JP4165071B2 - 印刷機プロファイルの作成方法、カラーマッチング方法、色管理方法、印刷物、および色管理装置 - Google Patents

印刷機プロファイルの作成方法、カラーマッチング方法、色管理方法、印刷物、および色管理装置 Download PDF

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    • H04N1/6033Colour correction or control controlled by characteristics of the picture signal generator or the picture reproducer using test pattern analysis

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、生産用として印刷を行なう印刷機であるいわゆる印刷機(プレス)について、印刷機と別の印刷機との間、あるいは、印刷機とその他のデバイス(デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、イメージスキャナ、モニタ、デジタルプルーファ、インクジェットプリンタ、等)との間の、カラーマッチング(色合わせ)をはかるためにカラーマネージメントを行なう場合に好適な、印刷機のプロファイルの作成方法、そのプロファイルを用いたカラーマネージメント方法、その際に用いる印刷物、およびカラーマネージメントシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、製版・印刷工程のスキャナ、モニタ、校正機、印刷機などの各デバイス間のスキャン画像色、モニタ上の表示色、印刷物の再現色におけるカラーマッチングは熟練した技能や高度な専門知識を持つオペレータが経験とノウハウによって行っていた。このような従来の方法は限られた環境下では高度なカラーマッチングをおこなうことができる反面、オペレータ依存であるためにカラーマッチング精度にオペレータの能力によるばらつきが見られ、またデバイスが変わる毎に複雑なこの方法を行わなければならないなどの問題が指摘されていた。
そこでこれらの問題点を改善するために近年、ICCプロファイル(ICCは“International Color Consortium”の略称)を用いたカラーマネージメントシステムがデジタル時代のカラーマッチング法として提案され、注目を浴びている。
【0003】
ICCプロファイルを用いるカラーマネージメントシステムでは、デジタルカメラ、スキャナ、モニタ、デジタルプルーフといった入出力デバイスの色特性を記述したデバイスプロファイルを作成、このデバイスプロファイルにもとづいたコンピュータの演算によってデバイス間のカラーマッチングを実現する。カラーマネージメントシステムを用いたカラーマッチングではAPI(API;“Application Interface”の略称)、CMM(CMM;“Color Management Module”の略称)をはじめとした、ソフトウェアやアルゴリズムなどがカラーマッチング精度に影響を与えるが、なかでもこのデバイスの色特性を記述しているデバイスプロファイルの精度がカラーマッチング精度に大きく影響するので、その精度向上が求められている。
【0004】
このデバイスプロファイルの精度はデバイスプロファイルを作成するときの色再現の基礎データとなるプロファイリングターゲットの組成およびターゲット数、プロファイリングターゲットの測定精度、デバイスプロファイル作成のためのソフトウェアのアルゴリズムなど様々な要因によって左右されるが、デジタルプルーフなどの出力機の場合、ある所定のプロファイリングターゲットを出力した後、そのプロファイリングターゲットを色彩計などで測色して、所定のアルゴリズムによってコンピュータで演算を行い、デバイスプロファイルを作成するので、その出力物がそのデバイスの色再現特性を把握しているか否かが大変重要であり、その精度がデバイスプロファイル精度に大きく影響する。
【0005】
デジタルプルーフは一般的に安定した出力物が得られるので、このデバイスプロファイル作成時の出力物の精度に関しては特に大きな問題が指摘されていないが、一般に印刷機はデジタルプルーフなど、その他のデバイスと比較して安定した出力物を得ることが困難であるため、その印刷物から作成された印刷機プロファイルの精度が大きく変化する。特にオフセット印刷機ではインキキーによって印刷インキ膜厚調整を行い、それによって印刷物の絵柄を所望の階調に再現させるので、どうしてもインキキー毎に印刷濃度がばらつき、印刷方向に対して横方向の濃度ムラが発生することがよく知られている。このインキキー毎の濃度ムラは印刷時に濃度計を使用してその濃度値をもとにインキキーを操作した場合でも一枚の印刷物中の面内をムラなく印刷することは非常に難しい。
【0006】
近年、技術の進歩に従い、印刷中に印刷物を抜き取り、または印刷中にオンラインで印刷物中のカラーパッチを測定し、その測定値からインキキーを制御するシステムが提案されているが、このようなシステムを用いた場合でも印刷物中に各色±0.1程度のインキキー毎の濃度ムラが存在することは避けられない。一般にオフセット印刷ではイエロー(Y;Yellow)、マゼンタ(M;Magenta)、シアン(C;Cyan)、ブラック(K;Black)の4色を使用するので、これら印刷物面内に存在する各色のインキキー毎の濃度ムラが存在すると、その濃度差が各色±0.1程度であっても、カラーターゲットの色調に大きく影響し、結果としてプロファイル精度にも大きな影響を与えてしまうことになり、いまだに精度の高いオフセット印刷機プロファイル作成方法は確立されていない。また、印刷物中の濃度ムラはインキキー毎、つまり印刷方向に対して横方向だけではなく、実際には印刷方向に対して縦方向にも少なからず存在する。
【0007】
ここで、例えばデジタルプルーフなどは一般に安定した出力物が得られるので、カラーマネージメントシステムの応用の際に特に大きな問題が指摘されていない。しかし、一般にオフセット印刷機、グラビア印刷機などの本機印刷機へのカラーマネージメントシステムの応用の際には印刷品質の繰り返し再現性が低いことなど、本機印刷機が不安定であることが大きな問題となる。そこで本機印刷機と各デバイス間(他の本機印刷機を含む)にカラーマネージメントシステムを応用してカラーマッチングを行うためには、如何にして本機印刷機を管理して安定した印刷物を印刷するかが大変重要となる。
【0008】
従来の本機印刷管理方法としては、例えばベタ濃度値など、ある目標値を決め、常日頃その値をもって管理をすることがあげられる。このような方法は従来の印刷管理方法としては簡単、便利であるために有効であるが、デバイスプロファイルに記述された色再現を常に安定して出力することが求められるカラーマネージメントシステムを応用するための印刷管理方法としては不十分である。
【0009】
一般に本機印刷機プロファイルを作成する場合には、プロファイルを作成する本機印刷機にて所定のプロファイリングターゲットを大量に印刷し、その大量の印刷物の中から印刷物を一枚選び、その印刷物から本機印刷機プロファイルを作成する。カラーマネージメントシステムはこの本機印刷機プロファイルに基づいてカラーマッチングを行うが、ここで本機印刷機プロファイルを作成した印刷物と目標濃度では少なからず誤差が生じている。この誤差はケースによって異なるが、時には±0.15D程度にもなる。
一般にオフセット印刷はブラック、シアン、マゼンタ、イエローのプロセス4色を使用するため、各色±0.15Dの濃度誤差は色調に大きな影響を与えることになる。にもかかわらず、一般の本機印刷機管理方法では実際に本機印刷機と他のデバイスとのカラーマッチングを実現した後の印刷においても常日頃の目標濃度で印刷管理を行っているのが現状である。
このような場合には、本機印刷機プロファイルを作成した印刷物とカラーマネージメント実現後の印刷によって得られる印刷物の両方に目標濃度との誤差が生じてしまうこととなり、結果として満足のいくカラーマッチングができない。
【0010】
また、オフセット印刷の場合ではインキキーによって印刷インキ膜厚調整を行い、それによって印刷物の絵柄を所望の階調に再現させるので、どうしてもインキキー毎に印刷濃度がばらついてしまい、印刷方向に対して横方向の濃度ムラが発生することがよく知られている。このインキキー毎の濃度ムラは印刷時に濃度計などを使用してその濃度値をもとにインキキーを操作した場合でも印刷物中の面内をムラなく印刷することは非常に難しい。
近年、技術の進歩に伴い、印刷中に印刷物を抜き取り、または印刷中にオンラインで印刷物中のカラーパッチを測定し、その測定値からインキキーを制御するシステムが提案されているが、このようなシステムを用いた場合でも印刷物中に各色±0.1D程度のインキキー毎の濃度ムラが存在することは避けられない。これもまたカラーマネージメントシステムによるカラーマッチングに大きな影響を与える。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、インキキーを有する印刷機であって、生産用として印刷を行なう印刷機であるいわゆる印刷機について、印刷機と別の印刷機との間、あるいは、印刷機とその他のデバイス(デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、イメージスキャナ、モニタ、デジタルプルーファ、インクジェットプリンタ、等)との間の、カラーマッチング(色合わせ)をはかるためにカラーマネージメントを行なう場合に、高精度なカラーマッチングに好適な、印刷機のプロファイルの作成方法、そのプロファイルを用いたカラーマッチング方法、色管理方法、および、その際に好適な印刷物を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明が提供する手段とは、すなわち、
まず、印刷機プロファイルの作成方法であって、プロファイリングターゲットを印刷する印刷レイアウトを、インキキーを有する印刷機(プレス)の該インキキー1つ分の幅内に位置する被印刷面上の領域中に、相違する複数のパッチを備えた該プロファイリングターゲットを印刷する印刷レイアウトとするレイアウトステップ、および、該印刷機で印刷した該プロファイリングターゲット中の該パッチを測色し測色データを得る測色ステップ、得られた該測色データを使用して該印刷機のプロファイルを作成するプロファイリングステップ、を有することを特徴とする。[請求項1]
【0013】
また、請求項1に示された印刷機プロファイルの作成方法であって、プロファイリングターゲット中に複数色のパッチの配置が、ランダムか又は擬似的なランダムかのいずれかで配置されてあることを特徴とする。[請求項2]
【0014】
そして、ある印刷機(プレス)と他のデバイスとの間のカラーマッチング方法であって、インキキーを有する該印刷機の該インキキー1つ分の幅内に位置する被印刷面上の領域中に、相違する複数のパッチを備えたプロファイリングターゲットを印刷する印刷レイアウトによって、該印刷機を用いて印刷された該プロファイリングターゲット中のパッチの測色により得られたデータを使用して該印刷機のプロファイルを作成する作成ステップ、および、該印刷機と該他のデバイスとの間のカラーマッチングに、該プロファイルを使用するカラーマッチングステップ、を有することを特徴とする。[請求項3]
【0015】
また、請求項3に示されたカラーマッチング方法であって、プロファイリングターゲット中に複数色のパッチの配置が、ランダムか又は擬似的なランダムかのいずれかで配置されてあることを特徴とする。[請求項4]
【0016】
また、請求項3又は4のいずれかに示されたカラーマッチング方法であって、前記の他のデバイスは、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、イメージスキャナ、モニタ、デジタルプルーファ、インクジェットプリンタ、あるいは、別の印刷機(プレス)のうちのいずれかであることを特徴とする。[請求項5]
【0017】
そして、印刷された印刷物の色を管理する色管理方法であって、インキキーを有する該印刷機の該インキキー1つ分の幅内に位置する被印刷面上の領域中に、相違する複数のパッチを備えたプロファイリングターゲットの中に設けられたパッチか、又は、該プロファイリングターゲットが属する該インキキー1つ分の幅内に位置する被印刷面上の領域中にあるコントロールパッチ中のパッチのいずれかであって、少なくとも3色によるグレーのパッチか、あるいは、ブラック、シアン、マゼンタ又はイエローのいずれかの単色のパッチ、のうちの少なくともいずれか1について、そのパッチの色か又は濃度のいずれかの測定結果を用いて、該印刷物の色を管理し、且つ、該プロファイリングターゲットは該印刷機のプロファイル作成に使用されたものであることを特徴とする。[請求項6]
【0018】
尚、請求項6の色管理方法によると、印刷物を大量に印刷する場合の印刷物間の色管理について、色が高精度に揃うように管理するために有効である。印刷物の幅方向にわたる色管理には、例えば、3色グレーを用いた管理の場合は、前記3色によるグレーと同じ網点%で構成された3色グレーのパッチを用いて、コントロールパッチ中の幅方向に配置された他のインキキーに対応する領域中にあり、該3色によるグレーと本来は同じ色であるべきパッチを、該3色によるグレーと同じ色になるように管理するとよい。
【0019】
また、請求項6に示された色管理方法であって、前記グレーのパッチは、シャドーのグレーを用いることを特徴とする。[請求項7]
【0020】
また、請求項6に示された色管理方法であって、前記グレーのパッチは、メディアムのグレーを用いることを特徴とする。[請求項8]
【0021】
また、請求項6に示された色管理方法であって、前記グレーのパッチは、メディアムからシャドーに属するグレーを用いることを特徴とする。[請求項9]
【0022】
そして、印刷物であって、インキキーを有する印刷機(プレス)の該インキキー1つ分の幅内に位置する被印刷面上の領域中に、相違する複数のパッチを備えたプロファイリングターゲットが印刷してあることを特徴とする。[請求項10]
【0023】
また、請求項10に示された印刷物であって、前記プロファイリングターゲットの中か、又は、該プロファイリングターゲットが属する該インキキー1つ分の幅内に位置する被印刷面上の領域中にあるコントロールパッチ中のいずれかには、少なくとも3色によるグレーのパッチか、あるいは、ブラック、シアン、マゼンタ又はイエローのいずれかの単色のパッチ、のうちの少なくともいずれか1があることを特徴とする。[請求項11]
【0024】
それから、印刷された印刷物の色を管理する装置であって、
(イ)インキキーを有する該印刷機の該インキキー1つ分の幅内に位置する被印刷面上の領域中に、相違する複数のパッチを備えたプロファイリングターゲットの中に設けられたパッチか、又は、該プロファイリングターゲットが属する該インキキー1つ分の幅内に位置する被印刷面上の領域中にあるコントロールパッチ中のパッチのいずれかであって、少なくとも3色によるグレーのパッチか、あるいは、ブラック、シアン、マゼンタ又はイエローのいずれかの単色のパッチ、のうちの少なくともいずれか1について、該パッチの色か又は濃度のいずれかの測定結果を用いて、該印刷物の色を管理する管理手段、を備えており、
該プロファイリングターゲットは該印刷機のプロファイル作成に使用されたものであること、を特徴とする色管理装置である。[請求項12]
【0025】
また、本機印刷機間、または、本機印刷機とその他のデバイスとの間の、いずれかのカラーマッチングをはかるためにカラーマネージメントを応用して行う印刷で、色管理を行う装置であって、
(ロ)請求項10又は11のいずれかに記載の印刷物のプロファイリングターゲットから本機印刷機のプロファイルである本機印刷機プロファイルが作成され、該本機印刷機プロファイルがカラーマネージメントに応用される際に、該本機プロファイルの作成に使用した印刷物内に設けられたカラーパッチから得られる濃度値または測色値の少なくともいずれかを指標として本機印刷の色管理を行う色管理手段、
を備えることを特徴とする色管理装置である。[請求項13]
【0027】
尚、本発明では、印刷機としては、複数のインキキーを備える仕様を持つ印刷機であれば、オフセット印刷機あるいはグラビア印刷機のいずれでもよい。但し、複数のインキキーを備える仕様を持つ印刷機は一般にはオフセット印刷機であることから、本発明では、特に印刷機がオフセット印刷機である場合が好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明に係る印刷機のプロファイル作成方法、あるいはそのプロファイルを用いたカラーマネージメント方法によれば、印刷機の一つのインキキー幅内に相当する領域内にプロファイリングターゲットを設けた印刷レイアウトを用いるために、インキキー毎の濃度ムラの影響を受けることが極めて少ないプロファイリングターゲットを得ることができ、その中に設けられたパッチを測定することにより、印刷機のプロファイル(すなわち一種のデバイスプロファイル)として非常に精度の高いプロファイルを作成することができる。
また、本発明に係る印刷物あるいはカラーマネージメントシステムは、本発明に係る印刷機のプロファイル作成方法、あるいはそのプロファイルを用いたカラーマネージメント方法を実行する場合に、大変に好適である。これらは、研究者が鋭意研究を重ねた結果、判明したものである。
【0029】
また、研究者による研究の結果から、本発明によれば、印刷機の一つのインキキー幅内に相当する領域内に設けてあるプロファイリングターゲット内のパッチの測色データを得る場合に、複数あるパッチのうち、少なくとも3色のインクによって得られたグレーのパッチについての測色データを得て、これを用いて印刷機のプロファイルを作成することによって、精度の高いカラーマッチングを可能とする印刷機のプロファイルを得られることが判明した。
【0030】
そして、少なくとも3色のインクによって得られたグレーの中でも、高濃度よりも低濃度の方がより精度が高くなる、つまり、ライトよりもミディアム、ミディアムよりもシャドーのパッチを使用した方が精度が高くなることが判明したので、よりシャドーの域のパッチを使用することが好ましい。
【0031】
尚、印刷機の一つのインキキー幅内に相当するの領域内にプロファイリングターゲットを設けた場合であって、プロファイリングターゲット内にパッチがランダムに配置された仕様を用いた場合には、印刷物のインキキー毎による濃度ムラの影響をよりいっそう受け難くなり、かつ、印刷方向に発生するムラの影響までもたいへんに減少されたプロファイリングターゲットを得られるので、そのプロファイリングターゲット内のパッチを測定することができ、その結果、さらに精度の高い印刷機のプロファイルを作成することが可能となる。
【0032】
【実施例】
<実施例1>
本発明の方法を用いて、印刷機プロファイルを作成、それを用いてデジタルプルーフとのカラーマッチングのテストを行った。
【0033】
まず、印刷機のプロファイル作成のためのプロファイリングソフトウェアとして、Kodak社のColorflow Profile Editor2.0を選択した。
このプロファイリングソフトウェアのプロファイリングターゲット10を本発明の本機プロファイル作成方法で使用するプロファイリングターゲット10にレイアウト変更したデータおよびその他の絵柄31のデータをマッキントッシュコンピュータ、Adobe Systems社のPhotoshop 5.0、Illustrator 8.0、および Quark社のQuark Xプレス4.0を用いて構成されるDTPシステム(DTPは“Desktop Publishing”の略称)を用いてレイアウトし、三菱重工業社のオフセット輪転印刷機にて印刷を行って、図1に示すような本発明の印刷機プロファイル作成方法を実施するレイアウトの印刷物を10000部得た。印刷中には濃度計を用いて、印刷濃度を適宜チェックした。
【0034】
絵柄31としては様々な絵柄を使用したが、評価用としてISO 12640にて規定されているSCID画像であるN7A(Musician)とIT8.7/3 Basic target(S7A & S8A)を用いた。N7A(Musician)は目視評価用であり、とIT8.7/3 Basic target(S7A & S8A)は色測定評価用として用いた。
【0035】
次にデバイスプロファイル作成のためのサンプル選定のために上記10000部の印刷物の中から100部毎のサンプル一部ずつ計100部抜き取り、目標としていた印刷濃度に最も近く、またプロファイリングターゲットにゴミ付きや抜け、汚れなどがない本発明を実施するためのベスト印刷物を1枚選択した。
なお、この本発明の印刷機プロファイル作成方法を実施する印刷物では、そのレイアウトにおいてプロファイリングターゲット幅11は印刷機のインキキー幅42とより狭く、かつ、一つのインキキー幅42の幅内に収まっているため、本発明の印刷機プロファイル作成方法で使用するプロファイリングターゲット10のインキ量は一つのインキキー40に依存されるだけであるために、このプロファイリングターゲット内にはインキキー毎の濃度差による面内ムラがなく、所望するプロファイリングターゲットを得ることができた。
【0036】
この本発明を実施するベスト印刷物とKodak社のColorflow Profile Editor2.0を用いて、この印刷物を印刷した印刷機である三菱重工業社のオフセット輪転印刷機のプロファイルを作成した。プロファイリングターゲット10の測定時には測定機としてGretag Macbeth社のSpectro Lino/Spectro Scanを用いた。
【0037】
次にこの本発明の方法により作成したオフセット輪転機のプロファイルを用いたカラーマネージメントシステムより、この本発明を実施するベスト印刷物とデジタルプルーフのカラーマッチングテストを行った。デジタルプルーフとしては一般的なものであればどれを使用してもよいが、ここでは比較的安価で使用勝手のよい、Scitex社のIris Realist FXを使用した。カラーマッチングテストは絵柄31の中からカラーマッチングの評価用としてレイアウトしたISO 12640規定のSCID画像であるN7A(Musician)とIT8.7/3 Basic target(S7A & S8A)を用いて実施した。
【0038】
Iris Realist FXのプロファイルは上記オフセット印刷機プロファイル作成と同様のソフトウェア、測定器を用いて作成した。なお、IrisRealist FXはオフセット印刷による印刷物のような面内ムラはほぼ皆無であるので、特にそれについて考慮する必要はなかった。
【0039】
次に、アドビシステム社のPhotoshop 5.0をAPIとして用い、インプットプロファイルとして上記の本発明に係る方法により作成したオフセット輪転印刷機のプロファイル、アウトプットプロファイルとしてIris Realist FXのプロファイル、CMMにはImation CFMを使用して、評価用絵柄であるN7A(Musician)とIT8.7/3 Basic target(S7A & S8A)を、Iris Realist FXによる出力物が本発明を実施するためのベスト印刷物にカラーマッチングするように色変換した。
【0040】
このデータをTIFFファイルで保存した後、このファイルをIris Realist FXで出力した。なお、比較用出力物としてカラーマネージメントをしていないN7A(Musician)とIT8.7/3 Basic target(S7A & S8A)データもIris Realist FXで出力した。
【0041】
これらのIris Realist FXの出力物と本発明を実施するベスト印刷物を比較したところ、N7A(Musician)を用いた目視評価ではカラーマネージメントを行った印刷物はカラーマネージメントなしの出力物と比較すると非常に良好であり、そのカラーマッチング精度はほぼ所望するものであった。
【0042】
また、IT8.7/3 Basic target(S7A & S8A)を用いた色評価では、Gretag Macbeth社のSpectro Lino/Spectro ScanにてCIELABによる色測定を行い、Iris Realist FXの出力物と本発明を実施するベスト印刷物を色差にて比較したところ、カラーマネージメントなしのケースでは182個のパッチの平均値で色差が約4.7であったのに対し、本発明の方法にて作成したオフセット印刷機プロファイルを用いたカラーマネージメントありのケースでは色差が約2.3であり、色差が約半分となった。
この色差2.3の大きさは、一般的なカラーマッチング精度の基準でもあり、且つ、カラーマッチング精度のよく目標とされる色差3と比べても、より小さいことから、実験データからも本発明の印刷機プロファイル作成方法から得られたオフセット印刷機プロファイルを使用したカラーマッチング精度を証明することができた。
【0043】
なお、本実施例では、図1を用いて本発明の印刷機プロファイル作成方法の説明をしたが、図2のように本発明の印刷機プロファイル作成方法で使用するプロファイリングターゲットを断裁トンボ32の外側、即ち印刷後断裁されるエリアに設ければ、特別な印刷機プロファイル作成のための印刷テストを行う必要がなく、実生産の印刷時にいつでも本発明の印刷機プロファイル作成方法を実施することができる。
【0044】
<実施例2>
本機印刷機とデジタルプルーフのカラーマッチングを実現するために、カラーマネージメントテストを実施した。まず、本機印刷機プロファイルを作成、それを用いてデジタルプルーフの色調が本機印刷の色再現に合うように画像の色変換を行い、デジタルプルーフにて出力を行った。次に本機印刷機プロファイルを作成した実印刷機にて本発明の印刷管理方法を用いて印刷を行い、デジタルプルーフとのカラーマッチング精度検証を行った。
【0045】
本機印刷機プロファイル作成のためのプロファイリングソフトウェアとしては、Kodak社のColorflow Profile Editor2.0を選択した。本機プロファイルを作成するためには、プロファイルを作成する印刷機にてプロファイリングソフトウェア付随のプロファイリングターゲットを出力する必要があるが、通常は図4に示すように、このプロファイリングターゲット10をそのまま使用するが、オフセット印刷機のプロファイルを作成する場合には、図5に示すように、このプロファイリングターゲットをオフセット印刷機の一つのインキキー幅内にレイアウト変更したインキキー幅プロファイリングターゲット10を用いれば、オフセット印刷機特有の印刷方向に対して横方向の濃度ムラの影響を受けにくくなるので、好都合である。
ここでは印刷機として三菱重工製のオフセット印刷機を使用するために、図5に示すような、インキキー幅プロファイリングターゲット10を絵柄31および本機印刷の色管理を行うための指標を得るためのカラーパッチ32と共に、マッキントッシュコンピュータ、アドビシステムズ社のPhotoshop5.0、Illustrator8.0および クォーク社のQuark Xpress4.0にて構成されるDTPシステムにてレイアウトした。
【0046】
次にこの印刷レイアウトを実際に印刷し、図5に示すようなレイアウトの印刷物を10000部得た。印刷目標濃度はブラック1.6、シアン1.3、マゼンタ1.4、イエロー1.3(ステータスE)とし、印刷中、濃度計を用いて印刷濃度を適宜チェックした。
絵柄31としては様々な絵柄を使用したが、評価用としてISO12640にて規定されているSCID画像であるN7A(Musician)とIT8.7/3Basic target(S7A & S8A)を用いた。N7A(Musician)は目視評価用であり、IT8.7/3Basic target(S7A & S8A)は色測定評価用として用いた。
【0047】
次にデバイスプロファイル作成のためのサンプル選定のために上記10000部の印刷物の中から100部毎のサンプル一部ずつ計100部抜き取り、目標としていた印刷濃度に最も近く、またゴミ付きや抜け、汚れなど印刷欠陥のない最も良好な印刷物を1枚選択した。この際、管理濃度値と実測濃度値の誤差はブラック、シアン、マゼンタ、イエロー各色とも±0.1D程度であった。しかし、この印刷物では、インキキー幅プロファイリングターゲット10を使用したことにより、このインキキー幅プロファイリングターゲット10はインキキー毎の濃度差による面内ムラがなく、ほぼ所望するプロファイリングターゲットを得ることができた。
【0048】
この最も良好な印刷物とKodak社のColorflow ProfileEditor2.0を用いて、三菱重工製のオフセット輪転機のプロファイル(本機印刷機プロファイル)を作成した。インキキー幅プロファイリングターゲット10の測定には測定機としてGretag Macbeth社のSpectro Lino/Spectro Scanを用いた。
【0049】
次にデジタルプルーフと本プロファイルを作成した三菱重工製オフセット印刷機で印刷した印刷物とのカラーマッチングをはかるために、カラーマネージメントシステムを応用したカラーマッチングテストを実施した。デジタルプルーフとしては一般的なものであればどれを使用してもよかったが、ここでは比較的出力単価が安価で、かつ使用勝手のよい、Scitex社のIris Realist FXを使用した。カラーマッチングテストは絵柄31の中からカラーマッチングの評価用としてレイアウトしたISO12640にて規定されているSCID画像であるN7A(Musician)とIT8.7/3Basic target(S7A & S8A)を用いて実施した。
【0050】
Iris Realist FXのプロファイルは上記本機印刷機プロファイル作成と同様のソフトウェア、測定器を用いて作成した。なお、Iris Realist FXはオフセット印刷物のような面内ムラはほぼ皆無であるので、特にそれについて考慮する必要はなかった。
【0051】
次にアドビシステム社のPhotoshop 5.0をAPIとして用い、インプットプロファイルとして上記の本機印刷機プロファイル、アウトプットプロファイルとしてIris Realist FXのプロファイル、CMMはImation CFMを使用して、評価用絵柄であるN7A(Musician)とIT8.7/3Basic target(S7A & S8A)をIrisRealist FXの出力物が上記三菱重工製オフセット印刷機で印刷される印刷物とカラーマッチングするように色変換した。このデータをTIFFファイルで保存後、Iris Realist FXで出力し、カラーマネージメントを応用したデジタルプルーフを作成した。
【0052】
次にこのデジタルプルーフと実際の印刷物がどの程度カラーマッチング精度検証を行うために、本機印刷機プロファイルを作成した同一の印刷機、同一の印刷レイアウトを使用して、本発明における本機印刷色管理方法を用いて印刷テストを実施した。まず、本機印刷機プロファイルを作成した最も良好な印刷物内に配置されたカラーパッチ32のインキキー幅プロファイリングターゲット10と同一のインキキー幅42内のプロセス4色(ブラック、シアン,マゼンタ、イエロー)の濃度値を管理値として、図5に示すような本機印刷機プロファイルを作成した際の印刷レイアウトを再度10000部印刷した。
この際、印刷レイアウトとしてはカラーパッチ32および評価用絵柄であるN7A(Musician)N7A(Musician)とIT8.7/3 Basic target(S7A & S8A)があれば問題なかったが、ここでは図5に示すレイアウトを再度使用した。管理濃度値と実測濃度値の誤差はプロファイル作成時と同様、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー各色とも±0.1D程度であった。
【0053】
次に上記10000部の印刷物の中から100部毎のサンプル一部ずつ計100部抜き取りを行い、これらの印刷物とカラーマッチングするように色変換されたIris Realist FX出力物と比較した。N7A(Musician) を用いた目視評価では抜き取った印刷物によって濃度変動があるためにそのカラーマッチング精度は若干のばらつきがあったが、そのカラーマッチング精度は満足のいくものであった。
【0054】
次にIT8.7/3 Basic target(S7A & S8A)用いた測色評価をでは、Iris Realist FXの出力物と上記100部の印刷物をGretag Macbeth社のSpectro Lino/Spectro Scanを用いてCIELABによる色測定を行って、色差にて比較したところ、抜き取った印刷物によって濃度変動があるためにそのカラーマッチング精度は若干のばらつきがあったが、そのカラーマッチング精度は色差にて2.3から3.5程度であり、ほぼ所望するカラーマッチング精度が得られた。カラーマッチング精度の基準でもあり、かつ、カラーマッチング精度の目標である色差は一般的に3程度であり、この色差2.3から3.5という値からも本発明の印刷機プロファイル作成方法から得られたオフセット印刷機プロファイルを使用したカラーマッチング精度を証明することができた。
【0055】
なお、本実施例では図5を用いて本発明のオフセット印刷機プロファイル作成方法の説明をしたが、図6のように本発明の本機印刷機プロファイル作成方法で使用するプロファイリングターゲットを断裁トンボ32の外側、即ち印刷後断裁されるエリアに設ければ、特別な印刷機プロファイル作成のための印刷テストを行う必要がなく、本機印刷機プロファイルを作成、また印刷管理用データをカラーパッチ35から得ることができるので、実生産の印刷時にいつでも本発明における印刷管理方法を実施することができる。
【0056】
<比較例1>
従来の技術に係る方法を用いて、印刷機プロファイルを作成、それを用いてデジタルプルーフとのカラーマッチングテストを行った。
【0057】
実施例1と同様のDTPシステムを用いてプロファイリングターゲット10およびその他の絵柄31をレイアウトし、実施例1で使用した三菱重工製オフセット輪転機にて同じ用紙、インキ、印刷条件を用いて印刷を行い、図3に示すような従来の印刷機プロファイル作成方法を実施する印刷物を10000部得た。印刷中には濃度計を用いて、印刷濃度を適宜チェックした。使用した絵柄31は実施例1と同じものを使用し、評価用絵柄であるISO12640にて規定されているN7A(Musician)とIT8.7/3 Basic target(S7A & S8A)を含んでいる。
【0058】
次に、デバイスプロファイル作成のためのサンプル選定のために上記10000部の印刷物の中から100部毎のサンプルを一部ずつ計100部抜き取り、目標としていた印刷濃度に最も近く、また上記プロファイリングターゲットにゴミの付着、抜け、汚れなどが無い適当な印刷物のサンプルを1枚選択した。
なお、このサンプル選定時に、プロファイリングターゲット内に極力面内ムラのないものを選定しようとしたが、このレイアウトではプロファイリングターゲット幅11は印刷機のインキキー幅42と比較しておよそ4倍であり、プロファイリングターゲット10の印刷濃度は4つの印刷機のインキキー40から影響を受けるため、インキキー依存による帯状の濃度ムラが発生しており、濃度ムラが無いサンプルは皆無であった。最終的に選定したベスト印刷物でもそのプロファイリングターゲット内にインキキーに起因する帯状の濃度ムラが認められ、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックのインキにおいて各々目標値から±0.07〜0.10程度の濃度ばらつきが見られた。
【0059】
次に、この従来の技術によるデバイスプロファイルを作成するためのベスト印刷物とKodak社のColorflow Profile Editor2.を用いて、実施例1と同様に三菱重工製のオフセット輪転機のプロファイルを作成した。プロファイリングターゲット10の測定は、実施例1の場合と同様、Gretag Macbeth社のSpectro Lino/Spectro Scanを用いた。
【0060】
次に、この従来の方法により作成したオフセット輪転機のプロファイルを用いたカラーマネージメントシステムより、このデバイスプロファイルを作成した際に使用したベスト印刷物とデジタルプルーフであるScitex社のIris Realist FXのカラーマッチングテストを行った。カラーマッチングテストは実施例1と同様、絵柄31の中からカラーマッチングの評価用としてレイアウトしたISO 12640規定のSCID画像であるN7A(Musician)とIT8.7/3 Basic target(S7A & S8A)を用いて実施した。
なお、Iris Realist FXのプロファイルは実施例1の場合と同様のプロファイルを使用した。
【0061】
実施例1の場合と同様に、アドビシステム社のPhotoshop 5.0をAPIとして用いて、インプットプロファイルとして上記従来の方法により作成したオフセット輪転機のプロファイル、アウトプットプロファイルとしてIris Realist FXのプロファイルを使用し、評価用絵柄であるN7A(Musician)とIT8.7/3 Basic target(S7A &S8A)データを色変換して、TIFFファイルで保存後、このファイルをIris Realist FXで出力した。また、実施例1と同様、比較用出力物としてカラーマネージメントをしていないN7A(Musician)とIT8.7/3 Basic target(S7A & S8A)のデータをIris Realist FXで出力した。
【0062】
これらのIris Realist FXの出力物と従来の方法でプロファイルを作成した際のベスト印刷物を比較したところ、N7A(Musician)をもちいた目視評価では、カラーマネージメントを行った印刷物はカラーマネージメントなしの出力物よりは良好であったが、所望するカラーマッチング精度が出ていなかった。
またIT8.7/3 Basic target(S7A & S8A)を用いた色評価では、Gretag Macbeth社のSpectro Lino/Spectro ScanにてCIELABによる色測定を行って、Iris Realist FXの出力物と従来の方法でオフセット印刷機プロファイルを作成したベスト印刷物を色差にて比較したところ、カラーマネージメントなしのケースでは182個のパッチの平均色差が約4.7であり、カラーマネージメントありのケースでは平均色差が約3.9であった。
この従来の技術による方法で作成したオフセット印刷機プロファイルを用いてカラーマッチングをした場合では若干カラーマッチング精度が向上したものの、一般的なカラーマッチング精度の基準でもあり、かつ、カラーマッチング精度の目標である色差3より若干大きく、カラーマッチング精度は所望のものまでには至らなかった。
【0063】
<比較例2>
実施例2と同様に、本機印刷物とデジタルプルーフのカラーマッチングテストを実施した。カラーマネージメントを応用したデジタルプルーフは実施例2と同一のものを使用したが、比較用の印刷は従来の方法による印刷管理方法にて行った。
【0064】
従来の本機印刷色管理方法を用いた印刷では、管理用濃度値として本機印刷機プロファイル作成時と同じ値を用いた(ステータスE:ブラック1.6、シアン1.3、マゼンタ1.4、イエロー1.3)。この濃度値を管理値として、図5に示すような本機印刷機プロファイルを作成した際の印刷レイアウトを再度10000部印刷した。この際、管理濃度値と実測濃度値の誤差は再度、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー各色とも±0.1D程度であったが、プロファイル作成時の印刷物も同様に管理値と濃度差があったために、結果としてプロファイルを作成した印刷物とこの従来の印刷管理方法で得られた印刷物との濃度差は各色で最大±2.0D程度となった。
【0065】
次に上記10000部の印刷物の中から100部毎のサンプル一部ずつ計100部の抜き取りを行い、これらの印刷物とカラーマッチングするように色変換されたIris RealistFX出力物と比較した。N7A(Musician) を用いた目視評価では抜き取った印刷物によって濃度変動があることと、従来の印刷管理方法によるプロファイルを作成した印刷物とこれらのサンプルには大きな濃度差があるためにそのカラーマッチング精度にはばらつきがあり、かつ満足といえるレベルではなかった。
【0066】
次にIT8.7/3 Basic target(S7A & S8A)用いた測色評価ではTris Realist FXの出力物と上記100部の印刷物をGretag Macbeth社のSpectro Lino/Spectro Scanを用いてCIELABによる色測定を行って、色差にて比較したところ、そのカラーマッチング精度は色差にて4.0から6.5程度であった。この色差4.0から6.5程度は一般的なカラーマッチング精度から見ても満足が言えるレベルとは言えず、データからも従来の印刷管理方法の有効性は確認できなかった。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る印刷機プロファイル作成方法あるいは印刷物によれば、印刷(特にインキキーがある印刷機による印刷、例えばオフセット印刷)で面内ムラに全く影響されることなく、プロファイルを作成することができ、従来では成し得なかった精度高いのオフセット印刷機プロファイルを作成することができた。特に、オフセット印刷の場合は、オフセット印刷物特有のインキキーによる帯状の面内ムラに殆ど影響されることなく、プロファイルを作成することができるので、大変効果的であった。
また、本発明に係るカラーマチング方法や色管理方法あるいは色管理装置によれば、実際に本機印刷機プロファイルを作成した印刷物から得られる濃度値または測色値の少なくともいずれかを印刷の色管理の指標として用いることによって、従来は成し得なかった、デジタルプルーフと本機印刷物(本機での繰り返し印刷による印刷物)との間でたいへん高い精度のカラーマッチングを行えるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る印刷機のプロファイルを作成する際の、印刷レイアウトの一例を示す説明図である。
【図2】本発明に係る印刷機のプロファイルを作成する際の、印刷レイアウトの他の一例を示す説明図である。
【図3】従来の技術に係る印刷機のプロファイルを作成する際の、印刷レイアウトの一例を示す説明図である。
【図4】本機印刷機プロファイルを作成するためのプロファイリングターゲットと、本機印刷の色管理を行うための印刷レイアウトを説明する第1の例を示す説明図である。
【図5】本機印刷機プロファイルを作成するためのプロファイリングターゲットと、本機印刷の色管理を行うための印刷レイアウトを説明する第2の例を示す説明図である。
【図6】本機印刷機プロファイルを作成するためのプロファイリングターゲットと、本機印刷の色管理を行うための印刷レイアウトを説明する第3の例を示す説明図である。
【符号の説明】
10・・・本発明の印刷機プロファイル作成方法で使用するプロファイリングターゲット
11・・・本発明の印刷機プロファイル作成方法で使用するプロファイリングターゲット幅(プロファイリングターゲットが必要な幅)
30・・・印刷用紙
31・・・絵柄
32・・・断裁トンボ
35・・・カラーパッチ
36・・・カラーパッチの拡大図
40・・・印刷機のインキキー
41・・インキキーナンバー
42・・インキキー幅

Claims (13)

  1. プロファイリングターゲットを印刷する印刷レイアウトを、インキキーを有する印刷機の該インキキー1つ分の幅内に位置する被印刷面上の領域中に、相違する複数のパッチを備えた該プロファイリングターゲットを印刷する印刷レイアウトとするレイアウトステップ、および、該印刷機で印刷した該プロファイリングターゲット中の該パッチを測色し測色データを得る測色ステップ、得られた該測色データを使用して該印刷機のプロファイルを作成するプロファイリングステップ、を有することを特徴とする印刷機プロファイルの作成方法。
  2. プロファイリングターゲット中に複数色のパッチの配置が、ランダムか又は擬似的なランダムかのいずれかで配置されてあることを特徴とする請求項1に記載の印刷機プロファイルの作成方法。
  3. ある印刷機と他のデバイスとの間のカラーマッチングを行う方法であって、インキキーを有する該印刷機の該インキキー1つ分の幅内に位置する被印刷面上の領域中に、相違する複数のパッチを備えたプロファイリングターゲットを印刷する印刷レイアウトによって、該印刷機を用いて印刷された該プロファイリングターゲット中のパッチの測色により得られたデータを使用して該印刷機のプロファイルを作成する作成ステップ、および、該印刷機と該他のデバイスとの間のカラーマッチングに、該プロファイルを使用するカラーマッチングステップ、を有することを特徴とするカラーマッチング方法。
  4. プロファイリングターゲット中に複数色のパッチの配置が、ランダムか又は擬似的なランダムかのいずれかで配置されてあることを特徴とする請求項3に記載のカラーマッチング方法。
  5. 前記の他のデバイスは、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、イメージスキャナ、モニタ、デジタルプルーファ、インクジェットプリンタ、あるいは、別の印刷機のうちのいずれかであることを特徴とする請求項3又は4のいずれかに記載のカラーマッチング方法。
  6. 印刷された印刷物の色を管理する方法であって、インキキーを有する該印刷機の該インキキー1つ分の幅内に位置する被印刷面上の領域中に、相違する複数のパッチを備えたプロファイリングターゲットの中に設けられたパッチか、又は、該プロファイリングターゲットが属する該インキキー1つ分の幅内に位置する被印刷面上の領域中にあるコントロールパッチ中のパッチのいずれかであって、少なくとも3色によるグレーのパッチか、あるいは、ブラック、シアン、マゼンタ又はイエローのいずれかの単色のパッチ、のうちの少なくともいずれか1について、該パッチの色か又は濃度のいずれかの測定結果を用いて、該印刷物の色を管理し、且つ、該プロファイリングターゲットは該印刷機のプロファイル作成に使用されたものであること、を特徴とする色管理方法。
  7. 前記グレーのパッチは、シャドーのグレーを用いることを特徴とする請求項6に記載の色管理方法。
  8. 前記グレーのパッチは、メディアムのグレーを用いることを特徴とする請求項6に記載の色管理方法。
  9. 前記グレーのパッチは、メディアムからシャドーに属するグレーを用いることを特徴とする請求項6に記載の色管理方法。
  10. インキキーを有する印刷機の該インキキー1つ分の幅内に位置する被印刷面上の領域中に、相違する複数のパッチを備えたプロファイリングターゲットが印刷してあることを特徴とする印刷物。
  11. 前記プロファイリングターゲットの中か、又は、該プロファイリングターゲットが属する該インキキー1つ分の幅内に位置する被印刷面上の領域中にあるコントロールパッチ中の、いずれかには、少なくとも3色によるグレーのパッチか、あるいは、ブラック、シアン、マゼンタ又はイエローのいずれかの単色のパッチ、のうちの少なくともいずれか1があること、を特徴とする請求項10に記載の印刷物。
  12. 印刷された印刷物の色を管理する装置であって、(イ)インキキーを有する該印刷機の該インキキー1つ分の幅内に位置する被印刷面上の領域中に、相違する複数のパッチを備えたプロファイリングターゲットの中に設けられたパッチか、又は、該プロファイリングターゲットが属する該インキキー1つ分の幅内に位置する被印刷面上の領域中にあるコントロールパッチ中のパッチのいずれかであって、少なくとも3色によるグレーのパッチか、あるいは、ブラック、シアン、マゼンタ又はイエローのいずれかの単色のパッチ、のうちの少なくともいずれか1について、該パッチの色か又は濃度のいずれかの測定結果を用いて、該印刷物の色を管理する管理手段、を備えており、該プロファイリングターゲットは該印刷機のプロファイル作成に使用されたものであること、を特徴とする色管理装置。
  13. 本機印刷機間、または、本機印刷機とその他のデバイスとの間の、いずれかのカラーマッチングをはかるためにカラーマネージメントを応用して行う印刷で、色管理を行う装置であって、請求項10又は11のいずれかに記載の印刷物のプロファイリングターゲットから本機印刷機のプロファイルである本機印刷機プロファイルが作成され、該本機印刷機プロファイルがカラーマネージメントに応用される際に、該本機プロファイルの作成に使用した印刷物内に設けられたカラーパッチから得られる濃度値または測色値の少なくともいずれかを指標として本機印刷の色管理を行う色管理手段、を備えることを特徴とする色管理装置。
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