JP4165476B2 - デジタルカメラ用防水ケース - Google Patents

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Description

本発明はデジタルカメラ用防水ケースに関する。
電子機器用防水ケースの多くは、互いに揺動可能に結合された2つのケース分割体の合わせ部が合わされることで、それらの内部に電子機器収容空間が水密に形成されるように構成されている。
そして、一方のケース分割体の自由端に揺動可能にバックルが取着され、このバックルを他方のケース分割体の自由端に係脱可能に結合することで、2つのケース分割体の合わせ部が合わされた状態を保持するようにしている(例えば、特許文献1)。
特開20002−90869
一方、この種の防水ケースでは、バックルの係脱機構を解除する操作方向と、2つのケース分割体の合わせ部を開放する操作方向とが同一方向である場合が多く、そのため特に電子機器がデジタルカメラのように小型で、それに対応して防水ケースも小型になると、歩行しながら防水ケースへの出し入れが行なわれるため、注意しつつバックルの係脱機構を解除しないと、バックルの係脱機構を解除した際に、その解除する操作により2つのケース分割体が不用意に開放され、カメラが落下する虞が生じる。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、簡単な操作でバックルの係脱機構を解除でき、しかも、バックルの係脱機構を解除した際のデジタルカメラの落下を防止できるデジタルカメラ用防水ケースを提供することにある。
前記目的を達成するため本発明は、第1ケース分割体と第2ケース分割体とからなりそれら2つのケース分割体の合わせ部が合わされることで形成される空間にデジタルカメラが収容されるデジタルカメラ用防水ケースであって、前記第1ケース分割体の一端と前記第2ケース分割体の一端が揺動可能に結合され、前記一端を支点として第1ケース分割体と第2ケース分割体とが相対的に揺動することでそれらの合わせ部が合わされ、前記第1ケース分割体の合わせ部の外側で前記第1ケース分割体の前記一端と反対側に位置する自由端に側部が設けられ、前記第2ケース分割体の合わせ部の外側で前記第2ケース分割体の前記一端と反対側に位置する自由端にバックルが揺動可能に取着され、前記側部に前記バックルに係脱可能に結合する第1係脱部が設けられ、前記バックルに、前記第1ケース分割体の合わせ部と前記第2ケース分割体の合わせ部とが合わされ前記バックルが前記側部に合わされることで前記第1係脱部に係脱可能に結合し前記第1ケース分割体と前記第2ケース分割体とを合わされた状態に保持する第2係脱部が設けられ、前記第1ケース分割体の合わせ部と前記第2ケース分割体の合わせ部とが合わされ前記バックルが前記側部に合わされた状態で、前記バックルが第2ケース分割体に揺動可能に取着された取着箇所から離れた前記バックルの箇所に固定つまみが突出形成され、前記固定つまみが前記取着箇所に臨む前記バックルの箇所に、前記固定つまみに対して離間接近する方向に移動可能で前記取着箇所方向に付勢され前記固定つまみ方向へ移動させると前記第1係脱部と第2係脱部との結合を解除する可動つまみが、前記固定つまみとともに指で摘み易い大きさで設けられ、前記バックルと前記側部に、前記バックルが前記側部に合わされた状態で互いに係止して前記第1ケース分割体の合わせ部と前記第2ケース分割体の合わせ部とが離れる方向への前記バックルの移動を阻止し、前記バックルを前記側部から離れる方向に揺動させた際に前記係止が解除される係止壁が設けられていることを特徴とする。
本発明では、デジタルカメラデジタルカメラ用防水ケースから取り出す場合に、例えば、右手の人差し指を固定つまみに当て付け、右手の親指により可動つまみを固定つまみ方向にスライドさせると、第1係脱部と第2係脱部との結合が解除される。
そして、この状態で、右手の親指により可動つまみが支軸から離れる方向に押し付けられており、右手の親指により前ケース分割体と後ケース分割体とが合わさる方向への力が作用しているので、前ケース分割体と後ケース分割体とが不用意に開き電子機器が落下することが防止される。
本発明は、上記の目的を、バックルに固定つまみを突出形成し、固定つまみがバックル揺動用の支軸に臨むバックルの箇所に、固定つまみに対して離間接近する方向に移動可能で支軸方向に付勢され前記固定つまみ方向へ移動させると前記第1係脱部と第2係脱部との結合を解除する可動つまみを設けることで達成した。
まず、防水ケースに収容すべきカメラ(電子機器)から説明する。
図11はカメラを前方から見た斜視図、図12はカメラを後方から見た斜視図を示す。
本実施例では防水ケースに収容すべきカメラ100はデジタルスチルカメラであり、外装を構成するケース102を有している。なお、本明細書において左右は、防水ケースやカメラを前方から見た状態でいうものとし、また、被写体側を前方といい、撮像素子側を後方という。
ケース102の前面右側部寄りの箇所には撮影光学系104を収容保持する沈胴式の鏡筒101が設けられ、ケース102の前面上部寄りの箇所には閃光を発光するフラッシュ部106などが設けられている。
鏡筒101はケース102の内部に組み込まれた駆動部によってケース102の前面から前方に突出した使用位置(広角状態、望遠状態、および広角乃至望遠の中間状態)とケース102の前面に収容された収容位置(沈胴状態)との間を出没するように構成されている。
ケース102の上端面には、撮像を行うためのシャッタボタン108、撮影光学系104のズームを調整するためのズーム操作スイッチ110、再生モードの切り換えなどを行なうためのモード切り換えスイッチ112、電源のオンオフを行うための電源スイッチ114が設けられている。
ケース102の後面には、撮像した映像を表示するディスプレイ116、撮影、記録、映像表示などの種々の動作にまつわる操作を行うための複数の操作スイッチ118、ディスプレイ116上に表示されるメニューを選択するなどの操作を行うための制御スイッチ120などが設けられている。
本実施例では、モード切り換えスイッチ112は、いわゆるスライドスイッチで構成され、ケース102の上端面から突出する操作部材112Aを有し、この操作部材112Aを指で左右方向にスライドすることでモードの切り換え動作がなされるように構成されている。
また、制御スイッチ120は、ケース102の後面から後方に突出する操作部材120Aを有し、操作部材120Aはその先端面を指で動かすことにより上下方向および左右方向の4方向に傾動可能に、かつ、その先端面を指でケース102の厚さ方向に押圧可能に構成されている。
具体的には、制御スイッチ120は、操作部材120Aを上下方向および左右方向に動かすことで、例えばディスプレイ116上に表示されるカーソルの位置を上下左右に動かしたり、ディスプレイ116上に表示される数値などを変更(増減)させることができるように構成されている。また、制御スイッチ120は、操作部材120Aを押圧することでディスプレイ116上に表示される複数の選択項目(メニュー)の決定や入力欄に表示されている数値の入力を行うことができるように構成されている。
鏡筒101の後部には、撮影光学系104によって結像された被写体像を撮像するCCDやCMOSセンサなどで構成された撮像素子が配設され、カメラ100は、撮像素子から出力された撮像信号に基づいて画像データを生成し、メモリカードなどの記憶媒体に記録する画像処理部、前記画像データをディスプレイ116に表示させる表示処理部、駆動部、制御部などを備えている。制御部は、シャッタボタン108、ズーム操作スイッチ110、モード切替スイッチ112、電源スイッチ114、操作スイッチ118、制御スイッチ120の操作に応じて画像処理部、表示処理部、駆動部を制御するものであり、制御プログラムによって動作を行うCPUを有している。
次に、防水ケースについて説明する。
図1は前方から見た防水ケースの斜視図、図2は後方から見た防水ケースの斜視図、図3は防水ケースを立てた状態で前ケース分割体と後ケース分割体との開いた状態の斜視図、図4は防水ケースを寝かせた状態で前ケース分割体と後ケース分割体との開いた状態の斜視図、図5バックルを収容する凹部の斜視図、図6(A)、(B)は凹溝、突条、シール部材の説明図、図7はつまみ部分の斜視図、図8はバックルの分解斜視図、図9はバックルを構成するケース本体の斜視図、図10はバックルを構成するスライド部材の斜視図である。
図1乃至図4に示すように、防水ケース10は、互いに揺動可能に連結された前ケース分割体12と後ケース分割体14との2つの分割体で構成され、後ケース分割体14には前ケース分割体12に係脱可能に結合するバックル16が設けられている。
本実施例では、前ケース分割体12に、カメラ100の後面を除いた残りの全ての部分が収容され、後ケース分割体14を前ケース分割体12に合わせることでカメラ100の後面が後ケース分割体14により覆われ、カメラ100が防水ケース10に収容されるように構成されている。
前ケース分割体12は合成樹脂製で、前ケース分割体12はカメラ100のケース102の上下端面、左右側面、前面に対応した上壁1202、下壁1204、左側壁1206、右側壁1208、前壁1210を有し、それらの内側にカメラ100に対応した断面が矩形の空間が後方に開放状に形成されている。
図1に示すように、前壁1210の外面には、鏡筒101を収容する筒状の膨出部1212が設けられ、膨出部1212の前端開口には透明板1214が取着されている。
また、フラッシュ部106からの閃光が前方に照射されるように、フラッシュ部106の前方に位置する前壁1210部分に透明板1216が設けられている。
上壁1202の上面には、シャッタボタン108操作用の操作部材1218、ズーム操作スイッチ110操作用の操作部材1220、モード切り換えスイッチ112操作用の操作部材1222、電源スイッチ114操作用の操作部材1224が化粧板1226を介して設けられている。
なお、図3に示すように、膨出部1212の基部をなす前壁1210の内面部分に、収容されたカメラ100の前面に弾接してカメラ100の前後移動を規制するゴムなどからなるクッション材1228が貼り付けられ、また、このクッション材1228は不図示ではあるが前壁1210の内面の左端箇所にも貼り付けられている。
前ケース分割体12の後端は、上壁1202、下壁1204、左側壁1206、右側壁1208により矩形枠状を呈し、この矩形枠状の部分が後ケース分割対14に合わされる合わせ部20となっており、合わせ部20の内側は、前ケース分割体12の内部に形成される断面が矩形の空間の開口となっている。
合わせ部20はその断面が、図3、図6(A)に示すように、鉛直方向に延在する平坦面22と、平坦面22の内側から後方に突設された突条24とからなり、これら平坦面22と突条24は合わせ部20の全周にわたり連続して延在形成されている。
右側壁1208の後端には、合わせ部20の外側に位置するように筒状の軸受部26が上下に延在形成されている。
図5に示すように、左側壁1206には、バックル16を収容する凹部30が設けられている。
凹部30は平坦な底面3002を有し、底面3002の合わせ部20寄りの箇所に、上下に間隔をおいて2つの係止壁32が突出形成され、2つの係止壁32の上端の前面には傾斜面3202が形成されている。
また、凹部30の底面3002の上下方向の中央部で前壁1210寄りの箇所に、上下に間隔をおいて2つの壁部34が突出され、2つの壁部34の上部で互いに向かい合う部分に凹部30の底面3002に平行しつつ臨む係止面3402がそれぞれ形成され、2つの壁部34の上端前面には傾斜面3404が形成されている。なお、本実施例では、2つの壁部34と係止面3402により特許請求の範囲の第1係脱部が構成されている。
また、凹部30の底面3002の複数個所にはバックル16に当接する当接壁3004が設けられている。
後ケース分割体14は、図2乃至図4に示すように、前ケース分割体12に収容されたカメラ100の後面を覆う矩形で平坦な後壁1402を有し、後壁1402の内面1402Aがカメラ100の後面に臨み、この内面1402Aの四隅に、収容されたカメラ100の後面に弾接してカメラ100の前後移動を規制するゴムなどからなるクッション材1404が突設されている。
後壁1402の内面1402Aの外周部には、前ケース分割体12の合わせ部20に合わされる矩形枠状の合わせ部40が膨出形成されている。
後壁1402の外面には、図2に示すように、操作スイッチ118操作用の操作部材1414、制御スイッチ120操作用の操作部材1416が化粧板1418を介して設けられ、カメラ100を収容した状態でディスプレイ116が見られるように後ケース分割体14は透明な合成樹脂により形成されている。
後ケース分割体14の右側部の上下には筒状の軸受部1420が設けられ、後ケース分割体14の左側部にはバックル16が設けられている。
上下の軸受部1420の間に前ケース分割体12の軸受部26が挿入され、それら軸受部1420、26に支軸1422が挿通されることで前ケース分割体12と後ケース分割体14が揺動可能に連結されている。
合わせ部40の端面の全周には、突条24が挿入される凹溝42が前方に開放状に連続して延在形成されている。
凹溝42は、図6、図7に示すように、後ケース分割体14の外方に位置する外壁4202と、後ケース分割体14の内方に位置する内壁4204とで構成されている。
外壁4202の先端は、前ケース分割体12の合わせ部20と後ケース分割体14の合わせ部40が合わさった状態で、平坦面22に近接する平坦面として形成されている。
図7に示すように、後ケース分割体14の右側部で上下に延在する内壁4204の上下方向の中央部には、上下に間隔をおいて2つの切り欠き44が形成されている。
2つの切り欠き44が形成されることで、2つの切り欠き44部分において凹溝42は後ケース分割体14の内側に開放され、すなわち、後壁1402の内面1402Aに開放され、また、2つの切り欠き44の間に内壁部分4204Aが残存する。
後壁1402の内面1402Aには、2つの切り欠き44と内壁部分4204Aに臨むように凹部46が形成され、凹部46の底面4602は内面1402Aよりも窪んだ平坦面として形成されている。
凹溝42にシール部材50が挿入されている。
シール部材50は、凹溝42の全長にわたり挿入される矩形枠状の本体部5002と、本体部5002から本体部5002の内側に向けて突設されたつまみ部5004とで構成されている。
シール部材50は、例えば、ゴムなどのような弾性を有する材料から形成され、シール部材50(本体部5002)の断面形状は、本体部5002が凹溝42に挿入されるように凹溝42の幅よりも小さい寸法の幅と、凹溝42の深さよりも小さい寸法の高さとを有し、図6(A)、(B)に示すように、前ケース分割体12の合わせ部20と後ケース分割体14の合わせ部40を合わせた際に、凹溝42内で突条24により圧縮され、双方の合わせ部20,40を水密に結合するように(本実施例では2〜3mの水圧に耐えられるように)構成されている。
つまみ部5004は、指先(あるいは爪)を掛けることで凹溝42からのシール部材50の取り外しを行い易くするためのものである。
つまみ部5004は、本体部5002の延在方向に間隔をおいた2箇所から突設されそれぞれ切り欠き44を通って後ケース分割体14の内側に突出された突出片5004Aと、2つの切り欠き44の間の内壁部分4204Aの内側に臨んだ箇所で内壁部分4204Aと平行に延在しそれら突出片5004Aの先端を接続する接続片5004Bとで構成されている。したがって、本体部5002と2つの突出片5004Aと接続片5004Bとにより矩形の開口5006が形成されることになり、この開口5006に内壁部分4204Aが挿入されることになる。このように構成することで、防水性を確保しつつつまみ部5004(接続片5004B)の寸法を大きく確保している。
本実施例では、つまみ部5004に指先(あるいは爪)をより掛けやすいように、後ケース分割体14の後壁1402の凹部46は、図6に示すように、その内側につまみ部5004が収容される大きさで形成され、特に、凹部46の底面4602は接続片5004Bが位置する箇所よりも更に内壁部分4204Aから離れる方向に延在し接続片5004Bの外側に底面4602が露出するように形成されている。
そして、図6(A)に示すように、つまみ部5004は、本体部5002の高さ方向の中間部から突設され、前ケース分割体12の合わせ部20と後ケース分割体14の合わせ部40とが開放された状態で、つまみ部5004は凹部46の底面4602と隙間をあけた底面4602の上方箇所に位置するように設けられている。
次に、バックル16について説明する。なお、バックル16の説明及びバックル16を構成する部品の説明においては、バックル16が後ケース分割体14に組み込まれ、バックル16が凹部30に収容され、バックル16がカメラ100の前後方向に延在している状態を基準として上下、前後、左右をいうものとする。
バックル16は、図3、図8に示すように、上下両端が後ケース分割体14の左側部に取着された支軸58により後ケース分割体14の左側部に揺動可能に連結されている。すなわち、バックル16は、支軸58により後ケース分割体14の自由端である左側部に取着され、支軸58部分がバックル16の取着箇所に相当し、支軸58部分がバックル16の一端でありまた後部であり、支軸58と反対側に位置する部分がバックル16の自由端であり前部である。
バックル16は、図1、図2、図8に示すように、ケース本体60、スライド部材62、係止片64、コイルスプリング66、固定つまみ70、可動つまみ72、プレート80などで構成されている。
ケース本体60は、図1、図2、図8、図9に示すように、前ケース分割体12の凹部30に挿入される大きさで形成されており、ケース本体60は凹部30の輪郭に合致した形状のほぼ矩形の本体壁6002と、本体壁6002の4辺から屈曲された側壁6004とを有している。より詳細には、本体壁6002の前部は凹部30の前縁に合致した湾曲状に形成され、図9に示すように、ケース本体60の後端に位置する側壁6004箇所に支軸58が挿通される孔6006が形成されている。そして、凹部30にバックル16が収容された状態でバックル16の外面と前ケース分割体12の左側壁1206の外面とが同一面上に位置するように形成されている。
図8に示すように、側壁6004で囲まれた本体壁6002の内面には、スライド部材62を支軸58に対して離間接近する方向(前後方向)に対して移動可能に支持する互いに対向する一対のガイド壁6006、6008が支軸58に対して離間接近する方向(前後方向)に間隔をおいて設けられている。
また、一方の一対のガイド壁6006の間にコイルスプリング66の端部が係止される係止壁6010が突出形成されている。
また、本体壁6002の内面には、凹部30の2つの係止壁32に対応した係止壁6012が2つ設けられ、係止壁6012の上端の後面には傾斜面6014が形成されている。
これらの係止壁32、6012は、前ケース分割体12の合わせ部20と後ケース分割体14の合わせ部40を合わせ、バックル16を凹部30内に揺動させると(倒し込むと)、係止壁32の前面と係止壁6012の後面が接触し、凹部30内でバックル16の支軸58方向の移動を阻止するものであり、傾斜面3202、6014はそれら係止壁32、6012の壁面どうしの接触を円滑に行わせるためのものである。
固定つまみ70は、図9に示すように、本体壁6002の外面で支軸58から離れた本体壁6002の端部寄り箇所(前端寄り箇所)に設けられている。
固定つまみ70は、指で摘み易い大きさで円弧状に膨出形成され上下に延在している。
固定つまみ70が支軸58方向に臨む後面70Aには、支軸58方向に開放された可動つまみ72用の収容凹部7002が設けられ、この収容凹部7002から、固定つまみ70が支軸58(後端)方向に臨む本体壁6002部分にわたり、切り欠き6020が本体壁6002を貫通して設けられ、この切り欠き6020の支軸58寄りの部分は円弧状に形成されている。
固定つまみ70が支軸58と反対側に臨む前面70Bには、図1に示すように、指で掴み易いように複数の突起7010が形成されている。
スライド部材62は、図8、図10に示すように、本体板部6202を有し、この本体板部6202の外面が本体壁6002の内面に載置される。
本体板部6202の内面には補強リブ6203が突設され、補強リブ6203から本体板部6202の後方に突出するように一対のガイド壁6204が形成され、一対のガイド壁6204は、ケース本体60の一方のガイド壁6206に摺動可能に形成されている。
一対のガイド壁6204の後端は、コイルスプリング66の後端が係止される接続壁6206で接続され、接続壁6206にはコイルスプリング66の後部が挿入される半円弧状の壁部6208が形成されている。
係止片64は、本体板部6202の内面の前端に設けられている。
係止片64は、図8に示すように、本体板部6202の内面から突出形成された脚部6212および補強リブ6214の先端に設けられ、本体板部6202の内面に対して間隔をおいて平行に延在し、係止片64の両端は、凹部30の2つの壁部34の係止面3402に対して係脱可能に係止するように構成され、係止片64の後端面には、凹部30の壁部34の傾斜面3404に係合可能な傾斜面6404が形成されている。この係止片64は特許請求の範囲の第2係脱部を構成している。
可動つまみ72は、図10に示すように、本体板部6202の外面の前部寄りの箇所(係止片64が設けられた側)に膨出形成されている。
より詳細に説明すると、本体板部6202の外面の中央に、本体壁6002の切り欠き6020に収容される底板部7202が膨出形成され、可動つまみ72はこの底板部7202の前端から円弧状に膨出形成されている。
底板部7202は切り欠き6020に収容され支軸58から離間接近する方向(前後方向)に切り欠き6020内で移動できる寸法で形成され、底板部7202の後部は、切り欠き6020に対応した円弧状に形成されている。
可動つまみ72(可動つまみ72および収容凹部7002)は、底板部7202が切り欠き6020に収容され底板部7202の後端が切り欠き6020の円弧状の後端に係止した状態で、すなわち、支軸58に最も近接した状態(最も後方に後退した状態)で、可動つまみ72の前端が収容凹部7002に収容されるとともに、可動つまみ72の前端を除く大半の部分が固定つまみ70から露出するように構成されている。
また、可動つまみ72(可動つまみ72および収容凹部7002)は、板部7202が切り欠き6020に収容され底板部7202の前端が切り欠き6020の前端に係止した状態で、すなわち、支軸58から最も離れた状態(最も前方に前進した状態)で、可動つまみ72の全体が収容凹部7002に収容され、かつ、可動つまみ72の後面72Aが固定つまみ70の後面70Aよりも前方に位置するように構成されている。
可動つまみ72は、操作すべき箇所であることが簡単に分かるように、固定つまみ70とは異なった色で形成されている。本実施例では、固定つまみ70を含むケース本体60が白色の合成樹脂で形成され、可動つまみ72を含むスライド部材62は灰色の合成樹脂で形成され、したがって、固定つまみ70部分に色の異なった可動つまみ72および底板部7202が位置することになり、バックル16のどこを操作するとバックル16が凹部30から外れるかが瞬時に分かるようにしてある。
スライド部材62は、図8に示すプレート80を介してケース本体60に組み込まれている。
プレート80は金属製で、前部に位置する幅広部8002と、後部に位置する幅狭部8004を有し、幅広部8002に前方に開放状の切り欠き8006が形成されている。切り欠き8006は、凹部30の底面3002から突出する2つの壁部34が収容される大きさで形成されている。
スライド部材62のケース本体60への組み込みは、一対のガイド壁6204を本体壁6002の一対のガイド壁6006の間に位置させ、また、本体板部6202を一対のガイド壁6008の間に位置させて本体壁6002の内面に本体板部6202の外面を載置し、底板部7202を切り欠き6020に収容するとともに可動つまみ72を収容凹部7002に収容する。これにより、スライド部材62は、一対のガイド壁6204が本体壁6002の一対のガイド壁6006により前後移動可能に支持され、本体板部6202が一対のガイド壁6008により前後移動可能に支持されることになる。
次に、コイルスプリング66の後部を半円弧状の壁部6208に挿入し、コイルスプリング66の前後両端を係止壁6010と接続壁6206に係止させる。これにより、可動つまみ72(スライド部材62)は支軸58方向(後方)に常時付勢されることになる。すなわち、底板部7202の後端が切り欠き6020の円弧状の後端に係止し、可動つまみ72の前端を除く大半の部分が固定つまみ70から支軸58側(後方)に露出した状態が保持されるように付勢されている。
この状態でスライド部材62の上からにケース本体60の本体壁6002の内面にプレート80を被せ、ねじ8010により本体壁6002に固定する。本実施例では、ねじ8010は、一対のガイド壁6006、6008の外側のボス部8012にそれぞれ取着される。
図3に示すように、プレート80がケース本体60に取着された状態で、切り欠き8006内に係止片64が位置し、また、幅狭部8004の両側にそれぞれ位置決め用壁部6012が露出する。
次に、防水ケース10の使用方法について説明する。
まず、カメラ100を防水ケース10に収容する場合について説明する。
カメラ100の前面を前ケース分割体12の前壁1210に向けて前ケース分割体12の合わせ部20から挿入する。
次に、後ケース分割体14を揺動させ、前ケース分割体12の合わせ部20に後ケース分割体14の合わせ部40を合わせる。これにより、シール部材50が凹溝42内で突条24により圧縮され、双方の合わせ部20,40が水密に結合される。
次に、バックル16を揺動させ、凹部30内に倒し込む。
このバックル16の倒し込みにより、係止壁32、6012の壁面どうしが接触し、凹部30内でバックル16の支軸58方向(後方)への移動が阻止される。
また、バックル16の倒し込みに伴って、傾斜面3404、6404を介して2つの壁部34の上端前面と係止片64の後端面とが係合し、スライド部材62がコイルスプリング66の弾性力に抗して支軸58から離れる方向(前方)に一旦移動し、可動つまみ72の大半が収容部7002に収容される。
そして、バックル16の更なる倒し込みにより係止片64の両端が2つの壁部34の係止面3402の下方に位置すると、スライド部材62はコイルスプリング66の弾性力により支軸58方向(後方)に移動され、係止片64の両端が2つの壁部34の係止面3402に係止し、バックル16が凹部30に収容された状態が保持される。
スライド部材62は、底板部7202の後端が切り欠き6020の円弧状の後端に係止し、可動つまみ72の前端が収容凹部7002に収容されるとともに、可動つまみ72の前端を除く大半の部分が固定つまみ70から露出する状態が保持される。なお、この状態で、当接壁3004にプレート80あるいは側壁6004の先端が当接することで凹部30の底面3002方向へのバックル16の揺動が阻止されている。
すなわち、前ケース分割体12にカメラ100を挿入した後、前ケース分割体12の合わせ部20に後ケース分割体14の合わせ部40を合わせ、バックル16の自由端を前方に揺動させて凹部30内に倒し込む操作により、前ケース分割体12の合わせ部20と後ケース分割体14の合わせ部40とが合わされた状態が保持され、カメラ100が防水ケース10に収容される。
次に、カメラ100を防水ケース10から取り出す場合について説明する。
例えば、ユーザが防水ケース10を前方に向けた状態で左手で防水ケース10の右側部をつかみ、右手の人差し指を固定つまみ70の前面70Bに当て付け、右手の親指を可動つまみ72の後面72Aに当て付け、右手の人差し指と親指で固定つまみ70および可動つまみ72を摘む。
そして、親指により可動つまみ72を、コイルスプリング66の弾性力に抗して固定つまみ70方向(前方)にスライドさせる。
可動つまみ72を固定つまみ70方向(前方)にスライドさせると、可動つまみ72と一体に係止片64が前方に移動し、係止片64が壁部34の係止面3402の前方に離れ、係止片64の両端と2つの壁部34の係止面3402との係止が解除され、バックル16は支軸58を支点として凹部30から起立する方向に揺動可能な状態となる。しかしながら、この状態でバックル16の支軸58方向の移動は阻止され、前ケース分割体12と後ケース分割体14との開く方向の揺動は阻止されている。すなわち、バックル16を支軸58方向へ移動しようとしても、係止片64が壁部34に当接し、また、係止壁32、6012どうしが係止しているためである。
ここでユーザは、固定つまみ70および可動つまみ72を摘んだ状態でバックル16の自由端を持ち上げ、バックル16を起立させる。
このバックル16を揺動させる操作によりバックル16が開く方向に所定の開度揺動されると、係止片64の先端と壁部34の先端が離れ(係止片64の先端と壁部34の先端が凹部30の底面3002から離れる方向において離れ)、また、係止壁32の先端と係止壁6012の先端が離れ(係止壁32の先端と係止壁6012の先端が凹部30の底面3002から離れる方向において離れ)、バックル16の支軸58方向への移動が可能となり、前ケース分割体12と後ケース分割体14とを開く方向の揺動が可能となる。
ここでユーザは、前ケース分割体12に対して後ケース分割体14を開き、前ケース分割体12からカメラ100を取り出す。
次に、本実施例の効果について説明する。
カメラ100を防水ケース10から取り出す場合に、右手の人差し指を固定つまみ70の前面70Bに当て付け、右手の親指により可動つまみ72を固定つまみ70方向(前方)にスライドさせると、係止片64の両端と2つの壁部34の係止面3402との係止が解除され、バックル16は支軸58を支点として凹部30から起立する方向に揺動可能な状態となる。そして、この状態で右手の親指により可動つまみ72が前方に押し付けられており、右手の親指により、後ケース分割体14には前ケース分割体12に合わさる方向の力が作用している。
したがって、バックル16と凹部30側との結合を解除しても、結合の解除時に前ケース分割体12と後ケース分割体14とを合わせる方向の力が作用しているので、前ケース分割体12と後ケース分割体14とが不用意に開き、カメラ100が落下することが防止される。
特に、電子機器がカメラ100のように小型である場合には、歩行しながらカメラ100の防水ケース10への出し入れを行うので、カメラ100の落下を防止する上でより有利となる。
また、本実施例では、可動つまみ72を固定つまみ70方向(前方)にスライドさせ、次にこの状態でバックル16を所定の開度揺動させることで、初めてバックル16の支軸58方向(合わせ部40方向)への移動が可能となり、前ケース分割体12と後ケース分割体14とが開く方向に揺動できる。すなわち、可動つまみ72をスライドさせる操作と、バックル16を開く操作との2つの操作により、初めて前ケース分割体12と後ケース分割体14とを開くことができるので、後ケース分割体14と前ケース分割体12が不用意に開き、カメラ100が落下することを防止する上でより有利となる。特に、水中での使用時に、可動つまみに何かが当たったとしても、後ケース分割体14と前ケース分割体12が不用意に開くことが防止され、カメラ100の水没を防止する上で有利となる。
また、本実施例では、可動つまみ72が支軸58から最も離れた状態(最も前方に前進した状態)で、可動つまみ72の全体が収容凹部7002に収容され、かつ、可動つまみ72の後面72Aが固定つまみ70の後面70Aよりも前方に位置するように構成されているので、右手の人差し指を固定つまみ70の前面70Bに当て付け、右手の親指を可動つまみ72の後面72Aに当て付け、親指により可動つまみ72を支軸58から離れる方向(前方)にスライド操作した際に親指の腹を収容凹部7002を形成する内壁に係止でき、したがって、固定つまみ70および可動つまみ72の双方を同時に摘み易くバックル16を開く揺動動作を行い易くする上で有利となる。
なお、可動つまみ72の後面72Aを掴み易くするため、固定つまみ70の前面70Bの突起7010と同じような突起を可動つまみ72の後面72Aに設けるなど種々考えられるが、実施例のように可動つまみ72の後面72Aが固定つまみ70の後面70よりも前方に位置し、親指が収容凹部7002を形成する内壁に係止できるようにすると、構造の簡単化を図る上で有利となる。
なお、本実施例では、防水ケース10が2つのケース分割体12、14で構成され、それらの合わせ部20、40に適用された場合について説明したが、本発明は、例えば、一つのケースの開口を水密に開閉する開閉蓋などの合わせ部にも無論適用可能である。
また、本実施例では、合わせ部20,40が矩形枠状である場合について説明したが、本発明が適用される合わせ部20,40の形状は、円形枠などのようなその他の形状に形成されていてもよい。
また、第1係脱部や第2係脱部の構成として従来公知の様々の構造が採用可能であり、実施例の構造に限定されない。
前方から見た防水ケースの斜視図である。 後方から見た防水ケースの斜視図である。 防水ケースを立てた状態で前ケース分割体と後ケース分割体との開いた状態の斜視図である。 防水ケースを寝かせた状態で前ケース分割体と後ケース分割体との開いた状態の斜視図である。 バックルを収容する凹部の斜視図である。 (A)、(B)は凹溝、突条、シール部材の説明図である。 つまみ部分の斜視図である。 バックルの分解斜視図である。 バックルを構成するケース本体の斜視図である。 バックルを構成するスライド部材の斜視図である。 カメラを前方から見た斜視図である。 カメラを後方から見た斜視図を示す。
符号の説明
10……防水ケース、12……前ケース分割体、14……後ケース分割体、16……バックル、20……合わせ部、30……凹部、40……合わせ部、70……固定つまみ、72……可動つまみ。

Claims (7)

  1. 第1ケース分割体と第2ケース分割体とからなりそれら2つのケース分割体の合わせ部が合わされることで形成される空間にデジタルカメラが収容されるデジタルカメラ用防水ケースであって、
    前記第1ケース分割体の一端と前記第2ケース分割体の一端が揺動可能に結合され、前記一端を支点として第1ケース分割体と第2ケース分割体とが相対的に揺動することでそれらの合わせ部が合わされ、
    前記第1ケース分割体の合わせ部の外側で前記第1ケース分割体の前記一端と反対側に位置する自由端に側部が設けられ、
    前記第2ケース分割体の合わせ部の外側で前記第2ケース分割体の前記一端と反対側に位置する自由端にバックルが揺動可能に取着され、
    前記側部に前記バックルに係脱可能に結合する第1係脱部が設けられ、
    前記バックルに、前記第1ケース分割体の合わせ部と前記第2ケース分割体の合わせ部とが合わされ前記バックルが前記側部に合わされることで前記第1係脱部に係脱可能に結合し前記第1ケース分割体と前記第2ケース分割体とを合わされた状態に保持する第2係脱部が設けられ、
    前記第1ケース分割体の合わせ部と前記第2ケース分割体の合わせ部とが合わされ前記バックルが前記側部に合わされた状態で、前記バックルが第2ケース分割体に揺動可能に取着された取着箇所から離れた前記バックルの箇所に固定つまみが突出形成され、
    前記固定つまみが前記取着箇所に臨む前記バックルの箇所に、前記固定つまみに対して離間接近する方向に移動可能で前記取着箇所方向に付勢され前記固定つまみ方向へ移動させると前記第1係脱部と第2係脱部との結合を解除する可動つまみが、前記固定つまみとともに指で摘み易い大きさで設けられ、
    前記バックルと前記側部に、前記バックルが前記側部に合わされた状態で互いに係止して前記第1ケース分割体の合わせ部と前記第2ケース分割体の合わせ部とが離れる方向への前記バックルの移動を阻止し、前記バックルを前記側部から離れる方向に揺動させた際に前記係止が解除される係止壁が設けられている、
    ことを特徴とするデジタルカメラ用防水ケース。
  2. 前記バックルは前記側部に合わされた状態で、前記側部に臨む内面と、この内面と反対側に位置する外面とを有し、前記固定つまみおよび可動つまみは前記外面に設けられ、前記内面に前記可動つまみと一体に移動し前記第1係脱部に係脱可能に結合する第2係脱部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ用防水ケース。
  3. 前記バックルは前記側部に合わされた状態で、前記側部に臨む内面と、この内面と反対側に位置する外面とを有し、前記固定つまみおよび可動つまみは前記外面に設けられ、前記内面に前記第2係脱部が設けられ、前記側部に前記バックルが収容される凹部が設けられ、この凹部の底部に前記第1係脱部が設けられ、前記凹部に前記バックルが収容された状態で前記バックルの外面は前記側部の外面と同一面上に位置することを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ用防水ケース。
  4. 前記固定つまみは、前記取着箇所とは反対側に位置する前記バックルの端部寄りの箇所に設けられていることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ用防水ケース。
  5. 前記固定つまみは、前記取着箇所方向に臨む面を有し、この面に前記取着箇所方向に開放され前記可動つまみの収容を可能とした収容凹部が設けられ、前記可動つまみは、前記取着箇所方向に臨む面を有し、前記第1係脱部と第2係脱部との結合を解除する際に前記可動つまみは前記収容凹部に収容され前記可動つまみの前記面は前記収容凹部内に位置し前記固定つまみの前記面に対して前記取着箇所から離れた箇所に位置することを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ用防水ケース。
  6. 前記第1係脱部は、前記可動つまみの前記固定つまみ方向への移動により前記第2係脱部との結合を解除した状態で、前記バックルの前記側部から離れる方向の揺動を許容し、かつ、前記第1ケース分割体の合わせ部と前記第2ケース分割体の合わせ部とが離れる方向への前記バックルの移動を阻止するように形成され、前記第2係脱部との結合を解除した状態で前記バックルを前記側部から離れる方向に揺動させると、前記第1ケース分割体の合わせ部と前記第2ケース分割体の合わせ部とが離れる方向への前記バックルの移動を許容するように形成されていることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ用防水ケース。
  7. 前記バックルは前記側部に合わされた状態で、前記側部に臨む内面と、この内面と反対側に位置する外面とを有し、前記固定つまみおよび可動つまみは前記外面に設けられ、前記内面に前記第2係脱部が設けられ、前記側部に前記バックルが収容される凹部が設けられ、前記第1係脱部はこの凹部の底部に設けられ、前記係止壁は前記バックルの内面と前記凹部の底部に設けられていることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ用防水ケース。
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