JP4157576B2 - エンジン制御装置 - Google Patents

エンジン制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4157576B2
JP4157576B2 JP2006258942A JP2006258942A JP4157576B2 JP 4157576 B2 JP4157576 B2 JP 4157576B2 JP 2006258942 A JP2006258942 A JP 2006258942A JP 2006258942 A JP2006258942 A JP 2006258942A JP 4157576 B2 JP4157576 B2 JP 4157576B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
abnormality
voltage
exhaust gas
negative
circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006258942A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008075627A5 (ja
JP2008075627A (ja
Inventor
雄二 圖子
徹 田仲
道久 横野
章浩 福井
裕介 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2006258942A priority Critical patent/JP4157576B2/ja
Priority to US11/797,572 priority patent/US7415343B2/en
Priority to DE102007023689A priority patent/DE102007023689B4/de
Priority to CN200710126439A priority patent/CN100587247C/zh
Publication of JP2008075627A publication Critical patent/JP2008075627A/ja
Publication of JP2008075627A5 publication Critical patent/JP2008075627A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4157576B2 publication Critical patent/JP4157576B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/14Introducing closed-loop corrections
    • F02D41/1438Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor
    • F02D41/1444Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor characterised by the characteristics of the combustion gases
    • F02D41/1454Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor characterised by the characteristics of the combustion gases the characteristics being an oxygen content or concentration or the air-fuel ratio
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/22Safety or indicating devices for abnormal conditions
    • F02D41/222Safety or indicating devices for abnormal conditions relating to the failure of sensors or parameter detection devices
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R31/00Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
    • G01R31/28Testing of electronic circuits, e.g. by signal tracer
    • G01R31/282Testing of electronic circuits specially adapted for particular applications not provided for elsewhere
    • G01R31/2829Testing of circuits in sensor or actuator systems
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R31/00Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
    • G01R31/50Testing of electric apparatus, lines, cables or components for short-circuits, continuity, leakage current or incorrect line connections
    • G01R31/52Testing for short-circuits, leakage current or ground faults
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01NGAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; GAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINES
    • F01N2560/00Exhaust systems with means for detecting or measuring exhaust gas components or characteristics
    • F01N2560/02Exhaust systems with means for detecting or measuring exhaust gas components or characteristics the means being an exhaust gas sensor
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R31/00Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
    • G01R31/005Testing of electric installations on transport means
    • G01R31/006Testing of electric installations on transport means on road vehicles, e.g. automobiles or trucks
    • G01R31/007Testing of electric installations on transport means on road vehicles, e.g. automobiles or trucks using microprocessors or computers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Description

この発明は、内燃機関の空燃比をフィードバック制御するエンジン制御装置に関し、特にエンジン制御装置に内蔵して使用され、空燃比を検出するために外部接続された排気ガスセンサの故障や配線異常を検出して異常報知するための異常診断装置の改良に関するものである。
内燃機関の空燃比をフィードバック制御するために俗称でラムダ型と呼ばれる排気ガス
センサが広く実用されており、このラムダ型排気ガスセンサは例えば排気管路に設けられた触媒の前後に設置されて、排気ガス中の酸素濃度に応じた検出電圧Vsを発生する。
この検出電圧Vsは運転目標となる理論空燃比においては約0.45Vであるが、燃料
リッチの状態では急速に電圧上昇して0.85〜1.0Vの値に収束し、燃料リーンの状態では
急速に電圧降下して0.1〜0Vに収束する特性を有している。
ただし、この排気ガスセンサの低温・非活性状態における検出電圧は小さく、内部抵抗も活性温度状態では数十KΩであるのに対して数MΩのレベルに達するのが一般的である。
このような排気ガスセンサの故障や配線異常を検出するために様々な技術が提案されて
実用されている。
例えば特許文献1「ラムダセンサ用接続回路と同回路の検査方法」によれば、空燃比を
検出するラムダセンサのアース線(負線)にオフセット電圧を印加しておいて、ラムダセンサの正の信号線と負線との間に発生する検出電圧を増幅し、前記オフセット電圧を加算した値をデジタル変換してからマイクロプロセッサに入力するようになっていて、もしもマイクロプロセッサに入力された検出電圧が上記オフセット電圧未満の値であれば正の信号線がグランド回路に対して短絡接触した地絡状態であると判定するようになっている。また、正の信号線にプルダウン抵抗を接続しておくことによって、信号線の断線異常時は地絡異常として検出されるようになっている。
また、特許文献2「空燃比センサの故障診断装置および故障診断法」によれば、空燃比
センサの負線にオフセット電圧を印加しておいて、空燃比センサの正の信号線のグランド回路に対する電位をデジタル変換してからマイクロプロセッサに入力するようになっていて、もしもマイクロプロセッサに入力された検出電圧が上記オフセット電圧未満の値であれば正の信号線がグランド回路に対して短絡接触した地絡状態であると判定するようになっている。
また、正の信号線にプルダウン抵抗を接続しておくと共に、プルアップ抵抗を一時的に接続してみることによって地絡異常であるか、断線異常であるかを識別することができるようになっている。
特開平05-107299号公報(図3、図4 段落0010〜0011) 特開2005-171898号公報(図4、段落0023)
(1)従来技術の課題の説明
前記特許文献1や特許文献2によれば、排気ガスセンサの負線にオフセット電圧を印加しておくことにより、排気ガスセンサ及びその配線が正常であれば正の信号線の電位は前記オフセット電圧以下になることはないという論理で正の信号線に関する異常判定がなされている。
しかし、オフセット電圧が印加されているグランド線(負線)の地絡異常や電源線に対して混触する天絡異常の検出が行なわれておらず、総合的に異常判定が行なえない欠点がある。
(2)発明の目的の説明
この発明の第一の目的は、複数の排気ガスセンサが外部接続され、負端子配線にオフセット電圧を印加するようにしたエンジン制御装置において、各排気ガスセンサの故障や入力配線の異常の有無を常時点検して、多様な異常モードを見落とさないで検出することができるエンジン制御装置を提供することである。
この発明の第二の目的は、オフセット電圧が印加された負端子配線がグランド回路と混
触する地絡異常が発生した場合に、他の異常が重複発生していなければ排気ガスの検出
とフィードバック制御の正常動作が継続できるようにしたエンジン制御装置を提供する
ことである。
この発明によるエンジン電子制御装置は、内燃機関の運転状態を監視する各種入力センサの動作状態と、プログラムメモリに格納された制御プログラムの内容とに応動して、前記内燃機関の運転駆動用の各種電気負荷を駆動制御するマイクロプロセッサを備えている。前記各種入力センサは複数個の排気ガスセンサを包含し、当該排気ガスセンサは一対の正端子と負端子間に接続された等価電圧源と等価内部抵抗を有し、所定の活性化温度において理論空燃比を境とし前記等価電圧源の発生電圧Vsが最小値V0から最大値Vmとの間で変化するものである。
前記複数の排気ガスセンサの各負端子にはオフセット電圧発生回路が発生する所定のオフセット電圧V1が印加され、当該負端子とグランド回路間の電圧である負端子電位は多チャンネルAD変換器を介してデジタル変換されて、前記マイクロプロセッサを介して演算処理用のRAMメモリに格納されるようになっている。
前記複数の排気ガスセンサの各正端子にはグランド回路に接続される高抵抗のプルダウン抵抗と、電源回路に接続される高抵抗のプルアップ抵抗の少なくとも一方、又は所定のバイアス電位を付与する高抵抗のバイアス抵抗が接続され、当該正端子とグランド回路間の電圧である正端子電位は多チャンネルAD変換器を介してそれぞれ個別にデジタル変換されて、前記マイクロプロセッサを介して演算処理用の前記RAMメモリに格納されるようになっている。
前記プログラムメモリは少なくとも第一・第二の異常診断手段となるプログラムと正端異常判定回避手段となるプログラムを包含している。
前記第一の異常診断手段は前記負端子電位のデジタル変換値D1が前記オフセット電圧V1に比例した値を基準にして、過大又は過小であることによって負端子配線が電源線と混触した天絡異常又は負端子配線がグランド線と混触した地絡異常であると判定する手段となっている。
前記第二の異常診断手段は前記正端子電位のデジタル変換値D2が前記オフセット電圧V1と最大検出電圧Vmとの加算値V1+Vmに比例した値を基準にして過大であるか、又は前記オフセット電圧V1に比例した値を基準として過小であることによって正端子配線が電源線と混触した天絡異常又は正端子配線がグランド線と混触した地絡異常であると判定し、断線異常が発生すると前記地絡異常又は天絡異常として判定する手段となっている。
前記マイクロプロセッサは前記正端子電位のデジタル変換値D2と負端子電位のデジタル変換値D1との差分演算によって前記排気ガスセンサの発生電圧Vsに比例したデジタル変換値を得ると共に、前記第一・第二の異常診断手段による診断結果に応動した異常報
知を行なうものとなっている。
前記正端異常判定回避手段は前記第一の異常診断手段が少なくとも負端子配線の地絡異常を検出しているときには、前記第二の異常診断手段による正端子配線の地絡異常判定を行なわないようにして、前記マイクロプロセッサの差分演算を有効とみなす手段となっている。
この発明によるエンジン制御装置によれば、排気ガスセンサの正端子側の配線と負端子側の配線の異常を個別に判定することによって、天絡・地絡・断線異常の有無を確実に判定することができると共に、負端子配線の地絡異常が発生しても、他の異常が重複発生しなければ正常運転を持続することができ、この状態を異常報知して保守点検を促すことによって障害発生予知を行なうことができる効果がある。
発明の実施の形態1.
(1)構成の詳細な説明
以下、この発明の第1実施例装置の回路ブロック図を示す図1について説明する。図1において、エンジン制御装置100Aの正側給電端子と負側給電端子間には車載バッテリ101が電源リレーの出力接点102を介して接続されている。
出力接点102は図示しない電源スイッチが閉路されると直ちに閉路するが、電源スイッチを開路しても所定の遅延時間はエンジン制御装置100Aへの給電が持続するような遅延復帰動作を行うようになっている。
エンジン制御装置100Aの外部には、複数の排気ガスセンサ103a〜103dが設置され、各排気ガスセンサの正端子は正配線104a〜104dによってエンジン制御装置100Aに接続され、各排気ガスセンサの負端子は負配線105a〜105dによってエンジン制御装置100Aに接続されている。
後述のマイクロプロセッサ110に対して図示しないインタフェース回路を介して入力される各種入力センサ106は、例えばエンジンの吸気量を測定するエアフローセンサ、アクセルペダルの踏込み度合いを検出するアクセルポジションセンサ、スロットル弁開度を検出するスロットルポジションセンサ、エンジンのクランク角センサ等のエンジンの運転状況を監視する各種センサとなっている。
後述のマイクロプロセッサ110から図示しないインタフェース回路を介して給電駆動される各種電気負荷107は、例えば燃料噴射弁の駆動用電磁コイル、エンジンの点火コイル、吸気スロットルの弁開度制御用モータ、排気循環弁の駆動用モータ、警報・表示器などがある。
エンジン制御装置100Aの内部の構成として、マイクロプロセッサ110は例えば不揮発フラッシュメモリであるプログラムメモリ111A、演算処理用のRAMメモリ112、例えば不揮発EEPROMメモリであるデータメモリ113、多チャンネルAD変換器114と協働するよう互いにバス接続されている。
プログラムメモリ111Aにはエンジン制御装置100Aとしての入出力制御プログラムに加えて、図3〜図5で後述する各種異常診断手段や異常処理手段となるプログラムが格納されている。定電圧電源回路120は正の電源端子Vbに供給された車載バッテリ101の電源電圧DC6〜16Vをもとにして制御電圧Vcc=5Vを発生し、後述のマイクロプロセッサ110を初めとする各部に安定化電圧を供給するようになっている。
分圧抵抗122・123は制御電源電圧Vccを分圧して例えば0.5Vのオフセット電圧V1を生成し、演算増幅器であるオフセット電圧発生回路121を介して負配線105a〜105dにオフセット電圧V1を印加すると共に、このオフセット電圧V1はモニタ信号としてマイクロプロセッサ110のアナログ入力ポートAN1に接続されている。正配線104a〜104dは図2で詳述するインタフェース回路140a〜140dを介してマルチプレクサ130の入力端子CH1〜CH4に接続されている。
マルチプレクサ130はマイクロプロセッサ110から選択指令SL1・SL2を受けて、入力端子
CH1〜CH4に入力されたアナログ信号のどれか一つを選択して、マイクロプロセッサ110の
アナログ入力ポートAN2に入力するようになっている。
図1のインタフェース回路部の詳細回路図である図2において、排気ガスセンサ103aの正配線104aに接続されるインタフェース回路140aは、演算増幅器141aと、当該演算増幅器141aの非反転入力端子とグランド回路間に接続された平滑コンデンサ142aと、プルダウン抵抗144aと、演算増幅器141aの非反転入力端子と定電圧電源回路120の出力端子間に接続されたプルアップ抵抗143aによって構成されており、演算増幅器141aの出力端子と反転入力端子は互いに直結接続されて増幅率1の状態でインピーダンス変換を行なっている。インタフェース回路140b〜140dも同様に構成され、負配線105a〜105dにはオフセット電圧V1が印加されている。
このように構成された演算増幅器141aの出力電圧である測定電圧Vdは次式で示される。ただし、Vccは制御電源電圧、Rsは排気ガスセンサ103aの等価内部抵抗、Vsは排気ガスセンサ103aの発生電圧、V1はオフセット電圧、R143・R144はプルアップ抵抗143aとプルダウン抵抗144aの抵抗値であり、R143、R144>>Rsの関係が成立しているもの
とする。
Vd≒Vs+V1+ΔV1、 但しΔV1=Vcc×(Rs/R143)・・・・(1)
なお、正負の配線やセンサ自体が断線したときの演算増幅器141aの入力電圧であるバイ
アス電圧Vpは次式で示される。
Vp=Vcc×R144/(R143+R144) ・・・・・・(2)
一例としてV1=0.5V、Vs=0〜1.0V、Vcc=5.0V、Rs=20KΩ、R143=1000KΩ、
R144=47KΩとした場合には ΔV1=Vcc(Rs/R143)=0.1V、Vp=Vcc×R144
/(R143+R144)=0.22Vとなる。
もしも負配線105a〜105dの地絡異常が発生するとアナログ入力ポートAN1に入力されたオ
フセット電圧V1に対するモニタ信号が正常値0.5Vから0Vに減少することによってマ
イクロプロセッサ110は負線地絡異常を検出することができる。
同様に、負配線105a〜105dの天絡異常が発生するとオフセット電圧V1に対するモニタ信
号が0.5Vから5Vに増加することによってマイクロプロセッサ110は負線天絡異常を検
出することができる。
一方、正配線104aの地絡異常が発生するとアナログ入力ポートAN2に入力された測定電圧Vdの値が、本来は少なくとも0.5V以上であるものが0Vに減少することによって、マ
イクロプロセッサ110は正線地絡異常を検出することができる。
但し、負配線の地絡異常が既に検出されている場合には、正配線の地絡異常判定は回避
するようになっている。
同様に、正配線104aの天絡異常が発生すると測定電圧Vdの値が、本来は1.5V以下であ
るものが5Vに増加することによって、マイクロプロセッサ110は正線天絡異常を検出す
ることができる。
次に、正配線104a又は負配線105aが断線した場合を想定すると、演算増幅器141aの非反転入力端子の電位はプルアップ抵抗143aとプルダウン抵抗144aによって分圧されたバイアス電圧Vpとなり、この電圧として0.5V未満の値であるVp=0.22Vを選んでおくと、マイクロプロセッサ110は正配線の地絡異常とは識別して断線異常を検出することが可能となるものである。
ただし、図2の回路においてもしもプルアップ抵抗143aを接続しなければ、断線異常が発生したときと地絡異常が発生したときとの識別は行なえないことになる。同様に、図2の回路においてもしもプルダウン抵抗144aを接続しなければ、断線異常が発生したときと天絡異常が発生したときとの識別は行なえないことになる。
いずれにせよ、断線異常自体は検出可能であって、検出された異常が地絡異常であるか
もしれないし、天絡異常であるかもしれない不確定なものとなっているので、これが識別できることは必須要件ではないにしても望ましいことである。
以上のとおり、プルアップ抵抗143aとプルダウン抵抗144aの両方を接続した結果として断線異常の識別が可能となったが、測定電圧Vdには正常状態においてプルアップ抵抗
143aと内部抵抗Rsによって分圧された微小電圧ΔV1が加算されることになるので、マイクロプロセッサ110は(1)式で示すように測定電圧Vdからオフセット電圧V1と微小電圧ΔV1を減じて、発生電圧Vsを演算算出することができるものである。
なお、プルアップ抵抗143aは定電圧電源回路120の出力回路に接続する代わりに、オフ
セット電圧発生回路121に接続するようにしてもよい。
その場合には、(1)式、(2)式におけるVccはV1に置き換えればよい。
また、演算増幅器141aの増幅率は1となっているが、測定電圧Vdが制御電源電圧Vcc
以上にならない範囲で所定の増幅率を持たせるようにすることもできる。
(2)作用動作の詳細な説明
次に、図1・図2のとおりに構成されたこの発明の第1実施例装置の作用・動作について、図3〜図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、図1・図2のとおりに構成されたものにおいて、出力接点102が閉路するとマイクロプロセッサ110は定電圧電源回路120から給電されて動作を開始し、各種入力センサ106
や排気ガスセンサ103a〜103dの動作状態や信号レベルとプログラムメモリ111Aに格納された入出力制御プログラムの内容に応動して各種電気負荷107に対する駆動制御が実行され、その実行過程で図3〜図5に示した異常点検動作が行われるものである。
図1の点検動作説明用のフローチャートである図3において、工程200はマイクロプロセッサ110が点検動作を開始するステップであり、当該開始ステップは後述の工程219で示された動作終了ステップに続いて、所定の待機時間をおいて再度繰返し実行されるようになっている。続く工程201はマルチプレクサ130のチャンネル番号を指定して、点検したいものが排気ガスセンサ103a〜103dの中のどれであるかを設定するステップ、続く工程ブロック210は図4で詳述する第二の異常診断手段となるサブルーチンプログラムを実行するステップであり、当該工程ブロック210では工程201で指定された排気ガスセンサの正端子配線に関する地絡・天絡・断線異常の有無の判定が行なわれるようになっている。
続く工程209は次回の点検動作で実行されるチャンネル番号を更新設定するステップであ
り、工程201は工程209で更新設定されたチャンネル番号を読み出して、次回の点検動作
を行なうようになっている。
工程209に続く一連の工程212〜217によって構成された工程ブロック220は第一の異常診断手段となるプログラムの内容を表現したものであり、当該工程ブロック220では排気ガスセンサ103a〜103dの負端子配線に関する地絡・天絡異常の有無の判定が行なわれるようになっている。
まず、工程209に続いて実行される工程212はマイクロプロセッサ110のアナログ入力ポートAN1に入力され、多チャンネルAD変換器114によってデジタル変換されたオフセット電圧V1の値のデジタル変換値D1をRAMメモリ112の第一アドレスに読み出すステップである。続く工程213は工程212で読み出されたデジタル変換値D1と第2閾値E2との大小関係を比較して、D1≦E2であればYESの判定を行なって工程215へ移行し、D1>E2であればNOの判定を行なって工程216へ移行する判定ステップとなっている。
なお、第2閾値E2の値は正常なオフセット電圧V1(例えば0.5V)のデジタル変換値D1(例えば100)よりも確実に小さな値である90%レベルの値が使用され、正常状態であれば工程213がYESの判定を行なうことはないようになっている。工程216は工程212で読み出されたデジタル変換値D1と第3閾値E3との大小関係を比較して、D1<E3であればNOの判定を行なって工程ブロック230へ移行し、E3≦D1であればYESの判定を行なって工程217へ移行する判定ステップとなっている。
なお、第3閾値E3の値は正常なオフセット電圧V1(例えば0.5V)のデジタル変換値D1(例えば100)よりも確実に大きな値である110%レベルの値が使用され、正常状態であれば工程216がYESの判定を行なうことはないようになっている。
従って、工程215は負端子配線の完全地絡異常、又は不完全地絡異常が発生したときに地
絡異常を仮記憶するステップとなり、工程217は負端子配線の完全天絡異常、又は不完全
天絡異常が発生したときに天絡異常を仮記憶するステップであるが、仮記憶された異常状態は後述のとおり再確認されたうえで確定記憶されるようになっている。
工程ブロック230は工程216がNOの判定を行なったとき、又は工程215・工程217に続いて実行される異常処理手段となるサブルーチンプログラムであり、当該工程ブロック230では図5で詳述するとおり、異常状態の判定確認・異常報知・異常履歴情報の保存などの処理が実行され、続いて点検終了ステップである工程219へ移行するようになっている。
以上のとおり、この実施形態では工程200から工程219に至る一巡のフローによって一個
分の排気ガスセンサの正端異常と負端異常が点検され、一巡のフローの繰返し循環実行によって順次他の排気ガスセンサに関する異常点検が行なわれるようになっている。なお、工程ブロック220は工程201〜工程209に先立って実行するようにしても良い。
図3における第ニの異常診断に関する動作説明用のフローチャートである図4において、工程310は第二の異常診断の動作開始ステップであり、当該工程310は図3の工程201
に続いて実行され、後述の工程319に続いて工程209へ復帰するように構成されている。
工程310に続く一連の工程311〜318dによって構成された工程ブロック320は図3における工程ブロック210の内容を表現したものである。
まず、工程310に続いて実行される工程311はマイクロプロセッサ110のアナログ入力ポートAN2に入力され、多チャンネルAD変換器114によってデジタル変換された測定電圧Vdの値のデジタル変換値D2をRAMメモリ112の第二アドレスに読み出すステップである。続く工程312は工程311で読み出されたデジタル変換値D2と第2閾値E2との大小関係を比較して、D2≦E2であればYESの判定を行なって工程313へ移行し、D2>E2であればNOの判定を行なって工程317へ移行する判定ステップとなっている。
工程313は工程311で読み出されたデジタル変換値D2と第1閾値E1との大小関係を比較して、D2>E1であればNOの判定を行なって工程314へ移行し、D2≦E1であればYESの判定を行なって工程316aへ移行する判定ステップとなっている。
なお、第2閾値E2の値は前述のとおり正常なオフセット電圧V1(例えば0.5V)のデジ
タル変換値D2(例えば100)よりも確実に小さな値である90%レベルの値が使用され、正常状態であれば工程312がYESの判定を行なうことはないようになっている。また、第1閾値E1はバイアス電圧Vp(例えば0.22V)に対するデジタル変換値D2(例えば44)の値の90%レベルの値が使用されている。
工程314は例えば運転開始後数分間が経過したかどうかによって暖機運転が完了し、排気ガスセンサ103a〜103dが活性化状態になったと推定されるかどうかの判定工程であり、
活性化完了と推定されるときはYESの判定を行なって工程315へ移行し、活性化未完了と
推定されるときはNOの判定を行なって工程319へ移行するようになっている。
工程315は工程312の判定が第2閾値(0.5Vの90%相当)以下であり、しかも工程313の判定が第1閾値(0.22Vの90%相当)以上であることによって、正端子配線又はセンサ自体が断線していると判定してこの状態をRAMメモリ112に仮記憶するステップとなっている。なお、工程313〜工程315によって構成された工程ブロック330aは第三の異常診断手段となるものである。
工程316aでは図3の工程215によって負端地絡異常が仮記憶されていないかどうかを読み出して、負端地絡状態であればYESの判定を行って工程319へ移行し、負端地絡状態でなければNOの判定を行って工程316bへ移行する。工程316bは工程313の判定が第1閾値(0.22Vの90%相当)以下であり、しかも工程316aの判定が負端地絡状態ではないと判定していることによって、正端子配線が地絡していると判定してこの状態をRAMメモリ112に仮記憶するステップとなっている。
工程317は工程311で読み出されたデジタル変換値D2と第4閾値E4との大小関係を比較
して、D2<E4であればNOの判定を行なって工程319へ移行し、E4≦D2であればYES
の判定を行なって工程318aへ移行する判定ステップとなっている。
なお、第4閾値E4の値は正常なオフセット電圧V1(例えば0.5V)と排気ガスセンサの発生電圧Vsの最大値Vm(例えば1V)とを加算した1.5Vのデジタル変換値D2(例えば300)よりも確実に大きな値である110%レベルの値が使用され、正常状態であれば工程317がYESの判定を行なうことはないようになっている。
工程318aでは図3の工程217によって負端天絡異常が仮記憶されていないかどうかを読み出して、負端天絡状態であればYESの判定を行って工程318cへ移行し、負端天絡状態でなければNOの判定を行って工程318bへ移行する。
工程318bは工程317の判定が第4閾値(1.5Vの110%相当)以上であり、しかも工程318a
の判定が負端天絡状態ではないと判定していることによって、正端子配線が天絡してい
ると判定してこの状態をRAMメモリ112に仮記憶するステップとなっている。
工程318cは正端電位のデジタル変換値D2と負端電位のデジタル変換値D1との差分値が前記排気ガスセンサの発生電圧Vsの最大値Vmに対応したデジタル変換値に比べて過大であるかどうかを判定し、過大であればYESの判定を行なって工程318bへ移行し、過大でなけばNOの判定を行なって工程318dへ移行する判定ステップとなっている。
工程318dは工程311で読み出されたデジタル変換値D2と第5閾値E5との大小関係を比較して、D2<E5であればNOの判定を行なって工程319へ移行し、E5≦D2であればYESの判定を行なって工程318bへ移行する判定ステップとなっている。
なお、第5閾値E5の値は制御電源電圧Vccの90%レベルの値に対するデジタル変換値であり、正常状態であれば工程318dがYESの判定を行なうことはないようになっている。
なお、工程315は断線異常を仮記憶するステップ、工程316bは正端地絡異常を仮記憶する
ステップ、工程318bは正端天絡異常を仮記憶するステップであるが、仮記憶された異常
状態は後述のとおり再確認されたうえで確定記憶されるようになっている。工程314・工程317・工程318dの判定がNOであったり、工程316aの判定がYESであるとき、又は工程315・316b・318bに続いて工程319へ移行し、工程319から図3の工程209へ移行するようになっている。
工程316a・工程318a・工程318c・工程318dによって構成された工程ブロック330bは正端異常判定回避手段となるものである。例えば、工程316aは負端地絡異常が発生しているときに排気ガスセンサの発生電圧Vsが0Vレベルになると、正端地絡ではないにも関わらず正端電位がゼロレベルとなり、通常であれば正端地絡異常と判定することになるので、このような誤判定を回避する手段となっている。
マイクロプロセッサ110は正端電位のデジタル変換値D2から負端電位のデジタル変換値D1を減算して、排気ガスセンサの発生電圧Vsのデジタル変換値を得るものであるから、たとえ負端が完全地絡状態、又は不完全地絡異常となって地絡異常が検出されていても、発生電圧Vsの検出は可能であり、制御性能を毀損する状態にはなっていない。
同様に、負端が不完全天絡異常となって天絡異常が検出されていても、正端電位が過大
でなければ発生電圧Vsの検出は可能であり、制御性能を毀損する状態にはなっていな
い。従って、異常報知を行なって、速やかに点検修理を行って負端異常を解消すれば制御性能上での実害は回避されて障害予知が行なわれたことになる。
図3における異常処理手段に関する動作説明用のフローチャートである図5において、
工程340は異常処理手段の動作開始ステップであり、当該工程340は図3の工程ブロック
220に続いて実行され、後述の工程349に続いて工程219へ復帰するように構成されている。工程340に続く一連の工程341〜348によって構成された工程ブロック350は図3における工程ブロック230の内容を表現したものである。
工程340に続いて実行される工程341は図3の工程ブロック210や工程ブロック220において何らかの異常判定記憶がなされているかどうかを検索し、異常判定記憶がなければNOの判定を行なって工程349へ移行し、異常判定記憶があればYESの判定を行なって工程342へ移行する判定ステップである。工程342は図3の工程ブロック220と工程ブロック210を再度実行して、異常判定が一時的な誤動作判定ではなかったかどうかの確認を行なうステップ、続く工程343は工程342によって再度異常判定が確認されたときはYESの判定を行なって工程344へ移行し、異常が再現しなければNOの判定を行なって工程346へ移行する判定ステップである。
工程344は工程342で確認判定された異常部位と異常モードをRAMメモリ112に確定記憶するステップ、続く工程345は図示しない警報・表示器に対する駆動指令を発生して異常報知を行なうステップ、続く工程346は異常履歴情報を保存する時期であるかどうかの判定ステップであり、当該工程346は例えば図示しない電源スイッチが開路された後であって、電源リレーの出力接点102が継続閉路している所定期間においてYESの判定を行って工程347へ移行し、電源スイッチが閉路されているときにはNOの判定を行なって工程349へ移行するようになっている。
工程347は不揮発性のデータメモリ113に対して既に書き込まれていた過去の履歴情報を読み出して、異常部位と異常モード別の異常発生回数情報を得るステップ、続く工程348は工程344で確定記憶した異常部位と異常モードについて異常発生回数を一回分加算して再度データメモリ113に対して転送保存するステップである。工程341や工程346の判定がNOであるとき、又は工程348に続いて工程349へ移行し、工程349から図3の工程219へ移行復帰するようになっている。
(3)実施形態1の要点と特徴
この発明の実施形態1によるエンジン制御装置100Bは内燃機関の運転状態を監視する各種入力センサ106の動作状態と、プログラムメモリ111Aに格納された制御プログラムの内容とに応動して、前記内燃機関の運転駆動用の各種電気負荷107を駆動制御するマイクロプロセッサ110を備えたエンジン制御装置である。
前記各種入力センサ106は複数個の排気ガスセンサ103a〜103dを包含し、当該排気ガスセ
ンサ103a〜103dは一対の正端子と負端子間に接続された等価電圧源と等価内部抵抗を有
し、所定の活性化温度において理論空燃比を境とし前記等価電圧源の発生電圧Vsが最小
値V0から最大値Vmとの間で変化するものである。
前記複数の排気ガスセンサ103a〜103dの各負端子にはオフセット電圧発生回路121が発生
する所定のオフセット電圧V1が印加され、当該負端子とグランド回路GND間の電圧であ
る負端子電位は多チャンネルAD変換器114を介してデジタル変換されて、前記マイクロ
プロセッサ110を介して演算処理用のRAMメモリ112に格納される。
前記複数の排気ガスセンサ103a〜103dの各正端子にはグランド回路GNDに接続される高抵抗のプルダウン抵抗144a(〜144d)、又は所定のバイアス電位を付与する高抵抗のプル
アップ抵抗143a(〜143d)の少なくとも一方の抵抗が接続され、当該正端子とグランド回路GND間の電圧である正端子電位は多チャンネルAD変換器114を介してそれぞれ個別にデジタル変換されて、前記マイクロプロセッサ110を介して演算処理用の前記RAMメモリ112に格納される。
前記プログラムメモリ111Aは少なくとも第一・第二の異常診断手段220・210となるプロ
グラムと正端異常判定回避手段330bとなるプログラムを包含している。前記第一の異常診断手段220は前記負端子電位のデジタル変換値D1が前記オフセット電圧V1に比例した値を基準にして、過大又は過小であることによって負端子配線が電源線と混触した天絡異常又は負端子配線がグランド線と混触した地絡異常であると判定する手段となっている。
前記第二の異常診断手段210は前記正端子電位のデジタル変換値D2が前記オフセット電圧V1と最大検出電圧Vmとの加算値V1+Vmに比例した値を基準にして過大であるか、又は前記オフセット電圧V1に比例した値を基準として過小であることによって正端子配線が電源線と混触した天絡異常又は正端子配線がグランド線と混触した地絡異常である
と判定し、断線異常が発生すると前記地絡異常又は天絡異常として判定する手段となっている。前記マイクロプロセッサ110は前記正端子電位のデジタル変換値D2と負端子電位のデジタル変換値D1との差分演算によって前記排気ガスセンサ103a〜103dの発生電圧Vsに比例したデジタル変換値を得ると共に、前記第一・第二の異常診断手段220・210による診断結果に応動した異常報知を行なうものとなっている。
前記正端異常判定回避手段330bは前記第一の異常診断手段220が少なくとも負端子配線の地絡異常を検出しているときには、前記第二の異常診断手段210による正端子配線の地絡異常判定を行なわないようにして、前記マイクロプロセッサの差分演算を有効とみなす手段となっている。
前記複数の排気ガスセンサ103a〜103dの各正端子にはバイアス付加抵抗が接続されていると共に、前記プログラムメモリ111Aは第三の異常診断手段330aとなるプログラムを包含している。前記バイアス付加抵抗は前記排気ガスセンサ103a〜103dの各正端子配線104a〜104dに接続された演算増幅器141a(〜141d)の入力回路に接続された一対のプルアップ抵抗143a(〜143d)及びプルダウン抵抗144a(〜144d)の組み合わせによって所定のバイアス電圧Vpを印加するようよって構成されている。
前記バイアス電圧Vpは前記オフセット電圧V1よりも小さな値であるか、又は前記オフ
セット電圧V1と最大検出電圧Vmとの加算値V1+Vmよりも大きな値となるように設定さ
れている。
前記第三の異常診断手段330aは前記正端子電位のデジタル変換値D2が前記プルダウン抵
抗144a(〜144d)及びプルアップ抵抗143a(〜143d)によって付加されたバイアス電圧
Vpのデジタル変換値に相当しているときにセンサ回路の断線異常であると判定する手段となっていて、前記第三の異常診断手段330aは運転開始所定時間後であって前記排気ガスセンサ103a〜103dが活性化したと推定される時間を経過した後に有効となるものである。
従って、天絡・地絡異常と断線異常とを識別検出することができるので、保守点検の能
率が向上する特徴がある。
前記複数の排気ガスセンサ103a〜103dの各正端子の電位はマルチプレクサ130を介して前記多チャンネルAD変換器114の一つのアナログ入力端子に選択接続され、前記複数の排気ガスセンサ103a〜103dの各負端子に対して共通接続された前記オフセット電圧発生回路121の出力電圧は、前記多チャンネルAD変換器114の他の入力端子に接続され、前記マルチプレクサ130は前記マイクロプロセッサ110からの選択指令SL1・SL2によってアナログ入力信号の選択接続を行なうものとなっている。
従って、多チャンネルAD変換器のアナログ入力点数を増加させることなく負端子側電位のモニタを行うことができると共に、複数の排気ガスセンサの中の特定の排気ガスセンサに注目した場合に、その発生電圧を速やかに差分演算して算出することができる特徴がある。
前記プログラムメモリ111Aは更に判定確認手段342と異常処理手段350となるプログラムを包含している。前記判定確認手段342は前記第一・第二・第三の異常診断手段220・320・330aが異常ありを検出したときに作用して、異常判定された排気ガスセンサ104a〜104dの異常状態を再確認し、異常発生が確認されないときには一時的な誤判定であったとして判定結果を無視する手段となっている。
前記異常処理手段350は前記判定確認手段342が異常状態を再確認したときに実行され、
異常発生状態を警報・表示すると共に、異常発生履歴情報として不揮発性のデータメモリに格納保存する手段となっている。
従って、異常発生した排気ガスセンサの正端電位と負端電位を速やかに再確認して異常報知を行ない、発生確認された異常情報のみを不揮発性のデータメモリに累積保存することができる特徴がある。
発明の実施の形態2.
(1)構成の詳細な説明
以下、この発明の第2実施例装置の回路ブロック図を示す図6について、図1のものとの相違点を中心にして説明する。なお、図6のものは排気ガスセンサ103a〜103dの負線配線の方法が異なり、負線断線異常検出手段が付加されているのが主な相違点であり、同一又は相当部分は同一符号で示されている。
図6において、エンジン制御装置100Bには図1と同様に車載バッテリ101と電源リレーの出力接点102と各種入力センサ106と各種電気負荷107とが接続されている。また、複数の排気ガスセンサ103a〜103dの正端子は正配線104a〜104dによってエンジン制御装置100Bに接続されている。
排気ガスセンサ103aの負端子は第一の負配線108aによってエンジン制御装置100Bに接続
されていると共に、各排気ガスセンサ103a〜103dの負端子は渡り配線108b〜108dによって順次接続され、排気ガスセンサ103dの負端子は第二の負配線108eによってエンジン制
御装置100Bに接続されている。
エンジン制御装置100Bの内部の構成として、マイクロプロセッサ110は図1と同様に例えば不揮発フラッシュメモリであるプログラムメモリ111B、演算処理用のRAMメモリ
112、例えば不揮発EEPROMメモリであるデータメモリ113、多チャンネルAD変換器114と協働するよう互いにバス接続されている。
プログラムメモリ111Bにはエンジン制御装置100Bとしての入出力制御プログラムに加えて、図7・図8で後述する各種異常診断手段や異常処理手段となるプログラムが格納されている。定電圧電源回路120と分圧抵抗122・123やオフセット電圧発生回路121は図1のものと同様に構成されているが、オフセット電圧発生回路の出力電圧であるオフセット電圧V1は第一の負線108a・渡り配線108b〜108dによって排気ガスセンサ103a〜103dの負端子に印加されると共に、第二の負線108eを介して、このオフセット電圧V1はモニタ信号としてマイクロプロセッサ110のアナログ入力ポートAN1に接続されている。また、第一・第二の負配線108aと108eはエンジン制御装置100Bの内部で点検用開閉素子124によって常時短絡接続されている。
従って、負線配線がどこかで断線したり、コネクタの接触不良があったようなばあいには、オフセット電圧V1は第一の負配線108a側からか、又は第ニの負配線108e側から供給され、正常動作を持続することができる状態となっている。
しかし、このような負線断線異常が発生すると、マイクロプロセッサ110の点検指令CNTによって点検用開閉素子124を一時的に開路してみることによって後述の要領で異常判定を行なうことができるようになっている。
一方、正配線104a〜104dは図2で詳述したインタフェース回路140a〜140dを介してマルチプレクサ130の入力端子CH1〜CH4に接続されている。
マルチプレクサ130はマイクロプロセッサ110から選択指令SL1・SL2を受けて、入力端子
CH1〜CH4に入力されたアナログ信号のどれか一つを選択して、マイクロプロセッサ110の
アナログ入力ポートAN2に入力するようになっている。
オフセット電圧V1の値をモニタするアナログ入力ポートAN1には平滑用コンデンサ142eが接続されていると共に、高抵抗である第二のプルアップ抵抗143eと第二のプルダウン抵抗144eによって構成された分圧電圧が第二のバイアス電圧として印加されるようになっている。この第二のバイアス電圧はオフセット電圧V1とは明らかに異なる電圧レベルにしておけばよいものである。
(3)作用動作の詳細な説明
次に、図6のとおりに構成されたこの発明の第2実施例装置の作用・動作について、図7・図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、図6のとおりに構成されたものにおいて、出力接点102が閉路するとマイクロプロ
セッサ110は定電圧電源回路120から給電されて動作を開始し、各種入力センサ106や排気ガスセンサ103a〜103dの動作状態や信号レベルとプログラムメモリ111Bに格納された入出力制御プログラムの内容に応動して各種電気負荷107に対する駆動制御が実行され、その実行過程で図7・図8に示した異常点検動作が行われるものである。
図6の点検動作説明用のフローチャートである図7において、工程400はマイクロプロセッサ110が点検動作を開始するステップであり、当該開始ステップは後述の工程419で示された動作終了ステップに続いて、所定の待機時間をおいて再度繰返し実行されるようになっている。
続く工程401はマルチプレクサ130のチャンネル番号を指定して、点検したいものが排気ガスセンサ103a〜103dの中のどれであるかを設定するステップ、続く工程ブロック410は図4で前述した第二の異常診断手段となるサブルーチンプログラムを実行するステップ
であり、当該工程ブロック410では工程401で指定された排気ガスセンサの正端子配線に
関する地絡・天絡・断線異常の有無の判定が行なわれるようになっている。
続く工程409は次回の点検動作で実行されるチャンネル番号を更新設定するステップであ
り、工程401は工程409で更新設定されたチャンネル番号を読み出して、次回の点検動作
を行なうようになっている。
工程409に続く一連の工程412〜417によって構成された工程ブロック420は第一の異常診断手段となるプログラムの内容を表現したものであり、当該工程ブロック420では排気ガスセンサ103a〜103dの負端子配線に関する地絡・天絡異常の有無の判定が行なわれるよ
うになっている。
まず、工程409に続いて実行される工程412はマイクロプロセッサ110のアナログ入力ポートAN1に入力され、多チャンネルAD変換器114によってデジタル変換されたオフセト
電圧V1の値のデジタル変換値D1をRAMメモリ112の第一アドレスに読み出すステップ
である。続く工程413は工程412で読み出されたデジタル変換値D1と第2閾値E2との大小関係を比較して、D1≦E2であればYESの判定を行なって工程415へ移行し、D1>E2であればNOの判定を行なって工程416へ移行する判定ステップとなっている。
なお、第2閾値E2の値は正常なオフセット電圧V1(例えば0.5V)のデジタル変換値D1(例えば100)よりも確実に小さな値である90%レベルの値が使用され、正常状態であれば工程413がYESの判定を行なうことはないようになっている。
工程416は工程412で読み出されたデジタル変換値D1と第3閾値E3との大小関係を比較
して、D1<E3であればNOの判定を行なって工程ブロック418へ移行し、E3≦D1であればYESの判定を行なって工程417へ移行する判定ステップとなっている。
なお、第3閾値E3の値は正常なオフセット電圧V1(例えば0.5V)のデジタル変換値D1(例えば100)よりも確実に大きな値である110%レベルの値が使用され、正常状態であれば工程416がYESの判定を行なうことはないようになっている。
また、工程415は負端地絡異常を仮記憶するステップ、工程417は負端天絡異常を仮記憶
するステップであるが、仮記憶された異常状態は後述のとおり再確認されたうえで確定記憶されるようになっている。
工程ブロック418は工程416がNOの判定を行なったとき、又は工程415・工程417に続いて実行される負線断線検出手段となるサブルーチンプログラムであり、当該工程ブロッ
ク418は図8で詳述する。
続く工程ブロック430は異常処理手段となるサブルーチンプログラムであり、図5で詳述したとおり異常状態の判定確認・異常報知・異常履歴情報の保存などの処理が実行され、続いて点検終了ステップである工程419へ移行するようになっている。
従って、この実施形態でも工程400から工程419に至る一巡のフローによって一個分の排
気ガスセンサの正端異常と負端異常が点検され、一巡のフローの繰返し循環実行によって順次他の排気ガスセンサに関する異常点検が行なわれるようになっている。
なお、工程ブロック420は工程401〜工程409に先立って実行するようにしても良い。
図7における負線断線検出に関する動作説明用のフローチャートである図8において、工程450は負線断線検出の動作開始ステップであり、当該工程450は図7の工程ブロック
420に続いて実行され、後述の工程459に続いて工程ブロック430へ復帰するように構成されている。工程450に続く一連の工程451〜458によって構成された工程ブロックは図7における工程ブロック418の内容を表現したものである。
まず、工程450に続いて実行される工程451ではマイクロプロセッサ110が点検指令出力CNTによって点検用開閉素子124を開路する。
続く工程452はマイクロプロセッサ110のアナログ入力ポートAN1に入力され、多チャンネルAD変換器114によってデジタル変換されたオフセット電圧V1の値のデジタル変換値D1をRAMメモリ112の第一アドレスに読み出すステップである。
続く工程453は工程452で読み出されたデジタル変換値D1と第2閾値E2との大小関係を
比較して、D1≦E2であればYESの判定を行なって工程454へ移行し、D1>E2であれば
NOの判定を行なって工程456へ移行する判定ステップとなっている。
工程454は工程452で読み出されたデジタル変換値D1と第1閾値E1との大小関係を比較
して、D1>E1であればNOの判定を行なって工程455bへ移行し、D1≦E1であればYES
の判定を行なって工程455aへ移行する判定ステップとなっている。
なお、第2閾値E2の値は前述のとおり正常なオフセット電圧V1(例えば0.5V)のデジタル変換値D1(例えば100)よりも確実に小さな値である90%レベルの値が使用され、
正常状態であれば工程453がYESの判定を行なうことはないようになっている。
また、第1閾値E1は第二のバイアス電圧Vp(例えば0.22V)に対するデジタル変換値
D1(例えば44)の値の90%レベルの値が使用されている。
工程455aは工程454の判定が第1閾値(0.22Vの90%相当)以下であることによって、負
端子配線が地絡していると判定してこの状態をRAMメモリ112に仮記憶するステップと
なっている。
工程455bは工程454の判定が第1閾値(0.22Vの90%相当)以上であることによって、負端子配線が断線していると判定してこの状態をRAMメモリ112に仮記憶するステップとなっている。
工程456は工程452で読み出されたデジタル変換値D1と第3閾値E3との大小関係を比較
して、D1<E3であればNOの判定を行なって工程458へ移行し、E3≦D1であればYES
の判定を行なって工程457へ移行する判定ステップとなっている。
なお、第3閾値E3の値は正常なオフセット電圧V1(例えば0.5V)のデジタル変換値D1(例えば100)よりも確実に大きな値である110%レベルの値が使用され、正常状態であれば工程456がYESの判定を行なうことはないようになっている。
工程457は工程456の判定が第3閾値(0.5Vの110%相当)以上であることによって負端子配線が天絡していると判定してこの状態をRAMメモリ112に仮記憶するステップとなっている。
なお、工程455aは負線地絡異常を仮記憶するステップ、工程455bは負線断線異常を仮記
憶するステップ、工程457は負線天絡異常を仮記憶するステップであるが、仮記憶された
異常状態は前述の工程ブロック430において再確認されたうえで確定記憶されるようになっている。
工程456の判定がNOであったとき、又は工程455a・455b・457に続いて工程458へ移行し、工程458ではマイクロプロセッサ110が点検指令CNTを解除することによって点検用開閉素子124を閉路する。続く工程459から図7の工程ブロック430へ移行するようになっている。
(3)実施形態2の要点と特徴
この発明の実施形態2によるエンジン制御装置100Bは内燃機関の運転状態を監視する各
種入力センサ106の動作状態と、プログラムメモリ111Bに格納された制御プログラムの内
容とに応動して、前記内燃機関の運転駆動用の各種電気負荷107を駆動制御するマイクロ
プロセッサ110を備えたエンジン制御装置である。
前記各種入力センサ106は複数個の排気ガスセンサ103a〜103dを包含し、前記複数の排気
ガスセンサ103a〜103dの各負端子にはオフセット電圧発生回路121が発生する所定のオフ
セット電圧V1が印加され、当該負端子とグランド回路GND間の電圧である負端子電位は
多チャンネルAD変換器114を介してデジタル変換されて、前記マイクロプロセッサ110
を介して演算処理用のRAMメモリ112に格納される。
前記プログラムメモリ111Bは少なくとも第一・第二の異常診断手段420・410となるプロ
グラムと正端異常判定回避手段330bとなるプログラムを包含している。
前記複数の排気ガスセンサ103a〜103dの正端子は個別の正配線104a〜104dによって個別に前記エンジン制御装置100Bに接続されている。
前記複数の排気ガスセンサの内で第一の排気ガスセンサ103aの負端子は第一の負配線108aによって前記エンジン制御装置100Bに接続され、他の排気ガスセンサ103bから103dの負端子は渡り配線108b〜108dで相互に順次接続され、最終の排気ガスセンサ103dの負
端子は第二の負配線108eによって前記エンジン制御装置100Bに接続されている。
前記第一・第二の負配線108a・108eは前記エンジン制御装置100B内で接続されて環状回
路を構成して共通のオフセット電圧発生回路121に接続され、所定のオフセット電圧V1
が印加されるようになっている。
従って、負線の一部が断線しても正常動作を維持することができると共に、コネクタ配
線を削減することができる特徴がある。
前記第一・第二の負配線108a・108eは前記エンジン制御装置100B内で点検用開閉素子124を介して接続されていて、前記のオフセット電圧発生回路121の出力電圧は前記点検用開閉素子124を介してモニタ信号電圧として前記多チャンネルAD変換器114のアナログ入力端子に接続されている。
当該アナログ入力端子に対する入力回路にはグランド回路に接続される第二のプルダウン抵抗144e、又は定電圧電源回路120の出力端子に接続される第二のプルアップ抵抗143e
の少なくとも一方の抵抗又は両方の抵抗が接続されていると共に、前記プログラムメモリ111Bは更に負線断線異常検出手段419となる制御プログラムを包含している。
前記負線断線異常検出手段419は上記点検用開閉素子124を一時的に開路したときに、前
記モニタ信号電圧の値と前記オフセット電圧V1とを比較して、前記オフセット電圧発生回路121から第一の負配線108aと渡り配線108b〜108dと第二の負配線108eを経由して前記多チャンネルAD変換器114に至る配線の地絡異常・天絡異常・断線異常の有無を検出する手段となっている。従って、負線断線を検出して、実態として障害が発生しない内に保守点検を促すことができる特徴がある。
発明の実施の形態3
(1)構成の詳細な説明
以下、この発明の第3実施例装置の回路ブロック図を示す図9について、図1のものとの相違点を中心にして説明する。
なお、図9のものは排気ガスセンサ103a〜103dに対するインタフェース回路の内容が異なり、短絡異常検出のためのセンサ抵抗測定手段が付加されているのが主な相違点であり、同一又は相当部分は同一符号で示されている。
図9において、エンジン制御装置100Cには図1と同様に車載バッテリ101と電源リレーの
出力接点102と複数の排気ガスセンサ103a〜103dと各種入力センサ106と各種電気負荷107とが接続されている。
エンジン制御装置100Cの内部の構成として、マイクロプロセッサ110は図1と同様に例え
ば不揮発フラッシュメモリであるプログラムメモリ111C、演算処理用のRAMメモリ112、例えば不揮発EEPROMメモリであるデータメモリ113、多チャンネルAD変換器114と協働するよう互いにバス接続されている。
プログラムメモリ111Cにはエンジン制御装置100Cとしての入出力制御プログラムに加え
て、図11・図12で後述する各種異常診断手段や異常処理手段となるプログラムが格納されている。定電圧電源回路120と分圧抵抗122・123やオフセット電圧発生回路121は図1のものと同様に構成されているが、インタフェース回路140a〜140dに代わって図10で後述するインタフェース回路150a〜150dが使用され、マイクロプロセッサ110は点検指令CK1〜CK4を発生してインタフェース回路150a〜150dを制御するようになっている。
図9のもののインタフェース回路部の詳細回路図である図10において、排気ガスセンサ
103aの正配線104aに接続されるインタフェース回路150aは、演算増幅器151aと、当該演算増幅器151aの非反転入力端子に接続された平滑コンデンサ152aと、バイアス抵抗153aと、分圧抵抗155aとを備え、演算増幅器151aの出力端子は反転入力端子に負帰還接続されると共に、マルチプレクサ130を介してマイクロプロセッサ110のアナログ入力ポートAN2に選択接続されるようになっている。なお、分圧抵抗155aはNPN型トランジスタである直列開閉素子156aによってグランド回路に接続され、当該直列開閉素子156aはマイクロプロセッサ110の点検指令出力CK1に接続された駆動抵抗157aによって開閉駆動されるようになっている。低抵抗の分圧抵抗158・159は定電圧電源回路120の出力電圧を分圧してバイアス電圧Vpを生成し、バイアス抵抗153aの一端には分圧抵抗158・159によるバイアス電圧Vpが印加されている。インタフェース回路150b〜150dも同様に構成され、負配線105a〜105dにはオフセット電圧V1が印加されている。
このように構成された演算増幅器151aの出力電圧である測定電圧Vdは次式で示される。
ただし、Vccは制御電源電圧、Rsは排気ガスセンサ103aの等価内部抵抗、Vsは排気ガ
スセンサ103aの発生電圧、V1はオフセット電圧、R153はバイアス抵抗153aの抵抗値、R155は分圧抵抗155aの抵抗値であり、R153>>R155≒Rsの関係が成立しているものとする。
まず、直列開閉素子156aが開路しているときの測定電圧VdをVoffとすると(3)式が成立する。
Voff≒Vs+(V1+ΔV2) 但し ΔV2=Vp×Rs/R153 ・・・(3)
次に、直列開閉素子156aが閉路しているときの測定電圧VdをVonとすると(4)式が
成立する。
Von≒[Vs+(V1+ΔV2)]×R155/(Rs+R155) ・・・・・・・・(4)
(3)(4)式の比率を算出すると(5)式が得られる。
Voff/Von≒(Rs+R155)/R155=1+Rs/R155 ・・・・・・・(5)
(5)式を変形すると(6)式によって内部抵抗Rsが算出される。
Rs=(Voff/Von−1)×R155 ・・・・・・・・・・・・・・・(6)
一例としてV1=0.5V、Vs=0〜1.0V、Vcc=5.0V、Rs=20KΩ、R153=1000KΩ、
R155=20KΩ、Vp=0.22Vとした場合には ΔV2=Vp(Rs/R153)=0.004Vと
なっている。
(2)作用動作の詳細な説明
次に、図9・図10のとおりに構成されたこの発明の第3実施例装置の作用・動作につい
て、図11・図12に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、図9・図10のとおりに構成されたものにおいて、出力接点102が閉路するとマイクロプロセッサ110は定電圧電源回路120から給電されて動作を開始し、各種入力センサ106
や排気ガスセンサ103a〜103dの動作状態や信号レベルとプログラムメモリ111Cに格納さ
れた入出力制御プログラムの内容に応動して各種電気負荷107に対する駆動制御が実行さ
れ、その実行過程で図11・図12に示した異常点検動作が行われるものである。
次に、図9・図10のものの点検動作説明用のフローチャートである図11において、工程500はマイクロプロセッサ110が点検動作を開始するステップであり、当該開始ステップは後述の工程519で示された動作終了ステップに続いて、所定の待機時間をおいて再度繰返し実行されるようになっている。
続く工程501はマルチプレクサ130のチャンネル番号を指定して、点検したいものが排気
ガスセンサ103a〜103dの中のどれであるかを設定するステップ、続く工程ブロック510は図4で前述した第二の異常診断手段となるサブルーチンプログラムを実行するステップ
であり、当該工程ブロック510では工程501で指定された排気ガスセンサの正端子配線に
関する地絡・天絡・断線異常の有無の判定が行なわれるようになっている。
続く工程ブロック508は図12で詳述するセンサ抵抗測定手段となるサブルーチンプログラ
ムであり、この工程ブロック508によって排気ガスセンサの内部短絡異常又は正端子配線と負端子配線間の短絡異常の有無が判定されるようになっている。
続く工程509は複数の排気ガスセンサ103a〜103dの全ての点検動作が完了したかどうかを
判定して、未完了であれば工程501に復帰して残りの排気ガスセンサの点検動作を継続
し、完了であれば工程512へ移行する判定ステップである。
工程509に続く一連の工程512〜517によって構成された工程ブロック520は第一の異常診断手段となるプログラムの内容を表現したものであり、当該工程ブロック520では排気ガスセンサ103a〜103dの負端子配線に関する地絡・天絡異常の有無の判定が行なわれるよ
うになっている。
まず、工程509に続いて実行される工程512はマイクロプロセッサ110のアナログ入力ポートAN1に入力され、多チャンネルAD変換器114によってデジタル変換されたオフセット電圧V1の値のデジタル変換値D1をRAMメモリ112の第一アドレスに読み出すステップである。
続く工程513は工程512で読み出されたデジタル変換値D1と第2閾値E2との大小関係を比較して、D1≦E2であればYESの判定を行なって工程515へ移行し、D1>E2であればNOの判定を行なって工程516へ移行する判定ステップとなっている。
なお、第2閾値E2の値は正常なオフセット電圧V1(例えば0.5V)のデジタル変換値D
1(例えば100)よりも確実に小さな値である90%レベルの値が使用され、正常状態であれば工程513がYESの判定を行なうことはないようになっている。
工程516は工程512で読み出されたデジタル変換値D1と第3閾値E3との大小関係を比較
して、D1<E3であればNOの判定を行なって工程ブロック530へ移行し、E3≦D1であればYESの判定を行なって工程517へ移行する判定ステップとなっている。
なお、第3閾値E3の値は正常なオフセット電圧V1(例えば0.5V)のデジタル変換値D1(例えば100)よりも確実に大きな値である110%レベルの値が使用され、正常状態であれば工程516がYESの判定を行なうことはないようになっている。
また、工程515は負端地絡異常を仮記憶するステップ、工程517は負端天絡異常を仮記憶
するステップであるが、仮記憶された異常状態は後述のとおり再確認されたうえで確定
記憶されるようになっている。
工程ブロック530は工程516がNOの判定を行なったとき、又は工程515・工程517に続いて実行される異常処理手段となるサブルーチンプログラムであり、当該工程ブロック530は図5で前述したとおり、異常状態の判定確認・異常報知・異常履歴情報の保存などの処理が実行され、続いて点検終了ステップである工程519へ移行するようになっている。従って、この実施形態では工程501から工程ブロック508に至る一巡のフローによって全ての排気ガスセンサの正端異常と短絡異常の点検を行ってから、工程ブロック520による負端異常の点検が行われ、続いて工程ブロック530による異常処理が実行されて一巡の制御フローが終了し、引き続いて動作開始工程500が活性化されるようになっている。
なお、工程ブロク520は工程501〜工程509に先立って実行するようにしても良い。
図11におけるセンサ抵抗測定手段に関する動作説明用のフローチャートである図12において、工程550はセンサ抵抗測定手段の動作開始ステップであり、当該工程550は図11の工程ブロック510に続いて実行され、後述の工程559に続いて工程509へ復帰するように構成されている。工程550に続く一連の工程551〜558によって構成された工程ブロックは図11における工程ブロック508の内容を表現したものである。
まず、工程550に続いて実行される工程551ではマイクロプロセッサ110が点検指令出力
CK1によって直列開閉素子156aを閉路する。
続く工程552はマイクロプロセッサ110のアナログ入力ポートAN2に入力され、多チャンネルAD変換器114によってデジタル変換された測定電圧Vdの値のデジタル変換値D2を閉路電圧Vonの値としてRAMメモリ112の第三アドレスに読み出すステップである。
なお、工程ブロック510を実行したときには、図4の工程311によって測定電圧Vdの値のデジタル変換値D2を開路電圧Voffの値としてRAMメモリ112の第二アドレスに読み出し保存している。
続く工程553は工程552で読み出し記憶された閉路電圧Vonの値と、工程ブロック510内で読出し記憶された開路電圧Voffの値を基にして(6)式によって排気ガスセンサの等価内部抵抗Rsを算出するステップである。
続く工程554は工程553で算出された内部抵抗Rsが予め定められた正常値に近似しているかどうかを判定し、ほぼ正常値に等しいときにはYESの判定を行なって工程558へ移行し、正常値から乖離しているときには工程555aへ移行する判定ステップとなっている。
工程555aは工程553で算出された内部抵抗Rsが正常値に対して過小であれば工程556aへ移行し、過大であれば工程555bへ移行する判定ステップとなっている。
工程555bは例えば数分間の暖機運転が完了しているかどうかを判定し、暖機完了であれ
ば工程556bへ移行し、暖機未完了であれば工程558へ移行する判定ステップとなっている。工程556aはセンサ又は配線の短絡異常判定を行なって、これをRAMメモリ112に仮記憶するステップ、工程556bはセンサ又は配線の断線異常判定を行なって、これをRAMメ
モリ112に仮記憶するステップとなっている。
工程554がYESの判定であったとき、又は工程555bがNOの判定であったとき、又は工程
556a・556bに続いて実行される工程558では、工程551で閉路されていた直列開閉素子
156aを開路し、続いて復帰工程559を経由して図11の工程509へ移行するようになっている。
工程555aと工程556aとで構成された工程ブロック560は短絡異常判定手段となるものである。なお、排気ガスセンサの内部抵抗Rsの正常値は予めプログラムメモリ111Cに格納保存されているが、工程553で算出された内部抵抗Rsの値を順次平均化して、搭載使用された現品の内部抵抗の正常値として使用することもできる。
また、このようにして学習記憶された内部抵抗Rsについて、エンジンの稼動初期の値を
初期値として記憶しておいて、現在時点の内部抵抗Rsがこの初期値から大幅に変化した
場合には排気ガスセンサの劣化異常であると判定することもできる。
(3)実施形態3の要点と特徴
この発明の実施形態3によるエンジン制御装置100Cは内燃機関の運転状態を監視する各種入力センサ106の動作状態と、プログラムメモリ111Cに格納された制御プログラムの内容とに応動して、前記内燃機関の運転駆動用の各種電気負荷107を駆動制御するマイクロプロセッサ110を備えたエンジン制御装置である。
前記各種入力センサ106は複数個の排気ガスセンサ103a〜103dを包含し、前記複数の排気
ガスセンサ103a〜103dの各負端子にはオフセット電圧発生回路121が発生する所定のオフ
セット電圧V1が印加され、当該負端子とグランド回路GND間の電圧である負端子電位は多チャンネルAD変換器114を介してデジタル変換されて、前記マイクロプロセッサ110
を介して演算処理用のRAMメモリ112に格納される。
前記プログラムメモリ111Cは少なくとも第一・第二の異常診断手段520・510となるプロ
グラムと正端異常判定回避手段330bとなるプログラムを包含している。
前記複数の排気ガスセンサ103a〜103dの各正端子にはバイアス付加抵抗が接続されていると共に、前記プログラムメモリ111Cは第三の異常診断手段330aとなるプログラムを包含している。
前記バイアス付加抵抗は前記排気ガスセンサ103a〜103dの各正端子配線104a〜104dに接
続された演算増幅器151a(〜151d)の入力回路に接続され、定電圧電源回路120の出力電
圧を分圧して得られるバイアス電圧Vpと前記演算増幅器151a(〜151d)の入力端子間に
接続された高抵抗のバイアス抵抗153a(〜153d)によって構成されている。
前記バイアス電圧Vpは前記オフセット電圧V1よりも小さな値であるか、又は前記オフ
セット電圧V1と最大検出電圧Vmとの加算値V1+Vmよりも大きな値となるように設定さ
れている。
前記第三の異常診断手段330aは前記正端子電位のデジタル変換値D2が前記バイアス抵抗
153a(〜153d)によって付加されたバイアス電圧Vpのデジタル変換値に相当していると
きにセンサ回路の断線異常であると判定する手段であり、前記第三の異常診断手段330a
は運転開始所定時間後であって前記排気ガスセンサ103a〜103dが活性化したと推定され
る時間を経過した後に有効となるようになっている。
従って、天絡・地絡異常と断線異常とを識別検出することができるので、保守点検の能
率が向上する特徴がある。
前記排気ガスセンサ103a〜103dの正端子にはグランド回路に接続される分圧抵抗155a
(〜155d)と直列開閉素子156a(〜156d)との直列回路が接続されていると共に、前記プログラムメモリ111Cは更に、センサ抵抗測定手段508となるプログラムと短絡異常判定手段560となるプログラムを包含している。
前記センサ抵抗測定手段508は前記直列開閉素子156a(〜156d)を一時的に閉路したときの正端子電位Vonと、前記直列開閉素子156a(〜156d)を閉路する直前又は再開路した直後の正端子電位Voffとを対比することによって前記排気ガスセンサ103a〜103dの内部抵抗Rsを算出する手段となっている。
前記短絡異常判定手段560は前記センサ抵抗測定手段508によって測定された排気ガスセンサ103a〜103dの内部抵抗Rsが所定の閾値以下であることによって、前記排気ガスセンサ103a〜103dの正負端子間の短絡異常であることを判定する手段となっている。
従って、排気ガスセンサ自体の短絡異常、又は正配線と負配線間の短絡異常を検出し、
制御状態が異常となるのを回避すると共に、保守点検の能率を向上することができる特
徴がある。
前記直列開閉素子156a(〜156d)は前記マルチプレクサ130が複数の排気ガスセンサ103a
〜103dのどれかを選択指定することに関連して動作し、前回の選択指定時には前記直列開閉素子156a(〜156d)が閉路しておれば今回の選択指定時には開路するよう同期制御されるようになっている。
従って、マルチプレクサによる選択段数や多チャンネルAD変換器のアナログ入力点数を増加させることなく内部抵抗の測定が行なえる特徴がある。
この発明の第1実施例装置の回路ブロック図である。 図1のインタフェース回路部の詳細回路図である。 図1の点検動作説明用のフローチャートである。 図3における第二の異常診断に関する動作説明用のフローチャートである。 図3における異常処理手段に関する動作説明用のフローチャートである。 この発明の第2実施例装置の回路ブロック図である。 図6の点検動作説明用のフローチャートである。 図7における負線断線検出に関する動作説明用のフローチャートである。 この発明の第3実施例装置の回路ブロック図である。 図9のインタフェース回路部の詳細回路図である。 図9の点検動作説明用のフローチャートである。 図11における抵抗測定手段に関する動作説明用のフローチャートである。
符号の説明
100A〜100C エンジン制御装置、 210・410・510 第二の異常診断手段、
103a〜103d 排気ガスセンサ、 220・420・520 第一の異常診断手段、
104a〜104d 正配線、 230・430・530 異常処理手段、
105a〜105d 負配線、 320 第二の異常診断手段、
106 各種入力センサ 330a 第三の異常診断手段、
107 各種電気負荷、 330b 正端異常判定回避手段、
108a 第一の負配線、 342 判定確認手段、
108b〜108d 渡り配線、 345 異常報知手段、
108e 第二の負配線、 348 履歴情報保存手段、
350 異常処理手段
110 マイクロプロセッサ、 419 負線断線異常検出手段、
111A〜111C プログラムメモリ、 508 センサ抵抗測定手段、
112 RAMメモリ、 560 短絡異常判定手段、
113 データメモリ、 114 多チャンネルAD変換器、 Vcc 制御電源電圧、
120 定電圧電源回路、 V1 オフセット電圧、
121 オフセット電圧発生回路、 SL1・SL2 選択指令、
124 点検用開閉素子、 GND グランド回路、
130 マルチプレクサ、 Rs 内部抵抗、
Vs 発生電圧 Vs=V0〜Vm
140a・150a インタフェース回路、 D1 負端子電位のデジタル変換値、
141a・151a 演算増幅器、 D2 正端子電位のデジタル変換値、
143a プルアップ抵抗、 Vp バイアス電圧、
143e 第二のプルアップ抵抗、 144a・154a プルダウン抵抗、
144e 第二のプルダウン抵抗、 153a バイアス抵抗、
155a 分圧抵抗、 156a 直列開閉素子。

Claims (8)

  1. 内燃機関の運転状態を監視する各種入力センサの動作状態と、プログラムメモリに格納された制御プログラムの内容とに応動して、前記内燃機関の運転駆動用の各種電気負荷を駆動制御するマイクロプロセッサを備えたエンジン制御装置であって、前記各種入力センサは複数個の排気ガスセンサを包含し、当該排気ガスセンサのそれぞれは一対の正端子と負端子間に接続された等価電圧源と等価内部抵抗を有し、所定の活性化温度において理論空燃比を境とし前記等価電圧源の発生電圧Vsが最小値V0から最大値Vmとの間で変化するものであり、前記複数の排気ガスセンサの各負端子にはオフセット電圧発生回路が発生する所定のオフセット電圧V1が印加され、当該負端子とグランド回路間の電圧である負端子電位は多チャンネルAD変換器を介してデジタル変換されて、前記マイクロプロセッサを介して演算処理用のRAMメモリに格納され、前記複数の排気ガスセンサの各正端子にはグランド回路に接続される高抵抗のプルダウン抵抗と、電源回路に接続される高抵抗のプルアップ抵抗の少なくとも一方、又は所定のバイアス電位を付与する高抵抗のバイアス抵抗が接続され、当該正端子とグランド回路間の電圧である正端子電位は多チャンネルAD変換器を介してそれぞれ個別にデジタル変換されて、前記マイクロプロセッサを介して演算処理用の前記RAMメモリに格納され、前記プログラムメモリは少なくとも第一・第二の異常診断手段となるプログラムと正端異常判定回避手段となるプログラムを包含し、前記第一の異常診断手段は前記負端子電位のデジタル変換値D1が前記オフセット電圧V1に比例した値を基準にして、過大又は過小であることによって負端子配線が電源線と混触した天絡異常又は負端子配線がグランド線と混触した地絡異常であると判定する手段であり、前記第二の異常診断手段は前記正端子電位のデジタル変換値D2が前記オフセット電圧V1と最大検出電圧Vmとの加算値V1+Vmに比例した値を基準にして過大であるか、又は前記オフセット電圧V1に比例した値を基準として過小であることによって正端子配線が電源線と混触した天絡異常又は正端子配線がグランド線と混触した地絡異常であると判定し、断線異常が発生すると前記地絡異常又は天絡異常として判定する手段であり、前記マイクロプロセッサは前記正端子電位のデジタル変換値D2と負端子電位のデジタル変換値D1との差分演算によって前記排気ガスセンサの発生電圧Vsに比例したデジタル変換値を得ると共に、前記第一・第二の異常診断手段による診断結果に応動した異常報知を行なうものであり、前記正端異常判定回避手段は前記第一の異常診断手段が少なくとも負端子配線の地絡異常を検出しているときには、前記第二の異常診断手段による正端子配線の地絡異常判定を行なわないようにして、前記マイクロプロセッサの差分演算を有効とみなす手段であることを特徴とするエンジン制御装置。
  2. 前記複数の排気ガスセンサの各正端子にはバイアス付加抵抗が接続されていると共に、前記プログラムメモリは第三の異常診断手段となるプログラムを包含し、前記バイアス付加抵抗は前記排気ガスセンサの各正端子配線に接続された演算増幅器の入力回路に接続された一対のプルアップ抵抗及びプルダウン抵抗の組み合わせによって所定のバイアス電圧Vpを印加するか、定電圧電源回路の出力電圧を分圧して得られるバイアス電圧Vpと前記演算増幅器の入力端子間に接続された高抵抗のバイアス抵抗によって構成され、前記バイアス電圧Vpは前記オフセット電圧V1よりも小さな値であるか、又は前記オフセット電圧V1と最大検出電圧Vmとの加算値V1+Vmよりも大きな値となるように設定されており、前記第三の異常診断手段は前記正端子電位のデジタル変換値D2が前記プルダウン抵抗及びプルアップ抵抗又はバイアス抵抗によって付加されたバイアス電圧Vpのデジタル変換値に相当しているときにセンサ回路の断線異常であると判定する手段であり、前記第三の異常診断手段は運転開始所定時間後であって前記排気ガスセンサが活性化したと推定される時間を経過した後に有効となるものであることを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。
  3. 前記複数の排気ガスセンサの正端子は個別の正配線によって個別に前記エンジン制御装置に接続され、前記複数の排気ガスセンサの内で第一の排気ガスセンサの負端子は第一の負配線によって前記エンジン制御装置に接続され、他の排気ガスセンサの負端子は渡り配線で相互に順次接続され、最終の排気ガスセンサの負端子は第二の負配線によって前記エンジン制御装置に接続され、前記第一・第二の負配線は前記エンジン制御装置内で接続されて環状回路を構成して共通のオフセット電圧発生回路に接続され、所定のオフセット電圧V1が印加されるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジン制御装置。
  4. 前記第一・第二の負配線は前記エンジン制御装置内で点検用開閉素子を介して接続されていて、前記のオフセット電圧発生回路の出力電圧は前記点検用開閉素子を介してモニタ信号電圧として前記多チャンネルAD変換器のアナログ入力端子に接続され、当該アナログ入力端子に対する入力回路にはグランド回路に接続される第二のプルダウン抵抗、又は定電圧電源回路の出力端子に接続される第二のプルアップ抵抗の少なくとも一方の抵抗又は両方の抵抗が接続されていると共に、前記プログラムメモリは更に負線断線異常検出手段となる制御プログラムを包含し、前記負線断線異常検出手段は上記点検用開閉素子を一時的に開路したときに、前記モニタ信号電圧の値と前記オフセット電圧V1とを比較して、前記オフセット電圧発生回路から第一の負配線と渡り配線と第二の負配線を経由して前記多チャンネルAD変換器に至 る配線の地絡異常・天絡異常・断線異常の有無を検出する手段であることを特徴とする請求項3に記載のエンジン制御装置。
  5. 前記複数の排気ガスセンサの各正端子の電位はマルチプレクサを介し前記多チャンネルAD変換器の一つのアナログ入力端子に選択接続され、前記複数の排気ガスセンサの各負端子に対して共通接続された前記オフセット電圧発生回路の出力電圧は、前記多チャンネルAD変換器の他の入力端子に接続され、前記マルチプレクサは前記マイクロプロセッサからの選択指令によってアナログ入力信号の選択接続を行なうものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジン制御装置。
  6. 前記プログラムメモリは更に判定確認手段と異常処理手段となるプログラムを包含し、前記判定確認手段は前記第一・第二・第三の異常診断手段が異常ありを検出したときに作用して、異常判定された排気ガスセンサの異常状態を再確認し、異常発生が確認されないときには一時的な誤判定であったとして判定結果を無視する手段であり、前記異常処理手段は前記判定確認手段が異常状態を再確認したときに実行され、異常発生状態を警報・表示すると共に、異常発生履歴情報として不揮発性のデータメモリに格納保存する手段であることを特徴とする請求項5に記載のエンジン制御装置。
  7. 前記排気ガスセンサの正端子にはグランド回路に接続される分圧抵抗と直列開閉素子との直列回路が接続されていると共に、前記プログラムメモリは更に、センサ抵抗測定手段となるプログラムと短絡異常判定手段となるプログラムを包含し、前記センサ抵抗測定手段は前記直列開閉素子を一時的に閉路したときの正端子電位Vonと、前記直列開閉素子を閉路する直前又は再開路した直後の正端子電位Voffとを対比することによって前記排気ガスセンサの内部抵抗を算出する手段であり、前記短絡異常判定手段は前記センサ抵抗測定手段によって測定された排気ガスセンサの内部抵抗が所定の閾値以下であることによって、前記排気ガスセンサの正負端子間の短絡異常であることを判定する手段であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のエンジン制御装置。
  8. 前記直列開閉素子は前記マルチプレクサが複数の排気ガスセンサのどれかを選択指定することに関連して動作し、前回の選択指定時には前記直列開閉素子が閉路しておれば今回の選択指定時には開路するよう同期制御されることを特徴とする請求項7に記載のエンジン制御装置。
JP2006258942A 2006-09-25 2006-09-25 エンジン制御装置 Active JP4157576B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006258942A JP4157576B2 (ja) 2006-09-25 2006-09-25 エンジン制御装置
US11/797,572 US7415343B2 (en) 2006-09-25 2007-05-04 Engine controller
DE102007023689A DE102007023689B4 (de) 2006-09-25 2007-05-22 Motorsteuerung
CN200710126439A CN100587247C (zh) 2006-09-25 2007-06-08 发动机控制装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006258942A JP4157576B2 (ja) 2006-09-25 2006-09-25 エンジン制御装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2008075627A JP2008075627A (ja) 2008-04-03
JP2008075627A5 JP2008075627A5 (ja) 2008-08-07
JP4157576B2 true JP4157576B2 (ja) 2008-10-01

Family

ID=39134601

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006258942A Active JP4157576B2 (ja) 2006-09-25 2006-09-25 エンジン制御装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US7415343B2 (ja)
JP (1) JP4157576B2 (ja)
CN (1) CN100587247C (ja)
DE (1) DE102007023689B4 (ja)

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4493702B2 (ja) * 2008-05-28 2010-06-30 三菱電機株式会社 内燃機関の制御装置
DE102009029518A1 (de) 2009-09-16 2011-03-24 Robert Bosch Gmbh Anordnung und Verfahren zum Betreiben einer Abgasnachbehandlungsvorrichtung
JP5737261B2 (ja) * 2012-10-16 2015-06-17 トヨタ自動車株式会社 車両
WO2014127046A1 (en) * 2013-02-12 2014-08-21 Headsight, Inc. Diagnostic system for a controller
CN105164392B (zh) * 2013-04-30 2018-01-19 三菱电机株式会社 蓄电池状态检测装置以及蓄电池状态检测方法
JP6036633B2 (ja) * 2013-10-07 2016-11-30 株式会社デンソー エンジン制御装置
JP6158029B2 (ja) * 2013-10-10 2017-07-05 日立オートモティブシステムズ株式会社 電子制御装置
KR101567165B1 (ko) * 2013-12-19 2015-11-09 현대자동차주식회사 인젝터 드라이버
WO2015180091A1 (en) * 2014-05-29 2015-12-03 Abb Technology Ltd Control system having wire break detection capability
US9429126B2 (en) * 2014-06-05 2016-08-30 Caterpillar Inc. System and method for detecting short-to-ground fault
JP6536485B2 (ja) * 2016-05-30 2019-07-03 株式会社デンソー 異常判別装置
CN106411320B (zh) * 2016-09-07 2020-02-07 深圳怡化电脑股份有限公司 一种模拟信号的电路
US10371736B2 (en) 2017-02-28 2019-08-06 Delphi Technologies Ip Limited Short-circuit pinpointing device
JP7059375B2 (ja) * 2018-07-13 2022-04-25 日立Astemo株式会社 センサ制御装置
KR102298807B1 (ko) * 2020-07-24 2021-09-08 주식회사 현대케피코 산소센서 보완회로 및 이를 이용한 노이즈 유무 판단 장치와 방법
US11636870B2 (en) 2020-08-20 2023-04-25 Denso International America, Inc. Smoking cessation systems and methods
US11813926B2 (en) 2020-08-20 2023-11-14 Denso International America, Inc. Binding agent and olfaction sensor
US11828210B2 (en) 2020-08-20 2023-11-28 Denso International America, Inc. Diagnostic systems and methods of vehicles using olfaction
US11760169B2 (en) 2020-08-20 2023-09-19 Denso International America, Inc. Particulate control systems and methods for olfaction sensors
US11881093B2 (en) 2020-08-20 2024-01-23 Denso International America, Inc. Systems and methods for identifying smoking in vehicles
US11932080B2 (en) 2020-08-20 2024-03-19 Denso International America, Inc. Diagnostic and recirculation control systems and methods
US11760170B2 (en) 2020-08-20 2023-09-19 Denso International America, Inc. Olfaction sensor preservation systems and methods
EP4141232B1 (en) * 2021-08-24 2024-03-13 Liebherr-Components Colmar SAS A system for checking a correct mounting of a sensor

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0718359B2 (ja) * 1987-03-14 1995-03-01 株式会社日立製作所 エンジンの空燃比制御方法
DE4113316C2 (de) * 1991-04-24 2003-09-11 Bosch Gmbh Robert Anschlußschaltung für eine Lambdasonde und Prüfverfahren für eine solche Schaltung
JP2001173496A (ja) * 1999-12-21 2001-06-26 Suzuki Motor Corp O2センサ診断装置
US6957562B2 (en) * 2003-07-22 2005-10-25 General Motors Corporation Passive oxygen sensor diagnostic
JP4094538B2 (ja) 2003-12-11 2008-06-04 三菱電機株式会社 空燃比センサの故障診断装置

Also Published As

Publication number Publication date
DE102007023689B4 (de) 2010-02-18
CN101153566A (zh) 2008-04-02
CN100587247C (zh) 2010-02-03
US20080077303A1 (en) 2008-03-27
US7415343B2 (en) 2008-08-19
DE102007023689A1 (de) 2008-04-03
JP2008075627A (ja) 2008-04-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4157576B2 (ja) エンジン制御装置
JP2666229B2 (ja) 内燃エンジンの異常診断装置
JP6097018B2 (ja) 広帯域ラムダセンサのケーブルエラーを監視するための方法および制御ユニット
JP4094538B2 (ja) 空燃比センサの故障診断装置
KR101575539B1 (ko) 산소 센서 제어 장치 및 방법
US7856306B2 (en) Vehicle-mounted engine control apparatus
KR20090025157A (ko) 내연 기관의 배기 가스 프로브、 특히 람다 프로브를 위한 테스트 방법
CN110594028A (zh) 节气门自学习的控制方法、装置及电子控制单元
JPH04501613A (ja) 排ガスセンサの加熱器とそのリード線系統の機能正常性を検査する方法及び装置
JPH0331041A (ja) 車輌の自己診断装置
JP3918712B2 (ja) 故障診断機能判定装置
JP4443635B2 (ja) 自動車における電気消費機器の診断
JP2001108645A (ja) 負荷の異常検出装置
JP4478181B2 (ja) エンジン制御装置
US9470653B2 (en) Method and apparatus for diagnosing disconnection of oxygen sensor
US20210372964A1 (en) Sensor control device
JP7055873B2 (ja) 車載電子制御装置
JPH02165070A (ja) 電気回路の異常検出装置
CN110685830B (zh) 检测阀门控制偏差过大的方法、装置、设备及存储介质
JP6369291B2 (ja) 酸素濃度検出装置の故障検出システム及び酸素濃度検出装置の故障検出方法
JP2632618B2 (ja) 車両用故障診断方法
JP2005140742A (ja) センサの劣化診断装置
WO2022239446A1 (ja) パージバルブ駆動制御装置
JP2006348945A (ja) 車載用制御装置およびそれに用いられる障害診断方法
JP5874404B2 (ja) 電子制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080618

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080630

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080708

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080711

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4157576

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120718

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120718

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130718

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250