JP4165492B2 - 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法 - Google Patents

動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、自動車に搭載され、遊星歯車機構のサンギヤ,キャリア,リングギヤにそれぞれ発電機の回転軸,エンジンの出力軸,駆動軸を接続すると共に変速機を介して駆動軸に電動機の回転軸を接続したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、変速機の変速段を車速に応じて変更することにより電動機の動力を車速に応じた動力に変換して駆動軸に出力している。
特開2000−225578号公報
上述の動力出力装置では、車速に応じて変速機の変速段を変更しているが、変速機の変速段を変更している最中に電動機が上限回転数を超える回転数で駆動される場合の対処については考慮されていない。例えば、坂道を降っているときに変速機をアップシフトする場合、何らかの原因によりアップシフトの完了までに長時間を要すると、車速の上昇と共に電動機の回転数も上昇し、電動機が上限回転数を超える回転数で駆動される場合がある。したがって、こうした場合が生じないよう適切に対処することが望ましい。このとき、電動機の駆動制限を行なうことを考えることもできるが、エンジンの運転や発電機の駆動は制限されないから、発電機による過剰な発電により蓄電装置に過充電が生じる場合がある。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、変速機の変速中においてより適切に電動機が上限回転数を超える回転数で駆動されるのを抑制することを目的の一つとする。また、本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、バッテリなどの蓄電装置に過充電が生じるのを抑制することを目的の一つとする。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、
自動車に搭載され、車軸に接続された駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
内燃機関と、
該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、電力と動力の入出力により該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、
動力を入出力可能な電動機と、
変更可能な変速比をもって前記電動機と前記駆動軸との動力の伝達を行なう変速伝達手段と、
前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力をやり取りする蓄電手段と、
車速を検出する車速検出手段と、
前記電動機の回転数を検出する電動機回転数検出手段と、
前記変速伝達手段の変速比が変更されている最中は、前記検出された車速と前記変速伝達手段の変速比とに基づいて前記電動機の回転数を推定し、該推定した電動機の回転数と前記検出された電動機の回転数とのうち小さい方の回転数に基づいて上限駆動力を設定し、該設定した上限駆動力をもって操作者の操作に基づいて得られる駆動力を制限した駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する変速時制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置では、車速を検出し、電動機の回転数を検出し、変速伝達手段の変速比が変更されている最中は、検出された車速と変速伝達手段の変速比とに基づいて電動機の回転数を推定し、推定した電動機の回転数と検出された電動機の回転数とのうち小さい方の回転数に基づいて上限駆動力を設定し、設定した上限駆動力をもって操作者の操作に基づいて得られる駆動力を制限した駆動力が前記駆動軸に出力されるよう内燃機関と電力動力入出力手段と電動機とを制御する。したがって、変速伝達手段の変速比を変更している最中において、車速と電動機の回転数の一方だけで操作者の操作に基づいて得られる駆動力を制限するものに比して駆動力の制限をより適切に行なうことができ、より適切に電動機が上限回転数を超える回転数で駆動されるのを抑制することができる。また、駆動軸に対する駆動制限を行なうから電動機の駆動制限のみを行なうものに比して蓄電装置に過充電が生じるのを抑制することができる。
こうした本発明の動力出力装置において、前記変速時制御手段は、操作者の操作に基づいて得られる駆動力に対して前記小さい方の回転数が高いほど小さくなる傾向に前記上限駆動力を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、スムーズな駆動制限により電動機が上限回転数を超える回転数で駆動されるのを抑制することができる。
また、本発明の動力出力装置において、前記変速時制御手段は、前記変速伝達手段の変速比が変更されている最中に前記推定した電動機の回転数と前記検出された電動機の回転数との偏差が所定値以上のときには、前記検出された電動機の回転数における定格最大値よりも小さい駆動力をもって該電動機から出力される駆動力を制限する手段であるものとすることもできる。こうすれば、駆動軸に対する駆動制限だけでは対処できないときでも電動機が上限回転数を超える回転数で駆動されるのを抑制することができる。
さらに、本発明の動力出力装置において、前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記電動機の回転軸と第3の回転軸の3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の1軸に入出力させる3軸式の動力入出力手段と、前記第3の回転軸に動力を入出力可能な発電機とを備える手段であるものとすることもできるし、前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸に接続された第1の回転子と前記駆動軸に接続された第2の回転子とを有し、電磁的な作用による電力と動力の入出力により該内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力可能な対回転子電動機であるものとすることもできる。
本発明の自動車は、
上述した各態様のいずれかの本発明の動力出力装置、即ち、基本的には、自動車に搭載され、車軸に接続された駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され電力と動力の入出力により該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、動力を入出力可能な電動機と、変更可能な変速比をもって前記電動機と前記駆動軸との動力の伝達を行なう変速伝達手段と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力をやり取りする蓄電手段と、車速を検出する車速検出手段と、前記電動機の回転数を検出する電動機回転数検出手段と、前記変速伝達手段の変速比が変更されている最中は前記検出された車速と前記変速伝達手段の変速比とに基づいて前記電動機の回転数を推定し該推定した電動機の回転数と前記検出された電動機の回転数とのうち小さい方の回転数に基づいて上限駆動力を設定し該設定した上限駆動力をもって操作者の操作に基づいて得られる駆動力を制限した駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する変速時制御手段と、を備える動力出力装置を搭載し、前記駆動軸に車軸が接続されて走行する
ことを要旨とする。
この本発明の自動車では、上述した各態様のいずれかの本発明の動力出力装置を搭載するから、本発明の動力出力装置が奏する効果と同様の効果、例えば、変速機の変速比を変更している最中により適切に電動機が上限回転数を超える回転数で駆動されるのを抑制することができる効果や蓄電装置に過充電が生じるのを抑制することができる効果などを奏することができる。
本発明の動力出力装置の制御方法は、
駆動軸に車軸が接続された自動車に搭載され、内燃機関と、該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され電力と動力の入出力により該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、動力を入出力可能な電動機と、変更可能な変速比をもって前記電動機と前記駆動軸との動力の伝達を行なう変速伝達手段と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力をやり取りする蓄電手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
(a)車速を検出し、
(b)前記電動機の回転数を検出し、
(c)前記変速伝達手段の変速比が変更されている最中は、前記検出された車速と前記変速伝達手段の変速比とに基づいて前記電動機の回転数を推定し、該推定した電動機の回転数と前記検出された電動機の回転数とのうち小さい方の回転数に基づいて上限駆動力を設定し、該設定した上限駆動力をもって操作者の操作に基づいて得られる駆動力を制限した駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する
ことを要旨とする。
この本発明の動力出力装置の制御方法によれば、車速を検出し、電動機の回転数を検出し、変速伝達手段の変速比が変更されている最中は、検出された車速と変速伝達手段の変速比とに基づいて電動機の回転数を推定し、推定した電動機の回転数と検出された電動機の回転数とのうち小さい方の回転数に基づいて上限駆動力を設定し、設定した上限駆動力をもって操作者の操作に基づいて得られる駆動力を制限した駆動力が前記駆動軸に出力されるよう内燃機関と電力動力入出力手段と電動機とを制御する。したがって、変速伝達手段の変速比を変更している最中において、車速と電動機の回転数の一方だけで操作者の操作に基づいて得られる駆動力を制限するものに比して駆動力の制限をより適切に行なうことができ、より適切に電動機が上限回転数を超える回転数で駆動されるのを抑制することができる。また、駆動軸に対する駆動制限を行なうから電動機の駆動制限のみを行なうものに比して蓄電装置に過充電が生じるのを抑制することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態としての動力出力装置を搭載するハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、変速機60を介して動力分配統合機構30に接続されたモータMG2と、車両の駆動系全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32には変速機60を介してモータMG2がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力とを統合してリングギヤ32に出力する。リングギヤ32は、ギヤ機構37,デファレンシャルギヤ38を介して駆動輪39a,39bに機械的に接続されている。したがって、リングギヤ32に出力された動力は、ギヤ機構37,デファレンシャルギヤ38を介して駆動輪39a,39bに出力されることになる。
モータMG1およびモータMG2は、共に発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2の一方で発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2から生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1とモータMG2とにより電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、共にモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44から入力した信号に基づいて図示しない回転数算出ルーチンによりモータMG1,MG2の回転子の回転数Nm1,Nm2を計算している。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
変速機60は、モータMG2の回転軸48とリングギヤ軸32aとの接続および接続の解除を行なうと共に両軸の接続をモータMG2の回転軸48の回転数を2段に減速してリングギヤ軸32aに伝達可能に構成されている。変速機60の構成の一例を図2に示す。この図2に示す変速機60は、ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bと二つのブレーキB1,B2とにより構成されている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aは、外歯歯車のサンギヤ61と、このサンギヤ61と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ62と、サンギヤ61に噛合する複数の第1ピニオンギヤ63aと、この第1ピニオンギヤ63aに噛合すると共にリングギヤ62に噛合する複数の第2ピニオンギヤ63bと、複数の第1ピニオンギヤ63aおよび複数の第2ピニオンギヤ63bを連結して自転かつ公転自在に保持するキャリア64とを備えており、サンギヤ61はブレーキB1のオンオフによりその回転を自由にまたは停止できるようになっている。シングルピニオンの遊星歯車機構60bは、外歯歯車のサンギヤ65と、このサンギヤ65と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ66と、サンギヤ65に噛合すると共にリングギヤ66に噛合する複数のピニオンギヤ67と、複数のピニオンギヤ67を自転かつ公転自在に保持するキャリア68とを備えており、サンギヤ65はモータMG2の回転軸48に、キャリア68はリングギヤ軸32aにそれぞれ連結されていると共にリングギヤ66はブレーキB2のオンオフによりその回転が自由にまたは停止できるようになっている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bとは、リングギヤ62とリングギヤ66、キャリア64とキャリア68とによりそれぞれ連結されている。変速機60は、ブレーキB1,B2を共にオフとすることによりモータMG2の回転軸48をリングギヤ軸32aから切り離すことができ、ブレーキB1をオフとすると共にブレーキB2をオンとしてモータMG2の回転軸48の回転を比較的大きな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達し(以下、この状態をLoギヤの状態という)、ブレーキB1をオンとすると共にブレーキB2をオフ状態としてモータMG2の回転軸48の回転を比較的小さな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達する(以下、この状態をHiギヤの状態という)。なお、ブレーキB1,B2を共にオンとする状態は回転軸48やリングギヤ軸32aの回転を禁止するものとなる。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度などが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、変速機60のブレーキB1,B2の図示しないアクチュエータへの駆動信号などが出力されている。なお、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、変速機60のギヤの状態を変更する際の動作について説明する。図3は、実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、8msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の各回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の残容量SOC,バッテリ50の出力制限Wout,変速機60のギヤ比Grなどのデータを入力する処理を行なう(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。残容量SOCは、電流センサにより検出されたバッテリ50の充放電電流に基づいて演算されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。出力制限Woutは、図示しない出力制限設定処理ルーチンにより残容量SOCが小さいほど小さくなる傾向で電池温度が適正温度から外れるほど小さくなる傾向で設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。変速機60のギヤ比Grは、ギヤの状態の変更が要求されてその変更が完了したときに設定されるフラグに基づいて入力するものとした。したがって、変速機60のギヤの状態を変更している最中には、変更前のギヤの状態をギヤ比Grとして入力、即ち、LoギヤからHiギヤに変更している最中にはLoギヤのギヤ比Gloをギヤ比Grとして入力し、HiギヤからLoギヤに変更している最中にはHiギヤのギヤ比Ghiをギヤ比Grとして入力することになる。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動輪39a,39bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられるとマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図4に要求トルク設定用マップの一例を示す。
次に、変速機60がLoギヤの状態にあるか否か或いはギヤの状態を変更している最中にあるか否かを判定する(ステップS120)。変速機60がLoギヤの状態になくギヤの状態を変更している最中にもないと判定すなわち変速機60がHiギヤの状態にあると判定されたときには、要求トルクTr*をそのまま実行トルクT*に設定すると共に(ステップS130)、入力した回転数Nm2に基づいて回転数Nm2における最大定格トルクをモータMG2のトルク制限Tm2max1に設定する(ステップS140)。ここで、トルク制限Tm2max1は、実施例では、回転数Nm2とトルク制限Tm2max1との関係をモータMG2の駆動可能範囲から予め求めてマップとしてROM74に記憶しておき、回転数Nm2が与えられるとマップから対応するトルク制限Tm2max1を導出することにより設定するものとした。このマップの一例を図5に示す。
一方、変速機60がLoギヤの状態にあるかギヤの状態を変更している最中にあるかのいずれかと判定されたときには、車速Vに変速機60のギヤ比Grを乗じることによりモータMG2の推定回転数Nm2estを計算し(ステップS150)、計算した推定回転数Nm2estと入力した回転数Nm2とのうち小さい方をトルク上限値設定用回転数Nsetに設定する(ステップS160)。そして、設定したトルク上限値設定用回転数Nsetに基づいてトルク上限値Trmaxを設定し(ステップS170)、設定したトルク上限値TrmaxとステップS110で設定した要求トルクTr*とのうち小さい方を実行トルクT*に設定する(ステップS180)。いま、坂道を降っているときに変速機60をLoギヤの状態からHiギヤの状態に変更している状態を考える。この状態で、Hiギヤへの変更がスムーズに行なわれずにその変更の開始に遅れが生じると車速Vの上昇に伴ってモータMG2の回転数Nm2も上昇するから、モータMG2が上限回転数を超える回転数で駆動される場合が生じる。一方、同様の状態で、Hiギヤへの変更の開始がスムーズに行なわれてモータMG2の回転数Nm2は下降を開始しているときには、車速Vは上昇し続けていてもモータMG2が上限回転数を超える回転数で駆動される場合は生じない。モータMG2の回転数Nm2と推定回転数Nm2estとのうち小さい方の回転数(トルク上限値設定用回転数Nset)に基づいてトルク上限値Trmaxを設定したのは、こうした場合を区別することによりモータMG2が上限回転数で回転駆動されるのを抑制しつつ要求トルクTr*に対して過剰な駆動制限がなされるのを防止するためである。トルク上限値Trmaxは、実施例では、トルク上限値設定用回転数Nsetとトルク上限値Trmaxとの関係を予め求めてマップとしてROM74に記憶しておき、トルク上限値設定用回転数Nsetが与えられるとマップから対応するトルク上限値Trmaxを導出することにより設定するものとした。このマップの一例を図6に示す。このトルク上限値Trmaxは、トルク上限値設定用回転数Nsetが所定回転数Nref以下の場合(図6参照)にはリングギヤ軸32aに出力可能な最大トルクが設定される。したがって、この場合は、要求トルクTr*は実質的には制限されない。
こうして実行トルクT*を設定すると、次に、回転数Nm2から推定回転数Nm2estを減じた回転数差(Nm2−Nm2est)と所定値αとを比較する(ステップS190)。ここで、所定値αは、変速機60の異常により駆動軸としてのリングギヤ軸32aとモータMG2の回転軸48とが切り離されたりその連結が不十分となっている状態でモータMG2の回転数のみが上昇しているか否かを判定するための閾値であり、モータMG2や変速機60などにより実験的に定められる。回転数差が所定値α以下と判定されたときには、入力した回転数Nm2に基づいて回転数Nm2における定格最大トルクをモータMG2のトルク制限Tm2max1に設定し(ステップS140)、回転数差が所定値αよりも大きいと判定されたときには、入力した回転数Nm2における定格最大トルクよりも小さいトルクをモータMG2のトルク制限Tm2max1に設定する(ステップS200)。この場合のトルク制限Tm2max1は、実施例では、前述した図5のマップにおける回転数Nm2とトルク制限Tm2max1との関係よりもトルク制限Tm2max1が小さくなるように回転数Nm2とトルク制限Tm2max1との関係を予め求めてマップとしてROM74に記憶しておき、回転数Nm2が与えられるとマップから対応するトルク制限Tm2max1を導出することにより設定するものとした。このマップの一例を図7に示す。このように、回転数差(Nm2−Nm2est)が所定値αよりも大きいときにそのときの回転数Nm2における定格最大トルクよりも小さいトルクをトルク制限Tm2max1に設定するのは、変速機60に異常が生じて駆動軸としてのリングギヤ軸32aとモータMG2の回転軸48とが切り離されたりその連結が不十分となった状態でモータMG2の回転数Nm2だけが上昇したときには、要求トルクTr*を制限してもモータMG2が上限回転数を超える回転数で駆動されるのを十分に抑制できない場合があることに基づく。
そして、設定した実行トルクT*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50の充放電要求パワーPb*とロスLossとの和によりエンジン22から出力すべきエンジン要求パワーPe*を設定する(ステップS210)。ここで、充放電要求パワーPb*は、バッテリ50の残容量SOCやアクセル開度Accに基づいて設定することができる。リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることにより求めたり、モータMG2の回転数Nm2を変速機60のギヤ比Grで割ることにより求めたりすることができる。
エンジン要求パワーPe*を設定すると、設定したエンジン要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*を設定する(ステップS220)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインとエンジン要求パワーPe*とに基づいて目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定することにより行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例および目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図8に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインとエンジン要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
エンジン22の目標回転数Ne*を設定すると、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(=Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて次式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS230)。動力分配統合機構30の各回転要素の回転数とトルクの力学的な関係を示す共線図を図9に示す。図中、左のS軸はサンギヤ31の回転数を示し、C軸はキャリア34の回転数を示し、R軸はリングギヤ32(リングギヤ軸32a)の回転数Nrを示す。前述したように、サンギヤ31の回転数はモータMG1の回転数Nm1でありキャリア34の回転数はエンジン22の回転数Neであるから、モータMG1の目標回転数Nm1*はリングギヤ軸32aの回転数Nrとエンジン22の目標回転数Ne*と動力分配統合機構30のギヤ比ρとに基づいて式(1)により計算することができる。したがって、モータMG1が目標回転数Nm1*で駆動されるようトルク指令Tm1*を設定してモータMG1を駆動制御することにより、エンジン22を目標回転数Ne*で運転させることができる。ここで、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「KP」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「KI」は積分項のゲインである。なお、図9におけるR軸上の2つの太線矢印は、エンジン22を目標回転数Ne*および目標トルクTe*の運転ポイントで定常運転したときにエンジン22から出力されるトルクTe*がリングギヤ軸32aに伝達されるトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2*がリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。
Nm1*=(Ne*・(1+ρ)-k・V)/ρ (1)
Tm1*=前回Tm1*+KP(Nm1*-Nm1)+KI∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
モータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρと変速機60の現在のギヤ比Grとを用いて実行トルクT*をリングギヤ軸32aに作用させるためにモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを図9の共線図のトルクの釣り合い関係から定まる次式(3)により計算すると共に(ステップS240)、次式(4)に示すようにバッテリ50の出力制限WoutからモータMG1のトルク指令Tm1*とモータMG1の回転数Nm1とを乗じたものを減じてこれをモータMG2の回転数Nm2で除することによりモータMG2から出力してもよいトルクの上限としてのトルク制限Tm2max2を計算し(ステップS250)、仮モータトルクTm2tmpとステップS140,S200のいずれかで設定されたトルク制限Tm2max1とトルク制限Tm2max2とのうち最も小さいものをモータMG2のトルク指令Tm2*に設定する(ステップS260)。これにより、モータMG2のトルク指令Tm2*をバッテリ50の出力制限Woutの範囲で制限したトルクとして設定することができ、また、変速機60の異常によりリングギヤ軸32aとモータMG2の回転軸48とが切り離されたりその連結が不十分となったりしてモータMG2の回転数だけが上昇したときにはモータMG2が上限回転数を超えて駆動されないよう制限したトルクとして設定することができる。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (3)
Tm2max2=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS270)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、変速機60のギヤの状態を変更している最中は、車速Vと変速機60のギヤ比Grとに基づいて計算される推定回転数Nm2estとモータMG2の回転数Nm2とのうち小さい方の回転数(トルク上限値設定用回転数Nset)に基づいてトルク上限値Trmaxを設定し、設定したトルク上限値Trmaxをもって駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求される要求トルクTr*を制限してエンジン22やモータMG1,MG2を制御するから、変速機60のギヤの状態を変更している最中にモータMG2が上限回転数を超える回転数で駆動されるのを抑制できると共に坂道を降っているときなど車速Vは上昇しているものの変速機60のギヤの状態の変更がスムーズに開始されてモータMG2の回転数Nm2は下降しているときに要求トルクTr*が過度に制限されるのを抑制することができる。この結果、変速機60のギヤの状態を変更している最中において車速V(推定回転数Nm2est)と回転数Nm2の一方のみを用いるものに比してより適切にモータMG2が上限回転数を超える回転数で駆動されるのを抑制することができる。しかも、リングギヤ軸32aに要求される要求トルクTr*を制限してエンジン22の目標トルクTe*やモータMG1のトルク指令Tm1*,モータMG2のトルク指令Tm2*を設定するから、要求トルクTr*を制限しないでモータMG2をトルク指令Tm2*のみを制限するものに比して、バッテリ50への過充電を抑制することができる。また、モータMG2の回転数Nm2から推定回転数Nm2estを減じた回転数差が所定値αよりも大きいときには、回転数Nm2における定格最大トルクよりも小さいトルク制限Tm2max1を上限としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定するから、要求トルクTr*に対する制限ではモータMG2を上限回転数を超える回転数で駆動されるのを十分に抑制できないときでも適切に対処することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、変速機60がLoギヤの状態にあるときには、変速機60のギヤの状態が変更されている最中にあるときと同様に、車速Vと変速機60のギヤ比Grとから計算される推定回転数Nm2estとモータMG2の回転数Nm2とのうち小さい方の回転数(トルク上限値設定用回転数Nset)に基づいてトルク上限値Trmaxを設定するものとしたが、変速機60がLoギヤの状態にあるときには推定回転数Nm2estと回転数Nm2とは一致するから、いずれか一方の回転数のみに基づいてトルク上限値Trmaxを設定するものとしてもよいことは勿論である。
実施例のハイブリッド自動車20では、Hiギヤの状態とLoギヤの状態の2段の変速段をもって変速可能な変速機60を備えるものとしたが、3段以上の変速段とするものとしてもよいし、有段変速機に限られず無段変速機とするものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を変速機60により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図10の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪39a,39bが接続された車軸)とは異なる車軸(図10における車輪39c,39dに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪39a,39bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図11の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪39a,39bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動車産業に利用可能である。
本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 変速機60の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド自動車20のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 モータMG2の回転数Nm2とトルク制限Tm2max1との関係を示すマップである。 トルク上限値設定用マップの一例を示す説明図である。 モータMG2の回転数Nm2とトルク制限Tm2max1との関係を示すマップである。 エンジン22の動作ラインの一例および目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を示す説明図である。 動力分配統合機構30の各回転要素の回転数とトルクの力学的な関係を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、39c,39b 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、48 回転軸、 50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 変速機、60a ダブルピニオンの遊星歯車機構、60b シングルピニオンの遊星歯車機構、61 サンギヤ、62 リングギヤ、63a 第1ピニオンギヤ、63b 第2ピニオンギヤ、64キャリア、65 サンギヤ、66 リングギヤ、67 ピニオンギヤ、68 キャリア、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ、B1,B2 ブレーキ。

Claims (7)

  1. 自動車に搭載され、車軸に接続された駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、電力と動力の入出力により該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、
    動力を入出力可能な電動機と、
    変更可能な変速比をもって前記電動機と前記駆動軸との動力の伝達を行なう変速伝達手段と、
    前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力をやり取りする蓄電手段と、
    車速を検出する車速検出手段と、
    前記電動機の回転数を検出する電動機回転数検出手段と、
    前記変速伝達手段の変速比が変更されている最中は、前記検出された車速と前記変速伝達手段の変速比とに基づいて前記電動機の回転数を推定し、該推定した電動機の回転数と前記検出された電動機の回転数とのうち小さい方の回転数に基づいて上限駆動力を設定し、該設定した上限駆動力をもって操作者の操作に基づいて得られる駆動力を制限した駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する変速時制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  2. 前記変速時制御手段は、操作者の操作に基づいて得られる駆動力に対して前記小さい方の回転数が高いほど小さくなる傾向に前記上限駆動力を設定する手段である請求項記載の動力出力装置。
  3. 前記変速時制御手段は、前記変速伝達手段の変速比が変更されている最中に前記推定した電動機の回転数と前記検出された電動機の回転数との偏差が所定値以上のときには、前記検出された電動機の回転数における定格最大値よりも小さい駆動力をもって該電動機から出力される駆動力を制限する手段である請求項1または2記載の動力出力装置。
  4. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記電動機の回転軸と第3の回転軸の3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の1軸に入出力させる3軸式の動力入出力手段と、前記第3の回転軸に動力を入出力可能な発電機とを備える手段である請求項1ないしいずれか1項に記載の動力出力装置。
  5. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸に接続された第1の回転子と前記駆動軸に接続された第2の回転子とを有し、電磁的な作用による電力と動力の入出力により該内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力可能な対回転子電動機である請求項1ないしいずれか1項に記載の動力出力装置。
  6. 請求項1ないしいずれか1項に記載の動力出力装置を搭載し、前記駆動軸に車軸が接続されて走行する自動車。
  7. 駆動軸に車軸が接続された自動車に搭載され、内燃機関と、該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され電力と動力の入出力により該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、動力を入出力可能な電動機と、変更可能な変速比をもって前記電動機と前記駆動軸との動力の伝達を行なう変速伝達手段と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力をやり取りする蓄電手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
    (a)車速を検出し、
    (b)前記電動機の回転数を検出し、
    (c)前記変速伝達手段の変速比が変更されている最中は、前記検出された車速と前記変速伝達手段の変速比とに基づいて前記電動機の回転数を推定し、該推定した電動機の回転数と前記検出された電動機の回転数とのうち小さい方の回転数に基づいて上限駆動力を設定し、該設定した上限駆動力をもって操作者の操作に基づいて得られる駆動力を制限した駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する
    動力出力装置の制御方法。
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