JP4162005B2 - シリンダライナ鋳込みシリンダブロックの構造、シリンダブロックの製造方法、および同方法に用いられる鋳込み用シリンダライナ - Google Patents

シリンダライナ鋳込みシリンダブロックの構造、シリンダブロックの製造方法、および同方法に用いられる鋳込み用シリンダライナ Download PDF

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Description

本発明は、端面を覆いながらシリンダライナを鋳込ませて製造されるシリンダライナ鋳込みシリンダブロックと、この製造方法および同方法に用いられる鋳込み用シリンダライナに関する。
エンジンのシリンダブロックは、全体をアルミニウム合金などの軽金属を用いてダイキャストにより形成されるようになってきた。アルミニウム合金製のシリンダブロックは、耐摩耗性に難点がある。そこで、シリンダライナが、耐摩耗性などが求められるシリンダ部に内挿される。シリンダライナは、鋳鉄製の筒形で、シリンダブロックがダイキャスト成形される際にいっしょに鋳込まれる。例えば、日本国、特許文献、特開2000−64902号公報に開示された工法がある。
これによれば、図11,12に示されるように、アルミニウム合金製のシリンダブロック2は、デッキ面側の端面3を含めてシリンダライナ1全体をアルミニウム合金4で覆うように鋳造される。このオーバキャスティングタイプと称されるタイプは、多く採用されている。
このタイプのシリンダブロック2は、通常、図13に示されるようにダイキャスト機械の金型5a,5bを用い、シリンダヘッド側の端面3がアルミニウム合金4で覆われるように鋳込まれる。鋳込まれた後の半製品のシリンダブロック本体2aに、シリンダ径を仕上げる機械加工が施される。シリンダライナ1のシリンダヘッド側の端面を覆う上側延設部4aと共に、図14に一点鎖線で示す内径仕上げ寸法位置αに沿って、シリンダライナ1の内側は、孔加工具7を用いて削られる。例えば、ボーリング加工、ホーニング加工など。同様に、鋳込みを終えたシリンダブロック本体2aにシリンダヘッド側のデッキ面を仕上げる機械加工が施される。図14中に一点鎖線で示す最終デッキ面位置δに沿って、デッキ面は、研削加工具8を用いて研削仕上げされる。シリンダブロック2は、これらの機械加工を経て完成される。
ところで、通常、シリンダライナ1を鋳込む場合、シリンダライナ1は、図13に示されるようにシリンダブロック2のデッキ面側を成形する上金型5aから下方に突き出る軸状部10が差込まれる。デッキ面側と反対側を成形する下金型5bの型面に形成された平坦な保持部11によって、デッキ面側と反対のシリンダライナ1の端面が支えられる。これにより、シリンダライナ1は、上金型5aと下金型5bの間に保持される。
このとき、シリンダライナ1の内面の位置が、この端面を覆っている上側延設部4aの端と同じ位置であると、シリンダライナ1は、保持される場所が無い。つまり、シリンダライナ全体が上金型5aと下金型5bとで形成されるキャビティ12に収めるようにすると、ダイキャストの上金型5a、下金型5bの内部で希望する位置に保持できない。
そのため、オーバキャスティングタイプのシリンダブロック2に用いられるシリンダライナ1の内面は、図14に示されるように、予めシリンダライナ1のデッキ面側の端面3を覆う上側延設部4aの端から内径側へ突き出る肉厚をもつ。このライナ素材を用いることで、シリンダライナ1は、上金型5aと下金型5bとの間で保持される。
具体的には、図13,図14に示されるようにシリンダライナ1のデッキ面側において、シリンダライナ1の端面3のうち、上側延設部4aを成形するキャビティ部分12aより内径側に突き出る端面部分を金型当接部13とする。シリンダライナ1全体は、軸状部10の根元側に他の部分より太く形成された環状の保持部14によって金型当接部13が押さえ付けられる。この結果、シリンダライナ1は、上金型5aの保持部14と下金型5bの保持部11との間で支えられる。つまり、シリンダライナ1は、上金型5aと下金型5bの内部で保持される。
シリンダライナ1にボーリング加工、およびホーニング加工などの孔加工を施した結果、設計された内径仕上げ寸法位置αからずれた位置に孔加工が施工されてしまうことがある。この位置ずれ(製造誤差)が、完成品に対する加工公差域内(完成したライナ孔の寸法公差内)に納まっていれば、シリンダライナ1は、一定の肉厚が確保される。したがって、シリンダブロック2は、目標どおり完成したものとして問題ない。
ところが、ボーリング加工、ホーニング加工のいずれも、図14に示されるように端面3を覆っている上側延設部4aとともにシリンダライナ1の内面を加工する。したがって、加工されたライナ孔23は、偏った位置に孔加工が施されても、位置ずれを生じているか否か、外部から判らない。
シリンダブロックから突出させてシリンダライナを鋳込むライナ突き出しタイプのシリンダブロックがある。このタイプに用いられるシリンダライナは、一次加工の段階で、内面を内径仕上げ寸法位置に近づけて仕上げられている。仕上がり寸法に近い寸法に加工前の内面が形成されているので、許容公差域を超える位置ずれが生じた場合、このシリンダライナは、加工の良否を直ちに認識できる。
これに対し、オーバキャスティングタイプのシリンダライナ1は、金型当接部13の確保のために、内径仕上げ寸法位置αから加工前内面までの寸法が大きい一次加工品が用いられる。このタイプのシリンダライナ1は、仕上げ寸法までの加工代が大きいので、仕上がり寸法公差を超える位置ずれを生じたまま孔加工を完了させることが可能である。このため、極端に肉厚が薄い部分を有するシリンダライナ1が完成したシリンダブロック2に、存在するおそれがある。
そこで、本発明は、シリンダブロックの製造方法を変更せずに、シリンダライナ孔の加工公差を超える位置ずれを容易に検知できるシリンダライナ鋳込みシリンダブロック構造およびそのシリンダブロックの製造方法を提供するとともに、位置ずれの検知に適した簡単な構造の鋳込み用シリンダライナを提供する。
本発明に係るシリンダブロック構造は、シリンダライナを有する。そして、シリンダライナの下端面に沿って形成された延設部に、シリンダライナの半径方向に内側から外側に向かって所定幅の段差部を設ける。この場合、段差部は、シリンダライナと同心円状に形成されるか、シリンダライナの周方向の複数箇所に形成される。
本発明に係る他の形態のシリンダブロック構造は、シリンダライナがシリンダブロックの所定の位置に鋳込まれる。シリンダライナの下端面に沿って形成される延設部を有している。鋳込まれたシリンダライナの内周面の機械加工工程前に、延出部は、シリンダライナの半径方向に内側の位置から外側に向けて所定幅の段差部を有している。シリンダライナの半径方向に段差部の外径は、シリンダライナの仕上がり内径寸法に対して、シリンダライナを鋳込む場合に生じる位置ずれを許容する鋳込み公差と機械加工工程による加工公差とを加算した大きさに設定される。
本発明に係るシリンダライナ鋳込みシリンダブロックの製造方法は、筒型のシリンダライナを所定位置に鋳込んでシリンダブロックを形成する。まず、シリンダライナの内周面の仕上げ寸法に対してこれよりも所定寸法だけ半径方向に内側の位置を境界とする環状の段差部を有する一次製品のシリンダライナを用意する。次に、シリンダブロックを形成する金型に設けられて段差部に嵌り合う保持部に一次製品のシリンダライナを固定する。この状態で、金型に金属溶湯を充填してシリンダブロックを鋳造する。シリンダライナの内周面を仕上げ寸法に加工した後、段差部の有無により、シリンダブロックに対するシリンダライナの相対位置、シリンダライナに対するシリンダライナ孔の相対位置、およびシリンダライナの肉厚、のうちの少なくとも1つを検知する。
本発明に係る鋳込み用シリンダライナは、端面に環状の段差部を有した筒型である。段差部は、シリンダライナの内周面の仕上げ寸法位置に対して、シリンダブロックに鋳込まれる際に許容される鋳込み公差と、内周面の仕上げ加工の際に許容される加工公差と、を含んだ寸法公差よりも半径方向に内側の位置を境界に形成する。この場合、シリンダライナを金型にセットする際に、シリンダライナの向きを特定せずにすむよう、段差部は、シリンダライナの両方の端面にそれぞれ設ける。
本発明に係るシリンダライナ鋳込みシリンダブロックの他の製造方法は、筒型のシリンダライナをシリンダブロックの所定位置に鋳込むべくこのシリンダライナを保持する金型を用いる。この金型は、シリンダライナの下端面に沿ってシリンダライナの半径方向に幅を有する環状の段差部の境界を鋳造によって形成する。段差部の境界は、シリンダライナの内周面の仕上がり寸法位置に対して、鋳込み公差と加工公差を加算した外径位置に設けられる。鋳込み公差は、シリンダライナを鋳込む際に生じる位置ずれが許容される値である。加工公差は、シリンダライナの内周面の仕上げ加工にともなう公差である。この金型を用いて金属溶湯を充填しシリンダブロックを鋳造した後、シリンダライナの内周面を仕上げ加工する。段差部の有無を基に、シリンダブロックに対するシリンダライナの位置ずれ、シリンダライナの孔の加工位置ずれ、およびシリンダライナの肉厚、のうちの少なくとも1つを判定する。
本発明に係る第1の実施形態のシリンダブロック構造は、図1〜図6を用いて説明される。本実施形態において、図1,2に示されるように、オーバキャスティングタイプのシリンダブロック2は、シリンダライナ20を鋳込んで鋳造される。シリンダライナ20は、外部から孔加工の良否が判別できる工夫が施されている。なお、「背景技術」の項で記載した構成と同じ機能を有する構成については、同一の符号を付してその説明を一部省略する。
シリンダライナ20は、図1,2に示すように、一次製品のシリンダライナとして筒型に形成されたライナ本体20aと、このライナ本体20aの両方の端面3にそれぞれ環状に形成された金型保持用の段差部21を有している。シリンダライナ20は、例えば、高硬度の鋳鉄で造られる。段差部21は、端面3に半径方向へ階段状に形成される。段差部21の境界21aは、図中に一点鎖線で示すシリンダライナ20の孔の内径仕上げ寸法位置αに対して、内周側に設けられる寸法公差域βよりも内側に設けられる。
寸法公差域βは、鋳込み公差および加工公差を含むものである。鋳込み公差は、シリンダライナ20がシリンダブロック2に鋳込まれる際に許容される位置ずれの値である。加工公差は、シリンダライナ20に施される内周面の仕上げ加工の際に許容される値である。
内径仕上げ寸法位置αよりも半径方向に外側の領域は、シリンダブロック2を鋳造することで埋没する鋳込み領域γである。内径仕上げ寸法位置αは、連続する寸法公差域βと鋳込み領域γとの途中に設けられる。デッキ面側の上金型5aの保持部14および反デッキ面側の下金型5bの保持部11は、段差部21の形状に対応して嵌り合う形状を有している。段差部21は、それぞれ保持部14,11と当接するライナ押え領域εとなる。
次に、シリンダブロック2の製造方法について説明する。図3に示されるように、シリンダライナ20は、ダイキャスト機械の上金型5aと下金型5bとの間にセットされる。シリンダライナ20の反デッキ面側の端面3は、段差部21によって下金型5bの保持部11に嵌められる。上金型5aの内面(図中において下面側)から突出する軸状部10は、シリンダライナ20のデッキ面側の端面3から挿入される。この軸状部10の根元にある保持部14は、シリンダライナ20のデッキ面側の端面3に設けられた段差部21に嵌り合う。
図3に示すようにシリンダライナ20を挟んだ状態で、上金型5aと下金型5bとは、型締めされる。シリンダライナ20は、外周をキャビティ12に囲繞されるように、上金型5aと下金型5bとの間で保持される。シリンダライナ20のデッキ面側の鋳込み領域γの上方にキャビティ部分12aが形成される。キャビティ12とキャビティ部分12aは、アルミニウム合金4の溶湯で充填される。この結果、シリンダブロック2は、シリンダライナ20を一体に鋳込んだ状態に鋳造される(ダイキャスト成形)。なお、アルミニウム合金の代わりに、他の金属溶湯、例えばアルミニウム合金以外の軽合金でも良い。
鋳造されたシリンダブロック2の半製品であるシリンダブロック本体2aにおいて、図4に示すように、シリンダライナ20の外周面、およびデッキ面側の端面3の寸法公差域βと鋳込み領域γの範囲は、アルミニウム合金4に覆われた状態となる。
図4に示されるように、シリンダブロック本体2aは、完成したシリンダブロック2に仕上げられるために、いくつかの機械加工が施される。シリンダライナの内周面は、所定の内径寸法に仕上げられるために、最終仕上げ寸法に応じて予め加工径を定めてある孔加工具7を用いて、デッキ面側からこの端面3を覆う上側延設部4aとともにボーリング加工やホーニング囲うなどの孔加工が施される。シリンダブロック本体2aのデッキ面は、研削加工具8を用いて図4中にδで示す線の位置に仕上げられる研削加工が施される。
孔加工が施された結果、シリンダライナ20の内周面が、加工や完成品を考慮した寸法公差域βの範囲内に仕上がると、シリンダライナ20の内周面は、図11,12に示されるように平坦に形成される。すなわち、シリンダライナ20の端面3を覆う上側延設部4aからシリンダライナ20の内周面まで、凹凸なく平坦に連続するライナ孔23が形成される。
しかし、シリンダライナ20に対する孔加工が、寸法公差域βを超えて施工される、すなわち内径仕上げ寸法位置αを超えて過度にずれた位置に施工されることがある。この場合、図5,6に示されるようにライナ孔23がずれて加工された方向と同じ方向の壁面は、上側延設部4aからシリンダライナ20まで平坦に連続するが、ずれた方向と反対側の壁面は、寸法公差域βの下限値(内周側)を超えてずれた分だけ段差部21が三日月形に残る。つまり、孔の位置が寸法公差を外れることによって、孔加工具7が寸法公差域βに触れることなく、シリンダライナ20は、段差部21から孔加工される。したがって、位置ずれが寸法公差の範囲内に納まっていれば加工されてしまう部分、すなわち図6中のA1部分に示されるような段差部21の一部が、図5中のA2で示すように三日月形に広範囲にわたって残る。
したがって、孔加工後、シリンダブロック2の外部となるデッキ面側から、段差部21が残留していること、またシリンダライナ20の内周面に残る機械加工跡の有無を目視確認(検知)することによって、シリンダライナ20の最終加工孔(ライナ孔23)が過度に位置ずれして加工されたことがわかる。この結果、部分的に極端に肉厚が薄くなった部分が存在するシリンダライナ20を組込んでしまうことを回避することができる。
このように、シリンダライナ鋳込みタイプのシリンダブロックの製造精度の向上は、難しいとされていたが、この発明を適用することで、鋳込まれたシリンダライナの孔の位置精度の向上を容易に図ることができる。つまり、シリンダブロックの品質を向上させることができる。また、シリンダライナ20の端面3に環状の段差部21を形成する簡単な構造で、位置ずれの検知を精度良く行える。位置ずれの検知は、シリンダライナ20の内周面機械加工後に、段差部21が残留しているか否かを目視確認することで容易に行える。
段差部21は、シリンダライナ20の両方の端面3にそれぞれ形成されている。したがって、シリンダブロック2を鋳造する金型に一次製品のシリンダライナをセットする場合、一次製品のシリンダライナの方向に関係なく容易に金型にセットでき、しかも、段差部21は、デッキ面側に配置される。
以上説明したように本発明に係る実施形態によれば、シリンダライナ20の内径仕上げ寸法位置αを基準とする段差部21の境界21aが鋳込み前のシリンダライナ20の端部に設けられている。したがって、シリンダライナ20の内周面の加工後にこの段差部21が残留しているか否かを確認することで、シリンダライナ20の孔の過度な位置ずれを検知することができる。このシリンダブロック2は、製造方法を大幅に変更せずに、シリンダライナ20の孔の位置ずれを容易に判別することができる。
また、本発明に係る実施形態のシリンダライナ20によれば、端部に段差部21を設けた簡単な構造でシリンダライナ20の孔の過度の位置ずれを検知することができる。そして、段差部21を鋳込み前のシリンダライナ20の両端に設けた発明によれば、シリンダブロック2を鋳造する金型5a,5bにセットする際に、セットする向きが特定されない。したがって、シリンダライナ20を金型5a,5bに組み付ける作業が軽減され、作業効率を向上させることができる。
本発明に係る第2の実施形態について、図7から図10を参照して説明する。なお、第1の実施形態に記載された構成と同じ機能を有する構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態のシリンダブロック2は、図8に示すように、シリンダライナ1の上端面3aに沿って形成される上側延設部4aと、下端面3bに沿って形成される下側延設部4bをそれぞれ有している。上側延設部4aは、シリンダライナ1の内径仕上げ寸法位置αに対して設けられる寸法公差域βの内周縁よりも内側まで張り出し、鋳込み領域γを覆っている。下側延設部4bは、上側延設部4aと同様に寸法公差域βの内周縁よりも内側まで張り出して鋳込み領域γを覆っている。
下側延設部4bは、さらに、寸法公差域βの幅に相当する段差部31を有している。段差部の境界31aは、内径仕上げ寸法位置αよりも外周側に設けられる寸法公差域βの外径となる外側縁の位置に設けられている。したがって、図7に示すように、内径仕上げ寸法位置αは、この段差部31の範囲内に設けられることとなる。上側延設部4aは、シリンダライナ1の上端面3aとシリンダブロックダイキャスト用の上金型5aとの間に作られるキャビティ部分12aによって鋳造成形される。下側延設部4bは、シリンダライナ1の下端面3bとダイキャスト用の下金型5bとの間に造られるキャビティ部分12bによって鋳造成形される。
上金型5aは、軸状部10と保持部14とを有している。軸状部10は、シリンダライナ1に挿入され、下端が下金型5bに当接する。保持部14は、軸状部10の根元側に設けられ、シリンダライナ1の上端面3aに設けられる鋳込み領域γよりも内側の範囲でシリンダライナ1の上端面3aに当接する。下金型5bは、保持部11と段差形成部15とを有している。保持部11は、寸法公差域βの内側縁よりも内径側の範囲で、シリンダライナ1の下端面3bに当接する。段差形成部15は、保持部11の外周に環状に設けられ、寸法公差域βに相当する幅を有している。
このシリンダブロック2は、以下の手順でシリンダライナ1を鋳込んで鋳造される。まず、円筒形の一次製品のシリンダライナ1は、図9に示すように、ダイキャスト用の上金型5aおよび下金型5bの間に挟んで保持される。この状態で、上金型5aと下金型5bとシリンダライナ1の外周とで構成されるキャビティ12にアルミニウム合金の金属溶湯を充填しシリンダブロック2を鋳造する。この結果、図10に示す状態に、下側延設部4bに段差部31を有するシリンダブロック2が形成される。この後、第1の実施形態と同様に、デッキ面とシリンダライナ1の内周面とがそれぞれ仕上げ加工される。シリンダライナ1の孔が目標位置である内径仕上げ寸法位置αに対して、寸法公差域βに納まっていれば、段差部31は、全周にわたって残る。したがって、段差部31が残っていることを加工後に確認することで、シリンダライナ1の孔位置が正しく加工されたことが判る。また、シリンダブロック2は、シリンダライナ1の下端面3b似沿って下側延設部4bを有しているため、この下側延設部4bがない場合と比較して、シリンダライナ1の内周面機械加工後に発生するバリが少なく、バリ取り加工を軽減することができる。
第1の実施形態においては、段差部21は、シリンダライナ20に設けられていたことに対し、第2の実施形態では、段差部31は、シリンダブロック2に設けられている。そして、第1の実施形態では、シリンダライナ20の内周面仕上げ加工によって、段差部21は、なくなってしまうことに対して、第2の実施形態では、段差部31は、シリンダライナ1の内周面仕上げ加工後にも残る。したがって、第2の実施形態のシリンダブロック2は、内径仕上げ寸法位置αに対して、より近い位置にシリンダライナ1の孔が加工されたことを加工後に目視で容易に確認することができる。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施しても構わない。
産業上の利用可能性
本発明に係る技術は、シリンダライナが鋳込まれるシリンダブロックに適用するだけでなく、滑軸受において軸受ライナをハウジングに鋳込む技術として応用することが可能である。
本発明の第1の実施形態に係るオーバキャスティングタイプのシリンダブロックの製造方法で用いられる一次製品のシリンダライナを軸方向から見た平面図である。 図1に示したF2−F2線に沿うシリンダライナの断面図である。 図2に示したシリンダライナを金型内にセットした状態の断面図である。 図3に示した金型で鋳込んだ半製品のシリンダブロックのシリンダライナ近傍の断面図である。 図4に示したシリンダブロックにシリンダライナの孔加工を施した場合に過度な位置ずれを生じたライナ孔を示す平面図である。 図5に示したF6−F6線に沿うシリンダブロックの断面図である。 本発明に係る第2の実施形態に係るシリンダブロックのシリンダライナの孔加工前の状態を下方から見た平面図である。 図7に示したF8−F8線に沿うシリンダブロックの断面図である。 図8に示したシリンダブロックを鋳込む金型にシリンダライナが保持された状態の断面図である。 図9に示した金型で鋳込んだ半製品のシリンダブロックのシリンダライナ近傍の断面図である。 従来のオーバキャスティングタイプのシリンダブロックの上部側から見た平面図である。 図11に示したF12−F12線に沿うシリンダブロックの断面図である。 図12に示したシリンダブロックを鋳造する金型にシリンダライナをセットした状態を示す断面図である。 図13に示した金型で鋳込んだ半製品のシリンダブロックのシリンダライナ近傍の断面図である。

Claims (5)

  1. シリンダライナがシリンダブロックの所定位置に鋳込まれるシリンダブロック構造であって、
    前記シリンダライナの下端面に沿って形成される延設部を有し、
    鋳込まれた後のシリンダライナ内周面の機械加工工程前に、
    前記延設部がシリンダライナの半径方向に内側の位置から外側へ向けて所定幅の段差部を有し、
    前記シリンダライナの半径方向に前記段差部の外径は、前記シリンダライナの仕上がり内径寸法に対して、前記シリンダライナを鋳込む場合に生じる位置ずれを許容する鋳込み公差と前記機械加工工程による加工公差とを加算した大きさに設定されることを特徴とするシリンダブロック構造。
  2. 筒型のシリンダライナを所定位置に鋳込んで形成されるシリンダブロックの製造方法であって、
    シリンダライナの内周面の仕上げ寸法に対してこれよりも所定寸法だけ半径方向に内側の位置を境界とする環状の段差部を有する一次製品のシリンダライナを用意し、
    前記シリンダブロックを形成する金型に設けられて前記段差部に嵌り合う保持部に前記一次製品のシリンダライナを固定し、
    前記金型に金属用湯を充填して前記シリンダブロックを鋳造し、
    前記シリンダライナの内周面を前記仕上げ寸法に加工し、
    前記段差部の有無により、シリンダブロックに対するシリンダライナの相対位置、シリンダライナに対するシリンダライナ孔の相対位置、およびシリンダライナの肉厚、のうちの少なくとも1つを検知することを特徴とするシリンダライナ鋳込みシリンダブロックの製造方法。
  3. 端面に環状の段差部を形成した筒型のシリンダライナであって、
    前記段差部は、シリンダライナの内周面の仕上げ寸法位置に対して、シリンダブロックに鋳込まれる際に許容される鋳込み公差と、内周面の仕上げ加工の際に許容される加工公差と、を含んだ寸法公差よりも半径方向に内側の位置を境界に形成されることを特徴とする鋳込み用シリンダライナ。
  4. 前記段差部は、前記シリンダライナの両方の端面にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項3に記載の鋳込み用シリンダライナ。
  5. シリンダブロックの所定位置に筒型のシリンダライナを鋳込むべくこのシリンダライナを保持し、前記シリンダライナの内周面の仕上がり寸法位置に対して、前記シリンダライナを鋳込む際に生じる位置ずれを許容する鋳込み公差と前記シリンダライナの内周面の仕上げ加工にともなう加工公差とを加算した外径位置に、前記シリンダライナの下端面に沿ってこのシリンダライナの半径方向に幅を有する環状の段差部の境界を形成する金型を用い、
    この金型に金属溶湯を充填してシリンダブロックを鋳造した後、
    前記シリンダライナの内周面を仕上げ加工し、
    前記段差部の有無を基に、前記シリンダブロックに対する前記シリンダライナの位置ずれ、前記シリンダライナの孔の加工位置ずれ、および前記シリンダライナの肉厚、のうちの少なくとも1つを判定することを特徴とするシリンダライナ鋳込みシリンダブロックの製造方法。
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