JP4158427B2 - 超音波加工装置及びこれに用いられる超音波振動体・工具組立体 - Google Patents

超音波加工装置及びこれに用いられる超音波振動体・工具組立体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波加工装置及びこれに用いられる超音波振動体・工具組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
工具(ツール)を超音波振動させ、この振動を砥粒に伝達することにより工具形状に倣った形状を被加工物(ワーク)に形成することができる超音波加工装置が知られている。かかる超音波加工装置は、被加工物を精密に加工することができることから、被加工物として例えばガラス、セラミックス、鉱石、宝石などの脆性材料を加工するために用いて好適である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
超音波加工装置では、超音波振動子で発生した振動がホーンと称される工具保持具を介してこれに取り付けられた工具に伝えられる。現状において、工具は、ネジ止め、コレット、ロー付けなどの手段でホーンに取り付けられているのが一般的である。ところが、工具をホーンに取り付ける手段としてネジ止めやコレットが用いられた場合、十分な保持力で工具が保持されず、超音波が減衰して工具に伝えられることがある。他方、ロー付けが用いられた場合、十分な保持力を得ることができるために超音波の減衰が生じることはほとんどないものの、ロー付けの品質が安定せず工具の取り付け位置精度が良好でなく、しかも工具の交換を行うことが非常に難しい。また、工具の交換を行うことが非常に難しいことから、ロー付け部が摩耗したときにPCD(焼結ダイヤモンド)のような高価な部材を用いた工具が使い捨てになってしまうという不都合が生じることになる。さらに、工具の取り付け位置精度が良好でないことから、事実上ロー付け後にしか工具の加工ができないために、工具の加工方法が限定されてしまうという不都合が生じることになり、例えば、ワイヤーカット技術を用いた抜き加工を行って抜けた穴などの形状を形成することができない。
【0004】
そこで、本発明の主な目的は、超音波が減衰して工具に伝えられるのを抑制することができると共に、工具の取り付け位置精度が良好で且つ工具の交換が容易な超音波加工装置及びこれに用いられる超音波振動体・工具組立体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の超音波加工装置は、超音波振動体に取り付けられた工具を超音波振動させ、この振動を砥粒に伝達することにより工具形状に倣った形状を被加工物に形成する超音波加工装置において、前記工具が収縮ばめ又は圧入により前記超音波振動体に取り付けられ、前記収縮ばめ又は圧入は前記工具に形成された凸部が前記超音波振動体の先端に設けられた平坦面に形成された凹部に挿入されたものであると共に、前記凸部及び前記凹部は、前記凹部の奥端近傍側と前記凸部の先端近傍側とのクリアランスが前記凹部の入口近傍側と前記凸部の基端近傍側とのクリアランスよりも大きくなるように形成されていることを特徴としている。
【0006】
請求項1によると、工具が収縮ばめ又は圧入により超音波振動体に取り付けられているために、十分な保持力で工具が保持されることになって超音波が減衰して工具に伝えられるのが抑制されるとともに、工具の交換を容易に行うことが可能になり、しかも工具の取り付け位置精度が良好なものとなる。また、工具の交換を容易に行うことが可能であるために、ロー付けで工具を取り付けた場合のように、PCDのような高価な部材を用いた工具が使い捨てになってしまうという不都合が生じることがなくなる。さらに、工具の取り付け位置精度が良好であるために、取り付け前に工具の加工を行うことが可能となって、工具の加工方法に関する限定が少なくなって、例えば、ワイヤーカット技術を用いた抜き加工を行って抜けた穴などの形状を形成することが可能となる。また、ロー付けを用いないことにより、例えば、工具の加工面に開口する少なくとも一つの貫通孔を工具に形成し、この貫通孔に対して、超音波振動体の内側に設けられた加工液通路を介して加工液を供給する構成を採用した場合、工具の交換性を損なうことなく加工液を工具の加工面のすべてに良好に供給することが可能となる。
【0007】
【0008】
収縮ばめとしては、焼きばめ及び冷却ばめのいずれをも用いることが可能である。例えば、焼きばめが用いられる場合には、雌側部材を概ね300〜400℃程度にまで加熱してから両者を嵌合し、冷却ばめが用いられる場合には、雄側部材を概ね−50℃程度にまで冷却してから両者を嵌合する。収縮ばめにより工具を超音波振動体に取り付ける場合には、常温において雌側部材の嵌合部寸法が雄側部材の嵌合部寸法よりも同じか若干小さく且つ加熱時或いは冷却時に雌側部材の嵌合部寸法が雄側部材の嵌合部寸法よりも若干大きくなるようにしておく。そして、嵌合後に加熱或いは冷却した部材が常温に戻ると、その部材が収縮或いは膨張し両者が強固に固定される。
【0009】
圧入は、通常、常温において行われる。圧入により工具を超音波振動体に取り付ける場合には、常温において雌側部材の嵌合部寸法を雄側部材の嵌合部寸法と同じか若干小さくしておく。そして、両者が近づく方向に比較的大きな力を加えることにより、雌側部材に対して雄側部材を圧入して工具を超音波振動体に固定する。
【0010】
【0011】
さらに、請求項1によると、凹部の奥端近傍側と凸部の先端近傍側とのクリアランスよりも凹部の入口近傍側と凸部の基端近傍側とのクリアランスを小さくしたので、超音波振動体の振幅が凹部の入口近傍側で小さく且つその奥端近傍側で大きい場合に、凹部の入口近傍側が凸部の基端近傍側から離れるように超音波振動体が変形する際であっても、工具をその基端近傍側において超音波振動体によって高い信頼性で保持させることが可能となって超音波振動体から工具が脱落することが少なくなり、しかも、凹部の奥端近傍側が凸部の先端近傍側に近づくように超音波振動体が変形する際であっても、凹部の奥端近傍側と凸部の先端近傍側との離隔を保つことができるために工具及び/又は超音波振動体が変形や破損することが少なくなる。
【0012】
請求項の超音波加工装置は、前記工具の前記凸部はその周面の互いに対向する部分が平行となるように形成されていると共に、前記超音波振動体の前記凹部はその奥端近傍側が入口近傍側よりも大きなサイズとなるように形成されていることを特徴としてる。
【0013】
請求項の超音波加工装置は、前記超音波振動体の前記凹部はその周面の互いに対向する部分が平行となるように形成されていると共に、前記工具の前記凸部はその先端近傍側が基端近傍側よりも小さなサイズとなるように形成されていることを特徴としている。
【0014】
請求項2、3、及び、以下に記載する請求項6、7、10、11、14、15によると、工具及び超音波振動体のいずれか一方の周面を平行面として形成することができるので、これらの部分の加工が容易となる。
【0015】
請求項の超音波加工装置は、前記工具の前記凸部の基端近傍側と前記超音波振動体の前記凹部の入口近傍側とが互いに面接触していることを特徴としている。
【0016】
請求項、及び、以下に記載する請求項8、12、16によると、面接触するため、工具がより安定に保持される。そのため、工具の脱落をより効果的に防止することができる。
【0017】
例えば、請求項のように工具の凸部周面の互いに対向する部分が平行となるように(例えば円柱形状に)形成されている場合には、超音波振動体の凹部は、その入口近傍側において互いに対向する部分が平行でその形状及び寸法が工具の凸部周面とほど同じになるように(例えば円柱形状に)形成され、奥端近傍側において入口近傍側よりも広がった末広形状とされる。他方、請求項のように超音波振動体の凹部周面の互いに対向する部分が平行となるように(例えば円柱形状に)形成されている場合には、工具の凸部は、その基端近傍側において互いに対向する部分が平行でその形状及び寸法が超音波振動体の凹部周面とほぼ同じになるように(例えば円柱形状に)形成され、先端近傍側において基端近傍側よりも狭まった先細形状とされる。
【0018】
請求項の超音波加工装置は、超音波振動体に取り付けられた工具を超音波振動させ、この振動を砥粒に伝達することにより工具形状に倣った形状を被加工物に形成する超音波加工装置において、前記工具が収縮ばめ又は圧入により前記超音波振動体に取り付けられ、前記収縮ばめ又は圧入は前記工具に形成された凸部が前記超音波振動体の先端に設けられた平坦面に形成された凹部に挿入されたものであると共に、前記凸部及び前記凹部は、前記凹部の奥端近傍側と前記凸部の先端近傍側とのクリアランスが前記凹部の入口近傍側と前記凸部の基端近傍側とのクリアランスよりも小さくなるように形成されていることを特徴としている。
【0019】
請求項によると、工具が収縮ばめ又は圧入により超音波振動体に取り付けられているために、十分な保持力で工具が保持されることになって超音波が減衰して工具に伝えられるのが抑制されるとともに、工具の交換を容易に行うことが可能になり、しかも工具の取り付け位置精度が良好なものとなる。また、工具の交換を容易に行うことが可能であるために、ロー付けで工具を取り付けた場合のように、PCDのような高価な部材を用いた工具が使い捨てになってしまうという不都合が生じることがなくなる。さらに、工具の取り付け位置精度が良好であるために、取り付け前に工具の加工を行うことが可能となって、工具の加工方法に関する限定が少なくなって、例えば、ワイヤーカット技術を用いた抜き加工を行って抜けた穴などの形状を形成することが可能となる。また、ロー付けを用いないことにより、例えば、工具の加工面に開口する少なくとも一つの貫通孔を工具に形成し、この貫通孔に対して、超音波振動体の内側に設けられた加工液通路を介して加工液を供給する構成を採用した場合、工具の交換性を損なうことなく加工液を工具の加工面のすべてに良好に供給することが可能となる。さらに、凹部の入口近傍側と凸部の基端近傍側とのクリアランスよりも凹部の奥端近傍側と凸部の先端近傍側とのクリアランスを小さくしたので、超音波振動体の振幅が凹部の入口近傍側で大きく且つその奥端近傍側で小さい場合に、凹部の奥端近傍側が凸部の先端近傍側から離れるように超音波振動体が変形する際であっても、工具をその先端近傍側において超音波振動体によって高い信頼性で保持させることが可能となって超音波振動体から工具が脱落することが少なくなり、しかも、凹部の入口近傍側が凸部の基端近傍側に近づくように超音波振動体が変形する際であっても、凹部の入口近傍側と凸部の基端近傍側との離隔を保つことができるために工具及び/又は超音波振動体が変形や破損することが少なくなる。
【0020】
請求項の超音波加工装置は、前記工具の前記凸部はその周面の互いに対向する部分が平行となるように形成されていると共に、前記超音波振動体の前記凹部はその奥端近傍側が入口近傍側よりも小さなサイズとなるように形成されていることを特徴としている。
【0021】
請求項の超音波加工装置は、前記超音波振動体の前記凹部はその周面の互いに対向する部分が平行となるように形成されていると共に、前記工具の前記凸部はその先端近傍側が基端近傍側よりも大きなサイズとなるように形成されていることを特徴としている。
【0022】
請求項の超音波加工装置は、前記工具の前記凸部の先端近傍側と前記超音波振動体の前記凹部の奥端近傍側とが互いに面接触していることを特徴としている。
【0023】
請求項の超音波加工装置は、超音波振動体に取り付けられた工具を超音波振動させ、この振動を砥粒に伝達することにより工具形状に倣った形状を被加工物に形成する超音波加工装置において、前記工具が収縮ばめ又は圧入により前記超音波振動体に取り付けられ、前記収縮ばめ又は圧入は前記超音波振動体に形成された凸部が前記工具に形成された凹部に挿入されたものであると共に、前記凸部及び前記凹部は、前記凹部の奥端近傍側と前記凸部の先端近傍側とのクリアランスが前記凹部の入口近傍側と前記凸部の基端近傍側とのクリアランスよりも大きくなるように形成されていることを特徴としている。
【0024】
請求項によると、工具が収縮ばめ又は圧入により超音波振動体に取り付けられているために、十分な保持力で工具が保持されることになって超音波が減衰して工具に伝えられるのが抑制されるとともに、工具の交換を容易に行うことが可能になり、しかも工具の取り付け位置精度が良好なものとなる。また、工具の交換を容易に行うことが可能であるために、ロー付けで工具を取り付けた場合のように、PCDのような高価な部材を用いた工具が使い捨てになってしまうという不都合が生じることがなくなる。さらに、工具の取り付け位置精度が良好であるために、取り付け前に工具の加工を行うことが可能となって、工具の加工方法に関する限定が少なくなって、例えば、ワイヤーカット技術を用いた抜き加工を行って抜けた穴などの形状を形成することが可能となる。また、ロー付けを用いないことにより、例えば、工具の加工面に開口する少なくとも一つの貫通孔を工具に形成し、この貫通孔に対して、超音波振動体の内側に設けられた加工液通路を介して加工液を供給する構成を採用した場合、工具の交換性を損なうことなく加工液を工具の加工面のすべてに良好に供給することが可能となる。さらに、凹部の奥端近傍側と凸部の先端近傍側とのクリアランスよりも凹部の入口近傍側と凸部の基端近傍側とのクリアランスを小さくしたので、超音波振動体の振幅が凹部の奥端近傍側で大きく且つその入口近傍側で小さい場合に、凸部の基端近傍側が凹部の入口近傍側から離れるように超音波振動体が変形する際であっても、工具をその基端近傍側において超音波振動体によって高い信頼性で保持させることが可能となって超音波振動体から工具が脱落することが少なくなり、しかも、凸部の先端近傍側が凹部の奥端近傍側に近づくように超音波振動体が変形する際であっても、凸部の先端近傍側と凹部の奥端近傍側との離隔を保つことができるために工具及び/又は超音波振動体が変形や破損することが少なくなる。
【0025】
請求項10の超音波加工装置は、前記超音波振動体の前記凸部はその周面の互いに対向する部分が平行となるように形成されていると共に、前記工具の前記凹部はその奥端近傍側が入口近傍側よりも大きなサイズとなるように形成されていることを特徴としている。
【0026】
請求項11の超音波加工装置は、前記工具の前記凹部はその周面の互いに対向する部分が平行となるように形成されていると共に、前記超音波振動体の前記凸部はその先端近傍側が基端近傍側よりも小さなサイズとなるように形成されていることを特徴としている。
【0027】
請求項12の超音波加工装置は、前記超音波振動体の前記凸部の基端近傍側と前記工具の前記凹部の入口近傍側とが互いに面接触していることを特徴としている。
【0028】
請求項13の超音波加工装置は、超音波振動体に取り付けられた工具を超音波振動させ、この振動を砥粒に伝達することにより工具形状に倣った形状を被加工物に形成する超音波加工装置において、前記工具が収縮ばめ又は圧入により前記超音波振動体に取り付けられ、前記収縮ばめ又は圧入は前記超音波振動体に形成された凸部が前記工具に形成された凹部に挿入されたものであると共に、前記凸部及び前記凹部は、前記凹部の奥端近傍側と前記凸部の先端近傍側とのクリアランスが前記凹部の入口近傍側と前記凸部の基端近傍側とのクリアランスよりも小さくなるように形成されていることを特徴としている。
【0029】
請求項13によると、工具が収縮ばめ又は圧入により超音波振動体に取り付けられているために、十分な保持力で工具が保持されることになって超音波が減衰して工具に伝えられるのが抑制されるとともに、工具の交換を容易に行うことが可能になり、しかも工具の取り付け位置精度が良好なものとなる。また、工具の交換を容易に行うことが可能であるために、ロー付けで工具を取り付けた場合のように、PCDのような高価な部材を用いた工具が使い捨てになってしまうという不都合が生じることがなくなる。さらに、工具の取り付け位置精度が良好であるために、取り付け前に工具の加工を行うことが可能となって、工具の加工方法に関する限定が少なくなって、例えば、ワイヤーカット技術を用いた抜 き加工を行って抜けた穴などの形状を形成することが可能となる。また、ロー付けを用いないことにより、例えば、工具の加工面に開口する少なくとも一つの貫通孔を工具に形成し、この貫通孔に対して、超音波振動体の内側に設けられた加工液通路を介して加工液を供給する構成を採用した場合、工具の交換性を損なうことなく加工液を工具の加工面のすべてに良好に供給することが可能となる。さらに、凹部の入口近傍側と凸部の基端近傍側とのクリアランスよりも凹部の奥端近傍側と凸部の先端近傍側とのクリアランスを小さくしたので、超音波振動体の振幅が凹部の入口近傍側で大きく且つその奥端近傍側で小さい場合に、凸部の先端近傍側が凹部の奥端近傍側から離れるように超音波振動体が変形する際であっても、工具をその先端近傍側において超音波振動体によって高い信頼性で保持させることが可能となって超音波振動体から工具が脱落することが少なくなり、しかも、凸部の基端近傍側が凹部の入口近傍側に近づくように超音波振動体が変形する際であっても、凸部の基端近傍側と凹部の入口近傍側との離隔を保つことができるために工具及び/又は超音波振動体が変形や破損することが少なくなる。
【0030】
なお、請求項1、5、9、13のいずれの場合も収縮ばめとしては、焼きばめ及び冷却ばめのいずれをも用いることが可能であり、例えば、請求項1、5において焼きばめが用いられ場合には、超音波振動体を概ね300〜400℃程度にまで加熱してから両者を嵌合し、冷却ばめが用いられる場合には、工具を概ね−50℃程度にまで冷却してから両者を嵌合する。また、請求項9、13において焼きばめが用いられ場合には、工具を概ね300〜400℃程度にまで加熱してから両者を嵌合し、冷却ばめが用いられる場合には、超音波振動体を概ね−50℃程度にまで冷却してから両者を嵌合する。
【0031】
請求項14の超音波加工装置は、前記超音波振動体の前記凸部はその周面の互いに対向する部分が平行となるように形成されていると共に、前記工具の前記凹部はその奥端近傍側が入口近傍側よりも小さなサイズとなるように形成されていることを特徴としている。
【0032】
請求項15の超音波加工装置は、前記工具の前記凹部はその周面の互いに対向する部分が平行となるように形成されていると共に、前記超音波振動体の前記凸部はその先端近傍側が基端近傍側よりも大きなサイズとなるように形成されていることを特徴としている。
【0033】
請求項16の超音波加工装置は、前記超音波振動体の前記凸部の先端近傍側と前記工具の前記凹部の奥端近傍側とが互いに面接触していることを特徴としている。
【0034】
請求項17の超音波加工装置は、前記超音波振動体は、前記工具が取り付けられる先端近傍部が中央部よりも大径となった末広形状を有する長手部材であることを特徴としている。
【0035】
請求項17によると、超音波振動体が末広形状を有する長手部材であることより、例えば超音波振動体がずん胴形状や先細形状を有する長手部材である場合と比較して優れた加工精度が得られることが確認された。
【0036】
請求項18は、請求項1〜17のいずれか1項に記載の超音波加工装置に用いられる超音波振動体・工具組立体である。
【0037】
請求項18による超音波振動体・工具組立体は、上述した超音波加工装置と共に用いるのに好適である。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0039】
〔装置全体の概略構成〕
本発明の一実施形態としての超音波加工装置の全体側面図が図1に、全体正面図が図2に、それぞれ示される。この図1,図2に示すように、この超音波加工装置1は、床上に設置される基台2の上にコラム3を立設し、このコラム3に穿孔ヘッド部4を支持する構成となっている。
【0040】
コラム3にはネジ軸5が上下方向に配置され、回転自在に支持されている。このネジ軸5に昇降体6が螺着されて、ネジ軸5と昇降体6とにより公知のボールネジ機構が構成されている。このネジ軸5には、コラム3上に設置されたモータ7のモータ軸が連結されている。この構成においてモータ7を正逆方向に回転駆動することで、昇降体6の上下位置を変更することができる。
コラム3には更にリニアガイドが上下方向に配設されて(図略)、このリニアガイドに沿って上下変位可能に、連結体8が備えられている。この連結体8に前記昇降体6が連結されることで、連結体8(ひいては、この連結体8に備えられる穿孔ヘッド部4)を上下方向(Z方向)に移動させることができる。
【0041】
連結体8には穿孔ヘッド部4が上下摺動自在に支持される。穿孔ヘッド部4には穿孔を行うための工具9が取り付けられるとともに、この工具9に超音波振動を与えるための機構が備えられている。
【0042】
基台2上には水平方向(XY方向)に移動可能な移動テーブル10が設置され、この移動テーブル10の上に、図2に示すように、昇降テーブル11、カメラ部41、研磨装置42の三者が並べて配置される。
昇降テーブル11上面の前記工具9に対向し得る位置には、被加工物としてのワーク13が固定可能とされる。このワーク13としては種々のものが考えられるが、本実施形態は、インクジェットプリンタ等のインクジェットヘッドに圧電式アクチュエータとして使用される、圧電セラミック材料(PZT)を加工する場合を示している。
【0043】
装置全体を覆うように基台2上にはカバー43が設置されて、穿孔作業時に発生する切り粉や後述する砥粒液が周囲に飛散しないように配慮されている。装置の正面には開閉可能な両開き式の扉44が設けられ(図1)、ワーク13の交換作業などの必要に応じて扉44を開いてカバー43内部にアクセスできるようになっている。
【0044】
〔穿孔ヘッド部の構成〕
穿孔ヘッド部4の構成について、側面図である図3、正面図である図4、および平面断面図である図5を主に参照しながら具体的に説明する。
この穿孔ヘッド部4は、前記連結体8に支持される基部フレーム14に、前記工具9を支持するための工具フレーム17を上下摺動自在に連結した構成となっている。基部フレーム14には支軸15が水平に架設され、この支軸15に、前後方向に細長いバランス体16の中央部が枢支されて揺動自在とされている。
基部フレーム14上にはエアシリンダ18が設置され(図3,図4)、このシリンダロッド19が下方に延出して、前記バランス体16の一端に連結している。そして、バランス体16の前記シリンダロッド19が連結された一端に、前記工具フレーム17が連結されている。基部フレーム14には変位センサ20が設けられ、工具フレーム17の基部フレーム14に対する相対変位を検出できるように構成されている。
【0045】
図3に示すように、工具フレーム17の下端には環状のホーン支持部21が軸受22を介して旋回可能に設けられ、このホーン支持部21にホーン23が固定される。ホーン23は上下方向に細長く形成され、その上部には超音波振動子24が固着されるとともに、ホーン23の下端には平坦な工具取付面23aが形成され、この工具取付面23aに対して前記工具9が脱着可能に取り付けられる。なお、基部フレーム14や工具フレーム17を覆うように板状のカバー45が設けられて、内部の超音波振動子24等を保護できるようになっている。
【0046】
図5の平面図に示すように、ホーン支持部21には側方に向けて突起25が設けられて、この突起25の一側に、付勢体26が工具フレーム17に設けられている。付勢体26は付勢バネ28の弾発作用により、突起25を一側に向けて常時押動するように構成されている。一方、付勢体26に突起25を挟んで対向する位置に、ツマミを有する角度微調整ネジ27が工具フレーム17に取り付けられる。
この構成において、角度微調整ネジ27のツマミを一方向に回転させると、その先端が突起25を前記付勢体26に抗して押すので、ホーン支持部21が図5の反時計回り方向に旋回される。一方、ツマミを逆方向に回転させた場合は、ネジ27の先端が後退して、前記付勢体26が突起25を押すので、ホーン支持部21は図5の時計回り方向に旋回される。従って、ネジ27を適宜回転させることで、ホーン支持部21の角度(即ち、ホーン23に取り付けられた工具9の水平面内における向き)を微調整することができる。
なお、ヘッド前面には固定ネジ36が設けられており(図3・図4)、前述の微調整作業が終了した後はこのネジ36を回転させて締め付けることで、ホーン支持部21が不用意に旋回しないよう固定できるようになっている。
【0047】
〔昇降テーブルの構成〕
ワーク13を固定するための昇降テーブル11の構成を、図6の側面図を参照して説明する。
この昇降テーブル11は、移動テーブル10の上に立設固定された基部フレーム29と、この基部フレーム29に図示せぬリニアガイドを介して昇降自在に設けられた昇降フレーム31と、を有している。
【0048】
前記基部フレーム29にはリフトシリンダ30が取り付けられ、このシリンダロッド32が上方に延出して、その先端が前記昇降フレーム31に連結されている。
リフトシリンダ30はエアシリンダ式に構成されており、圧縮空気を供給/ドレンすることで、昇降フレーム31の上下位置を変更することができる。基部フレーム29には変位センサ33が設置されて、昇降フレーム31の上下位置を測定できるようになっている。
また、内部のリフトシリンダ30や変位センサ33を保護すべく、箱状のカバー46が昇降フレーム31に設けられる。
【0049】
昇降フレーム31の上部は水平に構成され、この上に、ワーク13を取り付けるためのワーク台12が設置される。また、ワーク台12の脇の位置において、昇降フレーム31上にクランプ機構34が設けられている。このクランプ機構34はエアシリンダで構成されており、ワーク台12上にワーク13を載置した状態でエアシリンダを作動させると、伸張するシリンダロッド35がワーク13を水平方向へ押圧し、ワーク台12に設けられたガイド部に突き当てた状態で固定するようになっている。
【0050】
この超音波加工装置1は図示せぬ砥粒液溜めを備えており、この砥粒液溜めには、砥粒(例えば、粒径4〜6μm程度のSiC)を分散させた液体が注入されている。砥粒液溜めに接続させて、パイプや可撓性のホースや管継手などからなる砥粒液循環経路が形成され、この経路が、前記昇降テーブル11近傍に設けた中継パイプ47(図1,図2,図6に図示)に接続されている。この中継パイプ47には供給孔48が形成されるとともに、更に該供給孔48の近傍位置において、案内棒49が下向きに突設されている。案内棒49は湾曲状に構成されて斜め方向に向きを変え、その先端が、昇降テーブル11上のワーク台12の直上方に位置している。
この構成で、砥粒液溜めに設置された図略のポンプを駆動させると、砥粒液は中継パイプ47内に送られ、その一部が供給孔48を介して外部に漏出する。中継パイプ47の外面に漏れ出た砥粒液は案内棒49を伝ってワーク台12上に落下し、工具9による加工に用いられる。
【0051】
〔穿孔作業の様子の説明〕
以上に示した構成において、実際に工具9を超音波振動させてワーク13に穿孔する作業を説明する。
まず、ワーク13を前記クランプ機構34によりワーク台12上に固定したのち、前記移動テーブル10をXY方向に移動させるとともに、前記モータ7を駆動して穿孔ヘッド部4を下降させ、図6の鎖線で示すように、前記工具9がワーク13のすぐ上に僅かな隙間をおいて位置するようにする。
そして、変位センサ33で昇降フレーム31の位置を常時測定しながら、リフトシリンダ30に圧縮空気を供給して、シリンダロッド32を徐々に伸張させて昇降フレーム31を上方向へ移動させ、ワーク13を上昇させる。そして、ワーク13の上面が工具9に接触した瞬間の昇降フレーム31の位置を、装置1を制御するコントローラの適宜の記憶手段にゼロ位置として記憶しておく。
そして、穿孔ヘッド部4の超音波振動子24を駆動し、ホーン23を介して振幅数μm程度の上下方向の超音波振動を工具9に付与しながら、リフトシリンダ30に圧縮空気を供給してワーク13を上昇させ、工具9に対し押し付ける。また、前記砥粒液循環経路のポンプが駆動されることにより、中継パイプ47から案内棒49を経由して砥粒液が工具9の周囲に供給される。
これによりワーク13は、工具9との間にある砥粒によって削られてゆき、工具9に倣った形状の溝や孔等がワーク13の上面に形成される。
【0052】
なお、前述した穿孔ヘッド部4のエアシリンダ18(図3)は、工具フレーム17の変位を変位センサ20で測定しながら必要に応じて圧縮空気の給排を行って、工具フレーム17を支持する力を調節している。これにより、穿孔作業中にワーク13に対し過大な力で工具9が押し付けられることが防止されるので、本実施形態の圧電セラミックのような脆性材料のワーク13を加工する場合でも、ワーク13の破損が十分に回避される構成となっている。
【0053】
工具9によりワーク13に穿孔を行っている間も、前記昇降フレーム31の位置が変位センサ33(図6)によって常時測定されている。そして昇降フレーム31が、前記ゼロ位置から所定の距離だけ上昇した時点で、リフトシリンダ30への圧縮空気の供給が停止され、ワーク13の上昇が停止される。この結果、前記ワーク13には、正確に当該距離だけの深さの孔あるいは溝を形成することができる。
【0054】
〔カメラ部の構成〕
次に、工具9の向きを調整するために設置されるカメラ部41を説明する。このカメラ部41は図2に示すように、昇降テーブル11の側方位置に設けられている。
図7に示すようにカメラ部41は箱状のカバー37を備えており、このカバー37の内部にCCD式のビデオカメラ38が、そのレンズ部39を上に向けた状態で収められている。カバー37の上面には透明な蓋40が、前記レンズ部39に対応する位置に開閉可能に設けられる。
【0055】
この構成における工具9の向きの調整作業を説明する。前記移動テーブル10をXY方向に移動させるとともに、前記モータ7を駆動して穿孔ヘッド部4を下降させ、図7の鎖線で示すように、カメラ38のレンズ部39の直上方に工具9が位置するようにすることで、工具9の向きをビデオカメラ38で撮影することができる。撮影された映像は、装置1の適宜位置(例えば、コラム3の側方位置)に設置したモニタに、リアルタイムに表示される。オペレータはこの映像を見ながら、前述の角度微調整ネジ27を回してホーン23の旋回角度を微調整し、工具9の向きが適正となるよう調整することができる。
【0056】
〔研磨装置の説明〕
更に、前記ホーン23の工具取付面23aを研磨するための研磨装置42を説明する。研磨装置42は図2に示すように、正面視において昇降テーブル11を挟んで前記カメラ部41の反対側に設置されている。
この研磨装置42の具体的な構成が図8に示される。この図に示すように研磨装置42は、移動テーブル10上(なお、図8においては移動テーブル10は図略とされている)に立設された筒状のフレーム50を備え、このフレーム50内に回転軸51を回転自在に軸支した構成となっている。この回転軸51の上端にはカップ型の砥石52が固着されている。回転軸51の側方にはモータ53が設置されており、該モータ53のモータ軸54が、前記回転軸51と、プーリ55・56及びベルト57を介して連結されている。
【0057】
この構成における研磨作業の様子を説明する。
即ち、ホーン23から工具9を取り外した状態で、前記移動テーブル10を移動させ、更に、前述のモータ7を駆動して穿孔ヘッド部4を下降させる。そしてモータ53を駆動して砥石52を回転させるとともに、ホーン23下面の工具取付面23aに対し砥石52の上面を接触させながら、移動テーブル10を水平に移動させることで、該工具取付面23aを研磨することができる。
なお、前記穿孔ヘッド部4には加圧シリンダ58が設置されており(図3,図4)、このシリンダ58が、ホーン23の工具取付面23aを砥石52に押し付けるために用いられる。
【0058】
この研磨装置42の目的を説明する。
即ち、この超音波加工装置1では、ホーン23に工具9を取り付けて超音波振動させワーク13に対する穿孔作業を行う場合に、工具9の周囲に供給される前記砥粒がホーン23下面の工具取付面23aと工具9との間に侵入し、工具取付面23aが砥粒によって徐々に摩損されることが避けられない。この工具取付面23aの摩滅が進行すると、工具9をホーン23に対して十分密着させながら取り付けることができなくなり、超音波振動を工具9に効率良く伝達できないために作業効率の低下を招いてしまう。
そこで本実施形態の加工装置1では、穿孔作業が所定回数行われる毎に前記研磨装置42による研磨を行い、ホーン23の工具取付面23aを削って水平とすることで、常に工具9がホーン23に適正に密着して取り付けられるようにしているのである。
【0059】
〔ホーンへの工具取り付け〕
次に、ホーン23と工具9との取り付け部分について詳細に説明する。図9は、ホーン23及び工具9の分離状態における一部を破断した拡大斜視図であり、図10は工具9を取り付けた状態でのホーン23の断面図である。これら図面から分かるように、ホーン23は工具9との接続部側が中央部よりも大径となった末広形状を有する長手部材である。このようにホーン23が末広形状に形成されていることによって、ホーン23が後述するずん胴形状や先細形状に形成された場合よりも優れた加工精度が得られることが本発明者によって確かめられている。なお、工具9の下側面には、被加工物に穿孔を形成するための硬い穿孔部材(例えばPCD(PolyCrystalline Diamond))9aが取り付けられている。
【0060】
上述したように、ホーン23の先端にある工具取付面23aは研磨装置42によって研磨されることで平坦面であることが担保されている。そして、この工具取付面23aの中心部付近には、工具9を取り付けるためのほぼ円柱形状の凹部61がホーン23の長手方向に沿って形成されている。一方、工具9の上面からは、常温において凹部61とほぼ同じ又は若干大きな径に形成された円柱形状の凸部62が突出している。
【0061】
工具9は、その凸部62がホーン23の凹部61に焼きばめされることによってホーン23に取り付けられている。焼きばめの具体的な手順は、まず、凹部61の径が凸部62よりも若干大きくなるようにホーン23を300〜400℃程度に加熱し、そして、ホーン23の温度が低下する前に、凸部62を凹部61に嵌合する。しかる後、ホーン23が常温に戻って凹部61が収縮しその径が凸部62と同じかそれよりも若干小さくなると、工具9はホーン23に対して強固に取り付けられる。
【0062】
このように、本実施の形態の超音波加工装置1では、工具9が焼きばめによりホーン23に取り付けられているために、十分な保持力で工具9が保持されることになって超音波が減衰して工具9に伝えられることがなくなる。また、再度ホーン23を加熱することなどにより工具9の交換を容易に行うことが可能になり、しかも凹部61及び凸部62の寸法精度を向上させることで、工具9の取り付け位置精度が良好なものとなる。
【0063】
また、工具9の交換を容易に行うことが可能であるために、ロー付けで工具を取り付けた場合のように、PCDのような高価な部材を用いた工具9が使い捨てになってしまうという不都合を回避することができる。さらに、工具9の取り付け位置精度が良好であるために、ホーン23への取り付け前に工具9の加工を行うことが可能となって、工具9の加工方法に関する限定が少なくなって、例えば、ワイヤーカット技術を用いた抜き加工を行って抜けた穴などの形状を形成することが可能となる。このように、本実施の形態によると、超音波加工装置1が非常に使い勝手のよいものとなる。
【0064】
本実施の形態において、ホーン23はその先端が節となるような条件で超音波振動させられるとする。図11(a)、(b)は、そのときのホーン23の先端近傍部での超音波振動を振動変位の大きさに応じて区分けした模式図であって、図11(a)はホーン23が縮んだ状態、図11(b)はホーン23が伸びた状態をそれぞれ示している。図11(a)、(b)から分かるように、ホーン23の先端にある工具取付面23aが振動の節になっているために、凹部61の入口近傍部61bでの振幅は小さくその長手方向と直交する方向に関するホーン23の伸縮による寸法変動は比較的小さい。ところが、凹部61の奥端近傍部61aでの振幅は大きく、その長手方向と直交する方向に関するホーン23の伸縮による寸法変動は比較的大きい。
【0065】
そこで、本実施の形態では、図10の要部拡大図である図12に示すように、凹部61の奥端近傍部61aがその入口近傍部61bよりも大径に形成されることにより、凹部61の奥端近傍部61aと凸部62の先端近傍部62aとのクリアランスL1が、凹部61の入口近傍部61bと凸部62の基端近傍部62bとのクリアランスL2よりも大きくなっている。
【0066】
常温でのクリアランスL2は、工具9が脱落しないように実際には実質的にゼロであって凹部61の入口近傍部61bは凸部62の基端近傍部62bから受ける外側への力によって弾性的にやや拡径されている。このように、焼きばめされた状態では凹部61の入口近傍部61bの径は凸部62の基端近傍部62bの径にほぼ等しくなっている。
【0067】
これにより、上述のようにホーン23がその先端が節となるような条件で超音波振動することによりホーン23の振幅が凹部61の入口近傍部61bで小さく且つその奥端近傍部61aで大きくなる場合に、ホーン23の伸縮に伴って凹部61の入口近傍部61bが凸部62の基端近傍部62bから離れるようにホーン23が変形する際であっても、工具9をその基端近傍部62bにおいてホーン23によって高い信頼性で保持させることが可能となってホーン23から工具9が脱落することが少なくなる。しかも、ホーン23の伸縮に伴って凹部61の奥端近傍部61aが凸部62の先端近傍部62aに近づくようにホーン23が変形する際であっても、凹部61の奥端近傍部61aと凸部62の先端近傍部62aとの離隔を保つことができるために工具9及び/又はホーン23が変形や破損することが少なくなる。
【0068】
また、本実施の形態では、凸部62は、周面の互いに対向する部分が平行な円柱形状に形成されているので、異形成形される場合と比較して凸部62を容易に形成することができるようになっている。
【0069】
また、本実施の形態では、工具9の凸部62はその周面の互いに対向する部分が平行な円柱形状となっており、ホーン23の凹部61の入口近傍部61bは凸部62とほぼ同径を有する円柱形状となっている。つまり、凸部62の基端近傍部62bと凹部61の入口近傍部61bとは、互いに帯状に面接触している。そのため、工具9がより安定に保持され、工具9の脱落をより効果的に防止することができる。
【0070】
なお、本実施の形態では、焼きばめにより工具9をホーン23に取り付けているが、焼きばめの代わりに冷却ばめを用いてもよい。その場合、工具9を−50℃程度に冷却し収縮させた状態でその凸部62をホーン23の凹部61にはめ込む。しかる後、工具9が常温に戻って凸部62が膨張しその径が凹部61の入口近傍部61bと同じかそれよりも若干大きくなると、工具9はホーン23に対して強固に取り付けられる。
【0071】
また、焼きばめや冷却ばめのような収縮ばめに代えて、常温での圧入により工具9をホーン23に取り付けてもよい。ただし、上述したような収縮ばめを用いる方が、工具9の取付安定性の面で優れている。
【0072】
また、ロー付けを用いないことにより、図10に示すように、例えば、工具の加工面に開口する少なくとも一つの貫通孔67を工具9に形成し、この貫通孔67に対して、ホーン23の内側に設けられた加工液通路68を介して加工液を供給する構成を採用した場合、工具9の交換性を損なうことなく加工液を工具9の加工面のすべてに良好に供給することが可能となる。
【0073】
〔ホーンへの工具取り付け(第1変形例)〕
次に、図12で説明したホーン23及び工具9の第1変形例について、図13に基づいて説明する。図13は、本変形例による図12に対応した図10の要部拡大図である。本変形例による凹部611は、その入口近傍部611bから奥端近傍部611aに近づくほど比例的に径が大きくなるように形成された逆円錐台形状を有している。一方、凸部621は、上述した凸部62と同じく、円柱形状を有している。そして、凹部611の入口近傍部611bの径は常温において凸部621とほぼ同じ又は若干小さく形成されている。本変形例でも、工具9は、その凸部621がホーン23の凹部611に焼きばめされることによってホーン23に取り付けられている。焼きばめの具体的な手順は、上述したものと同じであり、本変形例の場合も、焼きばめを行って工具9をホーン23に取り付けることにより、上述したのと同様の利点が得られる。
【0074】
また、凹部611の奥端近傍部611aがその入口近傍部611bよりも大径に形成されることにより、凹部611の奥端近傍部611aと凸部621の先端近傍部621aとのクリアランスL3が、凹部611の入口近傍部611bと凸部621の基端近傍部621bとのクリアランスL4よりも大きくなっている。
【0075】
常温でのクリアランスL4は、工具9が脱落しないように実際には実質的にゼロであって凹部611の入口近傍部611bは凸部621の基端近傍部621bから受ける外側への力によって弾性的にやや拡径されている。このように、焼きばめされた状態では凹部611の入口近傍部611bの径は凸部621の基端近傍部621bの径にほぼ等しくなっている。
【0076】
これにより、先端が節となるような条件でホーン23が超音波振動させられる場合、工具9をその基端近傍部621bにおいてホーン23によって高い信頼性で保持させることが可能となってホーン23から工具9が脱落することが少なくなる。しかも、凹部611の奥端近傍部611aと凸部621の先端近傍部621aとの離隔を保つことができるために工具9及び/又はホーン23が変形や破損することが少なくなる。
【0077】
なお、本変形例では、凸部62の基端近傍部62bと凹部61の入口近傍部61bとは、凸部62の最基端部において平面視円状に接触している。そのため、工具9の安定保持という点で、図12で説明した実施の形態に劣っている。
【0078】
〔ホーンへの工具取り付け(第2変形例)〕
次に、図12で説明したホーン23及び工具9の第2変形例について、図14に基づいて説明する。図14は、本変形例による図12に対応した図10の要部拡大図である。本変形例による凹部612は、入口近傍部612bから奥端近傍部612aまでほぼ同径に形成された円柱形状を有している。一方、凸部622は、基端近傍部622bが円柱形状で先端近傍部622aが円錐台形状となるように形成されている。そして、凹部612の径は常温において凸部622の基端近傍部622bとほぼ同じ又は若干小さく形成されている。本変形例でも、工具9は、その凸部622がホーン23の凹部612に焼きばめされることによってホーン23に取り付けられている。焼きばめの具体的な手順は、上述したものと同じであり、本変形例の場合も、焼きばめを行って工具9をホーン23に取り付けることにより、上述したのと同様の利点が得られる。
【0079】
また、凸部622の先端近傍部622aがその基端近傍部622bよりも小径に形成されることにより、凹部612の奥端近傍部612aと凸部622の先端近傍部622aとのクリアランスL5が、凹部612の入口近傍部612bと凸部622の基端近傍部622bとのクリアランスL6よりも大きくなっている。
【0080】
常温でのクリアランスL6は、工具9が脱落しないように実際には実質的にゼロであって凹部612の入口近傍部612bは凸部622の基端近傍部622bから受ける外側への力によって弾性的にやや拡径されている。このように、焼きばめされた状態では凹部612の入口近傍部612bの径は凸部622の基端近傍部622bの径にほぼ等しくなっている。
【0081】
これにより、先端が節となるような条件でホーン23が超音波振動させられる場合、工具9をその基端近傍部622bにおいてホーン23によって高い信頼性で保持させることが可能となってホーン23から工具9が脱落することが少なくなる。しかも、凹部612の奥端近傍部612aと凸部622の先端近傍部622aとの離隔を保つことができるために工具9及び/又はホーン23が変形や破損することが少なくなる。
【0082】
また、本変形例では、凸部622の基端近傍部622bと凹部612の入口近傍部612bとは、互いに帯状に面接触している。そのため、工具9がより安定に保持され、工具9の脱落をより効果的に防止することができる。
【0083】
〔ホーンへの工具取り付け(第3変形例)〕
次に、図12で説明したホーン23及び工具9の第3変形例について、図15に基づいて説明する。図15は、本変形例による図12に対応した図10の要部拡大図である。本変形例による凹部613は、入口近傍部613bから奥端近傍部613aまでほぼ同径に形成された円柱形状を有している。一方、凸部623は、基端近傍部623bから先端近傍部623aに近づくほど比例的に径が小さくなるように形成された逆円錐台形状を有している。そして、凹部613の径は常温において凸部623の基端近傍部623bとほぼ同じ又は若干小さく形成されている。本変形例でも、工具9は、その凸部623がホーン23の凹部613に焼きばめされることによってホーン23に取り付けられている。焼きばめの具体的な手順は、上述したものと同じであり、本変形例の場合も、焼きばめを行って工具9をホーン23に取り付けることにより、上述したのと同様の利点が得られる。
【0084】
また、凸部623の先端近傍部623aがその基端近傍部623bよりも小径に形成されることにより、凹部613の奥端近傍部613aと凸部623の先端近傍部623aとのクリアランスL7が、凹部613の入口近傍部613bと凸部623の基端近傍部623bとのクリアランスL8よりも大きくなっている。
【0085】
常温でのクリアランスL7は、工具9が脱落しないように実際には実質的にゼロであって凹部613の入口近傍部613bは凸部623の基端近傍部623bから受ける外側への力によって弾性的にやや拡径されている。このように、焼きばめされた状態では凹部613の入口近傍部613bの径は凸部623の基端近傍部623bの径にほぼ等しくなっている。
【0086】
これにより、先端が節となるような条件でホーン23が超音波振動させられる場合、工具9をその基端近傍部623bにおいてホーン23によって高い信頼性で保持させることが可能となってホーン23から工具9が脱落することが少なくなる。しかも、凹部613の奥端近傍部613aと凸部623の先端近傍部623aとの離隔を保つことができるために工具9及び/又はホーン23が変形や破損することが少なくなる。
【0087】
〔ホーンへの工具取り付け(第4変形例)〕
次に、図12で説明したホーン23及び工具9の第4変形例について、図16に基づいて説明する。図16は、本変形例による図12に対応した図10の要部拡大図である。本変形例でも、工具9は、その凸部624がホーン23の凹部614に焼きばめされることによってホーン23に取り付けられている。焼きばめの具体的な手順は、上述したものと同じであり、本変形例の場合も、焼きばめを行って工具9をホーン23に取り付けることにより、上述したのと同様の利点が得られる。
【0088】
また、本変形例においてホーン23はその先端付近が腹で凹部614の最奥端部付近が節となるような条件で超音波振動させられるとする。このとき、凹部614の奥端近傍部614aでの振幅は小さくその長手方向と直交する方向に関するホーン23の伸縮による寸法変動は比較的小さい。ところが、凹部614の入口近傍部614bでの振幅は大きく、その長手方向と直交する方向に関するホーン23の伸縮による寸法変動は比較的大きい。
【0089】
そこで、本変形例では、凹部614の入口近傍部614bがその奥端近傍部614aよりも大径に形成されることにより、凹部614の入口近傍部614bと凸部624の基端近傍部624bとのクリアランスL9が、凹部614の奥端近傍部614aと凸部624の先端近傍部624aとのクリアランスL10よりも大きくなるようにしている。
【0090】
常温でのクリアランスL10は、工具9が脱落しないように実際には実質的にゼロであって凹部614の奥端近傍部614aは凸部624の先端近傍部624aから受ける外側への力によって弾性的にやや拡径されている。このように、焼きばめされた状態では凹部614の奥端近傍部614aの径は凸部624の先端近傍部624aの径にほぼ等しくなっている。
【0091】
これにより、上述のようにホーン23がその先端付近が腹となるような条件で超音波振動することによりホーン23の振幅が凹部614の入口近傍部614bで大きく且つその奥端近傍部614aで小さくなる場合に、ホーン23の伸縮に伴って凹部614の奥端近傍部614aが凸部624の先端近傍部624aから離れるようにホーン23が変形する際であっても、工具9をその先端近傍部624aにおいてホーン23によって高い信頼性で保持させることが可能となってホーン23から工具9が脱落することが少なくなる。しかも、ホーン23の伸縮に伴って凹部614の入口近傍部614bが凸部624の基端近傍部624bに近づくようにホーン23が変形する際であっても、凹部614の入口近傍部614bと凸部624の基端近傍部624bとの離隔を保つことができるために工具9及び/又はホーン23が変形や破損することが少なくなる。
【0092】
また、本変形例では、工具9の凸部624はその周面の互いに対向する部分が平行な円柱形状となっており、ホーン23の凹部614の奥端近傍部614aは凸部624とほぼ同径を有する円柱形状となっている。つまり、凸部624の先端近傍部624aと凹部614の奥端近傍部614aとは、互いに面接触している。そのため、工具9がより安定に保持され、工具9の脱落をより効果的に防止することができる。
【0093】
〔ホーンへの工具取り付け(第5変形例)〕
次に、図12で説明したホーン23及び工具9の第4変形例について、図17に基づいて説明する。図17は、本変形例による図12に対応した図10の要部拡大図である。本変形例でも、工具9は、その凸部625がホーン23の凹部615に焼きばめされることによってホーン23に取り付けられている。焼きばめの具体的な手順は、上述したものと同じであり、本変形例の場合も、焼きばめを行って工具9をホーン23に取り付けることにより、上述したのと同様の利点が得られる。
【0094】
また、凸部625の基端近傍部625bがその先端近傍部625aよりも小径に形成されることにより、凹部615の入口近傍部615bと凸部625の基端近傍部625bとのクリアランスL11が、凹部615の奥端近傍部615aと凸部625の先端近傍部625aとのクリアランスL12よりも大きくなっている。
【0095】
常温でのクリアランスL12は、工具9が脱落しないように実際には実質的にゼロであって凹部615の奥端近傍部615aは凸部625の先端近傍部625aから受ける外側への力によって弾性的にやや拡径されている。このように、焼きばめされた状態では凹部615の奥端近傍部615aの径は凸部625の先端近傍部625aの径にほぼ等しくなっている。
【0096】
これにより、先端付近が腹となるような条件でホーン23が超音波振動させられる場合、工具9をその先端近傍部625aにおいてホーン23によって高い信頼性で保持させることが可能となってホーン23から工具9が脱落することが少なくなる。しかも、凹部615の入口近傍部615bと凸部625の基端近傍部625bとの離隔を保つことができるために工具9及び/又はホーン23が変形や破損することが少なくなる。
【0097】
また、本変形例では、工具9の凸部625の先端近傍部625aはその周面の互いに対向する部分が平行な円柱形状となっており、ホーン23の凹部615は凸部625の先端近傍部625aとほぼ同径を有する円柱形状となっている。つまり、凸部625の先端近傍部625aと凹部615の奥端近傍部615aとは、互いに面接触している。そのため、工具9がより安定に保持され、工具9の脱落をより効果的に防止することができる。
【0098】
〔ホーンへの工具取り付け(第6変形例)〕
次に、ホーン及び工具の第6変形例について、図18及び図19に基づいて説明する。図18は本変形例による工具を取り付けた状態でのホーンの断面図である。図19は、図12に対応した図18の要部拡大図である。なお、以下の変形例では、ホーンを符号123で、工具を符号109で表すものとする。本変形例においては、ホーン123の先端の工具取付面123aに、ホーン長手方向に沿って下方に突出した円柱形状の凸部626が設けられている。一方、工具109の上面中央部には、常温において凸部626とほぼ同じ又は若干小さな径に形成された凹部616が設けられている。
【0099】
工具109は、その凹部616にホーン123の凸部626が焼きばめされることによってホーン123に取り付けられている。焼きばめの具体的な手順は、まず、凹部616の径が凸部626よりも若干大きくなるように工具109を500℃程度に加熱し、そして、工具109の温度が低下する前に、凸部626を凹部616に嵌合する。しかる後、工具109が常温に戻って凹部616が収縮しその径が凸部626と同じかそれよりも若干小さくなると、工具109はホーン123に対して強固に取り付けられる。
【0100】
このように、本変形例では、工具109が焼きばめによりホーン123に取り付けられているために、十分な保持力で工具109が保持されることになって超音波が減衰して工具109に伝えられることがなくなる。また、再度工具109を加熱することなどにより工具109の交換を容易に行うことが可能になり、しかも凹部616及び凸部626の寸法精度を向上させることで、工具109の取り付け位置精度が良好なものとなる。
【0101】
また、工具109の交換を容易に行うことが可能であるために、ロー付けで工具を取り付けた場合のように、PCDのような高価な部材を用いた工具109が使い捨てになってしまうという不都合を回避することができる。さらに、工具109の取り付け位置精度が良好であるために、ホーン123への取り付け前に工具109の加工を行うことが可能となって、工具109の加工方法に関する限定が少なくなって、例えば、ワイヤーカット技術を用いた抜き加工を行って抜けた穴などの形状を形成することが可能となる。このように、本変形例でも超音波加工装置1が非常に使い勝手のよいものとなる。
【0102】
本変形例において、ホーン123は凸部626の基端部である工具取付面123aが節となるような条件で超音波振動させられるとする。このとき、ホーン123の先端にある工具取付面123aが振動の節になっているために、凸部626の基端近傍部626bでの振幅は小さくその長手方向と直交する方向に関するホーン123の伸縮による寸法変動は比較的小さい。ところが、凸部626の先端近傍部626aでの振幅は大きく、その長手方向と直交する方向に関するホーン123の伸縮による寸法変動は比較的大きい。
【0103】
そこで、本変形例では、図12に示すように、凹部616の奥端近傍部616aがその入口近傍部616bよりも大径に形成されることにより、凹部616の奥端近傍部616aと凸部626の先端近傍部626aとのクリアランスL13が、凹部616の入口近傍部616bと凸部626の基端近傍部626bとのクリアランスL14よりも大きくなっている。
【0104】
常温でのクリアランスL14は、工具9が脱落しないように実際には実質的にゼロであって凹部616の入口近傍部616bは凸部626の基端近傍部626bから受ける外側への力によって弾性的にやや拡径されている。このように、焼きばめされた状態では凹部616の入口近傍部616bの径は凸部626の基端近傍部626bの径にほぼ等しくなっている。
【0105】
これにより、上述のようにホーン123が工具取付面123aが節となるような条件で超音波振動することによりホーン123の振幅が凸部626の基端近傍部626bで小さく且つその先端近傍部626aで大きくなる場合に、ホーン123の伸縮に伴って凸部626の基端近傍部626bが凹部616の入口近傍部616bから離れるようにホーン123が変形する際であっても、工具109をその入口近傍部616bにおいてホーン123によって高い信頼性で保持させることが可能となってホーン123から工具109が脱落することが少なくなる。しかも、ホーン123の伸縮に伴って凸部626の先端近傍部626aが凹部616の奥端近傍部616aに近づくようにホーン123が変形する際であっても、凹部616の奥端近傍部616aと凸部626の先端近傍部626aとの離隔を保つことができるために工具109及び/又はホーン123が変形や破損することが少なくなる。
【0106】
また、本変形例では、周面の互いに対向する部分が平行な円柱形状に凸部626が形成されているので、異形成形される場合と比較して凸部626を容易に形成することができるようになっている。
【0107】
また、本変形例では、ホーン123の凸部626はその周面の互いに対向する部分が平行な円柱形状となっており、工具109の凹部616の入口近傍部616bは凸部626とほぼ同径を有する円柱形状となっている。つまり、凸部626の基端近傍部626bと凹部616の入口近傍部616bとは、互いに帯状に面接触している。そのため、工具109がより安定に保持され、工具109の脱落をより効果的に防止することができる。
【0108】
〔ホーンへの工具取り付け(第7変形例)〕
次に、ホーン123及び工具109の第7変形例について、図20に基づいて説明する。図20は、本変形例による図19に対応した図18の要部拡大図である。本変形例による凹部617は、入口近傍部617bから奥端近傍部617aまでほぼ同径に形成された円柱形状を有している。一方、凸部627は、基端近傍部627bが円柱形状で先端近傍部627aが円錐台形状となるように形成されている。そして、凹部617の径は常温において凸部627の基端近傍部627bとほぼ同じ又は若干小さく形成されている。本変形例でも、工具109は、その凹部617にホーン23の凸部627が焼きばめされることによってホーン123に取り付けられている。焼きばめの具体的な手順は、上述した第6変形例と同じであり、本変形例の場合も、焼きばめを行って工具109をホーン123に取り付けることにより、上述したのと同様の利点が得られる。
【0109】
また、凸部627の先端近傍部627aがその基端近傍部627bよりも小径に形成されることにより、凹部617の奥端近傍部617aと凸部627の先端近傍部627aとのクリアランスL15が、凹部617の入口近傍部617bと凸部627の基端近傍部627bとのクリアランスL16よりも大きくなっている。
【0110】
常温でのクリアランスL16は、工具109が脱落しないように実際には実質的にゼロであって凹部617の入口近傍部617bは凸部627の基端近傍部627bから受ける外側への力によって弾性的にやや拡径されている。このように、焼きばめされた状態では凹部617の入口近傍部617bの径は凸部627の基端近傍部627bの径にほぼ等しくなっている。
【0111】
これにより、凸部627の基端部である工具取付面123aが節となるような条件でホーン123が超音波振動させられる場合、工具109をその基端近傍部627bにおいてホーン123によって高い信頼性で保持させることが可能となってホーン123から工具109が脱落することが少なくなる。しかも、凹部617の奥端近傍部617aと凸部627の先端近傍部627aとの離隔を保つことができるために工具109及び/又はホーン123が変形や破損することが少なくなる。
【0112】
また、本変形例では、凸部627の基端近傍部627bと凹部617の入口近傍部617bとは、互いに帯状に面接触している。そのため、工具109がより安定に保持され、工具109の脱落をより効果的に防止することができる。
【0113】
〔ホーンへの工具取り付け(第8変形例)〕
次に、図12で説明したホーン23及び工具9の第8変形例について、図21に基づいて説明する。図21は、本変形例による図19に対応した図18の要部拡大図である。本変形例でも、工具109は、その凹部618にホーン123の凸部628が焼きばめされることによってホーン123に取り付けられている。焼きばめの具体的な手順は、上述した第6変形例と同じであり、本変形例の場合も、焼きばめを行って工具109をホーン123に取り付けることにより、上述したのと同様の利点が得られる。
【0114】
また、本変形例においてホーン123は凸部628の最先端が節となるような条件で超音波振動させられるとする。図22(a)、(b)は、そのときのホーン123の先端近傍部での超音波振動を振動変位の大きさに応じて区分けした模式図であって、図22(a)はホーン123が縮んだ状態、図22(b)はホーン123が伸びた状態をそれぞれ示している。図22(a)、(b)から分かるように、ホーン123の凸部628の最先端が振動の節になっているために、凸部628の先端近傍部628aでの振幅は小さくその長手方向と直交する方向に関するホーン123の伸縮による寸法変動は比較的小さい。ところが、凸部628の基端近傍部628bでの振幅は大きく、その長手方向と直交する方向に関するホーン123の伸縮による寸法変動は比較的大きい。
【0115】
そこで、本変形例では、凹部618の入口近傍部618bがその奥端近傍部618aよりも大径に形成されることにより、凹部618の入口近傍部618bと凸部628の基端近傍部628bとのクリアランスL17が、凹部618の奥端近傍部618aと凸部628の先端近傍部628aとのクリアランスL18よりも大きくなるようにしている。
【0116】
常温でのクリアランスL18は、工具109が脱落しないように実際には実質的にゼロであって凹部618の奥端近傍部618aは凸部628の先端近傍部628aから受ける外側への力によって弾性的にやや拡径されている。このように、焼きばめされた状態では凹部618の奥端近傍部618aの径は凸部628の先端近傍部628aの径にほぼ等しくなっている。
【0117】
これにより、上述のようにホーン123が凸部628の最先端が節となるような条件で超音波振動することによりホーン123の振幅が凹部618の入口近傍部618bで大きく且つその奥端近傍部618aで小さくなる場合に、ホーン123の伸縮に伴って凸部628の先端近傍部628aが凹部618の奥端近傍部618aから離れるようにホーン123が変形する際であっても、工具109をその奥端近傍部618aにおいてホーン123によって高い信頼性で保持させることが可能となってホーン123から工具109が脱落することが少なくなる。しかも、ホーン123の伸縮に伴って凹部618の入口近傍部618bが凸部628の基端近傍部628bに近づくようにホーン123が変形する際であっても、凹部618の入口近傍部618bと凸部628の基端近傍部628bとの離隔を保つことができるために工具109及び/又はホーン123が変形や破損することが少なくなる。
【0118】
また、本変形例では、ホーン123の凸部628はその周面の互いに対向する部分が平行な円柱形状となっており、工具109の凹部618の奥端近傍部618aは凸部628とほぼ同径を有する円柱形状となっている。つまり、凸部628の先端近傍部628aと凹部618の奥端近傍部618aとは、互いに面接触している。そのため、工具109がより安定に保持され、工具109の脱落をより効果的に防止することができる。
【0119】
〔ホーンへの工具取り付け(第9変形例)〕
次に、図12で説明したホーン23及び工具9の第9変形例について、図23に基づいて説明する。図23は、本変形例による図19に対応した図18の要部拡大図である。本変形例でも、工具109は、その凹部619にホーン123の凸部629が焼きばめされることによってホーン123に取り付けられている。焼きばめの具体的な手順は、上述した第6変形例と同じであり、本変形例の場合も、焼きばめを行って工具109をホーン123に取り付けることにより、上述したのと同様の利点が得られる。
【0120】
また、本変形例においてホーン123は凸部629の最先端が節となるような条件で超音波振動させられるとする。このとき、凸部629の先端近傍部629aでの振幅は小さくその長手方向と直交する方向に関するホーン123の伸縮による寸法変動は比較的小さい。ところが、凸部629の基端近傍部629bでの振幅は大きく、その長手方向と直交する方向に関するホーン123の伸縮による寸法変動は比較的大きい。
【0121】
また、凸部629の先端近傍部629aがその基端近傍部629bよりも大径に形成されることにより、凹部612の入口近傍部619bと凸部629の基端近傍部629bとのクリアランスL19が、凹部619の奥端近傍部619aと凸部629の先端近傍部629aとのクリアランスL20よりも大きくなっている。
【0122】
常温でのクリアランスL20は、工具109が脱落しないように実際には実質的にゼロであって凹部619の奥端近傍部619aは凸部629の先端近傍部629aから受ける外側への力によって弾性的にやや拡径されている。このように、焼きばめされた状態では凹部619の奥端近傍部619aの径は凸部629の先端近傍部629aの径にほぼ等しくなっている。
【0123】
これにより、上述のように凸部629の最先端が節となるような条件でホーン123が超音波振動することによりホーン123の振幅が凹部619の入口近傍部619bで大きく且つその奥端近傍部619aで小さくなる場合に、ホーン123の伸縮に伴って凸部629の先端近傍部629aが凹部619の奥端近傍部619aから離れるようにホーン123が変形する際であっても、工具109をその奥端近傍部619aにおいてホーン123によって高い信頼性で保持させることが可能となってホーン123から工具109が脱落することが少なくなる。しかも、ホーン123の伸縮に伴って凹部619の入口近傍部619bが凸部629の基端近傍部629bに近づくようにホーン123が変形する際であっても、凹部619の入口近傍部619bと凸部629の基端近傍部629bとの離隔を保つことができるために工具109及び/又はホーン123が変形や破損することが少なくなる。
【0124】
また、本変形例では、工具109の凹部619はその周面の互いに対向する部分が平行な円柱形状となっており、ホーン123の凸部629の先端近傍部629aは凹部619とほぼ同径を有する円柱形状となっている。つまり、凸部629の先端近傍部629aと凹部619の奥端近傍部619aとは、互いに面接触している。そのため、工具109がより安定に保持され、工具109の脱落をより効果的に防止することができる。
【0125】
〔ホーンの変形例〕
次に、ホーンの変形例について説明する。上述した実施の形態及びホーンへの工具取り付けに関する第1〜第9の変形例では、ホーンを、工具が取り付けられる先端近傍部が中央部よりも大径となった末広形状であるとした。しかしながら、ホーンは様々な形状をとることができる。図24(a)は、工具9が取り付けられる先端近傍部が中央部と同径となったずん胴形状を有するホーン223の、工具9との分離状態における一部を破断した拡大斜視図である。また、図24(b)は、工具9が取り付けられる先端近傍部が中央部よりも小径となった先細形状を有するホーン323の、工具9との分離状態における一部を破断した拡大斜視図である。
【0126】
図25(a)、(b)は、図24(a)に示すホーン223をその先端が節となるような条件で超音波振動させたときの先端近傍部での超音波振動を振動変位の大きさに応じて区分けした模式図であって、図25(a)はホーン223が縮んだ状態、図25(b)はホーン223が伸びた状態をそれぞれ示している。図25(a)、(b)から分かるように、ホーン223の先端にある工具取付面223aが振動の節になっているために、凹部261の入口近傍部261bでの振幅は小さくその長手方向と直交する方向に関するホーン223の伸縮による寸法変動は比較的小さい。ところが、凹部261の奥端近傍部261aでの振幅は大きく、その長手方向と直交する方向に関するホーン223の伸縮による寸法変動は比較的大きい。また、超音波振動の条件を変更することにより、これとは逆に、ホーン223の先端にある工具取付面223a付近を振動の腹として、凹部261の入口近傍部261bでの振幅を大きく、凹部261の奥端近傍部261aでの振幅を小さくすることもできる。従って、この先端に凹部261が設けられたずん胴型ホーン223についても、上述した実施の形態及び第1〜第9の変形例と同様に、振動モードに応じて成形された工具を用いることにより、上述したのと同様の利益を得ることができる。
【0127】
図26(a)、(b)は、図24(b)に示すホーン323をその先端が節となるような条件で超音波振動させたときの先端近傍部での超音波振動を振動変位の大きさに応じて区分けした模式図であって、図26(a)はホーン323が縮んだ状態、図26(b)はホーン323が伸びた状態をそれぞれ示している。図26(a)、(b)から分かるように、ホーン323の先端にある工具取付面323aが振動の節になっているために、凹部361の入口近傍部361bでの振幅は小さくその長手方向と直交する方向に関するホーン323の伸縮による寸法変動は比較的小さい。ところが、凹部361の奥端近傍部361aでの振幅は大きく、その長手方向と直交する方向に関するホーン323の伸縮による寸法変動は比較的大きい。また、超音波振動の条件を変更することにより、これとは逆に、ホーン323の先端にある工具取付面323a付近を振動の腹として、凹部361の入口近傍部361bでの振幅を大きく、凹部361の奥端近傍部361aでの振幅を小さくすることもできる。従って、この先端に凹部361が設けられた先細型ホーン323についても、上述した実施の形態及び第1〜第9の変形例と同様に、振動モードに応じて成形された工具を用いることにより、上述したのと同様の利益を得ることができる。
【0128】
また、図27(a)、(b)に示すのは、図18に示すように先端に凸部が設けられたずん胴型ホーンをその先端が節となるような条件で超音波振動させたときの先端近傍部での超音波振動を振動変位の大きさに応じて区分けした模式図であって、図27(a)はホーン423が縮んだ状態、図27(b)はホーン423が伸びた状態をそれぞれ示している。図27(a)、(b)から分かるように、ホーン423の凸部461の先端近傍部461aが振動の節になっているために、凸部461の先端近傍部461aでの振幅は小さくその長手方向と直交する方向に関するホーン423の伸縮による寸法変動は比較的小さい。ところが、凸部461の基端近傍部461bでの振幅は大きく、その長手方向と直交する方向に関するホーン423の伸縮による寸法変動は比較的大きい。また、超音波振動の条件を変更することにより、これとは逆に、ホーン423の凸部461の先端近傍部461a付近を振動の腹として、凸部461の先端近傍部461aでの振幅を大きく、凸部461の基端近傍部461bでの振幅を小さくすることもできる。従って、この先端に凸部461が設けられたずん胴型ホーン423についても、上述した実施の形態及び第1〜第9の変形例と同様に、振動モードに応じて成形された工具を用いることにより、上述したのと同様の利益を得ることができる。
【0129】
また、図28(a)、(b)に示すのは、図18に示すように先端に凸部が設けられた先細型ホーンをその先端が節となるような条件で超音波振動させたときの先端近傍部での超音波振動を振動変位の大きさに応じて区分けした模式図であって、図28(a)はホーン523が縮んだ状態、図28(b)はホーン523が伸びた状態をそれぞれ示している。図28(a)、(b)から分かるように、ホーン523の凸部561の先端近傍部561aが振動の節になっているために、凸部561の先端近傍部561aでの振幅は小さくその長手方向と直交する方向に関するホーン523の伸縮による寸法変動は比較的小さい。ところが、凸部561の基端近傍部561bでの振幅は大きく、その長手方向と直交する方向に関するホーン523の伸縮による寸法変動は比較的大きい。また、超音波振動の条件を変更することにより、これとは逆に、ホーン523の凸部561の先端近傍部561a付近を振動の腹として、凸部561の先端近傍部561aでの振幅を大きく、凸部561の基端近傍部561bでの振幅を小さくすることもできる。従って、この先端に凸部561が設けられた先細型ホーン523についても、上述した実施の形態及び第1〜第9の変形例と同様に、振動モードに応じて成形された工具を用いることにより、上述したのと同様の利益を得ることができる。
【0130】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、焼きばめに代えて、冷却ばめを行ってもよい。また、焼きばめに代えて圧入を行ってもよい。また、焼きばめ時の加熱温度や冷却ばめ時の冷却温度としては、設計に応じた最適温度を適宜選択することができる。
【0131】
また、ホーン及び工具並びに凹部及び凸部の具体的な形状や材質などは用途などに応じて適宜変更してよい。また、上述の実施の形態では超音波振動体としてホーンを用いているが、ホーンを用いず、超音波振動子やその他の超音波振動体に工具を取り付けるようにしてもよい。
【0132】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1、5、9、13によると、工具が収縮ばめ又は圧入により超音波振動体に取り付けられているために、十分な保持力で工具が保持されることになって超音波が減衰して工具に伝えられるのが抑制されるとともに、工具の交換を容易に行うことが可能になり、しかも工具の取り付け位置精度が良好なものとなる。また、工具の交換を容易に行うことが可能であるために、ロー付けで工具を取り付けた場合のように、PCDのような高価な部材を用いた工具が使い捨てになってしまうという不都合が生じることがなくなる。さらに、工具の取り付け位置精度が良好であるために、取り付け前に工具の加工を行うことが可能となって、工具の加工方法に関する限定が少なくなって、例えば、ワイヤーカット技術を用いた抜き加工を行って抜けた穴などの形状を形成することが可能となる。また、ロー付けを用いないことにより、例えば、工具の加工面に開口する少なくとも一つの貫通孔を工具に形成し、この貫通孔に対して、超音波振動体の内側に設けられた加工液通路を介して加工液を供給する構成を採用した場合、工具の交換性を損なうことなく加工液を工具の加工面のすべてに良好に供給することが可能となる。
【0133】
さらに、請求項1、5、9、13によると、工具をその基端近傍側において超音波振動体によって高い信頼性で保持させることが可能となって超音波振動体から工具が脱落することが少なくなり、工具及び/又は超音波振動体が変形や破損することが少なくなる。
【0134】
請求項2、3、6、7、10、11、14、15によると、工具及び超音波振動体のいずれか一方の周面を平行面として形成することができるので、これらの部分の加工が容易となる。
【0135】
請求項4、8、12、16によると、面接触するため、工具がより安定に保持される。そのため、工具の脱落をより効果的に防止することができる。
【0136】
請求項17によると、超音波振動体が末広形状を有する長手部材であることより、例えば超音波振動体がずん胴形状や先細形状を有する長手部材である場合と比較して優れた加工精度が得られる。
【0137】
そして、請求項18による超音波振動体・工具組立体は、上述した超音波加工装置と共に用いるのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る超音波穿孔装置の全体的な構成を示した側面図である。
【図2】 同じく正面図である。
【図3】 穿孔ヘッド部の側面図一部断面図である。
【図4】 同じく正面図である。
【図5】 同じく平面断面図である。
【図6】 昇降テーブルの側面断面図である。
【図7】 カメラ部の側面断面図である。
【図8】 研磨装置の正面断面図である。
【図9】 図1に示す超音波穿孔装置に使用される末広形状を有するホーン及び工具の分離状態における一部を破断した拡大斜視図である。
【図10】 工具を取り付けた状態でのホーンの断面図である。
【図11】 ホーンの先端近傍部での超音波振動を振動変位の大きさに応じて区分けした模式図である。
【図12】 図10の要部拡大図である。
【図13】 ホーン及び工具の第1変形例について説明するための要部拡大図である。
【図14】 ホーン及び工具の第2変形例について説明するための要部拡大図である。
【図15】 ホーン及び工具の第3変形例について説明するための要部拡大図である。
【図16】 ホーン及び工具の第4変形例について説明するための要部拡大図である。
【図17】 ホーン及び工具の第5変形例について説明するための要部拡大図である。
【図18】 ホーン及び工具の第6変形例における、工具を取り付けた状態でのホーンの断面図である。
【図19】 図18の要部拡大図である。
【図20】 ホーン及び工具の第7変形例について説明するための要部拡大図である。
【図21】 ホーン及び工具の第8変形例について説明するための要部拡大図である。
【図22】 第8変形例において、ホーンの先端近傍部での超音波振動を振動変位の大きさに応じて区分けした模式図である。
【図23】 ホーン及び工具の第9変形例について説明するための要部拡大図である。
【図24】 先端に凹部が設けられたずん胴形状及び先細形状を有するホーン及び工具の分離状態における一部を破断した拡大斜視図である。
【図25】 先端に凹部が設けられたずん胴型ホーンの先端近傍部での超音波振動を振動変位の大きさに応じて区分けした模式図である。
【図26】 先端に凹部が設けられた先細型ホーンの先端近傍部での超音波振動を振動変位の大きさに応じて区分けした模式図である。
【図27】 先端に凸部が設けられたずん胴型ホーンの先端近傍部での超音波振動を振動変位の大きさに応じて区分けした模式図である。
【図28】 先端に凸部が設けられた先細型ホーンの先端近傍部での超音波振動を振動変位の大きさに応じて区分けした模式図である。
【符号の説明】
1 超音波加工装置
2 基台
3 コラム
4 穿孔ヘッド部
8 連結体
9 工具
10 移動テーブル
11 昇降テーブル
12 ワーク台
13 ワーク
14 基部フレーム
16 バランス体
17 工具フレーム
18 エアシリンダ
19 シリンダロッド
21 ホーン支持部
23 ホーン
23a 工具取付面
24 超音波振動子
26 付勢体
27 角度微調整ネジ
29 基部フレーム
31 昇降フレーム
33 変位センサ
34 クランプ機構
38 ビデオカメラ
41 カメラ部
42 研磨装置
43 カバー
47 中継パイプ
48 供給孔
49 案内棒
61 凹部
61a 奥端近傍部
61b 入口近傍部
62 凸部
62a 先端近傍部
62b 基端近傍部

Claims (18)

  1. 超音波振動体に取り付けられた工具を超音波振動させ、この振動を砥粒に伝達することにより工具形状に倣った形状を被加工物に形成する超音波加工装置において、
    前記工具が収縮ばめ又は圧入により前記超音波振動体に取り付けられ、
    前記収縮ばめ又は圧入は前記工具に形成された凸部が前記超音波振動体の先端に設けられた平坦面に形成された凹部に挿入されたものであると共に、前記凸部及び前記凹部は、前記凹部の奥端近傍側と前記凸部の先端近傍側とのクリアランスが前記凹部の入口近傍側と前記凸部の基端近傍側とのクリアランスよりも大きくなるように形成されていることを特徴とする超音波加工装置。
  2. 前記工具の前記凸部はその周面の互いに対向する部分が平行となるように形成されていると共に、前記超音波振動体の前記凹部はその奥端近傍側が入口近傍側よりも大きなサイズとなるように形成されていることを特徴とする請求項に記載の超音波加工装置。
  3. 前記超音波振動体の前記凹部はその周面の互いに対向する部分が平行となるように形成されていると共に、前記工具の前記凸部はその先端近傍側が基端近傍側よりも小さなサイズとなるように形成されていることを特徴とする請求項に記載の超音波加工装置。
  4. 前記工具の前記凸部の基端近傍側と前記超音波振動体の前記凹部の入口近傍側とが互いに面接触していることを特徴とする請求項2又は3に記載の超音波加工装置。
  5. 超音波振動体に取り付けられた工具を超音波振動させ、この振動を砥粒に伝達することにより工具形状に倣った形状を被加工物に形成する超音波加工装置において、
    前記工具が収縮ばめ又は圧入により前記超音波振動体に取り付けられ、
    前記収縮ばめ又は圧入は前記工具に形成された凸部が前記超音波振動体の先端に設けられた平坦面に形成された凹部に挿入されたものであると共に、前記凸部及び前記凹部は、前記凹部の奥端近傍側と前記凸部の先端近傍側とのクリアランスが前記凹部の入口近傍側と前記凸部の基端近傍側とのクリアランスよりも小さくなるように形成されていることを特徴とする超音波加工装置。
  6. 前記工具の前記凸部はその周面の互いに対向する部分が平行となるように形成されていると共に、前記超音波振動体の前記凹部はその奥端近傍側が入口近傍側よりも小さなサイズとなるように形成されていることを特徴とする請求項に記載の超音波加工装置。
  7. 前記超音波振動体の前記凹部はその周面の互いに対向する部分が平行となるように形成されていると共に、前記工具の前記凸部はその先端近傍側が基端近傍側よりも大きなサイズとなるように形成されていることを特徴とする請求項に記載の超音波加工装置。
  8. 前記工具の前記凸部の先端近傍側と前記超音波振動体の前記凹部の奥端近傍側とが互いに面接触していることを特徴とする請求項6又は7に記載の超音波加工装置。
  9. 超音波振動体に取り付けられた工具を超音波振動させ、この振動を砥粒に伝達することにより工具形状に倣った形状を被加工物に形成する超音波加工装置において、
    前記工具が収縮ばめ又は圧入により前記超音波振動体に取り付けられ、
    前記収縮ばめ又は圧入は前記超音波振動体に形成された凸部が前記工具に形成された凹部に挿入されたものであると共に、前記凸部及び前記凹部は、前記凹部の奥端近傍側と前記凸部の先端近傍側とのクリアランスが前記凹部の入口近傍側と前記凸部の基端近傍側とのクリアランスよりも大きくなるように形成されていることを特徴とする超音波加工装置。
  10. 前記超音波振動体の前記凸部はその周面の互いに対向する部分が平行となるように形成されていると共に、前記工具の前記凹部はその奥端近傍側が入口近傍側よりも大きなサイズとなるように形成されていることを特徴とする請求項に記載の超音波加工装置。
  11. 前記工具の前記凹部はその周面の互いに対向する部分が平行となるように形成されていると共に、前記超音波振動体の前記凸部はその先端近傍側が基端近傍側よりも小さなサイズとなるように形成されていることを特徴とする請求項に記載の超音波加工装置。
  12. 前記超音波振動体の前記凸部の基端近傍側と前記工具の前記凹部の入口近傍側とが互いに面接触していることを特徴とする請求項10又は11に記載の超音波加工装置。
  13. 超音波振動体に取り付けられた工具を超音波振動させ、この振動を砥粒に伝達することにより工具形状に倣った形状を被加工物に形成する超音波加工装置において、
    前記工具が収縮ばめ又は圧入により前記超音波振動体に取り付けられ、
    前記収縮ばめ又は圧入は前記超音波振動体に形成された凸部が前記工具に形成された凹部に挿入されたものであると共に、前記凸部及び前記凹部は、前記凹部の奥端近傍側と前記凸部の先端近傍側とのクリアランスが前記凹部の入口近傍側と前記凸部の基端近傍側とのクリアランスよりも小さくなるように形成されていることを特徴とする超音波加工装置。
  14. 前記超音波振動体の前記凸部はその周面の互いに対向する部分が平行となるように形成されていると共に、前記工具の前記凹部はその奥端近傍側が入口近傍側よりも小さなサイズとなるように形成されていることを特徴とする請求項13に記載の超音波加工装置。
  15. 前記工具の前記凹部はその周面の互いに対向する部分が平行となるように形成されていると共に、前記超音波振動体の前記凸部はその先端近傍側が基端近傍側よりも大きなサイズとなるように形成されていることを特徴とする請求項13に記載の超音波加工装置。
  16. 前記超音波振動体の前記凸部の先端近傍側と前記工具の前記凹部の奥端近傍側とが互いに面接触していることを特徴とする請求項14又は15に記載の超音波加工装置。
  17. 前記超音波振動体は、前記工具が取り付けられる先端近傍部が中央部よりも大径となった末広形状を有する長手部材であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の超音波加工装置。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の超音波加工装置に用いられる超音波振動体・工具組立体。
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