JP4166062B2 - 大気開放型cvd装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材表面に金属酸化物膜を蒸着するために使用する大気開放型CVD装置のノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
基材表面に二酸化チタン、二酸化珪素等の金属酸化物膜を形成する方法としては、ゾルゲル法、真空蒸着法、CVD法、PVD法等種々の方法が知られているが、大気開放型CVD法は大型設備を必要とせず、長尺状の基材にも連続的に金属酸化物膜を形成することができることから注目を集めている。(例えば、特許文献1参照)
大気開放型CVD法では、キャリアガス供給源、原料気化器、ノズル、これらを接続する配管及び基材を載置し加熱する基材加熱装置を有するCVD装置を使用して、気化させた原料をキャリアガスとともに加熱された基材表面にノズルから吹き付け、空気中の水分と原料ガスを反応させて基材表面に金属酸化物膜を堆積させる。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−152396号公報
【0004】
この大気開放型CVD装置では、通常、加熱された基材の10〜50mm上方を移動するノズルのガス噴出口から、基材表面に原料ガスを吹き付けて金属酸化物膜を形成することから、均一な膜を得るには原料ガスを均一な状態で安定して基材に吹き付けることが必要となる。
しかしながら、従来の大気開放型CVD装置では、基材加熱装置上で高温に加熱された大気が急上昇して基材表面での気体の流れが乱され、ノズルのガス噴出口から原料ガスを均一に基材表面全体に吹き付けることは困難であった。また、ノズルの噴出口を設けた基材加熱装置と対向する面は、基材加熱装置の放射熱あるいは該装置により高温に加熱された空気によって加熱され、ノズルの噴出口の温度は設定温度よりも高くなリ、原料ガスが熱分解した分解生成物が噴出口に付着して噴出口のスリット幅が変化し、原料ガスを噴出口全体にわたって均一に噴出させることができなくなる、という欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明はこれら従来技術の問題点を解消して、ノズルのガス噴出口から原料ガスを均一な状態で基材表面全体に吹付けることができるとともに、基材加熱装置によるノズルの過熱を防止して、基材表面に均一な金属酸化物膜を効率よく形成することのできる、大気開放型CVD装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意検討した結果、大気開放型CVD装置において、ノズルのガス噴出口と基材加熱装置との間に、防熱板を設けることによって上記課題が解決されることを発見し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は次の構成をとるものである。
1.キャリアガス供給源、原料気化器、ノズル及び基材加熱装置を有する大気開放型CVD装置において、ノズルのガス噴出口と基材加熱装置との間に、ノズルのガス噴出口よりも大きい開口部を有する防熱板を設けたことを特徴とする大気開放型CVD装置。
2.防熱板が冷却装置を有することを特徴とする1に記載の大気開放型CVD装置。
3.防熱板の周縁部に冷却管を配設することにより冷却装置を構成したことを特徴とする2に記載の大気開放型CVD装置。
4.防熱板を金属、セラミックス、陶磁器、ガラス、石英ガラス、無機繊維もしくはこれらの複合材料から選択された材料により構成したことを特徴とする1〜3のいずれかに記載の大気開放型CVD装置。
5.ノズルと防熱板を固定し、防熱板の下方で基材加熱装置を往復運動させることを特徴とする1〜4のいずれかに記載の大気開放型CVD装置。
6.装置内に支柱を設け、防熱板を支柱に固定したことを特徴とする5に記載の大気開放型CVD装置。
7.基材加熱装置を固定し、基材加熱装置の上方でノズルと防熱板を往復運動させることを特徴とする1〜4のいずれかに記載の大気開放型CVD装置。
8.防熱板をノズルの基材加熱装置と対向する面に、連結部材により空間を介して着脱自在に取り付けたことを特徴とする7に記載の大気開放型CVD装置。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明では、キャリアガス供給源、原料気化器、ノズル及び基材加熱装置を有する大気開放型CVD装置において、ノズルのガス噴出口と基材加熱装置との間に、ノズルのガス噴出口よりも面積の大きい開口部を有する防熱板を設けることによって、大気開放型CVD装置を構成する。
この防熱板には、例えば周縁部に冷却水を通す冷却管を配設することによって冷却装置を設け、防熱板の温度を制御することが好ましい。冷却水を通す冷却管に代えて、ヒートポンプ等他の冷却手段を使用してもよい。防熱板の中央部に設ける開口部は、スリット状のノズルのガス噴出口から吹き出される原料ガスの流れを妨げないように、ガス噴出口よりも大きい形状及び寸法とする。
【0008】
大気開放型CVD装置のノズルにはヒーター等の加熱装置が設けられ、温度調節をしてガス噴出口から噴出される原料ガスの温度を一定温度に制御する。しかしながら、ノズルのガス噴出口は基材加熱装置に近接しているために、基材加熱装置の放射熱により過度に加熱され、設定温度よりも相当高くなり、原料ガスの熱分解を発生させることがある。原料ガスが熱分解した場合には、分解生成物がスリット状のガス噴出口に付着してスリット幅が変化し、原料ガスを基材表面に均一に吹き付けることが困難になる。
本発明では、ノズルの基材加熱装置と対向する面に防熱板を設けることによって、ノズルのガス噴出口周辺が過度に加熱され不均一に熱膨張するのを防止するとともに、原料ガスが熱分解して噴出口に付着し噴出口のスリット幅が変化するのを防止することができる。
【0009】
また、防熱板を設けることによって、基材と基材加熱装置の上面を覆い、CVD装置の空間内への不必要な放熱を防止して、基材表面に均一な高温空間を作り、原料ガスの反応を促進して金属酸化物膜の堆積を速めることが可能となる。
さらに、基材加熱装置上で高温に加熱された大気が急上昇して基材表面での気体の流れが乱れるのを抑制し、ノズルのガス噴出口から原料ガスが均一に基材表面に吹き付けられるので、原料ガスは基材上で流体力学的な粘性流として境界層を保って流動し、基材表面に膜厚の分布がより均一な金属酸化物膜を形成することができる。
【0010】
防熱板を構成する材料としては、アルミニウム、ニッケル、クロム、鉄、モリブデン、コバルト、銅、チタン等の金属あるいはこれらの金属を含む合金類;セラミックス;陶磁器;ガラス;石英ガラス;ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維等の無機繊維;もしくはこれらの複合材料等の耐熱性材料が使用される。
防熱板のサイズは、ノズルや基材、基材加熱装置のサイズに合わせて任意に選定することができるが、基材加熱装置の表面を略覆うことができる程度のサイズとすることが好ましい。また、防熱板の開口部はノズルのガス噴出口よりも大きいサイズとし、例えばガス噴出口のサイズが2mm×50mmである場合には、10mm×60mm程度に設定することができる。
【0011】
本発明の大気開放型CVD装置では、ノズル及び防熱板と、基材加熱装置を相対的に往復運動させることによって、基材表面に金属酸化物膜を堆積させる。
本発明の一つの態様では、ノズルと防熱板を固定し、防熱板の下方で基材加熱装置を往復運動させることによって、基材表面に金属酸化物膜を堆積させる。装置内で防熱板を固定するには、例えば装置内に支柱を設け、防熱板をクランプ等により支柱に固定する。また、防熱板をノズルの基材加熱装置と対向する面に、連結部材により空間を介して着脱自在に取り付けることにより、固定してもよい。
そして、基材加熱装置を防熱板の下方で往復運動させるには、例えばCVD装置内にレール、チェーン等の軌道を設置し、基材加熱装置に車輪、ボールベアリング、歯車等を取り付けて、モーター等の駆動源によって軌道上を往復運動させる等の方法が採用される。
【0012】
本発明の他の態様では、基材加熱装置を固定し、基材加熱装置の上方でノズルと防熱板を往復運動させることによって、基材表面に金属酸化物膜を堆積させる。
具体的には、例えば防熱板をノズルの基材加熱装置と対向する面に、好ましくは空間を介して、連結部材により着脱自在に取り付け、固定された基材加熱装置上で、一体化された防熱板とノズルを往復運動させる等の方法が挙げられる。防熱板をノズルに固定するには、例えば防熱板にビス孔を設け、ノズル面と防熱板の間に空間が形成されるように緩衝材を介在させて、ビスによりノズル面に着脱自在に取り付けることができる。
【0013】
つぎに、本発明の防熱板を設けた大気開放型CVD装置について、図面に基づいてさらに説明するが、以下の具体例は本発明を限定するものではない。
図1〜図3は本発明の防熱板を設けた大気開放型CVD装置の1例を示す図であり、図1は大気開放型CVD装置全体の模式図、図2は防熱板を示す図で(A)は平面図、また(B)は(A)のAA線における断面図、そして図3はノズル、防熱板及び基材加熱装置の関係を説明する模式図である。
【0014】
この大気開放型CVD装置は、窒素ガスボンベ等のキャリアガス供給源1、流量計2、原料気化器3、スリット状のガス噴出口5を有するノズル4、基材6の加熱装置7を有し、ノズル4と基材加熱装置7との間には防熱板10が設けられている。また、このCVD装置の主要部は、扉9を有する防護チャンバー8により覆われている。(図1参照)
【0015】
防熱板10の中央部には、図2、3にみられるように、ノズル4のガス噴出口5よりもやや大きい面積を有するスリット状の開口部11が設けられ、この開口部11を通してノズル4から原料ガスを基材6の表面に吹き付ける。防熱板10の表面には、冷却水を通す冷却管12が設けられ、防熱板が基材加熱装置7によって過度に加熱されることを防止している。この冷却管12は、基材の加熱温度が低い場合等には省略してもよく、またヒートポンプ等他の冷却手段を使用することもできる。
【0016】
この装置では、図3にみられるように、装置内に支柱13を設け、クランプ14により防熱板10を支持することによって、支柱13に固定している。
防熱板10の下方には、基材6を載置するホットプレート15、ホットプレート15の高さを上下に調節するジャッキ16、車輪18を取り付けた台車17を具備する基材加熱装置7が配置される。台車17の車輪18は、CVD装置内に設置されたレール19上に載置され、モーター等の駆動源(図示せず)によって台車17がレール19上を往復する。
この装置では、固定されたノズル4及び防熱板10の下方で基材加熱装置7を往復運動させることによって、ノズル4のガス噴出口5から噴出されたガスが防熱板10の開口部11を通って、基材6の表面に均一に吹き付けられて金属酸化物膜を形成する。
【0017】
図4及び図5は、本発明の大気開放型CVD装置の他の例を示す図であり、図4はノズルと防熱板並びに基材加熱装置の関係を説明する模式図、そして図5はこの装置に使用する防熱板を示す平面図である。
この装置では、基材加熱装置7を固定し、基材加熱装置7の上方で防熱板10を固定したノズル4を往復運動させることによって、基材6の表面に金属酸化物膜を形成する。
図5にみられるように、防熱板10には4個のビス穴21が設けられ、図4にみられるように緩衝材22を介在させて、防熱板10とノズル4のガス噴出口5との間に空間23が形成されるようにして、ビス24でノズル4に連結される。CVD装置の他の構成は、図1〜3のCVD装置と同様である。
【0018】
図6は防熱板の作用を説明する図であり、(A)は本発明の大気開放型CVD装置、また(B)は従来の大気開放型CVD装置を示す図である。これらの図において、矢印はノズルのガス噴出口から噴出される原料ガスの流れを表す。
従来の大気開放型CVD装置では、図6の(B)にみられるように、ノズル4のガス噴出口5は基材加熱装置7に直接対向し、基材加熱装置7の放射熱あるいは該装置により高温に加熱された空気によって加熱され、ノズルの噴出口5の温度は設定温度よりも高くなリ、ノズルの不均一な熱膨張及び原料ガスが熱分解した分解生成物が噴出口5に付着することにより噴出口のスリット幅が変化し、原料ガスを噴出口全体にわたって均一に噴出させることが困難であった。また、基材6表面での気体の流れが一定せず、原料ガスを均一に基材表面全体に吹き付けることは、極めて難しかった。
【0019】
これに対して、図6の(A)にみられるように、防熱板10を設けた本発明の大気開放型CVD装置では、ノズル4のガス噴出口5周辺が過度に加熱され不均一に熱膨張するのを防止するとともに、原料ガスが熱分解して噴出口に付着し噴出口のスリット幅が変化するのを防止することができる。
また、防熱板10を設けることによって、基材6と基材加熱装置7の上面を覆い、CVD装置の空間内への不必要な放熱を防止して、基材表面に均一な高温空間を作り、原料ガスの反応を促進して金属酸化物膜の堆積を速めることが可能となる。
さらに、基材加熱装置7上で高温に加熱された大気が急上昇して基材表面での気体の流れが乱れるのを抑制し、ノズル4のガス噴出口5から原料ガスが均一に基材表面に吹き付けられるので、原料ガスは基材6上で流体力学的な粘性流として境界層を保って流動し、基材表面に膜厚の分布がより均一な金属酸化物膜を形成することができる。
【0020】
【実施例】
つぎに、実施例により本発明をさらに説明するが、以下の具体例は本発明を限定するものではない。
(実施例1)
図1の装置において、銅板により構成した厚さ1mm、開口部のサイズが幅10mm×長さ120mmで、基材加熱装置の略全面を覆うサイズの防熱板を基材の上方20mmの位置に配置し、防熱板とノズルの間隔を1mmに設定した。
基材表面に堆積する酸化アルミニウムの原料としてトリスアセチルアセトナトアルミニウムを使用し、原料気化温度200℃、スリットノズル(スリットサイズ:幅0.5mm×長さ100mm)温度200℃、窒素キャリアーガスの流量6l/分で昇華させた原料ガスをスリットノズルから噴出させ、550℃に加熱された石英ガラス基材(直径100mm、厚さ20mm)に吹き付けて、成膜速度を1μm/時に制御しながら、基材表面に透明なアモルファス酸化アルミニウム膜を堆積させた。このときのノズルの温度は、200℃程度であった。
コーティング時間1時間でアモルファス酸化アルミニウム膜を堆積させた後に、その膜厚を基材上の任意の9点で光学式膜厚計により測定したところ、膜厚の平均値は、1.0μmで、膜厚分布は、±7%以内であった。
【0021】
(比較例1)
実施例1で使用した装置から防熱板を取り除いた以外は、実施例1と同様にして、石英ガラス基材表面に透明なアモルファス酸化アルミニウム膜を形成した。このときのノズルの温度は350℃に達し、スリット幅は0.4〜0.6mmと不均一であった。
コーティング時間1時間でアモルファス酸化アルミニウム膜を堆積させた後に、その膜厚を基材上の任意の9点で光学式膜厚計により測定したところ、膜厚の平均値は、0.6μmで、膜厚分布は、±15%以内であった。
【0022】
実施例1では、防熱板を設けたことによりノズルの温度上昇を防ぎ、ノズルスリットのゆがみを抑えることができた。また、原料ガスの流れは、基材上で乱れることなく、基材表面に分布が均一な酸化アルミニウム膜を形成することができた。さらに、防熱板によって基材表面に均一な高温空間が形成されたために、原料ガスの反応が促進されて酸化アルミニウム膜の堆積を速めることができた。
これに対して、防熱板を設けなかった比較例1では、ノズルの温度が過度に上昇し、ノズルスリット幅の不均一化が生じ、不均一な膜厚分布を有する酸化アルミニウム膜が形成された。また、膜の堆積速度も遅いものであった。
【0023】
(実施例2)
図1の装置において、銅板により構成した厚さ1mm、開口部のサイズが幅10mm×長さ60mmで、基材加熱装置の略全面を覆うサイズの防熱板を基材の上方30mmの位置に配置し、防熱板とノズルの間隔を1mmに設定した。
基材表面に堆積する二酸化チタンの原料としてチタンテトライソプロポキシドを使用し、原料気化温度100℃、スリットノズル(スリットサイズ:幅0.5mm×長さ50mm)温度100℃、窒素キャリアーガスの流量3l/分で気化させた原料ガスをスリットノズルから噴出させ、400℃に加熱された石英ガラス基材(縦20mm×横20mm、厚さ2mm)に吹き付けて、成膜速度を1μm/分に制御しながら、基材表面に二酸化チタン膜を堆積させた。
コーティング時間1分で二酸化チタン膜を堆積させた後に、X線回折法により測定した結果、(101)面と(200)面のピーク強度比が1対5となり、二酸化チタン膜は非常に強く<100>方向に優先配向していた。
【0024】
(比較例2)
実施例2で使用した装置から防熱板を取り除いた以外は、実施例2と同様にして、石英ガラス基材表面に二酸化チタン膜を形成した。コーティング時間1分で二酸化チタン膜を堆積させた後、X線回折法により測定した結果、(101)面と(200)面のピーク強度比が1対1となり、二酸化チタン膜の<100>優先配向は、弱くなった。
またノズルスリット付近には、原料のチタンテトライソプロポキシドが熱によって分解した二酸化チタンの白い粉が多量に付着しており、スリットの一部は白い粉によって詰まっていた。
【0025】
(実施例3)
図1の装置において、銅板により構成した厚さ1mm、開口部のサイズが幅10mm×長さ30mmで、基材加熱装置の略全面を覆うサイズの防熱板を基材の上方20mmの位置に配置し、防熱板とノズルの間隔を1mmに設定した。
基材表面に堆積する酸化マグネシウムの原料としてビスアセチルアセトナマグネシウムを使用し、原料気化温度250℃、スリットノズル(スリットサイズ幅0.5mm×長さ20mm)温度250℃、窒素キャリアーガスの流量1.5l/分で気化させた原料ガスをスリットノズルから噴出させ、600℃に加熱された石英ガラス基材(縦10mm×横10mm、厚さ1mm)に吹き付けて、成膜速度を1μm/時に制御しながら、基材表面に酸化マグネシウム膜を堆積させた。コーティング時間1時間で酸化マグネシウム膜を堆積させた後、薄膜用スクラッチ試験機によって膜の付着力を測定した結果、50mNの付着力があった。
【0026】
(比較例3)
実施例3で使用した装置から防熱板を取り除いた以外は、実施例3と同様にして、石英ガラス基材表面に酸化マグネシウム膜を形成した。コーティング時間1時間で酸化マグネシウム膜を堆積させた後、薄膜用スクラッチ試験機によって付着力を測定した結果、付着力が20mNに下がっていた。
【0027】
【発明の効果】
本発明では、大気開放型CVD装置の、ノズルの基材加熱装置と対向する面に防熱板を設けることによって、ノズルのガス噴出口周辺が過度に加熱され不均一に熱膨張するのを防止するとともに、原料ガスが熱分解して噴出口に付着し噴出口のスリット幅が変化するのを防止することができる。
また、防熱板を設けることによって、基材と基材加熱装置の上面を覆い、CVD装置の空間内への不必要な放熱を防止して、基材表面に均一な高温空間を作り、原料ガスの反応を促進して金属酸化物膜の堆積を速めることが可能となる。
さらに、基材加熱装置上で高温に加熱された大気が急上昇して基材表面での気体の流れが乱れるのを抑制し、ノズルのガス噴出口から原料ガスが均一に基材表面に吹き付けられるので、原料ガスは基材上で流体力学的な粘性流として境界層を保って流動し、基材表面に膜厚の分布と膜の性状がより均一な金属酸化物膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の大気開放型CVD装置の1例を示す模式図である。
【図2】図1の装置で使用する防熱板を示す図である。
【図3】図1の装置のノズル、防熱板及び基材加熱装置の関係を説明する模式図である。
【図4】本発明の大気開放型CVD装置の他の例を示す模式図である。
【図5】図4の装置で使用する防熱板を示す図である。
【図6】本発明の大気開放型CVD装置の防熱板の作用を説明する図である。
【符号の説明】
1 キャリアガス供給源
2 流量計
3 原料気化器
4 ノズル
5 ガス噴出口
6 基材
7 基材加熱装置
8 防護チャンバー
9 扉
10 防熱板
11 開口部
12 冷却管
13 支柱
14 クランプ
15 ホットプレート
16 ジャッキ
17 台車
18 車輪
19 レール
21 ビス穴
22 緩衝材
23 空間
24 ビス

Claims (8)

  1. キャリアガス供給源、原料気化器、ノズル及び基材加熱装置を有する大気開放型CVD装置において、ノズルのガス噴出口と基材加熱装置との間に、ノズルのガス噴出口よりも大きい開口部を有する防熱板を設けたことを特徴とする大気開放型CVD装置。
  2. 防熱板が冷却装置を有することを特徴とする請求項1に記載の大気開放型CVD装置。
  3. 防熱板の周縁部に冷却管を配設することにより冷却装置を構成したことを特徴とする請求項2に記載の大気開放型CVD装置。
  4. 防熱板を金属、セラミックス、陶磁器、ガラス、石英ガラス、無機繊維もしくはこれらの複合材料から選択された材料により構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の大気開放型CVD装置。
  5. ノズルと防熱板を固定し、防熱板の下方で基材加熱装置を往復運動させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の大気開放型CVD装置。
  6. 装置内に支柱を設け、防熱板を支柱に固定したことを特徴とする請求項5に記載の大気開放型CVD装置。
  7. 基材加熱装置を固定し、基材加熱装置の上方でノズルと防熱板を往復運動させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の大気開放型CVD装置。
  8. 防熱板をノズルの基材加熱装置と対向する面に、連結部材により空間を介して着脱自在に取り付けたことを特徴とする請求項7に記載の大気開放型CVD装置。
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