0013】非金属ガスケットの主材料のエチレン−プ
ロピレン−ジエン化合物の三成分共重合体EPDMに、
充填剤の鉱物油を10〜25部含有させることによっ
て、ガスケットとフランジの接面(機能上からみれば密
封面)に小さな異物や突起などによる応力集中の緩和を
はかり、クラック(ひび割れ)を防止できる。
【0014】好ましくは、非金属ガスケットの主材料に
エチレン−プロピレン−ジエン化合物を加えた三成分共
重合体EPDMを用い、EPDMの配合比を100部と
して、加硫助剤に3部の酸化亜鉛と0.5部のステアリ
ン酸、老化防止剤に1部のベンゾイミダゾールと1部の
トリメチルジハイドロキノリン、加工助剤に3部のハイ
ドロカーボンレジン、加硫剤に6.75部のジクミルパ
ーオキシドと2部のイソシアネート、充填剤に58部の
カーボンブラックと10〜25部の鉱物油を前記EPD
Mに含有させてガスケット材を得る。尚、クレーム及び
明細書において各数値は概算であり、実際には±20%
程度を許容範囲とする。
【0015】上記のようなガスケット材においては、耐
クラック性の向上に加えてガスケット材料に必要な永久
変形に対する抵抗性、耐オゾン性をはじめ、熱老化、低
温ぜい性等の基本的な特性がガスケットに備わり、その
ガスケットを利用して変圧器を安定に長期間作動させる
ことができる。またPFC液やSF6ガスというような
性質の異なる流体に対しても耐性が高い。
【0016】上記ガスケット材を用いることによって、
ガスケットの圧縮破壊事故を未然に防止できるばかり
か、ガスケットの不備によって誘発される液漏れやガス
漏れも防止でき、変圧器を安定に長期間作動させること
ができる。
【0017】尚、エチレンとプロピレンをチーグラー−
ナッタ解媒で重合して作られた共重合物であるエチレン
−プロピレンゴム(ethylene-propylene rubber:EPR,エ
チレン−プロピレンコポリマーとも呼ばれる)は飽和ゴ
ムであるので過酸化物による加硫しかできない。
【0018】そこで、従来のゴムと同じように硫黄で加
硫できるようにジエン化合物を加えた三成分共重合体の
エチレン−プロピレンターポリマー(ethylene-propylen
e terpolymer:EPT)が工業化され、その後両者を区別す
るため、ASTMD1418の略称にしたがって、前者
をEPM、後者をEPDMと呼んでいる。
【0019】EPDMは二重結合が少ないので、耐オゾ
ン性、耐熱老化性、耐薬品(酸化)性や耐候性に優れて
いる。また、分子内に極性基をもたないので、耐水性が
よく、電気的性質に優れている。
【0020】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に
説明する。
【0021】本実施例にてはベースポリマーに各種の添
加剤を加えた7種類のガスケット材料に対して7項目の
試験及び検査を行い、PFC液やSF6ガス媒体への耐
久性やガスケット材料の耐クラック性を中心として、ガ
スケット材料の総合的な実用性を評価した。
【0022】まず、ベースポリマー、加硫助剤、充填剤
等の種類及び添加量の異なる5種のガスケット材試料
(EP11,EP666,EPT650,EPT65
1,EPT652)を製造した。これら各試料における
原料およびその配合比を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】各試料の特徴を以下に示す。
【0025】EP11:他のガスケット材試料ではベー
スポリマーにEPDMを用いているが、この試料のみE
PMを用いている。充填材である鉱物油の添加量を他の
試料よりも多く(40部)した。加工助剤にはクマロイ
ンデン樹脂を用いた。
【0026】EP666:ベースポリマーにEPDMを
用いた。鉱物油の添加量を低く(5部)抑え、加硫剤に
はEP11と同様にクマロインデン樹脂を用いた。
【0027】EPT650,651,652:ベースポ
リマーにEPDMを用い、老化防止剤としてベンゾイミ
タゾールに加えてトリメチルハイドロキノリンを使用し
た。加工助剤は、クマロインデン樹脂に代えてハイドロ
カーボンレジンを用いた。
【0028】EPT650,651,652では充填剤
における鉱物油の配合比のみを変えており、鉱物油の配
合比は650が最も大きく、652が最も小さい。
【0029】更に、ベースポリマーにニトリルゴムを用
いたガスケット材としてNR110を用い、またベース
ポリマーにフッ素ゴムを用いたガスケット材としてF7
51を用意し、上記各試料と併せて比較試験を行った。
【0030】上記7種類のガスケット材料について、常
態試験、耐老化試験、圧縮永久歪[100℃,70時
間]、耐オゾン性[100(ppm),70時間]、常態引裂強
さ、老化後引裂強さ[130(℃)、72時間]の各試験
を行って一般物性を比較した。尚、常態試験にては硬
さ、引張強さ及び伸びの3項目を試験し、耐老化試験で
は100℃で72時間経過後の硬さ変化、引張強さ変化
(率)及び伸び変化(率)の3項目を試験した。
【0031】これらの一般物性試験結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】次に、上記のように物性が判明した各ガス
ケット材に対して以下の各試験を行った。
【0034】(a)圧縮破壊試験 上記7種類のガスケット材料について、12.7t×2
9φのJIS試験片を3個それぞれ用意し、圧縮破壊試
験を行った。試験条件は、圧縮率50%、大気中、13
0℃として72時間放置を行った。その試験結果を表3
に示す。
【0035】
【表3】
【0036】表3に示されるように、EP11、EPT
650、EPT651、NR110及びF751は、圧
縮率50%において測定試験片は3個とも破壊しなかっ
た。EPT652は測定試験片3個のうち一個が破壊し
た。
【0037】EP666は圧縮率50%で測定試料が3
個とも破壊した。そこで、圧縮率を45%とし、温度も
130(℃)から90℃として緩い条件で再度圧縮破壊試
験を行ったところ、この条件下でも測定試料3個のうち
1個が破壊した。これらの結果から、EP666はやや
耐圧縮性に劣ることが確認された。
【0038】(b)異物介在圧縮破壊試験 上記7種類のガスケット材料各2個について、ガスケッ
トとフランジの接面(機能上からみれば密封面)に故意
に異物をおいてフランジを締めつけ、大気中で加熱して
放置してガスケットに生起するクラックの有無を検査し
た。
【0039】介在異物としては1〜1.5(nm)のショ
ットプラスト粒や小石を用い、3.6(mm)の溝深さをも
つ20A配管フランジの溝に対して5.9t×49φ×
38φのサイズのガスケットを締め付けた。この際圧縮
率を33%とし、大気中、90℃及び120℃で72時
間放置した。その試験結果を表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】EP666は試験温度120℃で測定試料
2個ともクラックが発生し、90℃で測定試料2個のう
ち1個にクラックが発生した。その他のガスケット材料
にはクラックの発生が認められず、異物が介在しても十
分な耐クラック性が得られていることがわかる。
【0042】(c)高温強度試験 NR110を除く6種類のガスケット材料各3個につい
て、常温槽付きオートグラフ(材料試験機)を用いて高
温強度試験(引裂強度試験及び引張強度試験)を行っ
た。
【0043】引裂強度試験:15℃、90℃、120℃
において、JIS試験片を2tの荷重で、1分あたり5
00(mm)の引裂速度で行い、測定試料3個の平均値を測
定した。その結果を表5に示す。
【0044】
【表5】
【0045】EPT651は、EP666と比べると9
0(℃)での引裂強度は同程度であるが、120(℃)では
35%程度高い値が得られている。また、EPT65
0,652でも同様の結果が得られている。
【0046】引張強度試験:15℃、90℃、120℃
において、JISダンベル3号試験片を2tの荷重で、
1分あたり300(mm)の引張速度で行い、測定試料3個
の平均値を測定した。その結果を表6に示す。
【0047】
【表6】
【0048】尚、表6に記載の伸びは(1)式によって
求めたもので、相対比較のための参考値である。
【0049】
【数1】伸び(%)=(20(mm)/クロスヘッドの移動量(初
期50nm))×100 …(1) 正式には、標点間20nmに対する伸び量を測定器具を
用いて計測する必要があるが、相対比較するうえでは本
発明の計測方法で十分な情報が得られる。
【0050】EPT651は、EP666と比べて12
0℃では引張強度が45%高いが、90℃では変わらな
い。しかし、破断のびはEP666よりも常に高く、最
低でも1.7倍になっており、EPT651の耐クラッ
ク性はEP666よりも高いことが明らかである。EP
T650,652でも多少の差はあるもののEP666
よりも良い値が得られている。
【0051】(d)熱老化試験 上記各試験から、EPT650〜652は良好な特性が
得られているうえ特性に共通点が多いといえる。そこ
で、比較的良い特性が得られているEPT651を代表
とし、EP11、EP666、EPT651の3種類の
ガスケット材料について、130℃の大気中、PFC液
中の各条件で10日間の放置試験及び30日間の放置試
験を行った。その結果を表7に示す。
【0052】
【表7】
【0053】EPT651は大気中での熱老化が試料2
のEP666より少なく、またPFC液中では、膨潤が
少ない。
【0054】圧縮破壊試験、異物介在圧縮破壊試験や高
温強度試験等から得られた結果から、耐クラック性の良
いガスケット材料としてEPT651が選出できる。さ
らに圧縮永久歪試験を主にEPT651に対して行っ
た。EPT651を所定の温度で所定の時間加熱して、
以下に列記した3方法の圧縮永久歪試験によりそれらの
圧縮永久歪特性を検査した。
【0055】(e)圧縮永久歪試験 大気中JIS圧縮永久歪試験は以下の工程にしたがって
行った。
【0056】(1)ステンレス鋼(SUS)の圧縮板に
JISの圧縮永久歪試験片3個をはさみ、圧縮率25%
で9.52単位(厚み)のスペーサにあたるまで試験片
を圧縮したセットをSUSの容器を入れ、大気中で密封
して110℃、130℃、150℃の温度に設定したオ
ーブンに各容器を入れ、所定の時間加熱する。
【0057】(2)所定の時間加熱後、オーブンから取
り出し、速やかに圧縮板を解体して試験片を取り出して
机上に30分間静置した後、試験片の厚みを測定した。
【0058】大気中低温解体JIS圧縮永久歪試験は以
下の工程にしたがって行った。
【0059】この低温解体は冬季に変圧器が作動停止
し、低温に放置された際のガスケットの復元力を検査す
ることを想定している。
【0060】(1)試験片の圧縮加熱方法は、上記の大
気中JIS圧縮永久歪試験方法と同じである。
【0061】(2)所定の温度に設定したオーブンに各
容器を入れ、所定の時間加熱する。 (3)加熱後、圧縮板のセットをオーブンから取り出し
て、10℃の恒温槽に入れて冷却させ、容器が10℃に
なってから解体して試験片を取り出して机上に30分間
静置した後、試験片の厚みを測定した。
【0062】PFC液中低温解体JIS圧縮永久歪試験
は以下の工程にしたがって行った。 (1)試験片を圧縮したセットをSUSの容器に入れ、
PFC液を圧縮板が浸せきするまで注入し、蓋をして密
封する。
【0063】(2)所定の温度に設定したオーブンに各
容器を入れ、所定の時間加熱する。
【0064】(3)加熱後、容器をオーブンから取り出
し、10℃の恒温槽に入れて冷却させ、容器が10℃に
なってから解体して試験片を取り出して机上に30分間
静置した後、試験片の厚みを測定した。
【0065】すべての試験方法において、各試験片につ
いて1つの測定点で計測し、3個の試験片のデータを平
均した。
【0066】すべての測定において、圧縮永久歪率は数
式2により算出した。
【0067】
【数2】圧縮永久歪率=(試験片の元の厚み(12.7)−
試験後の厚み(x))/(試験片の元の厚み(12.7)−ス
ペーサーの厚み(9.52))×100 110℃、130℃および150℃で加熱したEPT6
51と110℃で加熱したEP11とEP666の大気
中JIS圧縮永久歪試験結果を図1に示す。
【0068】この図に示されるように、加熱時間をX、
圧縮永久歪率をYとして半対数方眼紙でX(対数軸)対
Yをプロットするとデータは直線上に並び、数式3のよ
うに近似できる。
【0069】
【数3】Y=A+Blog10X(A,Bは定数) 110℃、130℃および150℃で加熱したEPT6
51と110℃で加熱したEP11とEP666の大気
中低温解体JIS圧縮永久歪試験結果を図2に示す。
【0070】この図に示されるように、加熱時間をX、
圧縮永久歪率をYとして半対数方眼紙でX(対数軸)対
Yをプロットするとデータは直線上に並び、数式3と同
様に近似できる。
【0071】110℃、130℃および150℃で加熱
したEPT651と110℃で加熱したEP11とEP
666のPFC液中JIS圧縮永久歪試験結果を図3に
示す。
【0072】この図に示されるように、加熱時間をX、
圧縮永久歪率をYとして半対数方眼紙でX(対数軸)対
Yをプロットするとデータは直線上に並び、数式3と同
様に近似できる。
【0073】EPT651にはEPDMのベースポリマ
ー100部に対して鉱物油が15部、EP11にはEP
Mのベースポリマー100部に対して鉱物油が40部、
EP666にはEPDMのベースポリマー100部に対
して鉱物油が5部含まれている。
【0074】図1〜3より、同じ温度(110℃)で加
熱した場合、各ガスケット材料の寿命は、EP11(鉱
物油40部)<のEPT651(鉱物油15部)<EP
666(鉱物油5部)の順に長くなっている。ガスケッ
ト材料の寿命はガスケット材料中の鉱物油含有量が多い
ほど短かいといえる。
【0075】尚、EPT651(鉱物油15部)の場
合、加熱温度が高くなるにしたがってその寿命は短くな
っている。
【0076】(f)PFC液汚損性試験 25%圧縮したEP666とEPT651の各JIS試
験片を50ccのPFC液中に浸せきさせ、130℃で
10日間加熱した。各試験片をPFC液から取り出し、
浸せき後のPFC液の汚れを紫外吸収分光法(UV法)
により評価した。そのスペクトルをそれぞれ図4,5,
6に示した。
【0077】図4はPFC液の吸収スペクトル(ブラン
クテスト)、図5はEPT651を浸漬した後のPFC
液の吸収スペクトル、図6はEP666を浸漬した後の
PFC液の吸収スペクトルである。
【0078】図5と図6のスペクトルの形状はほぼ同じ
であり、EP666によるPFC液汚損とEPT651
によるPFC液汚損度は同程度である。
【0079】図5,6のスペクトルと図4の差分スペク
トルは、各試料に充填剤として含まれる鉱物油の溶出に
よるものであるが、本試験は苛酷な条件下で行っている
ものであり、通常の使用条件下では鉱物油の溶出は問題
にならない。
【0080】ベースポリマーに各種の添加剤を加えた7
種類のガスケット材料に対して上記記載のような7つの
項目について試験及び検査を行った結果は以下のように
総括できる。
【0081】ガスケット材料中の鉱物油の配合量が多く
なるにつれて耐クラック性は増加するが、一方圧縮永久
歪特性は悪化することが判明した。
【0082】鉱物油を15部含むEPT651、鉱物油
を10部含むEPT650及び鉱物油を20部含むEP
T652圧縮破壊強度は、従来使用していたEP666
よりも大きく、ガスケットとフランジの接面(機能上か
らみれば密封面)における異物の介在によってもたらさ
れるクラックの発生を抑制することができる。
【0083】また、EPT650〜652はEP11よ
りもガスケット特性が優れていることは明らかであるこ
とから、ガスケット接面の異物介在による圧縮破壊事故
を未然に防止するためにはEPT650〜652を用い
ることが好ましいく、特に好ましくはEPT651を用
いる。
【0084】
【発明の効果】以上の如く本発明ではガスケット材料の
鉱物油の配合量をEPDMのベースポリマー100部に
対して10〜20部としてガスケットの耐クラック性を
改善している。従ってガスケット接面の異物介在による
圧縮破壊事故や媒体の漏れを防ぐことができ、SF6
ス封入変圧器やPFC液不燃変圧器等に好適に使用でき
る。
【0085】特に、30年の変圧器寿命を満足する密封
(シール)寿命が期待でき、SF6ガスやPFC液に対
する高い化学的耐久性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各ガスケット材試料における大気中JIS圧縮
永久歪特性を示すグラフ。
【図2】各ガスケット材試料における大気中低温解体圧
縮永久歪特性を示すグラフ。
【図3】各ガスケット試料におけるPFC液中低温解体
圧縮永久歪特性を示すグラフ。
【図4】各ガスケット試料におけるPFC液汚損特性を
示す吸収スペクトル。
【図5】各ガスケット試料におけるPFC液汚損特性を
示す吸収スペクトル。
【図6】各ガスケット試料におけるPFC液汚損特性を
示す吸収スペクトル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/14 KES 5/29 KEZ 5/3432 5/3445 KFB C08L 23/16 LCY 57/02 H01F 27/02 A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 EPDMを主成分とし、前記EPDM1
    00部に対して10〜25部の鉱物油を含有することを
    特徴とするガスケット材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のガスケット材において、
    EPDM100部に対して酸化亜鉛3部、ステアリン酸
    0.5部、ベンゾイミダゾール1部、トリメチルジハイ
    ドロキノリン1部、ハイドロカーボンレジン3部、ジク
    ミルパーオキシド6.75部、イソシアネート2部、カ
    ーボンブラック58部をそれぞれ含有することを特徴と
    するガスケット材。
JP940494A 1994-01-31 1994-01-31 ガスケット材 Pending JPH07216344A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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KR100373146B1 (ko) * 2000-08-08 2003-02-25 동아화성(주) 드럼세탁기 도어 밀폐용 고무가스켓의 조성물 및 그제조방법
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JP2008007787A (ja) * 1996-07-10 2008-01-17 Cabot Corp 組成物と生産品
CN103509216A (zh) * 2013-09-05 2014-01-15 安徽省科林电子有限公司 一种户外变压器用抗紫外线密封垫及其制备方法

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