JP4160449B2 - 自動探傷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランクスローに存在するきず等の欠陥を探傷する自動探傷装置に関するものであり、特にクランクスローのピン部のような幅狭な所にある短尺な円柱部材に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
配管用パイプの溶接部やクランクシャフト、クランクスローには、その内部にクラック等のきず又は欠陥が存在することがあり、このきずに応力集中が起こると、そこから亀裂やクラックが拡大し、部品自体や構造物全体の強度低下を招くことがあった。このようなきずを非破壊で検査する装置としては、特許文献1に記載されたものがある。
この装置は、配管パイプのような円筒体を超音波探触子で走査するものであり、移動装置と釣り合い装置とを有し、両者が連結体で連結されることで円筒体のまわりに取り付いているものである。この移動装置から円筒体の軸心方向に沿ってガイドシャフトが延設され、このガイドシャフトを移動可能に前記超音波探傷子が設けられている。
【0003】
さらに、前記釣り合い装置が周方向に移動することで、移動装置に設けられたガイドシャフトは周方向に移動するため、前記超音波探触子は円筒体の周方向及び軸心方向に移動可能であり、円筒体全体の走査が可能となっている。
【0004】
【特許文献1】
特公昭61−9582号公報 (第111〜114頁、図1,2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記装置は、ガイドシャフトが移動装置から張り出る構成となっているため、配管パイプのような長尺の円筒体の検査には適切ではあるが、幅狭な場所への取り付けが困難であると共に短尺の円柱部の検査には不向きであった。したがって、例えば、クランクスローピン部のように、一対のアーム部に挟まれた幅狭な場所に位置し且つ短尺な物の探傷を行うことは困難であった。
また、特許文献1の装置は、移動装置の側方に超音波探触子が設けられているため、移動装置及び釣り合い装置の直下の領域の検査を行うことが不可能という難点もあった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、クランクスローのピン部のような幅狭な所にある短尺円柱部の探傷を自動的に行う自動探傷装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明においては次の手段を講じた。
ピン部とこのピン部の両端に設けられた一対のアーム部とを有し且つ前記ピン部の軸心が水平状になるように配備されたクランクスローを探傷する探傷手段とピン部に取り付いてその周方向に移動する移動装置と、を有する自動探傷装置において、前記移動装置は、台車と、該台車に設けられて外周面を転動する駆動輪とを有し、前記探傷手段は台車の下部に備えられ、当該移動装置は取付装置によりピン部の外周面に取り付けられると共に駆動輪により周方向に自走し、前記探傷手段は、ピン部であって移動装置の下方で且つ移動装置に覆われた部分を探傷すると共に、前記ピン部の端とアーム部に設けられた凹状のフィレット部との間に形成された端R部を走査可能であって、前記探傷手段は、ピン部軸心方向に配置され且つピン部の径方向内部を探傷する少なくとも2つの探触子を有し、当該探傷手段がピン部外周面を軸心方向に移動する際に、一方の探触子が主としてピン部の軸方向右半分を走査し、他方の探触子が主としてピン部の軸方向左半分を走査し、さらに、前記探傷手段は、探傷角度が異なる複数の探触子を有し、探傷角度が外周面に対して深く設定されている探触子で端R部を含むピン部の深い部分を走査し、探傷角度が外周面に対して浅く設定されている探触子で端R部を含むピン部の浅い部分を走査する点にある。
【0008】
これにより、探傷手段は、クランクスローのピン部及び端R部を走査することができるようになり、内部きずを検出することが可能となる。
また、一対のアーム部に挟まれた幅狭部に位置するピン部に周方向移動可能な移動装置が取り付き、移動装置直下で且つ移動装置に覆われているピン部領域、又はピン部端を走査することができるようになり、存在するきずを検出することが可能となる。
さらに、ピン部の外周面に取り付けられた移動装置は、駆動輪により周方向に自走するができるようになり、ピン部の周方向全体の探傷が可能となる。
【0009】
加えて、探傷手段は、2つの探触子でピン部軸心方向へ走査することとなり、走査に要する時間が1つの探触子の場合の略半分となる。
また、本発明の特徴とするところは、前記移動装置はピン部周方向での自己位置を検出する位置検出手段を有する点にある。
これにより、移動装置はピン部の周方向での自己の位置検出が可能となる。
また、本発明の特徴とするところは、前記位置検出手段を傾斜計により構成する点にある。
【0010】
これにより、ピン部にマーカー等を設けることなく、移動装置の周方向における位置検出が可能となる。
また、本発明の特徴とするところは、前記探傷手段はピン部の外周面に対して接離自在であって、その走査方向をピン部軸心方向に設定している点にある。
これにより、探傷手段でピン部の軸心方向全体を走査することが可能となる。また、非検査時等には、探傷手段をピン部の外周面から離反させ退避させておくことが可能となる。
【0011】
また、本発明の特徴とするところは、前記取付装置は、ピン部を挟んで移動装置の反対側に配置された釣り合い装置と、この釣り合い装置と移動装置とを連結し且つピン部の外周面に沿って配置させる連結体とを有する点にある。
これにより、移動装置は、釣り合い装置によりピン部軸心まわりに略釣り合いが取れている状態にあり、移動装置の周方向の移動すなわち軸心まわりの回転がスムーズに行える。
また、本発明の特徴とするところは、前記釣り合い装置は、台車と、この台車に設けられて前記外周面を転動する車輪とを有し、前記台車は前記凹状のフィレット部を探傷する探傷手段を有する点にある。
【0012】
これにより、釣り合い装置は車輪を用いてピン部の外周面をスムーズに移動することが可能となっている。また、釣り合い装置に備えられた探傷手段で、凹状のフィレット部を検査することが可能となる。
また、本発明の特徴とするところは、前記連結体は、サイドローラ付きチェーンであり、このチェーンのサイドローラが前記外周面を転動する点にある。
これにより、サイドローラが外周面上を転動するため、チェーン自体が外周面上を移動して外周面を傷つけたりすることを防止することができる。
【0013】
また、本発明の特徴とするところは、前記探触子は超音波探触子であって、超音波伝播を良好にするべく前記探触子と外周面との間に接触媒質を供給する点にある。
これにより、超音波探触子を用いて、ピン部のきずを非破壊で検査することが可能となる。また、接触媒質によりピン部へ超音波が確実に伝播するようになる。
また、本発明の特徴とするところは、前記移動装置及び釣り合い装置は、クランクスローの一部を利用して自走時の直進性を確保するガイド輪を有する点にある。
【0014】
これにより、移動装置及び釣り合い装置はピン部の周方向にまっすぐに進むことができるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図にもとづいて説明する。
本発明にかかる自動探傷装置11は、被検査材の有する円柱部に取り付いてその周方向に移動する移動装置と、この移動装置の設けられ且つ前記被検査材を探傷する探傷手段12とを有しており、前記探傷手段12は、移動装置下方で且つ移動装置に覆われた部分の円柱部を走査可能である。また、前記探傷手段12は、円柱部の端部を走査可能でもあるものである。
【0016】
当該自動探傷装置11が取り付く円柱部としては、配管パイプやクランクシャフト等の外周面が略円筒状の物があるが、以下クランクスロー1のピン部3を例示して説明する。
図1,2に示す如く、被検査材であるクランクスロー1は、正面視で略楕円形状である一対のアーム部2を有しており、一方のアーム部2の楕円焦点近傍から中実又は中空のピン部3(円柱部)が立設し、他方のアーム部2に連結することで一体となっている。アーム部2間は所定の間隔を有しており、アーム部2自体の大きさに比べて幅狭なものとなっている。
【0017】
アーム部2のもう一つの楕円焦点近傍には、クランクシャフトのジャーナルが嵌通するジャーナル孔4が設けられている。また、アーム部2上で且つピン部3の端周り近傍には、応力集中を緩和するための凹部であるフィレット部5が形成されている(図5参照)。
前記ピン部3の軸心が略水平状となるように、当該クランクスロー1は載置台6上に配置されている。
なお、前記フィレット部5は、例えば、図10に示されているようにそれに続くR部8と、このR部8に続く傾斜部9とから構成されている。
【0018】
前記ピン部3の外周面10には、本発明にかかる自動探傷装置11が配置され、ピン部内部に存在するクラックやブローホール等の内部きず(欠陥)を自動で探傷できるようになっている。
前記自動探傷装置11は、ピン部内部を探傷する探傷手段12を有するピン部探傷装置13(移動装置)と、このピン部探傷装置13をピン部3の外周面10に取り付けさせる取付装置とを備えている。前記取付装置は、ピン部探傷装置13のピン部3を挟んで反対側に位置するフィレット部探傷装置15(釣り合い装置)と、両者を連結する連結体16とから構成されている。
【0019】
すなわち、前記ピン部探傷装置13とフィレット部探傷装置15とは、連結体16で互いが結合し一体となることでピン部3の外周面10に取り付き、周方向に自走しながら移動可能となっている。
ピン部探傷装置13は、図3〜5に示すように、前後及び左右側板17,18と上板19で構成された中空の台車20を有しており、この台車20は下部が下方開放で且つ左右側板18の下方がU字形に切り取られている。前記左右側板18にはピン部3の外周面10を転動する車輪21が設けられており、車輪21の周縁には、滑り止めのために、例えばローレット加工等が施されている。
【0020】
前記ピン部探傷装置13は、幅狭なるアーム部2間に位置する短尺のピン部3に取り付けられるため、左右方向に幅狭の形状を有するものとなっている。
なお、図4において、図面左側をピン部探傷装置13の前方向、図面右側を後方向と定義し、図4の図面上側をピン部探傷装置13の右側、図面下側を左側とする。
台車20の後方に位置する車輪21は、台車20内に設けられた駆動手段24により駆動されるようになっている。すなわち、駆動手段24は電動モータ25及び、歯車等で構成されており、電動モータ25の回転力が歯車等を通じ後方の車輪21を駆動するようになっている。
【0021】
台車20の上板19の略中央には、後述する探傷手段12を支える棒状の支持体26が前記上板19を上下移動可能に貫通した上で、上下動手段27に連動するようになっている。
この上下動手段27は、前記支持体26に長手方向に形成されたラックギア28と、このラックギア28に噛合するピニオンギア29と、このピニオンギア29を回転させるステッピングモータ等の電動モータ30から形成されており、電動モータ30を駆動させることで、支持体26を上下に移動させることができるようになっている。
【0022】
前記上下動手段27は、上板19上に設けられた揺動手段31に連結されている。すなわち、揺動手段31内には揺動用の電動モータ32が内蔵されており、電動モータ32の軸が前記上下動手段27を支持するようになっている。したがって、前記電動モータ32が作動し、軸が揺動すると上下動手段27に連結されている支持体26が図5のように左右方向(ピン部3軸心方向)に揺動するようになっている。
この支持体26の先端には、ピン部3の内部に存在するきず(すなわち不良)を非破壊で探傷する探傷手段12が設けられている。当該探傷手段12は、支持体26の前後方向一方に、ピン部3の径方向内部を探傷する径方向探傷体34を有し、他方に端R部7の内部を探傷する端R部探傷体35を有している。
【0023】
径方向探傷体34は、図5,8に示すように、ピン部外周面10に配置される枠部材38と、枠部材38の前後方向両側で且つ左右方向2カ所に設けられた複数の転動輪39とを有し、枠部材38の中央部には左右方向に列ぶ2つの垂直探触子40を有している。この垂直探触子40は超音波探触子であって、例えば、既存の超音波センサなどから構成されており、ピン部3内部に発信された超音波の反射波を受信(受音)し、解析することで、内部きず、すなわち亀裂や割れ、ブローホール等を検出するものとなっている。
【0024】
なお、前記垂直探触子40から出る超音波をピン部3内に良好に伝えるために、垂直探触子40の探触面(センサヘッド)41とピン部外周面10との間に油等の接触媒質を自動的に流すようにしている。当然、前記接触媒質を手動で流してもよい。
前記端R部探傷体35は、図5,9に示すように、ピン部外周面10に配置される枠部材43と、この枠部材43の前後両側で且つ左右方向2カ所に設けられた複数の転動輪39とを有し、枠部材43の略中央部には左右方向に2つの斜角探触子44を有している。
【0025】
この斜角探触子44には、屈折角が異なる複数(2つ)の超音波振動子45が組み込まれており、端R部7の下方内部に発信された超音波の反射波を受信し、解析することで、内部きず、すなわち亀裂や割れ、ブローホール等を検出するものである。
超音波振動子45の少なくとも1つは、超音波の屈曲角が外周面10に対して大きく設定(約70度)されており、図10に示す如く、端R部7の下方で浅い部分の探傷を行い、複数の超音波振動子45の少なくとも1つは、超音波の屈曲角が外周面10に対して小さく設定(約45度)されており、図10に示す如く、端R部7の下方で深い部分の探傷を行うようになっている。
【0026】
前記径方向探傷体34及び端R部探傷体35は、前記支持体26の下端に前後及び左右方向に揺動自在に取り付けられており、支持体26が側面視で左右方向に揺動するとそれにつれて左右方向に摺動するようになっている。また、前記径方向探傷体34及び端R部探傷体35は、バネ等の弾性体により付勢されることで、常にピン部外周面10に密着状態となっている。
また、探傷手段12は、支持体26が上下に移動可能であるため、検査面であるピン部外周面10から離反可能となっており、非走査時には台車20内部に格納しておくことが可能となっている。
【0027】
当該ピン部探傷装置13は台車20内部に、傾斜計46からなる位置検出手段47を備えている。この位置検出手段47は、ピン部探傷装置13の傾きを検出し、ピン部3の周方向での位置を割り出す役割を備えている。
当該ピン部探傷装置13は、台車20の前後方向側板17からフィレット部5のR部8に延びる複数のガイド手段50を有している。詳しくは、このガイド手段50は、前後方向の側板18に基端が固定され、その先端にガイド輪51が回転自在に設けられているガイド体52を有している。ガイド輪51は前記R部8に沿うように配置されている。台車20が駆動輪21により駆動される場合に、ガイド輪51がR部8に沿って転動することで、台車20の左右方向の振れが規制され、ピン部3の径方向に略真っ直ぐ進むことが可能となっている。
【0028】
一方、フィレット部探傷装置15は、図3,6,7に示すように、前後及び左右側板56,57と上板58で構成された中空の台車59を有しており、この台車59は下部が下方開放であって、左右側板57の下方が大きく切り取られ切り欠き部54となっている。前記台車59の左右両側板57の下部にはピン部3の外側面を転動する車輪21が設けられており、車輪21の周縁には滑り止めのためのローレット加工が施されている。
前記フィレット部探傷装置15は、前記ピン部探傷装置13と同様に、幅狭なるアーム部間に位置する短尺のピン部3に取り付けられるものであるため、左右方向に幅狭の形状を有するものとなっている。
【0029】
なお、図6において図面左側をフィレット部探傷装置15の前方向、図面右側を後方向と定義し、図6の図面上側をフィレット部探傷装置15の右側、図面下側を左側とする。
前記車輪21の内、前後方向で後側の車輪21は、台車59内に設けられた駆動手段24により駆動されるようになっている。すなわち、駆動手段24は電動モータ25及び、歯車等で構成されており、電動モータ25の回転力が歯車等を通じ車輪21を駆動するようになっている。
【0030】
フィレット部探傷装置15も、ピン部探傷装置13と同様に、ピン部外周面10の周方向直進性を高めるためのガイド手段50を有している。
当該フィレット部探傷装置15は台車59内部に探傷手段12を有し、探傷手段12はR部探傷体62と傾斜部探傷体63とを有している。
R部探傷体62は、台車59の内部略中央に設けられた首振り駆動部64と、かかる首振り駆動部64に駆動されて回動し且つ台車59の左右方向に延びる回動軸65と、この回動軸65の回動を前後方向軸の一定範囲での回動に変換する軸方向切換部66とを有している。
【0031】
この軸方向切換部66は台車59の左右方向両側に位置し、後方に向けて揺動軸67が突出している。この揺動軸67の先端には、R部探触子68がフィレット部5のR面82(R部の表面)を向くように設けられている。前記揺動軸67の揺動により、R部探触子68はR部8を隈無く走査することができるようになっており、特に、揺動軸67、すなわちR部探触子68の揺動中心がR面82の曲率半径と略一致するように設けてあるため、前記R部探触子68の探触面100はR面82から離れることなく、スライド移動するようになる。
【0032】
本実施形態の場合、R部探触子68は超音波探触子であって、前述の如く、探触面(センサヘッド)100とR面82とが密着状態であるため、前記センサヘッド100から発信される超音波は非常に良好にR部8内に伝播するようになっている。なお、この場合もセンサヘッド100とR面82との間に超音波の伝播を良好にする油等の接触媒質を自動又は手動で注入するようにしている。
傾斜部探傷体63は、図6,7に示すように、長尺の支持部材70の側面に設けられた無端帯状のベルト71を有し、このベルト71はプーリ72を介して電動モータ73で駆動可能となっている。
【0033】
このベルト71には、超音波探触子である傾斜部探触子74が取り付けられており、前記支持部材70は探触面101がフィレット部5の傾斜部9に密着するような傾きで台車59内に取り付けられている。すなわち、図7に示す如く、支持部材70は、その一方端が台車59の内側で上部に位置し、他方が台車59の下方で前記切り欠き部54を介して外方に突出するように設けられている。
換言すれば、上方に行くにつれて幅狭になるような傾きを有するフィレット部5の傾斜部9に略平行となるように支持部材70は配置されており、前記ベルト71が支持部材70の長尺方向に移動すると傾斜部探触子74も同時に移動し、センサヘッド101は傾斜面83(フィレット部傾斜部の表面)に密着状態を保ちつつスライドするようになる。したがって、傾斜部探触子74はフィレット部5の傾斜部9を隈無く走査することができるようになっている。
【0034】
この傾斜部探触子74のセンサヘッド101と傾斜面83との間にも、超音波の伝播を良好にするため、油等の接触媒質が自動又は手動で供給されるようになっている。
なお、フィレット部傾斜部9は、台車59の左右両側(各アーム部の対向面)にあるため、傾斜部探傷体63は台車59の両側に左右対称に設けられている。
以上述べたピン部探傷装置13とフィレット部探傷装置15とは、ピン部3の外周面10に取り付き且つピン部3を挟んで略反対側に配置され、連結体16であるサイドローラ付きチェーン75で互いが連結されるようになっている。
【0035】
詳しくは、フィレット部探傷装置15の前後方向側板56にサイドローラ付きチェーン75の一端が回動自在に固定されており、他端がピン部探傷装置13の前後方向側板17に連結体長さ調節部材76を介して連結されている。この連結体長さ調節部材76はチェーン75が通る貫通孔77を有し、この孔77にチェーン75が挿通された上で、ピン78等をチェーン長手方向に対して横から差し込むことで、固定連結されるようになっている。
このとき、チェーン75は前記両装置がピン部3の軸心方向に容易に移動したりすることが無いように、且つ、周方向に両装置13,15が自走可能なように、適切なテンションで張られるようになっている。
【0036】
本実施形態のチェーン75はサイドローラ付きであるため、チェーン75がピン部3の外周面10にあたるように配置されていたとしても、サイドローラ79が接触し転動するようになっているため、外周面10を傷つけたりするすることを防ぐことができる。
本実施形態にかかる自動探傷装置11を用いた内部きずの走査は以下のように行われる。
まず、ピン部外周面10に配置されたピン部探傷装置13と、前記ピン部探傷装置13のピン部3の反対側に位置するフィレット部探傷装置15とをサイドローラ付きチェーン75を用いて互いを連結し、両者がピン部3まわりに取り付くようにする。
【0037】
これらの装置13,15をそれぞれに搭載された駆動手段24により駆動することで、ピン部3の外周面10を周回させ、周回中にピン部3及びフィレット部5の走査を行い、ピン部3全周の探傷検査を行う。
図3,5,8に示すように、ピン部3の径方向内部の走査に関しては、揺動手段31により、径方向探傷体34は、ピン部外周面10を軸心方向にスライドしつつ往復運動する。この際、図8に示すように、左側の垂直探触子40はピン部3の左端から略中央まで移動しつつ、径方向に超音波を発信しながら走査を行うことになる。一方、右側の垂直探触子40はピン部3の略中央から右端までを走査することになる。
【0038】
このように、2つの垂直探触子40で走査を行うために、単独の探触子で走査を行う場合に比べ略半分の走査時間で探傷を行うことが可能となる。
また、図9に示すように、端R部7を探傷する端R部探傷体35も左右方向に2つの斜角探触子44を有しているため、左側の端R部7の下方内部を左側の斜角探触子44で走査し、右側の端R部7の下方内部を右側の斜角探触子44で走査可能である。
この斜角探触子44には、図10に示すように、屈曲角(換言すれば進入角)が異なる複数(2つ)の超音波振動子45が組み込まれており、端R部7内部に発信された超音波の反射波を受信し、解析することで、広範囲にわたる内部きず、すなわち亀裂や割れ、ブローホール等を検出するものである。
【0039】
本実施形態における端R部7は、曲率半径4mm程度の凹部であり、垂直探触子40を用いて探傷を行おうとした場合、その凹部空間のため、超音波は内部に良好に伝播しづらく探傷が困難である。しかしながら、前記斜角探触子44を利用することで容易に端R部7内部の走査が可能となる。
なお、ピン部探傷装置13の周方向への移動と探傷手段12の左右方向への走査とは、同時であっても、異時であってもよい。すなわち、探傷手段12が軸方向の走査を終了した後、一定量だけ周方向にピン部探傷装置13が移動するものであってもよい。逆に、ピン部探傷装置13が周方向に連続的に移動し、同時に探傷手段12も左右方向に走査するものであってもよい。未探傷領域をなくすため、ピン部3まわりに複数回ピン部探傷装置13を周回させることは非常に好ましい。
【0040】
前記ピン部探傷装置13とサイドローラ付きチェーン75で一体連結されているフィレット部探傷装置15も同様にピン部3まわりを移動することになる。
この際に、前記フィレット部探傷装置15に設けられたR部探触子68は、R面82の曲率半径を中心としながら揺動し、R部8の走査を行う。傾斜部探触子74はフィレット部5の傾斜面83に沿ってスライドしながら傾斜部9の探傷を行うことになる。フィレット部探傷装置15においても、ピン部探傷装置13と同様に、周方向への移動と探傷手段12の走査とは同時であっても異時であってもよい。
【0041】
前記各探触子から得られたデータは、外部に取り出され、一定の処理を施されることにより、ピン部3やフィレット部5の内部きずの位置・大きさが判別できるものとなっている。
これらのデータは、横軸をピン部3周方向の位置、縦軸を径方向の位置としたグラフ等に記録することで、視覚的にわかりやすい内部きず分布図とすることが可能である。
なお、ピン部探傷装置13は、内部に位置検出手段47を有しているため、周方向での自己位置を容易に把握することができ、前記グラフの作成等を非常に楽に行うことが可能となっている。
【0042】
なお、ピン部探傷装置13及びフィレット部探傷装置15を一度セットした後は、その周方向の移動、各探触子40,44,68,74の走査は自動で行うことができるため、走査に要する時間・労力等を大幅に低減することが可能となる。
なお、本発明にかかる自動探傷装置11は、上記実施の形態に限定されるものではない。
すなわち、本実施形態の超音波振動子(すなわち超音波センサ)は超音波の発信部と受信部とを一体に備えたものを採用しているが、別々ものを採用し、適宜最適位置に配置するようにしてもよい。
【0043】
また、探触子としては、超音波以外を利用したものであってもよい。例えば、渦電流探傷や漏洩磁束探傷により探傷を行う探触子を用いてもよい。
また、駆動部はピン部探傷装置13又はフィレット探傷装置15のどちらか一方に設けられておればよく、傾斜計46はフィレット部探傷装置15に設けられる構成であっても全く問題はない。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、クランクスローのピン部のような幅狭な所にある短尺円柱部の探傷を自動的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の自動探傷装置が装着されたクランクスローの断面正面図である。
【図2】 図2の側面図である。
【図3】 本実施形態の自動探傷装置の正面図である。
【図4】 ピン部探傷装置の平面図である。
【図5】 ピン部探傷装置の断面側面図である。
【図6】 フィレット部探傷装置の平面図である。
【図7】 フィレット部探傷装置の断面側面図である。
【図8】 径方向探傷体の側面図である。
【図9】 端R部探傷体の側面図である。
【図10】 斜角探触子の拡大側面図である。
【符号の説明】
1 クランクスロー
2 アーム部
3 ピン部
5 フィレット部
7 端R部
11 自動探傷装置
12 探傷手段
16 連結体
40 垂直探触子
44 斜角探触子
47 位置検出手段
51 ガイド輪
75 サイドローラ付きチェーン

Claims (9)

  1. ピン部とこのピン部の両端に設けられた一対のアーム部とを有し且つ前記ピン部の軸心が水平状になるように配備されたクランクスローを探傷する探傷手段とピン部に取り付いてその周方向に移動する移動装置と、を有する自動探傷装置において、
    前記移動装置は、台車と、該台車に設けられて外周面を転動する駆動輪とを有し、前記探傷手段は台車の下部に備えられ、当該移動装置は取付装置によりピン部の外周面に取り付けられると共に駆動輪により周方向に自走し、
    前記探傷手段は、ピン部であって移動装置の下方で且つ移動装置に覆われた部分を探傷すると共に、前記ピン部の端とアーム部に設けられた凹状のフィレット部との間に形成された端R部を走査可能であって、
    前記探傷手段は、ピン部軸心方向に配置され且つピン部の径方向内部を探傷する少なくとも2つの探触子を有し、当該探傷手段がピン部外周面を軸心方向に移動する際に、一方の探触子が主としてピン部の軸方向右半分を走査し、他方の探触子が主としてピン部の軸方向左半分を走査し、
    さらに、前記探傷手段は、探傷角度が異なる複数の探触子を有し、探傷角度が外周面に対して深く設定されている探触子で端R部を含むピン部の深い部分を走査し、探傷角度が外周面に対して浅く設定されている探触子で端R部を含むピン部の浅い部分を走査することを特徴とする自動探傷装置。
  2. 前記移動装置はピン部周方向での自己位置を検出する位置検出手段を有することを特徴とする請求項1に記載の自動探傷装置。
  3. 前記位置検出手段を傾斜計により構成することを特徴とする請求項に記載の自動探傷装置。
  4. 前記探傷手段はピン部の外周面に対して接離自在であって、その走査方向をピン部軸心方向に設定していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動探傷装置。
  5. 前記取付装置は、ピン部を挟んで移動装置の反対側に配置された釣り合い装置と、この釣り合い装置と移動装置とを連結し且つピン部の外周面に沿って配置させる連結体とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の自動探傷装置。
  6. 前記釣り合い装置は、台車と、この台車に設けられて前記外周面を転動する車輪とを有し、前記台車は前記凹状のフィレット部を探傷する探傷手段を有することを特徴とする請求項5に記載の自動探傷装置。
  7. 前記連結体は、サイドローラ付きチェーンであり、このチェーンのサイドローラが前記外周面を転動することを特徴とする請求項5又は6に記載の自動探傷装置。
  8. 前記探触子は超音波探触子であって、超音波伝播を良好にするべく前記探触子と外周面との間に接触媒質を供給することを特徴とする請求項〜7のいずれかに記載の自動探傷装置。
  9. 前記移動装置及び釣り合い装置は、クランクスローの一部を利用して自走時の直進性を確保するガイド輪を有することを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の自動探傷装置。
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