JP2004001127A - 超音波加工装置及び超音波加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工深さを正確に測定することができ、加工品質や加工時間が安定する超音波加工装置及び方法を提供する。
【解決手段】超音波穿孔装置(超音波加工装置)1の移動テーブル10の上には、洗浄装置(洗浄手段)51が設置されている。洗浄装置51はタンク52を備えており、タンク52には研削液である洗浄液53が満たされている。超音波加工による穿孔作業が終了すると、移動テーブル10と工具9を移動させることにより、洗浄装置51に満たされた洗浄液53内に工具9を浸ける。そして、洗浄液53に浸けた状態で、工具9を超音波振動させることにより、工具9に付着した切り粉や使用済み砥粒の洗浄を行う。
【選択図】 図7
【解決手段】超音波穿孔装置(超音波加工装置)1の移動テーブル10の上には、洗浄装置(洗浄手段)51が設置されている。洗浄装置51はタンク52を備えており、タンク52には研削液である洗浄液53が満たされている。超音波加工による穿孔作業が終了すると、移動テーブル10と工具9を移動させることにより、洗浄装置51に満たされた洗浄液53内に工具9を浸ける。そして、洗浄液53に浸けた状態で、工具9を超音波振動させることにより、工具9に付着した切り粉や使用済み砥粒の洗浄を行う。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波加工装置及び超音波加工方法の技術に関する。
詳細には、超音波加工装置に備えられる工具の表面を洗浄する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、砥粒が液体に分散された砥粒液を工具の周りに供給しつつ、砥粒液に含まれる砥粒に超音波振動を与えながら加工することとした超音波加工装置及び超音波加工方法の技術は公知となっている。
この超音波加工装置及び超音波加工方法は、加工効率を向上させるため、複数の被加工物に対して一つの工具により連続して超音波加工できるようにすべく、一つの被加工物に加工した後は、加工済みの被加工物を取り外すとともに新しい被加工物を装置にセットして、同じ工具で再び加工を開始できるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の超音波加工装置及び超音波加工方法は、たとえ継続的に砥粒液を流しながら加工を行う場合でも、加工の際に発生した切り粉や使用済み砥粒等の異物が工具の表面にある程度付着することが避けられない。特に、砥粒の無駄を防止するために、砥粒液を工具の表面上に滞留させながら加工させるような何らかの構成が採られているような場合は、工具表面に上記異物も滞留し易いことになる。
切り粉は加工に何ら貢献するものではなくむしろ悪影響を与えるものであり、また、加工に使用された後の砥粒は未使用の砥粒に比べ、形状が丸くなるために加工効率を悪化させるものである。従って、これらの異物を工具表面に付着させたまま次の加工を行うと、加工効率の低下あるいは不安定化の原因となる。
また、これらの異物が工具位置の測定誤差の原因となり、その結果、加工深さの精度を低下させてしまう問題もあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、工具を超音波により振動させて当該振動を砥粒に伝達させつつ昇降テーブルを昇降させることにより、工具の表面形状に倣った形状を、該昇降テーブル上に固定された被加工物に形成する超音波加工装置において、前記工具の少なくとも前記表面を洗浄液に浸けた状態で、前記工具を超音波により振動させつつ洗浄するための洗浄手段を備えることを特徴とする超音波加工装置としたものである。
【0006】
請求項2においては、請求項1に記載の超音波加工装置において、前記砥粒は、液体に分散された砥粒液の状態で工具の周囲に供給されるように構成し、かつ、前記洗浄液は、この砥粒液から砥粒を除いたものに相当する液体よりなることを特徴とする超音波加工装置としたものである。
【0007】
請求項3においては、請求項1に記載の超音波加工装置において、前記洗浄液は、研削液であることを特徴とする超音波加工装置としたものである。
【0008】
請求項4においては、請求項1から請求項3までのうちいずれか一項に記載の超音波加工装置において、前記昇降テーブルは、該昇降テーブルの位置を測定する位置測定手段をさらに備えるように構成し、かつ、この位置検出手段は、前記洗浄手段による前記工具の洗浄が終了する毎に、該工具と前記被加工物の接触位置を測定することを特徴とする超音波加工装置としたものである。
【0009】
請求項5においては、請求項1から請求項4までのうちいずれか一項に記載の超音波加工装置において、前記工具を、洗浄時には、加工時よりも、周波数が小さく、かつ、振幅が大きい条件で超音波により振動させることを特徴とする超音波加工装置としたものである。
【0010】
請求項6においては、砥粒を液体に分散した砥粒液を昇降テーブルに固定された被加工物と工具の表面との間に供給し、工具を超音波により振動させつつ被加工物に押し付け、該工具と該被加工物との間にある砥粒で該被加工物を削ることにより工具の表面形状に倣った形状を形成する超音波加工方法において、形状の加工が終了する毎に、前記工具の少なくとも前記表面を洗浄液に浸けながら前記工具を超音波により振動させることで洗浄することを特徴とする超音波加工方法としたものである。
【0011】
請求項7においては、請求項6に記載の超音波加工方法において、前記洗浄液は、前記砥粒液から砥粒を除いたものに相当する液体よりなることを特徴とする超音波加工方法としたものである。
【0012】
請求項8においては、請求項6に記載の超音波加工方法において、前記洗浄液は、研削液であることを特徴とする超音波加工方法としたものである。
【0013】
請求項9においては、請求項6から請求項9までのうちいずれか一項に記載の超音波加工方法において、前記洗浄後に、前記工具と被加工物の接触位置を測定することを特徴とする超音波加工方法としたものである。
【0014】
請求項10においては、請求項6から請求項9までのうちいずれか一項に記載の超音波加工方法において、前記工具を、洗浄時には、加工時よりも、周波数が小さく、かつ、振幅が大きい条件で超音波により振動させることを特徴とする超音波加工方法としたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を、添付の図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
〔装置全体の概略構成〕
本発明の一実施形態としての超音波穿孔装置(超音波加工装置)の全体側面図が図1に、全体正面図が図2に、それぞれ示される。この図1,図2に示すように、この超音波穿孔装置1は、床上に設置される基台2の上にコラム3を立設し、このコラム3に穿孔ヘッド部4を支持する構成となっている。
【0017】
コラム3にはネジ軸5が上下方向に配置され、回転自在に支持されている。このネジ軸5に昇降体6が螺着されて、ネジ軸5と昇降体6とにより公知のボールネジ機構が構成されている。このネジ軸5には、コラム3上に設置されたモータ7のモータ軸が連結されている。この構成においてモータ7を正逆方向に回転駆動することで、昇降体6の上下位置を変更することができる。
コラム3には更にリニアガイドが上下方向に配設されて(図略)、このリニアガイドに沿って上下変位可能に、連結体8が備えられている。この連結体8に前記昇降体6が連結されることで、連結体8(ひいては、この連結体8に備えられる穿孔ヘッド部4)を上下方向(Z方向)に移動させることができる。
【0018】
連結体8には穿孔ヘッド部4が上下摺動自在に支持される。穿孔ヘッド部4には穿孔を行うための工具9が取り付けられるとともに、この工具9に超音波振動を与えるための機構が備えられている。
【0019】
基台2上には水平方向(XY方向)に移動可能な移動テーブル10が設置され、この移動テーブル10の上に、図2に示すように、昇降テーブル11、カメラ部41、研磨装置42、洗浄装置51の四者が並べて配置される。
昇降テーブル11上面の前記工具9に対向し得る位置には、被加工物としてのワーク13が固定可能とされる。このワーク13としては種々のものが考えられるが、本実施形態は、インクジェットプリンタ等のインクジェットヘッドに圧電式アクチュエータとして使用される、圧電セラミック材料(PZT)を加工する場合を示している。
ここで、カメラ部41は、後述する工具9の向きの調整作業を容易とするために、工具9を下方から撮影するためのものである。また、研磨装置42は、連続加工によってホーン23の後述する工具取付面23aが砥粒で摩滅したときに、それを研磨するためのものである。
【0020】
装置全体を覆うように基台2上にはカバー43が設置されて、穿孔作業時に発生する切り粉や後述する砥粒液が周囲に飛散しないように配慮されている。装置の正面には開閉可能な両開き式の扉44が設けられ(図1)、ワーク13の交換作業などの必要に応じて扉44を開いてカバー43内部にアクセスできるようになっている。
【0021】
〔穿孔ヘッド部の構成〕
穿孔ヘッド部4の構成について、側面図である図3、正面図である図4、および平面断面図である図5を主に参照しながら具体的に説明する。
この穿孔ヘッド部4は、前記連結体8に支持される基部フレーム14に、前記工具9を支持するための工具フレーム17を上下摺動自在に連結した構成となっている。基部フレーム14には支軸15が水平に架設され、この支軸15に、前後方向に細長いバランス体16の中央部が枢支されて揺動自在とされている。
基部フレーム14上にはエアシリンダ18が設置され(図3,図4)、このシリンダロッド19が下方に延出して、前記バランス体16の一端に連結されている。そして、バランス体16の前記シリンダロッド19が連結された一端に、前記工具フレーム17が連結されている。基部フレーム14には変位センサ20が設けられ、工具フレーム17の基部フレーム14に対する相対変位を検出できるように構成されている。
【0022】
図3に示すように、工具フレーム17の下端には環状のホーン支持部21が軸受22を介して旋回可能に設けられ、このホーン支持部21にホーン23が固定される。ホーン23は上下方向に細長く形成され、その上部には超音波振動子24が固着されるとともに、ホーン23の下端には平坦な工具取付面23aが形成され、この工具取付面23aに対して前記工具9が脱着可能に取り付けられる。
なお、基部フレーム14や工具フレーム17を覆うようにU字状または箱状のカバー45が設けられて、内部の超音波振動子24等を保護できるようになっている。
【0023】
図5の平面図に示すように、ホーン支持部21には側方に向けて突起25が設けられて、この突起25の一側に、付勢体26が工具フレーム17に設けられている。付勢体26は付勢バネ28の弾発作用により、突起25を一側に向けて常時押動するように構成されている。一方、付勢体26に突起25を挟んで対向する位置に、ツマミを有する角度微調整ネジ27が工具フレーム17に取り付けられる。
この構成において、角度微調整ネジ27のツマミを一方向に回転させると、その先端が突起25を前記付勢体26に抗して押すので、ホーン支持部21が図5の反時計回り方向に旋回される。一方、ツマミを逆方向に回転させた場合は、ネジ27の先端が後退して、前記付勢体26が突起25を押すので、ホーン支持部21は図5の時計回り方向に旋回される。従って、ネジ27を適宜回転させることで、ホーン支持部21の角度(即ち、ホーン23に取り付けられた工具9の水平面内における向き)を微調整することができる。
なお、ヘッド前面には固定ネジ36が設けられており(図3・図4)、前述の微調整作業が終了した後はこの固定ネジ36を回転させて締め付けることで、ホーン支持部21が不用意に旋回しないよう固定できるようになっている。
【0024】
〔昇降テーブルの構成〕
ワーク13を固定するための昇降テーブル11の構成を、図6の側面図を参照して説明する。
この昇降テーブル11は、移動テーブル10の上に立設固定された基部フレーム29と、この基部フレーム29に図示せぬリニアガイドを介して昇降自在に設けられた昇降フレーム31と、を有している。
【0025】
前記基部フレーム29にはリフトシリンダ30が取り付けられ、このシリンダロッド32が上方に延出して、その先端が前記昇降フレーム31に連結されている。
リフトシリンダ30はエアシリンダ式に構成されており、圧縮空気を供給/ドレンすることで、昇降フレーム31の上下位置を変更することができる。基部フレーム29には変位センサ(位置測定手段)33が設置されて、昇降フレーム31の上下位置を測定できるようになっている。
また、内部のリフトシリンダ30や変位センサ33を保護すべく、箱状のカバー46が昇降フレーム31に設けられる。
【0026】
昇降フレーム31の上部は水平に構成され、この上に、ワーク13を取り付けるためのワーク台12が設置される。また、ワーク台12の脇の位置において、昇降フレーム31上にクランプ機構34が設けられている。このクランプ機構34はエアシリンダで構成されており、ワーク台12上にワーク13を載置した状態でエアシリンダを作動させると、伸張するシリンダロッド35がワーク13を水平方向へ押圧し、ワーク台12に設けられたガイド部に突き当てた状態で固定するようになっている。
【0027】
この超音波穿孔装置1は図示せぬ砥粒液溜めを備えており、この砥粒液溜めには、砥粒(例えば、粒径4〜6μm程度のSiC)を分散させた液体が注入されている。砥粒液溜めに接続させて、パイプや可撓性のホースや管継手などからなる砥粒液循環経路が形成され、この経路が、前記昇降テーブル11近傍に設けた中継パイプ47(図1,図2,図6に図示)に接続されている。この中継パイプ47には供給孔48が形成されるとともに、更に該供給孔48の近傍位置において、案内棒49が下向きに突設されている。案内棒49は湾曲状に構成されて斜め方向に向きを変え、その先端が、昇降テーブル11上のワーク台12の直上方に位置している。
この構成で、砥粒液溜めに設置された図略のポンプを駆動させると、砥粒液は中継パイプ47内に送られ、その一部が供給孔48を介して外部に漏出する。中継パイプ47の外面に漏れ出た砥粒液は案内棒49を伝ってワーク台12上に落下し、工具9による加工に用いられる。
【0028】
〔穿孔作業の様子の説明〕
以上に示した構成において、実際に工具9を超音波振動させてワーク13に穿孔する作業を説明する。
まず、ワーク13を前記クランプ機構34によりワーク台12上に固定したのち、前記移動テーブル10をXY方向に移動させるとともに、前記モータ7を駆動して穿孔ヘッド部4を下降させ、図6の鎖線で示すように、前記工具9がワーク13のすぐ上に僅かな隙間をおいて位置するようにする。
【0029】
そして、変位センサ33で昇降フレーム31の位置を常時測定しながら、リフトシリンダ30に圧縮空気を供給して、シリンダロッド32を徐々に伸張させて昇降フレーム31を上方向へ移動させ、ワーク13を上昇させる。そして、ワーク13の上面が工具9に接触したときの昇降フレーム31の位置を、装置1を制御するコントローラの適宜の記憶手段にゼロ位置として記憶しておく(変位センサ33をゼロリセットする)。
具体的には、昇降フレーム31の上昇が前記変位センサ33により検知されなくなった時点からも、前述のリフトシリンダ30に対し圧縮空気をやや余分に供給して、それでも昇降フレーム31の上昇が検知されないことを確認して、初めてその位置をゼロ位置として認定する。こうすることで、工具9とワーク13とが確実に接触した時点を正確に測定でき、測定誤差を減少させることができる。
【0030】
そして、穿孔ヘッド部4の超音波振動子24を駆動し、ホーン23を介して上下方向の超音波振動を工具9に付与しながら、リフトシリンダ30に圧縮空気を供給してワーク13を上昇させ、工具9に対し押し付ける。また、前記砥粒液循環経路のポンプが駆動されることにより、中継パイプ47から案内棒49を経由して砥粒液が工具9の周囲に供給される。
これによりワーク13は、工具9との間にある砥粒によって削られてゆき、工具9に倣った形状の溝や孔等がワーク13の上面に形成される。
【0031】
以上に説明した加工作業の際に工具9に与える超音波振動は、その振幅が小さいもの(例えば振動数20kHz,振幅10μm以下)となるよう、前記超音波振動子24の駆動条件や前記ホーン23の形状が適宜定められている。これにより、砥粒液が工具9の振動によって飛散されずに工具9の表面に保持される形となるので、ワーク13と工具9との間の界面に到達して切削に貢献する砥粒の割合も増大し、加工効率を向上できる構成となっている。
【0032】
なお、前述した穿孔ヘッド部4のエアシリンダ18(図3)は、工具フレーム17の変位を変位センサ20で測定しながら必要に応じて圧縮空気の給排を行って、工具フレーム17を支持する力を調節している。これにより、穿孔作業中にワーク13に対し過大な力で工具9が押し付けられることが防止されるので、本実施形態の圧電セラミックのような脆性材料のワーク13を加工する場合でも、ワーク13の破損が十分に回避される構成となっている。
【0033】
工具9によりワーク13に穿孔を行っている間も、前記昇降フレーム31の位置が変位センサ33(図6)によって常時測定されている。そして昇降フレーム31が、前記ゼロ位置から所定の距離だけ上昇した時点で、リフトシリンダ30への圧縮空気の供給が停止され、ワーク13の上昇が停止される。この結果、前記ワーク13には、正確に当該距離だけの深さの孔あるいは溝を形成することができる。
【0034】
〔洗浄装置の構成〕
次に、工具9を洗浄するための洗浄装置51を説明する。
図7に示すように、洗浄装置51はタンク52を備えており、このタンク52の中に洗浄液53が注入されている。
洗浄液53は、砥粒液から砥粒を除いたものに相当する液体であることが望ましい。例えば、前述の砥粒液が研削液に砥粒を分散させたものであるときは、洗浄液53は研削液とするとよい。これは、研削液は、通常、切り粉等の除去効果を高めるために界面活性剤が含まれているので、十分な洗浄力を有するからである。
このようにすれば、洗浄作業後にそのまま新しいワーク13に対する加工作業に入ることができる。即ち、洗浄作業後に工具9の表面に洗浄液が残った状態でその周囲に砥粒を流しながら加工を行った場合、砥粒液に洗浄液が混じることになるが、それでも砥粒液の品質に悪影響を与えることにはならない。従って、洗浄作業後の洗浄液除去工程を省略でき、一つのワーク13あたりの作業時間を短縮できることになる。
前述の砥粒液が水に砥粒を分散させたものであるときは、洗浄液53は、それに対応させて、水とすることもできる。ただし、洗浄液53を研削液とする方が、その浸透性により切り粉や古い砥粒の除去効果を向上できる点で望ましい。
【0035】
前述の洗浄液53は、オペレータの手作業でタンク52に注入する(または入れ替える)構成であってもよいし、あるいは適宜のポンプ等を備えて、自動制御によりタンク52に注入する(または入れ替える)構成であってもよい。
【0036】
この構成における、工具9の洗浄装置51による洗浄作業を説明する。
一つのワーク13について前述の穿孔作業が終了した後は、前記モータ7を駆動して穿孔ヘッド部4を上昇させ、前記工具9を加工済みのワーク13から離す。そして、前記移動テーブル10をXY方向に移動させ、タンク52が工具9の直下方に位置する状態とする。その上で、前記モータ7を駆動して穿孔ヘッド部4を下降させることで、図7に示すように、工具9のワーク13に対向する表面をタンク52内の洗浄液53に浸けることができる。
なお、図7では工具9のワーク13に対向する表面のみが洗浄液53に浸漬された状態を示しているが、更に穿孔ヘッド部4を下降させて、ホーン23の一部(工具取付面23a)をも洗浄液53に浸漬させることとしても良い。この場合は、当該工具取付面23aに付着した切り粉や古い砥粒をも容易に除去できることになる。
【0037】
この状態で超音波振動子24を駆動し、洗浄液53に浸けられた工具9を超音波振動させると、洗浄液53に無数の泡(キャビティ)が発生し、この泡が潰れるときに、工具9表面に付着している切り粉や使用済み砥粒を分離して落とすことができる。即ち、公知の超音波洗浄が行われて、工具9表面の異物を短時間で容易かつ効果的に除去することができる。
ここで、洗浄時の超音波振動は、加工時の超音波振動に比べて、周波数を小さくするか、或いは振幅を大きくするか、少なくともいずれか一方の条件の下で行うことが望ましい。これは、振幅が大きいほど、また同一振幅であっても周波数が小さいほど、振動エネルギーが大きくなって、洗浄効果を向上させることができるからである。
【0038】
なお、上述した工具9の超音波洗浄がされている間に、それと並行して、ワーク台12上にある加工済みのワーク13を取り外し、新しいワーク13を取り付けることとすると、作業のサイクルタイムを短縮できることとなって望ましい。
【0039】
工具9の洗浄作業の終了後は、いったん穿孔ヘッド部4を上昇させて、タンク52中の洗浄液53から工具9を引き上げる。その後、前記移動テーブル10をXY方向に移動させるとともに、前記モータ7を駆動して穿孔ヘッド部4を下降させ、工具9と新しいワーク13とを接触させて、前記変位センサ33について前述のゼロリセット作業を行う。
このとき、洗浄後の工具9は切り粉や使用済み砥粒が落とされているから、工具9とワーク13との間に砥粒が挟まった状態でゼロリセットすることもなくなる。従って、工具9の深さゼロの位置を前記変位センサ33により高い精度で正確に測定することができ、その後の加工において加工深さを正確に制御することができる。
【0040】
ゼロリセット作業が済んだ後は、前述の案内棒49から工具9の周囲に砥粒液を供給しながら、新しいワーク13に対し超音波加工を行うことになる。このとき、工具9の表面の異物は洗浄によって除去されており、工具9の周囲には新鮮な砥粒のみが存在することとなるから、その加工効率は向上され安定化される。また、加工の仕上がり形状も良好である。
【0041】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいてさまざまな設計変更が可能なものである。
【0042】
例えば、前記実施の形態においては、洗浄装置51は、移動テーブル10の上に設けられているが、それに限られない。即ち、洗浄装置51または工具9のいずれか一方がXY方向に移動可能な構成であれば、洗浄装置51を移動テーブル10以外に設けてもよい。
また、本発明の洗浄手段は、前記実施の形態のように昇降テーブル11と別体とする必要はなく、昇降テーブル11におけるワーク台12に隣接して設けてもよい。
更に、ワーク台12上のワーク13を設置する位置の隣にゴム板やスポンジ等、工具9の超音波振動によっては加工されない材質(合成樹脂等)からなる弾性材料を配置し、これと工具9との間に洗浄液を供給するように構成してもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0044】
即ち、請求項1に示す如く、工具を超音波により振動させて当該振動を砥粒に伝達させつつ昇降テーブルを昇降させることにより、工具の表面形状に倣った形状を、該昇降テーブル上に固定された被加工物に形成する超音波加工装置において、前記工具の少なくとも前記表面を洗浄液に浸けた状態で、前記工具を超音波により振動させつつ洗浄するための洗浄手段を備えることを特徴とする超音波加工装置とした。
従って、加工作業で工具に付着した切り粉や摩損した古い砥粒を、洗浄手段で洗浄することができ、次回の加工作業に悪影響を与えることを防止できる。特に、工具に砥粒液を保持させるように構成されている場合は、工具表面に付着した状態で保持され易い切り粉や古い砥粒を洗浄手段で洗浄することができ、次回の加工作業に悪影響を与えることを防止できる。また、次の加工の際には工具と被加工物との間に新しい砥粒が供給されることになるから、加工速度が向上され、加工時間を短縮できる。さらに、洗浄する際に工具を超音波振動させるので、いわゆる超音波洗浄が行われる格好となって、切り粉や古い砥粒を容易に短時間で除去することができる。
【0045】
請求項2に示す如く、請求項1に記載の超音波加工装置において、前記砥粒は、液体に分散された砥粒液の状態で工具の周囲に供給されるように構成し、かつ、前記洗浄液は、この砥粒液から砥粒を除いたものに相当する液体よりなることを特徴とする超音波加工装置とした。
従って、工具の周りに洗浄液が付着したまま加工作業を行っても、加工作業に悪影響を与える心配がない。従って、工具の周囲に付着した洗浄液を除去する必要がなく、そのまま加工作業を行える。
【0046】
請求項3に示す如く、請求項1に記載の超音波加工装置において、前記洗浄液は、研削液であることを特徴とする超音波加工装置とした。
従って、研削液は浸透性があるため、工具に保持されている加工による切り粉や砥粒を容易に除去することができる。
【0047】
請求項4に示す如く、請求項1から請求項3までのうちいずれか一項に記載の超音波加工装置において、前記昇降テーブルは、該昇降テーブルの位置を測定する位置測定手段をさらに備えるように構成し、かつ、この位置検出手段は、前記洗浄手段による前記工具の洗浄が終了する毎に、該工具と前記被加工物の接触位置を測定することを特徴とする超音波加工装置とした。
従って、工具に付着した切り粉や砥粒を洗浄して取り除いた後に、昇降テーブルにより工具と被加工物とを接触させて位置測定手段によりその位置を測定するから、工具と被加工物との間に切り粉や砥粒が挟まることを原因とする測定誤差の発生が防止される。従って、溝加工などの加工深さを精度良くコントロールできる。
【0048】
請求項5に示す如く、請求項1から請求項4までのうちいずれか一項に記載の超音波加工装置において、前記工具を、洗浄時には、加工時よりも、周波数が小さく、かつ、振幅が大きい条件で超音波により振動させることを特徴とする超音波加工装置とした。
従って、洗浄時において、超音波振動によるエネルギーが大きくなり、工具に付着した切り粉や砥粒を洗浄する洗浄効果を向上することができる。
【0049】
請求項6に示す如く、砥粒を液体に分散した砥粒液を昇降テーブルに固定された被加工物と工具の表面との間に供給し、工具を超音波により振動させつつ被加工物に押し付け、該工具と該被加工物との間にある砥粒で該被加工物を削ることにより工具の表面形状に倣った形状を形成する超音波加工方法において、形状の加工が終了する毎に、前記工具の少なくとも前記表面を洗浄液に浸けながら前記工具を超音波により振動させることで洗浄することを特徴とする超音波加工方法とした。
従って、加工作業で工具に付着した切り粉や摩損した古い砥粒を、洗浄手段で洗浄することができ、次回の加工作業に悪影響を与えることを防止できる。また、次の加工の際には工具と被加工物との間に新しい砥粒が供給されることになるから、加工速度が向上され、加工時間を短縮できる。さらに、洗浄する際に工具を超音波振動させるので、いわゆる超音波洗浄が行われる格好となって、切り粉や古い砥粒を容易に短時間で除去することができる。
【0050】
請求項7に示す如く、請求項6に記載の超音波加工方法において、前記洗浄液は、前記砥粒液から砥粒を除いたものに相当する液体よりなることを特徴とする超音波加工方法とした。
従って、工具の周りに洗浄液が付着したまま加工作業を行っても、加工作業に悪影響を与える心配がない。従って、工具の周囲に付着した洗浄液を除去する必要がなく、そのまま加工作業を行える。
【0051】
請求項8に示す如く、請求項6に記載の超音波加工方法において、前記洗浄液は、研削液であることを特徴とする超音波加工方法とした。
従って、研削液は浸透性があるため、工具に保持されている加工による切り粉や砥粒を容易に除去することができる。
【0052】
請求項9に示す如く、請求項6から請求項9までのうちいずれか一項に記載の超音波加工方法において、前記洗浄後に、前記工具と被加工物の接触位置を測定することを特徴とする超音波加工方法とした。
従って、工具に付着した切り粉や砥粒を洗浄して取り除いた後に、昇降テーブルにより工具と被加工物とを接触させて位置測定手段によりその位置を測定するから、工具と被加工物との間に切り粉や砥粒が挟まることを原因とする測定誤差の発生が防止される。従って、溝加工などの加工深さを精度良くコントロールできる。
【0053】
請求項10に示す如く、請求項6から請求項9までのうちいずれか一項に記載の超音波加工方法において、前記工具を、洗浄時には、加工時よりも、周波数が小さく、かつ、振幅が大きい条件で超音波により振動させることを特徴とする超音波加工方法とした。
従って、洗浄時において、超音波振動によるエネルギーが大きくなり、工具に付着した切り粉や砥粒を洗浄する洗浄効果を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る超音波穿孔装置の全体的な構成を示した側面図。
【図2】同じく正面図。
【図3】穿孔ヘッド部の側面図一部断面図。
【図4】同じく正面図。
【図5】同じく平面断面図。
【図6】昇降テーブルの側面断面図。
【図7】洗浄装置の側面断面図。
【符号の説明】
1 超音波穿孔装置(超音波加工装置)
9 工具
11 昇降テーブル
13 ワーク(被加工物)
33 変位センサ(位置測定手段)
51 洗浄装置(洗浄手段)
53 洗浄液
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波加工装置及び超音波加工方法の技術に関する。
詳細には、超音波加工装置に備えられる工具の表面を洗浄する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、砥粒が液体に分散された砥粒液を工具の周りに供給しつつ、砥粒液に含まれる砥粒に超音波振動を与えながら加工することとした超音波加工装置及び超音波加工方法の技術は公知となっている。
この超音波加工装置及び超音波加工方法は、加工効率を向上させるため、複数の被加工物に対して一つの工具により連続して超音波加工できるようにすべく、一つの被加工物に加工した後は、加工済みの被加工物を取り外すとともに新しい被加工物を装置にセットして、同じ工具で再び加工を開始できるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の超音波加工装置及び超音波加工方法は、たとえ継続的に砥粒液を流しながら加工を行う場合でも、加工の際に発生した切り粉や使用済み砥粒等の異物が工具の表面にある程度付着することが避けられない。特に、砥粒の無駄を防止するために、砥粒液を工具の表面上に滞留させながら加工させるような何らかの構成が採られているような場合は、工具表面に上記異物も滞留し易いことになる。
切り粉は加工に何ら貢献するものではなくむしろ悪影響を与えるものであり、また、加工に使用された後の砥粒は未使用の砥粒に比べ、形状が丸くなるために加工効率を悪化させるものである。従って、これらの異物を工具表面に付着させたまま次の加工を行うと、加工効率の低下あるいは不安定化の原因となる。
また、これらの異物が工具位置の測定誤差の原因となり、その結果、加工深さの精度を低下させてしまう問題もあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、工具を超音波により振動させて当該振動を砥粒に伝達させつつ昇降テーブルを昇降させることにより、工具の表面形状に倣った形状を、該昇降テーブル上に固定された被加工物に形成する超音波加工装置において、前記工具の少なくとも前記表面を洗浄液に浸けた状態で、前記工具を超音波により振動させつつ洗浄するための洗浄手段を備えることを特徴とする超音波加工装置としたものである。
【0006】
請求項2においては、請求項1に記載の超音波加工装置において、前記砥粒は、液体に分散された砥粒液の状態で工具の周囲に供給されるように構成し、かつ、前記洗浄液は、この砥粒液から砥粒を除いたものに相当する液体よりなることを特徴とする超音波加工装置としたものである。
【0007】
請求項3においては、請求項1に記載の超音波加工装置において、前記洗浄液は、研削液であることを特徴とする超音波加工装置としたものである。
【0008】
請求項4においては、請求項1から請求項3までのうちいずれか一項に記載の超音波加工装置において、前記昇降テーブルは、該昇降テーブルの位置を測定する位置測定手段をさらに備えるように構成し、かつ、この位置検出手段は、前記洗浄手段による前記工具の洗浄が終了する毎に、該工具と前記被加工物の接触位置を測定することを特徴とする超音波加工装置としたものである。
【0009】
請求項5においては、請求項1から請求項4までのうちいずれか一項に記載の超音波加工装置において、前記工具を、洗浄時には、加工時よりも、周波数が小さく、かつ、振幅が大きい条件で超音波により振動させることを特徴とする超音波加工装置としたものである。
【0010】
請求項6においては、砥粒を液体に分散した砥粒液を昇降テーブルに固定された被加工物と工具の表面との間に供給し、工具を超音波により振動させつつ被加工物に押し付け、該工具と該被加工物との間にある砥粒で該被加工物を削ることにより工具の表面形状に倣った形状を形成する超音波加工方法において、形状の加工が終了する毎に、前記工具の少なくとも前記表面を洗浄液に浸けながら前記工具を超音波により振動させることで洗浄することを特徴とする超音波加工方法としたものである。
【0011】
請求項7においては、請求項6に記載の超音波加工方法において、前記洗浄液は、前記砥粒液から砥粒を除いたものに相当する液体よりなることを特徴とする超音波加工方法としたものである。
【0012】
請求項8においては、請求項6に記載の超音波加工方法において、前記洗浄液は、研削液であることを特徴とする超音波加工方法としたものである。
【0013】
請求項9においては、請求項6から請求項9までのうちいずれか一項に記載の超音波加工方法において、前記洗浄後に、前記工具と被加工物の接触位置を測定することを特徴とする超音波加工方法としたものである。
【0014】
請求項10においては、請求項6から請求項9までのうちいずれか一項に記載の超音波加工方法において、前記工具を、洗浄時には、加工時よりも、周波数が小さく、かつ、振幅が大きい条件で超音波により振動させることを特徴とする超音波加工方法としたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を、添付の図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
〔装置全体の概略構成〕
本発明の一実施形態としての超音波穿孔装置(超音波加工装置)の全体側面図が図1に、全体正面図が図2に、それぞれ示される。この図1,図2に示すように、この超音波穿孔装置1は、床上に設置される基台2の上にコラム3を立設し、このコラム3に穿孔ヘッド部4を支持する構成となっている。
【0017】
コラム3にはネジ軸5が上下方向に配置され、回転自在に支持されている。このネジ軸5に昇降体6が螺着されて、ネジ軸5と昇降体6とにより公知のボールネジ機構が構成されている。このネジ軸5には、コラム3上に設置されたモータ7のモータ軸が連結されている。この構成においてモータ7を正逆方向に回転駆動することで、昇降体6の上下位置を変更することができる。
コラム3には更にリニアガイドが上下方向に配設されて(図略)、このリニアガイドに沿って上下変位可能に、連結体8が備えられている。この連結体8に前記昇降体6が連結されることで、連結体8(ひいては、この連結体8に備えられる穿孔ヘッド部4)を上下方向(Z方向)に移動させることができる。
【0018】
連結体8には穿孔ヘッド部4が上下摺動自在に支持される。穿孔ヘッド部4には穿孔を行うための工具9が取り付けられるとともに、この工具9に超音波振動を与えるための機構が備えられている。
【0019】
基台2上には水平方向(XY方向)に移動可能な移動テーブル10が設置され、この移動テーブル10の上に、図2に示すように、昇降テーブル11、カメラ部41、研磨装置42、洗浄装置51の四者が並べて配置される。
昇降テーブル11上面の前記工具9に対向し得る位置には、被加工物としてのワーク13が固定可能とされる。このワーク13としては種々のものが考えられるが、本実施形態は、インクジェットプリンタ等のインクジェットヘッドに圧電式アクチュエータとして使用される、圧電セラミック材料(PZT)を加工する場合を示している。
ここで、カメラ部41は、後述する工具9の向きの調整作業を容易とするために、工具9を下方から撮影するためのものである。また、研磨装置42は、連続加工によってホーン23の後述する工具取付面23aが砥粒で摩滅したときに、それを研磨するためのものである。
【0020】
装置全体を覆うように基台2上にはカバー43が設置されて、穿孔作業時に発生する切り粉や後述する砥粒液が周囲に飛散しないように配慮されている。装置の正面には開閉可能な両開き式の扉44が設けられ(図1)、ワーク13の交換作業などの必要に応じて扉44を開いてカバー43内部にアクセスできるようになっている。
【0021】
〔穿孔ヘッド部の構成〕
穿孔ヘッド部4の構成について、側面図である図3、正面図である図4、および平面断面図である図5を主に参照しながら具体的に説明する。
この穿孔ヘッド部4は、前記連結体8に支持される基部フレーム14に、前記工具9を支持するための工具フレーム17を上下摺動自在に連結した構成となっている。基部フレーム14には支軸15が水平に架設され、この支軸15に、前後方向に細長いバランス体16の中央部が枢支されて揺動自在とされている。
基部フレーム14上にはエアシリンダ18が設置され(図3,図4)、このシリンダロッド19が下方に延出して、前記バランス体16の一端に連結されている。そして、バランス体16の前記シリンダロッド19が連結された一端に、前記工具フレーム17が連結されている。基部フレーム14には変位センサ20が設けられ、工具フレーム17の基部フレーム14に対する相対変位を検出できるように構成されている。
【0022】
図3に示すように、工具フレーム17の下端には環状のホーン支持部21が軸受22を介して旋回可能に設けられ、このホーン支持部21にホーン23が固定される。ホーン23は上下方向に細長く形成され、その上部には超音波振動子24が固着されるとともに、ホーン23の下端には平坦な工具取付面23aが形成され、この工具取付面23aに対して前記工具9が脱着可能に取り付けられる。
なお、基部フレーム14や工具フレーム17を覆うようにU字状または箱状のカバー45が設けられて、内部の超音波振動子24等を保護できるようになっている。
【0023】
図5の平面図に示すように、ホーン支持部21には側方に向けて突起25が設けられて、この突起25の一側に、付勢体26が工具フレーム17に設けられている。付勢体26は付勢バネ28の弾発作用により、突起25を一側に向けて常時押動するように構成されている。一方、付勢体26に突起25を挟んで対向する位置に、ツマミを有する角度微調整ネジ27が工具フレーム17に取り付けられる。
この構成において、角度微調整ネジ27のツマミを一方向に回転させると、その先端が突起25を前記付勢体26に抗して押すので、ホーン支持部21が図5の反時計回り方向に旋回される。一方、ツマミを逆方向に回転させた場合は、ネジ27の先端が後退して、前記付勢体26が突起25を押すので、ホーン支持部21は図5の時計回り方向に旋回される。従って、ネジ27を適宜回転させることで、ホーン支持部21の角度(即ち、ホーン23に取り付けられた工具9の水平面内における向き)を微調整することができる。
なお、ヘッド前面には固定ネジ36が設けられており(図3・図4)、前述の微調整作業が終了した後はこの固定ネジ36を回転させて締め付けることで、ホーン支持部21が不用意に旋回しないよう固定できるようになっている。
【0024】
〔昇降テーブルの構成〕
ワーク13を固定するための昇降テーブル11の構成を、図6の側面図を参照して説明する。
この昇降テーブル11は、移動テーブル10の上に立設固定された基部フレーム29と、この基部フレーム29に図示せぬリニアガイドを介して昇降自在に設けられた昇降フレーム31と、を有している。
【0025】
前記基部フレーム29にはリフトシリンダ30が取り付けられ、このシリンダロッド32が上方に延出して、その先端が前記昇降フレーム31に連結されている。
リフトシリンダ30はエアシリンダ式に構成されており、圧縮空気を供給/ドレンすることで、昇降フレーム31の上下位置を変更することができる。基部フレーム29には変位センサ(位置測定手段)33が設置されて、昇降フレーム31の上下位置を測定できるようになっている。
また、内部のリフトシリンダ30や変位センサ33を保護すべく、箱状のカバー46が昇降フレーム31に設けられる。
【0026】
昇降フレーム31の上部は水平に構成され、この上に、ワーク13を取り付けるためのワーク台12が設置される。また、ワーク台12の脇の位置において、昇降フレーム31上にクランプ機構34が設けられている。このクランプ機構34はエアシリンダで構成されており、ワーク台12上にワーク13を載置した状態でエアシリンダを作動させると、伸張するシリンダロッド35がワーク13を水平方向へ押圧し、ワーク台12に設けられたガイド部に突き当てた状態で固定するようになっている。
【0027】
この超音波穿孔装置1は図示せぬ砥粒液溜めを備えており、この砥粒液溜めには、砥粒(例えば、粒径4〜6μm程度のSiC)を分散させた液体が注入されている。砥粒液溜めに接続させて、パイプや可撓性のホースや管継手などからなる砥粒液循環経路が形成され、この経路が、前記昇降テーブル11近傍に設けた中継パイプ47(図1,図2,図6に図示)に接続されている。この中継パイプ47には供給孔48が形成されるとともに、更に該供給孔48の近傍位置において、案内棒49が下向きに突設されている。案内棒49は湾曲状に構成されて斜め方向に向きを変え、その先端が、昇降テーブル11上のワーク台12の直上方に位置している。
この構成で、砥粒液溜めに設置された図略のポンプを駆動させると、砥粒液は中継パイプ47内に送られ、その一部が供給孔48を介して外部に漏出する。中継パイプ47の外面に漏れ出た砥粒液は案内棒49を伝ってワーク台12上に落下し、工具9による加工に用いられる。
【0028】
〔穿孔作業の様子の説明〕
以上に示した構成において、実際に工具9を超音波振動させてワーク13に穿孔する作業を説明する。
まず、ワーク13を前記クランプ機構34によりワーク台12上に固定したのち、前記移動テーブル10をXY方向に移動させるとともに、前記モータ7を駆動して穿孔ヘッド部4を下降させ、図6の鎖線で示すように、前記工具9がワーク13のすぐ上に僅かな隙間をおいて位置するようにする。
【0029】
そして、変位センサ33で昇降フレーム31の位置を常時測定しながら、リフトシリンダ30に圧縮空気を供給して、シリンダロッド32を徐々に伸張させて昇降フレーム31を上方向へ移動させ、ワーク13を上昇させる。そして、ワーク13の上面が工具9に接触したときの昇降フレーム31の位置を、装置1を制御するコントローラの適宜の記憶手段にゼロ位置として記憶しておく(変位センサ33をゼロリセットする)。
具体的には、昇降フレーム31の上昇が前記変位センサ33により検知されなくなった時点からも、前述のリフトシリンダ30に対し圧縮空気をやや余分に供給して、それでも昇降フレーム31の上昇が検知されないことを確認して、初めてその位置をゼロ位置として認定する。こうすることで、工具9とワーク13とが確実に接触した時点を正確に測定でき、測定誤差を減少させることができる。
【0030】
そして、穿孔ヘッド部4の超音波振動子24を駆動し、ホーン23を介して上下方向の超音波振動を工具9に付与しながら、リフトシリンダ30に圧縮空気を供給してワーク13を上昇させ、工具9に対し押し付ける。また、前記砥粒液循環経路のポンプが駆動されることにより、中継パイプ47から案内棒49を経由して砥粒液が工具9の周囲に供給される。
これによりワーク13は、工具9との間にある砥粒によって削られてゆき、工具9に倣った形状の溝や孔等がワーク13の上面に形成される。
【0031】
以上に説明した加工作業の際に工具9に与える超音波振動は、その振幅が小さいもの(例えば振動数20kHz,振幅10μm以下)となるよう、前記超音波振動子24の駆動条件や前記ホーン23の形状が適宜定められている。これにより、砥粒液が工具9の振動によって飛散されずに工具9の表面に保持される形となるので、ワーク13と工具9との間の界面に到達して切削に貢献する砥粒の割合も増大し、加工効率を向上できる構成となっている。
【0032】
なお、前述した穿孔ヘッド部4のエアシリンダ18(図3)は、工具フレーム17の変位を変位センサ20で測定しながら必要に応じて圧縮空気の給排を行って、工具フレーム17を支持する力を調節している。これにより、穿孔作業中にワーク13に対し過大な力で工具9が押し付けられることが防止されるので、本実施形態の圧電セラミックのような脆性材料のワーク13を加工する場合でも、ワーク13の破損が十分に回避される構成となっている。
【0033】
工具9によりワーク13に穿孔を行っている間も、前記昇降フレーム31の位置が変位センサ33(図6)によって常時測定されている。そして昇降フレーム31が、前記ゼロ位置から所定の距離だけ上昇した時点で、リフトシリンダ30への圧縮空気の供給が停止され、ワーク13の上昇が停止される。この結果、前記ワーク13には、正確に当該距離だけの深さの孔あるいは溝を形成することができる。
【0034】
〔洗浄装置の構成〕
次に、工具9を洗浄するための洗浄装置51を説明する。
図7に示すように、洗浄装置51はタンク52を備えており、このタンク52の中に洗浄液53が注入されている。
洗浄液53は、砥粒液から砥粒を除いたものに相当する液体であることが望ましい。例えば、前述の砥粒液が研削液に砥粒を分散させたものであるときは、洗浄液53は研削液とするとよい。これは、研削液は、通常、切り粉等の除去効果を高めるために界面活性剤が含まれているので、十分な洗浄力を有するからである。
このようにすれば、洗浄作業後にそのまま新しいワーク13に対する加工作業に入ることができる。即ち、洗浄作業後に工具9の表面に洗浄液が残った状態でその周囲に砥粒を流しながら加工を行った場合、砥粒液に洗浄液が混じることになるが、それでも砥粒液の品質に悪影響を与えることにはならない。従って、洗浄作業後の洗浄液除去工程を省略でき、一つのワーク13あたりの作業時間を短縮できることになる。
前述の砥粒液が水に砥粒を分散させたものであるときは、洗浄液53は、それに対応させて、水とすることもできる。ただし、洗浄液53を研削液とする方が、その浸透性により切り粉や古い砥粒の除去効果を向上できる点で望ましい。
【0035】
前述の洗浄液53は、オペレータの手作業でタンク52に注入する(または入れ替える)構成であってもよいし、あるいは適宜のポンプ等を備えて、自動制御によりタンク52に注入する(または入れ替える)構成であってもよい。
【0036】
この構成における、工具9の洗浄装置51による洗浄作業を説明する。
一つのワーク13について前述の穿孔作業が終了した後は、前記モータ7を駆動して穿孔ヘッド部4を上昇させ、前記工具9を加工済みのワーク13から離す。そして、前記移動テーブル10をXY方向に移動させ、タンク52が工具9の直下方に位置する状態とする。その上で、前記モータ7を駆動して穿孔ヘッド部4を下降させることで、図7に示すように、工具9のワーク13に対向する表面をタンク52内の洗浄液53に浸けることができる。
なお、図7では工具9のワーク13に対向する表面のみが洗浄液53に浸漬された状態を示しているが、更に穿孔ヘッド部4を下降させて、ホーン23の一部(工具取付面23a)をも洗浄液53に浸漬させることとしても良い。この場合は、当該工具取付面23aに付着した切り粉や古い砥粒をも容易に除去できることになる。
【0037】
この状態で超音波振動子24を駆動し、洗浄液53に浸けられた工具9を超音波振動させると、洗浄液53に無数の泡(キャビティ)が発生し、この泡が潰れるときに、工具9表面に付着している切り粉や使用済み砥粒を分離して落とすことができる。即ち、公知の超音波洗浄が行われて、工具9表面の異物を短時間で容易かつ効果的に除去することができる。
ここで、洗浄時の超音波振動は、加工時の超音波振動に比べて、周波数を小さくするか、或いは振幅を大きくするか、少なくともいずれか一方の条件の下で行うことが望ましい。これは、振幅が大きいほど、また同一振幅であっても周波数が小さいほど、振動エネルギーが大きくなって、洗浄効果を向上させることができるからである。
【0038】
なお、上述した工具9の超音波洗浄がされている間に、それと並行して、ワーク台12上にある加工済みのワーク13を取り外し、新しいワーク13を取り付けることとすると、作業のサイクルタイムを短縮できることとなって望ましい。
【0039】
工具9の洗浄作業の終了後は、いったん穿孔ヘッド部4を上昇させて、タンク52中の洗浄液53から工具9を引き上げる。その後、前記移動テーブル10をXY方向に移動させるとともに、前記モータ7を駆動して穿孔ヘッド部4を下降させ、工具9と新しいワーク13とを接触させて、前記変位センサ33について前述のゼロリセット作業を行う。
このとき、洗浄後の工具9は切り粉や使用済み砥粒が落とされているから、工具9とワーク13との間に砥粒が挟まった状態でゼロリセットすることもなくなる。従って、工具9の深さゼロの位置を前記変位センサ33により高い精度で正確に測定することができ、その後の加工において加工深さを正確に制御することができる。
【0040】
ゼロリセット作業が済んだ後は、前述の案内棒49から工具9の周囲に砥粒液を供給しながら、新しいワーク13に対し超音波加工を行うことになる。このとき、工具9の表面の異物は洗浄によって除去されており、工具9の周囲には新鮮な砥粒のみが存在することとなるから、その加工効率は向上され安定化される。また、加工の仕上がり形状も良好である。
【0041】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいてさまざまな設計変更が可能なものである。
【0042】
例えば、前記実施の形態においては、洗浄装置51は、移動テーブル10の上に設けられているが、それに限られない。即ち、洗浄装置51または工具9のいずれか一方がXY方向に移動可能な構成であれば、洗浄装置51を移動テーブル10以外に設けてもよい。
また、本発明の洗浄手段は、前記実施の形態のように昇降テーブル11と別体とする必要はなく、昇降テーブル11におけるワーク台12に隣接して設けてもよい。
更に、ワーク台12上のワーク13を設置する位置の隣にゴム板やスポンジ等、工具9の超音波振動によっては加工されない材質(合成樹脂等)からなる弾性材料を配置し、これと工具9との間に洗浄液を供給するように構成してもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0044】
即ち、請求項1に示す如く、工具を超音波により振動させて当該振動を砥粒に伝達させつつ昇降テーブルを昇降させることにより、工具の表面形状に倣った形状を、該昇降テーブル上に固定された被加工物に形成する超音波加工装置において、前記工具の少なくとも前記表面を洗浄液に浸けた状態で、前記工具を超音波により振動させつつ洗浄するための洗浄手段を備えることを特徴とする超音波加工装置とした。
従って、加工作業で工具に付着した切り粉や摩損した古い砥粒を、洗浄手段で洗浄することができ、次回の加工作業に悪影響を与えることを防止できる。特に、工具に砥粒液を保持させるように構成されている場合は、工具表面に付着した状態で保持され易い切り粉や古い砥粒を洗浄手段で洗浄することができ、次回の加工作業に悪影響を与えることを防止できる。また、次の加工の際には工具と被加工物との間に新しい砥粒が供給されることになるから、加工速度が向上され、加工時間を短縮できる。さらに、洗浄する際に工具を超音波振動させるので、いわゆる超音波洗浄が行われる格好となって、切り粉や古い砥粒を容易に短時間で除去することができる。
【0045】
請求項2に示す如く、請求項1に記載の超音波加工装置において、前記砥粒は、液体に分散された砥粒液の状態で工具の周囲に供給されるように構成し、かつ、前記洗浄液は、この砥粒液から砥粒を除いたものに相当する液体よりなることを特徴とする超音波加工装置とした。
従って、工具の周りに洗浄液が付着したまま加工作業を行っても、加工作業に悪影響を与える心配がない。従って、工具の周囲に付着した洗浄液を除去する必要がなく、そのまま加工作業を行える。
【0046】
請求項3に示す如く、請求項1に記載の超音波加工装置において、前記洗浄液は、研削液であることを特徴とする超音波加工装置とした。
従って、研削液は浸透性があるため、工具に保持されている加工による切り粉や砥粒を容易に除去することができる。
【0047】
請求項4に示す如く、請求項1から請求項3までのうちいずれか一項に記載の超音波加工装置において、前記昇降テーブルは、該昇降テーブルの位置を測定する位置測定手段をさらに備えるように構成し、かつ、この位置検出手段は、前記洗浄手段による前記工具の洗浄が終了する毎に、該工具と前記被加工物の接触位置を測定することを特徴とする超音波加工装置とした。
従って、工具に付着した切り粉や砥粒を洗浄して取り除いた後に、昇降テーブルにより工具と被加工物とを接触させて位置測定手段によりその位置を測定するから、工具と被加工物との間に切り粉や砥粒が挟まることを原因とする測定誤差の発生が防止される。従って、溝加工などの加工深さを精度良くコントロールできる。
【0048】
請求項5に示す如く、請求項1から請求項4までのうちいずれか一項に記載の超音波加工装置において、前記工具を、洗浄時には、加工時よりも、周波数が小さく、かつ、振幅が大きい条件で超音波により振動させることを特徴とする超音波加工装置とした。
従って、洗浄時において、超音波振動によるエネルギーが大きくなり、工具に付着した切り粉や砥粒を洗浄する洗浄効果を向上することができる。
【0049】
請求項6に示す如く、砥粒を液体に分散した砥粒液を昇降テーブルに固定された被加工物と工具の表面との間に供給し、工具を超音波により振動させつつ被加工物に押し付け、該工具と該被加工物との間にある砥粒で該被加工物を削ることにより工具の表面形状に倣った形状を形成する超音波加工方法において、形状の加工が終了する毎に、前記工具の少なくとも前記表面を洗浄液に浸けながら前記工具を超音波により振動させることで洗浄することを特徴とする超音波加工方法とした。
従って、加工作業で工具に付着した切り粉や摩損した古い砥粒を、洗浄手段で洗浄することができ、次回の加工作業に悪影響を与えることを防止できる。また、次の加工の際には工具と被加工物との間に新しい砥粒が供給されることになるから、加工速度が向上され、加工時間を短縮できる。さらに、洗浄する際に工具を超音波振動させるので、いわゆる超音波洗浄が行われる格好となって、切り粉や古い砥粒を容易に短時間で除去することができる。
【0050】
請求項7に示す如く、請求項6に記載の超音波加工方法において、前記洗浄液は、前記砥粒液から砥粒を除いたものに相当する液体よりなることを特徴とする超音波加工方法とした。
従って、工具の周りに洗浄液が付着したまま加工作業を行っても、加工作業に悪影響を与える心配がない。従って、工具の周囲に付着した洗浄液を除去する必要がなく、そのまま加工作業を行える。
【0051】
請求項8に示す如く、請求項6に記載の超音波加工方法において、前記洗浄液は、研削液であることを特徴とする超音波加工方法とした。
従って、研削液は浸透性があるため、工具に保持されている加工による切り粉や砥粒を容易に除去することができる。
【0052】
請求項9に示す如く、請求項6から請求項9までのうちいずれか一項に記載の超音波加工方法において、前記洗浄後に、前記工具と被加工物の接触位置を測定することを特徴とする超音波加工方法とした。
従って、工具に付着した切り粉や砥粒を洗浄して取り除いた後に、昇降テーブルにより工具と被加工物とを接触させて位置測定手段によりその位置を測定するから、工具と被加工物との間に切り粉や砥粒が挟まることを原因とする測定誤差の発生が防止される。従って、溝加工などの加工深さを精度良くコントロールできる。
【0053】
請求項10に示す如く、請求項6から請求項9までのうちいずれか一項に記載の超音波加工方法において、前記工具を、洗浄時には、加工時よりも、周波数が小さく、かつ、振幅が大きい条件で超音波により振動させることを特徴とする超音波加工方法とした。
従って、洗浄時において、超音波振動によるエネルギーが大きくなり、工具に付着した切り粉や砥粒を洗浄する洗浄効果を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る超音波穿孔装置の全体的な構成を示した側面図。
【図2】同じく正面図。
【図3】穿孔ヘッド部の側面図一部断面図。
【図4】同じく正面図。
【図5】同じく平面断面図。
【図6】昇降テーブルの側面断面図。
【図7】洗浄装置の側面断面図。
【符号の説明】
1 超音波穿孔装置(超音波加工装置)
9 工具
11 昇降テーブル
13 ワーク(被加工物)
33 変位センサ(位置測定手段)
51 洗浄装置(洗浄手段)
53 洗浄液
Claims (10)
- 工具を超音波により振動させて当該振動を砥粒に伝達させつつ昇降テーブルを昇降させることにより、工具の表面形状に倣った形状を、該昇降テーブル上に固定された被加工物に形成する超音波加工装置において、
前記工具の少なくとも前記表面を洗浄液に浸けた状態で、前記工具を超音波により振動させつつ洗浄するための洗浄手段を備えることを特徴とする超音波加工装置。 - 前記砥粒は、液体に分散された砥粒液の状態で工具の周囲に供給されるように構成し、かつ、前記洗浄液は、この砥粒液から砥粒を除いたものに相当する液体よりなることを特徴とする請求項1に記載の超音波加工装置。
- 前記洗浄液は、研削液であることを特徴とする請求項1に記載の超音波加工装置。
- 前記昇降テーブルは、該昇降テーブルの位置を測定する位置測定手段をさらに備えるように構成し、かつ、この位置検出手段は、前記洗浄手段による前記工具の洗浄が終了する毎に、該工具と前記被加工物の接触位置を測定することを特徴とする請求項1から請求項3までのうちいずれか一項に記載の超音波加工装置。
- 前記工具を、洗浄時には、加工時よりも、周波数が小さく、かつ、振幅が大きい条件で超音波により振動させることを特徴とする請求項1から請求項4までのうちいずれか一項に記載の超音波加工装置。
- 砥粒を液体に分散した砥粒液を昇降テーブルに固定された被加工物と工具の表面との間に供給し、工具を超音波により振動させつつ被加工物に押し付け、該工具と該被加工物との間にある砥粒で該被加工物を削ることにより工具の表面形状に倣った形状を形成する超音波加工方法において、
形状の加工が終了する毎に、前記工具の少なくとも前記表面を洗浄液に浸けながら前記工具を超音波により振動させることで洗浄することを特徴とする超音波加工方法。 - 前記洗浄液は、前記砥粒液から砥粒を除いたものに相当する液体よりなることを特徴とする請求項6に記載の超音波加工方法。
- 前記洗浄液は、研削液であることを特徴とする請求項6に記載の超音波加工方法。
- 前記洗浄後に、前記工具と被加工物の接触位置を測定することを特徴とする請求項6から請求項9までのうちいずれか一項に記載の超音波加工方法。
- 前記工具を、洗浄時には、加工時よりも、周波数が小さく、かつ、振幅が大きい条件で超音波により振動させることを特徴とする請求項6から請求項9までのうちいずれか一項に記載の超音波加工方法。
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CN110026832A (zh) * | 2019-05-16 | 2019-07-19 | 江西宇瀚智慧装备科技有限公司 | 一种流体扫光机 |
-
2002
- 2002-05-31 JP JP2002159745A patent/JP2004001127A/ja active Pending
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