JP4159130B2 - ヘリコバクターの感染により引き起こされる疾患の治療剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)の感染により引き起こされる疾患を治療するために用いる医薬製剤に関する。さらに詳しくは、通常の抗生物質および合成抗菌剤などの抗菌性物質で除菌することが困難である細菌、ヘリコバクター・ピロリの感染によって引き起こされる胃炎、胃十二指腸炎、びらん性胃炎、胃びらん、びらん性十二指腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの消化器疾患の治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
今日では、ヒトの胃上皮へのヘリコバクター・ピロリの感染は、胃炎、胃潰瘍および十二指腸潰瘍を進行させる主要な要因であり、さらに、胃癌を進行させる要因である可能性が高いことが判明している。消化器に感染したヘリコバクター・ピロリを除菌することにより、胃潰瘍および十二指腸潰瘍の再発が著しく抑制されることが明らかにされており、除菌のため、抗菌剤を中心として様々な薬剤が試みられている。例えば、コロイダル次クエン酸ビスマス、次サリチル酸ビスマスなどのビスマス製剤、アモキシシリン、アンピシリン、クラリスロマイシン、オフロキサシン、テトラサイクリンなどの抗菌剤、チニタゾール、メトロニタゾールなどの抗原虫剤、オメプラゾール、ランソプラゾールなどのプロトンポンプ阻害剤を単独であるいは2ないし3剤を組み合わせて投与することが試みられている。しかしながら、これら薬剤を単独で用いたのでは除菌効果は十分ではなく、高い除菌効果を得るためには複数の薬剤を組み合わせて用いることが必須とされている。さらに、臨床試料から分離されたヘリコバクター・ピロリには、既存の薬剤に対して耐性の株が存在することが明らかにされており、除菌療法の治療効果を高め、除菌療法をより多くの患者に適用するために、新しい薬剤の開発が望まれている。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ヘリコバクター・ピロリに対する新しい薬剤を開発すべく、鋭意検討した結果、下記の式(I)で表されるリファマイシン誘導体がヘリコバクター・ピロリに対して強い抗菌力を有することを見出し、本発明を完成した。
【0004】
【化8】
【0005】
式(I)中、X1は酸素原子または硫黄原子を示し、R1はアセチル基または水素原子を示し、R2は水酸基、水素原子または炭素数1から3のアルキル基を示し、R3は式:
【0006】
【化9】
【0007】
[式中、R4、R5は同一または相異なり、炭素数1から3のアルキル基、または式:
【0008】
【化10】
【0009】
(式中、jは1から3の整数を示す)で表される基を示す]で表される基、または式:
【0010】
【化11】
【0011】
[式中、R6、R7は同一または相異なり、水素原子または炭素数1から3のアルキル基を示し、X2は酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、式:
【0012】
【化12】
【0013】
{式中、R8、R9は同一または相異なり、水素原子、炭素数1から3のアルキル基、またはR8とR9が結合して式:−(CH2)k−(式中、kは1から4の整数を示す)で表される基を示す}で表される基、または式:
【0014】
【化13】
【0015】
{式中、mは0または1を示し、R10は水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または式:−(CH2)nX3(式中、nは1から4の整数を示し、X3は炭素数1から3のアルコキシ基、ビニル基、エチニル基、または式:
【0016】
【化14】
【0017】
で表される基を示す)で表される基を示す}で表される基を示す]で表される基を示す。
【0018】
【発明の実施の形態】
前記式(I)において、R2、R4、R5、R6、R7、R8およびR9で示される炭素数1から3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基およびシクロプロピル基が挙げられ、R10の炭素数1から6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、シクロブチルメチル基、ヘキシル基、4−メチルペンチル基、シクロヘキシル基、3−メチルシクロペンチル基などの鎖状または環状アルキル基を挙げることができる。
【0019】
X3の炭素数1から3のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基およびシクロプロポキシ基を挙げることができる。
【0020】
本発明により、ヘリコバクター・ピロリの感染に起因する疾患の治療剤として提供される式(I)で表されるリファマイシン誘導体は、特公平03−58352号公報、特公平05−57275号公報、特開平03−007291号公報、特開平04−103589号公報、特開平03−101689号公報、ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブリテン(Chem.Pharm.Bull.)、第41巻、148頁(1993年)などに開示された方法により合成して得ることができ、また本明細書に製造例として開示した方法により合成して得ることができる。
【0021】
式(I)で表されるリファマイシン誘導体のうち、R1、R2およびR3が前記の通りであり、X1が硫黄原子である化合物は次のようにして合成することができる。即ち、下記の式(II):
【0022】
【化15】
【0023】
(式中、R1、R2は前記のとおりである)で表される化合物とHR3(式中、R3は前記のとおりである)で表される化合物とを、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒中で反応させることにより得ることができる。
【0024】
式(I)で表されるリファマイシン誘導体のうち、R1、R2およびX1が前記の通りであり、R3が式:
【0025】
【化16】
【0026】
[式中、R11は炭素数1から6のアルキル基、または式:−(CH2)nX3(式中、n、X3は前記のとおりである)で表される基を示し、R6、R7は前記の通りである]で表される基である化合物は以下の方法により合成することができる。すなわち、下記の式(III):
【0027】
【化17】
【0028】
[式中、R12は式:
【0029】
【化18】
【0030】
(式中、R6、R7およびR11は前記のとおりである)で表される基を示し、X1、R1およびR2は前記のとおりである]
で表される化合物を、(1)次亜塩素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウムなどの次亜ハロゲン酸塩により酸化する方法、(2)オゾンにより酸化する方法、(3)tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−アミルヒドロペルオキシドなどのヒドロキシペルオキシドにより酸化する(この際バナジウムやモリブデンなどの金属触媒を共存させてもよい)方法、(4)過酸化水素により酸化する方法、(5)過蟻酸、過酢酸のような有機過酸により酸化する方法により合成できる。なかでも(4)の過酸化水素を使用する方法を選べば、選択性よくかつ高収率で目的物を得ることができる。
【0031】
また、下記の式(IV):
【0032】
【化19】
【0033】
(式中、X1、R1、R2は前記のとおりである)で表される化合物とHR13[式中、R13は式:
【0034】
【化20】
【0035】
(式中、R6、R7、R11は前記のとおりである)で表される基を示す]で表される化合物とを、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒中で反応させることによって得ることができる。
【0036】
式(1)で表されるリファマイシン誘導体のうち、R1が水素原子である化合物は、式(I)で表される化合物のうちR1がアセチル基である式(I)で表される化合物を特公平05−57275号公報に開示されている方法により、加水分解することにより得ることができる。
【0037】
本発明によるヘリコバクター・ピロリの感染に起因する疾患の治療剤として用いることができるリファマイシン誘導体の生理的に許容される塩を得るには、前記特許公報に記載されている塩(塩基または酸との塩)の中からあるいは本明細書において開示した化合物群の塩の中から、生理的に許容されるものを選択すればよい。
【0038】
本発明によるヘリコバクター・ピロリの感染に起因する疾患の治療薬として用いることができるリファマイシン誘導体の具体的な塩基との塩の例としては、(1)金属塩、特にアルカリ金属、アルカリ土類金属との塩、(2)アンモニウム塩、(3)アミン塩、特にメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピロリジン、モルホリン、ヘキサメチレンイミンなどとの塩がある。また、酸との塩の例としては、(1)硫酸、塩酸などの鉱酸との塩、(2)p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、酢酸などの有機酸との塩がある。
【0039】
式(I)で表されるリファマイシン誘導体の消化器疾患原因菌ヘリコバクター・ピロリに対する活性を明かにするため抗菌力試験を実施した。式(I)で表されるリファマイシン誘導体のヘリコバクター・ピロリに対する抗菌力試験を、臨床試料から分離して得た5株(表1および表2)または10株(表3および表4)のヘリコバクター・ピロリを用いて、寒天平板稀釈法による最小発育阻止濃度を求めることにより実施した。培地としては、5%馬血液添加血液寒天培地No.2(OXOID)を選び、被検化合物を一定濃度となる様に加え、被検菌接種後35℃、炭酸ガス濃度10%で培養し、72時間後に被検化合物を含まないものを対照として抗菌力を判定した。結果を表1から表4に示す。表1から表4中のX1、R1、R2およびR3は前記式(I)に記載したものに対応するものであり、以下において、誘導体を示すとき、その誘導体は表1から表4に示した誘導体に対応したものである。MIC80は試験に用いた菌株の80%が発育を阻止される最小発育阻止濃度(MIC)であり、μg/mlの単位で示した。
【0040】
表1から表4に示した結果から明らかな様に、本発明によるヘリコバクター・ピロリ感染症治療剤として用いることができるリファマイシン誘導体は、既知のリファマイシン誘導体であり、かつ、抗結核薬として用いられているリファンピシンに比べ、極めて強い抗菌力を有することが分かる。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】
【表7】
【0048】
表3に示した誘導体25を過酸化水素により酸化して得た誘導体55を臨床試料から得た10株のヘリコバクター・ピロリを用いて、同様な条件で抗菌力試験を行った結果、そのMIC80は0.008μg/mlであり、誘導体55は強い抗菌活性を有することが分かった。
【0049】
誘導体10のヘリコバクター・ピロリ胃感染動物に対する除菌治療効果を以下のようにして評価した。
【0050】
すなわち、試験動物として7週令の雄スナネズミ(Mongolian gerbil)(MGS/sea)を選び、これにヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori) ATCC43504をCFU(コロニー形成単位)3×108から1×109/mlに調整した菌液を1匹当たり、0.5ml連続3日間経口投与し、ヘリコバクター・ピロリ胃感染動物を作製した。除菌治療試験はこの胃感染動物を用いて実施した。
【0051】
除菌治療群のスナネズミは、感染後16日目から、誘導体10を2.5%アラビアゴム含有0.01モル/lクエン酸緩衝液(pH4.3)に2mg/ml及び4mg/mlの割合で懸濁したものを、それぞれ誘導体10が10mg/Kg/日あるいは20mg/Kg/日の割合となるように、5日間経口投与した。除菌治療試験の対照として、ヘリコバクター・ピロリ除菌剤として知られており、臨床的に除菌剤として用いられているクラリスロマイシンを2.5%アラビアゴム水溶液に4mg/mlの割合で懸濁したものを、クラリスロマイシン20mg/Kg/日の割合となるように、誘導体10と同様に投与した。無治療群のスナネズミには、2.5%アラビアゴム含有0.01モル/lクエン酸緩衝液(pH4.3)を5ml/Kgの割合で経口投与した。以上の4群を比較することにより、誘導体10のヘリコバクター・ピロリ胃感染動物に対する除菌治療効果を評価した。
【0052】
薬物投与終了後4日目にスナネズミの胃を摘出し、10mlの生理食塩水を用いてホモゲナイザーによりホモジネートとし、ホモジネートをスキロー培地にバンコマイシン 10mg/l、ポリミキシンB 2500国際単位/l、トリメトプリム 2.5mg/l、ナリジクス酸15mg/lおよびアンホテリシンB3mg/lを加えた培地に塗布し、前記の抗菌試験の項に記載した条件により培養することにより胃内のヘリコバクター・ピロリのCFUを測定した。
【0053】
その結果、胃内のヘリコバクター・ピロリのCFUは、薬物無治療群では1群4匹の平均値が2.7×105CFU/胃であったのに対し、クラリスロマイシン投与群では1群3匹の平均値は4.2×105CFU/胃であり、クラリスロマイシン投与群では明確な除菌治療効果は観察されなかった。
【0054】
誘導体10投与群では、胃内のヘリコバクター・ピロリのCFUは10mg/Kg投与群および20mg/Kg投与群共に、各群4匹の全ての個体において検出限界の1×103CFU/胃以下であった。この結果により、胃に感染したヘリコバクター・ピロリは誘導体10を投与することにより効果的に除菌でき、既知のヘリコバクター・ピロリ除菌剤として知られているクラリスロマイシンよりも有効であることが分かった。
【0055】
誘導体40、49および51について、誘導体10についての前記ヘリコバクター・ピロリ感染スナネズミ治療試験と同じ方法で除菌治療効果を評価した。各誘導体とも10mg/kg/日の投与量で5日間経口投与した。その結果、薬物無治療群では、4匹の平均値が2.6×106CFU/胃であったのに対し、誘導体40投与群では、実験に供した3匹の内、1匹が1.0×103CFU/胃以下であり、残りの2匹の平均値も3.2×104CFU/胃と薬物無治療群に比べて低値であった。誘導体49投与群では、1群4匹のうち、3匹が1.0×103CFU/胃以下であり、他の1匹は5.7×105CFU/胃と薬物無治療群に比較して低値であった。誘導体51投与群では、1群4匹の内、1匹が1.0×103CFU/胃以下であり、他の3匹の平均値は3.6×105CFU/胃と、薬物無治療群に比べて低値であった。
【0056】
表1から表4に抗菌力試験結果を示したリファマイシン誘導体および誘導体55はいずれも低毒性であり、各化合物を1000mg/kgの割合でマウスに経口投与したが、何ら毒性を示さなかった。
【0057】
本発明の式(I)で表されるリファマイシン誘導体またはその生理的に許容される塩を有効成分とする医薬製剤は、通常の抗生物質、合成抗菌剤などの抗菌性物質で除菌することが困難である細菌、ヘリコバクター・ピロリの感染によって引き起こされる胃炎、胃十二指腸炎、びらん性胃炎、胃びらん、びらん性十二指腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの消化器疾患の治療剤として有用である。
【0058】
本発明による式(I)で表されるリファマイシン誘導体またはその生理的に許容される塩を有効成分とするヘリコバクターの感染に起因する消化器疾患治療剤としては、散剤、錠剤、カプセル剤、糖衣錠剤、顆粒剤、シロップ剤などの経口用医薬製剤をあげることができる。本発明による消化器疾患治療剤の製剤の坦体としては、経口投与に適した有機または無機の固体または液体の、通常は不活性な薬学的坦体材料が用いられる。具体的には、例えば結晶性セルロース、ゼラチン、乳糖、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物性および動物性脂肪および油、ガム、ポリアルキレングリコールなどがあげられる。製剤中における前記有効成分の割合は0.2〜100重量%の間で変化させることができる。また、本発明による消化器疾患治療剤は、これと両立性の他の消化器疾患治療剤その他の医薬を含むことができる。言うまでもなく、この場合、本発明の式(I)で表されるリファマイシン誘導体またはその生理的に許容される塩が、その製剤中の主成分でなくても良い。
【0059】
本発明による消化器疾患治療剤は、一般に所望の作用が副作用を伴うことなく達成される投与量で投与される。その具体的な量は医師の判断で決定されるべきであるが、一般に有効成分の投与量として成人1人について1日あたり10mg〜10g、好ましくは20mg〜5g程度で投与されるのが普通である。なお、本発明の消化器疾患治療薬は有効成分として1mg〜5g、好ましくは3mg〜1g単位の薬学的製剤として投与することができる。
【0060】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
【0061】
実施例1
表1に示した誘導体8の100g、乳糖55g、および乾燥馬鈴薯澱粉41gの混合物を水20mlと練合した後、16メッシュのスクリーンを通して押し出し、40℃で乾燥して顆粒化した。次いで、ステアリン酸マグネシウム4gと均一に混合し、常法により打錠して1錠200mg中に100mgの誘導体8を含む錠剤を得た。
【0062】
実施例2
実施例1の誘導体8に代え、誘導体4を用いて実施例1と同様の方法により、1錠200mg中に100mgの誘導体4を含む錠剤を得た。
【0063】
実施例3
実施例1の誘導体8に代え、誘導体10を用いて実施例1と同様の方法により、1錠200mg中に100mgの誘導体10を含む錠剤を得た。
【0064】
実施例4
実施例1の誘導体8に代え、誘導体24を用いて実施例1と同様の方法により、1錠200mg中に100mgの誘導体24を含む錠剤を得た。
【0065】
実施例5
実施例1の誘導体8に代え、誘導体25を用いて実施例1と同様の方法により、1錠200mg中に100mgの誘導体25を含む錠剤を得た。
【0066】
実施例6
実施例1の誘導体8に代え、誘導体29を用いて実施例1と同様の方法により、1錠200mg中に100mgの誘導体29を含む錠剤を得た。
【0067】
実施例7
実施例1の誘導体8に代え、誘導体49を用いて実施例1と同様の方法により、1錠200mg中に100mgの誘導体49を含む錠剤を得た。
【0068】
実施例8
実施例1の誘導体8に代え、誘導体50を用いて実施例1と同様の方法により、1錠200mg中に100mgの誘導体50を含む錠剤を得た。
【0069】
実施例9
実施例1の誘導体8に代え、誘導体51を用いて実施例1と同様の方法により、1錠200mg中に100mgの誘導体51を含む錠剤を得た。
【0070】
実施例10
実施例1の誘導体8に代え、誘導体54を用いて実施例1と同様の方法により、1錠200mg中に100mgの誘導体54含む錠剤を得た。
【0071】
実施例11
実施例1と全く同様にして得た顆粒196gをステアリン酸マグネシウム4gと混合した後、これを200mgずつ、2号カプセルに充填し、1カプセルに誘導体8を100mg含む硬カプセル剤を得た。
【0072】
実施例12
実施例11の誘導体8に代えて、誘導体4を用いて実施例11と同様の方法により、1カプセルに誘導体4を100mg含む硬カプセル剤を得た。
【0073】
実施例13
実施例11の誘導体8に代えて、誘導体10を用いて実施例11と同様の方法により、1カプセルに誘導体10を100mg含む硬カプセル剤を得た。
【0074】
実施例14
実施例11の誘導体8に代えて、誘導体24を用いて実施例11と同様の方法により、1カプセルに誘導体24を100mg含む硬カプセル剤を得た。
【0075】
実施例15
実施例11の誘導体8に代えて、誘導体25を用いて実施例11と同様の方法により、1カプセルに誘導体25を100mg含む硬カプセル剤を得た。
【0076】
実施例16
実施例11の誘導体8に代えて、誘導体29を用いて実施例11と同様の方法により、1カプセルに誘導体29を100mg含む硬カプセル剤を得た。
【0077】
実施例17
実施例11の誘導体8に代えて、誘導体49を用いて実施例11と同様の方法により、1カプセルに誘導体49を100mg含む硬カプセル剤を得た。
【0078】
実施例18
実施例11の誘導体8に代えて、誘導体50を用いて実施例11と同様の方法により、1カプセルに誘導体50を100mg含む硬カプセル剤を得た。
【0079】
実施例19
実施例11の誘導体8に代えて、誘導体51を用いて実施例11と同様の方法により、1カプセルに誘導体51を100mg含む硬カプセル剤を得た。
【0080】
実施例20
実施例11の誘導体8に代えて、誘導体54を用いて実施例11と同様の方法により、1カプセルに誘導体54を100mg含む硬カプセル剤を得た。
【0081】
実施例21
誘導体3の10.0g、乳糖84.0g、結晶性セルロース4.5g、ステアリン酸マグネシウム1.5gをよく混合して、1g中に誘導体3を100mg含む散剤を得た。
【0082】
実施例22
実施例21の誘導体3に代えて、誘導体6を用いて実施例21と同様の方法により、1g中に誘導体6を100mg含む散剤を得た。
【0083】
実施例23
実施例21の誘導体3に代えて、誘導体9を用いて実施例21と同様の方法により、1g中に誘導体9を100mg含む散剤を得た。
【0084】
[製造例]
つぎの製造例により本発明のリファマイシン誘導体の製造法を示す。以下において、薄層クロマトグラフィーはシリカゲルを担体として実施し、プロトン核磁気共鳴スペクトルはテトラメチルシランを内部標準とするクロロホルム溶液で測定し、シグナルの位置はppm単位で表した。
【0085】
製造例1(誘導体23の合成)
ベンゾキサジノリファマイシン[ヘルベティカ・キミカ・アクタ(Helv. Chim. Acta)第56巻、2369頁(1973年)に記載の方法によって合成]1.57gをN,N−ジメチルアセトアミド3.35mlに溶解し、50℃に加温した。これに、N−エチルピペラジン0.46g、二酸化マンガン0.52gを加え、50℃で14時間反応を行なった。反応液に酢酸エチル30mlを加えて希釈し、珪藻土を濾過助剤として反応液中の固形物を濾別、ロート上の固形物を少量の酢酸エチルで洗浄した。酢酸エチル濾液および洗液を合わせ、0.03モル/lの塩酸30mlで1回、飽和食塩水30mlで2回洗浄後、硫酸マグネシウムで脱水した。減圧下で溶媒を留去し、得られた粗生成物をワコーゲルC−200(和光純薬工業(株)製のカラムクロマトグラフィー用シリカゲルの商品名)の6gを用い、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより精製した。目的物を含む画分を集め、減圧下で濃縮乾固し、60℃で酢酸エチル10mlに溶解後、ヘキサン20mlを加え、室温まで徐冷し、晶析した。収量0.50g。
【0086】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.26青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.04青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入したN−エチルピペラジンに由来するシグナル:
1.14(CH2CH 3 )、2.49(CH 2 CH3)、
2.60(NCH2CH 2 NCH2CH3)、
3.53(NCH 2 CH2NCH2CH3)
【0087】
製造例2(誘導体24の合成)
製造例1のN−エチルピペラジンに代え、N−イソプロピルピペラジン0.51gを用いて同様な条件で16時間反応を行なった。製造例1と同様の後処理を実施し、後処理により得た酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮乾固することにより粗生成物を得た。粗生成物を酢酸エチル5mlに溶解後、ヘキサン15mlを加え、室温まで徐冷し晶析した。同様の晶析をさらに1度実施後、ワコーゲル C−200の2gを用い、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより精製した。目的物を含む画分を集め、減圧下で濃縮乾固し、60℃で酢酸エチル5mlに溶解後、ヘキサン15mlを加え、室温まで徐冷し、晶析した。収量0.44g。
【0088】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.32青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.10青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入したN−イソプロピルピペラジンに由来するシグナル:
1.09(CH(CH 3 )2)、
2.67(NCH2CH 2 NCH(CH3)2)、
2.76(CH(CH3)2)、3.52(NCH 2 CH2NCH(CH3)2)
【0089】
製造例3(誘導体25の合成)
製造例1のN−エチルピペラジンに代え、N−プロピルピペラジン0.51gを用いて同様な条件で15時間反応を行なった。反応液に酢酸エチル30mlを加えて希釈し、珪藻土を濾過助剤として反応液中の固形物を濾別、ロート上の固形物を少量の酢酸エチルで洗浄した。酢酸エチル濾液および洗液を合わせ、減圧下に濃縮し、再度酢酸エチル10mlに溶解し、撹拌下にヘキサン30mlを滴下し目的物を沈殿させた。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の3gを用い、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより精製した。目的物を含む画分を集め、減圧下で濃縮乾固し、60℃で酢酸エチル10mlに溶解後、ヘキサン16mlを加え、室温まで徐冷し、晶析した。収量0.69g。
【0090】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.38青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.13青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入したN−プロピルピペラジンに由来するシグナル:
0.95(CH2CH2CH 3 )、1.55(CH2CH 2 CH3)、
2.37(CH 2 CH2CH3)、
2.59(NCH2CH 2 NCH2CH2CH3)、
3.53(NCH 2 CH2NCH2CH2CH3)
【0091】
製造例4(誘導体26の合成)
製造例1のN−エチルピペラジンに代え、N−イソブチルピペラジン0.57gを用いて同様な条件で16時間反応を行なった。製造例1と同様の後処理を実施し、後処理により得た酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の30gを用い、トルエン/tert−ブタノール=95/5容量比を展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより精製した。目的物を含む画分を集め、減圧下で濃縮乾固し、60℃で酢酸エチル10mlに溶解後、ヘキサン30mlを加え、室温まで徐冷し、晶析し、全く同様の晶析をさらに1度繰り返した。得られた晶析品を60℃でトルエン10mlに溶解後、ヘキサン10mlを加え、室温まで徐冷し、晶析した。ついで、ワコーゲルC−200の2gを用い、トルエン/tert−ブタノール=95/5容量比を展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより精製した。得られた粗精製物を60℃でトルエン5mlに溶解後、ヘキサン8mlを加え、室温まで徐冷し、晶析した。得られた晶析品をさらに、シリカゲル60(イー・メルク(E.Merck)社)、200×200×2mm、展開溶媒クロロホルム/メタノール=97/3容量比による分取薄層クロマトグラフィーにより精製した。得られた精製品を60℃でトルエン5mlに溶解後、ヘキサン15mlを加え、室温まで徐冷し、晶析した。収量0.50g。
【0092】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.54青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.35青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入したN−イソブチルピペラジンに由来するシグナル:
0.93(CH2CH(CH 3 )2)、
1.68(CH2CH(CH3)2)、2.14(CH 2 CH(CH3)2)、
2.55(NCH2CH 2 NCH2CH(CH3)2)、
3.52(NCH 2 CH2NCH2CH(CH3)2)
【0093】
製造例5(誘導体27の合成)
製造例1のN−エチルピペラジンに代え、N−ブチルピペラジン0.57gを用いて同様な条件で15時間反応を行なった。製造例1と同様の後処理を実施し、後処理により得た酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の3gを用い、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより精製した。さらに、ワコーゲルC−200の6gを用いる同様なシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより精製した。目的物を含む画分を集め、減圧下で濃縮乾固し、60℃で酢酸エチル10mlに溶解後、ヘキサン10mlを加え、室温まで徐冷し、晶析した。収量0.74g。
【0094】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.44青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.19青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入したN−ブチルピペラジンに由来するシグナル:
0.95(CH2CH2CH2CH 3 )、1.36(CH2CH2CH 2 CH3)、
1.53(CH2CH 2 CH2CH3)、2.40(CH 2 CH2CH2CH3)、
2.59(NCH2CH 2 NCH2CH2CH2CH3)、
3.52(NCH 2 CH2NCH2CH2CH2CH3)
【0095】
製造例6(誘導体28の合成)
製造例1のN−エチルピペラジンに代え、N−シクロプロピルピペラジン0.50gを用いて同様な条件で22時間反応を行なった。製造例1と同様の後処理を実施し、後処理により得た酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の30gを用い、トルエン/tert−ブタノール=95/5容量比を展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより精製した。目的物を含む画分を集め、減圧下で濃縮乾固し、60℃でトルエン10mlに溶解後、ヘキサン10mlを加え、室温まで徐冷し、晶析した。収量0.92g。
【0096】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.49青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.24青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入したN−シクロプロピルピペラジンに由来するシグナル:
【0097】
【化21】
【0098】
製造例7(誘導体29の合成)
製造例1のN−エチルピペラジンに代え、N−(2−プロペニル)ピペラジン0.50gを用いて同様な条件で15時間反応を行なった。製造例1と同様の後処理を実施し、後処理により得た酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の6gを用い、クロロホルム、ついでクロロホルム/メタノール=95/5容量比を展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより精製した。さらに、ワコーゲルC−200の3gを用い、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより精製した。目的物を含む画分を集め、減圧下で濃縮乾固し、60℃でトルエン4mlに溶解後、ヘキサン10mlを加え、室温まで徐冷し、晶析した。収量0.74g。
【0099】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.40青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.15青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入したN−(2−プロペニル)ピペラジンに由来するシグナル:
2.61(NCH2CH 2 NCH2CH=CH2)、
3.07(CH 2 CH=CH2)、
3.52(NCH 2 CH2NCH2CH=CH2)、
4.98、5.22(CH2CH=CH 2 )、5.88(CH2CH=CH2)
【0100】
製造例8(誘導体30の合成)
製造例1のN−エチルピペラジンに代え、1,2−ジメチルピペラジン0.46gを用いて同様な条件で16時間反応を行なった。製造例1と同様の後処理を実施し、後処理により得た酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の3gを用い、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーを2回繰り返して精製した。目的物を含む画分を集め、減圧下で濃縮乾固し、60℃でトルエン5mlに溶解後、ヘキサン10mlを加え、室温まで徐冷し、晶析した。得られた晶析品をさらに、シリカゲル60、200×200×2mm、展開溶媒クロロホルム/メタノール=97/3容量比による分取薄層クロマトグラフィーにより精製した。得られた精製物を60℃でトルエン3mlに溶解後、ヘキサン10mlを加え、室温まで徐冷し、晶析した。収量0.15g。
【0101】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.22青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.04青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入した1,2−ジメチルピペラジンに由来するシグナル:
【0102】
【化22】
【0103】
製造例9(誘導体31の合成)
製造例1のN−エチルピペラジンに代え、1−エチル−2−メチルピペラジン0.51gを用いて同様な条件で21時間反応を行なった。製造例1と同様の後処理を実施し、後処理により得た酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の3gを用い、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーを2回繰り返して精製した。目的物を含む画分を集め、減圧下で濃縮乾固し、60℃で酢酸エチル10mlに溶解後、ヘキサン30mlを加え、室温まで徐冷し、晶析した。収量0.51g。
【0104】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.26青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.06青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入した1−エチル−2−メチルピペラジンに由来するシグナル:
【0105】
【化23】
【0106】
製造例10(誘導体32の合成)
製造例1のN−エチルピペラジンに代え、1−イソプロピル−2−メチルピペラジン0.57gを用いて同様な条件で20時間反応を行なった。製造例1と同様の後処理を実施し、後処理により得た酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の3.5gを用い、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーを2回繰り返して精製した。さらに、ワコーゲルC−200の1.5gを用い、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより精製した。目的物を含む画分を集め、減圧下で濃縮乾固し、60℃でトルエン5mlに溶解後、ヘキサン10mlを加え、室温まで徐冷し、晶析した。収量0.37g。
【0107】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.32青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.13青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入した1−イソプロピル−2−メチルピペラジンに由来するシグナル:
【0108】
【化24】
【0109】
製造例11(誘導体33の合成)
製造例1のN−エチルピペラジンに代え、1,2,6−トリメチルピペラジン0.51gを用いて同様な条件で16時間反応を行なった。製造例1と同様の後処理を実施し、後処理により得た酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の30gを用い、トルエン/tert−ブタノール=95/5容量比を展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより精製した。目的物を含む画分を集め、減圧下で濃縮乾固し、60℃で酢酸エチル10mlに溶解後、ヘキサン10mlを加え、室温まで徐冷し、晶析した。収量0.44g。
【0110】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.29青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.07青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入した1,2,6−トリメチルピペラジンに由来するシグナル:
1.22(NCH2CH(CH 3 )NCH3)、2.32(NCH 3 )、
2.88(NCH2CH(CH3)NCH3)、
3.76(NCH 2 CH(CH3)NCH3)
【0111】
製造例12(誘導体34の合成)
製造例1のN−エチルピペラジンに代え、2,6−ジメチル−1−エチルピペラジン0.57gを用いて同様な条件で14時間反応を行なった。製造例1と同様の後処理を実施し、後処理により得た酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の3gを用い、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより精製した。目的物を含む画分を集め、減圧下で濃縮乾固し、60℃で酢酸エチル5mlに溶解後、ヘキサン15mlを加え、室温まで徐冷する晶析を2度繰り返し実施した。得られた晶析品をさらに、シリカゲル60、200×200×2mm、展開溶媒クロロホルム/メタノール=97/3容量比による分取薄層クロマトグラフィーにより精製した。得られた精製品を60℃でトルエン5mlに溶解後、ヘキサン15mlを加え、室温まで徐冷し、晶析した。収量0.56g。
【0112】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.33青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.11青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入した2,6−ジメチル−1−エチルピペラジンに由来するシグナル:
0.93(CH2CH 3 )、
1.20(NCH2CH(CH 3 )NCH2CH3)、
2.77(CH 2 CH3)、
2.98(NCH2CH(CH3)NCH2CH3)、
3.76(NCH 2 CH(CH3)NCH2CH3)
【0113】
製造例13(誘導体35の合成)
製造例1のN−エチルピペラジンに代え、2,6−ジメチル−1−プロピルピペラジン0.63gを用いて同様な条件で16時間反応を行なった。製造例1と同様の後処理を実施し、後処理により得た酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の30gを用い、クロロホルム/メタノール=95/5容量比を展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより精製した。ついで、得られた粗精製物をワコーゲルC−200の6gを用い、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより精製し、さらに展開溶媒をトルエンに代えた同様なスケールのクロマトグラフィーを実施した。得られた粗精製物をシリカゲル60、200×200×2mm、展開溶媒クロロホルム/メタノール=95/5容量比による分取薄層クロマトグラフィーにより精製した。目的物を含む部分を削り取り、溶媒抽出後、濃縮乾固した。収量0.23g。
【0114】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.40青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.18青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入した2,6−ジメチル−1−プロピルピペラジンに由来するシグナル:
0.86(CH2CH2CH 3 )、
1.19(NCH2CH(CH 3 )NCH2CH2CH3)、
1.42(CH2CH 2 CH3)、2.75(CH 2 CH2CH3)、
2.75(NCH2CH(CH3)NCH2CH2CH3)、
3.75(NCH 2 CH(CH3)NCH2CH2CH3)
【0115】
製造例14(誘導体36の合成)
製造例1のN−エチルピペラジンに代え、1−イソプロピル−3−メチルピペラジン0.57gを用いて同様条件で119時間反応を行なった。製造例1と同様の後処理を実施し、後処理により得た酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の6gを用い、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより精製した。ついで、得られた粗精製物をシリカゲル60、200×200×2mm、展開溶媒 クロロホルム/メタノール=95/5容量比による分取薄層クロマトグラフィーを3回繰り返して精製した。目的物を含む部分を削り取り、溶媒抽出後、濃縮乾固した。収量0.29g。
【0116】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.47青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.29青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入した1−イソプロピル−3−メチルピペラジンに由来するシグナル:
【0117】
【化25】
【0118】
製造例15(誘導体37の合成)
製造例1のN−エチルピペラジンに代え、1,2,5−トリメチルピペラジン0.51gを用いて同様な条件で45時間反応を行なった。製造例1と同様の後処理を実施し、後処理により得た酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の6gを用い、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより精製した。得られた粗精製物をシリカゲル60、200×200×2mm、展開溶媒クロロホルム/メタノール=95/5容量比による分取薄層クロマトグラフィーにより精製した。得られた粗精製物をさらに、シリカゲル60、200×200×2mm、展開溶媒クロロホルム/メタノール=95/5容量比による分取薄層クロマトグラフィーにより精製した。さらに、展開溶媒をクロロホルム/メタノール=90/10容量比とした同様な分取薄層クロマトグラフィーで2回精製した。目的物を含む部分を削り取り、溶媒抽出後、濃縮乾固した。収量0.24g。
【0119】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.26青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.08青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入した1,2,5−トリメチルピペラジンに由来するシグナル:
【0120】
【化26】
【0121】
製造例16(誘導体38の合成)
製造例1のN−エチルピペラジンに代え、2,5−ジメチル−1−エチルピペラジン0.57gを用いて同様な条件で67時間反応を行なった。製造例1と同様の後処理を実施し、後処理により得た酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の3gを用い、トルエンを展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより精製した。得られた粗精製物をシリカゲル60、200×200×2mm、展開溶媒クロロホルム/メタノール=90/10容量比による分取薄層クロマトグラフィーを2回繰り返して精製した。さらに、展開溶媒をクロロホルム/メタノール=95/5容量比とした同様な分取薄層クロマトグラフィーにより精製した。得られた粗精製物をワコーゲルC−200の2gを用い、トルエンを展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより精製した。目的物を含む画分を集め、濃縮乾固することにより目的物を得た。収量0.12g。
【0122】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.37青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.15青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入した2,5−ジメチル−1−エチルピペラジンに由来するシグナル:
【0123】
【化27】
【0124】
製造例17(誘導体39の合成)
製造例1のN−エチルピペラジンに代え、2,5−ジメチル−1−プロピルピペラジン0.63gを用いて同様な条件で119時間反応を行なった。製造例1と同様の後処理を実施し、後処理により得た酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の10gを用い、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより精製し、さらに得られた粗精製物をワコーゲルC−200の3gを用い、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより精製した。得られた粗精製物をさらにシリカゲル60、200×200×2mm、展開溶媒クロロホルム/メタノール=95/5容量比による分取薄層クロマトグラフィーにより精製した。さらに、展開溶媒をクロロホルム/メタノール=98/2容量比とした同様の分取薄層クロマトグラフィーにより精製した。目的物を含む部分を削り取り、溶媒抽出後、濃縮乾固した。収量0.21g。
【0125】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.51青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.31青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入した2,5−ジメチル−1−プロピルピペラジンに由来するシグナル:
【0126】
【化28】
【0127】
製造例18(誘導体40の合成)
3′−メチルベンゾキサジノリファマイシン[特開昭64−006279号公報に開示された方法によって合成]1.60gをN,N−ジメチルアセトアミド4mlに溶解し、50℃に加温した。これに、モルホリン 0.35g、二酸化マンガン0.52gを加えて50℃で4時間反応を行なった。反応液にエタノール30mlを加えて希釈し、珪藻土を濾過助剤として反応液中の固形物を濾別、ロート上の固形物をエタノール30mlで洗浄した。エタノール濾液および洗液を合わせ、減圧下に濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物を酢酸エチル4mlに溶解後、ヘキサン中に滴下し、再沈殿を行った。得られた再沈殿物をシリカゲル60、200×200×2mm、クロロホルム/メタノール=98/2容量比を展開溶媒とする分取薄層クロマトグラフィーにより精製した。得られた粗精製物をさらに、ワコーゲルC−200の70gおよび50gをそれぞれ用い、クロロホルム/メタノール=98/2容量比を展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーで順次精製した。目的物を含む画分を集め、減圧下に濃縮乾固した。収量1.40g。
【0128】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.46青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.33青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入したモルホリンに由来するシグナル:
2.83(NCH2CH 2 O)、3.46(NCH 2 CH2O)
【0129】
製造例19(誘導体43の合成)
3′−メチルベンゾキサジノリファマイシン1.60gをN,N−ジメチルアセトアミド 3.35mlに溶解し、50℃に加温した。これに、4−ピペリドン塩酸塩・1水和物0.61gとトリエチルアミン0.84mlをN,N−ジメチルアセトアミド1mlに懸濁したものおよび二酸化マンガン0.52gを加え、50℃で18時間反応を行なった。反応液に酢酸エチル30mlを加えて希釈し、珪藻土を濾過助剤として反応液中の固形物を濾別、ロート上の固形物を酢酸エチル50mlで洗浄した。酢酸エチル濾液および洗液を合わせ、酢酸エチル500mlで希釈し、水50mlで4回、0.1モル/lの塩酸25mlで2回、飽和食塩水25mlで2回洗浄し、分離した有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水、減圧下に溶媒を留去、濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の40gを用い、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィー、ついでワコーゲルC−200の30gを用い、クロロホルム/メタノール=98/2容量比を展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーで順次精製した。得られた粗精製物をシリカゲル60、200×200×2mm、クロロホルム/メタノール=95/5容量比を展開溶媒とする分取薄膜クロマトグラフィーにより精製した。目的物を含む部分を削り取り、溶媒抽出後、濃縮乾固した。収量0.26g。
【0130】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.52青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.25青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入した4−ピペリドンに由来するシグナル:
1.80、2.05(NCH2CH 2 C=O)、
4.00、5.00(NCH 2 CH2C=O)
【0131】
製造例20(誘導体44の合成)
4−ピペリドン塩酸塩・1水和物0.69gとオルト蟻酸トリメチル2.74mlおよびp−トルエンスルホン酸・1水和物 86mgをメタノール9mlに溶解し、室温で24時間反応を行なった。反応混合物の溶媒を減圧下に留去後、残さをN,N−ジメチルアセトアミド2mlに溶解し、トリエチルアミン1.4mlを加え、4,4−ジメトキシピペリジン溶液をえた。
【0132】
ベンゾキサジノリファマイシン1.57gをN,N−ジメチルアセトアミド3.35mlに溶解し、50℃に加温した。これに、前記でえた4,4−ジメトキシピペリジン溶液および二酸化マンガン0.52gを加え、50℃で24時間反応を行なった。反応液に酢酸エチル30mlを加えて希釈し、珪藻土を濾過助剤として反応液中の固形物を濾別、ロート上の固形物を酢酸エチル50mlで洗浄した。酢酸エチル濾液および洗液を合わせ、酢酸エチル300mlで希釈し、水100mlで2回、飽和食塩水50mlで2回洗浄し、分離した有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水、減圧下に溶媒を留去、濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の80gを用い、トルエン/アセトン=3/1容量比を展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーで精製した。得られた粗精製物をシリカゲル60、200×200×1mm、トルエン/アセトン=3/1容量比を展開溶媒とする分取薄層クロマトグラフィーにより2回精製した。さらに、得られた粗精製物をワコーゲルC−200の80gを用い、トルエン/アセトン=3/1容量比を展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーで精製した。目的物を含む画分を集め、濃縮乾固することにより目的物をえた。収量0.48g。
【0133】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.66青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.33青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入した4,4−ジメトキシピペリジンに由来するシグナル:
1.89(NCH2CH 2 C)、3.25(OCH 3 )、
3.56(NCH 2 CH2C)
【0134】
製造例21(誘導体45の合成)
4−ピペリドン塩酸塩・1水和物0.10g、オルト蟻酸トリメチル0.36mlおよびp−トルエンスルホン酸・1水和物 5mgをメタノール3.26mlに溶解し、室温で24時間反応を行なった。反応混合物の溶媒を減圧下に留去後、残さをN,N−ジメチルアセトアミド1mlに溶解し、トリエチルアミン1.5mlを加え、4,4−ジメトキシピペリジン溶液をえた。
【0135】
3′−メチルベンゾキサジノリファマイシン0.26gをN,N−ジメチルアセトアミド0.6mlに溶解し、50℃に加温した。これに、前記でえた4,4−ジメトキシピペリジン溶液および二酸化マンガン85mgを加え、50℃で24時間反応を行なった。反応液に酢酸エチル30mlを加えて希釈し、珪藻土を濾過助剤として反応液中の固形物を濾別、ロート上の固形物を酢酸エチル50mlで洗浄した。酢酸エチル濾液および洗液を合わせ、酢酸エチル300mlで希釈し、水100mlで2回、飽和食塩水50mlで2回洗浄し、分離した有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水、減圧下に溶媒を留去、濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の2gを用い、クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーで精製した。目的物を含む画分を集め、濃縮後ヘキサンを添加し目的物を沈殿として分離した。収量0.15g。
【0136】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.63青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.33青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入した4,4−ジメトキシピペリジンに由来するシグナル:
1.80(NCH2CH 2 C)、3.22、3.25(OCH 3 )、
3.56(NCH 2 CH2C)
【0137】
製造例22(誘導体46の合成)
製造例1のN−エチルピペラジンに代え、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン 0.57gを用いて同様な条件で24時間反応を行なった。反応液に酢酸エチル30mlを加えて希釈し、珪藻土を濾過助剤として反応液中の固形物を濾別、ロート上の固形物を酢酸エチル50mlで洗浄した。酢酸エチル濾液および洗液を合わせ、酢酸エチル1000mlで希釈し、水100mlで2回、0.1モル/lの希塩酸50mlで1回、水50mlで1回洗浄し、分離した有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水、減圧下に溶媒を留去、濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の80gを用い、クロロホルム/メタノール=50/1容量比を展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーおよびワコーゲルC−200の100gを用い、トルエン/アセトン=3/1容量比を展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーで順次精製した。得られた粗精製物をシリカゲル60、200×200×0.5mm、トルエン/アセトン=4/1容量比を展開溶媒とする分取薄層クロマトグラフィーにより精製した。目的物を含む部分を削り取り、溶媒抽出後、濃縮乾固した。収量0.64g。
【0138】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.63青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.31青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入した1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカンに由来するシグナル:
1.80(NCH2CH 2 C)、3.66(NCH 2 CH2C)、
4.02(OCH 2 CH 2 O)
【0139】
製造例23(誘導体47の合成)
3′−メチルベンゾキサジノリファマイシン1.60gをN,N−ジメチルアアセトアミド3.35mlに溶解し、50℃に加温した。これに、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン 0.57g、二酸化マンガン0.52gを加え、50℃で41時間反応を行なった。反応液に酢酸エチル30mlを加えて希釈し、珪藻土を濾過助剤として反応液中の固形物を濾別、ロート上の固形物を酢酸エチル50mlで洗浄した。酢酸エチル濾液および洗液を合わせ、酢酸エチル800mlで希釈し、水100mlで2回、0.1モル/lの希塩酸50mlで1回、飽和食塩水50mlで1回洗浄し、分離した有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水、減圧下に溶媒を留去、濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の80gを用い、クロロホルム、ついでクロロホルム/メタノール=50/1容量比を展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーで精製した。目的物を含む画分を集め、濃縮乾固することにより目的物をえた。収量1.45g。
【0140】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.56青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.30青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入した1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカンに由来するシグナル:
1.70(NCH2CH 2 C)、3.65(NCH 2 CH2C)、
4.01(OCH 2 CH 2 O)
【0141】
製造例24(誘導体48の合成)
製造例18のモルホリンに代え、N−メチルピペラジン0.40gを用いて同様な条件で3.5時間反応を行なった。反応液に酢酸エチル30mlを加えて希釈し、珪藻土を濾過助剤として反応液中の固形物を濾別、ロート上の固形物を酢酸エチル50mlで洗浄した。酢酸エチル濾液および洗液を合わせ、酢酸エチル200mlで希釈し、0.1モル/lの塩酸20mlおよび飽和食塩水20mlで洗浄し、分離した有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水、減圧下に溶媒を留去、濃縮乾固することにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の50gを用い、クロロホルム/メタノール=95/5容量比を展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーで精製した。得られた粗精製物を酢酸エチル10mlに溶解後、ヘキサン50mlに中に滴下し沈殿物を得た。沈殿物をさらにシリカゲル60、200×200×2mm、クロロホルム/メタノール=95/5容量比を展開溶媒とする分取薄膜クロマトグラフィーにより精製した。ついで、この粗精製物をワコーゲルC−200の15gを用い、クロロホルム/トルエン=1/1容量比、ついでクロロホルム/トルエン/メタノール=95/95/5容量比を展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーで精製した。目的物を含む画分を集め、濃縮乾固することにより目的物を得た。収量1.21g。
【0142】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.20青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.02青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入したN−メチルピペラジンに由来するシグナル:
2.35(NCH 3 )、2.56、2.81(NCH2CH 2 NCH3)、
3.53(NCH 2 CH2NCH3)
【0143】
製造例25(誘導体49の合成)
3′−メチルベンゾキサジノリファマイシン0.50gをN,N−ジメチルアアセトアミド0.84mlに溶解し、50℃に加温した。これに、N−エチルピペラジン0.14g、二酸化マンガン0.16gを加えて50℃で2時間反応を行なった。反応液に酢酸エチル20mlを加えて希釈し、珪藻土を濾過助剤として反応液中の固形物を濾別、ロート上の固形物を酢酸エチル50mlで洗浄した。酢酸エチル濾液および洗液を合わせ、酢酸エチル500mlで希釈し、水50mlで3回、0.1モル/lの希塩酸15mlで1回、水50mlで2回、飽和食塩水50mlで2回洗浄し、分離した有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水、減圧下に溶媒を留去、濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物を酢酸エチル10mlに溶解後、ヘキサン中に滴下し、再沈殿を行った。得られた沈殿物をワコーゲルC−200の80gを用い、トルエン/アセトン=3/1容量比、ついでクロロホルム/メタノール=95/5容量比を展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーで精製した。目的物を含む画分を集め、濃縮乾固することにより目的物を得た。収量0.24g。
【0144】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.43青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.04青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入したN−エチルピペラジンに由来するシグナル:
1.26(NCH2CH 3 )、2.48(NCH 2 CH3)、
2.60(NCH2CH 2 NCH2CH3)、
3.54(NCH 2 CH2NCH2CH3)
【0145】
製造例26(誘導体50の合成)
製造例23の1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカンに代え、N−イソプロピルピペラジン0.51gを用いて50℃で5.5時間反応を行なった。反応液に酢酸エチル30mlを加えて希釈し、珪藻土を濾過助剤として反応液中の固形物を濾別、ロート上の固形物を酢酸エチル50mlで洗浄した。酢酸エチル濾液および洗液を合わせ、酢酸エチル1000mlで希釈し、0.1モル/lの塩酸50mlで1回、水150mlで1回、飽和食塩水50mlで2回洗浄し、分離した有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水、減圧下に溶媒を留去、濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の80gを用い、トルエン/tert−ブタノール=4/1容量比、ついでクロロホルム/メタノール=95/5容量比を展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーで精製した。目的物を含む画分を集め、濃縮乾固することにより目的物を得た。収量1.66g。
【0146】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.30青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.08青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入したN−イソプロピルピペラジンに由来するシグナル:
1.01(NCH(CH 3 )2)、2.67(NCH2CH 2 NCH)、
2.81(NCH(CH3)2)、3.52(NCH 2 CH2NCH)
【0147】
製造例27(誘導体51の合成)
製造例18のモルホリンに代え、N−プロピルピペラジン0.51gを用いて、50℃で6時間反応を行なった。反応液に酢酸エチル30mlを加えて希釈し、珪藻土を濾過助剤として反応液中の固形物を濾別、ロート上の固形物を酢酸エチル50mlで洗浄した。酢酸エチル濾液および洗液を合わせ、酢酸エチル500mlで希釈し、0.1モル/lの塩酸20mlで1回、飽和食塩水20mlで2回洗浄し、分離した有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水、減圧下に溶媒を留去、濃縮乾固することにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物を酢酸エチル15mlに溶解後、ヘキサン150ml中に滴下し、再沈殿を行なった。得られた沈殿物をワコーゲルC−200の60gを用い、クロロホルム/メタノール=95/5容量比を展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーで精製した。目的物を含む画分を集め、濃縮乾固することにより目的物を得た。収量1.52g。
【0148】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.33青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.13青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入したN−プロピルピペラジンに由来するシグナル:
0.95(NCH2CH2CH 3 )、1.56(NCH2CH 2 NCH3)、
2.36(NCH 2 CH2CH3)、2.59(NCH2CH 2 NCH2)、
3.53(NCH 2 CH2NCH2)
【0149】
製造例28(誘導体52の合成)
製造例18のモルホリンに代え、N−ブチルピペラジン0.57gを用いて、50℃で8.5時間反応を行なった。反応液に酢酸エチル30mlを加えて希釈し、珪藻土を濾過助剤として反応液中の固形物を濾別、ロート上の固形物を酢酸エチル50mlで洗浄した。酢酸エチル濾液および洗液を合わせ、酢酸エチル1000mlで希釈し、水100mlで2回、0.1モル/lの塩酸50mlで1回、飽和食塩水100mlで2回洗浄し、分離した有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水、減圧下に溶媒を留去、濃縮乾固することにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の75gを用い、クロロホルム/メタノール=95/5容量比を展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーで精製した。目的物を含む画分を集め、濃縮乾固することにより目的物を得た。収量1.63g。
【0150】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.40青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.21青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入したN−ブチルピペラジンに由来するシグナル:
0.93(NCH2CH2CH2CH 3 )、
1.37(NCH2CH2CH 2 CH3)、
1.51(NCH2CH 2 CH2CH3)、
2.40(NCH 2 CH2CH2CH3)、
2.58(NCH2CH 2 NCH2)、
3.52(NCH 2 CH2NCH2)
【0151】
製造例29(誘導体53の合成)
製造例23の1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカンに代え、N−(2−プロペニル)ピペラジン0.50gを用いて、50℃で7.5時間反応を行なった。反応液に酢酸エチル30mlを加えて希釈し、珪藻土を濾過助剤として反応液中の固形物を濾別、ロート上の固形物を酢酸エチル50mlで洗浄した。酢酸エチル濾液および洗液を合わせ、酢酸エチル1000mlで希釈し、0.1モル/lの塩酸50mlで1回、水150mlで1回、飽和食塩水50mlで2回洗浄し、分離した有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水、減圧下に溶媒を留去、濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の90gを用い、クロロホルム/メタノール=95/5容量比を展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーで精製した。目的物を含む画分を集め、濃縮乾固することにより目的物を得た。収量1.02g。
【0152】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.37青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.15青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入したN−(2−プロペニル)ピペラジンに由来するシグナル:
2.60(NCH2CH 2 NCH2)、2.81(NCH 2 CH=CH2)、
3.53(NCH 2 CH2NCH2)、
5.00、5.21(NCH2CH=CH 2 )、
5.85(NCH2CH=CH2)
【0153】
製造例30(誘導体54の合成)
製造例23の1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカンに代え、1,2,6−トリメチルピペラジン0.51gを用いて、50℃で41時間反応を行なった。反応液に酢酸エチル30mlを加えて希釈し、珪藻土を濾過助剤として反応液中の固形物を濾別、ロート上の固形物を酢酸エチル50mlで洗浄した。酢酸エチル濾液および洗液を合わせ、酢酸エチル800mlで希釈し、水100mlで2回、0.1モル/lの塩酸50mlで1回、飽和食塩水50mlで2回洗浄し、分離した有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水、減圧下に溶媒を留去、濃縮乾固することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲルC−200の90gを用い、クロロホルム/メタノール=98/2容量比を展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーおよびワコーゲルC−200の30gを用い、クロロホルム/メタノール=99/1容量比を展開溶媒とするシリカゲル・カラムクロマトグラフィーで順次精製した。得られた粗精製物をシリカゲル60、200×200×0.25mm、クロロホルム/メタノール=95/5容量比を展開溶媒とする分取薄層クロマトグラフィーにより精製した。目的物を含む部分を削り取り、溶媒溶出後、濃縮乾固した。収量0.29g。
【0154】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.32青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5容量比)、Rf 0.06青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=9/1容量比)
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
導入した1,2,6−トリメチルピペラジンに由来するシグナル:
1.21、1.22(NCH2CH(CH 3 ))、2.32(NCH 3 )、
2.90(NCH2CH(CH3))、
3.77(NCH 2 CH(CH3))
【0155】
製造例31(誘導体55の合成)
誘導体25の0.46gをメタノール10mlに50℃で溶解し、30%過酸化水素0.57mlを加え、50℃で7時間、40℃で15時間、50℃で7時間、30℃で15時間反応を行なった。反応終了後、約4mlまで濃縮し、酢酸エチル20mlと食塩水20mlとを加え、有機層を分離した。分離した有機層を水10mlで2回洗浄した。この際タール状のものが分離したのでこれをクロロホルム−メタノール混液で溶解し、有機層に合わせた。有機層を濃縮乾固後、残さをクロロホルムに溶解、不溶物を濾別した。クロロホルム溶液を減圧下に濃縮乾固した。得られた粗生成物をシリカゲル60、200×200×2mm、クロロホルム/メタノール=8/2容量比を展開溶媒とする分取薄層クロマトグラフィーおよび展開溶媒をクロロホルム/メタノール=9/1容量比に変えた同様な分取薄層クロマトグラフィーにより順次精製した。目的物を含む部分を削り取り、溶媒溶出後、濃縮乾固した。収量0.29g。
【0156】
薄層クロマトグラフィー:
Rf 0.31青色スポット(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=8/2容量比)、Rf 0.02青色スポット(展開溶媒:トルエン/tert−ブタノール=1/1容量比)
【0157】
本化合物は高速原子衝撃法によりその質量スペクトルを測定した結果、スペクトルには出発物質より16マスユニット大きいピークが観察され、出発物質に酸素が導入された化合物、すなわちN−オキシド化合物に一致する質量を示す化合物であることが判明した。この結果により、本化合物が誘導体25のN−オキシド化合物であることが確認された。
【0158】
【発明の効果】
本発明により、リファマイシン誘導体またはその生理的に許容される塩を有効成分とする、新しいヘリコバクター・ピロリの感染により引き起こされる疾患に対する治療剤が提供される。
Claims (2)
- 式(I)で表されるリファマイシン誘導体またはその生理的に許容される塩を有効成分とするヘリコバクターの感染により引き起こされる消化器疾患治療剤。
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JP03859098A Expired - Fee Related JP4159130B2 (ja) | 1997-02-28 | 1998-02-20 | ヘリコバクターの感染により引き起こされる疾患の治療剤 |
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JP (1) | JP4159130B2 (ja) |
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1998
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