JP4159726B2 - 情報入力装置、情報入力方法及び情報入力処理のためのコンピュータプログラムを記憶した媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報入力装置、情報入力方法及び情報入力処理のためのコンピュータプログラムを記憶した媒体に関し、特に文字などの情報を少ない入力手段で入力するものに関する。
【0002】
【従来技術】
従来の情報入力装置例えばナビゲーション装置では、表示手段の回りに複数の入力手段が配列され、表示手段の中に複数の表示シンボルが表示され、この表示シンボルに対応する入力手段を操作すると、所望のデータが入力などされていた。また、このような入力手段を表示手段とは分離してリモコン上に設けたものもあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなものでは、配置できるキーの数は数個であり、全ての入力文字や全ての入力情報の数と同じ数のキーを配置することはできなかった。そこで、各キーに対応した情報の表示シンボルを表示画面に表示し、モード切り替えによって各キーに対応した表示シンボルを切り換えるようにした。
【0004】
しかしながら、これでは、表示モード切り替えをたくさん行わなくてはならず不便であった。本発明の目的は、少ない数の入力手段であっても、表示モードの切り換え量をより少なくすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(1)上記課題を解決するために請求項1記載の発明では、入力操作がされる複数の入力手段と、入力可能な情報を示す表示シンボルを、前記入力手段の数より多く表示する表示手段と、前記表示手段に表示された表示シンボルのうち、前記各入力手段に対応する表示シンボルを判別して、他の表示シンボルと区別して表示する表示制御手段と、前記入力手段による入力操作がされた場合、前記表示制御手段により区別して表示された表示シンボルの中で、前記入力操作がされた入力手段に対応する表示シンボルに応じた情報を入力する情報入力手段と、を備えたことを特徴とする情報入力装置を提供する。
(2)請求項2記載の発明では、入力操作がされる複数の入力手段と、表示手段と、表示制御手段と、情報入力手段と、を備えるコンピュータを、前記表示手段が、入力可能な情報を示す表示シンボルを、前記入力手段の数より多く表示し、前記表示制御手段が、前記表示手段に表示された表示シンボルのうち、前記各入力手段に対応する表示シンボルを判別して、他の表示シンボルと区別して表示し、情報入力手段が、前記入力手段による入力操作がされた場合、前記表示制御手段により区別して表示された表示シンボルの中で、前記入力操作がされた入力手段に対応する表示シンボルに応じた情報を入力する、ことを特徴とする情報入力方法を提供する。
(3)請求項3記載の発明では、コンピュータを、入力操作がされる複数の入力手段、入力可能な情報を示す表示シンボルを、前記入力手段の数より多く表示する表示手段、前記表示手段に表示された表示シンボルのうち、前記各入力手段に対応する表示シンボルを判別して、他の表示シンボルと区別して表示する表示制御手段、前記入力手段による入力操作がされた場合、前記表示制御手段により区別して表示された表示シンボルの中で、前記入力操作がされた入力手段に対応する表示シンボルに応じた情報を入力する情報入力手段、として機能させるための情報入力プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
(4)請求項4記載の発明では、前記表示制御手段は、区別枠を表示し、前記各入力手段に対応した表示シンボルを前記区別枠内に表示することにより他の表示シンボルと区別して表示することを特徴とする請求項1記載の情報入力装置を提供する。
(5)請求項5記載の発明では、前記各入力手段による入力操作は、いずれかの入力手段を選択する選択操作と、入力動作からなり、前記複数の入力手段のうち、前記選択操作がされた入力手段を検出する検出手段を備え、前記情報入力手段は、前記入力手段による入力動作がされた場合、前記表示制御手段により区別して表示された表示シンボルの中で、前記検出手段で検出された入力手段に対応する表示シンボルに応じた情報を入力する、ことを特徴とする請求項1または請求項4記載の情報入力装置を提供する。
(6)請求項6記載の発明では、前記表示制御手段は、前記入力手段により選択操作が行われた場合、前記検出手段で検出した入力手段に対応する表示シンボルの表示状態を変化させる、ことを特徴とする請求項5記載の情報入力装置を提供する。
(7)請求項7記載の発明では、前記表示制御手段は、前記検出手段で選択操作が検出された入力手段と、前回選択操作で選択操作が検出された入力手段との関係に基づいて、前記表示シンボルの表示形態を変化させる、ことを特徴とする請求項5、又は請求項6記載の情報入力装置を提供する。
【0006】
これにより、入力手段の位置の数より多い表示シンボルを表示することができる。しかも、表示シンボルが多くても、入力手段の各位置に対応した表示シンボルを判別することができ、情報を過誤無く入力することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
(1)全体回路
図1はナビゲーション装置の全体回路を示す。このナビゲーション装置によって、移動体または乗り物の走行に関して案内が行われ、この乗り物は陸上の車両または道路を走行する車両である。
図1の中央処理部1は、ナビゲーション装置全体の動作を制御する。この中央処理部1は、CPU(中央処理装置)2、フラッシュメモリ3、ROM(Read Only Memory)4、RAM(Random Access Memory)5、センサ入力インターフェイス7、通信インターフェイス8、画像プロセッサ9、画像メモリ10、音声プロセッサ11及び時計14を備える。各CPU2〜時計14は、CPUローカルバス15によって相互に接続されて、CPU2の制御のもと、各種情報データの授受がこの各デバイス間で行われる。
【0008】
フラッシュメモリ3は、電気的な消去及び書き込みが可能なメモリ(EEPROM)等で構成される。このフラッシュメモリ3(内部記憶媒体/手段)には、光ディスクまたは光磁気ディスク等の情報記憶部37(外部記憶媒体/手段)に保存されているコンピュータのプログラム38bが書き写され、記憶される(インストール/転送される)。また、フラッシュメモリ3は、道路情報報知ステーション又はメイン情報処理装置等の外部装置から、データ送受信装置27を介して伝送されてくるプログラムが記憶される。
【0009】
つまり、フラッシュメモリ3には、CD−ROM又は外部情報センター等に保存されているプログラムが転送、記憶される。したがって、フラッシュメモリ3に記憶されているプログラムが変更されれば、新しいルーチンによる処理が可能となる。このプログラム38bは、後述する各フローチャートに応じたプログラムであり、CPU2で実行される各種処理である。例えば、情報の表示制御と音声案内制御等である。
【0010】
なお、場合によって本装置に予め別のオペレーティングシステム、システムプログラム(OS)、その他のプログラムが記憶され、上記プログラムはこれらのOS、その他のプログラムとともに実行される。このプログラムは本装置(コンピュータ本体)にインストールされ実行されたときに、別のプログラムとともにまたは単独で請求項(クレーム)に記載された処理・機能を実行させる。
【0011】
また、場合によってこのプログラムの一部又は全部が本装置以外の1つ以上の別装置に記憶されて実行され、本装置と別装置との間には通信手段を介して、これから処理するデータ/既に処理されたデータ/プログラムが送受され、本装置及び別装置全体として、本発明が実行される。これらの通信手段は後述するデータ送受信装置27などであり、上記別装置は基地局例えばATISまたはVICSなどのセンターなどに設置される。例えば、後述する現在位置処理、目的地設定処理、経路探索処理、案内・表示処理またはその他の処理等が基地局で実行され、検索された現在位置、設定された目的地、探索された案内経路、経路に沿った案内・表示情報が本ナビゲーション装置に転送される。
【0012】
上記インストール(転送/複写)は、本ナビゲーション装置に新しい情報記憶部37がセットされたとき、または、本ナビゲーション装置の電源が投入されたときなどに、自動的に実行される。または、使用者による手動操作によってインストールされる。なお、情報記憶部37には、ラベルまたはファイル識別子等を含むディスク管理情報38aが保存されており、このディスク管理情報38aによって、情報記憶部37のプログラムの更新バージョン等が判断される。また、この情報記憶部37は、他の情報記憶部37と入れ替えることができる。よって、新しい情報記憶部37がセットされたか否かが、ディスク管理情報38aの情報内容によって判断される。
【0013】
例えば、フラッシュメモリ3には、プログラムと、このプログラムに関する管理情報が保存されているので、新たな情報記憶部37がセットされると、フラッシュメモリ3の管理情報と、ディスク管理情報38aとが比較される。そして、新しいプログラムを含む情報記憶部37がセットされたと判断された場合に、情報記憶部37のプログラム38bが、フラッシュメモリ3にインストールされる。これにより、フラッシュメモリ3には、最新のプログラムおよびデータが、常時保存されることになる。結果、情報記憶部37の交換によって、最新のナビゲーション装置が実現される。
【0014】
また、フラッシュメモリ3に記憶される情報には、ナビゲーション動作で用いられる、各種パラメータ等が含まれている。ROM4には、表示シンボルデータ、表示図形データ及び各種汎用データが記憶されている。表示図形データは、ディスプレイ33上に表示されるルート案内及び地図表示に必要な図形などのデータである。各種汎用データとは、案内音声用の合成または肉声を録音した音声波形データ等のナビゲーション用の音声などのデータである。
【0015】
表示シンボルデータは、ディスプレイ33に表示されるアイコンなどの表示データである。この表示シンボル60は場合によってディスプレイに分割表示された複数の地図/図形/図である。この表示シンボル60は、後述する複数のキースイッチに対応しており、クリックまたは入力動作されると、情報が入力され、各種処理(処理)が行わる。この処理は、データの入力、出力、転送、表示、記憶、消去、書き込み、読み出し、選択、切り換えである。
【0016】
上記処理は、文字の入力、表示画面のスクロール、シフトまたは移動、処理内容のメニューの選択であり、また、ナビゲーションのための出発地、現在位置、目的地または立ち寄り地の設定、選択、変更、決定若しくは切り換え、案内経路または探索経路の一部または全部の設定、選択、変更、決定若しくは切り換え、または地理的表示情報、地図情報または道路情報の設定、選択、変更、決定若しくは切り換えである。
【0017】
RAM5には、外部から入力されたデータ及び、演算のために用いられる各種パラメータや演算結果及びナビゲーション用のプログラム等が記憶される。つまり、RAM5は、キャッシュメモリ及びワーキングメモリ等に利用される。時計14は、カウンタ及びバッテリバックアップRAMまたはEEPROM等から構成されている。この時計14からは、現在時刻または時間情報が出力される。リモコンインタフェイス15では後述するリモコン50からの赤外線信号が受信され、この信号が各種情報/データとして取り込まれる。
【0018】
センサ入力インターフェイス7は、A/D変換回路またはバッファ回路等で構成されている。このセンサ入力インターフェイス7には、現在位置検出装置20の各センサが接続されている。現在位置検出装置20の各センサからは、アナログ信号またはデジタル信号のセンサデータがセンサ入力インタフェイス7に入力される。この現在位置検出装置20のセンサには、絶対方位センサ21、相対方位センサ22、距離センサ23及び車速センサ24等がある。
【0019】
絶対方位センサ21は、例えば、地磁気センサであり、絶対方位つまり南北方向のデータを検出する。相対方位センサ22は、例えば、ジャイロ装置を用いた操舵角センサであり、車輪の操舵角を検出する。上記絶対方位に対する、自車両の走行方向の相対角度が、この相対方位センサ22から出力される。
【0020】
距離センサ23は、例えば、走行距離メータに連動したカウンタ等で構成され、自車両の走行距離データを出力する。速度センサ24は、速度メータに接続されたカウンタ等で構成され、自車両の走行速度データを出力する。
【0021】
GPS受信装置25により、GPS(Global PositioningSystem)の信号(複数の地球周回軌道衛星からのマイクロ波)が受信され、移動体の緯度・経度等の地理的な位置データが検出される。また、ビーコン受信装置26により、VICS(道路交通情報通信システム)等の道路情報ステーションによって送信されるビーコン波が受信される。そして、ビーコン受信装置26から、近隣道路に関する情報(VICSデータ)またはGPSの補正データ等がI/Oデータバス28へ出力される。
【0022】
中央処理部1の通信インターフェイス8には、I/Oデータバス28が接続されている。このI/Oデータバス28には、現在位置検出装置20のGPS受信装置25、ビーコン受信装置26及びデータ送受信装置27等が接続されている。さらに、このI/Oデータバス28には、入出力装置30のタッチスイッチ34、プリンタ35及び、情報記憶部37からデータを読み出すデータ送受信部39が接続されている。つまり、通信インターフェイス8により、各付属装置と、CPUローカルバス15との間で、各種データの授受が行われる。
【0023】
データ送受信装置27には、携帯電話の送受信装置、インターネット送受信装置、FM多重電波受信機、セルラフォーン、電話回線機器、ラジオ受信機、テレビジョン受信機、トランシーバ、ページャ、モデムまたはその他の無線通信機が用いられる。このデータ送受信装置27によって、基地局、例えばATIS(交通情報サービス)、VICSセンターと情報の送受が行われる。
【0024】
入出力装置30は、ディスプレイ33、タッチスイッチ34、プリンタ35及びスピーカ13から構成される。ディスプレイ33には、ナビゲーション動作中に経路の案内情報が表示される。タッチスイッチ34は、ディスプレイ33の画面上に付着され、透明タッチスイッチが複数、平面マトリクス状に配置されている。透明のタッチスイッチ34は、例えば、透明電極で構成された接触スイッチまたは、圧電スイッチ等で構成される。
【0025】
このタッチスイッチ34からは、ナビゲーション装置に対して、出発地、目的地、通過地点等の目的地設定に必要な情報が選択され、入力される。プリンタ35では、通信インターフェイス8を介して出力される地図や施設ガイド等の各種情報が印刷される。スピーカ13からは音声で使用者に各情報が報知される。なお、プリンタ35は、無くても良い。
【0026】
上記ディスプレイ33は、CRT、液晶ディスプレイまたはプラズマディスプレイ等であり、場合によって広いワイド画面を有しており、分離できる2枚以上の液晶ディスプレイが並列して構成される。そして、各液晶ディスプレイに、各々、独立した情報が表示されたり、複数の液晶ディスプレイにわたる連続的な地図情報が表示される。
【0027】
ディスプレイ33に接続される画像プロセッサ9には、DRAM(Dynamic RAM)またはデュアルポートDRAM等の画像メモリ10が接続される。そして、画像プロセッサ9によって、画像メモリ10への画像データの書き込み制御が行われる。さらに、画像プロセッサ9の制御のもとで、画像メモリ10からデータが読み出されてディスプレイ33への画像表示が行われる。
【0028】
なお、画像プロセッサ9は、CPU2からの描画コマンドに従って、地図データ及び文字データを、表示用画像データに変換し、画像メモリ10に書き込む。このとき、画面のスクロールのために、ディスプレイ33に表示される、画面周囲の画像も形成されて、画像メモリ10に同時に書き込まれる。
【0029】
スピーカ13には、音声プロセッサ11が接続されている。この音声プロセッサ11は、CPUローカルバス15を介してCPU2及びROM4と接続されている。そして、CPU2によって、ROM4から読み出された案内音声用の音声波形データが、音声プロセッサ11に入力される。この音声波形データは、音声プロセッサ11によりアナログ信号に変換され、スピーカ13から出力される。
【0030】
上記I/Oデータバス28には、データ送受信部39を介して情報記憶部37が接続されている。この情報記憶部37には、ディスク管理情報38a、各ナビゲーション動作を制御するためのプログラム38b及び地図情報などのデータ38cが記憶されている。ディスク管理情報38aには、この情報記憶部37内に記憶されているデータ及びプログラムに関する情報が保存されている。データ38cには、道路地図データなどのナビゲーション動作に必要なデータが不揮発性的に記録されている。この情報記憶部37は、I/Oデータバス28との間で、データの読み出し制御を行う、データ送受信部39と接続されている。
【0031】
また、本発明の情報記憶部37としては、場合によってCD−ROM、DVD−ROM等の光メモリのみならず、次のようなデバイスが利用される。例えば、ICメモリ、ICメモリカード等の半導体メモリ、光磁気ディスク、ハードディスクまたはフロッピーディスク等の磁気メモリ等の記録媒体である。
【0032】
情報記憶部37のデータ38cには、ナビゲーション動作に必要な、地図データ、交差点データ、ノードデータ、道路データ、写真データ、目的地点データ、案内地点データ、詳細目的地データ、目的地読みデータ、家形データ、その他のデータが含まれる。また、情報記憶部37に記憶されたプログラム38bにより、データ38cの道路地図データを用いてナビゲーション動作が実行される。その他のデータ38cには、表示案内用データ、音声案内用データ、簡略案内経路画像データ等がある。
【0033】
さらに、データ38cのデータとして、上記基地局または道路情報ステーションから送られてくるリンク番号に対応する、データ38cに記憶されている各道路の道路番号との対応関係を表すリンクデータも含まれる。
【0034】
なお、情報記憶部37のデータ38cには、各々異なる縮尺率の地図データ、または一つの縮尺率の地図データが記憶されている。つまり、データ38cに、同一地域の地図であって、しかも各々が異なる縮尺率の地図が記録されているか、または、一つの縮尺率の地図データのみがデータ38cに記録されている。一つの縮尺率の地図データが記録されている場合、その縮尺率は、地図が最も拡大してディスプレイ33に表示される際に、詳細な情報が表示可能となるように決定されている。
【0035】
なお、一つの地図データのみがデータ38cに記録されている場合で、ディスプレイ33に縮尺の小さな地図、つまり広い地理範囲の地図(広域地図)を表示する場合、このデータ38cに記録された地図データから情報が間引かれて表示される。このデータ38cの地図データの間引き表示においては、各道路等の地理的距離が小さくされるのみならず、施設等の表示記号情報の間引きも行われる。つまり、大きな施設または主要施設についての表示が中心的に行われ、所定値以下の小さな施設は表示されない。
【0036】
(2)リモコン50
図2はリモコン50を示す。このリモコン50によって図1の上記ナビゲーション装置に対する各種設定が実行される。
このリモコン50の上記面中央には方形状の凹部51が形成され、この凹部51の中の底面には3列×4段=12個のキースイッチ(入力手段、スイッチング手段)52が設けられている。このキースイッチ52を押すことによって、上記表示シンボル60が作動されて情報が入力され、上記各種処理が実行される。
【0037】
このキースイッチ52の表面には楕円形状の突起の識別部56が設けられている。識別部56を指の先で触ることによって選択されたキースイッチ52またはキースイッチ52の選択された位置が視覚によらないで触覚的に識別される。これらキースイッチ52及び識別部56は情報を入力する手段の位置または領域を表している。
【0038】
上記凹部51の内側面には、赤外線カプラ53が設けられ、この凹部51のどのキースイッチ52上に指、ペンまたはその他の入力媒体が入れられたかが検出される。この赤外線カプラ53は、凹部51の内の上側面及び下側面に3つずつ、凹部51の内の右側面及び左側面に4つずつ設けられ、それぞれが対になっており、各対の一方は発光タイプ、他方は受光タイプである。
【0039】
これら赤外線カプラ53のそれぞれの発光はマトリックス制御によって順次切り換えられ、発光された赤外線カプラ53と受光すべき赤外線カプラ53の非受光に基づいて、上記指等の入れられた箇所が判別かつ検出される。この指の入れられた箇所に対応したキースイッチ52は、入力動作(操作、動作、スイッチング操作、スイッチング動作)まで達していないが、当該キースイッチ52が選択された状態である。
【0040】
これにより、キースイッチ52が入力動作まで達しない状態において、複数のキースイッチ52のうち少なくとも1つが選択されたことが検出される。この検出結果に基づいて当該選択されたキースイッチ52に対応するディスプレイ33上の表示シンボル60の表示状態が後述するように変化される。
【0041】
このリモコン50の上端面には赤外線発光部54が設けられ、上記赤外線カプラ53の選択内容つまりいずれかが選択されたかどうか及びどれが選択されたか、さらにはキースイッチ52の入力内容つまりいずれかが入力されたかどうか及びどれが入力されたかの情報が赤外線を使って発信される。この発信された情報は、上記ナビゲーション装置のリモコンインタフェイス15に送られ、情報が入力され各種処理が実行される。
【0042】
このリモコン50上にはその他のスイッチ55が設けられている。このその他のスイッチ55の中の電源スイッチの操作によって上記ナビゲーション装置の電源が入力されたり、その他のスイッチ55の詳細スイッチ/拡大スイッチによってディスプレイ33の表示地図の縮尺が切り換えられる。これら各キースイッチ52、スイッチ55、赤外線カプラ53、赤外線発光部54の駆動、検出、制御は、リモコン50内のCPU(図示せず)、その他の制御回路(図示せず)によって実行される。
【0043】
リモコン50はディスプレイ33と分離され、ディスプレイ33とは赤外線によって情報/データが送受される。しかし、場合によってリモコン50とディスプレイ33とはその他の無線または有線によって連結され情報/データが送受される。
【0044】
また、赤外線カプラ53は、キースイッチ52の操作の前に必ず作動されるので、選択されたキースイッチ52は、当該選択状態のまま上記入力動作にはいることが可能であって、キースイッチ52の入力動作は、当該キースイッチ52が選択された後に可能である。つまり当該キースイッチ52が選択されていなければ、当該キースイッチ52の入力動作は不可能である。
【0045】
上記各赤外線カプラ53の間隔または幅は、大人の指の太さまたは入力媒体の太さより大きいので、一回の選択で必ず1つのキースイッチ52が選択される。しかし、上記各赤外線カプラ53の間隔または幅が小さくされ、場合によって1回の選択で複数のキースイッチ52が同時に選択される。
【0046】
なお、このキースイッチ52の数は場合によって12個未満例えば1個になる。1個のキースイッチ52でも12個の場合と同様に表示シンボル60が選択され及び情報が入力される。この1個のキースイッチ52は凹部51内の底面の下の中央に設けられ、凹部51の底面のどこを押しても、この1個のキースイッチが押される。
【0047】
この場合、表示シンボル60の選択は上記14個の赤外線カプラ53で検出される。つまり入力動作まで達しない状態において、この1個のキースイッチ52のどの位置(どの識別部56)が選択されたが上記14個の赤外線カプラ53で検出され、この検出結果に基づいて当該選択されたキースイッチ52の位置(識別部56)に対応する表示シンボル60の表示状態が変化される。以下の説明ではキースイッチ52は複数として説明するが、実際には1つである。
【0048】
(3)全体処理
図3は、ナビゲーションのための全体処理のフローチャートを示す。この全体処理は上記リモコン50の操作に基づきナビゲーション装置内の上記CPU2によって実行される。この全体処理はナビゲーション装置のディスプレイ33を引き出して起こしてセットしたとき、乗り物のイグニッションキーをオン/オフしたとき、電源投入または所定のスイッチ操作によって開始される。この電源投入はリモコン50の電源スイッチ55の操作によっても実行される。
【0049】
初めに、イニシャライズ処理が実行される(ステップSA0)。この処理では、情報記憶部37からナビゲーション用プログラムが読み出される。読み出されたナビゲーション用プログラムは、フラッシュメモリ3に複写(インストール)される。この後、フラッシュメモリ3のプログラムが実行される。さらに、CPU2によって、RAM5のワークメモリ、画像メモリ10等の各RAM内の汎用データ記憶エリアがクリアされる(ステップSA0)。
【0050】
さらに、ディスプレイ33の画面が点灯され、何らかの表示データが表示される(ステップSA0)。この表示データは例えば現在位置付近の地図である。この地図は住宅地図、広域地図、道路地図などである。図6〜図11の表示例では住宅地図が表示されている。
【0051】
さらに続いて、現在位置処理(ステップSA1)、目的地設定処理(ステップSA2)、経路探索処理(ステップSA3)、経路選択処理(ステップSA4)、案内・表示処理(ステップSA5)及び、その他の処理(ステップSA6)が実行される。なお、目的地設定処理(ステップSA2)、経路探索処理(ステップSA3)及び経路選択処理(ステップSA4)は、目的地の変更、または経路からの移動体の離脱等が発生しない場合には、重複して実行されない。
【0052】
上記現在位置処理(ステップSA1)では、本ナビゲーション装置が積載された移動体の地理座標(緯度、経度及び高度)が検出される。この検出では、GPS受信装置25によって、移動体の地球表面における座標位置が求められる。この求められた移動体の座標位置は、現在位置データMPとしてRAM5に記憶される。なお、この現在位置データMPは、ビーコン受信装置26またはデータ受信装置27から入力される情報によって修正される。
【0053】
また、現在位置処理(ステップSA1)では、絶対方位データZDと、相対方位角データDθと、走行距離データMLとが、絶対方位センサ21、相対方位センサ22及び距離センサ23から求められ、移動体位置を特定する演算処理が行われる。この演算処理によって求められた移動体位置は、情報記憶部37のデータ38cに記憶される地図データと照合され、地図画面上の現在位置が正確に補正される。この補正処理によって、トンネル内等のGPS信号が受信できないときでも移動体の現在位置が求められる。
【0054】
目的地設定処理(ステップSA2)では、使用者の希望する目的地の地理座標が登録目的地データTPとしてセットされる。例えば、ディスプレイ33上に表示される道路地図若しくは住宅地図を利用して、使用者により目的地の座標が指定される。または、ディスプレイ33上に表示される目的地の項目別リストから、使用者によって目的地が特定される。この使用者による目的地指定操作が行われると、目的地の地理座標等の情報データが登録目的地データTPとしてRAM5に記憶される。
【0055】
この目的地設定処理では、上記表示シンボル60のうち、「個人名」「TEL」「50音」「ルート」「切替」「最寄り」、図8〜図15の文字(ひらがな)の表示シンボル60に応じたキースイッチ52の操作が判別され、操作された表示シンボル60に応じた内容から目的地が検索される。
【0056】
経路探索処理(ステップSA3)では、案内開始地点データSP(出発地を含む、以下同じ)から、最終案内地点データED(立ち寄り地を含む、以下同じ)までの複数の経路が探索される。なお、経路の探索は、優先度テーブルPTD1、PTD2、PTD3の値の大きさの順に行われる。すなわち、値の大小が、優先度テーブルPTD2>優先度テーブルPTD1>優先度テーブルPTD3であるなら、第2の探索条件、第1の探索条件、第3の探索条件の順に経路が探索される。上記案内開始地点データSPには、現在位置データMPと同じデータがセットされるか、または、現在位置データMPに近い案内対象道路上のノードデータがセットされる。
【0057】
経路選択処理(ステップSA4)では、ステップSA3の経路探索処理で探索された複数の経路から一つの経路を選択する処理が、移動体の位置変化に応じて行われる。すなわち、ステップSA3の経路探索処理で複数の経路が探索された状態で、移動体の移動が開始された場合、自動的に、複数経路の何れを移動体が移動しているのか判断する処理が行われる。そして、移動体が唯一の探索経路を走行していると判断されると、経路選択処理(ステップSA4)が終了される。
【0058】
案内・表示処理(ステップSA5)では、上記経路選択処理(ステップSA4)もしくはルート再探索処理で求められた案内経路が、移動体の現在位置を中心としてディスプレイ33に表示される。なお、このディスプレイ33に表示される案内経路は、表示地図上において識別可能なように表示される。例えば、ディスプレイ33に表示される地図上で、案内経路が色違い表示されるなど、特徴的に表示される。さらに、この案内経路にしたがって、移動体が良好に走行できるよう、道路の案内情報がスピーカ13から発音される。これに伴って、各種の案内情報がディスプレイ33に随時表示される。なお、案内経路を表示するための画像データは、情報記憶部37にあるデータ38cの現在位置周辺の道路地図データか、または現在位置周辺の住宅地図データが用いられる。
【0059】
この道路地図データと住宅地図データとの切り換えは次の条件によって行われる。例えば、現在位置から案内地点(目的地、立ち寄り地または交差点等)までの距離、移動体の速度、表示可能エリアの大小、または使用者のスイッチ操作等により切り換えられる。さらに、案内地点(目的地、立ち寄り地または交差点等)付近では、この案内地点付近の拡大地図がディスプレイ33上に表示される。なお、場合によって道路地図の代わりに、簡略案内経路画像がディスプレイ33に表示される。この簡略案内経路画像には、例えば、地理的情報の表示が省略され、案内経路と目的地または立ち寄り地の方向と現在位置等の、必要最小限の情報のみが表示される。
【0060】
その他の処理(ステップSA6)では、最寄り施設処理が実行される場合がある。この最寄り施設処理とは、上記登録目的地データTP以外の、立ち寄り地(施設等)が検索・指定される処理である。この立ち寄り地に関するデータは、ディスプレイ33に表示される地図または各項目情報などを利用して定められる。そして、この最寄り施設処理は、上記ステップSA3の目的地設定処理と同じように行われる。
【0061】
また、その他の処理(ステップSA6)には、例えば、移動体の走行位置が、算出された案内経路に沿っているか否の判断が行われる。つまり、移動体が案内経路から逸脱したことが検知された場合、ルートの再探索が行われるべく、各処理開始のための状態フラグがそれぞれセットされる。また、使用者のスイッチ操作による目的地の変更命令が入力されたか否かの判断等も行われる。
【0062】
以上のような現在位置処理(ステップSA1)、目的地設定処理(ステップSA2)、経路探索処理(ステップSA3)、経路選択処理(ステップSA4)、案内・表示処理(ステップSA5)及び、その他の処理(ステップSA6)でも、上述の図4乃至図13のキースイッチ52に対応した表示シンボル60を区別枠61によって他の表示シンボル60から区別して表示する処理、キースイッチ52の操作を判別して対応する表示シンボル60に応じた情報を入力する処理、表示シンボル60上を区別枠61を移動させる処理が実行される。
【0063】
(4)50音入力処理(第1のタイプ)
図4は50音入力処理のフローチャートを示す。この処理は上記目的地設定処理(ステップSA2)の中で実行される。まず、図5のように50音の全文字の表示シンボル60(アイコン)がディスプレイ33に表示され、「あ」「い」「う」「か」「き」「く」「さ」「し」「す」の9文字に区別枠61の表示シンボル60が表示される(ステップSC1)。この9文字は上記リモコン50の上側9個のキースイッチ52に対応している。
【0064】
こうして、キースイッチ52の数より多い50音の表示シンボル60を表示することができる。しかも、50音の表示シンボル60が多くても、各キースイッチ52に対応した表示シンボル60を区別枠61によって判別することができ、情報を過誤無く入力することができる。
【0065】
ここで、3列×4段=12個のキースイッチ52のうち、最下段の3個のキースイッチ52が選択されれれば(ステップSC12)、図6のような区別枠61が表示され(ステップSC13)、選択されている表示シンボル60の表示状態のみが白抜きに切り替えられる(ステップSC14)。これにより、現在選択されている表示シンボル60を画面上だけで確認できる。図6では左下の「左」の矢印が選択されている。このキースイッチ52の選択は、上記リモコン50の凹部51内に指が入れられているだけであり、当該キースイッチ52が押されていない状態である。
【0066】
また、3列×4段=12個のキースイッチ52のうち、上3段の9個のキースイッチ52が選択されれれば(ステップSC2)、図5のような区別枠61が表示され(ステップSC3)、選択されている表示シンボル60の表示状態のみの色が切り替えられる(ステップSC4)。これにより、同じく現在選択されている表示シンボル60を画面上だけで確認できる。図5では「す」の文字が選択されている。
【0067】
そして、上記選択を切り替えて、所望のキースイッチ52が押されると(ステップSC5)、この押されたキースイッチ52に対応した文字が入力確定される(ステップSC6)。これを繰り返すことによって、所望の文字列が入力され目的地または立ち寄り地が設定される。
【0068】
一方、上記ステップSC14で図6の区別枠61が表示されているときに、最下段の矢印の表示シンボル60に対応したキースイッチ52を押すと(ステップSC15)、それまで入力されていた文字列の入力が確定され(ステップSC16)、区別枠61自体が50音の文字群の上を移動する(ステップSC17)。こうして、入力したい文字のところへ区別枠61を移動させることができ、上記ステップSC2〜SC6の文字入力処理を繰り返してあらゆる文字を入力することができる。この結果、キースイッチ52の数より表示シンボル60の数が多くても、区別枠61を移動して全ての表示シンボル60を選択かつ入力することができる。
【0069】
さらに、図6の下から2段目の「後退」「絞込」「検索」の表示シンボル60に対応したキースイッチ52が押されると(ステップSC18)、それまで入力されていた文字列の入力が確定され(ステップSC19)、入力文字列の最後尾から1文字ずつ消去されたり、入力された文字列に対応する目的地が絞り込まれたり、検索されたりする(ステップSC20)。
【0070】
また、これらの50音入力が解除されると(ステップSC22)、50音表示が解除されて元の住宅地図などの地図が表示されて(ステップSC23)、処理がリターンされる。上記ステップSC2、SC12、SC22でいずれもNOであれば、その他の目的地設定処理が実行される(ステップSC24)。
【0071】
なお、図6の表示状態において、区別枠61が最下段まで移動すると、この区別枠61の中の最下段中央の「下」向きの矢印は「上」向きの矢印に切り換えられる。また、上記ステップSC1で表示される文字は、50音の全文字に限られず、場合によって10個以上の文字、つまり文字入力状態にあるキースイッチ52の数より多い文字数である。
【0072】
表示されなかった文字はページ送りなどで表示画面が切り換えられて表示される。この「ページ送り」は図6の表示状態において下2段のいずれかに表示される。さらに、ここで表示され入力される文字(表示シンボル)は、ひらがなのほか、場合によってカタカナ、漢字、アルファベット、日本語、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、その他の記号などである。
【0073】
なお、リモコン50のキースイッチ52の数は、場合によって凹部51の中に1つである。この場合、キースイッチ52を押したとき、押されたという情報が赤外線発光部54及びリモコンインタフェイス15を通じてCPU2に送られるとともに、直前に選択されていた表示シンボル60に応じた情報が入力される。したがって、キースイッチ52の選択を検出する赤外線カプラ53の数は表示シンボル60の数だけ必要であるが、場合によってキースイッチ52は1つであり、いずれも入力指示という情報が発信される。このことは以下の他の50音入力処理でも同様である。
【0074】
上述のような各種表示シンボル60(アイコン)及び/または各種区別枠61の画像データ、表示シンボル60の表示状態の変化に応じた画像データは、上記データ38c、プログラム38bからのデータに基づいて、CPU2によって作成され、画像プロセッサ9に書き込まれディスプレイ33に表示される。
【0075】
(5)50音入力処理(第2のタイプ)
図7は上記ステップSC24の中で実行される50音入力処理のフローチャートを示す。この処理は場合によって上記目的地設定処理(ステップSA2)の中で、上記ステップSC1〜SC23の処理に代えて実行される。まず、図8のように50音の全文字の表示シンボル60(アイコン)がディスプレイ33に表示され、「あ」「か」「さ」「た」「な」「は」「ま」「や」「ら」「わ」の10の頭文字の表示シンボル60が表示される(ステップSD1)。
【0076】
この10文字は上記リモコン50の各キースイッチ52に対応している。これら10個の頭文字の下には当該頭文字に属する「行」の5つの文字が小さく表示されている。これにより、各行の文字が容易に判明される。
【0077】
こうして、キースイッチ52の数より多い50音の表示シンボル60を表示することができる。しかも、50音の表示シンボル60が多くても、各キースイッチ52に対応した表示シンボル60を文字の大きさによって判別することができ、情報を過誤無く入力することができる。
【0078】
次いで、図9のように、キースイッチ52が選択されたり移動されたりすると(ステップSD2)、それまで入力されていた文字列の入力が確定され(ステップSD3)、新たに選択されたまたは移動されて選択された表示シンボル60の表示状態のみの色が切り替えられる(ステップSD4)。この選択された文字はディスプレイ33の上縁の入力枠63の中に表示される。これにより、現在選択されている表示シンボル60を画面上だけで確認できる。図9では左上の「あ」の頭文字が選択され入力枠63の中に表示されている。このキースイッチ52の選択は、上記リモコン50の凹部51内に指が入れられて、当該キースイッチ52がすでに一度押されている状態である。
【0079】
そして、選択された頭文字に対してキースイッチ52が何回か押されると(ステップSD7)、この入力される文字が順次切り換えられ(ステップSD8)、この入力された文字はディスプレイ33の上縁の入力枠63の中に表示される(ステップSD9)。図10では左上のキースイッチ52が3回押され→「あ」→「い」→「う」と切り換えられ、「う」の文字が選択され入力枠63の中に表示される。
【0080】
このようにして、頭文字の表示シンボル60の選択が切り換えられ(ステップSD2〜SD4)、これらの各頭文字の各行の文字が入力され(ステップSD7〜SD9)、入力された文字の入力が確定される(ステップSD2)。こうして目的地又は立ち寄り地が文字で入力されて設定される。
【0081】
そして入力したい頭文字行のところへ選択を移動させ、キースイッチ52を押すことによってあらゆる文字を入力することができる。この結果、キースイッチ52の数より表示シンボル60の数が多くても、頭文字の選択を移動して全ての表示シンボル60を選択かつ入力することができる。
【0082】
また、これらの50音入力が解除されると(ステップSD12)、50音表示が解除されて元の住宅地図などの地図が表示されて(ステップSD13)、処理がリターンされる。上記ステップSD2、SD7、SD12でいずれもNOであれば、その他の目的地設定処理が実行される(ステップSD17)。
【0083】
なお、同じ行の文字の入力を続けて確定するときは、いったんキースイッチ52の選択を別の行に切り換えてそれまでの文字入力を確定し(ステップSD3)、再度同じ行に戻してステップSD7〜SD9の文字入力を続ければよい。
【0084】
こうして、文字が入力され確定される前に、頭文字の選択状態または選択された行の各文字の選択状態を一目で認識することができ、使用者または操作者はリモコン50のキースイッチ52を見なくても済む。
【0085】
また、この各頭文字ごとのグループはあ行、か行、さ行というように各行ごとに分けられていたが、「あ」「か」「さ」「た」…の「あ音」、「い」「き」「し」「ち」…の「い音」、「う」「く」「す」「つ」…の「う音」の子音ごとにわけられてもよく、グループ分けはどのような分け方でもよい。さらに、ここで表示され入力される文字(表示シンボル)は、ひらがなのほか、カタカナ、漢字、アルファベット、日本語、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、その他の記号などでもよい。
【0086】
上述のような各種表示シンボル60(アイコン)及び/または各種区別枠61の画像データ、表示シンボル60の表示状態の変化に応じた画像データは、上記データ38c、プログラム38bからのデータに基づいて、CPU2によって作成され、画像プロセッサ9に書き込まれディスプレイ33に表示される。
【0087】
(6)50音入力処理(第3のタイプ)
図11乃至図13は上記ステップSC24の中で実行される50音入力処理のフローチャートの別の例を示す。この表示例でも上記ステップSD1〜SD17の処理がほぼ同様に実行される。この処理は場合によって上記目的地設定処理(ステップSA2)の中で、上記ステップSC1〜SC23の処理に代えて実行される。
【0088】
まず、図11のように50音の全文字の表示シンボル60(アイコン)がディスプレイ33に表示され、「あ」「か」「さ」「た」「な」「は」「ま」「や」「ら」「わ」の10の頭文字の表示シンボル60が表示される(ステップSD1)。この10文字は上記リモコン50の各キースイッチ52に対応している。
【0089】
次いで、図12のように、キースイッチ52が選択されたり移動されたりすると(ステップSD2)、それまで入力されていた文字列の入力が確定され(ステップSD3)、新たに選択されたまたは移動されて選択された表示シンボル60の表示状態のみの色が切り替えられる(ステップSD4)。この選択された文字はディスプレイ33の上縁の入力枠63の中に表示される。
【0090】
これにより、現在選択されている表示シンボル60を画面上だけで確認できる。図12では左上の「あ」の頭文字が選択され入力枠63の中に表示されている。このキースイッチ52の選択は、上記リモコン50の凹部51内に指が入れられているだけであり、当該キースイッチ52が押されていない状態である。
【0091】
そして、選択された頭文字に対してキースイッチ52が何回か押されると(ステップSD7)、当該行の全文字の表示シンボル60がディスプレイ33の上縁に表示され、この入力される文字が順次切り換えられ(ステップSD8)、この入力された文字はディスプレイ33の上縁の入力枠63の中に表示される(ステップSD9)。図13では左上のキースイッチ52が1回押され、「あ」の文字が選択され入力枠63の中に表示される。続けてこのキースイッチ52を押すと、→「い」→「う」→「え」…と切り換えられていく。
【0092】
このようにして、頭文字の表示シンボル60の選択が切り換えられ(ステップSD2〜SD4)、これらの各頭文字の各行の文字が入力され(ステップSD7〜SD9)、入力された文字の入力が確定される(ステップSD2)。こうして目的地又は立ち寄り地が文字で入力されて設定される。そして入力したい頭文字行のところへ選択を移動させ、キースイッチ52を押すことによってあらゆる文字を入力することができる。
【0093】
また、これらの50音入力が解除されると(ステップSD12)、50音表示が解除されて元の住宅地図などの地図が表示されて(ステップSD13)、処理がリターンされる。上記ステップSD2、SD7、SD12でいずれもNOであれば、その他の目的地設定処理が実行される(ステップSD17)。
【0094】
なお、同じ行の文字の入力を続けて確定するときは、いったんキースイッチ52の選択を別の行に切り換えてそれまでの文字入力を確定し(ステップSD3)、再度同じ行に戻してステップSD7〜SD9の文字入力を続ければよい。
【0095】
また、この各頭文字ごとのグループはあ行、か行、さ行というように各行ごとに分けられていたが、「あ」「か」「さ」「た」…の「あ音」、「い」「き」「し」「ち」…の「い音」、「う」「く」「す」「つ」…の「う音」の子音ごとにわけられてもよく、グループ分けはどのような分け方でもよい。さらに、ここで表示され入力される文字(表示シンボル)は、ひらがなのほか、カタカナ、漢字、アルファベット、日本語、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、その他の記号などでもよい。
【0096】
上述のような各種表示シンボル60(アイコン)及び/または各種区別枠61の画像データ、表示シンボル60の表示状態の変化に応じた画像データは、上記データ38c、プログラム38bからのデータに基づいて、CPU2によって作成され、画像プロセッサ9に書き込まれディスプレイ33に表示される。
【0097】
本発明は上記実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、図11〜図13での文字入力では、選択された「行」について、対応するキースイッチ52を順次押していくと、表示シンボル60の表示内容が順次切り替わってもよい。例えば、「あ行」であれば、キースイッチ52が押されるごとに、表示シンボル60自体が「あ」→「い」→「う」→「え」→「お」→「あ」→…と変化していく。このような表示シンボル60の切り換え処理は、図7のステップSD7で実行される。
【0098】
上記リモコン50の凹部51、キースイッチ52及び赤外線カプラ53は、場合によってナビゲーション装置のディスプレイ33の横に連結して設けられたり、ディスプレイ33と一体に設けられる。この場合、キースイッチ52は上記タッチスイッチ34で代用され、ディスプレイ33は凹部の中に設けられ、この凹部のディスプレイ33の周囲に赤外線カプラ53が設けられる。
【0099】
場合によってディスプレイ33またはプレートの裏面にキースイッチ52が設けられ、ディスプレイ33またはプレートを押して傾斜させれば、同様にして情報が入力される。この場合、赤外線カプラ53はディスプレイ33またはプレートの表面に形成されたタッチスイッチで代用され、キースイッチ52はディスプレイ33またはプレートの裏に設けられたキースイッチで代用される。この場合ディスプレイ33またはプレートの表面に形成されたタッチスイッチを指でなぞれば、表示シンボル60を選択できる。そしてこの裏のキースイッチが1個であれば、ディスプレイ33またはプレートを傾斜させないで押すことができる。
【0100】
表示シンボル60は、文字のほか、場合によってスクロール方向、ルート、最寄り、50音、TEL、個人名、戻る、メニュー、行き先、ジャンル、現在位置表示、電源オン/オフ、表示地図縮小(詳細)、表示地図拡大(広域)、デレビ画面、再音声など、どのような情報でも入力される。
【0101】
上記赤外線カプラ53は縦4個×横3個であり、1つのキースイッチ52または1つの識別部56に対して、赤外線カプラ53が1組ずつ対応していた。場合によって1つのキースイッチ52または1つの識別部56に対して、赤外線カプラ53が2組以上(複数組以上)対応する。これに応じて、赤外線カプラ53は縦4×n(n=1、2、3、…)個×横3×n(n=1、2、3、…)個となる。
【0102】
これにより、1つのキースイッチ52または1つの識別部56に対応する複数組の赤外線カプラ53のいずれかが検出されても、当該1つのキースイッチ52または1つの識別部56が選択され、対応する表示シンボル60の表示状態が変化する。この場合、複数のキースイッチ52または識別部56に跨って選択されても、検出されている赤外線カプラ53の組数が多いキースイッチ52または識別部56が選択されることができる。
【0103】
場合によって、キースイッチ52または識別部56の選択の切り換えにおいて、前回の選択位置と今回の選択位置との位置関係が検出され、この検出結果に基づいて、上記表示シンボル60の切り換えられる。例えば、前回の選択位置に対して今回の選択位置が真下、斜め右下、斜め左下、右横であれば、図5の表示状態に切り換えられ、前回の選択位置に対して今回の選択位置が真上、斜め右上、斜め左上、左横であれば、図6の表示状態に切り換えられる。
【0104】
この場合、図4のフローチャートでは、ステップSC2、SC12では、前回の選択位置と今回の選択位置とが検出され、これら両検出位置の関係が対比される。むろん、対比される位置関係は、真下、右横、左横、真上のグループと、斜め右上、斜め右下、斜め左上、斜め左下のグループでもよいし、どのようなグループに分けられてもよいし、これらの分けられるグループは2つを越えてもよい。このような表示シンボル60の切り換えでも、1つのキースイッチ52または1つの識別部56に対して、赤外線カプラ53が2組以上(複数組以上)対応してもよい。
【0105】
本発明で説明した各プログラムと、地図及び表示記号等の情報とを記憶した情報記憶部37が、場合によって一般のコンピュータ装置で使用される。つまり、情報記憶部37に記憶されたプログラムが一般のコンピュータで実行可能なプログラムとされる。そして、GPS受信装置25によって現在位置を検出できる装置とともに、この情報記憶部37を携帯タイプのコンピュータ装置に接続すれば、このコンピュータ装置でもナビゲーション処理が可能となる。
【0106】
さらに、本発明は、自動車以外の車両や、オートバイ、自転車、ボート、水上バイク等の船舶、ヘリコプタ、グライダー等の航空機などの乗り物のナビゲーション装置としても適用できる。さらにまた、本発明は、歩行移動する人間の携帯型のナビゲーション装置に適用され、サイクリング、旅行、登山、ハイキング、つり等において利用され得る。
【0107】
上記特許請求の範囲の各請求項に記載された全発明は、ナビゲーション装置の情報入力処理またはその他の情報入力のためのコンピュータプログラムの通信媒体/通信方法/通信装置、さらにナビゲーション装置の情報入力処理のためのコンピュータプログラム自体としても成立する。また、図3、図4及び図7のフローチャートの一部または全部はCPU2によらず手作業で行われてもよい。
【0108】
本件特許出願の出願当初の特許請求の範囲及び実施の態様は以下の通りである。
[A] 操作されることによって情報を入力可能な入力手段と、 この入力手段によって入力可能な情報を示す表示シンボルを、上記入力手段に形成された各位置の数より多く表示する表示手段と、
この表示された表示シンボルのうち、上記入力手段の各位置に対応した表示シンボルを判別して、他の表示シンボルから区別して表示する手段と、 上記入力手段の操作を判別して、上記区別して表示された表示シンボルの中のこの操作された入力手段の位置に対応する表示シンボルに応じた情報を入力可能とする情報入力装置。
【0109】
[B] 入力される多数の文字情報または記号情報の全てを複数のグループに分け、この各グループを代表する表示シンボルを全て表示する表示手段と、 この表示シンボルのグループに属する複数の文字情報または記号情報を表示する手段と、 上記表示シンボルを選択する選択手段と、 この選択された表示シンボルのグループに属する複数の文字情報または記号情報をさらに選択して入力する入力手段とを備えた情報入力装置。
【0110】
[C] 上記入力動作によって入力される情報は、データの入力、出力、転送、表示、記憶、消去、書き込み、読み出し、選択、切り換えの各種処理(処理)の情報であり、 または、表示画面のスクロール、シフトまたは移動、処理内容のメニューの選択であり、 またはナビゲーションのための出発地、現在位置、目的地または立ち寄り地の設定、選択、変更、決定若しくは切り換え、案内経路または探索経路の一部または全部の設定、選択、変更、決定若しくは切り換え、または地理的表示情報、地図情報または道路情報の設定、選択、変更、決定若しくは切り換えであり、 上記の移動体は陸上の車両または道路を走行する車両である請求項AまたはB記載のナビゲーション装置の表示装置。
【0111】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明では、入力手段によって入力可能な情報を示す表示シンボルを、入力手段に形成された各位置の数より多く表示し、この表示された表示シンボルのうち、上記入力手段の各位置に対応した表示シンボルを判別して、他の表示シンボルから区別して表示し、上記入力手段の操作を判別して、上記区別して表示された表示シンボルの中のこの操作された入力手段の位置に対応する表示シンボルに応じた情報を入力可能とした。したがって、入力手段の位置の数より多い表示シンボルを表示することができる等の効果を奏する。しかも、表示シンボルが多くても、入力手段の各位置に対応した表示シンボルを判別することができ、情報を過誤無く入力することができる等の効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ナビゲーション装置の全体回路を示す。
【図2】 リモコン50を示す。
【図3】 全体処理のフローチャートを示す。
【図4】 50音入力処理のフローチャート(第1タイプ)を示す。
【図5】 第1タイプのディスプレイ33の表示シンボル60及び区別枠61を示す。
【図6】 図5から切り換えられた第1タイプのディスプレイ33の表示シンボル60及び区別枠61を示す。
【図7】 50音入力処理のフローチャート(第2タイプ)を示す。
【図8】 第2タイプのディスプレイ33の表示シンボル60を示す。
【図9】 図8から切り換えられた第2タイプのディスプレイ33の表示シンボル60を示す。
【図10】図9から切り換えられた第2タイプのディスプレイ33の表示シンボル60を示す。
【図11】第3タイプのディスプレイ33の表示シンボル60を示す。
【図12】図11から切り換えられた第3タイプのディスプレイ33の表示シンボル60を示す。
【図13】図12から切り換えられた第3タイプのディスプレイ33の表示シンボル60を示す。
【符号の説明】
1…中央処理装置、2…CPU、3…フラッシュメモリ、4…ROM、5…RAM、7…センサ入力インタフェイス、8…通信インタフェイス、9…画像プロセッサ、10…画像メモリ、11…音声プロセッサ、13…スピーカ、14…時計、15…リモコンインタフェイス、20…現在位置検出装置、21…絶対方位センサ、22…相対方位センサ、23…距離センサ、24…速度センサ、25…GPS受信装置、26…ビーコン受信装置、27…データ送受信装置、30…入出力装置、33…ディスプレイ、34…タッチパネル、37…情報記憶部、38a…ディスク管理情報、39…データ送受信部、50…リモコン、51…凹部、52…キースイッチ、53…赤外線カプラ、54…赤外線発光部、55…その他のスイッチ、56…識別部、60…表示シンボル、61…区別枠、63…入力枠。
Claims (7)
- 入力操作がされる複数の入力手段と、
入力可能な情報を示す表示シンボルを、前記入力手段の数より多く表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された表示シンボルのうち、前記各入力手段に対応する表示シンボルを判別して、他の表示シンボルと区別して表示する表示制御手段と、
前記入力手段による入力操作がされた場合、前記表示制御手段により区別して表示された表示シンボルの中で、前記入力操作がされた入力手段に対応する表示シンボルに応じた情報を入力する情報入力手段と、
を備えたことを特徴とする情報入力装置。 - 入力操作がされる複数の入力手段と、表示手段と、表示制御手段と、情報入力手段と、を備えるコンピュータを、
前記表示手段が、入力可能な情報を示す表示シンボルを、前記入力手段の数より多く表示し、
前記表示制御手段が、前記表示手段に表示された表示シンボルのうち、前記各入力手段に対応する表示シンボルを判別して、他の表示シンボルと区別して表示し、
情報入力手段が、前記入力手段による入力操作がされた場合、前記表示制御手段により区別して表示された表示シンボルの中で、前記入力操作がされた入力手段に対応する表示シンボルに応じた情報を入力する、
ことを特徴とする情報入力方法。 - コンピュータを、
入力操作がされる複数の入力手段、
入力可能な情報を示す表示シンボルを、前記入力手段の数より多く表示する表示手段、
前記表示手段に表示された表示シンボルのうち、前記各入力手段に対応する表示シンボルを判別して、他の表示シンボルと区別して表示する表示制御手段、
前記入力手段による入力操作がされた場合、前記表示制御手段により区別して表示された表示シンボルの中で、前記入力操作がされた入力手段に対応する表示シンボルに応じた情報を入力する情報入力手段、
として機能させるための情報入力プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。 - 前記表示制御手段は、区別枠を表示し、前記各入力手段に対応した表示シンボルを前記区別枠内に表示することにより他の表示シンボルと区別して表示する
ことを特徴とする請求項1記載の情報入力装置。 - 前記各入力手段による入力操作は、いずれかの入力手段を選択する選択操作と、入力動作からなり、
前記複数の入力手段のうち、前記選択操作がされた入力手段を検出する検出手段を備え、
前記情報入力手段は、前記入力手段による入力動作がされた場合、前記表示制御手段により区別して表示された表示シンボルの中で、前記検出手段で検出された入力手段に対応する表示シンボルに応じた情報を入力する、
ことを特徴とする請求項1または請求項4記載の情報入力装置。 - 前記表示制御手段は、前記入力手段により選択操作が行われた場合、前記検出手段で検出した入力手段に対応する表示シンボルの表示状態を変化させる、
ことを特徴とする請求項5記載の情報入力装置。 - 前記表示制御手段は、前記検出手段で選択操作が検出された入力手段と、前回選択操作で選択操作が検出された入力手段との関係に基づいて、前記表示シンボルの表示形態を変化させる、
ことを特徴とする請求項5、又は請求項6記載の情報入力装置。
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