JP4158607B2 - 半導体基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は基板表面にエピタキシャル成長させてエピタキシャル層を有する半導体基板を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコンエピタキシャルウェーハは、シリコン基板表面の研磨を終了した後、又は埋込み拡散層を形成した後などのウェーハ表面に気相成長法により単結晶シリコン薄膜を形成したものであり、微小欠陥の発生を抑制でき、活性領域以外の抵抗を小さくして発熱による誤動作防止を図ることができる省電力素子等に適したウェーハとして用いられている。
【0003】
近年、このシリコンエピタキシャルウェーハにおける単結晶シリコン薄膜の成膜において、気相成長時の温度を低温化することが要望されている。例えば、Si−LSIの製造工程の途中工程で上記単結晶シリコン薄膜の成膜を行う場合、低温でのエピタキシャル成長を行うと、前工程やエピタキシャル成長中にドーピングされた不純物の拡散を抑え、急峻な不純物分布を保つことができる。また、エピタキシャル成長に発生するサセプタ等からの金属汚染は、高温での成長であるほど顕著になるため、低温化により金属汚染を低減する必要が生じる。
【0004】
従来、単結晶シリコン薄膜の低温エピタキシャル技術としては、MBE(MolecularBeam Epitaxy)、GSMBE(Gas Source MBE)、UHV−CVD(Ultra High Vacuum Chemical Vapour Deposition)といった超高真空による形成技術が確立されており、品質の高いエピタキシャル膜の成膜が可能になっている。しかしながら、これらの成膜方法では、成長速度が遅く、しかも、ウェーハのハンドリングや成長前の真空引き等の準備等に時間がかかるとともに、エピタキシャル炉の保守が難しいため、量産には不向きである。
【0005】
また、量産に好適な低温エピタキシャル成長としては、減圧化学気相成長法(減圧CVD法)が一般に用いられている。この減圧CVDによるシリコンの低温エピタキシャル成長は、従来、希フッ酸等による前処理で自然酸化膜を除去したシリコン基板をCVD炉内に入れ、0.3×105Pa以下の圧力下、水素ガス雰囲気中で700〜1000℃、1〜15分の水素ベーク処理を行い、続けてSiH4により800〜1000℃(SiH2Cl2の場合は900〜1000℃、Si2H6の場合は700〜1000℃)で、エピタキシャル成長するプロセスが一般的である。
【0006】
この量産に好適な減圧CVD法を用いて良質なエピタキシャル層を形成する技術が提案されている。その一つとして、シリコン基板にシリコン層をエピタキシャル成長してシリコンエピタキシャルウェーハを製造する方法であって、バッファ層形成工程は、GeH4又はGe2H6のいずれか及びSiH4、SiH2Cl2又はSi2H6のいずれかをソースガスとして0.3×105Pa以下の減圧CVDによりSi1-xGexバッファ層を成長し、シリコン層形成工程は、SiH4、SiH2Cl2又はSi2H6をソースガスとして減圧CVDによりシリコン層を成長することを特徴とするSiエピタキシャルウェーハの製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に示された方法では、シリコン基板を希フッ酸により自然酸化膜を除去し、圧力4.0×103Pa、50slmの水素流雰囲気中で900℃、1分の水素ベーク処理を行った後に、減圧CVD法によりエピ層を形成している。この方法により、低温プロセスでも欠陥が大幅に減少し、膜厚が厚くてもヘイズフリーの良質なシリコン膜を積めることができるとともにパーティクルを減少させることができる。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−187797号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1に示される方法のように、減圧雰囲気下で水素ベーク処理を施して得られた基板は表面の粗さが大きくなってしまい、後に続く工程で形成されるデバイス素子に悪影響を及ぼす問題があった。また水素ベーク処理前に希フッ酸により自然酸化膜を除去しなければならなかった。
【0009】
本発明の目的は、低温エピタキシャル成長により形成したエピタキシャル層表面の粗さを低減させ得る、半導体基板の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、500℃〜900℃の温度、0.3×105Pa未満の圧力下で基板表面にエピタキシャル成長させてエピタキシャル層を有する半導体基板を製造する方法の改良である。その特徴ある構成は、形成されるエピタキシャル層がシリコンゲルマニウム層又は2原子%以下の炭素(0原子%を除く)を含むシリコン層を少なくとも1種含み、基板表面にエピタキシャル層を形成する前に0.3×105Pa〜1.1×105Paの圧力下、水素ガス雰囲気中で1100℃〜1190℃の温度範囲内で15秒〜5分間保持することにより、前処理としての自然酸化膜の除去工程を行わずに基板に対して水素ベーク処理を施し、水素ベーク処理に続いて、0.3×10 5 Pa〜1.1×10 5 Paの圧力下、水素ガスに塩化水素を0.2mol%〜0.6mol%の濃度で添加した水素及び塩化水素混合ガスの雰囲気中で900℃〜1150℃の温度範囲内で30秒〜1分間保 持することにより、基板表面をエッチング処理する工程と、エッチング処理した基板表面に0.3×10 5 Pa〜1.1×10 5 Paの圧力下、水素ガス雰囲気中で1000℃以下の温度範囲で膜厚5〜100nmの膜厚で形成することにより、シード層を形成する工程を更に含み、シード層を形成するための原料がSiH 4 (シラン)又はSiH 2 Cl 2 (ジクロルシラン)であるところにある。
請求項1に係る発明では、低温、減圧下で基板表面にエピタキシャル成長させてエピタキシャル層を有する半導体基板を製造する方法において、半導体基板に対して水素ベーク処理を上記条件下で行うことにより、従来の減圧雰囲気下で水素ベーク処理を行なうよりも、基板表面のシリコン原子のマイグレーションが大きく、これによりエッチング量も多くなり結晶が再構成しやすくなるなどの効果が得られる。また、後に続く工程で形成するエピタキシャル層表面の粗さを低減でき、より平坦化が進む。また減圧下での水素ベーク処理に比べてエッチング量が増えるため、前処理として行ってきた自然酸化膜を除去する工程を省略できる。またシリコンゲルマニウム層は歪みシリコンを形成する際に用いる技術として有用である。炭素含有シリコンはシリコン基板上に成膜すると、炭素はシリコンに比べて格子定数が小さいため、引張り歪みをうけることになる。この歪みやバンドギャップ効果によって炭素含有シリコン中でのキャリアの動きは歪みのないシリコンよりも速くなるため、炭素を含むシリコン層を形成することでデバイスの高速化が期待できる。2原子%以下の炭素(0原子%を除く)を含むシリコン層は単結晶シリコン層又は多結晶シリコン層である。またより平坦で、その後のエピタキシャル成長も平坦に成膜できるシード層が形成できる。更にエッチング処理する工程を更に含むことで、エッチング取り代が増加するため自然酸化膜を完全に除去できる。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、基板がシリコン単結晶基板又はSOI基板である製造方法である。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明であって、シード層が単結晶シリコン層である製造方法である。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明であって、水素ベーク処理が1.013×105Paの圧力下、水素ガス雰囲気中で1100℃〜1190℃の温度範囲内で15秒〜5分間保持することにより行われる製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を説明する。
本発明の半導体基板の製造方法は、500℃〜900℃の温度、0.3×105Pa未満の圧力下で基板表面にエピタキシャル成長させてエピタキシャル層を有する半導体基板を製造する方法の改良である。その特徴ある構成は、形成されるエピタキシャル層がシリコンゲルマニウム層又は2原子%以下の炭素(0原子%を除く)を含むシリコン層を少なくとも1種含み、基板表面にエピタキシャル層を形成する前に0.3×105Pa〜1.1×105Paの圧力下、水素ガス雰囲気中で1100℃〜1190℃の温度範囲内で15秒〜5分間保持することにより、基板に対して水素ベーク処理を施すところにある。半導体基板に対して水素ベーク処理を上記条件下で行うことにより、従来の減圧雰囲気下で水素ベーク処理を行なうよりも、基板表面のシリコン原子のマイグレーションが大きく、これによりエッチング量も多くなり結晶が再構成しやすくなるなどの効果が得られる。また後に続く工程で形成されるエピタキシャル層表面の粗さを低減でき、より平坦化が進む。水素ベーク処理温度はシリコン原子のマイグレーションを促進するため1100℃以上とする。また減圧下での水素ベーク処理に比べてエッチング量が増えるため、前処理として行ってきた自然酸化膜を除去する工程を省略できる。本発明の半導体基板の基板としてはシリコン単結晶基板やSOI基板が挙げられる。水素ベーク処理の条件としては、0.3×105Pa〜1.1×105Paの圧力下、水素ガス雰囲気中で1100℃〜1190℃の温度範囲内で15秒〜5分間保持することが好ましい。1.013×105Paの圧力下、即ち常圧下、水素ガス雰囲気中で1100℃〜1150℃の温度範囲内で15秒〜3分間保持することがより好ましい。
【0014】
本発明の製造方法では、基板表面に水素ベーク処理を施した後であって、基板表面にエピタキシャル層を形成する前に、基板表面に0.3×105Pa〜1.1×105Paの圧力下、水素ガス雰囲気中で1000℃以下の温度範囲で膜厚5〜100nm以下の膜厚で形成することにより、シード層を形成する工程が更に含まれる。上記条件下でシード層を形成することで、より平坦で、その後のエピタキシャル成長も平坦に成膜できるシード層が形成できる。ここで形成されるシード層は単結晶シリコン層である。シード層の厚さは5〜100nmの範囲内で形成される。特に20nmが好ましい。
【0015】
形成されるエピタキシャル層としては、シリコンゲルマニウム層又は2原子%以下の炭素(0原子%を除く)を含むシリコン層の少なくとも1種が含まれる。
【0016】
シリコンゲルマニウム層は歪みシリコンを形成する際に用いる技術として有用であり、シリコンとゲルマニウムの濃度が一定の比率で成長させた層や、層中に含まれるゲルマニウムの濃度を漸次高めるように又は低下させるように変化させた層が挙げられる。
炭素含有シリコンはシリコン基板上に成膜すると、炭素はシリコンに比べて格子定数が小さいため、引張り歪みを受けることになる。この歪みやバンドギャップ効果によって炭素含有シリコン中でのキャリアの動きは歪みのないシリコンよりも速くなるため、炭素を含むシリコン層を形成することでデバイスの高速化が期待できる。炭素を含むシリコン層中に含まれる炭素含有量は2原子%以下(0原子%を除く)であり、その中でも1原子%が好ましい。
【0017】
シード層及びシリコン層を形成するための原料としては、SiH4(シラン)やSiH2Cl2(ジクロルシラン)が挙げられる。またシリコンゲルマニウム層を形成するための原料としては、シリコン源としては、SiH4やSiH2Cl2が、ゲルマニウム源としては、GeH4(モノゲルマン)が挙げられる。炭素含有シリコン層を形成するための原料としては、シリコン源としては、SiH4やSiH2Cl2が、炭素源としては、SiCH6(メチルシラン)、SiC2H8(ジメチルシラン)、C2H4(エチレン)、C3H8(プロパン)が挙げられる。
【0018】
本発明の製造方法では、水素ベーク処理に続いて、0.3×105Pa〜1.1×105Paの圧力下、水素ガスに塩化水素を0.2mol%〜0.6mol%の濃度で添加した水素及び塩化水素混合ガスの雰囲気中で900℃〜1190℃の温度範囲内で30秒〜1分保持することにより、基板表面をエッチング処理する工程を更に含んでもよい。水素ガスに塩化水素を加えることにより、単に水素ベーク処理のみを施すよりもエッチング量が大きくなり、より平坦化が進む。その結果、その後に続く工程でのエピタキシャル成長により形成されたエピタキシャル層表面の粗さを防止することができる。このエッチング処理により基板表面に形成されている0.1μm程度の自然酸化膜を除去できる。塩化水素の添加濃度を0.6mol%以下に規定したのは、0.6mol%を越えるとエッチングにより面荒れを生じるためである。0.2mol%未満であると十分なエッチングを施すことが難しくなる。エッチング処理条件としては、0.9×105Pa〜1.1×105Paの圧力下、水素ガスに塩化水素を0.2mol%〜0.6mol%の濃度で添加した水素及び塩化水素混合ガスの雰囲気中で1000℃〜1150℃の温度範囲内で30秒〜1分間保持することが好ましい。
【0019】
【実施例】
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<参考例1>
先ず、シリコン基板を用意し、枚葉型CVD炉内に入れて、炉内圧力1.013×105Pa、流量50slmの水素ガス雰囲気下、1170℃で1分間保持して水素ベーク処理を行なった。次いで炉内圧力1.013×105Pa、流量50slmの水素ガス雰囲気に、シリコン源として流量20sccmでSiH4ガスを流し、925℃で20秒間保持してシリコン基板表面に20nmのシリコンシード層を形成した。シリコンシード層の形成後はSiH4ガスの供給を停止し、炉内温度を600℃にまで降温した。次に、炉内圧力0.1×105Pa、流量50slmの水素ガス雰囲気に、シリコン源として流量50sccmでSiH4ガスを流し、600℃で20分間保持してシリコンシード層表面に100nmのシリコン層を形成した。上記工程を経ることにより、図2に示すようなシリコン基板11、シリコンシード層12及びシリコン層13が順次積層された半導体基板を作製した。図1に各工程における温度プロファイルを示す。
【0020】
<参考例2>
シリコンシード層12のエピタキシャル成長における炉内圧力を0.1×105Paにした以外は参考例1と同様にして半導体基板を得た。
【0021】
<比較例1>
水素ベーク処理での炉内圧力を0.1×105Pa、シリコンシード層12及びシリコン層13のエピタキシャル成長における炉内圧力を0.1×105Paにした以外は参考例1と同様にして半導体基板を得た。
【0022】
<比較試験1>
参考例1、参考例2及び比較例1でそれぞれ作製した半導体基板の表面をレーザーパーティクルカウンターSP−1(tencor社製)によりヘイズレベルの測定2回づつ行った。得られた結果を表1にそれぞれ示す。なお、表1に示したヘイズは参考例1のヘイズ値を1としたときの相対値として表した。また1回目の測定と2回目の測定の平均値を示した。
【0023】
【表1】
【0024】
表1より明らかなように、0.1×105Paの減圧雰囲気で水素ベーク処理を行った比較例1の半導体基板は、参考例1及び参考例2で得られた半導体基板に比べてヘイズが大きい結果となった。参考例1と参考例2を比較すると、エピタキシャル層を形成する際の圧力を減圧雰囲気で行った参考例2の方が1.013×105Paの雰囲気でエピタキシャル成長させた参考例1に比べてヘイズが大きくなっていることがわかる。
【0025】
<実施例1>
先ず、シリコン基板を用意し、枚葉型CVD炉内に入れて、炉内圧力1.013×105Pa、流量50slmの水素ガス雰囲気下、1170℃で1分間保持して水素ベーク処理を行なった。次いで炉内圧力1.013×105Pa、流量50slmの水素ガス雰囲気に、シリコン源として流量20sccmでSiH4ガスを流し、925℃で20秒間保持してシリコン基板表面に20nmのシリコンシード層を形成した。シリコンシード層の形成後はSiH4ガスの供給を停止し、炉内温度を600℃にまで降温した。次に、炉内圧力0.1×105Pa、流量20slmの水素ガス雰囲気に、シリコン源として流量20sccmでSiH4ガスを流し、600℃で10分間保持してシリコンシード層表面に50nmの炭素含有シリコン層を形成した。炭素源となるSiCH6ガスはエピタキシャル層内に1原子%となる流量を供給した。続いてSiCH6ガスの供給を停止し、SiH4ガスを流したまま600℃で10分間保持して炭素含有シリコン層表面に50nmのシリコン層を形成した。上記工程を経ることにより、図4に示すようなシリコン基板11、シリコンシード層12、炭素含有シリコン層14及びシリコン層13が順次積層された半導体基板を作製した。図3に各工程における温度プロファイルを示す。
【0026】
<比較例2>
水素ベーク処理での炉内圧力を0.1×105Pa、シリコンシード層12、炭素含有シリコン層14及びシリコン層13のエピタキシャル成長における炉内圧力を0.1×105Paにした以外は実施例1と同様にして半導体基板を得た。
【0027】
<比較試験2>
実施例1及び比較例2でそれぞれ作製した半導体基板の表面をレーザーパーティクルカウンターSP−1によりヘイズレベルの測定を行なった。得られた結果を表2にそれぞれ示す。なお、表2に示したヘイズは実施例1のヘイズ値を1としたときの相対値として表した。
【0028】
【表2】
【0029】
表2より明らかなように、0.1×105Paの減圧雰囲気で水素ベーク処理及びエピタキシャル層形成を行った比較例2の半導体基板は、実施例1で得られた半導体基板に比べてヘイズが大きい結果となった。
【0030】
<実施例2>
先ず、シリコン基板を用意し、枚葉型CVD炉内に入れて、炉内圧力1.013×105Pa、流量50slmの水素ガス雰囲気下、1170℃で1分間保持して水素ベーク処理を行なった。次いで炉内圧力1.013×105Pa、流量50slmの水素ガス雰囲気に、シリコン源として流量20sccmでSiH4ガスを流し、925℃で20秒間保持してシリコン基板表面に20nmのシリコンシード層を形成した。シリコンシード層の形成後はSiH4ガスの供給を停止し、炉内温度を600℃にまで降温した。次に、炉内圧力0.1×105Pa、流量50slmの水素ガス雰囲気に、シリコン源として流量20sccmでSiH4ガスを流し、600℃で15分間保持してシリコンシード層表面に厚さ100nmの10%Ge濃度のシリコンゲルマニウム層を形成した。ゲルマニウム源のGeH4はエピタキシャル層内に10原子%となる流量を供給した。続いてGeH4ガスの供給を停止し、SiH4ガスを流したまま600℃で4分間保持してシリコンゲルマニウム層表面に20nmのシリコン層を形成した。上記工程を経ることにより、図6に示すようなシリコン基板16、シリコンシード層12、シリコンゲルマニウム層17及びシリコン層13が順次積層された半導体基板を作製した。図5に各工程における温度プロファイルを示す。
【0031】
<実施例3>
シリコン基板16をSOI基板に代えた以外は実施例2と同様にして半導体基板を得た。
【0032】
<比較例3>
水素ベーク処理での炉内圧力を0.1×105Pa、シリコンシード層12、シリコンゲルマニウム層17及びシリコン層13のエピタキシャル成長における炉内圧力を0.1×105Paにした以外は実施例2と同様にして半導体基板を得た。
【0033】
<比較例4>
シリコン基板16をSOI基板に代えた以外は比較例3と同様にして半導体基板を得た。
【0034】
<比較試験3>
実施例2、3及び比較例3、4でそれぞれ作製した半導体基板の表面をレーザーパーティクルカウンターSP−1によりヘイズレベルの測定を行なった。得られた実施例2及び比較例3の結果を表3に、実施例3及び比較例4の結果を表4にそれぞれ示す。なお、表3に示したヘイズは実施例2のヘイズ値を1としたときの相対値として表した。なお、表4に示したヘイズは実施例3のヘイズ値を1としたときの相対値として表した。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
表3より明らかなように、0.1×105Paの減圧雰囲気で水素ベーク処理及びエピタキシャル層形成を行った比較例3の半導体基板は、実施例2で得られた半導体基板に比べてヘイズが大きい結果となった。また表4からも同様の傾向が伺われる。
【0038】
<実施例4>
先ず、シリコン基板を用意し、枚葉型CVD炉内に入れて、炉内圧力1.01×105Pa、流量50slmの水素ガス雰囲気下、1170℃で1分間保持して水素ベーク処理を行なった。次いで炉内圧力1.01×105Pa、流量50slmの水素ガス雰囲気に、流量0.2slmで塩化水素を流し、1分間保持してエッチング処理を行った。続いて炉内圧力1.01×105Pa、流量50slmの水素ガス雰囲気に、シリコン源として流量20sccmでSiH4ガスを流し、925℃で20秒間保持してシリコン基板表面に20nmのシリコンシード層を形成した。シリコンシード層の形成後はSiH4ガスの供給を停止し、炉内温度を600℃にまで降温した。次に、炉内圧力0.1×105Pa、流量50slmの水素ガス雰囲気に、シリコン源として流量20sccmでSiH4ガスを流し、600℃で15分間保持してシリコンシード層表面に厚さ100nmの10%Ge濃度のシリコンゲルマニウム層を形成した。ゲルマニウム源となるGeH4はエピタキシャル層内に10原子%となる流量を供給した。続いてGeH4ガスの供給を停止し、SiH4ガスを流したまま600℃で4分間保持してシリコンゲルマニウム層表面に20nmのシリコン層を形成した。上記工程を経ることにより、図6に示すようなシリコン基板16、シリコンシード層12、シリコンゲルマニウム層17及びシリコン層13が順次積層された半導体基板を作製した。図7に各工程における温度プロファイルを示す。
【0039】
<比較例5>
エッチング処理を施さず、水素ベーク処理での炉内圧力を0.1×105Pa、シリコンシード層12、シリコンゲルマニウム層17及びシリコン層13のエピタキシャル成長における炉内圧力を0.1×105Paにした以外は実施例4と同様にして半導体基板を得た。
【0040】
<比較試験4>
実施例4及び比較例5でそれぞれ作製した半導体基板の表面をレーザーパーティクルカウンターSP−1によりヘイズレベルの測定を行なった。得られた結果を表5にそれぞれ示す。なお、表5に示したヘイズは実施例4のヘイズ値を1としたときの相対値として表した。
【0041】
【表5】
【0042】
表5より明らかなように、0.1×105Paの減圧雰囲気で水素ベーク処理及びエピタキシャル層形成を行った比較例5の半導体基板は、実施例4で得られた半導体基板に比べてヘイズが大きい結果となった。
【0043】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は500℃〜900℃の温度、0.3×105Pa未満の圧力下で基板表面にエピタキシャル成長させてエピタキシャル層を有する半導体基板を製造する方法の改良である。その特徴ある構成は、形成されるエピタキシャル層がシリコンゲルマニウム層又は2原子%以下の炭素(0原子%を除く)を含むシリコン層を少なくとも1種含み、基板表面にエピタキシャル層を形成する前に0.3×105Pa〜1.1×105Paの圧力下、水素ガス雰囲気中で1100℃〜1190℃の温度範囲内で15秒〜5分間保持することにより、前処理としての自然酸化膜の除去工程を行わずに基板に対して水素ベーク処理を施し、水素ベーク処理に続いて、0.3×10 5 Pa〜1.1×10 5 Paの圧力下、水素ガスに塩化水素を0.2mol%〜0.6mol%の濃度で添加した水素及び塩化水素混合ガスの雰囲気中で900℃〜1150℃の温度範囲内で30秒〜1分間保持することにより、基板表面をエッチング処理する工程と、エッチング処理した基板表面に0.3×10 5 Pa〜1.1×10 5 Paの圧力下、水素ガス雰囲気中で1000℃以下の温度範囲で膜厚100nm以下の膜厚で形成することにより、シード層を形成す る工程を更に含み、シード層を形成するための原料がSiH 4 (シラン)又はSiH 2 Cl 2 (ジクロルシラン)であるところにある。この方法により、低温エピタキシャル成長により形成したエピタキシャル層表面の粗さを低減させ、良好な半導体基板を製造することができる。またより平坦で、その後のエピタキシャル成長も平坦に成膜できるシード層が形成できる。更にエッチング処理する工程を更に含むことで、エッチング取り代が増加するため自然酸化膜を完全に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1の各工程における温度プロファイル。
【図2】 参考例1で作製された半導体基板の断面図。
【図3】 実施例1の各工程における温度プロファイル。
【図4】 実施例1で作製された半導体基板の断面図。
【図5】 実施例2の各工程における温度プロファイル。
【図6】 実施例2で作製された半導体基板の断面図。
【図7】 実施例4の各工程における温度プロファイル。
【符号の説明】
11 シリコン基板
12 シリコンシード層
13 シリコンエピタキシャル層
14 炭素含有シリコンエピタキシャル層
16 シリコン基板又はSOI基板
17 シリコンゲルマニウムエピタキシャル層
Claims (4)
- 500℃〜900℃の温度、0.3×105Pa未満の圧力下で基板表面にエピタキシャル成長させてエピタキシャル層を有する半導体基板を製造する方法において、
前記エピタキシャル層がシリコンゲルマニウム層又は2原子%以下の炭素(0原子%を除く)を含むシリコン層を少なくとも1種含み、
前記基板表面に前記エピタキシャル層を形成する前に0.3×105Pa〜1.1×105Paの圧力下、水素ガス雰囲気中で1100℃〜1190℃の温度範囲内で15秒〜5分間保持することにより、前処理としての自然酸化膜の除去工程を行わずに前記基板に対して水素ベーク処理を施し、
前記水素ベーク処理に続いて、0.3×10 5 Pa〜1.1×10 5 Paの圧力下、水素ガスに塩化水素を0.2mol%〜0.6mol%の濃度で添加した水素及び塩化水素混合ガスの雰囲気中で900℃〜1150℃の温度範囲内で30秒〜1分間保持することにより、基板表面をエッチング処理する工程と、
前記エッチング処理した基板表面に0.3×10 5 Pa〜1.1×10 5 Paの圧力下、水素ガス雰囲気中で1000℃以下の温度範囲で膜厚5〜100nmの膜厚で形成することにより、シード層を形成する工程を更に含み、
前記シード層を形成するための原料がSiH 4 (シラン)又はSiH 2 Cl 2 (ジクロルシラン)であること
を特徴とする半導体基板の製造方法。 - 基板がシリコン単結晶基板又はSOI基板である請求項1記載の製造方法。
- シード層が単結晶シリコン層である請求項1記載の製造方法。
- 水素ベーク処理が1.013×105Paの圧力下、水素ガス雰囲気中で1100℃〜1190℃の温度範囲内で15秒〜5分間保持することにより行われる請求項1記載の製造方法。
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