JP4160196B2 - 断熱コンテナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食料品等を保温状態に保管するための、或いは、野菜や、牛乳パック等の生鮮食料品等を保冷状態に保管するための箱状の断熱コンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、合成樹脂で成形された内箱と外箱の間に、発泡合成樹脂からなる断熱材を充填して構成された断熱コンテナC’において、図4及び図5に示されているように、断熱コンテナC’の底部の下面に、断熱コンテナC’を段積みした際に、下に位置する断熱コンテナC’の開口部に嵌合する嵌合部1が形成された断熱コンテナC’が知られている。そして、下に位置する断熱コンテナC’の開口部に、上に位置する断熱コンテナC’の底部下面に形成された嵌合部1を嵌合させるようにして、多数の断熱コンテナC’を、段積みする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の断熱コンテナC’を、段積みした際に、一番下に位置する断熱コンテナC’の側壁2に大きな荷重がかかると、一番下に位置する断熱コンテナC’の側壁2の下面2aと床面3との間には間隙があり、一番下に位置する断熱コンテナC’の側壁2の下面2aを支えるものがないので、従って、一番下に位置する断熱コンテナC’の側壁2が下方に移動し、図4に2点鎖線で示すように、座屈を起こすという問題があった。この現象は、特に、断熱コンテナC’の四隅付近で、顕著に起こる。一番下に位置する断熱コンテナC’に大きな荷重がかかると、上記のように、一番下に位置する断熱コンテナC’の側壁2が下がり、床面まで達し、更に、大きな荷重がかかると、側壁2が横方向に膨らんで変形することになる。
【0004】
本発明の目的は、上述した従来の断熱コンテナが有する課題を解決することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、内箱と外箱の間に、発泡合成樹脂からなる断熱材を充填して構成された断熱コンテナにおいて、第1には、外箱には、該外箱の側壁の下部に形成された水平状の中間部の先端部から下方に垂設された筒体としての嵌合部が形成されており、また、外箱の内側には、外箱の側壁の下部、中間部及び筒体に跨がって形成されているとともに、外箱の底部まで延在する下部補強リブが形成されており、且つ、下部補強リブを、外箱の側壁に沿って、所定の間隔で形成したものであり、第2には、外箱の隅部内側に、中間部の上面から、内箱の水平部まで延びる隅部補強リブを形成したものである。
【0006】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0007】
断熱コンテナCは、外箱10と内箱11とを有しており、内箱11の側壁11aの上端部からは、外側に水平部11bが延在しており、また、水平部11bの先端部からは、下方に延在する外側垂直部11cが形成されているとともに、水平部11bの下面からは、外側垂直部11cと、外側容器10の側壁10aの上端部が嵌合する程度の間隔を置いて、内側垂直部11dが垂設されている。11eは、外側垂直部11cの外周面下端に突設された突出部である。
【0008】
外箱10には、上述した嵌合部1と同様の嵌合部10’が形成されており、嵌合部10’は、側壁10aの下部に形成された内側方向に向かう中間部10bの先端部から下方に垂下された筒体10cとして形成されている。このように、中間部10bは、側壁10aと筒体10cとを連結するものであり、彎曲状や水平状に形成されている。10dは、外箱10の底部10eから、上方に向けて略垂直に突設されている円筒部であり、円筒部10dの上端は、後述するようにして、内箱11と外箱10を組み立てた際に、内箱11の底部11fの下面から突設している肉厚部11gの下面に当接するように構成されている。10fは、側壁10aの外周面上部から水平方向に延在する庇部であり、内箱11と外箱10を組み立てた際に、その上面に、内箱11の外側垂直部11cが載置されるように構成されている。10gは、外箱10の相対する側壁10aの適当な外面に形成された把手部である。
【0009】
12は、外箱10の内側で、且つ、外箱10の側壁10aの下部、中間部10b及び筒体10cに跨がって形成され、底部10eまで延在する下部補強リブであり、外箱10の隅部付近及び側壁10aに沿って、所定の間隔を置いて形成されている。13は、外箱10の隅部内側に、縦方向に形成された隅部補強リブであり、中間部10bの上面から外箱10の上端部まで延在しており、外箱10の4つの隅部に形成されている。また、隅部補強リブ13の上端部には、縦スリット13aが形成されており、外箱10と内箱11を組立た際に、内箱11の内側垂直部11dが挿入されるように構成されている。
【0010】
上述した構成を有する外箱10及び内箱11は、それぞれ、射出成形等により、合成樹脂で一体成形される。
【0011】
断熱コンテナCを組み立てるには、先ず最初に、外箱10に、適当な形状の発泡合成樹脂で成形された断熱材14を装着する。この際、断熱材14には、外箱10に形成された下部補強リブ12や隅部補強リブ13が挿入されるスリットを設けておくことが好ましい。次いで、内箱11の外側垂直部11cと内側垂直部11dとにより形成される間隙に、外箱10の側壁10aの上端部を嵌合させる。また、外箱10に形成された隅部補強リブ13の縦スリット13aに、内箱11の内側垂直部11dが挿入されるとともに、外箱10の底部10eから上方に向けて略垂直に突設された円筒部10dの上端が、内箱11の底部11fの下面から垂設している肉厚部11gの下面に当接される。更に、外箱10の側壁10aの外周面上部に形成された庇部10fの上面に、内箱11の外側垂直部11cが載置されるとともに、外箱10に形成された隅部補強リブ13の上端が、内箱11の水平部11bの下面に当接される。次いで、外箱10の側壁10aに形成された庇部10fの先端部と内箱11の外側垂直部11cの外周面下端に突設された突出部11eの先端部に、熱風装置により熱風を吹き付けて、その先端部を溶融するとともに、熱溶融性の樹脂棒15を巻き付けるとともに、熱風により、樹脂棒15の上記庇部10f側及び突出部11e側に位置する面を溶融して、外箱10の側壁10aに形成された庇部10fと内箱11の外側垂直部11cの突出部11eとを、樹脂棒15を介在させて、溶着する。その後、外箱10の底部10eに形成された円筒部10dの下部開口10d’から円筒部10d内に、図示されていない空気吸引装置のノズルを挿入するとともに、空気吸引装置を作動させて、上記外箱10の円筒部10dと内箱11の底部11fに形成された肉厚部11gとの当接面を経て、外箱10と内箱11間に挟み込まれた空気を吸引除去する。このような空気吸引作業の終了後、断熱コンテナCの内部から、外箱10の底部10fに形成された円筒部10dの上端と当接状態にある内箱11の肉厚部11gに、超音波を照射して、円筒部10dの上端を溶融し、外箱10の円筒部10dと内箱11の肉厚部11gを溶着する。このようにして、断熱コンテナCが製造されるものである。
【0012】
なお、上述したように、予め、所定の形状に成形された断熱材14を、外箱10に装着することなく、上述したようにして、外箱10と内箱11を組み立てるとともに、外箱10の側壁10aに形成された庇部10fと内箱11の外側垂直部11cの突出部11eとを、樹脂棒15を介在させて溶着する。その後、外箱10と内箱11との間隙に、外箱10に形成された注入孔から、発泡剤入り樹脂液を注入するとともに発泡させて、外箱10と内箱11との間隙を、発泡樹脂で構成される断熱材で充填するように構成することもできる。その後、上述したと同様に、外箱10の底部10eに形成された円筒部10dの下部開口10d’から円筒部10d内に、図示されていない空気吸引装置のノズルを挿入するとともに、空気吸引装置を作動させて、上記外箱10の円筒部10dと内箱11の底部11fに形成された肉厚部11gとの当接面を経て、外箱10と内箱11間に挟み込まれた空気を吸引除去する。この空気吸引作業の終了後、断熱コンテナCの内部から、外箱10の底部10eに形成された円筒部10dの上端と当接状態にある内箱11の肉厚部11gに超音波を照射して、円筒部10dの上端を溶融し、外箱10の円筒部10dと内箱11の肉厚部11gを溶着する。
【0013】
本実施例においては、外箱10の内側で、且つ、外箱10の側壁10aの下部から底部10eまで延在する下部補強リブ12を、側壁10aに沿って、所定の間隔で形成したので、断熱コンテナCの側壁c1が補強され、従って、断熱コンテナCを、段積みした際に、一番下に位置する断熱コンテナCの側壁c1に大きな荷重がかかても、一番下に位置する断熱コンテナCの側壁c1が座屈を起こすようなことが防止できる。また、下部補強リブ12を配設したことにより、断熱コンテナCの側壁c1の下端部c2の強度を高めることができ、衝撃に強い断熱コンテナCを実現することができる。
【0014】
また、外箱10の隅部内側に、中間部10bの上面から、内箱11の水平部11bまで延びる隅部補強リブ13を形成したので、断熱コンテナCを、段積みした際に、座屈を起こし易い、四隅を補強することができ、従って、より座屈に強い断熱コンテナが実現できる。また、隅部補強リブ13を形成したので、断熱コンテナCの角部c3の強度を高めることができ、衝撃に強い断熱コンテナCを実現することができる。
【0015】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した構成を有しているので、以下に記載する効果を奏するものである。
【0016】
外箱の内側で、且つ、外箱の側壁の下部から底部まで延在する下部補強リブを、側壁に沿って、所定の間隔で形成したので、断熱コンテナを段積みした際の側壁の座屈を防止することができる。
【0017】
外箱の隅部内側に、中間部の上面から、内箱の水平部まで延びる隅部補強リブを形成したので、断熱コンテナを、段積みした際に、座屈を起こし易い、四隅を補強することができ、従って、より座屈に強い断熱コンテナが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の断熱コンテナの斜視図である。
【図2】図2は図1のI−I線に沿った垂直断面図である。
【図3】図3は本発明の断熱コンテナの隅部の拡大斜視図である。
【図4】図4は従来の断熱コンテナを段積みした状態の正面図である。
【図5】図5は従来の断熱コンテナを段積みした状態の斜視図である。
【符号の説明】
C・・・・・・・・・・・・断熱コンテナ
10・・・・・・・・・・・外箱
11・・・・・・・・・・・内箱
12・・・・・・・・・・・下部補強リブ
13・・・・・・・・・・・隅部補強リブ
Claims (2)
- 内箱と外箱の間に、発泡合成樹脂からなる断熱材を充填して構成された断熱コンテナにおいて、外箱には、該外箱の側壁の下部に形成された水平状の中間部の先端部から下方に垂設された筒体としての嵌合部が形成されており、また、外箱の内側には、外箱の側壁の下部、中間部及び筒体に跨がって形成されているとともに、外箱の底部まで延在する下部補強リブが形成されており、且つ、下部補強リブが、外箱の側壁に沿って、所定の間隔で形成されていることを特徴とする断熱コンテナ。
- 外箱の隅部内側に、中間部の上面から、内箱の水平部まで延びる隅部補強リブが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の断熱コンテナ。
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