JP4163850B2 - キャブオーバ型トラック - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、前面衝突後のドアの開扉性(衝突後のドアの開け易さの程度)の向上を図ったキャブオーバ型トラックに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来周知のようにトラックや乗用車を始め多くの車両には、ドアのドアロック機構が装着されているが、ドアの開閉時に大きな荷重がストライカに掛かるため、図2及び図3に示すようにキャブオーバ型トラックのキャブ1には、ドアロック機構3のストライカ5を補強するレインフォース7がアウトサイドパネル9の内側にスポット溶接されており、当該レインフォース7を介してストライカ取付用のブラケット11がアウトサイドパネル9に固着されている。
【0003】
そして、一般にアウトサイドパネル9は約0.8mm程の板厚を有する鋼板で形成されているのに対し、レインフォース7は約1.6mm程の板厚を有する鋼板で形成され、そして、図3に示すようにレインフォース7は、アウトサイドパネル9に沿って断面略L字状に形成されている。
ところで、図3に示すように、従来、キャブオーバ型トラックはドア13の内部にドアビーム15を前後方向に装着して、前面衝突時に於けるドア13の変形を当該ドアビーム15で防止し乍ら、衝突時の衝撃をストライカ5によりキャブ1後部のアウトサイドパネル9に伝えて当該部位を潰すことにより、衝撃を吸収して乗員の生存空間を確保するようになっている。
【0004】
尚、図2中、17はキャブ3のインサイドパネルである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍ら、上述の如く前面衝突時に於けるドア13の変形をドアビーム15で防止し乍ら、キャブ1後部のアウトサイドパネル9を潰す従来例にあっては、図4に示すように衝撃で後方に移動したドア13のエッジ部13aが、キャブ1後部のアウトサイドパネル9に食い込んでしまう虞があった。
【0006】
そして、斯様にドア13がアウトサイドパネル9に食い込んでしまうと、乗員自らがドア13を開けてキャブ1内から脱出したり、外からドア13を開けて乗員を救出する際に大きな力を必要としていた。
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、前面衝突後のドアの開扉性の向上を図ったキャブオーバ型トラックを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するため、請求項1に係る発明は、ドアのドアロック機構のストライカを補強するレインフォースを、キャブのアウトサイドパネルの内側にスポット溶接したキャブオーバ型トラックに於て、上記レインフォースをキャブの側部まで延設してアウトサイドパネルの内側の面に沿ってスポット溶接し、前面衝突時に、当該レインフォースによってアウトサイドパネルへのドアの食い込みを防止し、ドアをキャブの側部外方へ案内させることを特徴とする。
【0008】
(作用)
請求項1に係る発明によれば、レインフォースがキャブの側部まで延設されてアウトサイドパネルの内側の面に沿ってスポット溶接されているため、ドアの開閉時に大きな荷重が掛かるストライカを当該レインフォースが補強する。
そして、走行時にキャブオーバ型トラックが前面衝突すると、衝突時の衝撃でドアは後方に移動するが、レインフォースがガイドとなってドアをキャブの側部外方へ押し出し、ドアがアウトサイドパネルに食い込むことを防止する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
尚、図2以下に示す従来例と同一のものは同一符号を付してそれらの構造説明は省略する。
図1は図2のIII−III線断面に対応する請求項1のキャブオーバ型トラックの一実施形態の断面を示し、図中、19は図3のレインフォース7と同様、ドアロック機構3のストライカ5を補強するレインフォースで、アウトサイドパネル9の内側の面にスポット溶接され、そして、当該レインフォース19を介してブラケット11がアウトサイドパネル9に固着されている。
【0010】
そして、図示するように本実施形態は、アウトサイドパネル9に沿って、当該アウトサイドパネル9とインサイドパネル17の接合部近傍からキャブ21の側部に亘ってレインフォース19を延設して、アウトサイドパネル9の内側の面に沿ってスポット溶接したことを特徴としており、従来と同様、レインフォース19は約1.6mm程の板厚を有する鋼板で成形されている。
本実施形態はこのように構成されているから、ドアの開閉時に大きな荷重が掛かるストライカ5をレインフォース19が補強する。
【0011】
そして、走行時にキャブオーバ型トラックが前面衝突すると、ドアビーム15がドア13の変形を防止し乍ら、衝突時の衝撃をストライカ5を介してキャブ21後部のアウトサイドパネル9に伝えて当該部位を潰すことで、衝撃を吸収して乗員の生存空間を確保するが、衝突時の衝撃でドア13は後方に移動する。
しかし、上述したように本実施形態は、レインフォース19をアウトサイドパネル9に沿ってキャブ21の側部まで延設しているから、当該レインフォース19がガイドとなってドア13をキャブ21の側部外方へ押し出し、図4の如きドア13のエッジ部13aがアウトサイドパネル9に食い込むことを防止する。
【0012】
このように本実施形態によれば、前面衝突時にドア13がアウトサイドパネル9に食い込んでしまうことがなくなるためドア13の開扉性が向上し、この結果、ドア13の開放が容易となって乗員の救出がスムーズに行えることとなった。
【0013】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に係る発明によれば、前面衝突時にレインフォースがガイドとなってドアをキャブの側部外方へ押し出し、ドアがアウトサイドパネルに食い込むことがなくなるためドアの開扉性が向上し、この結果、ドアの開放が容易となって乗員の救出がスムーズに行えることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のIII−III線断面に対応する請求項1のキャブオーバ型トラックの一実施形態の断面図である。
【図2】キャブオーバ型トラックのキャブの斜視図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】前面衝突時に於けるドアとアウトサイドパネルの状態を示す説明図である。
【符号の説明】
3 ドアロック機構
5 ストライカ
9 アウトサイドパネル
13 ドア
15 ドアビーム
17 インサイドパネル
19 レインフォース
21 キャブ

Claims (1)

  1. ドアのドアロック機構のストライカを補強するレインフォースを、キャブのアウトサイドパネルの内側にスポット溶接したキャブオーバ型トラックに於て、
    上記レインフォースをキャブの側部まで延設してアウトサイドパネルの内側の面に沿ってスポット溶接し、前面衝突時に、当該レインフォースによってアウトサイドパネルへのドアの食い込みを防止し、ドアをキャブの側部外方へ案内させることを特徴とするキャブオーバ型トラック。
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