JP4162426B2 - 測定機の合否判定出力方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定機の合否判定出力方法及び装置に係り、特に、レーザビームを用いた非接触寸法測定機や変位計に用いるのに好適な、測定機の高速な測定能力を活かしたまま、入力応答速度の遅い機器への合否伝達を可能とする測定機の合否判定出力方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、レーザビームを用いて高速で非接触測定を行なうレーザ走査型寸法測定機やレーザ変位計等のレーザ測定機が実用化されている(特公平6−54214、特開2000−88528、特開平7−301512)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなレーザビームを用いた非接触測定機を用いれば、被測定物の供給速度に合わせて高速な測定が可能であるが、一方、接続される相手装置の信号入力速度は対応できない場合がある。即ち、レーザ走査型寸法測定機等のレーザ測定機は非接触測定であり、被測定物の供給速度に合わせて高速な測定が可能であるとの特徴で採用される。一方、汎用の制御装置として、プログラミングコントローラ(PLC)は、柔軟性及び機能性に優れており、良く使用される。しかしながら、一般的なPLCの入力は、誤動作防止の目的で、20ms程度の応答速度に制限されている。PLCの制御プログラムの規模が大きくなると、更に応答速度が遅くなる現実がある。
【0004】
このような問題点を解決するべく、測定(判定)結果を記憶して、測定後に相手装置の信号入力速度に合わせて出力することもできるが、図1に示す如く順次出力すると、結局時間を要して、測定速度が落ちてしまう。一方、図2に示す如く並列出力すると、出力回路数が多数必要となり、装置の規模が大きくなってしまうという問題点を有していた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、出力回路数を増やすことなく、高速の合否判定結果を、高速性を生かしたまま応答速度の低い制御装置に引き渡せるようにすることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、測定機から入力される合否判定信号を処理して制御に用いる制御装置の処理速度を上回る高速で測定値の合否判定が行なわれる測定機から、該制御装置に合否判定結果を、合判定及び否判定毎に、それぞれオンオフ信号で出力する際に、制御装置が処理できる所定時間毎に、測定機の刻々の合判定信号及び否判定信号をそれぞれまとめて、それぞれの論理和を、前記所定時間毎に制御装置に合判定信号及び否判定信号として力するようにして、前記課題を解決したものである。
【0007】
又、本発明は、測定機から入力される合否判定信号を処理して制御に用いる制御装置の処理速度を上回る高速で測定値の合否判定が行なわれる測定機から、該制御装置に合否判定結果を、合判定及び否判定毎に、それぞれオンオフ信号で出力するための測定機の合否判定出力装置であって、制御装置が処理できる所定時間毎に、測定機の刻々の合判定信号及び否判定信号をそれぞれまとめて、それぞれの論理和を記憶する手段と、前記所定時間毎に、各論理和を、合判定信号及び否判定信号として制御装置に力する手段とを備えることにより、前記課題を解決したものである。
【0008】
又、前記合否判定の合判定又は否判定を、複数区分で行なうようにしたものである。
【0009】
又、前記判定結果の出力間隔を、外部より制御可能としたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、レーザ走査型寸法測定機に適用した本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0011】
本発明が適用されるレーザ走査型寸法測定機は、図3に示す如く構成されている。即ち、ビーム発生器20から発生されるレーザビーム22は、ミラー24で反射された後、ポリゴンミラー26に入射され、扇状の走査ビーム28に変えられた後、コリメータレンズ30で平行走査ビーム32に変換される。平行走査ビーム32の光路中に置かれた被測定物10によって一部が遮蔽された平行走査ビーム32は、集光レンズ34で集光され、その明暗を検出する計測用受光素子36に入射される。該計測用受光素子36出力のスキャン信号は、アンプ38で増幅された後、整形回路40により明暗の境界を示すエッジ信号が抽出され、測定対象部分を選択するセグメント選択回路42に入力される。
【0012】
前記扇状走査ビーム28のコリメータレンズ30近傍には、タイミング用受光素子44が設けられている。このタイミング用受光素子44により得られる走査開始を示す基準信号は、アンプ46を経てセグメント選択回路42に入力され、必要な測定セグメントを選択するのに用いられる。
【0013】
クロックパルス発信器50から出力されるクロックパルスは、分周回路52を介してポリゴンミラー26のモータに入力され、モータの回転との同期を取ると共に、アンドゲート60に入力され、前記セグメント選択回路42の出力により該アンドゲート60が開かれている間だけ、該アンドゲート60を通過する。アンドゲート60を通過したクロックパルスは、計数回路62に入力され、被測定物10の影の長さに対応するクロックパルス数から被測定物10の寸法を得ることができる。
【0014】
図において、70はCPU、72はメインバス、74は測定データや補正データ用のメモリ、76は表示・キー・入出力インターフェースである。
【0015】
本発明では、前記CPU70において、図4に示す如く、被測定物10の例えば直径を0.1秒間に50箇所測定して(ステップ100)、合否判定を行ない(ステップ110)、該50箇所の測定結果の論理和を採り、記憶して(ステップ120)、50回測定毎(ステップ130)、即ち0.1秒毎に、前記表示・キー・入出力カインターフェース76を介して、PLC等の外部装置に出力する(ステップ140)。
【0016】
ここで、測定と合否判定は、レーザ走査型寸法測定機の能力で、例えば0.002秒毎に行なうことができる。一方外部装置は、処理可能な0.1秒毎に判定結果を入力して、合否判定の内容に応じた制御を行なうことができる。
【0017】
なお、個別の測定時間は、要求される被測定物の供給速度Tsで決まる。従って、判定出力を受け取る相手装置の能力がTaである場合、OR処理回数Nは、次の値に選択する。
【0018】
N>(Ta/Ts) …(1)
【0019】
ここで、OR処理回数Nは、オペレータがキー操作等により測定装置に設定することができる。
【0020】
本実施形態における判定出力インターフェースを図5に示す。図2に示した並列出力の場合と比べて、1組の判定出力で対応可能であり、装置のハード規模を大きくしてしまうことがない。
【0021】
なお、レーザ走査型寸法測定機においては、通常、各測定値が何回かの測定値の平均値とされ、その平均化回数を設定することにより、1箇所の測定に要する時間を調整可能とされているが、この平均化回数を長くした場合には、1箇所の測定に要する時間が長くなってしまうという問題点がある。
【0022】
これに対して、本発明では、複数の被測定物又は複数の測定箇所の結果の論理和をとることで、個別の判定結果を保持して、判定出力する間隔を長くすることができる。
【0023】
【実施例】
説明を簡単にするため、4回毎に判定結果をまとめて出力する場合を例にとって、判定結果と出力の関係の例を、従来法と本発明法で比較して図6(A)(B)に示す。ここでは、相手装置の応答能力が40ms、測定速度が10msとし、4回毎に出力するようにしている。
【0024】
図6(A)に示すように、従来法では、判定出力の時間が短く、相手装置は読込めない。これに対し、本発明法では、図6(B)に示すように、第1グループでは4回全てがGO判定なので、判定出力(第1結果)はGOとする。一方、第2グループのように、GOと例えば+NGが混在した場合は、GO及び+NGの判定の同時出力(第2結果)とする。
【0025】
このときのOR判定結果を記憶するメモリ74の状態を図7に示す。
【0026】
前記第2グループの出力結果からは、GOと+NGの被測定物が含まれていることのみが判断できるので、その結果より、第2グループの4個をまとめて不良品としてはじいてしまう、あるいは、そのグループは再測定を行なう、あるいは加工機へ補正をかける処置等、使用者により多様な対応を取ることができる。
【0027】
なお、前記実施形態においては、判定結果が−NG/GO/+NGの3段階とされていたが、例えば−NG/−GO/GO/+GO/+NGのように、多段階に区分することも可能である。このように、出力を多段とする場合は、その分、出力数を増やし、同時(パラレル)に、出力する。この場合は、加工機への的確な補正等が可能になる。
【0028】
なお、シリアル出力の場合は、グループ毎に、例えば最悪値のみを代表して出力することも可能である。
【0029】
前記実施形態においては、本発明が、レーザ走査型寸法測定機に適用されていたが、本発明の適用対象はこれに限定されず、レーザ変位計等の他のレーザ測定機、あるいは、レーザを用いない高速測定機一般に同様に適用できることは明らかである。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、出力回路の数を増やすことなく、高速の測定結果を、高速性を生かしたまま応答速度の遅い相手装置に引き渡すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例における順次出力の判定出力インターフェースの例を示す線図
【図2】同じく並列出力の判定出力インターフェースの例を示す線図
【図3】本発明の適用対象であるレーザ走査型寸法測定機の全体構成を示す、一部光路図を含むブロック図
【図4】本発明の実施形態における処理手順を示す流れ図
【図5】同じく判定出力インターフェースの例を示す線図
【図6】実施例における合否判定結果と出力の関係の例を示す線図
【図7】同じくOR判定結果を記憶するメモリの内容と個別判定結果の例を示す線図
【符号の説明】
10…被測定物
20…ビーム発生器
26…ポリゴンミラー
30…コリメータレンズ
32…平行走査ビーム
34…集光レンズ
36…計測用受光素子
70…CPU
74…メモリ
76…表示・キー・入出力インターフェース

Claims (4)

  1. 測定機から入力される合否判定信号を処理して制御に用いる制御装置の処理速度を上回る高速で測定値の合否判定が行なわれる測定機から、該制御装置に合否判定結果を、合判定及び否判定毎に、それぞれオンオフ信号で出力する際に、
    制御装置が処理できる所定時間毎に、測定機の刻々の合判定信号及び否判定信号をそれぞれまとめて、それぞれの論理和を、前記所定時間毎に制御装置に合判定信号及び否判定信号として力することを特徴とする測定機の合否判定出力方法。
  2. 測定機から入力される合否判定信号を処理して制御に用いる制御装置の処理速度を上回る高速で測定値の合否判定が行なわれる測定機から、該制御装置に合否判定結果を、合判定及び否判定毎に、それぞれオンオフ信号で出力するための測定機の合否判定出力装置であって、
    制御装置が処理できる所定時間毎に、測定機の刻々の合判定信号及び否判定信号をそれぞれまとめて、それぞれの論理和を記憶する手段と、
    前記所定時間毎に、論理和を、合判定信号及び否判定信号として制御装置に力する手段と、
    を備えたことを特徴とする測定機の合否判定出力装置。
  3. 前記合否判定の合判定又は否判定が、複数区分で行なわれることを特徴とする請求項2に記載の測定機の合否判定出力装置。
  4. 前記判定結果の出力間隔が、外部より制御可能とされていることを特徴とする請求項2に記載の測定機の合否判定出力装置。
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