JP4161408B2 - X線透視撮影装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、被検体(患者)載置用の天板の下側に配置されたX線管を備えているアンダーチューブ型のX線透視撮影装置に係り、特にX線検出機構系まわりの構成の簡素化を図るための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
図15は、従来、病院等の医療施設で使われているブッキ撮影も可能なアンダーチューブ型のX線透視撮影装置の透視撮影台まわりの構成を示す。図15のX線透視撮影装置の場合、患者Mを載置する天板60の下側に設置されたX線管61と、天板60の上側に設置された透過X線像検出用のイメージインテンシファイア(I・I管)62とが、天板60を挟んで対向配置状態で装備されていて、X線管61によるX線照射に伴ってI・I管62から得られるX線検出データに基づきX線透視画像が作成・表示される構成となっている。さらに、この装置は、I・I管62のX線入射面(前面)側にX線透視像をフィルムに写す速写撮影機63が装備されており、表示されたX線透視画像により透視観察を行いながら、適当な画像の時に速写撮影機63を作動させてフィルム撮影することにより、X線写真が得られ、X線透視撮影が実行されるという構成になっている。
【0003】
さらに、従来のX線透視撮影装置の場合、図16に示すように、増感紙を重ねたフィルムが1枚だけ装填されているブッキ撮影用のフィルムカセッテ64が天板60の下側にセット可能となっており、X線管61およびI・I管62を横に移動させるとともに、X線管61とは別に撮影室の天井に走行可能に配設された他のX線管65をフィルムカセッテ64の真上に移動させおき、X線管65から患者MにX線を照射して患者Mの患部をフィルムカセッテ64のフィルムに撮影することにより、X線写真が得られ、ブッキ撮影が実行されるという構成にもなっている。
このように、図15および図16に示すX線透視撮影装置は、透視撮影のみならず、ブッキ撮影も実行可能な有用な装置なのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のアンダーチューブ型のX線透視撮影装置では、X線検出機構系まわりが煩雑であるという問題がある。
すなわち、電子レンズ結像方式の真空管構造を採っている透視撮影用のI・I管62が大容積の重量物である上に、速写撮影機63をも併設しなければならないので、両者の取り付けに必要な構造はどうしても大がかりなものにならざるを得ない。また、ブッキ撮影用のフィルムカセッテ64を別に常備しておかなければならないことも、装置を扱うオペレータにとっては煩雑なかぎりである。
【0005】
この発明は、上記の事情に鑑み、X線検出機構系まわりを簡素化することができるとともに、フィルムカセッテ無しでブッキ撮影の実行が可能なアンダーチューブ型のX線透視撮影装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するため、この発明に係るX線透視撮影装置は、被検体が載置される天板の下側に配置されているX線管と、X線照射に伴って生じる被検体のX線透視像を検出するX線検出器とを備えていて、X線検出器から出力されるX線検出データに基づいてX線透視画像が得られるよう構成されたアンダーチューブ型のX線透視撮影装置において、前記X線検出器として多数個のX線検出素子が縦横に配列されているX線面センサを備えているとともに、前記X線面センサの表裏を反転させるセンサ面反転手段と、X線管が取り付けられているとともに天板の下側を天板の長手方向に沿って走行する走行枠と、天板の短手方向の向きに進退するように前記走行枠に配設されて、天板に対しX線面センサを天板の短手方向へ向けて相対的に進退移動させるセンサ進退手段と、X線面センサを天板高さを越す高さと天板高さを下回る高さとの間にわたって上下移動させるセンサ昇降手段とを備え、前記走行枠の移動に伴ってX線管およびX線面センサが天板の長手方向に沿って移動する。
【0007】
〔作用〕
次に、この発明のX線透視撮影装置により透視撮影あるいはブッキ撮影を実行する際の作用を説明する。
この発明のX線透視撮影装置による透視撮影の場合、多数個のX線検出素子が縦横に配列されている透過X線像検出用のX線面センサをX線入射面がX線管に対面するようにして天板の上側にセットしておき、天板の下側のX線管からX線を被検体に照射する。このX線照射に伴って生じる被検体のX線透視像はX線面センサで検出されてX線透視画像作成用のX線検出データがX線面センサから出力される。
X線面センサからのX線検出データに基づいて最終的に得られるX線透視画像は、モニタの画面に映し出されて透視観察が行われたり、必要なX線透視画像をシートに記録することによりX線写真が得られる結果、透視撮影を実行することができる。
【0008】
この発明のX線透視撮影装置によるブッキ撮影の場合、先ずセンサ面反転手段によりX線面センサの表裏を反転させてX線入射面をひっくり返し、センサ進退手段によりX線面センサを天板の短手方向へ向けて天板から外れる位置まで後退移動させるとともに、センサ昇降手段によりX線面センサを天板高さより低い位置まで下降させた後、再びセンサ進退手段によりX線面センサを天板の短手方向へ向けて天板の下の位置まで逆に前進させて撮影位置へセットする。
こうして、X線面センサのセットが終わると、天井走行型など別のX線管を天板の真上にセットしておいて、天板の上側のX線管により被検体にX線を照射する。このX線照射に伴って生じる被検体のX線透視像はX線面センサで検出されてX線透視画像作成用のX線検出データとして出力されるとともに、このX線検出データに基づいて得られるX線透視画像をシートに記録してX線写真を得ることにより、ブッキ撮影を実行することができる。
なお、ブッキ撮影から透視撮影に変更する場合は、上とは逆に順序でX線面センサを天板の上側にセットし直すことになる。
【0009】
この発明のX線透視撮影装置において透過X線像検出用のX線検出器として用いられているX線面センサは、大容積の重量物であるイメージインテンシファイアとは異なり、薄型の軽量物であるので、簡単に取り付けられる。
また、X線面センサの場合、イメージインテンシファイアのような画像歪みがなく分解能も十分であり、X線面センサのX線検出データで普通に作成されるX線透視画面をシートに記録すれば、速写撮影機で撮ったX線写真と同等の画質のX線写真が得られる。
さらに、X線面センサを天板の下側に反転セットしておいて得られるX線透視画面をシートに記録することにより、フィルムカセッテを使って撮ったX線写真と同等の画質のX線写真が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
続いて、この発明のX線透視撮影装置の一実施例を図面を参照しながら説明する。図1は実施例に係るアンダーチューブ型のX線透視撮影装置の全体構成を示すブロック図、図2は実施例装置の透視撮影台まわりの構成を示す正面図、図3は、実施例装置の透過X線像検出用のフラットパネル型X線センサの構成を示す平面図である。
【0011】
実施例のX線透視撮影装置は、図1および図2に示すように、患者(被検体)Mを載置する天板1と、天板1の下側に配置されているX線管2を備えているとともに、X線照射に伴って生じる患者MのX線透視像を検出するX線面サンサとして、図3に示すように、多数個のX線検出素子XDが縦横に配列されているフラットパネル型X線センサ(以下、「パネル型X線センサ」と略記)3を備えている。実施例装置は、天板1の下側にX線管2が配設されていることから、いわゆるアンダーチューブ型の装置となっている。
また、撮影室の天井UWにはレールULが敷設されていて、X線管1とは別のX線管4が、レールULに沿って縦横に走行移動できるのに加えて、垂直方向への上下移動も可能なようにして配設されている。
【0012】
天板1は主枠5の上側に配置されていて、短手方向Xおよび長手方向(患者Mの体軸と平行な方向)Yに平行移動することができるよう構成されている他、主枠5が後面のほぼ真ん中を回転中心として回動できるよう支持脚6に支えられており、主枠5を回動させるのに伴って天板1を起倒動させられるよう構成されている。
天板1の平行移動や起倒動のコントロールは、駆動モータなどを含む天板制御部7により行われる。 また、X線管2あるいはX線管4は、高電圧発生器などを含む照射制御部8のコントロールにより、管電圧・管電流等の設定照射条件に合致したX線を患者Mに照射するよう構成されている。
これら天板制御部7あるいは照射制御部8によるコントロールは、キーボード9やマウス10からの入力操作に伴って撮影制御部11から送出される指令信号に従って行われる。
【0013】
一方、パネル型X線センサ3の後段には、パネル型X線センサ3から出力されるX線検出データを収集し、画像処理部13へ送り出す信号収集部12が設置されている。信号収集部12の後の画像処理部13は、X線検出データをディジタル信号に変換するAD変換部14、ディジタル化されたX線検出データを記憶する検出データメモリ15、検出データメモリ15に記憶されたX線検出データにエッジ強調やフィルタリングなどの必要な画像処理を施すことによりX線画像を作成するデータ処理部16、および、画像処理で得られたX線透視画像を記憶するX線画像メモリ17を具備している。通常、撮影中、X線画像メモリ17に格納されたX線画像は次々と更新され続けることになる。
【0014】
さらに、実施例のX線透視撮影装置には、X線画像メモリ17に記憶されたX線透視画像を表示する画像表示モニタ18、および、X線画像メモリ17に記憶されるX線画像をフィルムなどのシートに焼き付けてX線写真として出力する画像焼付け記録部19も設けられている。
なお、これら画像表示モニタ18によるX線画像の表示や画像焼付け記録部19によるX線写真の出力は、キーボード9やマウス10からの操作入力により撮影制御部11から送出される指令信号に従って実行される。
【0015】
続いて、実施例のX線透視撮影装置の透視撮影台まわりの構成について具体的に説明する。
透視撮影の場合には、図1に実線で示すように、パネル型X線センサ3がX線入射面3aをX線管2に対面させるようにして天板1の上側にセットされ、またブッキ撮影の場合には、図1に一点鎖線で示すように、パネル型X線センサ3がX線入射面3aをX線管4に対面させるようにして天板1の下側にセットされることになる。そして、パネル型X線センサ3とX線管2は、天板1の長手方向Yに沿って移動可能に主枠5に配設されている移動フレーム体20に取り付けられていて、移動フレーム体20が動くのに伴ってX線管2およびパネル型X線センサ3も天板1の長手方向Yに沿って移動させられるよう構成されている。
【0016】
移動フレーム体20は、天板1の下側を天板1の長手方向Yに沿って走行する走行枠21と、天板1の短手方向Xの向きに進退するようにして走行枠21に配設されている進退枠(センサ進退手段)22と、進退枠22の上側後端部に立設されている垂直柱23と、上下方向に移動するようにして垂直柱23に配設されている昇降ボックス24と、昇降ボックス(センサ上下手段)24から天板1の方へ向かって水平に延びる回転バー25とを備えており、パネル型X線センサ3は回転バー(センサ面反転手段)25の先端に取り付けられていて、X線管2は走行枠21の裏側にサポートフレーム21fを介して取り付けられている。
【0017】
走行枠21は、図4および図5に示すように、全体が長四角枠形状であって、前側の正面に上下に対向配置されたローラ21aが2組設置されており、後より側の下面にスライドベアリング21bが2個設置されている。一方、図1および図4に示すように、主枠5の裏面側には、走行枠21の後端部を突き出すための開口窓5aと、パネル型X線センサ3が出入りする出入口5bが長手方向Yに沿って長く続くよう形成されている。また主枠5の内部前側の側面にはローラ21aと係合するレール5cが長手方向Yに沿って続くよう形成されているとともに、主枠5の内部後側の段部上面にはスラストベアリング21bと係合するレール5dが長手方向Yに沿って続くよう形成されている。
したがって、手動で走行枠21を長手方向Yに押したり、或いは、引いたりすれば、走行枠21がレール5c,5dの上を走行するとともに、走行枠21の移動に伴って移動フレーム体20全体が長手方向Yに移動して、X線管2およびパネル型X線センサ3の長手方向Yの位置が変化することになる。
【0018】
進退枠22は、図5および図6に示すように、全体が長四角枠形状であって大部分が走行枠21の内側に進入可能に配設されている。そして、進退枠22の両横表面には案内レール26,26が天板1の短手方向Xに沿って続くよう形成されている。他方、走行枠21の内側面には、図5および図6に示すように、案内レール26に係合する上下一対のローラ27,27がそれぞれ2組配置されているとともに、走行枠21の後側辺には、進退枠22が出入りできる大きさの開口28が形成されている。
したがって、手動で進退枠22を短手方向Xに押したり、或いは、引いたりすれば、進退枠22が開口28から出たり引っ込んだりするとともに、進退枠22の移動に伴って垂直柱23から上全体が移動してパネル型X線センサ3の短手方向Xの位置だけが変化することになる。
【0019】
また、垂直柱23は、図1に示すように、垂直に立設されたガイド柱29を備えており、昇降ボックス24がガイド柱29に案内されながら手動で昇降させられるようにベルトとプーリおよびカウンターバランス等の使って構成されている。昇降ボックス24の昇降に伴ってパネル型X線センサ3も垂直方向に昇降することは言うまでもない。
そして、回転バー25は、図1に示すように、軸を中心に回転できるようにして昇降ボックス24に取り付けられている。この回転バー25を180°回転させれば、パネル型X線センサ3の表裏が反転して、X線入射面3aが上下逆向きとなる。
【0020】
続いて、パネル型X線センサ3自体の構成を具体的に説明する。パネル型X線センサ3におけるX線検出素子XDの配列としては、例えば横(x)方向1024,縦(y)方向1024の正方形マトリックス構成が挙げられる。このパネル型X線センサ3は、イメージインテンシファイアと異なり、薄型の軽量物であるので、取り付けに大がかりな構造を必要としない上に、分解能も十分で高画質の画像が得られる。
【0021】
パネル型X線センサ3は、図7に示すように、入射X線を電荷あるいは光に変換するX線変換層30と、X線変換層30で生じた電荷あるいは光を検出する素子が縦横にマトリックス状に配置形成されている検出アレイ層31との積層構造となっており、図8(a)に示す直接変換タイプのセンサと、図8(b)に示す間接変換タイプのセンサとがある。
前者の直接変換タイプの場合、X線変換層30が入射X線を直に電荷に変換するセレン層やCdZnTe層などからなり、検出アレイ層31の表面に電荷検出素子32として表面電極33に対向形成された電荷収集電極でもって電荷の検出を行いコンデンサC1に蓄電するとともに蓄積電荷がTFT(Thin Film Transister:薄膜トランジスタ) 34を介して取り出される構成となっていて、各電荷検出素子32と、その上のX線変換層30の一部分と、コンデンサC1およびTFT34とで1個のX線検出素子XDが形成される。
【0022】
後者の間接変換タイプの場合、X線変換層30が入射X線を光に変換するシンチレータ層からなり、検出アレイ層31の表面に光検出素子35として形成されたフォトダイオードでもって光の検出を行いコンデンサC1に蓄電するとともに蓄積電荷がTFT34を介して取り出される構成となっていて、各光検出素子35と、その上のX線変換層30の一部分と、コンデンサC1とおよびTFT34とで1個のX線検出素子XDが形成される。
【0023】
そして、パネル型X線センサ3では、図9に示すように、各X線検出素子XD,…,XDがそれぞれTFT34を介して縦横に走る読出し配線36,37に接続されているとともに、読出し配線36,37は、それぞれ横(x)読出し駆動部38あるいは縦(y)読出し駆動部39に接続されており、横・縦読出し駆動部38,39へ読出し用の走査信号が送り込まれることになる。パネル型X線センサ3の各X線検出素子XDの特定は横方向・縦方向の配列に沿って各X線検出素子XDへ順番に割り付けられている0〜1023のアドレスに基づいて行われるので、読出し用の走査信号は、それぞれ横(x)方向アドレスまたは縦(y)方向アドレスを指定する信号となる。
【0024】
横・縦の走査信号に従って横読出し駆動部38あるいは縦読出し駆動部39から読出し配線36,37に対して読出し用の電圧が印加されるのに伴い、各検出素子XD,…,XDより順番にX線検出信号がTFT34から読出し配線37を通り、さらにX線検出データとして信号収集部12の各プリアンプ40およびマルチプレクサ41を経て収集されることになる。
【0025】
上のことから、パネル型X線センサ3からの検出信号の読出し方式は、概ね通常のTVカメラなどの映像検出器に準ずる構成となる。
実施例のセンサ3の場合には、信号収集部12を構成する両読出し駆動部38,39や、プリアンプ40およびマルチプレクサ41も、パネル型X線センサ3の検出アレイ層31の表面周縁に設置されていて、一段と集積化が図られた構成となっている。
また、パネル型X線センサ3から得られたX線検出データを記憶する検出データメモリ15やX線透視画像を記憶するX線画像メモリ17は、パネル型X線センサ3でのX線検出素子XDの縦横マトリック構成に対応するマトリックス構成を持つフレームメモリ方式の記憶デバイスが使われている。
【0026】
以上に述べた構成を有する実施例装置による透視撮影の場合、図1に実線で示すように、パネル型X線センサ3をX線入射面3aがX線管2に対面するようにして天板1の上側にセットしておいて、X線管2によりX線を患者Mに照射する。X線照射に伴ってパネル型X線センサ3から出力されるX線検出データに基づいて最終的に得られるX線透視画像を画像表示モニタ18の画面に映し出したり、必要なX線透視画像を画像焼付け記録部19でシートに記録することにより速写撮影機による写真と同等の画質のX線写真を得たりする。
【0027】
また、実施例装置によるブッキ撮影の場合、図1に一点鎖線で示すように、パネル型X線センサ3をX線入射面3aがX線管4に対面するようにして天板1の下側にセットしておいて、X線管4によりX線を患者Mに照射するとともに、X線照射に伴ってパネル型X線センサ3から出力されるX線検出データに基づいて得られるX線透視画像を画像焼付け記録部19でシートに記録することにより、フィルムカセッテによる写真と同等の画質のX線写真を得る。
したがって、実施例のX線透視撮影装置では、撮影形態の変更の際、パネル型X線センサ3の位置を天板1の上下反対側へ移動させるとともに、X線入射面3aを逆転させる必要がある。
【0028】
以下、実施例装置での撮影形態の変更に伴うパネル型X線センサ3の位置移動動作および表裏反転動作を図面を参照しながら詳しく説明する。なお、図14はパネル型X線センサ3の位置移動および表裏反転の際の状況変化の流れを示すフローチャートである。今はパネル型X線センサ3を、図1に実線で示す透視撮影用のセット状態から一点鎖線で示すブッキ撮影用のセット状態へ変更するものとする。
〔ステップS1〕先ず、回転バー25を180°回転させて、パネル型X線センサ3の表裏を反転させて、パネル型X線センサ3のX線入射面3aを下向きから上向きにする。
【0029】
〔ステップS2〕図10に示すように、進退枠22を天板1の短手方向Xの向きに手動で後退させることにより、パネル型X線センサ3を天板1から外れた所まで移動させる。
【0030】
〔ステップS3〕図11に示すように、パネル型X線センサ3が天板1の高さより低い高さの位置へ移動するように、昇降ボックス24を手動で下向きに押して下降させる。パネル型X線センサ3の先端が、丁度、主枠5の出入口5bに向き合うことになる。
【0031】
〔ステップS4〕図12に示すように、進退枠22を天板1の短手方向Xの向きに手動で前進させることにより、パネル型X線センサ3を出入口5bから主枠5の内側へ送り込んでブッキ撮影用のセット位置へと移動させる。
【0032】
〔ステップS5〕図13に示すように、天板1の下側にセットされたパネル型X線センサ3の真上に、天板1の上側でX線管4を手動で移動させて、パネル型X線センサ3に対抗するようX線管4をセットする。
このようにして準備が終われば、後は患者MにX線を照射して、ブッキ撮影を実行するだけである。
【0033】
また、勿論、図1に一点鎖線で示すブッキ撮影用のセット状態から実線で示す透視撮影用のセット状態に変更する場合は、上記と逆の順序でもってパネル型X線センサ3の位置移動および表裏反転を行うことになる。
【0034】
この発明は、上記実施の形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)実施例のX線透視撮影装置では、X線管4や走行枠21、進退枠22、昇降ボックス24の移動およびパネル型X線センサ3の表裏反転は全て手動操作で行われる構成であったが、X線管4や走行枠21、進退枠22、昇降ボックス24の移動およびパネル型X線センサ3の表裏反転の中の少なくとも一つが、駆動モータやラック・ピニオンを利用した電動駆動機構方式で自動で行われる構成のものが、変形例として挙げられる。
【0035】
(2)実施例の場合、X線管4は天井走行式のX線管であったが、X線管4は天井走行式ではなくて、床を走る台車に支持された床走行式のX線管であってもよい。
【0036】
【発明の効果】
この発明のX線透視撮影装置によれば、透過X線像検出用のX線検出器であるX線面センサは、大容積・重量物のイメージインテンシファイアとは異なり、薄型の軽量物であるので、大がかりな取り付け構造が不要である上に、イメージインテンシファイアのような複雑な画像歪みがなく分解能も十分であり、X線面センサのX線検出データから作成されるX線透視画面をシートに記録して速写撮影機で撮ったX線写真と同等の画質のX線写真が得られるので、速写撮影機が不要となる結果、X線検出機構系まわりの簡略化を図ることができる。また、X線面センサを天板の下側に反転セットしておいて得られるX線透視画面をシートに記録すれば、フィルムカセッテを使って撮ったX線写真と同等の画質のX線写真が得られて、フィルムカセッテを使わずにブッキ撮影を実行できることから、フィルムカセッテを常に準備する煩雑さが解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のX線透視撮影装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】実施例装置の透視撮影台まわりの構成を示す正面図である。
【図3】実施例装置におけるパネル型X線センサの構成を示す平面図である。
【図4】実施例装置の走行枠の設置状況を示す斜視図である。
【図5】実施例装置の走行枠と進退枠の組み合わせ状況を示す平面図である。
【図6】実施例装置の走行枠と進退枠の組み合わせ状況を示す断面図である。
【図7】フラットパネル型X線センサの大略構成を示す斜視図である。
【図8】フラットパネル型X線センサの層構造を示す断面図である。
【図9】フラットパネル型X線センサまわりの回路構成を示すブロック図である。
【図10】実施例装置におけるパネル型X線センサの後退状況を示す側面図である。
【図11】実施例装置におけるパネル型X線センサの下降状況を示す側面図である。
【図12】実施例装置におけるパネル型X線センサの前進状況を示す側面図である。
【図13】実施例装置におけるパネル型X線センサのブッキ撮影時の状況を示す側面図である。
【図14】実施例装置でのパネル型X線センサのセット状況変更の際の状況変化の流れを示すフローチャートである。
【図15】従来装置による透視撮影時の状況を示す正面図である。
【図16】従来装置によるブッキ撮影時の状況を示す正面図である。
【符号の説明】
1 …天板
2,4 …X線管
3 …パネル型X線センサ
3a …X線入射面
13 …画像処理部
18 …画像表示モニタ
19 …画像焼付け記録部
20 …移動フレーム体
21 …走行枠
22 …進退枠
24 …昇降ボックス
25 …回転バー
M …患者M
X …天板の短手方向
XD …X線検出素子
Claims (1)
- 被検体が載置される天板の下側に配置されているX線管と、X線照射に伴って生じる被検体のX線透視像を検出するX線検出器とを備えていて、X線検出器から出力されるX線検出データに基づいてX線透視画像が得られるよう構成されたアンダーチューブ型のX線透視撮影装置において、前記X線検出器として多数個のX線検出素子が縦横に配列されているX線面センサを備えているとともに、前記X線面センサの表裏を反転させるセンサ面反転手段と、X線管が取り付けられているとともに天板の下側を天板の長手方向に沿って走行する走行枠と、天板の短手方向の向きに進退するように前記走行枠に配設されて、天板に対しX線面センサを天板の短手方向へ向けて相対的に進退移動させるセンサ進退手段と、X線面センサを天板高さを越す高さと天板高さを下回る高さとの間にわたって上下移動させるセンサ昇降手段とを備え、前記走行枠の移動に伴ってX線管およびX線面センサが天板の長手方向に沿って移動することを特徴とするX線透視撮影装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15561798A JP4161408B2 (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | X線透視撮影装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP15561798A JP4161408B2 (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | X線透視撮影装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11342124A JPH11342124A (ja) | 1999-12-14 |
JP4161408B2 true JP4161408B2 (ja) | 2008-10-08 |
Family
ID=15609934
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP15561798A Expired - Lifetime JP4161408B2 (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | X線透視撮影装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4161408B2 (ja) |
-
1998
- 1998-06-04 JP JP15561798A patent/JP4161408B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH11342124A (ja) | 1999-12-14 |
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