JP4163609B2 - 表面処理金属板 - Google Patents
表面処理金属板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4163609B2 JP4163609B2 JP2003423407A JP2003423407A JP4163609B2 JP 4163609 B2 JP4163609 B2 JP 4163609B2 JP 2003423407 A JP2003423407 A JP 2003423407A JP 2003423407 A JP2003423407 A JP 2003423407A JP 4163609 B2 JP4163609 B2 JP 4163609B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- mass
- silica
- metal plate
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Description
カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂:5〜75質量部;
無機充填剤:25〜95質量部(但し、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂と無機充填剤との合計量は100質量部とする);及び
シランカップリング剤:3〜20質量部とする態様;及び、金属板表面の樹脂皮膜の付着量を0.05〜1g/m2とする態様などを挙げることができる。
本発明において使用するポリウレタン樹脂は、ウレタンプレポリマーを鎖延長剤で鎖延長反応して得られるものであって、前記鎖延長剤としては、例えば、エチレンジアミンまたはヒドラジンを使用することが好ましい。また、前記ウレタンプレポリマーを構成するポリオール成分中、1,4−シクロヘキサンジメタノールとポリエーテルポリオールの質量比として好適な範囲は、1,4−シクロヘキサンジメタノール:ポリエーテルポリオール=50:50〜5:95である。前記ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシプロピレングリコール又はポリテトラメチレンエーテルグリコールを使用することが好ましい。
本発明では、下記式(1)で表されるシランカップリング剤を好適に使用することができる。
カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂:5〜75質量部;
無機充填剤:25〜95質量部(但し、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂と無機充填剤との合計量は100質量部とする);及び
上記シランカップリング剤;3〜20質量部とする。
また、前記皮膜形成用組成物は、前記カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂と無機充填剤の合計100質量部に対して、シランカップリング剤を3質量部以上、より好ましくは5質量部以上、20質量部以下、より好ましくは15質量部以下含有することが望ましい。シランカップリング剤が3質量部より少ない場合、ポリウレタン樹脂のカルボキシル基、或いは、無機充填剤との反応が不十分であるために、耐食性、耐黒化性、及び、耐アブレージョン性が低下する傾向がある。他方、シランカップリング剤の含有量が20質量部を超えると反応に寄与しないシランカップリング剤の量が多くなって、却って耐食性が低下したり、皮膜形成用組成物の安定性が低下して、ゲル化する場合がある。
前記アジリジン化合物としては、例えば、エチルイミン、トリアジリジニルホスフィンオキサイド、アジリジニルエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアジリジン、ヘキサメチレンビスアジリジンカルボキシアマイド、ジフェニルメタンビスアジリジンカルボキシアマイド、トリメチロールプロパンアジリジニルプロピオネート、テトラメチロールプロパンアジリジニルプロピオネート、トルエンビスアジリジンカルボキシアマイド、ビスフタロイルメチルアジリジン、トリメチロールプロパンメチルアジリジンプロピオネートなどを挙げることができるが、これらの限定されるものではない。
(1)耐食性
得られた表面処理金属板(樹脂塗装鋼板)について、エッジシールした平板材の塩水噴霧試験を、JIS−Z2371に従って実施して、白錆が1%発生するまでの時間にて評価した。
(評価基準)
◎:白錆発生 240時間以上
○:白錆発生 120時間以上〜240時間未満
△:白錆発生 72時間以上〜120時間未満
×:白錆発生 72時間未満
(2)耐アブレージョン性
得られた表面処理金属板について、梱包貨物−振動試験(JIS Z0232)に準じて、振動試験を実施し、所定時間後の供試材の外観を下記の基準に基づき評価した。尚、振動試験装置は、アイデック社製の商品名「BF−50UC」を用いた。
(評価基準)
◎:皮膜への損傷なし
○:皮膜への損傷はあるが、亜鉛めっき表面への損傷無し
△:亜鉛めっき表面に目視で確認できる程度の損傷がある。
×:亜鉛めっき表面への損傷が著しい
(3)耐黒化性
得られた表面処理金属板(樹脂塗装鋼板)の深絞り加工性を評価するために、80トンのクランクプレス装置を用いて、単発のプレス試験を実施し、成形品の摺動面の擦り疵、型かじり、耐黒化性を目視で評価した。
(評価基準)
◎:極めて良い。
○:良い
△:悪い
×:極めて悪い
製造例1
撹拌機、温度計、温度コントローラを備えた内容量0.8Lの合成装置にポリオール成分として保土ヶ谷化学工業(株)製ポリテトラメチレンエーテルグリコール(平均分子量1000)を60g、1,4−シクロヘキサンジメタノール14g、ジメチロールプロピオン酸20gを仕込み、さらに反応溶媒としてN−メチルピロリドン30.0gを加えた。イソシアネート成分としてトリレンジイソシアネート(以下、単に「TDI」という場合がある)を104g仕込み、80から85℃に昇温し5時間反応させた。得られたプレポリマーのNCO含有量は、8.9%であった。さらにトリエチルアミン16gを加えて中和を行い、エチレンジアミン16gと水480gの混合水溶液を加えて、50℃で4時間乳化し、鎖延長反応させてポリウレタン樹脂水性分散液1を得た(固形分29.1%、酸価41.4)。
撹拌機、温度計、温度コントローラを備えた内容量0.8Lの合成装置にポリオール成分として保土ヶ谷化学工業(株)製ポリテトラメチレンエーテルグリコール(平均分子量1500)を67g、1,4−シクロヘキサンジメタノール30g、ジメチロールプロピオン酸14gを仕込み、さらに反応溶媒としてN−メチルピロリドン120.0gを加えた。イソシアネート成分としてトリレンジイソシアネート(TDI)を78g仕込み、80〜85℃に昇温し5時間反応させた。得られたプレポリマーのNCO含有量は、2.3%であった。さらにトリエチルアミン11gを加えて中和を行い、ヒドラジン一水和物5gと水330gとの混合水溶液を加え、50℃で5時間乳化し、鎖延長反応させて、ポリウレタン樹脂水性分散液2を得た(固形分30.5%、酸価29.8)。
撹拌機、温度計、温度コントローラを備えた内容量0.8Lの合成装置にポリオール成分として保土ヶ谷化学工業(株)製ポリテトラメチレンエーテルグリコール(平均分子量1500)を60g、1,4−シクロヘキサンジメタノール14g、ジメチロールプロピオン酸6gを仕込み、さらに反応溶媒としてN−メチルピロリドン90.0gを加えた。イソシアネート成分としてジフェニルメタンジイソシアネート(以下、単に「MDI」という場合がある)を100g仕込み、80〜85℃に昇温し10時間反応させた。得られたプレポリマーのNCO含有量は、6%であった。さらにトリエチルアミン5gを加えて中和を行い、ヒドラジン一水和物6gと水350gとの混合水溶液を加え、50℃で5時間鎖延長反応させて、ポリウレタン樹脂水性分散液3を得た(固形分30.2%、酸価15.2)。
撹拌機、温度計、温度コントローラを備えた内容量0.8Lの合成装置にポリオール成分として保土ヶ谷化学工業(株)製ポリテトラメチレンエーテルグリコール(平均分子量1500)を60g、1,4−シクロヘキサンジメタノール14g、ジメチロールプロピオン酸13gを仕込み、さらに反応溶媒としてN−メチルピロリドン90.0gを加えた。イソシアネート成分としてTDIを34g、MDIを50g仕込み、80〜85℃に昇温し9時間反応させた。得られたプレポリマーのNCO含有量は、5%であった。さらにトリエチルアミン11gを加えて中和を行い、ヒドラジン一水和物8gと水325gとの混合水溶液を加え、50℃で3時間、乳化し鎖延長反応させて、ポリウレタン樹脂水性分散液4を得た(固形分31.3%、酸価31.0)。
撹拌機、温度計、温度コントローラを備えた内容量0.8Lの合成装置にポリオール成分として保土ヶ谷化学工業(株)製ポリテトラメチレンエーテルグリコール(平均分子量1000)を50g、1,4−シクロヘキサンジメタノール14g、ジメチロールプロピオン酸6gを仕込み、さらに反応溶媒としてN−メチルピロリドン90.0gを加えた。イソシアネート成分としてジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、単に「水素添加MDI」という場合がある)を104g仕込み、東京ファインケミカル(株)製有機錫系触媒L−101を6滴加えて、90〜95℃に昇温し9時間反応させた。得られたプレポリマーのNCO含有量は、6.3%であった。さらにトリエチルアミン5gを加えて中和を行い、ヒドラジン一水和物6gと水325gとの混合水溶液を加えて、50℃で5時間、乳化し、鎖延長反応させて、ポリウレタン樹脂水性分散液5を得た(固形分29.9%、酸価16.3)。
撹拌機、温度計、温度コントローラを備えた内容量0.8Lの合成装置にポリオール成分として旭電化工業(株)製ポリオキシプロピレングリコール(P−1000:平均分子量1000)を50g、1,4−シクロヘキサンジメタノール2.9g、ジメチロールプロピオン酸6gを仕込み、さらに反応溶媒としてN−メチルピロリドン60.0gを加えた。イソシアネート成分としてジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、単に「水素添加MDI」という場合がある)を79g仕込み、東京ファインケミカル(株)製有機錫系触媒L−101を3滴加えて、90〜95℃に昇温し8時間反応させた。得られたプレポリマーのNCO含有量は、7.6%であった。さらにトリエチルアミン5gを加えて中和を行い、ヒドラジン一水和物と13gと水280gとの混合水溶液を加えて、50℃で5時間、乳化し、鎖延長反応させて、ポリウレタン樹脂水性分散液6を得た(固形分29.8%、酸価18.0)。
撹拌機、温度計、温度コントローラを備えた内容量0.8Lの合成装置にポリオール成分として三洋工業(株)製ポリオキシプロピレングリコール(PP−400:平均分子量400)を40g、1,4−シクロヘキサンジメタノール7.2g、ジメチロールプロピオン酸25gを仕込み、さらに反応溶媒としてN−メチルピロリドン80.0gを加えた。イソシアネート成分としてジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、単に「水素添加MDI」という場合がある)を105g仕込み、東京ファインケミカル(株)製有機錫系触媒L−101を2滴加えて、90〜95℃に昇温し8時間反応させた。得られたプレポリマーのNCO含有量は、2.2%であった。さらにトリエチルアミン21gを加えて中和を行い、ヒドラジン一水和物と4.5gと水330gとの混合水溶液を加えて、50℃で5時間、乳化し、鎖延長反応させて、ポリウレタン樹脂水性分散液7を得た(固形分29.7%、酸価58.0)。
撹拌機、温度計、温度コントローラを備えた内容量0.8Lの乳化設備のオートクレイブに酸価160mgKOH/gのエチレンアクリル酸共重合体200g、48%水酸化ナトリウム水溶液4g、25%アンモニア水22gおよび軟水581gを加えて密封し、150℃、4気圧で3時間の高速撹拌を行い、40℃に冷却して60〜99質量%のエチレンと1〜40質量%のエチレン性不飽和カルボン酸からなる共重合体の水分散体(樹脂分25%、酸価160mgKOH/g)を得た。次に、製造例1で得た500gのポリウレタン樹脂水分散液1を、撹拌機、温度計、温度コントローラを備えた内容量0.8Lの撹拌釜内で常温で撹拌しているところに、上記エチレンアクリル酸共重合体樹脂の水分散体175gを加えて、加熱撹拌を行い、70℃まで昇温してから25%の4,4'−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン水溶液20gと軟水58gとを加えて、80〜85℃で2時間撹拌を行ってから、40℃に冷却し、150メッシュの濾過布で濾過して、改質ポリウレタン樹脂水性分散液8を得た。
撹拌機、温度計、温度コントローラを備えた内容量0.8Lの乳化設備のオートクレイブに、ハネウエル社製の酸価16mgKOH/gを有する酸化ポリエチレンワックスAC−629を200g、48%水酸化ナトリウム水溶液5g、東邦化学工業(株)製ペグノールL−12を25g、及び、軟水420gを加えて密封し、150℃、5気圧で3時間の高速撹拌を行い、40℃に冷却して、酸化ポリエチレンワックスの水分散液(樹脂分35.1%、酸価16mgKOH/g)を得た。次に、製造例4で得た500gのポリウレタン樹脂水分散液4を、撹拌機、温度計、温度コントローラを備えた内容量0.8Lの撹拌釜内で常温で撹拌しているところに、上記酸化ポリエチレンワックスの水分散液100gを加えて均一に撹拌し、さらに1.8gのCaCO3を加えて、80℃まで昇温後冷却して架橋反応を行って、改質ポリウレタン樹脂水性分散液9を得た。
撹拌機、温度計、温度コントローラを備えた内容量1Lの乳化重合設備に水180g、東邦化学工業(株)製ペグノールL−12を5g仕込み85℃に加熱した。これに、別のモノマー混合設備において、2−エチルヘキシルアクリレート160g、メチルメタクリレート200g、メタクリル酸40gからなるモノマーを、東邦化学工業(株)製ペグノールL−30Pを15g、水350gに混合して調製したモノマー乳化液を、乳化重合設備の温度を80〜85℃に保ちつつ6時間を要して滴下した。滴下終了後、85から90℃で30分間熟成し、冷却してアクリル樹脂エマルジョン(樹脂分38.8%、酸価36)を得た。次に、製造例5で得た500gのポリウレタン樹脂水性分散液5を、撹拌機、温度計、温度コントローラを備えた内容量0.8Lの撹拌釜内で常温で撹拌しているところに、上記アクリル樹脂エマルジョン138gを加えて撹拌し、さらに、25%の4,4'−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン水溶液5gとMgCO3 0.5gと軟水20gとを加えて、80〜85℃で2時間撹拌を行ってから、40℃に冷却し、150メッシュの濾過布で濾過して、改質ポリウレタン樹脂水性分散液10を得た。
撹拌機、温度計、温度コントローラを備えた内容量1Lの乳化重合設備に水180g、東邦化学工業(株)製ペグノールL−12を5g仕込み85℃に加熱した。
これに、別のモノマー混合設備において、2−エチルヘキシルアクリレート160g、メチルメタクリレート200g、メタクリル酸40gからなるモノマーを、東邦化学工業(株)製ペグノールL−30Pを15g、水350gに混合して調製したモノマー乳化液を、乳化重合設備の温度を80〜85℃に保ちつつ6時間を要して滴下した。滴下終了後、85から90℃で30分間熟成し、冷却してアクリル樹脂エマルジョン(樹脂分38.8%、酸価36mgKOH/g)を得た。次に、製造例7で得た500gのポリウレタン樹脂水性分散液7を、撹拌機、温度計、温度コントローラを備えた内容量0.8Lの撹拌釜内で常温で撹拌しているところに、上記アクリル樹脂エマルジョン138gを加えて撹拌し、さらに、25%の4,4'−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン水溶液15gとMgCO3 1.5gと軟水20gとを加えて、80〜85℃で2時間撹拌を行ってから、40℃に冷却し、150メッシュの濾過布で濾過して、改質ポリウレタン樹脂水性分散液11を得た。
撹拌機、温度計、温度コントローラを備えた内容量0.8Lの合成装置にポリオール成分として保土ヶ谷化学工業(株)製ポリテトラメチレンエーテルグリコール(平均分子量1000)を80g、ジメチロールプロピオン酸20gを仕込み、さらに反応溶媒としてN−メチルピロリドン30.0gを加えた。イソシアネート成分としてトリレンジイソシアネートを104g仕込み、80から85℃に昇温し5時間反応させた。得られたプレポリマーのNCO含有量は、8.9%であった。さらにトリエチルアミン16gを加えて中和を行い、エチレンジアミン16gと水480gとの混合水溶液を加え、50℃で4時間、乳化し架橋反応させて鎖延長させたポリウレタン樹脂水性分散液12を得た(固形分30.1%、酸価41.4)。
撹拌機、温度計、温度コントローラを備えた内容量0.8Lの合成装置にポリオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール50g、ジメチロールプロピオン酸20gを仕込み、さらに反応溶媒としてN−メチルピロリドン30.0gを加えた。イソシアネート成分としてトリレンジイソシアネートを104g仕込み、80から85℃に昇温し5時間反応させた。得られたプレポリマーのNCO含有量は、8.9%であった。さらにトリエチルアミン16gを加えて中和を行い、エチレンジアミン16gと水480gとの混合水溶液を加え、50℃で4時間、乳化し架橋反応させてポリウレタン樹脂水性分散液13を得た(固形分29.6%、酸価47.3)。
(実験例1)
得られたポリウレタン樹脂水性分散液および改質ポリウレタン樹脂水性分散液に、無機充填材として無定形シリカ(球状シリカ:日産化学工業社製スノーテックスST−40、平均粒子径10〜20nm)、鱗片状シリカ(桐海化学社製サンラブリーHN−020、平均粒子径0.2μm)、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM403)を添加し皮膜形成用水性組成物を調製した。尚、各成分の配合比は、固形分換算で、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂30質量部、無機充填材70質量部(無定形シリカ:鱗片状シリカ(質量比)=80:20)、シランカップリング剤15質量部となるように配合した
この皮膜形成用水性組成物をクロメート処理を施さない電気亜鉛めっき鋼板(Zn付着量20g/m2、板厚0.8mm)の表面に絞りロールにて塗布し、板温90℃で加熱乾燥して、付着量0.4g/m2の樹脂皮膜が形成された樹脂塗装鋼板を得た。得られた樹脂塗装鋼板について、耐食性、耐黒化性、耐アブレージョン性などについて評価した結果を表1に示した。
ポリウレタン樹脂水性分散液1に、無機充填材(無定形シリカ:鱗片状シリカ(質量比)=80:20)、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを添加し皮膜形成用水性組成物を調製し、皮膜形成用組成物中のカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂と無機充填剤の含有量の影響について検討した。尚、無定形シリカ、鱗片状シリカ、及び、シランカップリング剤としては、実験例1と同一のものを使用し、各成分の配合比は、固形分換算で、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂3〜80質量部、無機充填材20〜97質量部、シランカップリング剤15質量部となるように配合した(但し、無機充填材とカルボキシル基含有ポリウレタンは、合計で100質量部となるようする)。この皮膜形成用水性組成物を用いて、実験例1と同様の方法により樹脂塗装鋼板を作製した。得られた樹脂塗装鋼板について、耐食性、耐黒化性、及び、耐アブレージョン性について評価した結果を表2に示した。
ポリウレタン樹脂水性分散液1に、無機充填材(無定形シリカ:鱗片状シリカ(質量比)=80:20)、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを添加し皮膜形成用水性組成物を調製し、皮膜形成用組成物中のシランカップリング剤の含有量の影響について検討した。尚、無定形シリカ、鱗片状シリカ、及び、シランカップリング剤としては、実験例1と同一のものを使用し、各成分の配合比は、固形分換算で、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂40質量部、無機充填材60質量部とし、シランカップリング剤0〜25質量部となるように配合した。この皮膜形成用水性組成物を用いて、実験例1と同様の方法により樹脂塗装鋼板を作製した。得られた樹脂塗装鋼板について、耐食性、塗装性について評価した結果を表3にまとめた。皮膜形成用水性組成物の安定性も併せて表3に示した。
ポリウレタン樹脂水性分散液1に、無機充填材(球状シリカ:鱗片状シリカ(質量比)=80:20)、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403)を添加し樹脂皮膜形成用水性組成物を調製し、表4に示す如く球状シリカ(日産化学工業社製)と鱗片状シリカ(桐海化学社製)の平均粒子径の影響について検討した。
ポリウレタン樹脂水性分散液1に、無機充填剤(球状シリカ:日産化学工業社製スノーテックスST−40、平均粒子径10〜20nm、鱗片状シリカ:桐海化学社製サンランブリーHN−020、平均粒子径0.2μm)、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403)を添加し樹脂皮膜形成用水性組成物を調製し、表5に示す如く無機充填剤中の球状シリカと鱗片状シリカの配合比について検討した。尚、各成分の配合比は、固形分換算で、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂40質量部、無機充填剤60質量部、シランカップリング剤15質量部となるように配合した。
ポリウレタン樹脂水性分散液1に、無機充填材(無定形シリカ:鱗片状シリカ(質量比)=80:20)、表6に示したシランカップリング剤を添加し樹脂皮膜形成用水性組成物を調製した。尚、無定形シリカ、鱗片状シリカ、及び、シランカップリング剤としては、実験例1と同一のものを使用し、各成分の配合比は、固形分換算で、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂40質量部、無機充填材60質量部、シランカップリング剤15質量部となるように配合した。この皮膜形成用水性組成物を用いて、実験例1と同様の方法により樹脂塗装鋼板を作製した。得られた樹脂塗装鋼板の耐食性、耐黒化性、及び、耐アブレージョン性について評価した結果を表6にまとめた。
ポリウレタン樹脂水性分散液1に、無機充填材(無定形シリカ:鱗片状シリカ(質量比)=80:20)、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを添加し樹脂皮膜形成用水性組成物を調製した。尚、無定形シリカ、鱗片状シリカ、シランカップリング剤としては、実験例1と同一のものを使用し、各成分の配合比は、固形分換算で、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂40質量部、無機充填材60質量部、シランカップリング剤15質量部となるように配合した。この皮膜形成用水性組成物を用いて、鋼板への付着量が0.01〜2.0g/m2となるように樹脂皮膜を形成した以外は、実験例1と同様の方法により樹脂塗装鋼板を作製した。得られた樹脂塗装鋼板について、耐食性、耐黒化性、及び、耐アブレージョン性について評価した結果を表7にまとめた。
Claims (9)
- 樹脂皮膜が金属板に形成されている表面処理金属板であって、
前記樹脂皮膜は、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂、シランカップリング剤、及び、無機充填剤を含む皮膜形成用組成物から形成され、
前記無機充填剤は、無定形シリカと鱗片状シリカとの混合物であり、
前記ポリウレタン樹脂は、ウレタンプレポリマーを鎖延長剤で鎖延長反応して得られるものであって、前記ウレタンプレポリマーを構成するポリイソシアネート成分として、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートおよびジシクロヘキシルメタンジイソシアネートよりなる群から選択される少なくとも1種を必須的に使用し、
前記ウレタンプレポリマーを構成するポリオール成分として、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエーテルポリオール、及び、カルボキシル基を有するポリオールの全てを必須的に使用するものであることを特徴とする表面処理金属板。 - 前記無定形シリカの平均粒子径は1〜20nmであり、前記鱗片状シリカの平均粒子径は、0.1〜1μmである請求項1に記載の表面処理金属板。
- 前記無機充填剤中における無定形シリカと鱗片状シリカとの混合比率は、無定形シリカ:鱗片状シリカ(質量比)=95:5〜5:95である請求項1又は2に記載の表面処理金属板。
- 前記皮膜形成用組成物の各成分の含有量は、
カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂:5〜75質量部;
無機充填剤:25〜95質量部(但し、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂と無機充填剤との合計量は100質量部とする);及び
シランカップリング剤:3〜20質量部である請求項1〜3のいずれかに記載の表面処理金属板。 - 前記樹脂皮膜の付着量は、0.05〜1g/m2である請求項1〜4のいずれかに記載の表面処理金属板。
- 前記鎖延長剤としては、エチレンジアミンまたはヒドラジンを使用するものである請求項1〜5のいずれかに記載の表面処理金属板。
- 前記1,4−シクロヘキサンジメタノールと前記ポリエーテルポリオールの質量比が1,4−シクロヘキサンジメタノール:ポリエーテルポリオール=50:50〜5:95である請求項1〜6のいずれかに記載の表面処理金属板。
- 前記ポリエーテルポリオールは、ポリオキシプロピレングリコール又はポリテトラメチレンエーテルグリコールである請求項1〜7のいずれかに記載の表面処理金属板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003423407A JP4163609B2 (ja) | 2003-12-19 | 2003-12-19 | 表面処理金属板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003423407A JP4163609B2 (ja) | 2003-12-19 | 2003-12-19 | 表面処理金属板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005178213A JP2005178213A (ja) | 2005-07-07 |
JP4163609B2 true JP4163609B2 (ja) | 2008-10-08 |
Family
ID=34783952
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003423407A Expired - Fee Related JP4163609B2 (ja) | 2003-12-19 | 2003-12-19 | 表面処理金属板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4163609B2 (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4551837B2 (ja) * | 2005-08-05 | 2010-09-29 | 株式会社神戸製鋼所 | 樹脂塗装金属板 |
JP4818659B2 (ja) * | 2005-08-08 | 2011-11-16 | いすゞ自動車株式会社 | 内燃機関の燃焼室用摺動部材及びその製造方法 |
JP4551838B2 (ja) * | 2005-08-09 | 2010-09-29 | 株式会社神戸製鋼所 | 樹脂塗装金属板 |
JP4551847B2 (ja) * | 2005-09-09 | 2010-09-29 | 株式会社神戸製鋼所 | 樹脂塗装金属板 |
CN102630199B (zh) * | 2009-11-26 | 2016-02-24 | 杰富意钢铁株式会社 | 镀锌系钢板 |
JP5750852B2 (ja) | 2010-09-29 | 2015-07-22 | Jfeスチール株式会社 | 冷延鋼板 |
JP5838542B2 (ja) | 2010-09-29 | 2016-01-06 | Jfeスチール株式会社 | 冷延鋼板の製造方法 |
JP6936706B2 (ja) * | 2017-11-13 | 2021-09-22 | 日本ペイント・サーフケミカルズ株式会社 | 防錆コーティング用水性樹脂組成物の製造方法及び防錆コーティング用水性樹脂組成物、並びに防錆処理方法及び防錆処理金属材 |
JP2021066932A (ja) * | 2019-10-24 | 2021-04-30 | 株式会社放電精密加工研究所 | 表面被覆金属部材、それに用いる水性防錆表面処理組成物、およびその製造方法 |
CN112401488B (zh) * | 2020-12-16 | 2023-01-10 | 朱粒萍 | 一种多功能防水课桌 |
CN114231154A (zh) * | 2021-12-20 | 2022-03-25 | 蓝帆新材料技术(广州)有限公司 | 一种外交联的镀锌钢板用无铬耐指纹涂料 |
CN114350239A (zh) * | 2021-12-20 | 2022-04-15 | 侯伟 | 一种用于卷钢的无铬耐指纹表面处理剂 |
-
2003
- 2003-12-19 JP JP2003423407A patent/JP4163609B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005178213A (ja) | 2005-07-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI266656B (en) | Surface treated metal sheet | |
JP4159998B2 (ja) | 表面処理金属板 | |
JP5478588B2 (ja) | 耐食性及び導電性に優れた表面処理金属板 | |
JP4163609B2 (ja) | 表面処理金属板 | |
JP5529372B2 (ja) | 金属表面処理組成物 | |
JP4184991B2 (ja) | 表面処理金属板 | |
JP4478056B2 (ja) | 樹脂塗装金属板 | |
JP4551847B2 (ja) | 樹脂塗装金属板 | |
CN111971170B (zh) | 涂装镀锌钢板 | |
JP4551838B2 (ja) | 樹脂塗装金属板 | |
JP4478054B2 (ja) | 樹脂塗装金属板 | |
JP4397073B2 (ja) | プレス加工性および溶接性に優れた潤滑皮膜を形成可能な塗料組成物およびこの組成物を使用した潤滑表面処理鋼板 | |
JP5133477B2 (ja) | 樹脂エマルション組成物 | |
JP4246054B2 (ja) | シクロヘキサンジメタノールを用いた防錆用水系ポリウレタン樹脂 | |
JP7235556B2 (ja) | 塗装亜鉛めっき鋼板 | |
CN111902568B (zh) | 涂装镀锌钢板 | |
KR102431941B1 (ko) | 도장 아연도금 강판 | |
JP2019173125A (ja) | 塗装亜鉛めっき鋼板 | |
WO2019188237A1 (ja) | 塗装亜鉛めっき鋼板 | |
WO2019188461A1 (ja) | 塗装亜鉛めっき鋼板 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051221 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080722 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080724 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4163609 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130801 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |