JP4163320B2 - レーザ穴あけ加工装置用のデスミア方法及びデスミア装置 - Google Patents

レーザ穴あけ加工装置用のデスミア方法及びデスミア装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光を用いてプリント配線基板、特に多層プリント配線基板にバイアホールを形成するレーザ穴あけ加工装置に内蔵あるいは組み合わされて、バイアホールに残留する残渣成分を除去するためのデスミア方法及びデスミア装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の小型化、高密度実装化に伴う、プリント配線基板の高密度化の要求に応えて、近年、複数のプリント配線基板を積層した多層プリント配線基板が登場してきた。このような多層プリント配線基板では、上下に積層されたプリント配線基板間で導電層(銅基板)同士を電気的に接続する必要がある。このような接続は、プリント配線基板の樹脂層(ポリイミド、エポキシ系樹脂等のポリマー)に、下層の導電層に達するバイアホールと呼ばれる穴を形成し、その穴の内部にメッキを施すことによって実現される。
【0003】
バイアホールを形成する方法として、以前は、機械的な微細ドリルが用いられていた。しかし、プリント配線基板の高密度化に伴うバイアホールの径の縮小に伴い、最近では微細ドリルに代えてレーザ光を利用したレーザ穴あけ加工装置が採用されるようになってきた。
【0004】
例えば、炭酸ガスレーザやYAGレーザを用いてバイアホールを形成するレーザ穴あけ加工装置は良く知られており、安価で高速加工が可能であるという利点がある。しかしながら、このようなレーザ穴あけ加工装置で形成されたバイアホールは、樹脂層に形成した穴の底面、すなわち露出させようとする導電層の表面の一部または全面に薄い(ポリイミド、エポキシ系樹脂では厚さ1μm以下)残渣成分(スミアと呼ばれる)が残ってしまうという問題点がある。
【0005】
この残渣成分は、この後さらに同じレーザ光を照射しても完全に除去することはできない。これは、レーザ光をさらに照射して残渣成分を蒸発させようとしても、このとき周囲の樹脂が溶出して(導電層は銅であることが多く、熱の拡散が速いため)新たな残渣成分を形成してしまうためと思われる。
【0006】
これに対し、最近、穴あけ加工用のレーザ発振器とは別に、残査成分除去(以下、デスミアと呼ぶ)用のレーザ発振器を用意し、穴あけ加工後のバイアホールにデスミア用のレーザ光を照射してデスミアを行うデスミア装置が本発明者らにより提案されている。これを図6を参照して説明する。
【0007】
図6において、デスミア装置は、あらかじめ定められた波長ωを持つレーザ光を発生するレーザ発振器51と、レーザ発振器51で発生されたレーザ光から波長ωの成分と第2高調波2ωの成分とを生成し、同一のレーザ光として出射するSHG(Second Harmonic Generator)素子52と、SHG素子52から出射されたレーザ光を波長ωのレーザ光と第2高調波2ωのレーザ光とに分離する波長分離器53とを備えている。本装置では、第2高調波2ωのレーザ光のみがデスミアに使用される。このため、波長分離器53からの第2高調波2ωのレーザ光は反射ミラー54を経由して出射光学系(図示省略)に導かれる。
【0008】
なお、レーザ発振器51としては、例えばYAGあるいはYLFパルスレーザ発振器が用いられる。また、波長分離器53は、例えば波長ωのレーザ光を透過し、第2高調波2ωのレーザ光を反射するミラーが使用される。更に、出射光学系には通常、レーザ光を所望の位置に振らせるためのスキャン手段、例えばガルバノスキャナが含まれる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
いずれにしても、上記の提案によるデスミア装置では、第2高調波2ωのレーザ光のみを使用しているので、エネルギーロスが大きいという問題がある。すなわち、レーザ発振器51から出射されるレーザ光の持つエネルギーを100とすると、SHG素子52でのエネルギーロスを考慮して、波長分離器53を出た波長ωのレーザ光の持つエネルギーは約50、第2高調波2ωのレーザ光の持つエネルギーは約30である。これは、レーザ発振器51におけるレーザ出力の約30(%)しかデスミアに利用できないことを意味する。
【0010】
そこで、本発明の課題は、レーザ発振器のレーザ出力を有効に利用できるエネルギー効率の高いデスミア方法を提供することにある。
【0011】
本発明の他の課題は、上記のデスミア方法に適したデスミア装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、穴あけ加工用のレーザ光を、ワークにおける金属膜上に形成された樹脂層に照射することにより形成されたバイアホールに残留する残査成分を除去するためのデスミア方法において、あらかじめ定められた波長ωを持つレーザ光を発生するレーザ発振器からのレーザ光から、前記波長ωの第1の成分と第2高調波2ωの第2の成分とを生成し、前記生成された波長ωの第1の成分と第2高調波2ωの第2の成分とを光学経路において分離し、分離された前記第2高調波2ωの第2の成分から該第2高調波2ωの第3の成分と第3高調波3ωの第4の成分とを生成し、分離された前記波長ωの第1の成分から前記波長ωの第5の成分と前記第2高調波2ωの第6の成分とを生成し、前記生成された波長ωの第5の成分と前記第2高調波2ωの第6の成分とを光学経路において分離し、分離された前記第2高調波2ωの第6の成分から該第2高調波2ωの第7の成分と前記第3高調波3ωの第8の成分とを生成し、分離された前記波長ωの第5の成分から前記波長ωの第9の成分と前記第2高調波2ωの第10の成分とを生成し、前記生成された波長ωの第9の成分と前記第2高調波2ωの第10の成分とを光学経路において分離し、分離された前記第2高調波2ωの第10の成分から該第2高調波2ωの第11の成分と前記第3高調波3ωの第12の成分とを生成し、生成された第2高調波2ωの前記第3の成分、前記第7の成分、前記第11の成分と生成された第3高調波3ωの前記第4の成分、前記第8の成分、前記第12の成分とを含むレーザ光を前記バイアホールに照射することによりデスミアを行うことを特徴とする。
【0013】
本発明によればまた、穴あけ加工用のレーザ光を、ワークにおける金属膜上に形成された樹脂層に照射することにより形成されたバイアホールに残留する残査成分を除去するためのデスミア方法において、デスミア用のレーザ発振器として、基本波長ωの第2高調波2ωの成分を持つレーザ光を発生するレーザ発振器を用い、前記第2高調波2ωのレーザ光から該第2高調波2ωの成分と第3高調波3ωの成分とを生成し、前記第2高調波2ωの成分と前記第3高調波3ωの成分とを含むレーザ光を前記バイアホールに照射することによりデスミアを行うことを特徴とするレーザ穴あけ加工装置用のデスミア方法が提供される。
【0014】
本発明によれば更に、穴あけ加工用のレーザ光を、ワークにおける金属膜上に形成された樹脂層に照射することにより形成されたバイアホールに残留する残査成分を除去するためのデスミア装置において、あらかじめ定められた波長ωを持つレーザ光を発生するレーザ発振器からのレーザ光から、前記波長ωの第1の成分と第2高調波2ωの第2の成分とを生成する第1の光学系と、前記生成された波長ωの第1の成分と第2高調波2ωの第2の成分とを光学経路において分離する第1の波長分離系と、分離された前記第2高調波2ωの第2の成分から該第2高調波2ωの第3の成分と第3高調波3ωの第4の成分とを生成する第2の光学系と、分離された前記波長ωの第1の成分から前記波長ωの第5の成分と前記第2高調波2ωの第6の成分とを生成する第3の光学系と、前記生成された波長ωの第5の成分と前記第2高調波2ωの第6の成分とを光学経路において分離する第2の波長分離系と、分離された前記第2高調波2ωの第6の成分から該第2高調波2ωの第7の成分と前記第3高調波3ωの第8の成分とを生成する第4の光学系と、分離された前記波長ωの第5の成分から前記波長ωの第9の成分と前記第2高調波2ωの第10の成分とを生成する第5の光学系と、前記生成された波長ωの第9の成分と前記第2高調波2ωの第10の成分とを光学経路において分離する第3の波長分離系と、分離された前記第2高調波2ωの第10の成分から該第2高調波2ωの第11の成分と前記第3高調波3ωの第12の成分とを生成する第6の光学系と、生成された第2高調波2ωの前記第3の成分、前記第7の成分、前記第11の成分と生成された第3高調波3ωの前記第4の成分、前記第8の成分、前記第12の成分とを合成する合成光学系と、前記合成光学系から出射されたレーザ光を前記バイアホールに照射する照射系とを備えたことを特徴とするレーザ穴あけ加工装置用のデスミア装置が提供される。
【0015】
なお、上記のデスミア装置においては、前記レーザ発振器として、Nd:YAGまたはNd:YLFあるいはNd:YAPもしくはNd:YVO4 パルスレーザ発振器を用いることが好ましい。
【0016】
本発明によれば更に、穴あけ加工用のレーザ光を、ワークにおける金属膜上に形成された樹脂層に照射することにより形成されたバイアホールに残留する残査成分を除去するためのデスミア装置において、デスミア用のレーザ発振器として、基本波長ωの第2高調波2ωの成分を持つレーザ光を発生するレーザ発振器を備え、前記第2高調波2ωのレーザ光から該第2高調波2ωの成分と第3高調波3ωの成分とを生成する光学系と、前記光学系から出射されたレーザ光を前記バイアホールに照射する照射系とを更に備えたことを特徴とするレーザ穴あけ加工装置用のデスミア装置が提供される。
【0017】
また、上記の方法及び装置のいずれにおいても、前記レーザ発振器からのレーザ光は、1〜50(nsec)のパルス幅を持つことが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態の説明に入る前に、本発明によるデスミア装置が内蔵あるいは組み合わされるレーザ穴あけ加工装置について図5を参照して説明する。図5において、CO2 (炭酸ガス)レーザによるレーザ発振器40で発生されたパルス状のレーザ光は、反射ミラー41により90°角度を変えてマスク43に導かれる。マスク43では、ビアホール径を規定する穴を通過することによって、レーザ光のビーム径が絞り込まれてX−Yスキャナ(ガルバノスキャナとも呼ばれる)44に導かれる。X−Yスキャナ44はレーザ光を振らせるためのものであり、振られたレーザ光は焦点合わせ用レンズとして作用しfθレンズとも呼ばれる加工レンズ45を通してX−Yステージ46上におかれたワーク(プリント配線基板)47に照射される。X−Yステージ46はX軸方向の駆動機構とY軸方向の駆動機構とを有して、ワーク47をX−Y平面上で移動させて位置調整することができる。
【0019】
なお、CO2 レーザによるレーザ光の場合、1つのバイアホール当たりパルス状のレーザ光を数回(通常2〜3回)照射することで直径約100(μm)前後の穴あけが行われる。また、通常、X−Yスキャナ44による走査範囲は数cm四方の領域であるが、ワーク47の大きさは、通常、50(cm)×60(cm)程度の大きさを持つ。このため、ワーク47にはX−Yスキャナ44の走査範囲により決まる領域が加工領域としてマトリクス状に設定される。そして、レーザ穴あけ加工装置は、加工領域に複数の穴あけ加工を行い、ある加工領域の穴あけ加工が終了したら、次の加工領域に移動して同じパターンの穴あけ加工を行う。次の加工領域への移動は、通常、X−Yステージ46により行われる。
【0020】
本発明によるデスミア装置は、上記のようなレーザ穴あけ加工装置に内蔵あるいは組み合わされるが、特にレーザ発振器のタイプによる制約を受けることは無い。
【0021】
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。このデスミア装置は、図5で説明したレーザ穴あけ加工装置により形成されたワーク47のバイアホールに残留する残渣成分を除去するためのものであり、残渣成分を除去するために必要なあらかじめ定められた波長ωを持つレーザ光を発生するためのレーザ発振器10を有する。
【0022】
SHG素子11(第1の光学系)は、レーザ発振器10からのレーザ光から、波長ωの第1の成分と第2高調波2ωの第2の成分とを生成して出射する。
【0023】
波長分離器12(第1の波長分離系)は、生成された波長ωの第1の成分と第2高調波2ωの第2の成分とを光学経路において分離する。
【0024】
THG(Third Harmonic Generator)素子13(第2の光学系)は、波長分離器12で分離された第2高調波2ωの第2の成分を反射ミラー14を介して受け、この第2高調波2ωの第2の成分から第2高調波2ωの第3の成分と第3高調波3ωの第4の成分とを生成して出射する。
【0025】
SHG素子15(第3の光学系)は、分離された波長ωの第1の成分から波長ωの第5の成分と第2高調波2ωの第6の成分とを生成して出射する。
【0026】
波長分離器16(第2の波長分離系)は、生成された波長ωの第5の成分と第2高調波2ωの第6の成分とを光学経路において分離する。
【0027】
THG素子17(第4の光学系)は、波長分離器16で分離された第2高調波2ωの第2の成分を反射ミラー18を介して受け、分離された第2高調波2ωの第6の成分から第2高調波2ωの第7の成分と第3高調波3ωの第8の成分とを生成して出射する。
【0028】
SHG素子19(第5の光学系)は、分離された波長ωの第5の成分から波長ωの第9の成分と第2高調波2ωの第10の成分とを生成して出射する。
【0029】
波長分離器20(第3の波長分離系)は、生成された波長ωの第9の成分と第2高調波2ωの第10の成分とを光学経路において分離する。
【0030】
THG素子21(第6の光学系)は、分離された第2高調波2ωの第10の成分から第2高調波2ωの第11の成分と第3高調波3ωの第12の成分とを生成して出射する。
【0031】
合成光学系22は、生成された第2高調波2ωの前記第3の成分、前記第7の成分、前記第11の成分と、生成された第3高調波3ωの前記第4の成分、前記第8の成分、前記第12の成分とを合成して出射する。
【0032】
合成光学系22から出射されたレーザ光は、均一光学系23により均一なエネルギー密度分布を持つビームに変換される。
【0033】
均一光学系23からのビームは図示しない照射系により前記のワークにおけるバイアホールに照射される。照射系は、図5で説明したようなX−Yスキャナを含んでいる。
【0034】
SHG素子11、15、19は、図6におけるものと同じで周知である。THG素子13、17、21は、SHG素子とは生成する波長が異なるのみで機能的には同じである。また、波長分離器12、16、20も、図6において説明したような波長分離器53と同様である。合成光学系22も、周知の光合成手段を利用することができる。例えば、図2に示すように、上下あるいは左右方向から2つのレーザ光を受け、これらのレーザ光を同じ方向に反射するミラー22−1を2段構成にすれば良い。これとは別に、特願平10−317848号にて提案されているような光合成方法を使用しても良い。
【0035】
一方、均一光学系23も周知であるが、図3(a)を参照して、ここではビームエキスパンダとして作用する凹レンズ23−1及び凸レンズ22−2と、レーザビームのエネルギー密度分布を照射面全域にわたって均一にするレンズ22−3とを含んでいる。レンズ22−3は、断面円形の上下方向の部分をカットするためのレンズ22−3aと左右方向の部分をカットするためのレンズ22−3bとから成る。図3(b)は、図3(a)のレンズ22−3を上方向から見た図である。このような均一光学系23によれば、出射されたレーザビームの断面形状が正方形に拡大され、しかもその断面におけるビームプロファイルは、図3(c)に示されるように、ほぼ全域にピーク値を持つエネルギー密度分布となる。このようなレーザビームを使用してワークに対して全面スキャニングあるいは部分スキャニングを行うことにより、前述した約100(μm)前後の径の穴が多数隣接して形成されている場合には、複数個の穴を一括してデスミア処理することができる。
【0036】
特に、本形態においては、第2高調波2ω成分のみならず、第3高調波3ω成分をも含むレーザ光でデスミアを行うことにより、レーザ発振器10のレーザ出力の約42(%)を利用することができる。これは、レーザ発振器10のレーザ出力を100とした場合、各SHG素子における損失を図6において説明したように、約20(%)とし、波長ω成分が約50(%)、波長2ω成分が約30(%)の割合で生成されるものとし、各THG素子においても損失を約20(%)とし、波長2ω成分が約50(%)、波長3ω成分が約30(%)の割合で生成されることを前提としている。その結果、生成された第2高調波2ωの第3の成分の出力は15(%)、第7の成分は7.5(%)、第11の成分は3.75(%)であり、生成された第3高調波3ωの第4の成分は9(%)、第8の成分は4.5(%)、第12の成分は2.25(%)となるからである。
【0037】
その結果、図6で説明したような第2高調波2ω成分のみでデスミアを行う場合に比べて、エネルギー効率は約(4.2/3)倍となり、大面積の照射も可能となるので、タクトタイムも約(4.2/3)倍に向上する。
【0038】
なお、レーザ発振器10としては、Nd:YAG、Nd:YLF、Nd:YAP、Nd:YVO4 の固体パルスレーザ発振器のいずれを使用しても良い。また、これらのレーザ発振器からのパルス状のレーザ光から波長532(nm)の第2高調波、波長266(nm)の第3高調波を得ることができる。更に言えば、レーザ発振器についてはQスイッチ付き固体レーザがあげられる。また、照射面でのエネルギー密度は、0.05〜2(J/cm2 )程度で良い。更に、今回のデスミ装置では、レーザ光として30(nsec)のパルス幅のものを用いた結果、200(nsec)幅のレーザ光の場合よりもデスミア効果が優れていることが確認されている。パルス幅の好ましい範囲は、約50〜1(nsec)である。
【0039】
図4を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図4において、このデスミア装置は、基本波長ωの第2高調波2ωの成分を持つレーザ光を発生するレーザ発振器30と、レーザ発振器30からの第2高調波2ωのレーザ光から第2高調波2ωの成分と第3高調波3ωの成分とを生成して出射するTHG素子31と、THG素子31から出射されたレーザ光を均一なエネルギー密度分布を持つビームに変換する均一光学系32と、図示しない照射系とを含む。
【0040】
第2高調波2ωの成分を持つレーザ光を発生するレーザ発振器30は、最近、米国のカントロ社から提供されている。THG素子31は、図1で説明したものと同じであり、均一光学系32も図3で説明したものと同じである。
【0041】
このようなデスミア装置においては、レーザ発振器30のレーザ出力を100とすると、THG素子31から出射される波長2ω、3ωのレーザ光の持つエネルギーはそれぞれ約50、約30である。その結果、本形態においては、第2高調波2ω成分のみならず、第3高調波3ω成分をも含むレーザ光でデスミアを行うことにより、レーザ発振器30のレーザ出力の約80(%)を利用することができる。その結果、図6で説明したような第2高調波2ω成分のみでデスミアを行う場合に比べて、エネルギー効率は約(8/3)倍となり、大面積の照射も可能となるので、タクトタイムも約(8/3)倍に向上する。特に、第3高調波3ω成分をも含むレーザ光でデスミアを行うことにより、第2高調波2ω成分のみでデスミアを行う場合に比べて、デスミアの効果も向上することが確認されている。
【0042】
以上説明したデスミア装置は、残渣成分の除去を必要とするすべてのレーザ穴あけ加工装置に適用可能であり、更には本発明者により提案されている特願平9−125422号に示されているような複数軸ガルバノスキャナを用いたレーザ加工装置にも適用され得る。
【0043】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、エネルギー効率が高く、タクトタイムも大幅に向上したデスミア装置を提供することが可能となり、デスミア処理をも含めた穴あけ加工に要する時間を大幅に短縮することができる。また、本発明によるデスミア装置は、既設のレーザ穴あけ加工装置にも容易に組み付けることができ、この場合には省スペース化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるデスミア装置の第1の実施の形態の構成を示した図である。
【図2】本発明に使用される合成光学系の一例を示した図である。
【図3】図1における均一光学系の構成(図(a)、図(b))及びこれにより得られるレーザビームの断面におけるエネルギー密度分布(図(c))を示した図である。
【図4】本発明によるデスミア装置の第2の実施の形態の構成を示した図である。
【図5】本発明が組合わされるレーザ穴あけ加工装置の一例の構成を示す図である。
【図6】本発明者らにより提案されているデスミア装置の構成を示した図である。
【符号の説明】
10、30、40、51 レーザ発振器
11、15、19 SHG素子
12、16、20、53 波長分離器
13、17、21、31 THG素子
14、18、、41、54 反射ミラー
23、32 均一光学系
22 合成光学系
44 X−Yスキャナ
45 加工レンズ
46 X−Yステージ
47 ワーク

Claims (7)

  1. 穴あけ加工用のレーザ光を、ワークにおける金属膜上に形成された樹脂層に照射することにより形成されたバイアホールに残留する残査成分を除去するためのデスミア方法において、
    あらかじめ定められた波長ωを持つレーザ光を発生するレーザ発振器からのレーザ光から、前記波長ωの第1の成分と第2高調波2ωの第2の成分とを生成し、
    前記生成された波長ωの第1の成分と第2高調波2ωの第2の成分とを光学経路において分離し、
    分離された前記第2高調波2ωの第2の成分から該第2高調波2ωの第3の成分と第3高調波3ωの第4の成分とを生成し、
    分離された前記波長ωの第1の成分から前記波長ωの第5の成分と前記第2高調波2ωの第6の成分とを生成し、
    前記生成された波長ωの第5の成分と前記第2高調波2ωの第6の成分とを光学経路において分離し、
    分離された前記第2高調波2ωの第6の成分から該第2高調波2ωの第7の成分と前記第3高調波3ωの第8の成分とを生成し、
    分離された前記波長ωの第5の成分から前記波長ωの第9の成分と前記第2高調波2ωの第10の成分とを生成し、
    前記生成された波長ωの第9の成分と前記第2高調波2ωの第10の成分とを光学経路において分離し、
    分離された前記第2高調波2ωの第10の成分から該第2高調波2ωの第11の成分と前記第3高調波3ωの第12の成分とを生成し、
    生成された第2高調波2ωの前記第3の成分、前記第7の成分、前記第11の成分と生成された第3高調波3ωの前記第4の成分、前記第8の成分、前記第12の成分とを含むレーザ光を前記バイアホールに照射することによりデスミアを行うことを特徴とするレーザ穴あけ加工装置用のデスミア方法。
  2. 穴あけ加工用のレーザ光を、ワークにおける金属膜上に形成された樹脂層に照射することにより形成されたバイアホールに残留する残査成分を除去するためのデスミア方法において、
    デスミア用のレーザ発振器として、基本波長ωの第2高調波2ωの成分を持つレーザ光を発生するレーザ発振器を用い、
    前記第2高調波2ωのレーザ光から該第2高調波2ωの成分と第3高調波3ωの成分とを生成し、
    前記第2高調波2ωの成分と前記第3高調波3ωの成分とを含むレーザ光を前記バイアホールに照射することによりデスミアを行うことを特徴とするレーザ穴あけ加工装置用のデスミア方法。
  3. 請求項1あるいは2記載のデスミア方法において、前記レーザ発振器からのレーザ光は、1〜50(nsec)のパルス幅を持つことを特徴とするレーザ穴あけ加工装置用のデスミア方法。
  4. 穴あけ加工用のレーザ光を、ワークにおける金属膜上に形成された樹脂層に照射することにより形成されたバイアホールに残留する残査成分を除去するためのデスミア装置において、
    あらかじめ定められた波長ωを持つレーザ光を発生するレーザ発振器からのレーザ光から、前記波長ωの第1の成分と第2高調波2ωの第2の成分とを生成する第1の光学系と、
    前記生成された波長ωの第1の成分と第2高調波2ωの第2の成分とを光学経路において分離する第1の波長分離系と、
    分離された前記第2高調波2ωの第2の成分から該第2高調波2ωの第3の成分と第3高調波3ωの第4の成分とを生成する第2の光学系と、
    分離された前記波長ωの第1の成分から前記波長ωの第5の成分と前記第2高調波2ωの第6の成分とを生成する第3の光学系と、
    前記生成された波長ωの第5の成分と前記第2高調波2ωの第6の成分とを光学経路において分離する第2の波長分離系と、
    分離された前記第2高調波2ωの第6の成分から該第2高調波2ωの第7の成分と前記第3高調波3ωの第8の成分とを生成する第4の光学系と、
    分離された前記波長ωの第5の成分から前記波長ωの第9の成分と前記第2高調波2ωの第10の成分とを生成する第5の光学系と、
    前記生成された波長ωの第9の成分と前記第2高調波2ωの第10の成分とを光学経路において分離する第3の波長分離系と、
    分離された前記第2高調波2ωの第10の成分から該第2高調波2ωの第11の成分と前記第3高調波3ωの第12の成分とを生成する第6の光学系と、
    生成された第2高調波2ωの前記第3の成分、前記第7の成分、前記第11の成分と生成された第3高調波3ωの前記第4の成分、前記第8の成分、前記第12の成分とを合成する合成光学系と、
    前記合成光学系から出射されたレーザ光を前記バイアホールに照射する照射系とを備えたことを特徴とするレーザ穴あけ加工装置用のデスミア装置。
  5. 請求項4記載のデスミア装置において、前記レーザ発振器として、YAGまたはYLFあるいはYAPもしくはYVO4 パルスレーザ発振器を用いることを特徴とするレーザ穴あけ加工装置用のデスミア装置。
  6. 穴あけ加工用のレーザ光を、ワークにおける金属膜上に形成された樹脂層に照射することにより形成されたバイアホールに残留する残査成分を除去するためのデスミア装置において、
    デスミア用のレーザ発振器として、基本波長ωの第2高調波2ωの成分を持つレーザ光を発生するレーザ発振器を備え、
    前記第2高調波2ωのレーザ光から該第2高調波2ωの成分と第3高調波3ωの成分とを生成する光学系と、
    前記光学系から出射されたレーザ光を前記バイアホールに照射する照射系とを更に備えたことを特徴とするレーザ穴あけ加工装置用のデスミア装置。
  7. 請求項4あるいは6記載のデスミア装置において、前記レーザ発振器からのレーザ光は、1〜50(nsec)のパルス幅を持つことを特徴とするレーザ穴あけ加工装置用のデスミア装置。
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