JP4165261B2 - 無線アドホック通信システム、端末、その端末における処理方法並びにその方法を端末に実行させるためのプログラム - Google Patents
無線アドホック通信システム、端末、その端末における処理方法並びにその方法を端末に実行させるためのプログラム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線アドホック通信システムに関し、特に端末の動作モードに応じて他の端末からの通信を中継するか否かを制御する無線アドホック通信システム、当該システムにおける端末、および、これらにおける処理方法ならびに当該方法をコンピュータ(端末)に実行させるプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の小型化、高性能化が進み、簡単に持ち運び利用することが可能となったことから、必要になったその場で端末をネットワークに接続し、通信を可能とする環境が求められている。その一つとして、必要に応じて一時的に構築されるネットワーク、すなわち無線アドホックネットワーク技術の開発が進められている。この無線アドホックネットワークでは、特定のアクセスポイントを設けることなく、各端末(例えば、コンピュータ、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistance)、携帯電話等)が自律分散して相互に接続される。
【0003】
無線アドホックネットワークに接続している端末(ノード)間の通信においては、通信する端末同士が直接電波の届く範囲に存在する場合には直接通信を行う。このような端末は隣接端末などとよばれる。もし、通信する端末同士が直接電波の届く範囲に存在しない場合は、それらの端末以外にその無線アドホックネットワークに接続している端末を経由して複数ホップによる通信を行うことになる。
【0004】
このような端末間で通信を行うための経路制御に関して、これまで提案されている方式は大きく二つに分類することができる。その一つは通信を行う際に経路を設定する方式で、オンデマンド方式もしくはリアクティブ方式とよばれる。もう一つは端末間の通信の有無に関係なく定期的に経路制御情報を交換する方式で、常時把握方式もしくはプロアクティブ方式とよばれる。前者では、通信を行わないときには電波の発射が行われないため、消費電力を低く抑えることができるという利点がある。一方、後者では、通信の要求が起こるとすぐに通信を開始できるという利点がある。
【0005】
オンデマンド方式の代表的なルーティングプロトコルとして、例えば、IETF(Internet Engineering Task Force)のMANET WG(Mobile Ad hoc NETwork Working Group)で提案されているAODV(Ad hoc On−demand Distance Vector)プロトコルがある。このAODVプロトコルでは、発信端末から宛先端末に対して経路要求メッセージを送信し、宛先端末から発信端末に対して経路返答メッセージを送信することにより、経路を設定している(例えば、非特許文献1参照。)。
【0006】
【非特許文献1】
チャールス・イー・パーキンス(Charles E. Perkins)他,「アドホック・オンデマンド・ディスタンス・ベクター・ルーティング(Adhoc On−demand Distance Vector Routing)」,(米国),アイイーティーエフ(IETF),2003年2月17日,p.23−25,インターネット・ドラフト<http://www.ietf.org/internet-drafts/draft-ietf-manet-aodv-13.txt>
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来技術では、発信端末が宛先端末に向けて送信した経路要求メッセージを端末間でブロードキャスト転送して行き、宛先端末に最先に到達した経路要求メッセージが辿ってきた経路とは逆向きに、宛先端末が発信端末へ向けて経路返答メッセージをユニキャスト転送していくことにより発信端末から宛先端末への経路を設定する。この上述の従来技術では、各端末の個性は問題とされず、宛先端末に最先に到達した経路要求メッセージが辿ってきた経路がそのまま正規の経路として採用される。
【0008】
しかし、無線アドホック通信システムにおいては、様々な特性を有する端末が無線アドホックネットワークに接続しており、これらを区別なく一律に扱うことは以下のような不都合を生じる。例えば、発信端末と宛先端末との間に2つの経路が存在するとして、一方の経路では壁面に固定される交流電源駆動であり移動することはほとんどあり得ないテレビやステレオのような固定端末を経由するものであり、もう一方の経路では電池駆動であって容易に移動されるモバイル端末のような移動端末を経由するものであったとする。この場合、通信を中継する経路としては前者の方が望ましいことは明らかである。後者では、電池の消費により突然使用できなくなったり、別の場所に移動してしまって他の端末との間の通信を中継できなくなるおそれがあるからである。
【0009】
従って、本発明の目的は、無線アドホック通信システムにおける各端末の特性に応じた経路設定を行うことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の請求項1記載の無線アドホック通信システムは、複数の端末により構成される無線アドホック通信システムであって、当該経路要求を一意に識別するための要求識別子を含む経路要求を送信する第1の端末と、上記経路要求に従い上記第1の端末に向けた経路を設定し、新たに受信した経路要求の要求識別子と過去に受信した経路要求の要求識別子とが同じ場合には上記新たに受信した経路要求を破棄し、上記新たに受信した経路要求の要求識別子と上記過去に受信した経路要求の要求識別子とが異なる場合には自端末の動作モードが中継モードであれば上記新たに受信した経路要求をさらに他の端末に転送し、上記動作モードが非中継モードであれば上記新たに受信した経路要求を転送せずに破棄する第2の端末とを具備し、前記第2の端末が固定電源により動作しているときには前記動作モードを中継モードにして、前記第2の端末が電池電源により動作しているときには前記動作モードを非中継モードにするものである。これにより、前記複数の端末のうち電池電源により動作している端末を含む経路を設定しないようにするという作用をもたらす。
【0011】
また、本発明の請求項2記載の端末は、他の端末からの当該経路要求を一意に識別するための要求識別子を含む経路要求を中継するか否かの動作モードを保持し、新たに受信した要求識別子と過去に受信した経路要求の要求識別子とが同じ場合には上記新たに受信した経路要求を破棄し、上記新たに受信した経路要求の要求識別子と上記過去に受信した経路要求の要求識別子とが異なる場合には当該動作モードが非中継モードであれば他の端末からの上記新たに受信した経路要求をさらに他の端末に転送せずに破棄し、当該端末が固定電源により動作しているときには前記動作モードを中継モードにして、当該端末が電池電源により動作しているときには前記動作モードを非中継モードにするものである。これにより、無線アドホック通信システムにおいて電池電源により動作している端末を含む経路が設定されないようにするという作用をもたらす。
【0012】
また、本発明の請求項3記載の端末は、他の端末からの通信を中継するか否かの動作モードを保持する動作モード保持手段と、他の端末に向けた経路を保持する経路保持手段と、他の端末からの経路要求に含まれる当該経路要求を一意に識別するための要求識別子を保持する要求識別子保持手段と、他の端末から上記経路要求を受信して当該経路要求の送信元端末に向けた経路を上記経路保持手段に設定する設定手段と、上記要求識別子保持手段に保持されている要求識別子と新たに受信した経路要求の要求識別子とが同じ場合には上記新たに受信した経路要求を破棄し、上記要求識別子保持手段に保持されている要求識別子と上記新たに受信した経路要求の要求識別子とが異なる場合には上記動作モードが中継モードであれば上記新たに受信した経路要求をさらに他の端末に転送し、上記動作モードが非中継モードであれば上記新たに受信した経路要求を転送せずに破棄する転送手段とを具備し、当該端末が固定電源により動作しているときには前記動作モードを中継モードにして、当該端末が電池電源により動作しているときには前記動作モードを非中継モードにするものである。これにより、無線アドホック通信システムにおいて電池電源により動作している端末を含む経路が設定されないようにするという作用をもたらす。
【0013】
また、本発明の請求項4記載の端末は、請求項3記載の端末において、当該端末の動作状態を検出して当該動作状態に応じて上記動作モード保持手段における上記動作モードを更新する動作状態検出手段をさらに具備するものである。これにより、端末の動作状態に応じて適切な動作モードを保持させるという作用をもたらす。
【0014】
また、本発明の請求項5記載の端末は、請求項4記載の端末において、上記動作状態検出手段は、当該端末が固定電源により動作しているときには上記動作モードを中継モードにして、当該端末が電池電源により動作しているときには上記動作モードを非中継モードにするものである。これにより、端末に供給される電源の状態に応じて適切な動作モードを保持させるという作用をもたらす。
【0015】
また、本発明の請求項6記載の端末は、請求項3記載の端末において、上記転送手段は、上記経路要求について緊急処理であることが指定されている場合には上記動作モードにかかわらず当該経路要求をさらに他の端末に転送するものである。これにより、緊急処理が指定されている場合には動作モードが非中継モードである端末をも含めて経路を設定させるという作用をもたらす。
【0017】
また、本発明の請求項7記載の処理方法は、他の端末からの通信を中継するか否かの動作モードを保持する動作モード保持手段と、他の端末に向けた経路を保持する経路保持手段と、他の端末からの経路要求に含まれる当該経路要求を一意に識別するための要求識別子を保持する要求識別子保持手段とを備える端末において、他の端末から上記経路要求を受信する手順と、上記経路要求の送信元端末に向けた経路を上記経路保持手段に設定する手順と、上記要求識別子保持手段に保持されている要求識別子と新たに受信した経路要求の要求識別子とが同じ場合には上記新たに受信した経路要求を破棄し、上記要求識別子保持手段に保持されている要求識別子と上記新たに受信した経路要求の要求識別子とが異なる場合には上記動作モードが中継モードであれば上記新たに受信した経路要求をさらに他の端末に転送し、上記動作モードが非中継モードであれば上記新たに受信した経路要求を転送せずに破棄する手順とを具備し、当該端末が固定電源により動作しているときには前記動作モードを中継モードにして、当該端末が電池電源により動作しているときには前記動作モードを非中継モードにするものである。これにより、無線アドホック通信システムにおいて電池電源により動作している端末を含む経路が設定されないようにするという作用をもたらす。
【0018】
また、本発明の請求項8記載の処理方法は、他の端末からの通信を中継するか否かの動作モードを保持する動作モード保持手段と、他の端末に向けた経路を保持する経路保持手段と、他の端末からの経路要求に含まれる当該経路要求を一意に識別するための要求識別子を保持する要求識別子保持手段とを備える端末において、他の端末から上記経路要求を受信する手順と、上記経路要求の送信元端末に向けた経路を上記経路保持手段に設定する手順と、上記要求識別子保持手段に保持されている要求識別子と新たに受信した経路要求の要求識別子とが異なる場合には上記新たに受信した経路要求について緊急処理であることが指定されているかまたは上記動作モードが中継モードであれば上記新たに受信した経路要求をさらに他の端末に転送し、それ以外であれば上記新たに受信した経路要求を転送せずに破棄する手順とを具備し、当該端末が固定電源により動作しているときには前記動作モードを中継モードにして、当該端末が電池電源により動作しているときには前記動作モードを非中継モードにするものである。これにより、無線アドホック通信システムにおいて電池電源により動作している端末を含む経路が設定されないようにするという作用をもたらす。
【0020】
また、本発明の請求項9記載のプログラムは、他の端末からの通信を中継するか否かの動作モードを保持する動作モード保持手段と、他の端末に向けた経路を保持する経路保持手段と、他の端末からの経路要求に含まれる当該経路要求を一意に識別するための要求識別子を保持する要求識別子保持手段とを備える端末に、他の端末から上記経路要求を受信する手順と、上記経路要求の送信元端末に向けた経路を上記経路保持手段に設定する手順と、上記要求識別子保持手段に保持されている要求識別子と新たに受信した経路要求の要求識別子とが同じ場合には上記新たに受信した経路要求を破棄し、上記要求識別子保持手段に保持されている要求識別子と上記新たに受信した経路要求の要求識別子とが異なる場合には上記動作モードが中継モードであれば上記新たに受信した経路要求をさらに他の端末に転送し、上記動作モードが非中継モードであれば上記新たに受信した経路要求を転送せずに破棄する手順とを実行させるものであって、当該端末が固定電源により動作しているときには前記動作モードを中継モードにして、当該端末が電池電源により動作しているときには前記動作モードを非中継モードにするものである。これにより、無線アドホック通信システムにおいて電池電源により動作している端末を含む経路が設定されないようにするという作用をもたらす。
【0021】
また、本発明の請求項10記載のプログラムは、他の端末からの通信を中継するか否かの動作モードを保持する動作モード保持手段と、他の端末に向けた経路を保持する経路保持手段と、他の端末からの経路要求に含まれる当該経路要求を一意に識別するための要求識別子を保持する要求識別子保持手段とを備える端末に、他の端末から上記経路要求を受信する手順と、上記経路要求の送信元端末に向けた経路を上記経路保持手段に設定する手順と、上記要求識別子保持手段に保持されている要求識別子と新たに受信した経路要求の要求識別子とが異なる場合には上記新たに受信した経路要求について緊急処理であることが指定されているかまたは上記動作モードが中継モードであれば上記新たに受信した経路要求をさらに他の端末に転送し、それ以外であれば上記新たに受信した経路要求を転送せずに破棄する手順とを実行させるものであって、当該端末が固定電源により動作しているときには前記動作モードを中継モードにして、当該端末が電池電源により動作しているときには前記動作モードを非中継モードにするものである。これにより、無線アドホック通信システムにおいて電池電源により動作している端末を含む経路が設定されないようにするという作用をもたらす。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態における無線端末100の一構成例を示す図である。この無線端末100は、通信処理部110と、制御部120と、表示部130と、操作部140と、電源状態検出部150と、メモリ600とを備え、これらの間をバス190が接続する構成となっている。また、通信処理部110にはアンテナ105が接続されている。通信処理部110は、アンテナ105を介して受信した信号からネットワークインターフェース層(データリンク層)のフレームを構成する。また、通信処理部110は、ネットワークインターフェース層のフレームをアンテナ105を介して送信する。
【0025】
制御部120は、無線端末100全体を制御する。例えば、通信処理部110により構成されたフレームを参照して所定の処理を行う。制御部120は、タイマ125を有し、時間を計測する。表示部130は、所定の情報を表示するものであり、例えば、液晶ディスプレイ等が用いられ得る。操作部140は、無線端末100に対して外部から操作指示を行うためのものであり、例えば、キーボードやボタンスイッチ等が用いられ得る。
【0026】
電源状態検出部150は、その無線端末に供給されている電源の状態を検出する。ここで電源の状態とは、例えば、壁面に固定される交流電源のような固定電源であるのか、電池のような充電もしくは交換を必要とする携帯電源であるのかといった電源の種類を含む。また、他の例としては、携帯電源であれば残存容量はどの位であるのかといった電源の容量等を含む。
【0027】
なお、この電源状態検出部150は動作状態検出手段の一態様として示したものである。この動作状態検出手段には、例えば、その端末がクレードルに乗せられて固定されているのか、もしくは、クレードルから切り離されて移動可能な状態になっているのかといった端末の利用状態等を検出するものが広く含まれる。この動作状態検出手段による検出結果は制御部120により参照され、動作モードフラグ630の更新に利用される。
【0028】
メモリ600は、制御部120の動作に必要なデータを保持するものであり、経路テーブル610と、要求識別子テーブル620と、動作モードフラグ630とを含む。経路テーブル610は、自端末に接続する経路に関する情報を保持するテーブルである。要求識別子テーブル620は、他の端末から送信された経路要求の要求識別子に関する情報を保持するテーブルである。
【0029】
動作モードフラグ630は、他の端末からの通信を中継するか否かの動作モードを保持するフラグである。この動作モードフラグ630が動作モードとして「中継モード」を示していればその端末は他の端末からの通信を中継する。逆に、この動作モードフラグ630が動作モードとして「非中継モード」を示していればその端末は他の端末からの通信を原則として中継しない。
【0030】
この動作モードフラグ630は、ユーザにより操作部140を介して設定させてもよく、また、他の端末からの指令により設定させてもよい。また、動作状態検出手段(電源状態検出部150)により検出されたその端末の動作状態に応じて適宜更新されるようにすることができる。例えば、電源の種類が固定電源であれば「中継モード」に設定して、携帯電源あれば「非中継モード」に設定することが考えられる。
【0031】
図2は、本発明の実施の形態における無線端末100に保持される経路テーブル610の構成例を示す図である。経路テーブル610は、経路エントリとして、宛先アドレス611と、転送先アドレス612と、宛先ホップ数613とを保持する。宛先アドレス611は、その経路の最終的な宛先端末のアドレスを示す。ここでアドレスとは、端末を一意に識別できるものであればよく、例えば、MAC(Media Access Control)アドレスやIP(Internet Protocol)アドレス等を用いることができる。転送先アドレス612は、対応する宛先アドレス611に到達するために次に転送すべき端末のアドレスを示す。
【0032】
宛先ホップ数613は、対応する宛先アドレス611に到達するために必要なリンクの数を示す。例えば、宛先端末に到達するために他の端末を一つ介する必要がある場合には、合計2つのリンクを経ることになるのでホップ数は「2」となる。また、図2の2段目および3段目の例のように、宛先端末に直接送信できる場合にはホップ数は「1」となる。
【0033】
図3は、本発明の実施の形態における無線端末100に保持される要求識別子テーブル620の構成例を示す図である。要求識別子テーブル620は、送信元アドレス621に対応して、要求識別子622を保持している。送信元アドレス621は、経路要求を始点として送信した端末のアドレスである。経路要求は複数の端末間で転送されていくが、そのように転送されていく経路要求を最初に送信した端末のアドレスがこの送信元アドレス621に記録される。
【0034】
要求識別子622は、対応する送信元アドレス621から送信された経路要求に付された要求識別子を保持する。後述のように、それぞれの経路要求には要求識別子が付されており、端末によって受信された経路要求についてはその要求識別子がこの要求識別子622に記録される。これにより、同じ経路要求を重複して受信することを回避する。
【0035】
次に本発明の実施の形態におけるパケット構成について図面を参照して説明する。
【0036】
図4は、本発明の実施の形態において使用される経路要求パケット810の一構成例を示す図である。この経路要求パケット810は、発信端末から宛先端末に通信を行う際に経路が未設定の場合に発信端末から送信されるものである。この経路要求パケット810は、パケット種別811と、ホップカウント812と、要求識別子813と、宛先アドレス814と、発信アドレス815と、緊急フラグ816とを含んでいる。
【0037】
パケット種別811は、パケットの種別を表すフィールドであり、この経路要求パケット810の場合は、経路要求パケットであることが示される。ホップカウント812は、発信アドレス815から経てきたリンクの数を表すフィールドである。要求識別子813は、その経路要求パケット810に係る経路要求を一意に識別するための識別子を表すフィールドである。この要求識別子813は、発信アドレス815から宛先アドレス814まで経路要求が転送されていく過程において変更されない。
【0038】
宛先アドレス814は、設定すべき経路の終点となる端末のアドレスを表すフィールドであり、この宛先アドレス814がその経路要求パケット810の最終的な宛先端末のアドレスを表す。この経路要求パケット810により、宛先アドレス814までの経路が設定される。発信アドレス815は、設定すべき経路の始点となる端末のアドレスを表すフィールドであり、その経路要求パケット810を最初に発信した発信端末のアドレスを表す。
【0039】
緊急フラグ816は、その経路要求パケット810に係る経路要求が緊急を要するものであるか否かを示すフィールドである。本発明の実施の形態では、動作モードフラグ630が動作モードとして非中継モードを示しているときにはその端末は他の端末からの経路要求を転送しないことを原則とするが、この緊急フラグ816が緊急処理であることを示している場合にはそのような動作モードにかかわらず経路要求を転送させる。これにより、動作モードとして非中継モードを示す端末であっても、その端末を介する経路が設定される可能性が生じる。
【0040】
図5は、本発明の実施の形態において使用される経路返答パケット820の一構成例を示す図である。この経路返答パケット820は、経路要求パケット810の宛先アドレス814に示された端末がその経路要求パケット810に対する返答として送信するものである。この経路返答パケット820は、パケット種別821と、ホップカウント822と、宛先アドレス823と、発信アドレス824と、残存時間825とを含んでいる。
【0041】
パケット種別821は、パケットの種別を表すフィールドであり、この経路返答パケット820の場合は、経路返答パケットであることが示される。ホップカウント822は、宛先アドレス823から経てきたリンクの数を表すフィールドである。宛先アドレス823は、設定すべき経路の終点となる端末のアドレスを表すフィールドであり、この宛先アドレス823がその経路返答パケット820を発信した端末のアドレスを表す。発信アドレス824は、設定すべき経路の始点となる端末のアドレスを表すフィールドである。残存時間825は、その経路の残存時間を表すフィールドである。
【0042】
次に本発明の実施の形態における具体的な動作について図面を参照して説明する。
【0043】
図6は、本発明の実施の形態における無線アドホック通信システムで想定する無線アドホックネットワークの一例を示す図である。この図6(a)の例では、端末A(201)乃至端末E(205)の5つの端末が無線アドホック通信システムのネットワークを構成している。また、各端末の周囲の点線は、各端末201乃至205の通信範囲211乃至215をそれぞれ表している。
【0044】
例えば、端末A(201)の通信範囲211には、端末B(202)および端末C(203)が含まれる。また、端末B(202)の通信範囲212には、端末A(201)、端末C(203)および端末D(204)が含まれる。また、端末C(203)の通信範囲213には、端末A(201)、端末B(202)、端末D(204)および端末E(205)が含まれる。また、端末D(204)の通信範囲214には、端末B(202)、端末C(203)および端末E(205)が含まれる。また、端末E(205)の通信範囲215には、端末C(203)および端末D(204)が含まれる。
【0045】
このような端末間の関係を模式的に表したのが図6(b)である。この図6(b)では、互いに通信範囲211乃至215内にある端末同士が線により結ばれている。従って、直接結ばれていない端末間で通信を行う場合には他の端末を介して複数ホップにより通信を行わなければならないことがわかる。
【0046】
図7は、端末Aが経路要求を送信する際の経路および各端末における状態を示す図である。端末Aは、端末Eに向けた通信を行うに際し、端末Eへの経路を設定すべく経路要求パケット810(図4)をブロードキャスト送信する。この経路要求パケット810は、端末Aの通信範囲に含まれる端末Bおよび端末Cが受信する。
【0047】
端末Aから経路要求パケット810を受信した端末Bおよび端末Cは、それぞれの経路テーブル610において、宛先アドレス611および転送先アドレス612を「端末A」とする経路エントリを作成する。宛先ホップ数613(図2)については図示していないが、直接通信できる範囲であるため「1」が設定される。また、経路要求パケット810の要求識別子813(図4)が例えば「3」であったとすると、この経路要求パケット810を受信した端末Bおよび端末Cは、それぞれの要求識別子テーブル620において、送信元アドレス621を「端末A」、要求識別子622を「3」とするエントリを作成する。
【0048】
ここで、端末Bの動作モードフラグ630(図1)が「中継モード」を示しており、一方、端末Cの動作モードフラグ630が「非中継モード」を示しているものとする。この場合、端末Bは経路要求パケット810をさらに他の端末にブロードキャスト送信するが、端末Cは経路要求パケット810をこれ以上転送することなく破棄する。なお、この例では、経路要求パケット810の緊急フラグ816(図4)に緊急処理が指定されていないものとする。
【0049】
図8は、端末Bが経路要求を転送する際の経路および各端末における状態を示す図である。端末Bがブロードキャスト送信した経路要求パケット810は、端末Bの通信範囲に含まれる端末A、端末Cおよび端末Dによって受信される。しかし、端末Aでは、経路要求パケット810の発信アドレス815(図4)が端末Aのアドレスであることから、その経路要求パケット810は破棄される。また、端末Cでは、要求識別子テーブル620の送信元アドレス621および要求識別子622において、経路要求パケット810の発信アドレス815および要求識別子813(図4)と一致するエントリが存在することから、やはりその経路要求パケット810は破棄される。
【0050】
端末Bから経路要求パケット810を受信した端末Dは、その経路テーブル610において、宛先アドレス611を「端末A」とし、転送先アドレス612を「端末B」とする経路エントリを作成する。また、端末Dは、その要求識別子テーブル620において、送信元アドレス621を「端末A」、要求識別子622を「3」とするエントリを作成する。
【0051】
ここで、端末Dの動作モードフラグ630(図1)が「中継モード」を示しているものとすると、端末Dは経路要求パケット810をさらに他の端末にブロードキャスト送信する
【0052】
図9は、端末Dが経路要求を転送する際の経路および各端末における状態を示す図である。端末Dがブロードキャスト送信した経路要求パケット810は、端末Dの通信範囲に含まれる端末B、端末Cおよび端末Eによって受信される。しかし、端末Bおよび端末Cでは、それぞれの要求識別子テーブル620の送信元アドレス621および要求識別子622において、経路要求パケット810の発信アドレス815および要求識別子813(図4)と一致するエントリが存在することから、その経路要求パケット810は破棄される。
【0053】
端末Dから経路要求パケット810を受信した端末Eは、その経路テーブル610において、宛先アドレス611を「端末A」とし、転送先アドレス612を「端末D」とする経路エントリを作成する。また、端末Eは、その要求識別子テーブル620において、送信元アドレス621を「端末A」、要求識別子622を「3」とするエントリを作成する。
【0054】
この経路要求パケット810の転送処理により、宛先端末である端末Eから発信端末である端末Aに至る経路が設定されたことになる。端末Eは、経路要求パケット810の宛先アドレス814(図4)が自端末のアドレスと一致することから、発信アドレス815(図4)に向けて経路返答パケット820を送信する。この経路返答パケット820の送信にあたっては、これまでに設定された発信アドレスへの経路を使用してユニキャスト送信を行う。
【0055】
図10は、端末Eが経路返答を送信する際の経路および各端末における状態を示す図である。端末Eは、端末Aに向けて経路返答パケット820を送信するにあたり経路テーブル610を参照して、端末Dに対して経路返答パケット820をユニキャスト送信する。この端末Eが送信した経路返答パケット820は、端末Dによって受信される。
【0056】
端末Eから経路返答パケット820を受信した端末Dは、その経路テーブル610において、宛先アドレス611を「端末E」とし、転送先アドレス612を「端末E」とする経路エントリを作成する。端末Dは、経路返答パケット820の発信アドレス824(図5)が自端末のものでないことから、その経路返答パケット820を転送する。
【0057】
図11は、端末Dが経路返答を転送する際の経路および各端末における状態を示す図である。端末Dは、端末Aに向けて経路返答パケット820を転送するにあたり経路テーブル610を参照して、端末Bに対して経路返答パケット820をユニキャスト送信する。この端末Dが送信した経路返答パケット820は、端末Bによって受信される。
【0058】
端末Dから経路返答パケット820を受信した端末Bは、その経路テーブル610において、宛先アドレス611を「端末E」とし、転送先アドレス612を「端末D」とする経路エントリを作成する。端末Bは、経路返答パケット820の発信アドレス824(図5)が自端末のものでないことから、その経路返答パケット820をさらに転送する。
【0059】
図12は、端末Bが経路返答を転送する際の経路および各端末における状態を示す図である。端末Bは、端末Aに向けて経路返答パケット820を転送するにあたり経路テーブル610を参照して、端末Aに対して経路返答パケット820をユニキャスト送信する。この端末Bが送信した経路返答パケット820は、端末Aによって受信される。
【0060】
端末Bから経路返答パケット820を受信した端末Aは、その経路テーブル610において、宛先アドレス611を「端末E」とし、転送先アドレス612を「端末B」とする経路エントリを作成する。端末Aは、経路返答パケット820の発信アドレス824(図5)が自端末のものであることから、その経路返答パケット820をそれ以上転送しない。
【0061】
この経路返答パケット820の転送処理により、発信端末である端末Aから宛先端末である端末Eに至る経路が設定されたことになる。従って、最終的に発信端末である端末Aと宛先端末である端末Eとの間の双方向の経路が設定されたことになる。
【0062】
図13は、端末Aと端末Eとの間に設定された経路により通信が行われている状態を示す図である。端末Aと端末Eとの間の経路としては、端末Cを介すれば最短の2ホップで通信が行われるが、端末Cの動作モードが「非中継モード」であるため、端末Cを通る経路は設定されていない。その代わりに、動作モードが「中継モード」である端末Bおよび端末Dを介する3ホップの経路が設定されている。
【0063】
次に本発明の実施の形態の各端末における処理方法について図面を参照して説明する。
【0064】
図14は、本発明の実施の形態における無線端末100が経路要求パケット810を受信した場合の処理手順を示す流れ図である。無線端末100は、経路要求パケット810を受信すると(ステップS901)、その経路要求パケット810の要求識別子813を参照することにより、重複して受信していないかどうかを判断する(ステップS902)。既に同じ要求識別子を有する経路要求パケットを受信していれば、後から受信したその経路要求パケット810を廃棄する(ステップS910)。
【0065】
ステップS902において重複受信ではないと判断した場合には、その経路要求パケット810の要求識別子813を記録して(ステップS903)、その後の重複受信の判断に利用する。そして、経路テーブル610において、経路要求元への経路情報を作成する(ステップS904)。具体的には、経路要求パケット810のホップカウント812に「1」を加えたものを経路テーブル610の宛先ホップ数613に設定し、その経路要求パケット810を送信した近隣端末のアドレスを経路テーブル610の転送先アドレス612に設定する。
【0066】
そして、経路要求パケット810の宛先アドレス814が自端末のアドレスであれば(ステップS905)、この経路要求パケット810に対して経路返答パケット820を送信する(ステップS909)。一方、経路要求パケット810の宛先アドレス814が自端末のアドレスでなければ、その経路要求パケット810の緊急フラグ816を調べ(ステップS906)、緊急処理が指定されていれば次のステップS907の判断をすることなくその経路要求パケット810を他の端末にブロードキャスト転送する。
【0067】
ステップS906において経路要求パケット810の緊急フラグ816が緊急処理を示していなければ、動作モードフラグ630(図1)を調べ(ステップS907)、「中継モード」であればその経路要求パケット810を他の端末にブロードキャスト転送する。一方、「非中継モード」であればその経路要求パケット810を転送せずに破棄する(ステップS910)。
【0068】
図15は、本発明の実施の形態における無線端末100が経路返答パケット820を受信した場合の処理手順を示す流れ図である。無線端末100は、経路返答パケット820を受信すると(ステップS921)、経路返答送信元への経路情報を作成する(ステップS922)。
【0069】
そして、経路返答パケット820の発信アドレス824が自端末のアドレスと一致する場合には(ステップS923)、経路設定が完了したことになるため、そのまま処理を終了する。一方、経路返答パケット820の発信アドレス824が自端末のアドレスと一致しない場合には、その経路返答パケット820をさらに転送する(ステップS924)。
【0070】
図16は、本発明の実施の形態における無線端末100が経路要求パケット810を送信する場合の処理手順を示す流れ図である。無線端末100は、経路要求パケット810を送信(ステップS941)する際に、予めタイマ125(図1)をセットしておき、経路要求パケット810送信後の経過時間を計測する。また、その後のリトライに備えて、経路要求パケット810の送信回数をメモリ600(図1)に記憶しておく。
【0071】
宛先端末から経路要求パケット810に対する経路返答パケット820を受信すれば(ステップS942)、経路が設定されたことになるので、その経路を使用してデータ送信を開始する(ステップS949)。一方、所定時間を経過しても宛先端末から経路返答パケット820を受信できない場合には(ステップS943)、メモリ600に記憶しておいた送信回数を調べ、リトライ回数が所定回数に達していなければ(ステップS944)、再度、経路要求パケット810を送信する(ステップS941)。
【0072】
ステップS944においてリトライ回数が所定回数に達していると判断した場合には、緊急フラグ816(図4)で緊急処理を指定して、再度、経路要求パケット810を送信する(ステップS945)。このときも、タイマ125をセットしておき、経路要求パケット810送信後の経過時間を計測する。
【0073】
そして、この経路要求パケット810送信(ステップS945)に対する経路返答パケット820を受信すれば(ステップS946)、経路が設定されたことになるので、その経路を使用してデータ送信を開始する(ステップS949)。但し、この場合は動作モードが「非中継モード」である端末を介して経路が設定されている可能性がある。
【0074】
一方、所定時間を経過しても宛先端末から経路返答パケット820を受信できない場合には(ステップS947)、動作モードが「非中継モード」である端末を介しても経路が設定されないため、経路エラーの旨を表示部130(図1)に表示する(ステップS948)。
【0075】
このように、本発明の実施の形態によれば、動作モードフラグ630における動作モードとして「非中継モード」を示す端末が受信した経路要求パケット810を他の端末に転送せずに破棄することにより、そのような端末を避けて経路を設定することができる。
【0076】
また、そのような動作モードとして「非中継モード」を示す端末を介してでも経路を設定したい場合には、経路要求パケット810の緊急フラグ816において緊急処理を指定することにより、経路設定を行うことができる。この緊急処理の指定は、緊急処理を指定しない経路要求を所定回数試みても経路設定できない場合に、利用すると特に効果的である。
【0077】
なお、ここでは本発明の実施の形態を例示したものであり、本発明はこれに限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
【0078】
また、ここで説明した処理手順はこれら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。
【0079】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によると、無線アドホック通信システムにおける各端末の特性に応じた経路設定を行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における無線端末100の一構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における無線端末100に保持される経路テーブル610の構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における無線端末100に保持される要求識別子テーブル620の構成例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態において使用される経路要求パケット810の一構成例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態において使用される経路返答パケット820の一構成例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における無線アドホック通信システムで想定する無線アドホックネットワークの一例を示す図である。
【図7】端末Aが経路要求を送信する際の経路および各端末における状態を示す図である。
【図8】端末Bが経路要求を転送する際の経路および各端末における状態を示す図である。
【図9】端末Dが経路要求を転送する際の経路および各端末における状態を示す図である。
【図10】端末Eが経路返答を送信する際の経路および各端末における状態を示す図である。
【図11】端末Dが経路返答を転送する際の経路および各端末における状態を示す図である。
【図12】端末Bが経路返答を転送する際の経路および各端末における状態を示す図である。
【図13】端末Aと端末Eとの間に設定された経路により通信が行われている状態を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態における無線端末100が経路要求パケット810を受信した場合の処理手順を示す流れ図である。
【図15】本発明の実施の形態における無線端末100が経路返答パケット820を受信した場合の処理手順を示す流れ図である。
【図16】本発明の実施の形態における無線端末100が経路要求パケット810を送信する場合の処理手順を示す流れ図である。
【符号の説明】
100 無線端末
105 アンテナ
110 通信処理部
120 制御部
125 タイマ
130 表示部
140 操作部
150 電源状態検出部
190 バス
201−205 無線端末
211−215 通信範囲
600 メモリ
610 経路テーブル
620 要求識別子テーブル
630 動作モードフラグ
810 経路要求パケット
820 経路返答パケット
Claims (10)
- 複数の端末により構成される無線アドホック通信システムであって、
当該経路要求を一意に識別するための要求識別子を含む経路要求を送信する第1の端末と、
前記経路要求に従い前記第1の端末に向けた経路を設定し、新たに受信した経路要求の要求識別子と過去に受信した経路要求の要求識別子とが同じ場合には前記新たに受信した経路要求を破棄し、前記新たに受信した経路要求の要求識別子と前記過去に受信した経路要求の要求識別子とが異なる場合には自端末の動作モードが中継モードであれば前記新たに受信した経路要求をさらに他の端末に転送し、前記動作モードが非中継モードであれば前記新たに受信した経路要求を転送せずに破棄する第2の端末と
を具備し、
前記第2の端末が固定電源により動作しているときには前記動作モードを中継モードにして、前記第2の端末が電池電源により動作しているときには前記動作モードを非中継モードにすることにより、前記複数の端末のうち電池電源により動作している端末を含む経路を設定しないようにした無線アドホック通信システム。 - 他の端末からの当該経路要求を一意に識別するための要求識別子を含む経路要求を中継するか否かの動作モードを保持し、新たに受信した要求識別子と過去に受信した経路要求の要求識別子とが同じ場合には前記新たに受信した経路要求を破棄し、前記新たに受信した経路要求の要求識別子と前記過去に受信した経路要求の要求識別子とが異なる場合には当該動作モードが非中継モードであれば他の端末からの前記新たに受信した経路要求をさらに他の端末に転送せずに破棄し、
当該端末が固定電源により動作しているときには前記動作モードを中継モードにして、当該端末が電池電源により動作しているときには前記動作モードを非中継モードにすることにより、無線アドホック通信システムにおいて電池電源により動作している端末を含む経路が設定されないようにした端末。 - 他の端末からの通信を中継するか否かの動作モードを保持する動作モード保持手段と、
他の端末に向けた経路を保持する経路保持手段と、
他の端末からの経路要求に含まれる当該経路要求を一意に識別するための要求識別子を保持する要求識別子保持手段と、
他の端末から前記経路要求を受信して当該経路要求の送信元端末に向けた経路を前記経路保持手段に設定する設定手段と、
前記要求識別子保持手段に保持されている要求識別子と新たに受信した経路要求の要求識別子とが同じ場合には前記新たに受信した経路要求を破棄し、前記要求識別子保持手段に保持されている要求識別子と前記新たに受信した経路要求の要求識別子とが異なる場合には前記動作モードが中継モードであれば前記新たに受信した経路要求をさらに他の端末に転送し、前記動作モードが非中継モードであれば前記新たに受信した経路要求を転送せずに破棄する転送手段と
を具備し、
当該端末が固定電源により動作しているときには前記動作モードを中継モードにして、当該端末が電池電源により動作しているときには前記動作モードを非中継モードにすることにより、無線アドホック通信システムにおいて電池電源により動作している端末を含む経路が設定されないようにした端末。 - 当該端末の動作状態を検出して当該動作状態に応じて前記動作モード保持手段における前記動作モードを更新する動作状態検出手段をさらに具備する請求項3記載の端末。
- 前記動作状態検出手段は、当該端末が固定電源により動作しているときには前記動作モードを中継モードにして、当該端末が電池電源により動作しているときには前記動作モードを非中継モードにする請求項4記載の端末。
- 前記転送手段は、前記経路要求について緊急処理であることが指定されている場合には前記動作モードにかかわらず当該経路要求をさらに他の端末に転送する請求項3記載の端末。
- 他の端末からの通信を中継するか否かの動作モードを保持する動作モード保持手段と、他の端末に向けた経路を保持する経路保持手段と、他の端末からの経路要求に含まれる当該経路要求を一意に識別するための要求識別子を保持する要求識別子保持手段とを備える端末において、
他の端末から前記経路要求を受信する手順と、
前記経路要求の送信元端末に向けた経路を前記経路保持手段に設定する手順と、
前記要求識別子保持手段に保持されている要求識別子と新たに受信した経路要求の要求識別子とが同じ場合には前記新たに受信した経路要求を破棄し、前記要求識別子保持手段に保持されている要求識別子と前記新たに受信した経路要求の要求識別子とが異なる場合には前記動作モードが中継モードであれば前記新たに受信した経路要求をさらに他の端末に転送し、前記動作モードが非中継モードであれば前記新たに受信した経路要求を転送せずに破棄する手順と
を具備し、
当該端末が固定電源により動作しているときには前記動作モードを中継モードにして、当該端末が電池電源により動作しているときには前記動作モードを非中継モードにすることにより、無線アドホック通信システムにおいて電池電源により動作している端末を含む経路が設定されないようにした処理方法。 - 他の端末からの通信を中継するか否かの動作モードを保持する動作モード保持手段と、他の端末に向けた経路を保持する経路保持手段と、他の端末からの経路要求に含まれる当該経路要求を一意に識別するための要求識別子を保持する要求識別子保持手段とを備える端末において、
他の端末から前記経路要求を受信する手順と、
前記経路要求の送信元端末に向けた経路を前記経路保持手段に設定する手順と、
前記要求識別子保持手段に保持されている要求識別子と新たに受信した経路要求の要求識別子とが異なる場合には前記新たに受信した経路要求について緊急処理であることが指定されているかまたは前記動作モードが中継モードであれば前記新たに受信した経路要求をさらに他の端末に転送し、それ以外であれば前記新たに受信した経路要求を転送せずに破棄する手順と
を具備し、
当該端末が固定電源により動作しているときには前記動作モードを中継モードにして、当該端末が電池電源により動作しているときには前記動作モードを非中継モードにすることにより、無線アドホック通信システムにおいて電池電源により動作している端末を含む経路が設定されないようにした処理方法。 - 他の端末からの通信を中継するか否かの動作モードを保持する動作モード保持手段と、他の端末に向けた経路を保持する経路保持手段と、他の端末からの経路要求に含まれる当該経路要求を一意に識別するための要求識別子を保持する要求識別子保持手段とを備える端末に、
他の端末から前記経路要求を受信する手順と、
前記経路要求の送信元端末に向けた経路を前記経路保持手段に設定する手順と、
前記要求識別子保持手段に保持されている要求識別子と新たに受信した経路要求の要求識別子とが同じ場合には前記新たに受信した経路要求を破棄し、前記要求識別子保持手段に保持されている要求識別子と前記新たに受信した経路要求の要求識別子とが異なる場合には前記動作モードが中継モードであれば前記新たに受信した経路要求をさらに他の端末に転送し、前記動作モードが非中継モードであれば前記新たに受信した経路要求を転送せずに破棄する手順と
を実行させるプログラムであって、
当該端末が固定電源により動作しているときには前記動作モードを中継モードにして、当該端末が電池電源により動作しているときには前記動作モードを非中継モードにすることにより、無線アドホック通信システムにおいて電池電源により動作している端末を含む経路が設定されないようにしたプログラム。 - 他の端末からの通信を中継するか否かの動作モードを保持する動作モード保持手段と、他の端末に向けた経路を保持する経路保持手段と、他の端末からの経路要求に含まれる当該経路要求を一意に識別するための要求識別子を保持する要求識別子保持手段とを備える端末に、
他の端末から前記経路要求を受信する手順と、
前記経路要求の送信元端末に向けた経路を前記経路保持手段に設定する手順と、
前記要求識別子保持手段に保持されている要求識別子と新たに受信した経路要求の要求識別子とが異なる場合には前記新たに受信した経路要求について緊急処理であることが指定されているかまたは前記動作モードが中継モードであれば前記新たに受信した経路要求をさらに他の端末に転送し、それ以外であれば前記新たに受信した経路要求を転送せずに破棄する手順と
を実行させるプログラムであって、
当該端末が固定電源により動作しているときには前記動作モードを中継モードにして、当該端末が電池電源により動作しているときには前記動作モードを非中継モードにすることにより、無線アドホック通信システムにおいて電池電源により動作している端末を含む経路が設定されないようにしたプログラム。
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