JP4162422B2 - 燃料改質システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、固体高分子型燃料電池に燃料を供給するためなどに用いられる、炭化水素などを原燃料として、改質ガス中のCO濃度を極端に低減した水素リッチガスを製造する燃料改質システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子型燃料電池(PEFC)に燃料を供給するためなどに用いられる燃料改質システムは、原燃料を改質触媒の共存下で水蒸気および/または空気と反応させて改質ガスを生成する改質反応器から出た改質ガス中のCO濃度を 10ppm以下に低減するためにCO選択酸化反応器を設けている。このようなCO選択酸化反応器では、CO選択酸化触媒の共存下で改質ガスに空気等を添加してCOを酸素で選択的に酸化することによりCO2 に変換している。
【0003】
また、用いる燃料に応じて、改質反応器の前に脱硫器を設置したり、改質反応器とCO選択酸化反応器の間にCO変成器を設置したりすることもある。特に、PEFCの燃料を供給する燃料改質システムでは、PEFCの膜の加湿のため、最終的に燃料ガスに一定分圧の水蒸気が含まれていることが望ましく、また、燃料ガスは60〜80℃で供給することが望ましいため、改質ガス中の水蒸気を改質プロセスの途中で凝縮分離する事はない。
【0004】
一方、改質プロセスの最終段階であるCO選択酸化反応は、水素リッチガス中のCOを酸素により選択的に酸化する反応であるが、この反応は基本的に燃焼反応であるため、非常に大きな発熱を伴う。ところが、温度が上昇するとCOの酸化の選択性が低下し、COの浄化性能が低下したり、メタン化などの副反応が連鎖的に起きて運転を継続できなくなる事がある。
【0005】
これを防ぐため、CO選択酸化反応器から熱を除去できるように冷却用の熱交換器を設けるなどして、温度の上昇を抑制する手段を講じるとか、CO選択酸化反応器での発熱量を抑制するために、CO選択酸化反応器を数段に分割し、各段で空気を注入する方法などが広く検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の燃料改質システムにおけるCO選択酸化反応においては、COを低減できる温度範囲(△T)が40〜50℃程度しかなく、温度を厳密に制御するのが困難で、温度が上がりすぎるとメタン化などの副反応による暴走が起こり、温度が下がりすぎるとCO選択酸化反応器の中で水蒸気が凝縮して触媒の劣化を加速するという問題があった。
【0007】
また、温度条件が適正でない場合には、CO選択酸化触媒の劣化を促進するという問題もあった。さらに、CO選択酸化反応器を多段とした場合には、システムが複雑でコストアップにつながるほか、最終段のCO選択酸化反応器から見ると負荷変動や触媒劣化などに伴って入り口のCO濃度などの反応条件が著しく変化し、長期間安定した性能を維持することがきわめて困難であるという問題があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、請求項1に係る発明は、高温で改質する場合でも安定してCO転化率を高めることができ、長期間安定してCO濃度を 10ppm以下に低減できるようにすることを目的とし、請求項2に係る発明は、簡単な構成で連続処理を行えるようにすることを目的とし、請求項3に係る発明は、CO選択酸化反応器での活性低下と水の凝縮を回避できるようにすることを目的とし、請求項4に係る発明は、システムからの排熱を回収してシステムの熱効率を向上することを目的とする。
また、請求項5に係る発明は、凝縮を安定して行いながら、排熱を回収することを目的とし、請求項6に係る発明は、メタン化などの副反応による暴走を回避できるようにすることを目的とし、請求項7に係る発明は、CO選択酸化反応器を小型で安定して運転できるようにすることを目的とし、請求項8に係る発明は、システムからの排熱を利用できるようにすることを目的とし、請求項9に係る発明は、触媒の劣化を回避するとともに制御を簡単にしてCO選択酸化反応器の反応熱を冷却除去できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、CO選択酸化反応に供する改質ガスの露点を下げることで、COを低減できる温度範囲を拡大できることを見出し、さらに、CO選択酸化反応に必要な酸素を添加して触媒層に至るまでの改質ガスおよび管壁温度を 100℃以下に保つことにより、CO選択酸化触媒の鉄による被毒を防止できることを見出した。また、CO選択酸化反応に供する前に改質ガス中の水蒸気を凝縮分離することでこれらの条件が容易に達成でき、さらに、長期間安定してCO濃度を低減できることを見出して本発明を完成させた。
【0010】
すなわち、請求項1に係る発明は、図1の請求項1に対応するフロー図に示すように、
炭化水素系燃料を改質触媒の共存下で水蒸気および/または空気と反応させて改質ガスを生成する改質反応器1と、
前記改質反応器1で生成された改質ガス中のCOをRuを含有する触媒の共存下で酸素で選択的に酸化することによりCO2 に変換して水素リッチガスを製造する1個のCO選択酸化反応器2とを少なくとも備えた燃料改質システムにおいて、
改質反応器1とCO選択酸化反応器2との間に、改質ガス中のCOの大部分をCO変成触媒の共存下で水蒸気と反応させてCO 2 に変換するCO変成器4を設け、前記CO変成器4で処理した後の改質ガスから水蒸気を凝縮分離する水蒸気凝縮分離手段3を設けて構成する。
【0011】
本発明で用いられる炭化水素系燃料としては、天然ガス、プロパンガス、ブタンガス、ナフサ、ガソリン、灯油などが含まれる。
【0012】
本発明で用いられる改質反応器は、炭化水素系燃料に水蒸気および/または空気を添加して改質する既知の改質反応器でよく、専ら水蒸気により改質する水蒸気改質反応を用いる場合には、改質反応器の上流側で炭化水素系燃料に水蒸気を添加する手段と、反応に必要な熱を外部から供給する熱交換手段を有し、空気と水蒸気を共存させて反応させるオ−トサーマル式や部分燃焼式を用いる場合には、水蒸気の供給手段に加えて空気を添加する手段を有する改質反応器を用いる。改質反応器には、必要に応じてプロセスガス等を予熱・冷却する熱交換器や、水から改質用の水蒸気を発生させる水蒸気発生器を兼ね備えていても良い。また、炭化水素系燃料中に硫黄化合物が含まれる場合には、改質触媒の硫黄被毒を避けるために、炭化水素系燃料を改質反応器に供給する前に脱硫する脱硫器を設けても良い。
【0013】
また、CO選択酸化反応器としては、CO選択酸化触媒の共存下、改質ガスに空気あるいは酸素を添加して改質ガス中のCOを選択的にCO2 に変換する既知のCO選択酸化反応器でよい。
【0014】
上記CO変成器としては、改質ガス中のCOを改質ガス中に残存する水蒸気および/または外部から添加する水蒸気を利用してCO変成反応を起こさせる既知のCO変成反応器で良く、反応熱を除去してCO変成器を冷却する熱交換機能を備えていても良い。
【0015】
上記請求項1に係る発明の燃料改質システムでは、CO変成反応器を出た改質ガスが、CO選択酸化反応器に供給される前に、改質ガス中の水蒸気を凝縮分離するために、水蒸気凝縮分離手段に供給される。
【0016】
上記請求項1における水蒸気凝縮分離手段としては、CO選択酸化反応器に供給される改質ガスから水蒸気が連続的に凝縮分離でき、出口の改質ガスの温度、換言すれば、CO選択酸化反応器に供給される改質ガスの温度を 100℃以下とできる機構を備えている限り、特に制限はない。
【0017】
上記水蒸気凝縮分離手段としては、請求項2に係る発明の構成のものを用いることができる。
すなわち、請求項2に係る発明は、図2の請求項2に対応するフロー図に示すように、
請求項1に記載の燃料改質システムにおいて、
水蒸気凝縮分離手段3を、改質ガスを冷却して改質ガス中の水蒸気を凝縮させるための熱交換部5と、凝縮水と改質ガスとを分離する気水分離部6とから構成する。
また、請求項3に係る発明は、
請求項1または2に記載の燃料改質システムにおいて、
水蒸気凝縮分離手段を、改質ガス中に含まれる水蒸気を、凝縮分離後の改質ガスの露点が60℃以下になるように凝縮分離するように構成する。
請求項1および2に係る発明における水蒸気凝縮分離手段で達成されるべき水蒸気の分離の程度としては、好ましくは、水蒸気を凝縮分離した改質ガスの露点が60℃以下、より好ましくは40℃以下となるように設計されることが望ましい。60℃を越えると、CO選択酸化反応器での活性が低下し、また、水の凝縮を招く虞があるからである。
【0018】
例えば、請求項1、2、3に係る発明の燃料改質システムにより製造される水素リッチガスを用いて構築される燃料電池コージェネレーションシステムなどでは、熱交換部での冷却に伴って得られる改質ガスからの熱も貴重な熱源になるため、この熱を回収することが望ましい。この熱を最も効率的に回収する方法としては、熱交換部の低温熱媒体として温水生成用の常温の水道水を用いることが考えられる。
【0019】
さらに、固体高分子型燃料電池(PEFC)コージェネレーションシステムなどにおいては、高い発電効率が要求されるので、熱交換部での冷却に伴って得られる改質ガスからの熱を改質用水蒸気発生用の原水の予熱や蒸発に用いることにより、燃料改質システムの効率を向上させることもできる。ところが、この場合、原水の流量で熱交換部出口での改質ガスの露点を制御することができないため、十分な改質ガスの冷却効果を得ることが困難な場合がある。これを解消するために、請求項4に係る発明を、次のように構成する。
すなわち、請求項4に係る発明は、図3の請求項4に対応するフロー図に示すように、
請求項2または3に記載の燃料改質システムにおいて、
CO選択酸化反応器2に入る改質ガスを冷却する水冷式冷却器7を備え、
前記水冷式冷却器7で冷却した後の改質ガスを熱交換部5に供給し、
改質に必要な改質用水蒸気を生成するための原水を前記水冷式冷却器7の低温熱媒体として使用し、改質ガスによって原水を予熱するように構成する。
【0020】
また、燃料電池コージェネレーションシステムに、より好適に適用するために、請求項5に係る発明を、次のように構成する。
すなわち、請求項5に係る発明は、
請求項2、3、4のいずれかに記載の燃料改質システムにおいて、
燃料改質システムが燃料電池コージェネレーションシステムにおいて燃料電池に燃料を供給するためのものであって、前記燃料電池コージェネレーションシステムからの排熱回収によって得た温水を温度成層を形成する状態で貯める成層式貯湯槽を備え、
前記成層式貯湯槽の低温部から取り出して排熱を回収した後に前記成層式貯湯槽の高温部に戻す排熱回収前の低温水を熱交換部に供給するように構成する。
成層式貯湯槽の低温部から高温部に循環させる水のライン上には、燃料電池コージェネレーションシステムの他の部分から発生する排熱を回収するための熱交換器が設けられていても良く、それらの熱交換器と熱交換部とは、直列あるいは並列に取り付けられていても良いが、改質ガス中の水蒸気の凝縮分離を確実に行うためには、改質ガスを冷却する熱交換部を、上述循環水ラインの比較的低温部に設けるのが好ましい。
【0021】
【0022】
上述のように、Ruを含有する触媒を用いると、低温活性に優れているが、高温では、CO2 のメタン化などの副反応が起こり、反応熱により自己触媒的に反応が加速されて暴走してしまうので、用いるCO選択酸化反応器を次のように構成するのが好ましい。
すなわち、請求項6に係る発明は、
請求項1、2、3、4、5のいずれかに記載の燃料改質システムにおいて、
CO選択酸化反応器に、その触媒層の最高温度を 180℃以下にする熱交換手段を備えるように構成する。
【0023】
このような燃料改質システムでは、CO選択酸化反応器に供される改質ガスの露点が下がっているので、十分な触媒性能が得られる下限温度は従来法に比べて下がっているが、改質ガスの冷却条件によっては、CO選択酸化反応器の触媒層温度が下がりすぎてCO選択酸化反応が開始しないおそれがある。
このような事態を回避するために、請求項7に係る発明として次のように構成することが好ましい。
すなわち、請求項7に係る発明は、図4の要部の縦断面図に示すように、
請求項6に記載の燃料改質システムにおいて、
CO選択酸化反応器2に、改質ガスの入口側の触媒8aを加熱する加熱手段9と出口側の触媒8bを冷却する冷却手段10とを備えるように構成する。
このようなCO選択酸化反応器であれば、入口部でCO選択酸化触媒層が加熱されているので、改質ガスの温度が低すぎて反応が開始しないといったことが無く、また、出口部でCO選択酸化触媒層が冷却されているので、メタン化などの副反応により暴走するといったことも無い。
【0024】
CO選択酸化触媒層の加熱および冷却方法については、Ru系触媒の場合、触媒層の最高温度が 180℃以下に保たれる限りとくに制約はないが、より好ましくは、触媒層の最高温度が 130℃〜 180℃に保たれる方法を採ることが好ましい。 130℃未満では鉄による触媒の被毒の虞があり、 180℃を越えるとCO変成の逆反応などによりCOの転化率が低下するほか、メタン化などの副反応の暴走を生じる虞があるからである。
【0025】
また、CO選択酸化触媒層の加熱手段に関しては、電気ヒーター等を用いると燃料改質システムの熱効率が低下する。
この熱効率の低下を回避するために、請求項8に係る発明として次のように構成することが好ましい。
すなわち、請求項8に係る発明は、
請求項7に記載の燃料改質システムにおいて、
CO選択酸化反応器の触媒の加熱手段の熱源を、燃料改質システムの中で前記CO選択酸化反応器より温度が高い部分との熱交換によって得るように構成する。
CO選択酸化反応器より温度が高い部分としては、改質反応器から出た改質ガスの顕熱または外熱炉の燃焼排ガスの排熱、CO変成器から発生する反応熱などを利用するのが好ましく、触媒層の最高温度が、前述した好ましい範囲( 130℃〜 180℃)を維持できる限り、加熱量を能動的に制御できるようにする必要は無い。
【0026】
また、CO選択酸化触媒層の冷却手段に関しては、起動時や負荷変動時など、条件によっては触媒層の温度が極端に低下したり上昇したりしないよう、熱除去量を能動的に制御できるようにすることが好ましく、請求項9に係る発明として次のように構成することが好ましい。
すなわち、請求項9に係る発明は、
請求項7または8に記載の燃料改質システムにおいて、
CO選択酸化反応器の触媒の冷却手段を、運転停止を制御可能な空冷式ファンで構成する。
【0027】
本発明において、CO選択酸化反応器に供給されるガス組成は特に制限はないが、CO選択酸化反応器での発熱量をできる限り少なくすることが望ましいので、改質ガス中のCO濃度は好ましくは1容量%以下、より好ましくは 0.5容量%以下となるように、上流側の改質反応器またはCO変成器が設計されていることが好ましい。一方、改質ガスに添加する空気の量は、改質ガス中のCO濃度と空気中の酸素のモル比、すなわち、O2 /COが、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、最も好ましくは1.5以下となるように空気流量を制限することが好ましい。O2 /COが3を越えると温度が上昇してCO転化率が低下するからである。好ましい温度範囲、好ましいCO濃度範囲、好ましいO2 /COの範囲で必要となる触媒量は、GHSVで好ましくは 500〜 50000、より好ましくは1000〜 30000となるように設定すればよい。
【0028】
【作用】
請求項1に係る発明の燃料改質システムの構成によれば、CO変成器により、改質ガス中のCOの大部分をCO変成触媒の共存下で水蒸気と反応させてCO 2 に変換させてから、1個のCO選択酸化反応器に供給する前に水蒸気凝縮分離手段で水蒸気を凝縮分離することにより、改質ガス中のCOが高濃度の場合でもCO選択酸化反応を長期間安定して行うことができる。
また、CO選択酸化触媒を低温での活性が高い特性のRuを含有する触媒で構成し、容易にCO濃度を低くすることができる。
【0029】
【0030】
また、請求項2に係る発明の燃料改質システムの構成によれば、熱交換部で改質ガスを冷却して水蒸気を凝縮させ、気水分離部で凝縮水と改質ガスとを分離することにより、改質ガスの冷却と水蒸気の分離が同時に行える。
また、請求項3に係る発明の燃料改質システムの構成によれば、水蒸気を凝縮分離した改質ガスの露点が60℃以下になるように水蒸気を分離する。
【0031】
また、請求項4に係る発明の燃料改質システムの構成によれば、水冷式冷却器によりCO選択酸化反応器に入る前の改質ガスを冷却し、CO選択酸化反応器に供給する改質ガスの温度を低下させることができ、かつ、改質に必要な改質用水蒸気を生成するための原水を水冷式冷却器の低温熱媒体として使用し、改質ガスによって原水を予熱することができる。
【0032】
また、請求項5に係る発明の燃料改質システムの構成によれば、燃料電池コージェネレーションシステムで用いる成層式貯湯槽を用い、その成層式貯湯槽の低温部から取り出した低温水を利用して改質ガスを凝縮し、改質ガスの熱を低温水に回収することができる。
【0033】
【0034】
また、請求項6に係る発明の燃料改質システムの構成によれば、CO選択酸化反応器の触媒層の最高温度を180 ℃以下にすることにより、安定したCO選択酸化反応を行うことができる。
【0035】
また、請求項7に係る発明の燃料改質システムの構成によれば、CO選択酸化反応器の改質ガスの入口側において、水蒸気の凝縮により低温となった改質ガスを加熱し、一方、出口側では冷却することにより、安定したCO選択酸化反応を行うことができる。
【0036】
また、請求項8に係る発明の燃料改質システムの構成によれば、CO選択酸化反応器の触媒の加熱手段の熱源を、排熱を利用して得ることができる。
【0037】
また、請求項9に係る発明の燃料改質システムの構成によれば、空冷式ファンによって、CO選択酸化反応器の触媒を冷却することにより、容易に反応器温度を制御することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0039】
先ず、参考例について説明する。
参考例1(Ru触媒の調製)
直径2〜4mmの球状γアルミナ担体を三塩化ルテニウム水溶液に浸漬し、含浸法によりルテニウムを担持させ、乾燥の後、炭酸ナトリウム水溶液に浸漬することによりルテニウムを固定化し、水洗、乾燥して前駆体を得た。得られた前駆体をヒドラジン水溶液に浸漬することによりルテニウムを還元し、水洗した後、再度ヒドラジン水溶液に浸漬して還元を完結させ、再度水洗し、105℃で乾燥させてRu触媒を得た。
得られたRu触媒中のRu濃度は0.98重量%、平均細孔直径は 7.4nmであった。以下の参考例、比較例、実施例においては、前処理として、得られたRu触媒を5容量%の水素を含む水素と窒素の混合ガス気流中で 200℃で1時間保持したものを用いた。
【0040】
参考例2
参考例1で調整したRu触媒8ccを充填したSUS製反応管(内径21.2mm)に、CO変成器出口ガスを模擬した、CO= 0.5%、CH4 = 0.5%、CO2 =21%、O2 =0.75%、N2 =3%、残部がH2である反応模擬ガス1Nl/min を常圧で流通させ、触媒層の温度を変えて、出口のCO濃度を測定した。次に、同じ組成・流量の反応模擬ガスに、湿りガス中の水蒸気濃度が5%(露点33℃相当)及び20%(露点61℃相当)となるように水蒸気を添加し、同様に、それぞれ触媒層の温度を変えて出口のCO濃度を測定した。
【0041】
結果を、図5のRu系CO選択酸化触媒のCO選択酸化反応の温度依存性と入り口ガス中の水蒸気濃度との関係を示したグラフに示す。反応温度(触媒層の最高温度)を変えた場合、何れの水蒸気濃度でも 110〜 180℃の温度域で出口のCO濃度が10ppm 以下となるが、水蒸気濃度が低いほどその温度域が広がり、特に、低温側で顕著に広がることが分かる。
【0042】
参考例3
参考例1で調整したRu触媒をH280%−CO220%の組成の混合ガス中450℃で945時間焼成することにより、約2万時間使用後相当の活性まで強制的に劣化させた触媒(強制劣化触媒)を用いる以外は、参考例2と同様にして、水蒸気濃度が5%(露点33℃相当)および20%(露点61℃相当)での反応管出口でのCO濃度を測定した。
【0043】
結果を、図11の加速劣化させたRu系CO選択酸化触媒のCO選択酸化活性の温度依存性と入り口ガス中の水蒸気濃度との関係を示したグラフに示す。新品触媒のデータである図5と比較すると、いずれも全般に出口CO濃度は上がっており、劣化していることが分かるが、劣化後でも水蒸気濃度が5%の場合には 100〜190℃でCO濃度が10ppm 以下になっているのに対し、水蒸気濃度が20%の場合には100℃および190℃ではCO濃度が10ppmを越えており、また、1ppm以下になる温度域がないことが分かる。このことから、劣化後でも、水蒸気濃度が低いほど、CO選択酸化の活性温度域を広く確保できることが分かる。
【0044】
参考例4
参考例3で得られた強制劣化触媒を用い、温度を123℃に保ち、長時間定常条件で反応を続ける以外は参考例3と同様にして、水蒸気濃度が5%(露点33℃相当)及び20%(露点61℃相当)での反応管出口でのCO濃度を測定した。
【0045】
結果を、図12のRu系CO選択酸化触媒のCO選択酸化活性の経時変化と入り口ガス中の水蒸気濃度との関係を示したグラフに示す。初期値(0時間での出口CO濃度)は、図11と同様な結果が得られているが、水蒸気濃度を20%とした場合には、時間と共に出口CO濃度が上昇し、12時間後に20ppmを越えたので実験を中断した。一方、水蒸気濃度を5%とした場合には60時間にわたって出口CO濃度を1ppm 以下に保つことができた。
水蒸気濃度を20%とした場合に経時的にCO濃度が増えたのは、触媒の活性点が水蒸気圧と平衡な被覆率になるのに時間を要したためと考えられ、従って、平衡到達後の活性は、水蒸気濃度が5%と20%では、大きく異なることを意味している。
このことから、水蒸気濃度は、劣化後のCO選択酸化触媒の活性に大きな影響を与え、水蒸気濃度が低いほど、CO選択酸化の活性が高いことが分かる。
【0046】
参考例5
参考例1と同様にして得られたRu触媒を充填した反応管に、CO= 0.5%、CO2 =20%、O2 =1%、N2 =4%、残部がH2である反応模擬ガスに湿りガス中の水蒸気濃度が20%となるように水蒸気を添加し、ドライガスベースでGHSV=7,500となるように流通させ、120℃で17,500時間反応させた。終了時の反応管出口のCO濃度は約5ppm であった。
引き続いて、GHSV=3,750と7,500、水蒸気濃度を20%と5%として、触媒層の温度を変化させて反応管出口のCO濃度を測定した。
【0047】
結果を、図13の劣化したRu系CO選択酸化触媒のCO選択酸化活性の温度依存性と、入り口ガス中の水蒸気濃度および空間速度との関係を示したグラフに示す。水蒸気濃度が20%でGHSV=7,500とした場合には、1ppm以下となる領域はないが、水蒸気濃度を5%とした場合には、GHSV=7,500でも100〜 120℃の範囲で出口CO濃度が1ppm以下となり、さらにGHSV=3,750では試験した殆ど全ての温度範囲で、出口CO濃度が1ppmを下回っていることが分かる。一方、水蒸気濃度が20%の場合には90℃以下では、GHSV=3,750とした場合でも、出口CO濃度が10ppmを大きく越え、水蒸気濃度がCO選択酸化触媒の活性に大きな影響を与えることが分かる。
実際に長期間運転した後の劣化触媒でも図11と同様な傾向が認められ、実際の使用条件下で、水蒸気濃度が低いほどCO選択酸化触媒を長期間安定して運転できることが分かる。
【0048】
次に比較例について説明する。
比較例1
水蒸気凝縮分離器の代わりにガス−ガス熱交換器を配し、改質反応器の上流側に脱硫器を配した以外は図1と同じ構成の燃料改質システムを製作した。改質反応は水蒸気改質反応を採用し、外熱式改質反応器を用い、熱交換型CO変成器を用いた。CO選択酸化触媒以外は市販の触媒を用いたが、CO選択酸化反応器には、参考例1で得られたRu触媒を充填し、外壁に空冷式ファンで空気を吹きあてることにより冷却する機構を設けた。
【0049】
この燃料改質システムを用い、都市ガス13A(天然ガス:メタン88%、エタン6%、プロパン3%、ブタン3%) 4.2Nl/min をS/C= 3.0(水蒸気/原料中の炭素モル比)で水蒸気改質し、残存する水蒸気でCO変成した後、ガス−ガス熱交換器で改質ガス温度を80℃としたあと、空気 0.8Nl/min を加え、CO選択酸化反応器に供給した。
この時、空気を加える前の改質ガス中のCO濃度は0.35%、露点は61℃であった。
また、CO選択酸化反応器の空冷式ファンを断続的に運転し、CO選択酸化触媒層の最高温度が 180℃を越えないように保った。
【0050】
CO選択酸化反応器出口ガス中のCO濃度は、運転開始後しばらくは8ppm程度であったが、30分ほどでCO選択酸化反応器の温度が不安定となってCO濃度が上昇し始めたので運転を中止した。CO選択酸化反応器の内部を観察したところ、大量のドレンが溜まっており、触媒が水浸しになっていた。
【0051】
比較例2
比較例1で製作したのと同様の燃料改質システムを用い、CO選択酸化反応器に供給するガス温度を 120℃とする以外は比較例1と同様にして、都市ガス13Aの改質を行った。
CO選択酸化触媒層の温度は、運転開始直後から上昇し始め、空冷式ファンを連続運転しても 180℃以下に保つことができなくなり、急激に温度が上昇して 250℃に達したので運転を中止した。
運転を中止する直前のCO選択酸化反応器出口ガスを分析したところ、CO濃度が500ppmを越えていたほか、メタン濃度が入り口よりも明らかに増加しており、メタン化反応の暴走が起こったものと思われる。
【0052】
実施例1
図6は、本発明に係る燃料改質システムの実施例1に使用する水蒸気凝縮分離手段としての水蒸気凝縮分離器3の縦断面図であり、水蒸気凝縮分離器3が、二重管式の熱交換器(伝熱面積250cm2)21と気水分離器22とを組み合わせて構成されている。
【0053】
熱交換器21は、内管23内に伝熱促進のためのスチールウール24が充填されるとともに、内管23の内周面と外管25の内周面間に冷却媒体を流す冷却媒体流動空間26が形成され、内管23内を下方に流される改質ガスを冷却し、水蒸気を凝縮液化するように構成されている。
【0054】
気水分離器22は、熱交換器21で凝縮液化されたドレンを容器27に受け止め、水蒸気が分離された改質ガスを、ガス配管28を介してCO選択酸化反応器に供給するようになっている。図中29はドレン管を示し、このドレン管29に開閉弁30が設けられ、水蒸気が液化したドレンが所定量溜まるに伴い、開閉弁30を開いて適宜排出できるようになっている。
【0055】
上記構成の水蒸気凝縮分離器3をガス−ガス熱交換器の代わりに組み込む以外は比較例1と同様の構成の燃料改質システムを製作した。
このシステムを用いて、熱交換器の外周部に水道水を供給し、改質ガスを約40℃に冷却する以外は比較例1と同様にして都市ガス13Aの改質を行った。このとき、空気を加える前の改質ガスの露点は39℃であった。
CO選択酸化反応器出口ガス中のCO濃度は、運転開始後安定して8ppm程度以下に保たれ、7時間経過後もその濃度を保っていた。
【0056】
実施例2
図7は、本発明に係る燃料改質システムの実施例2を示す縦断面図であり、脱硫器41と、改質反応器42と、CO変成器43と、CO選択酸化触媒層44を含むCO選択酸化反応器45が、処理ガスをその順に流すように配管を介して接続され、原燃料を脱硫器41に供給し、脱硫→改質→CO変成→CO選択酸化を行って、CO濃度が低い水素リッチの改質ガスを製造するように構成されている。
【0057】
CO変成器43とCO選択酸化反応器45を接続する配管46に、熱交換器47(請求項2の熱交換部に相当する)と気水分離器48(請求項2の気水分離部に相当する)とから成る水蒸気凝縮分離手段としての水蒸気凝縮分離器49が介装され、CO選択酸化反応器45に供給する前に、改質ガス中の水蒸気を凝縮分離するように構成されている。水蒸気凝縮分離手段としては、実施例1と同様のものを用いた。
【0058】
CO選択酸化反応器45は、空洞のプレート型エレメント50を挟んでCO変成器43の一部と接しており、運転時には、CO変成反応で発生する熱が、プレート型エレメント50の外壁および空洞部に存在する空気を介して、CO選択酸化反応器45のCO選択酸化触媒層44に伝わるように構成されている。
【0059】
CO選択酸化反応器45は端部に位置しており、その外表面の入り口側は保温材51で覆われ、一方、出口側は露出され、その露出箇所に冷却用空気を吹き付けるように空冷式ファン52が設けられている。
【0060】
CO選択酸化反応器45の外表面のCO選択酸化触媒層44の層長のほぼ中間となる所定箇所に、CO選択酸化触媒層44の温度を測定する温度センサ53が設けられ、その温度センサ53がコントローラ54に接続されるとともに、コントローラ54に空冷式ファン52のファンモータ55が接続されている。
【0061】
コントローラ54では、温度センサ53で測定されるCO選択酸化触媒層44の温度に基づき、測定温度が一定温度(例えば、 160℃)を越えないように維持されるように空冷式ファン52を運転ならびに停止制御するようになっている。
CO選択酸化触媒としては参考例1で得られた触媒を用い、その他の触媒については既知の触媒を用いた。
【0062】
この燃料改質システムを用いて、実施例1と同様にして都市ガス13Aの改質を行った。この時の水蒸気凝縮分離器49の出口の改質ガスの露点は32℃であり、製品ガス中のCO濃度は実験を継続した約7時間の間、安定して3ppm以下であった。運転中のCO選択酸化反応器45の触媒層の温度分布を調べた一例を図8に示す。改質ガスは70℃程度でCO選択酸化触媒層44に到達するが、CO変成器43からの熱の流入により触媒層長方向に進むに連れて温度が速やかに上がり、それによって酸化反応が自己触媒的に加速し、触媒層の前半でCO選択酸化反応に好ましい温度域に到達する。その後、出口部での冷却作用の効果が伝熱により前半部にも及ぶので、触媒層温度は触媒層の中間よりやや上流側で極大を持っているが、最高温度は 150℃という好適な温度に保たれている。
【0063】
実施例3
図9は、本発明に係る燃料改質システムの実施例3を示す縦断面図であり、実施例2と異なるところは次の通りである。
すなわち、水蒸気凝縮分離器49を構成する熱交換器47の上流部に、CO変成器43で処理した後の改質ガスを冷却する水冷式冷却器61が介装され、その水冷式冷却器61で冷却した後の改質ガスを熱交換器47に供給するようになっている。
【0064】
水冷式冷却器61には、改質に必要な改質用水蒸気を生成する蒸気発生器62に原水を供給する原水供給管63が伝熱可能に導入され、改質に必要な改質用水蒸気を生成するための原水を水冷式冷却器61の低温熱媒体として使用し、CO変成器43で処理した後の改質ガスの顕熱によって原水を予熱するようになっている。他の構成は実施例2と同じであり、同一図番を付してその説明は省略する。
【0065】
実施例3の燃料改質システムを用い、水冷式冷却器61に供給する原水流量を12ml/minとする以外は実施例2と同様にして都市ガス13Aの改質を行った。
水蒸気凝縮分離器49の出口の改質ガスの露点は16℃であり、製品ガス中のCO濃度は常に1ppm未満となっていた。
原水の温度は15℃であったが、水冷式冷却器61を通過させることで、85℃程度まで上昇した。このことは、水冷式冷却器61で回収できる改質ガスの排熱は約60Wであり、その分燃料が減らせたとすると、水冷式冷却器61をつけない場合に比べて改質器の熱効率を約2ポイント上昇させることができ、発電効率にして約1ポイントの上昇につながる計算となる。
さらに、7000時間運転を継続したが、CO選択酸化反応器45の温度は安定しており、製品ガス中のCO濃度は常に1ppm未満となっており、本発明による燃料改質システムにより、CO選択酸化反応の長期安定性が実現されていることがわかる。
【0066】
実施例4
図10は、本発明に係る燃料改質システムの実施例4を示す縦断面図であり、実施例3と異なるところは次の通りである。
すなわち、本発明に係る燃料改質システムを用いた燃料電池スタック71と成層式貯湯槽72とによって燃料電池コージェネレーションシステムが構築されている。
【0067】
燃料電池スタック71と成層式貯湯槽72とにわたって接続される排熱回収用の循環配管73が熱交換器47に導入され、成層式貯湯槽72の低温部から取り出した温度変化の少ない低温水を利用して改質ガスを冷却凝縮し、改質ガスの熱を低温水に回収することができるように構成されている。他の構成は実施例3と同じであり、同一図番を付してその説明は省略する。
【0068】
実施例4の燃料改質システムを用い、成層式貯湯槽72の循環水の流量を 0.3l/min とする以外は実施例3と同様にして都市ガス13Aの改質を行った。水蒸気凝縮分離器49の出口の改質ガスの露点は21℃であり、製品ガス中のCO濃度は常に1ppm未満となっていた。また、PEFCも安定した発電性能が得られた。
一方、改質ガス冷却用の熱交換器47の低温熱媒体の入り口の温度は12℃、出口は19℃となっていた。このことは、約 140Wの排熱が回収できたことを意味しており、1kW級PEFCコージェネレーションシステムとしては、改質ガス冷却用熱交換器の排熱を回収することにより、排熱回収効率及び総合効率を約4ボイント向上する効果があったことになる。
【0069】
実施例5
図9に示す燃料改質システムを用い、CO変成器43の温度を変えて、CO選択酸化反応器45の入口の改質ガスのCO濃度を変化させることと、CO選択酸化反応器45の入口の改質ガスの露点を変化させること以外は実施例3と同様にして、都市ガス13Aの改質を行った。
まず、水蒸気凝縮分離器49の熱交換部47に冷却水を通じて運転した。このとき、出口の改質ガスの温度および露点は、約25〜30℃であった。
引き続いて、水蒸気凝縮分離器49の熱交換部47に冷却水を通じるのを中止して運転した。このとき、出口の改質ガスの温度および露点は、約58℃であった。
【0070】
各条件において、反応が安定したところで、適宜、CO選択酸化反応器45の入口のCO濃度および製品ガス中のCO濃度を測定した。CO選択酸化反応器45の前で添加する空気56の流量とのモル比からO2/COを計算し、その時の製品ガス中のCO濃度をO2/COに対してプロットした結果を図14に示す。露点が25〜30℃の場合は、O2/CO=0.8〜3.7の全領域において、製品ガス中のCO濃度は2ppm以下となっていたのに対し、露点が58℃の場合には、O2/COが1.2以下ではCO濃度が2ppmを越え、0.8では10ppmを大きく越えている。
【0071】
このことから、CO変成触媒の活性が低下し、CO選択酸化反応器45の入口のCO濃度が上昇した場合に、改質ガス中の水蒸気をCO選択酸化反応器45の前で凝縮分離する方が、より少量の空気添加量で、CO選択酸化反応器45の入口のCO濃度がより高い場合でも、COを安定して低減できることが分かる。
【0072】
実施例6
図9に示す燃料改質システムを、雰囲気の温度を変えられる閉ざされた空間の中に設置し、雰囲気温度を変化させることと、CO選択酸化反応器45の入口の改質ガスの露点を変化させること以外は、実施例3と同様にして、都市ガス13Aの改質を行った。
まず、水蒸気凝縮分離器49の熱交換部47に冷却水を通じて運転した。このとき、出口の改質ガスの温度および露点は、約25〜30℃であった。
この条件で、5℃ずつ雰囲気温度を上昇させていった。雰囲気温度が50℃以下の場合には、空冷ファンのON/OFF制御が認められ、CO選択酸化反応器45の温度が正常にコントロールされているとともに、製品ガス中のCO濃度も1ppm未満となっていた。雰囲気温度を55℃まで上昇させた場合、製品ガス中のCO濃度は1ppm未満となっていたが、空冷ファンは連続運転状態となり、冷却能力が不足して温度コントロールができなくなった。
【0073】
引き続いて、水蒸気凝縮分離器49の熱交換部47に冷却水を通じるのを中止して運転した。このとき、出口の改質ガスの温度および露点は、約58℃であった。
この条件で、同様に雰囲気温度を上昇させていった。雰囲気温度が45℃以下の場合には、空冷ファンのON/OFF制御が認められ、CO選択酸化反応器45の温度が正常にコントロールされているとともに、製品ガス中のCO濃度も約1ppmとなっていた。雰囲気温度を50℃まで上昇させた場合、製品ガス中のCO濃度は1ppm未満となっていたが、空冷ファンは連続運転状態となり、冷却能力が不足して温度コントロールができなくなった。水蒸気の凝縮分離を行わない場合には、CO選択酸化触媒の活性が低くなるため主に反応する部分が後半部にずれ込み、後半での発熱が多くなるために空冷ファンの冷却能力が不足し、使用可能な雰囲気温度の上限が低くなってしまうと考えられる。
このことから、水蒸気の凝縮分離を行うことにより、より高い雰囲気温度でも確実にCO濃度を低減できることが分かる。
【0074】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る発明の燃料改質システムによれば、CO変成器により、改質ガス中のCOの大部分をCO変成触媒の共存下で水蒸気と反応させてCO 2 に変換させ、そのCO変成器で処理した後の改質ガスに含まれる水蒸気を、1個のCO選択酸化反応器に供給する前に凝縮分離するから、CO選択酸化反応に供給する改質ガスの露点を下げて、COを低減できる温度範囲を拡大でき、さらに、CO選択酸化反応に必要な酸素を添加して触媒層に至るまでの改質ガスおよび管壁温度を 100℃以下に保つことができて、CO選択酸化触媒の鉄による被毒を防止でき、かつ、CO濃度が高くなる高温で改質する場合でも長期間安定した運転を行いながらCO濃度を10ppm 以下まで安 定して低減できる。
また、CO選択酸化触媒として低温での活性が高い特性のRuを含有する触媒を用い、かつ改質ガスから水蒸気を凝縮分離することにより高活性が維持されるので、CO転化率を高めることができる。
【0075】
【0076】
また、請求項2に係る発明の燃料改質システムによれば、熱交換部で改質ガスを冷却して水蒸気を凝縮させ、気水分離部で凝縮水と改質ガスとを分離するから、例えば、乾燥剤で水蒸気を除去するような場合、水蒸気除去性能が経時的に劣化するために交換が必要でバッチ式になるのに比べ、簡単な構成で連続的に水蒸気を安定して凝縮分離でき、CO選択酸化反応器に供給する改質ガスの温度を所定温度以下に安定して維持できる。
また、請求項3に係る発明の燃料改質システムによれば、水蒸気を凝縮分離した改質ガスの露点が60℃以下になるようにするから、CO選択酸化反応器での活性低下を回避できるとともに水の凝縮を回避できる。
【0077】
また、請求項4に係る発明の燃料改質システムによれば、CO選択酸化反応器に供給する改質ガスの温度を低下させる水冷式冷却器の低温熱媒体として、改質に必要な改質用水蒸気を生成するための原水を使用するから、改質ガスによって原水を予熱することができ、システムからの排熱を回収できて排熱回収効率を向上でき、燃料電池に用いる場合であれば、発電効率を向上できる。
【0078】
また、請求項5に係る発明の燃料改質システムによれば、燃料電池コージェネレーションシステムで用いる成層式貯湯槽の低温部からの低温水を利用して改質ガスを凝縮するから、凝縮を安定して行うことができ、そのうえ、改質ガスの熱を低温水に回収するから、排熱を回収して総合効率を向上できる。
【0079】
【0080】
また、請求項6に係る発明の燃料改質システムの構成によれば、CO選択酸化反応器の触媒層の最高温度を180 ℃以下にするから、メタン化などの副反応による暴走を回避できて安定した運転を行える。
【0081】
また、請求項7に係る発明の燃料改質システムによれば、CO選択酸化反応器の改質ガスの入口側において、水蒸気の凝縮により低温となった改質ガスを加熱するから、CO選択酸化反応器のCO選択酸化反応の開始を促進できる。一方、出口側では冷却して反応を抑えるから、メタン化などの副反応による暴走を回避できて安定した運転を行える。
【0082】
請求項8に係る発明の燃料改質システムの構成によれば、CO選択酸化反応器の触媒の加熱手段の熱源を、システムからの排熱を利用して得るようにするから、システムの熱効率を向上できる。
【0083】
請求項9に係る発明の燃料改質システムの構成によれば、空冷式ファンによって、CO選択酸化反応器の触媒を冷却するから、水冷式の場合のように反応器内での水蒸気の凝縮に起因する触媒の劣化を回避できる。
しかも、運転と停止によって制御できるから、制御簡単にしてCO選択酸化反応器の反応熱を冷却除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1に係る発明の燃料改質システムに対応するフロー図である。
【図2】 請求項2に係る発明の燃料改質システムに対応するフロー図である。
【図3】 請求項4に係る発明の燃料改質システムに対応するフロー図である。
【図4】 請求項7に係る発明の燃料改質システム中のCO選択酸化反応器の要部の縦断面図である。
【図5】 Ru系CO選択酸化触媒のCO選択酸化活性の温度依存性と入り口ガス中の水蒸気濃度との関係を示したグラフである。
【図6】 本発明に係る燃料改質システムの実施例1に使用する水蒸気凝縮分離手段の縦断面図である。
【図7】 本発明に係る燃料改質システムの実施例2を示す縦断面図である。
【図8】 本発明に係る燃料改質システムの実施例2におけるCO選択酸化反応器内の触媒層長方向での温度分布を示すグラフである。
【図9】 本発明に係る燃料改質システムの実施例3を示す縦断面図である。
【図10】 本発明に係る燃料改質システムの実施例4を示す縦断面図である。
【図11】 加速劣化させたRu系CO選択酸化触媒のCO選択酸化活性の温度依存性と入り口ガス中の水蒸気濃度との関係を示したグラフである。
【図12】 加速劣化させたRu系CO選択酸化触媒のCO選択酸化活性の経時変化と入り口ガス中の水蒸気濃度との関係を示したグラフである。
【図13】 劣化したRu系CO選択酸化触媒のCO選択酸化活性の温度依存性と、入り口ガス中の水蒸気濃度および空間速度との関係を示したグラフである。
【図14】 本発明に係る燃料改質システムの実施例5における製品ガス中のCO濃度のO 2 /CO依存性と入り口ガス中の水蒸気濃度との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1…改質反応器
2…CO選択酸化反応器
3…水蒸気凝縮分離手段
4…CO変成器
5…熱交換部
6…気水分離部
7…水冷式冷却器
42…改質反応器
43…CO変成器
44…CO選択酸化触媒層
45…CO選択酸化反応器
47…熱交換部
48…気水分離部
49…水蒸気凝縮分離器
56…選択酸化用空気
61…水冷式冷却器
72…成層式貯湯槽
Claims (9)
- 炭化水素系燃料を改質触媒の共存下で水蒸気および/または空気と反応させて改質ガスを生成する改質反応器と、
前記改質反応器で生成された改質ガス中のCOをRuを含有する触媒の共存下で酸素で選択的に酸化することによりCO2 に変換して水素リッチガスを製造する1個のCO選択酸化反応器とを少なくとも備えた燃料改質システムにおいて、
前記改質反応器と前記CO選択酸化反応器との間に、改質ガス中のCOの大部分をCO変成触媒の共存下で水蒸気と反応させてCO 2 に変換するCO変成器を設け、前記CO変成器で処理した後の改質ガスから水蒸気を凝縮分離する水蒸気凝縮分離手段を設けたことを特徴とする燃料改質システム。 - 請求項1に記載の燃料改質システムにおいて、
水蒸気凝縮分離手段が、改質ガスを冷却するための熱交換部と、凝縮水と改質ガスとを分離する気水分離部とから構成されるものである燃料改質システム。 - 請求項1または2に記載の燃料改質システムにおいて、
水蒸気凝縮分離手段が、改質ガス中に含まれる水蒸気を、凝縮分離後の改質ガスの露点が60℃以下になるように凝縮分離するものである燃料改質システム。 - 請求項2または3に記載の燃料改質システムにおいて、
CO選択酸化反応器に入る前の改質ガスを冷却する水冷式冷却器を備え、
前記水冷式冷却器で冷却した後の改質ガスを熱交換部に供給し、
改質に必要な改質用水蒸気を生成するための原水を前記水冷式冷却器の低温熱媒体として使用し、改質ガスによって原水を予熱するものである燃料改質システム。 - 請求項2、3、4のいずれかに記載の燃料改質システムにおいて、
燃料改質システムが燃料電池コージェネレーションシステムにおいて燃料電池に燃料を供給するためのものであって、前記燃料電池コージェネレーションシステムからの排熱回収によって得た温水を温度成層を形成する状態で貯める成層式貯湯槽を備え、
前記成層式貯湯槽の低温部から取り出して排熱を回収した後に前記成層式貯湯槽の高温部に戻す排熱回収前の低温水を熱交換部に供給するものである燃料改質システム。 - 請求項1、2、3、4、5のいずれかに記載の燃料改質システムにおいて、
CO選択酸化反応器に、その触媒層の最高温度を 180 ℃以下にする熱交換手段を備えている燃料改質システム。 - 請求項6に記載の燃料改質システムにおいて、
CO選択酸化反応器に、改質ガスの入口側の触媒を加熱する手段と出口側の触媒を冷却する手段とを備えている燃料改質システム。 - 請求項7に記載の燃料改質システムにおいて、
CO選択酸化反応器の触媒の加熱手段の熱源を、燃料改質システムの中で前記CO選択酸化反応器より温度が高い部分との熱交換によって得るように構成してある燃料改質システム。 - 請求項7または8に記載の燃料改質システムにおいて、
CO選択酸化反応器の触媒の冷却手段が、運転停止を制御可能な空冷式ファンである燃料改質システム。
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