JP4162851B2 - 雑音キャンセル回路及び直交ダウンコンバータ - Google Patents

雑音キャンセル回路及び直交ダウンコンバータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信に関する。より具体的には、本発明は新規かつ改良された雑音キャンセル回路及び直交ダウンコンバータに関する。
【0002】
【従来の技術】
多くの現代の通信システムでは、改良された能率及び送信誤りの検出及び訂正の能力のため、デジタル送信が利用されている。代表的なデジタル送信方式は、2相PSK(BPSK)、1/4PSK(QPSK)、オフセット1/4PSK(OQPSK)、m相(m-ary phase)PSK(m−PSK)、直交振幅復調(QAM)を含む。デジタル送信を利用した代表的な通信システムは、符号分割多重接続(CDMA)通信システム及び高精細テレビ(HDTV)システムを含む。多重接続通信システムにおけるCDMA技術の利用は、“衛星又は地上中継器を用いるスペクトル拡散多元接続通信システム”と題する米国特許第4,901,307号及び“CDMAセルラ電話システムにおいて信号波形を発生させるためのシステム及びその発生方法”と題する米国特許第5,103,459号に開示されており、本発明の譲受人に譲渡されており、参考のためにここに組み込まれている。代表的なHDTVシステムは、米国特許番号第5,542,104号、第5,107,345号及び第5,021,891号に開示され、すべて“適応ブロックサイズ画像圧縮方法及びシステム”と題され、また“相互フレームビデオエンコード及びデコードシステム”と題された米国特許番号第5,576,767号に開示され、これら4つすべての特許は本発明の譲受人に譲渡されており、参考のためにここに組み込まれている。
【0003】
CDMAシステムでは、基地局は1あるいはそれ以上の遠隔局と通信する。この基地局は一般に固定位置に配置される。従って、基地局の設計においては電力消費はあまり重要ではない。遠隔局は一般に、多くの量生産される消費者ユニットである。従って、多くのユニットが生産されるため、コスト及び安定性が重要な設計事項である。さらに、CDMA移動通信システムのようないくつかの応用においては、遠隔局の携帯性のため、電力消費は極めて重要である。動作、コスト及び電力消費の間のトレードオフは、通常遠隔局の設計において生じる。
【0004】
デジタル通信では、デジタル化されたデータが、上記列挙した方式の一つを利用した搬送正弦波を変調するのに用いられる。この変調された波形は、さらに処理され(例えばフィルタされ、増幅され、アップコンバートされる)、遠隔局に送信される。遠隔局では、送信されたRF信号が受信され、受信機で復調される。
【0005】
QPSK、OQPSK及びQAM信号の直交復調に用いられる従来の代表的なスーパーヘテロダイン受信機のブロック図を図1に示す。受信機100は基地局あるいは遠隔局で用いられ得る。受信機100内では、送信RF信号はアンテナ112で受信され、送受切換器114を介してルーティングされ、フロントエンド102に提供される。フロントエンド102内では、増幅器(AMP)116は信号を増幅し、この信号をバンドパスフィルタ118に提供する。バンドパスフィルタ118は信号をフィルタし、望ましくない影像及びスプリアス信号を除去する。このフィルタされたRF信号はミキサ120に提供される。ミキサ120はこの信号を局所オシレータ(LO1)122からの正弦波で中間周波数(IF)としてダウンコンバートする。ミキサ120からのこのIF信号はバンドパスフィルタ124でフィルタされ、自動利得制御(AGC)増幅器126により増幅される。AGC126はアナログデジタルコンバータ(ADC)140の入力において望ましい信号振幅を生成する。このゲイン制御信号は復調器104に提供される。復調器104内では、2つのミキサ128a及び128bは信号をベースバンドI及びQ信号に局所オシレータ(LO2)134及び位相シフタ136からそれぞれ提供された正弦波でダウンコンバートする。ベースバンドI及びQ信号はローパスフィルタ130a及び130bにそれぞれ提供され、ベースバンド信号の整合フィルタリング及び/又はアンチエイリアースフィルタリングを提供する。このフィルタされた信号はADC140a及び140bに提供され、信号がサンプルされ、デジタル化されたベースバンドサンプルが生成される。このサンプルは、さらなる処理(例えば誤り検出、誤り訂正及び逆圧縮)のため、ベースバンドプロセッサ150に提供され、送信データの再構築された推定(estimates)が生成される。
【0006】
ミキサ120での最初の周波数ダウンコンバートにより、受信機100は様々なRF周波数における信号を、より多くの信号処理が実行可能な固定IF周波数にダウンコンバートすることができる。この固定IF周波数により、バンドパスフィルタ124は表面弾性波(SAW)フィルタのような固定バンドパスフィルタとして実装され得、IF信号から望ましくない影像及びスプリアス信号を除去する。影像及びスプリアス信号の除去は、これらの信号は第2の周波数のダウンコンバート段における信号帯(例えば入力信号の存在する帯域)に折り畳まれ得るため、重要である。さらに、影像及びスプリアス信号は、信号の振幅を、その非線形性の結果としてのより高いレベルの中間生成物を生成可能な増幅器及びミキサのような様々な能動素子への信号の振幅を大きく増大させる。スプリアス信号及び中間生成物は、通信システムの動作においてデグラデーションを生じさせ得る。
【0007】
従来技術の直交復調は、いくつかの主要な欠点がある。第1に、バンドパスフィルタ124及び/又はローパスフィルタ130による必要なフィルタリングが複雑となり得ることである。これらフィルタは平坦な通過帯域、素子帯域における高度の減衰、転移帯域における鋭いロールオフを必要とする。これらフィルタはしばしばアナログ回路で実装される。アナログ回路の素子耐性は維持するのに困難で、これらフィルタの周波数応答で歪みが生じ得る。この受信機100の動作は、歪みの結果を低下させ得る。第2に、直交均衡は、位相スプリッタ136、ミキサ128、ローパスフィルタ130及びADC140の素子耐性のため、多くの生成ユニットで維持するのが困難である。これら2つの信号通路雑音れの不整合によっても、直交不均衡と受信機100の動作の低下を生じさせる。通路不整合により、I信号がQ信号に混信したり、逆も又同様である。この混信信号は望ましい信号における付加的な雑音として振る舞い、望ましい信号の検出が困難となる。そして第3に、ADC140は受信機100の動作の低下を以下に示す様々な理由により生じ得る。
【0008】
ほとんどの復調では、アナログ波形を連続的な時間で不連続なサンプルに均一に間のあいた時間期間で変換するのに1あるいはそれ以上のADCが必要となる。ADCのいくつかの重要な動作パラメータはダイナミックレンジ、線形性及びDCオフセットを有する。これらパラメータのそれぞれは通信システムの動作に影響を与え得る。ダイナミックレンジは受信機のビット誤りレート(BER)に影響を与え得る。というのも、ADCからの雑音はADCが適切に入力信号を検出する能力を低下させるからである。線形性は実際の転送曲線(例えばデジタル出力対アナログ入力)と理想的な転送曲線との間の差に関連する。良好な線形性は、ADCが増加するとビット数として得るのがより困難になる。線形性が悪いと、誤り検出/訂正処理を低下させ得る。最後に、DCオフセットは、受信機及びビタビデコーダのような誤り訂正デコーダにおける位相ロックループの動作を低下させ得る。
【0009】
従来技術では、瞬間(flash)ADCあるいは逐次近似ADCがベースバンド信号をサンプルするのに用いられる。瞬間ADC内では、入力信号はL−1個の比較器に提供される。ここで、L=2mで、mはADCにおけるビット数である。また、各比較器には比較電圧が提供される。L−1個の比較電圧はL個のレジスタからなる抵抗ラダー(ladder)により生成される。瞬間ADCは、L−1個の比較器とL個のレジスタが必要となるため、巨大で、高い電力を消費する。抵抗ラダーにおける抵抗が不整合の場合、瞬間ADCは線形性が悪く、DCオフセット特性が悪い。しかしながら、ADCはその高い動作速度のため良く利用される。
【0010】
逐次近似ADCはまた通信システムとしてよく利用される。これらADCは2あるいはそれ以上の段で入力信号を近似するため、複雑さが最小となる。しかしながら、これらADCはまた瞬間ADCのそれと同様に、悪い線形性とDCオフセットを示す。従って、瞬間ADC及び逐次近似ADCは多くの通信応用における使用の候補として理想的ではない。
【0011】
シグマ−デルタナログデジタルコンバータ(ΣΔADC)は、ΣΔADCの本質的な構造のため、瞬間及び逐次近似ADCよりも良い動作を有する。ΣΔADCは、予備サンプルが推定される前に、入力信号よりも多くの場合高いサンプリング周波数で、入力信号の変化において1ビット近似を連続的に行うことにより入力信号をアナログデジタル変換する。出力サンプルは入力信号及び量子化雑音からなる。しかしながら、ΣΔADCは、信号帯の量子化雑音が、フィルタが実行可能な帯域外周波数(あるいは雑音整形)に押し出されるように設計される。
【0012】
ΣΔADCは、その本質的な構造により、高いダイナミックレンジ、良い線形性、低いDCオフセットを提供する。例えば、高いダイナミックレンジは充分なサンプリング比率(OSR)及び適切な雑音整形フィルタ特性を選択することにより取得できる。サンプリング比率は入力の2サイドバンド幅により分割されるサンプリング周波数として定義される。また、よい線形性及び低いDCオフセットは、ΣΔADC内の簡単な1ビット量子化器により取得され得る。
【0013】
高いサンプリング比率が高い動作のために必要であるため、ΣΔADCは伝統的には、オーディオのような入力信号が低いバンド幅信号である応用に限定されていた。しかしながら、高速アナログ回路の出現により、ΣΔADCは高速で動作するように実装され得る。高速バンドパス及びベースバンドΣΔADCの設計及び実装は、“シグマ−デルタナログデジタルコンバータ”と題された1997年9月12日付の係属中米国特許出願第08/928,847号に詳細に開示され、本発明の譲受人に譲渡され、参考のためにここに組み込まれる。
【0014】
バンドパスΣΔADCは雑音整形されたIFサンプルを提供する。バンドパスサンプリングΣΔADCの場合、IFサンプルはフィルタされ、直交ダウンコンバートされてI及びQベースバンド出力を提供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は新規かつ改良された雑音キャンセル回路及び直交ダウンコンバータである。雑音キャンセル回路は少なくとも1つのバンドパスデシメータ及び加算器から構成される。この代表的な実施形態では、バンドパス多段雑音整形シグマ−デルタナログデジタルコンバータ(MASHΣΔADC)が、アナログ入力信号をサンプルするのに用いられ、MASHΣΔADC内の各ループは出力信号Yを提供する。各ループからの出力は対応するバンドパスデシメータに提供される。この代表的な実施形態では、各バンドパスデシメータは誤りキャンセルフィルタ、バンドパスフィルタ及びデシメータから構成される。バンドパスフィルタは誤りキャンセルフィルタからの信号をフィルタするのに用いられる。この代表的な実施形態では、フィルタされた信号はデシメータによりNでデシメートされる。すべてのバンドパスデシメータからの信号は互いに加算され、その結果としての出力はIFサンプルから構成される。
【0016】
直交ダウンコンバートの場合、IFサンプルは2つの乗算器に提供される。これら乗算器はIFサンプルを同相及び直交正弦波でそれぞれI及びQベースバンドサンプルにダウンコンバートする。ベースバンドサンプルはローパスフィルタされ、さらに量子化雑音及び望ましくない信号が除去される。
【0017】
本発明の目的は、回路の複雑さと電力消費を最小にする雑音キャンセル回路及びバンドパスフィルタを提供することにある。この代表的な実施形態では、誤りキャンセル回路の転送関数は転送関数の組に分解され、その一つはΣΔADCからの各出力信号に対する。各転送関数は誤りキャンセルフィルタに対応する。誤りキャンセルフィルタ及びバンドパスフィルタのそれぞれに対する転送関数は、バンドパスデシメータの転送関数を提供するために畳み込みされる。各バンドパスデシメータに対する畳み込みされた転送関数は、対応する誤りキャンセルフィルタ及びバンドパスフィルタの直接実装よりも少ないハードウェアで実装され得る。さらに、各バンドパスデシメータは、MASH ADCの対応するループからの1ビット信号Yで動作する。誤りキャンセルフィルタ及びバンドパスフィルタの直接実装では、バンドパスフィルタが誤りキャンセル回路からの多重ビット出力で動作する必要がある。加えて、バンドパスデシメータ内では、バンドパスデシメータがADCサンプリングクロックのたった1/Nの周波数で動作し、その結果電力消費が低減するように、Nによるデシメートが組み込まれ得る。
【0018】
本発明の他の目的は、回路の複雑さが減少した直交ダウンコンバータを提供することにある。この代表的な実施形態では、アナログ入力信号の中心周波数はfIF=0.25・(2n+1)・fADCである。ここで、nはゼロあるいはそれよりも大きな整数で、fADCはADCサンプリング周波数である。この中心周波数はアナログデジタルコンバートの後fC=0.25fADCにおける入力信号の影像を生成する。0.25fADCにおける影像の中心周波数を維持することにより、周波数ダウンコンバートを簡単化する。これは、ダウンコンバート正弦波cos(wCt)及びsin(wCt)は1,0及び−1の簡単な値をとるからである。この代表的な実施形態では、影像の周波数が0.25fSに維持されるようにNによるデシメートが選択される。ここで、fSはデシメートサンプルのサンプルレート(すなわちfS=fADC/N)である。これは、Nに対する奇数値(例えば3,5,7,9等)を選択することにより達成され得る。
【0019】
本発明の上述した、またさらなる特徴点、対象、及び利点は、図面を考慮すると、以下に示す本発明の実施形態の詳細な説明からさらに明らかになるであろう。図面では、同様の参照符号が同様であると識別される。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明は、アナログデジタルコンバータ(ADC)に関連して用いられ、新規かつ改良された雑音キャンセル回路及び直交ダウンコンバータである。特に、本発明は、前述の米国出願番号第PA447号に開示されたシグマ−デルタナログデジタルコンバータ(ΣΔADC)と組み合わせて用いられるように充分適合されている。雑音キャンセル回路及び直交ダウンコンバータを利用可能な代表的な応用は、CDMA通信システム及びHDTVシステムを含む。
【0021】
バンドパスサンプリングADCでは、ADCへの入力信号は、ベースバンドの代わりに中間周波数(IF)に中心周波数が配置される。IFでサンプリングすることにより、受信機内の周波数ダウンコンバート段を省くことができ、これにより、ハードウェア設計を簡単化され、安定性が改善される。ΣΔADCは上記従来の(例えばフラッシュ及び連続近似)ADCに対して多くの利点を提供する。ΣΔADC内の雑音波形器は、信号帯の周囲の量子化雑音が、フィルタリングがなされている帯域外(あるいは雑音波形の)に押し出されるように設計され得る。
【0022】
I.バンドパスサンプリング受信機
代表的なバンドパスサンプリング受信機のブロック図が図2に示される。受信機200は、BPSK、QPSK、OQPSK、QAM及び他のデジタル及びアナログの変調フォーマットを復調するのに用いられ得る。受信機200内では、送信されたRF信号はアンテナ212により受信され、送受切換器214でルーティングされ、フロントエンド202に提供される。フロントエンド202内では、増幅器(AMP)216はこの信号を増幅し、この増幅された信号をバンドパスフィルタ218に提供し、このバンドパスフィルタ218で好ましくない影像及びスプリアス信号を除去するために信号がフィルタリングされる。フィルタリングされた信号はミキサ220に提供される。ミキサ220はこの信号を局所オシレータ(LO1)222からの正弦曲線でIF周波数にダウンコンバートする。このミキサ220からのIF信号は、この信号をさらにフィルタリングするバンドパスフィルタ224に提供される。代表的な実施形態では、バンドパスフィルタ224は、表面弾性波フィルタ(SAW)であり、当該技術で知られたものにより実装される。このフィルタリングされた信号はバッファ(BUF)226に提供され、このBUF226によりその信号のゲイン及び/又はバッファリングが提供される。このバッファされた信号は復調器204に提供される。復調器204内では、ADC240は、CLK信号により決定される高いサンプリング周波数でバッファされた信号をサンプリングし、デジタル信号プロセッサ(DSP)250にそのサンプルを提供する。デジタル信号プロセッサ250は以下に詳細に説明される。
【0023】
QPSK、OQPSK及びQAMのような直交復調が必要な応用では、バンドパスADCが利用される。バンドパスADCは係属中米国出願第PA447号に記載されている手法によりバンドパスΣΔADCとして設計され実装され得る。
【0024】
代表的な2ループのバンドパスMASHΣΔADCのブロック図が図3に示される。ΣΔADCは、1ループあるいは2ループよりも多くからなるように設計され、利用され得、これは本発明の視野の範囲内である。MASH ADC240aは2ループ310a及び310b、フィードフォワード因子320及び誤りキャンセル回路350からなる。代表的な実施形態では、MASHADC240aはアナログADC入力を受信し、デジタルADC出力を生成する。このデジタルADC出力は、少なくともサンプル当たり2ビットを有し、各ループ310に対してサンプル当たり少なくとも1ビットを有する。
【0025】
ADC入力は、それに対する応答として、1ビットY1信号を生成するループ310aに提供される。ループ310aからの一部分のADC入力及び量子化雑音(X2)は、付加的な雑音整形がなされるループ310bに提供される。ループ310a及び310bからのY1及びY2信号はそれぞれ、誤りキャンセル回路350に提供される。誤りキャンセル回路350はY1及びY2信号を遅延させ、フィルタリングし、結合してADC出力を生成する。
【0026】
ループ310a内では、加算器312aはADC入力及び量子化器316aからのY1信号を受信し、ADC入力からY1を減算し、誤り信号を共振器314aに提供する。共振器314aはこの誤り信号をフィルタリングし、フィルタリングされた信号を加算器312bに提供する。この代表的な実施形態では、MASH ADC240a内の各共振器314は、バンドパス転送関数(kn・z-2)/(1+z-2)で実装される。ここで、knはループ310内のn番目の共振器314のゲインである。加算器312bはまた、量子化器316aからのY1を受信し、共振器314aからの誤り信号からY1を減算し、この誤り信号を、誤り信号をさらにフィルタリングする共振器314bに提供する。この減衰器314bからのフィルタリングされた信号は、それに応答して、1ビットY1信号を生成する量子化器316aに提供される。ループ310bはループ310aと同様の手法により接続される。
【0027】
共振器314bからのフィルタリングされた信号はまた、スケール因子a1でこの信号をスケールするゲイン素子322aに提供される。量子化器316aからのY1信号は、スケール因子a2によりY1をスケールするゲイン素子322bに提供される。ゲイン素子322a及び322bからの出力は、加算器324に提供される。加算器324は、ゲイン素子322bからの出力をゲイン素子322aからの出力から減算する。加算器324からのこの誤り信号は、ゲイン素子322cに提供される。ゲイン素子322cは、この誤り信号をスケール因子a3によりスケールする。ゲイン素子322cからの出力は、ループ310bから提供されたX2により構成される。
【0028】
誤りキャンセル回路350の代表的なブロック図は図4に示される。誤りキャンセル回路350内には、ループ310aからのY1信号は遅延素子412に提供される。遅延素子412は、ループ310bの処理遅延に等しい時間インターバルでY1を遅延させる。遅延素子412からの遅延されたY1信号は、Y2信号の時間に調整される。ループ310bからのY2信号は、ゲイン素子416に提供される。ゲイン素子416はスケール因子GでY2をスケールする。遅延されたY1信号はゲイン素子414に提供される。ゲイン素子414は、スケール因子(h−1)で遅延されたY1をスケールする。スケール因子G及び(h−1)はΣΔADC240aの雑音整形特性の一部分を決定する。この代表的な実施形態では、スケール因子はG=4、(h−1)=1に選択される。ゲイン素子414及び416からの出力は加算器418に提供される。加算器418はこの2つのスケールされた出力を加算する。この加算器418からの結合された信号はフィルタ420に提供される。フィルタ420は、この結合された信号を転送関数N(z)でフィルタする。フィルタ420の転送関数N(z)及び遅延素子412の遅延は、ΣΔADCの特性に基づいて選択される。この代表的な実施形態では、図3に示すようなMASH4−4バンドパスΣΔADC240aの場合、フィルタ420は転送関数N(z)=(1+z-22を有し、遅延素子412は転送関数D(z)=z-4を有する。フィルタ420及び遅延素子412に対する他の転送関数も利用可能であり、これは本発明の視野の範囲内である。fADC/4の周りに中心を有するバンドパスΣΔADCに対して、N(z)のすべての2次係数はゼロで、この特性は本発明の誤りキャンセル回路及びバンドパスフィルタの設計を簡単化するのに用いられる。フィルタ420からの出力及び遅延されたY1信号は、加算器422に提供される。加算器422はこれら2つの信号を加算し、ADC出力を生成する。
【0029】
上述した、遅延素子412に対する代表的な転送関数D(z)、フィルタ420に対する代表的な転送関数N(z)及び代表的なスケール因子G=4、(h−1)=1から、誤りキャンセル回路350に対する代表的な転送関数Y(z)は以下のように表される。
【0030】
Y(z)=ECY1(z)・Y1(z)+ECY2(z)・Y2(z)
=z-4(2+2z-2+z-4)・Y1(z)+4(1+2z-2+z-4)・Y2(z)
=[z-4Y1(z)]+[(1+2z-2+z-4)(z-4Y1(z)+4Y2(z)] (1)
等式(1)において、第1の括弧式は信号要素からなり、第2の括弧式は誤りキャンセル後の全量子化雑音からなる。注意すべきは、誤りキャンセル回路350の転送関数Y(z)は、Y1信号が、係数ECY1(z)を有する第1の有限インパルス応答(FIR)フィルタを通過し、Y2信号が、係数ECY2(z)を有する第2のFIRフィルタを通過し、これら2つのFIRフィルタの出力を加算したものとしてみなすことができる。FIRフィルタに対するこれら係数は以下のように示され得る。
【0031】
ECY1(z)=[0 0 0 0 2 0 2 0 1]
ECY2(z)=[1 0 2 0 1]・4 (2)
等式(2)から、誤りキャンセル回路350への入力が、それぞれ分解された1ビットを有するY1及びY2の2つの信号から構成されていても、誤りキャンセル回路350の出力は分解された5ビットからなり、0から21までの範囲を有することに注意すべきである。等式(1)から、この信号の振幅は増幅されないことに注意すべきである。しかしながら、量子化雑音は処理及び整形され、整形された帯域外量子化雑音にとって付加的な範囲が必要である。
【0032】
直交復調に用いられるデジタル信号プロセッサ250の代表的なブロック図は図5に示される。ADC240のADC出力は、バンドパスフィルタ512に提供される。バンドパスフィルタ512はこの信号をフィルタし、量子化雑音及び他のスプリアス信号を除去する。代表的な実施形態では、バンドパスフィルタ512は以下の転送関数を有する。
【0033】
BPF(z)=(1−z-2+z-4P (3)
ここで、Pはバンドパスフィルタ512の次数である。この等式(3)の転送関数は、fADC/12及び5fADC/12でゼロを提供し、fADC/4で最大ゲインを得る。この代表的な実施形態では、バンドパスフィルタ512の特性は上述のデシメータ514に関連して選択される。他のバンドパスフィルタ転送関数も利用可能であり、これは本発明の視野の範囲内である。
【0034】
誤りキャンセル回路350の後のバンドパスフィルタ512をこのように利用することにより多くの利点が得られる。この代表的な実施形態では、この受信した信号はADC240aによる変換後にfADC/4が中心周波数である。従って、バンドパスフィルタ512のこの振幅応答は、fADC/4周辺にパス帯域を提供するように設計され、バンドパスフィルタ512の転送関数はすべての他の係数に対してゼロからなる。このフィルタ係数特性は、等式(2)で示したような、誤りキャンセル回路350の同一特性で結合され得、誤りキャンセル回路350及びバンドパスフィルタ512のすべての設計を簡単化する。さらに、前述の通り、誤りキャンセル回路350からの出力は、分解された5ビットからなる。バンドパスフィルタ512を、必要な5ビット正確アリスメティック(5-bit precision arithmetic)で計算することにより、バンドパスフィルタ512が非常に複雑になる。この代表的な実施形態では、誤りキャンセル回路350及びバンドパスフィルタ512は、合成回路が1ビットのY1及びY2信号で直接動作するように結合される。最後に、バンドパスフィルタ512は、バンドパスフィルタ512が結果的に減少する後に、必要なダイナミックレンジADC240aからの量子化雑音の大部分を取り除く。
【0035】
バンドパスフィルタ512からのこのフィルタされた信号はデシメータ514に提供される。デシメータ514はNから1までの因子によりこの信号をデシメートする。ここで、Nはこの代表的な実施形態で奇数である。すべてのN入力サンプルに対して、デシメータ514は1つのサンプルを保持し、残りのN−1のサンプルを捨てる。デシメータ514からのこの出力は、IFサンプルからなり、乗算器518a及び518bに提供される。乗算器518a及び518bはIFサンプルを同相のcos(wct)及び直交sin(wct)でI及びQベースバンドサンプルでそれぞれダウンコンバートする。このI及びQベースバンドサンプルはローパスフィルタ520a及び520bにそれぞれ提供される。これらフィルタ520a及び520bはこれらサンプルをフィルタし、I及びQ出力を提供する。このI及びQ出力はベースバンドプロセッサ530に提供される。ベースバンドプロセッサ530はフィルタリング、デシメート、誤り検出/訂正及び逆圧縮(decompression)のような付加的な信号処理を行う。この代表的な実施形態では、バンドパスフィルタ512及び/又はローパスフィルタ520はまた信号のスケーリングを提供し、デジタル信号プロセッサ530が様々な振幅でベースバンドデータを提供できるようにする。デジタル信号プロセッサ250の他の実装は、直交復調を実行するように設計可能であり、これは本発明の視野の範囲内である。
【0036】
誤りキャンセル回路350及びバンドパスフィルタ512は、図5及び図6に示すように、直接実装で実装され得る。しかしながら、直接実装は誤りキャンセル回路350及びバンドパスフィルタ512のために2つの回路が必要となるため、設計が複雑になってしまい、バンドパスフィルタ512は分解された5ビットを有する信号で動作する。本発明では、誤りキャンセル回路350及びバンドパスフィルタ512は結合され得る。
【0037】
雑音キャンセル回路600を用いたY1及びY2デジタル信号処理の代表的なブロック図を図6に示す。このY1及びY2信号はバンドパスデシメータ602及び604にそれぞれ提供される。この代表的な実施形態では、1つのバンドパスデシメータはMASH ADC240aの各ループに対して提供される。バンドパスデシメータ602内では、Y1信号は誤りキャンセルフィルタ608に提供される。誤りキャンセルフィルタ608はY1信号を等式(2)に示した転送関数ECY1(z)でフィルタする。このフィルタされたY1信号はバンドパスフィルタ612aに提供される。この代表的な実施形態では、バンドパスフィルタ612はそれぞれバンドパスフィルタ512と同様の等式(3)に示した同一の転送関数を有する。バンドパスフィルタ612aからのこのフィルタされた信号はデシメータ614に提供される。デシメータ614はデシメータ514と同様の手法で動作する。バンドパスデシメータ604は、誤りキャンセル回路610が等式(2)に示した転送関数ECY2(z)を実装する以外はバンドパスデシメータ602と同一である。
【0038】
この代表的な実施形態では、誤りキャンセル回路608及びバンドパスフィルタ612aの転送関数は畳み込みされ、バンドパスデシメータ602の転送関数を生成する。同様に、誤りキャンセルフィルタ610及びバンドパスフィルタ612bの転送関数は畳み込みされ、バンドパスデシメータ604の転送関数を生成する。バンドパスデシメータ602及び604を畳み込みされた転送関数で実装することにより達成された改良は、代表的な3次バンドパスフィルタ612として説明され得る。3次バンドパスフィルタ612の転送関数HBPF3(z)は、p=3で、以下の係数を有するFIRフィルタとして示された等式(3)から算出され得る。
【0039】
BPF3(z)=[1 0 −3 0 6 0 −7 0 6 0 −3 0 1] …(4)
バンドパスデシメータ602では、誤りキャンセルフィルタ608の係数をバンドパスフィルタ612aの係数で畳み込むことは、等式(5)に示される合成転送関数HY1(z)を生じさせてしまう。同様に、バンドパスデシメータ604では、誤りキャンセルフィルタ610の係数をバンドパスフィルタ612bの係数で畳み込むことは、合成転送関数HY2(z)を生じさせてしまう。HY1(z)及びHY2(z)は、等式(5)に示される係数を有するFIRフィルタとして説明され得る。
【0040】
Y1(z)=[0 0 0 0 2 0 −4 0 7 0 −5 0 4 0 −1 0 2 0 −1 0 1]
Y2(z)=[1 0 −1 0 1 0 2 0 −2 0 2 0 1 0 −1 0 1]・4 …(5)
畳み込みされたフィルタ係数HY1(z)及びHY2(z)をそれぞれ得るために、誤りキャンセルフィルタ608及び610の係数をバンドパスフィルタ612の係数で畳み込むことにより、多くの改良が提供される。第1に、加算器の必要数はこれら2つの転送関数の畳み込みにより減少する。等式(4)から、バンドパスフィルタ転送関数HBPF3(z)の実装は12の加算器(例えば、1つの加算器を各係数の1に、2つの加算器を各係数−3,6あるいは7に)を必要とすることに注意すべきである。対照的に、等式(5)から、畳み込みされたフィルタHY1(z)の実装は、11の加算器(例えば1の加算器を各係数1,−1,2,4あるいは−4に、2つの加算器を各係数−5あるいは7に)を必要とすることに注意すべきである。同様に、畳み込みされたフィルタHY2(z)の実装は、9つの加算器(例えば1の加算器を各係数1,−1,2あるいは−2に)を必要とすることに注意すべきである。畳み込みされたフィルタ(誤りキャンセルフィルタ及びバンドパスフィルタ)に対して必要な加算器の数は、バンドパスフィルタのみに必要とされるよりも少ない。第2に、畳み込みされたフィルタHY1(z)及びHY2(z)は、分解された1ビットのみをそれぞれ有するY1及びY2信号で動作する。対照的に、誤りキャンセルフィルタ608,610及びバンドパスフィルタ612の直接実装(例えば畳み込みなし)であれば、誤りキャンセルフィルタ608及び610からの5ビット出力で動作しなければならなくなる。第3に、デシメータ614は、出力のサンプルが一度にすべてのN入力サンプルについて計算されるように、畳み込みフィルタHY1(z)及びHY2(z)内に組み込まれ得る。ADCサンプリングクロックの周波数の1/Nで畳み込みフィルタを動作することにより、電力の消費が最小となる。
【0041】
代表的な実施形態では、二次抽出バンドパス受信機に対して、ADC240はバンドパスΣΔADC240aである。バンドパスΣΔADC240aは、係属中米国出願第PA447号で開示された手法で量子化雑音を整形する。バンドパスΣΔADCに対して、0.25・fADC周辺の量子化雑音はDC及び量子化雑音のフィルタリングが行われ得る0.50・fADCに向けて押し出される。この代表的な実施形態では、影像がアナログデジタルコンバートの後に、量子化雑音が最小化する周波数である0.25・fADCに現れるようにIF信号の中心周波数が選択される。
【0042】
図5に示される直交ダウンコンバータは図7(a)に再び図示される。デシメータ514からのIFサンプルは、乗算器518a及び518bにより同相cos(wct)及び直交sin(wct)でそれぞれベースバンドサンプルにダウンコンバートされる。IF信号の中心周波数に関連してADCサンプリング周波数の適切な選択を行うことにより、その周波数ダウンコンバート段はわずかになり得る。特に、ADCサンプリング周波数が実質的にダウンコンバート影像の中心周波数(例えばfc=0.25・fADC)の4倍に選択されると、乗算器518a及び518bによる直交ダウンコンバートは、図7(b)に示すように、IFサンプルを同相シーケンス[1,0,−1,0,1,0,…]及び直交シーケンス[0,1,0,−1,0,1,…]で乗算することにより実行され得る。これは、fc=0.25・fADCの場合、サイン及びコサイン関数は(iπ/2)で計算され、iの整数に対する1,0,あるいは−1の値をとるからである。この代表的な実施形態では、外部周波数制御ループは影像の中心周波数を実質的にADCサンプリング周波数の1/4に維持するのに利用可能である。
【0043】
図7(b)を参照すると、同相シーケンス[1,0,−1,0,1,0,…]のすべての他の値はゼロである。同様に、直交シーケンス[0,1,0,−1,0,1,…]のすべての他の値はゼロである。さらに、同相及び直交シーケンスは代替的な値でも妥当である(例えばゼロでない)。これらの特性は、直交ダウンコンバータの設計を簡単化するのに用いられ得る。
【0044】
上記特性の利点を有する代表的な直交ダウンコンバータのブロック図を図8(c)に示す。この代表的な実施形態では、直交ダウンコンバータは、すべての他のIFサンプルがデマルチプレクサ(DEMUX)716により乗算器718aに提供され、すべての他の代替的なIFサンプルが乗算器718bに提供されるように設計されている。この構造を用いることにより、乗算器718a及び718bは乗算器518a及び518bの半分の速度で動作し得、これにより電力消費が減少する。ローパスフィルタ720及び722はローパスフィルタ520a及び520bにそれぞれ同一である。しかしながら、DEMUX716によるデマルチプレクスのため、乗算器718a及び718bに提供されるこのサンプルは、1つのサンプルにより、位相が90°ずれあるいは時間が歪んでいる。この代表的な実施形態では、ローパスフィルタ720及び722からのI出力及びQ出力の時間をそれぞれ調整するため、ローパスフィルタ720は、ローパスフィルタ722の遅延に関連したサンプルサイクルの1/2の付加的な遅延を持って設計される。この代表的な実施形態では、ローパスフィルタ720及び722の振幅応答は実質的に同一となるように設計されているためIQの不均衡及びIQの混信を最小にする。この付加的な遅延は、フィルタ720及び722に対して異なるフィルタ転送関数を用いることにより提供され得る。代替的には、この付加的な遅延は少なくともサンプルレートの2倍でクロックし、サンプルの1/2でフィルタ720の出力を遅延させる、同一の転送関数をフィルタ720及び722に対して用いることにより提供され得る。実質的に同一の振幅応答ではあるがローパスフィルタ720及び722に対して異なる遅延を提供する他の方法も考慮され、これは本発明の視野の範囲内である。
【0045】
サンプルされた信号スペクトルのスペクトル反転は、信号が2次抽出される時に生じ得る。このスペクトル反転の発生は、サンプルされた信号の中心周波数に関連したADCのサンプリング周波数に依存する。この代表的な実施形態では、CDMA信号はfIF=0.25・(2n+1)・fADCの中心周波数である。nはゼロと等しいあるいはそれより大きい整数で、fADCはADCサンプリング周波数である。奇数nに対して、スペクトル反転が生じ、偶数nに対して、スペクトル反転は生じない。また、デシメータ614による3でのデシメートがスペクトル反転を生じさせる。このスペクトル反転は、位相が180°異なる直交正弦波、あるいは反転した直交正弦波を選択することにより補正される。直交正弦波あるいは反転直交正弦波は図8(c)に示すスペクトル反転信号によりマルチプレクサ(MUX)724を介して選択され得る。
【0046】
II.代表的なバンドパス受信機設計
CDMA応用に対する代表的な雑音キャンセル回路及び直交ダウンコンバータの設計は図9に示される。図9に示す信号処理は、図6に示す雑音キャンセル回路及び図8(c)に示す直交ダウンコンバータの組み合わせである。この代表的な実施形態では、CDMA信号は1.228MHzのバンド幅を有し、中心周波数はfIF=0.25・(2n+1)・fADCである。この中心周波数とADCサンプリング周波数の関係により、ADCによる変換後の0.25・fADCでのCDMA信号の影像が生成される。この代表的な実施形態では、ADCは、前述の米国特許出願第PA447号に説明されたMASH4−4ΣΔADCとして実装される。この代表的な実施形態では、ΣΔADCはいくつかのモードの一つで動作し得る。高いダイナミックレンジモードでは、ΣΔADCは図3に示すようなY1及びY2信号を提供する。中間あるいは低いダイナミックレンジモードでは、ΣΔADCはY1あるいはY2信号雑音のいずれも提供できる。このY1信号の代表的なスペクトルは図12(a)に示される。
【0047】
この代表的な実施形態では、バンドパスデシメータ802は誤りキャンセルフィルタ808,バンドパスフィルタ812a及びデシメータ814aから構成され、バンドパスデシメータ804は誤りキャンセルフィルタ810,バンドパスフィルタ812b及びデシメータ814bから構成される。この代表的な実施形態では、誤りキャンセルフィルタ808及び810は等式(1)に示すような転送関数ECY1(z)及びECY2(z)でそれぞれ設計される。誤りキャンセルフィルタ808の後のY1信号の代表的なスペクトルは図12(b)に示される。この代表的な実施形態では、バンドパスフィルタ812a及び812bはそれぞれ誤りキャンセルフィルタ808及び810に接続され、それぞれ図9に示す転送関数を有する5次バンドパスフィルタとして設計される。5次バンドパスフィルタ812は上記等式(4)及び(5)に示す代表的な3次バンドパスフィルタとは異なる。ΣΔADCの動作をより充分に得るため、より高次のフィルタが利用される。誤りキャンセル回路は望ましい信号帯周辺に深いノッチを生成し(これにより望ましい信号帯の雑音フロアを低下させる)、帯域外量子化雑音を押し出す。ΣΔADCのダイナミックレンジをより充分に得るため、5次バンドパスフィルタが帯域外量子化雑音をフィルタするのに用いられ、これにより、次のデシメート段により望ましい信号帯に折り畳まれた雑音は、ΣΔADCの雑音フロアに大きさにおいて匹敵し得る。バンドパスフィルタ812の代表的な周波数応答は図12(c)に示され、バンドパスフィルタ812aの後のY1信号の代表的なスペクトルは図12(d)に示される。異なるバンドパスフィルタ転送関数と、異なるフィルタ次数を用いることもでき、これらは本発明の視野の範囲内である。
【0048】
この代表的な実施形態では、デシメータ814はそれぞれ3:1デシメータとして実装される。奇数(例えば3,5,7,9等)によるデシメートは、CDMA信号をデシメート後1/4のサンプルレートに維持し、これにより次の直交ダウンコンバートステップが容易に実行できる。最初、このCDMA信号はADC変換後に図12(a)及び(b)に示されるfADC/4周辺の中心周波数である。3でデシメートした後、このCDMA信号はfADC/4に中心周波数を有する信号がfADC/12あるいはfS/4に移動するように折り畳まれる。ここで、fSはデシメートされたサンプルのサンプルレートである。図12(c)に示すように、改善された動作のため、fADC/12における雑音はバンドパスフィルタ812のその周波数位置にノッチを配置することによりフィルタされる。さらに、5fADC/12における信号はまた3でデシメートした後にfADC/12に折り畳まれる。従って、バンドパスフィルタ812は5fADC/12における第2のノッチを有して設計され、fADC/12に折り畳まれるこの周波数位置で望ましくない信号をフィルタする。3でデシメートした後のY1信号の代表的なスペクトルは図12(e)に示される。
【0049】
上述したように、バンドパスフィルタ812の転送関数はデシメータ814の選択に基づいて選択される。この代表的な実施形態では、バンドパスフィルタ812の転送関数はfS/4と、Nでデシメートした後のfS/4に折り畳まれる各周波数位置におけるゼロで設計される。異なるように説明すると、Nでデシメートする場合、バンドパスフィルタ812はゼロがmfADC/4Nに位置するように設計される。ここで、mは2Nよりも小さくNではない正の奇数である。上述の3でデシメートする設計の場合、ゼロはfADC/12及び5fADC/12に位置する。同様に、5でデシメートする設計の場合、ゼロは、fADC/20,3fADC/20,7fADC/20及び9fADC/20に位置する。
【0050】
この代表的な実施形態では、望ましい周波数位置におけるゼロからなるバンドパスフィルタの係数は以下のように合成される。第1に、例えば3でデシメートする場合の[1 1 1]のように、Nによるデシメートとして同一数で開始する。第2に、すべての他のフィルタ係数を例えば[1 −1 1]に変換する。そして第3に、各係数の対の間に例えば[1 0 −1 0 1]のようにゼロを挿入する。第3のステップ後のこのフィルタ係数は、望まし周波数位置にゼロを提供するフィルタ転送関数からなる。5でデシメートする場合、このフィルタ係数は[1 0 −1 0 1 0 −1 0 1]である。同様に、7でデシメートする場合、このフィルタ係数は[1 0 −1 0 1 0 −1 0 1 0 −1 0 1]である。この合成手法は奇数Nのみに適用できることに注意すべきである。しかしながら、直交ダウンコンバータの設計を簡単化するためデシメート信号の影像はfS/4に維持されるので、奇数Nによるデシメートは好ましい。
【0051】
図9を参照すると、デシメータ814a及び814bからの出力は加算器815に提供され、結合される。加算器815からのこのIFサンプルはデマルチプレクサ(DEMUX)816に提供される。DEMUX816は、代替的なサンプルを乗算器816a及び816bに割り当てる。DEMUX816,乗算器818及びマルチプレクサ(MUX)824は、図8(c)に示したDEMUX716,乗算器718及びMUX724に示した機能を実行する。この乗算器818a及び818bからの出力はローパスフィルタ820及び822にそれぞれ提供される。この代表的な実施形態では、ローパスフィルタ820及び822は図9に示す転送関数を有する。ローパスフィルタ820の転送関数は、ローパスフィルタ822の転送関数に対するのと実質的に同じ振幅応答を有する。しかしながら、ローパスフィルタ820の転送関数は、I出力がQ出力に時間調整されるように、ローパスフィルタ822の遅延に関連して1つのサンプルに付加的な遅延を提供する。
【0052】
III.代表的な多相実装
図9に示される雑音キャンセル回路及び直交ダウンコンバータは多くの手法で実装され得る。多相構造を用いた雑音キャンセル回路及び直交ダウンコンバータの代表的な実装は、図10(a)及び図11(b)にそれぞれ示される。この多相構造は、直接実装と同等の関数及びビット正確性で、誤りキャンセルフィルタ808、810及びフィルタ812の転送関数におけるすべての他の係数はゼロであるという特徴において利点を有する。この多相構造は、入力信号の多重の相で簡単な信号処理を実行し、中間の出力を結合して望ましい出力を生成する。デシメータ814はいずれかの処理が開始される前に6でY1及びY2信号がデシメートされるクロッキング方式を用いた多相構造内で統合され得る。この予備デシメートにより、多相構造のレジスタが電力消費を低減するより低いクロック速度で動作できる。
【0053】
図10(a)に示すように、Y1信号は多相フィルタ902a及び904aに提供され、Y2信号は多相フィルタ902b及び904bに提供される。この代表的な実施形態では、図10(a)における“A”で識別されるすべてのレジスタはADCサンプリングクロック周波数の半分であるクロック(fADC/2)の立ち上がりエッジでクロックされ、“B”で識別されるすべてのレジスタはfADC/2クロックの立ち下がりエッジでクロックされ、“C”で識別されるすべてのレジスタは、ADCサンプリングクロックの周波数の1/6のクロック(fADC/6)の立ち下がりエッジでクロックされる。
【0054】
多相フィルタ902a内には、Y1信号はレジスタ914aに提供される。レジスタ914aからの出力はレジスタ914bに提供され、レジスタ914bからの出力はレジスタ914cに提供される。レジスタ914はY1信号の3相を提供する。レジスタ914a,914b及び914cからのY1のこの3相は、フィルタ912a,912b及び912cにそれぞれ提供される。フィルタ912a内では、レジスタ914aからの出力はレジスタ916aに提供され、レジスタ916aからの出力はレジスタ916b及びゲイン素子918bに提供され、レジスタ916bからの出力はレジスタ916c及びゲイン素子918aに提供され、レジスタ916cからの出力はレジスタ916d及びゲイン素子918cに提供され、レジスタ916dからの出力はレジスタ916e及びゲイン素子918dに提供され、レジスタ916eからの出力はレジスタ916f及びゲイン素子918eに提供され、レジスタ916fからの出力はゲイン素子916fに提供される。この代表的な実施形態では、フィルタ912a内のゲイン素子918a,918b,918c,918d,918e及び918fのゲインはそれぞれ[0,−8,45,−21,7,0]である。同様に、この代表的な実施形態では、フィルタ912bのゲインは[0,21,−42,15,−3,0]であり、フィルタ912cのゲインは[2,−35,33,−10,1,0]である。この代表的な実施形態では、多相フィルタ902bの3つの対応するフィルタのゲインは[1,−5,−12,−5,1,0]、[−3,0,9,6,0,0]及び[6,9,0,−3,0,0]である。フィルタ912dの代表的なゲインは[0,2,−35,33,−10,1]であり、フィルタ912eの代表的なゲインは[0,−8,45,−21,7,0]であり、フィルタ912fの代表的なゲインは[0,21,−42,15,−3,0]である。多相フィルタ904b内の3つのフィルタの代表的なゲインは[0,6,9,0,−3,0]、[1,−5,−12,−5,1,0]及び[−3,0,9,6,0,0]である。多相フィルタは、ハードウェア設計を簡単化するため、係数が再配置及び/あるいは結合されるように実装されてもよい。例えば、[−3,0,9,6,0,0]のフィルタゲインは、3・[−1,0,3,2,0,0]として実装されてもよい。この場合、−1及び2の係数に対応するデータサンプルは、スケールされ結合され、結果としての合計は3の係数に対応するスケールされたデータサンプルで結合されても良く、すべての結果は3でスケールされてもよい。
【0055】
加算器920bはゲイン素子918a及び918bからの出力を受信し、これら2つの信号の総和をとり、この出力を加算器920cに提供する。加算器920cはまたゲイン素子918cからの出力を受信し、これら2つの信号の総和をとり、この出力を加算器920dに出力する。加算器920dはまたゲイン素子918dからの出力を受信し、これら2つの信号の総和をとり、この出力をフィルタ912aに提供する。フィルタ912a,912b及び912cの出力は加算器922aに提供される。加算器922aはこれら3つの信号の総和をとり多相フィルタ902aの出力を提供する。多相フィルタ902bは多相フィルタ902aと同じである。多相フィルタ904は多相フィルタ902と、多相フィルタ902の“A”のレジスタ914が多相フィルタ904の“B”のレジスタ906に置換される点を除いて、同じである。
【0056】
多相フィルタ902及び904は、図9にそれぞれ示した誤りキャンセル回路808,810及びバンドパスフィルタ812のほとんどの機能を実行する。多相フィルタ902b及び904bからの出力はゲイン素子932a及び932bにそれぞれ提供される。各ゲイン素子932はそれぞれの出力を、誤りキャンセルフィルタ810のゲインを計算するため、4の代表的なゲインでスケールする。多相フィルタ902aからの出力及びゲイン素子932aからの出力は加算器930aに提供され、これら2つの信号の総和がとられる。同様に、多相フィルタ904aからの出力及びゲイン素子932bからの出力は加算器930bに提供され、これら2つの信号の総和がとられる。加算器930a及び930bからの出力は、雑音キャンセル回路からの2つの出力からなり、図9に示すDEMUX816からの出力に対応する。
【0057】
図11(b)を参照すると、加算器930aからの出力はマルチプレクサ(MUX)936a及びゲイン素子934aに提供され、−1のゲインで信号がスケールされる。ゲイン素子934aからの出力はMUX936aに提供される。MUX936aはゲイン素子934aからの出力と加算器930aからの出力を二者択一的に選択し、図9に示す乗算器818aの機能を効果的に実行する。レジスタ916g及びインバータ952aは、MUX936aを制御するのに用いられる、1とゼロの交替シーケンス[1 0 1 0…]を提供する。MUX936aからの出力は、図9に示すローパスフィルタ820の転送関数を実装したローパスフィルタ908に提供される。ローパスフィルタ908内では、MUX936aからの出力はレジスタ916e及び加算器920eに提供される。レジスタ916eからの出力はレジスタ916f及びゲイン素子918eに提供され、6のゲインで信号がスケールされる。ゲイン素子918eからの出力は加算器920eに提供され、これら2つの入力の総和がとられ、その出力が加算器920fに提供される。レジスタ916fからの出力は加算器920fに提供され、これら2つの入力の総和がとられ、I出力が提供される。
【0058】
加算器930bからの出力はマルチプレクサ(MUX)936b及びゲイン素子934bに提供され、−1のゲインで信号がスケールされる。ゲイン素子934bからの出力はMUX936bに提供される。MUX936bはゲイン素子934bからの出力及び加算器930bからの出力を二者択一的に選択し、図9に示す乗算器818bの機能を効果的に実行する。インバータ952aからの1とゼロの交替シーケンス[1 0 1 0…]はMUX954及びインバータ952bに提供される。インバータ952bの出力はMUX954に提供される。MUX954は図9に示すMUX824の機能を実装し、スペクトル変換制御信号に依存する2つのシーケンスのうちの一つをMUX936bを制御するために提供する。MUX936bからの出力は、図9に示すローパスフィルタ822の転送関数を実装したローパスフィルタ910に提供される。ローパスフィルタ910内では、MUX936bからの出力はレジスタ916h及び加算器920hに提供される。レジスタ916hからの出力はまた加算器920hに提供され、これら2つの入力の総和がとられ、その出力をゲイン素子938に提供する。ゲイン素子938は4のゲインでこの信号をスケールし、Q出力を提供する。
【0059】
本発明は、ΣΔADCを利用したバンドパスサンプリング受信機として説明した。バンドパス受信機の場合、誤りキャンセルフィルタの転送関数は適宜(accordingly)選択され、バンドパスフィルタは直交ダウンコンバートする前に量子化雑音をフィルタするのに用いられる。本発明は、ΣΔADCを利用したベースバンド受信機にも適用可能である。ベースバンド受信機の場合、誤りキャンセルフィルタはベースバンドΣΔADCに改良され、ローパスフィルタは量子化雑音をフィルタするのに用いられる。ベースバンド誤りキャンセルフィルタ及びローパスフィルタの転送関数は、バンドパス受信機の設計として上記説明したのと同様の方法により、雑音キャンセル回路を生成するため、畳み込みされてもよい。従って、ベースバンド受信機への利用について上記説明した本発明の概念の適用は、本発明の視野の範囲内である。
【0060】
好ましい実施形態の上記説明は、いかなる当業者でも製造し、あるいは用いることができるように提供される。これら実施形態の種々の変形は、当業者にとって容易に明確であり、ここで定義された一般的な原理は、発明能力を用いることなく他の実施形態に適用できる。従って、本発明はここに示された実施形態に限定されることを意図するものではなく、ここで開示された原理及び新規な特徴に矛盾しない最も広い視野に調和することを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の代表的なスーパーヘテロダイン受信機のブロック図。
【図2】 本発明の代表的なバンドパスサンプリング受信機のブロック図。
【図3】 代表的な2ループバンドパスMASHΣΔADCのブロック図。
【図4】 本発明の代表的な誤りキャンセル回路のブロック図。
【図5】 直交復調に用いられる代表的なデジタル信号プロセッサのブロック図。
【図6】 代表的な雑音キャンセル回路のブロック図。
【図7】 いずれかの周波数を中心周波数とするIFサンプルの代表的な直交ダウンコンバータのブロック図。
【図8】 0.25fSに中心周波数を有するIFサンプルの代表的な直交ダウンコンバータのブロック図。
【図9】 代表的な雑音キャンセル回路及び直交ダウンコンバータのブロック図。
【図10】 多相構造を用いた図9の雑音キャンセル回路及び直交ダウンコンバータの代表的な実装のブロック図。
【図11】 多相構造を用いた図9の雑音キャンセル回路及び直交ダウンコンバータの代表的な実装のブロック図。
【図12】 MASHΣΔADCからのY1信号の代表的なスペクトル、誤りキャンセルフィルタ後のY1信号のスペクトル、誤りキャンセルフィルタ後のバンドパスフィルタの周波数応答、バンドパスフィルタ後のY1信号のスペクトル、3:1デシメート後のY1信号のスペクトルを示す図。

Claims (26)

  1. 雑音キャンセル回路であって、
    アナログデジタルコンバータ(ADC)からの信号を受信する誤りキャンセルフィルタと、前記誤りキャンセルフィルタに接続され、前記誤りキャンセルフィルタからの出力をフィルタリングするフィルタとをそれぞれ有する少なくともつのバンドパスデシメータと、
    前記少なくとも2つのバンドパスデシメータのそれぞれに接続され、前記バンドパスデシメータの出力を加算する加算器と、
    を具備し、
    前記誤りキャンセルフィルタの伝達関数が前記フィルタの伝達関数で畳み込みされて前記それぞれのバンドパスデシメータの畳み込みされた伝達関数が生成されることを特徴とする雑音キャンセル回路。
  2. 前記ADCはシグマ−デルタADCであることを特徴とする請求項1に記載の雑音キャンセル回路。
  3. 前記ADCは2つのループを有するMASHシグマ−デルタADCであることを特徴とする請求項2に記載の雑音キャンセル回路。
  4. 前記ADCはMASH4−4シグマ−デルタADCであることを特徴とする請求項3に記載の雑音キャンセル回路。
  5. 前記フィルタはバンドパスフィルタであることを特徴とする請求項1に記載の雑音キャンセル回路。
  6. 前記少なくともつのバンドパスデシメータのそれぞれは、前記フィルタに接続され、前記フィルタの出力を受信してデシメートするデシメータをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の雑音キャンセル回路。
  7. 前記デシメータは、Nを正の奇数として、Nでデシメートすることを特徴とする請求項に記載の雑音キャンセル回路。
  8. 前記デシメータは、3でデシメートすることを特徴とする請求項に記載の雑音キャンセル回路。
  9. 前記デシメータは、5でデシメートすることを特徴とする請求項に記載の雑音キャンセル回路。
  10. 前記フィルタは、前記デシメータからのデシメートされたサンプルのサンプルレートの4分の1にゼロが配置されたバンドパスフィルタであることを特徴とする請求項に記載の雑音キャンセル回路。
  11. Nが前記デシメータデシメーション因子とし、m2Nより小さくNに等しくない正の奇数とし、fADC 前記ADCのサンプリング周波数として、前記バンドパスフィルタはmfADC/4Nに付加的なゼロが配置されて設計されていることを特徴とする請求項10に記載の雑音キャンセル回路。
  12. 前記の雑音キャンセル回路は、多相構造で実現されることを特徴とする請求項1に記載の雑音キャンセル回路。
  13. 直交ダウンコンバータであって、
    アナログデジタルコンバータ(ADC)からの少なくともつの出力を受信し、IFサンプルを提供する雑音キャンセル回路と、
    前記雑音キャンセル回路に接続され、前記IFサンプルを受信し、該IFサンプルをベースバンドサンプルにダウンコンバートする少なくとも1つの乗算器と
    を具備し
    前記雑音キャンセル回路は、それぞれが誤りキャンセルフィルタ及びフィルタを具備する少なくとも1つのバンドパスデシメータからなり、
    前記それぞれのバンドパスデシメータの伝達関数は、対応する前記誤りキャンセルフィルタの伝達関数を前記フィルタの伝達関数で畳み込みされて生成される、
    ことを特徴とする直交ダウンコンバータ。
  14. 前記ADCはシグマ−デルタADCであることを特徴とする請求項13に記載の直交ダウンコンバータ。
  15. 前記フィルタはバンドパスフィルタであることを特徴とする請求項13に記載の直交ダウンコンバータ。
  16. 前記それぞれのバンドパスデシメータは、前記フィルタに接続されたデシメータをさらに具備することを特徴とする請求項13に記載の直交ダウンコンバータ。
  17. 前記デシメータは、N正の奇数として、Nでデシメートすることを特徴とする請求項16に記載の直交ダウンコンバータ。
  18. 前記直交ダウンコンバータは、多相構造で実現されることを特徴とする請求項13に記載の直交ダウンコンバータ。
  19. 直交ダウンコンバータであって、
    つがMASHΣΔADCの各ループのためのものであり、それぞれが対応するループからの出力を受信する、少なくとも2つのバンドパスデシメータと、
    前記バンドパスデシメータに接続され、前記バンドパスデシメータの出力を加算してIFサンプルを提供する加算器と、
    前記加算器に接続され、前記IFサンプルを受信し、該IFサンプルをベースバンドサンプルにダウンコンバートする2つの乗算器と
    を具備し
    前記バンドパスデシメータは、それぞれが誤りキャンセルフィルタ及びフィルタを具備し、
    各バンドパスデシメータの伝達関数は、対応する前記誤りキャンセルフィルタを前記フィルタの伝達関数で畳み込みすることにより生成される、
    ことを特徴とする直交ダウンコンバータ。
  20. 前記フィルタはバンドパスフィルタであることを特徴とする請求項19に記載の直交ダウンコンバータ。
  21. 前記バンドパスデシメータは、前記フィルタに接続されたデシメータをさらに具備することを特徴とする請求項19に記載の直交ダウンコンバータ。
  22. 前記デシメータは、N正の奇数として、Nでデシメートすることを特徴とする請求項21に記載の直交ダウンコンバータ。
  23. 記乗算器のそれぞれに接続され、前記ベースバンドサンプルをフィルタリングし、ベースバンド出力を提供する1つのローパスフィルタをさらに具備することを特徴とする請求項19に記載の直交ダウンコンバータ。
  24. 前記ローパスフィルタの振幅応答は実質的に同じであることを特徴とする請求項23に記載のデジタル直交ダウンコンバータ。
  25. 1つのローパスフィルタの遅延応答は、残りのフィルタの遅延に対して遅延されることを特徴とする請求項23に記載のデジタル直交ダウンコンバータ。
  26. 前記直交ダウンコンバータは、多相構造で実現れることを特徴とする請求項19に記載の直交ダウンコンバータ。
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