JP4157342B2 - 流体供給路における安全装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、供給路を通過する燃料ガスのような流体の瞬時流量に基づいて流体の使用状態を監視し、流体の使用状態の異常を検出する流体供給路における安全装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、都市ガスやプロパンガスのような燃料ガスでは、燃料ガスを供給するガスホースがガス使用機器から外れたりガスを燃焼させるガス使用機器において炎が立ち消えするなどして、未燃焼の生ガスが大量に流出すると危険である。また、ガス使用機器の消し忘れによってガス使用機器が過熱する可能性もある。そこで、燃料ガスの供給路において流量の変化を監視することによって、生ガスの流出の有無やガス使用機器の消し忘れの有無を判定し、生ガスの流出の可能性があるときやガス使用機器の消し忘れの可能性があると判定したときに、供給路上に配置されている遮断弁を遮断させる安全装置が提案されている(たとえば、特公昭62−30350号公報)。
【0003】
上記公報では、一定体積の燃料ガスが供給路を通過するたびにパルス信号を発生させるように構成したガスメータが示され、パルス信号の計数によって1分毎の平均流量を求めるとともに、平均流量が変化せずに継続する時間が規定した制限時間(継続使用安全時間)に達したときに、生ガスの流出あるいはガス使用機器の消し忘れと判断し、供給路に挿入した遮断弁を遮断する技術が提案されている。すなわち、燃料ガスの1分毎の平均流量がどの流量区分に属するかに応じて継続使用安全時間が決定され、燃料ガスの1分毎の平均流量が変化しない状態が継続使用安全時間に達したときに、生ガスが流出しているかガス使用機器が連続使用されていると判断して遮断弁を遮断するのである。ただし、継続使用安全時間に達する前に平均流量が変化したときには継続使用安全時間の計時を解除し、変化後の平均流量が属している流量区分において継続使用安全時間をあらためて計時する構成を採用している。ここに、継続使用安全時間は1分毎の平均流量を複数段階に区分した流量区分ごとに設定され、平均流量が大きいほど短くなるように規定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記公報に記載の技術では、燃料ガスの通過に伴って回転する回転軸に円盤を固定し、円盤の周部に永久磁石を取り付けるとともに永久磁石の位置をホールICで検出することにより、円盤が1回転するたびに上述したパルス信号をホール素子から1個出力するように構成した流量測定装置を採用している。
【0005】
一方、最近では燃料ガスの使用量を計測するために超音波流量計の採用が検討されている。超音波流量計では、図6に示すように、供給路1の上流側と下流側とにそれぞれ超音波の送受波を行う超音波センサ3a,3bを配置しておき、超音波センサ3a,3bの間で超音波を送受することによって燃料ガスの流速を求める。2個の超音波センサ3a,3bは、互いに対向するとともに、超音波センサ3a,3bの間で送受される超音波の進行方向と流体が供給路1を通過する方向とが角度θをなして交差するように配置される。
【0006】
図示する構成の超音波流量計を用いて流量を計測するには、上流側の超音波センサ3aから下流側の超音波センサ3bに向かって超音波を送波したときの超音波の伝播時間t1と、下流側の超音波センサ3bから上流側の超音波センサ3aに向かって超音波を送波したときの超音波の伝播時間t2とを用いる。両超音波センサ3a,3bの間の距離をd、流体の流速をv、音速をcとすると、以下の関係が得られる。
(c+v・cosθ)t1=d
(c−v・cosθ)t2=d
したがって、流速vは以下のように表すことができる。
v=(d/2cosθ){(1/t1)−(1/t2)}
このようにして求めた流速vに供給路1の断面積Sを乗じた値が瞬時流量qになる。つまり、瞬時流量qは次式で表される。
q=v・S
超音波流量計では各超音波センサ3a,3bをそれぞれ送波側として超音波を1回ずつ送受波する動作が1組の動作になり、少なくとも1組の動作を行えば瞬時流量qを求めることができる。また、瞬時流量qは間欠的(たとえば、2〜3秒毎)に計測され、瞬時流量qを求めた時間間隔を瞬時流量qに乗じることによって瞬時流量qを計測する時間内に供給路1を通過した燃料ガスの総量を求める。
【0007】
ところで、燃料ガスの需要家あるいは需要家の近隣においてガスヒートポンプ(GHP)やガスエンジンを使用している場合には、供給路内の圧力に変動が生じる。上記公報に記載されている流量測定装置は、いわゆる膜式メータにおいて採用されている構成であって、膜式メータは体積計であるから上述のような原因により生じる比較的短い周期の圧力変動の影響はほとんど考慮する必要がない。つまり、圧力変動によって平均流量が変化する可能性は少なく、継続使用安全時間を正確に計時することができる。
【0008】
しかし、超音波流量計は流速に基づいて瞬時流量を求めているから、圧力変動によって瞬時流量が変動する可能性がある。いま、超音波流量計を用いて30秒間の平均流量を求め、平均流量に基づいてガス漏れないしガス使用機器の消し忘れを判断して遮断弁2を遮断するか否かを判定するものとする。ここで、30秒間の平均流量に対する流量区分と継続使用安全時間(以下、「許容連続使用時間」という)との対応関係は表1に示すようなテーブルとして設定されているものとする。ただし、Lはリットルを表す。
【0009】
【表1】
【0010】
表1に示すテーブルを用いて遮断弁2を遮断するか否かを判断する手順は図7のようになる。図7に示す手順はサブルーチン化されており、メインルーチンから30秒ごとに呼び出される。すなわち、図7に示すサブルーチンでは、メインルーチンから30秒間の平均流量Qave(i)を取得した後(S1)、流量の有無と流量の変化の有無を判定する。流量の有無は、平均流量Qave(i)が50L/h以上であるか否かにより判定し(S2)、平均流量Qave(i)が50L/h未満であれば許容連続使用時間の計時動作を解除し(S3)、メインルーチンに戻る(S4)。つまり、ステップS3では許容連続使用時間を時限するタイマ部をリセットして許容連続使用時間の時限を中止する。つまり、許容連続使用時間の設定値を「制限なし」にする。
【0011】
一方、ステップS2において流量があると判断されると、流量の変化の有無が判定される(S5)。流量の変化の有無を判定するにあたっては、30秒毎に求められる平均流量の時系列における現在値Qave(i)と1期間前の値Qave(i−1)との差分(=|Qave(i)−Qave(i−1)|)が求められる。この差分が基準値よりも大きいときには平均流量に変化が生じたと判断する。平均流量の変化の有無を判断する基準値は2種類の値で与えられ、両値のうちの大きいほうを用いる。基準値としては、たとえば平均流量の現在値Qave(i)に対する3%の値と50L/hとのうち大きいほうを採用する。ステップS5において流量の変化があると判断されると許容連続使用時間を時限するタイマ部をリセットし(S6)、変化後の平均流量(つまり、現在値Qave(i))が属する流量区分に対応する許容連続使用時間を求めた後(S7)、メインルーチンに戻る(S4)。一方、ステップS5において流量の変化がないと判断されると、計時中の時間と許容連続使用時間とを比較し(S8)、計時中の時間が許容連続使用時間に達しているときには遮断弁2を遮断した後に(S9)、メインルーチンに戻る(S4)。また、ステップS8において、計時中の時間が許容連続使用時間に達していないと判断したときには、何も行わずにメインルーチンに戻る(S4)。
【0012】
ところで、超音波流量計を用いて瞬時流量を計測したときに瞬時流量が図8に示すように推移したとする。図示例では瞬時流量が正弦波状に変化しており、瞬時流量は1分程度の周期でかつ約200L/hの振幅で変化している。図から明らかなように、この状態では瞬時流量は一定値を中心として変動しているように見え、GHPやガスエンジンによる圧力脈動のみが生じていると考えられるにもかかわらず、30秒間ごとの区間で区切ると、最大で80L/h程度の変動を生じており、図7に示した手順で処理を行うとすれば、ステップS5において流量に変化があると判定されることになる。つまり、許容連続使用時間の計時が中止されて新たな許容連続使用時間が設定される可能性がある。なお、図8において、実線は30秒の期間内で得られる瞬時流量の15個の値の平均値、一点鎖線は30秒の期間内で得られる瞬時流量の15個の値のうちの最大値、二点鎖線は30秒の期間内で得られる瞬時流量の15個の値のうちの最小値を意味する。
【0013】
要するに、超音波流量計を用いて上記公報に記載された技術をそのまま適用すると、供給路内において流量に変化が生じていないにもかかわらず、圧力変動による瞬時流量の変動を実際の流量の変化と誤認して許容連続使用時間の計時を中止してしまうおそれがある。その結果、ガス漏れやガス使用機器の消し忘れを検出できない場合が生じるという問題を有している。
【0014】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、超音波流量計のような瞬時流量を計測する流量計を採用しながらも流体の使用状態の異常を確実に検出できるようにした流体供給路における安全装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、流体の供給路を通過する流体の瞬時流量を間欠的に計測する流量計測部と、一定個数の瞬時流量が得られる検出期間毎に平均値と最大値と最小値とを求める演算部と、複数段階の流量区分を規定するとともに各流量区分ごとに許容連続使用時間を対応付けたテーブルと、現在の検出期間における最小値から所定期間前の検出期間における最大値を減算した差値および前記所定期間前の検出期間における最小値から現在の検出期間における最大値を減算した差値を求め両差値をそれぞれ規定の基準値と比較する比較部と、前記検出期間毎の前記平均値が属する流量区分に対応して前記テーブルから求めた許容連続使用時間を時限するタイマ部と、前記タイマ部による時限終了までに前記比較部において前記両差値のいずれかに前記基準値以上の変化が検出されると前記タイマ部をリセットし、変化後の前記平均値が属する流量区分に対応して前記テーブルから求めた許容連続使用時間を前記タイマ部に時限させ、前記タイマ部による時限終了をもって異常と判定する判定部とを備えることを特徴とする。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記供給路に挿入された遮断弁を備え、前記判定部は、異常と判定したときに前記遮断弁の遮断を指示することを特徴とする。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記判定部が、前記平均値が所定値以下であると前記タイマ部をリセットして動作を停止させることを特徴とする。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記検出期間が30秒であることを特徴とする。
【0020】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記所定期間が3期間であることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
本実施形態では流体供給路における安全装置をガスメータに適用した例を示し、図1に示すように、都市ガスのような燃料ガスを供給する供給路1に遮断弁2と流量計測部3とを設けている。図示例では遮断弁2の下流側に流量計測部3を設けているが、遮断弁の2の上流側に流量計測部3を設けることも可能である。また、流量計測部3には従来構成として図6に示した超音波流量計を採用している。
【0022】
流量計測部3は比較的短い時間(2〜3秒)ごとに瞬時流量を間欠的に出力するように構成され、流量計測部3から間欠的に出力される瞬時流量はマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と略称する)を用いて構成された制御回路部4に入力される。ここに、流量計測部3も同じマイコンを用いて制御される。つまり、図示する流量計測部3は、超音波の送受波の制御を行うとともに送受波の結果から瞬時流量を求める演算を行うためにマイコンの一部を含んでいる。ただし、本発明では超音波の送受波の制御については要旨ではないからとくに説明しない。また、ガスメータとして燃料ガスの使用量を表示する機能や供給路1内の圧力を検出する圧力センサなども要旨ではないから省略している。
【0023】
制御回路部4は、流量計測部3から間欠的に出力される瞬時流量を30秒毎の検出期間ごとに収集しており、各30秒の検出期間で得られる15個ずつの瞬時流量に基づいて供給路1における流量の有無および流量の変化の有無を判定する機能を有し、さらにガス漏れないしガス使用機器の消し忘れがあると判断したときには遮断弁2を遮断する機能を有している。すなわち、流量計測部3で得られた瞬時流量は演算部11に入力され、演算部11では15個ずつの瞬時流量が得られる30秒の検出期間毎に瞬時流量の平均値と最大値と最小値とを求める。演算部11は瞬時流量について15個のデータを格納することができ、格納したデータの平均値と最大値と最小値とを検出期間の終了時に求めてレジスタ12に引き渡し、レジスタ12への値の引き渡し後にはすべてのデータを消去して、次のデータから15個分を格納するという動作を繰り返すように構成されている。
【0024】
レジスタ12は、平均値と最大値と最小値とをそれぞれ4個ずつ格納するシフトレジスタを備える。いま、流量の平均値、最大値、最小値の現在値をそれぞれQave(i)、Qmax(i)、Qmin(i)と表し、1期間前の平均値、最大値、最小値をそれぞれQave(i−1)、Qmax(i−1)、Qmin(i−1)、2期間前の平均値、最大値、最小値をそれぞれQave(i−2)、Qmax(i−2)、Qmin(i−2)、3期間前の平均値、最大値、最小値をそれぞれQave(i−3)、Qmax(i−3)、Qmin(i−3)と表すことにする。この場合、レジスタ12には、Qave(i)、Qmax(i)、Qmin(i)、Qave(i−1)、Qmax(i−1)、Qmin(i−1)、Qave(i−2)、Qmax(i−2)、Qmin(i−2)、Qave(i−3)、Qmax(i−3)、Qmin(i−3)の12個の値が格納されることになる。なお、レジスタ12には、最大値および最小値については現在値を含めて3期間前まで(最新の検出期間を含めて4期間分)の4個の値がそれぞれ格納することが必要であるが、平均値については現在値(最新の検出期間の平均値)のみを格納するようにしてもよい。以下では、検出期間における瞬時流量の平均値を平均流量と呼ぶ。
【0025】
従来構成では、流量の変化の有無の判定に際して一定期間における平均流量を用い、現在の平均流量Qave(i)と1期間前の平均流量Qave(i−1)との差分について基準値との大小比較を行うことにより流量の変化の有無を判定していたのに対して、本実施形態では、流量の変化の有無の判定に際して30秒の検出期間における流量の最大値と最小値とを用いる。具体的には、現在(最新)の検出期間における最小値Qmin(i)から3期間前の検出期間における最大値Qmax(i−3)を減算した差値と、3期間前の検出期間における最小値Qmin(i−3)から現在(最新)の検出期間における最大値Qmax(i)を減算した差値とについて基準値との大小比較を行うことにより流量の変化の有無を判定する。Qmin(i)−Qmax(i−3),Qmin(i−3)−Qmax(i)の演算および基準値との比較は、レジスタ12の後段に設けた比較部13で行う。また、基準値には従来構成と同様に、現在の平均流量Qave(i)の3%と50L/hとの大きいほうを用いることとする。この値は、圧力脈動が生じていない場合を考慮して従来構成と同じ値に設定してある。Qmin(i)−Qmax(i−3)は30秒毎の検出期間における平均流量が増加した場合に正値となって基準値よりも大きくなる可能性が高く、逆にQmin(i−3)−Qmax(i)は30秒毎の検出期間における平均流量が減少した場合に正値となって基準値よりも大きくなる可能性が高い。したがって、両条件のうちのいずれかが成立すれば、流量が増加側または減少側に変化したと判断することができる。
【0026】
レジスタ12の後段には比較部13とは別にテーブル15および流量検出部17も設けられている。テーブル15は流量を複数段階に区分した流量区分と遮断弁2を遮断するまでの許容連続使用時間とを対応付けたものであって、一例としては表1のように設定される。テーブル15にはレジスタ13に格納された現在の平均流量Qave(i)が照合され、平均流量Qave(i)の属する流量区分に対応する許容連続使用時間が求められる。求められた許容連続使用時間は、比較部13の後段に判定部16を介して設けたタイマ部14における時限時間としてセットされる。
【0027】
また、流量検出部17では現在の平均流量Qave(i)を用いて燃料ガスが供給路1を通過しているか否かを判断する。すなわち、流量検出部17では、現在の平均流量Qave(i)がガス使用機器においてパイロットバーナを点火している程度の50L/h以上であるときには流量があると判断して比較部13における上述した処理を行わせる。また、流量が検出されない(平均流量Qave(i)が50L/hに満たない)ときは、判定部16を介してタイマ部14をリセットする。
【0028】
タイマ部14は、流量検出部17において流量が検出された状態では、テーブル15により設定された許容連続使用時間を時限時間として時限動作を行う。時限動作の開始時点は、平均流量Qave(i)がいずれかの流量区分に達した時点またはテーブル15で求めた許容連続使用時間が時限時間としてセットされた状態でタイマ部14がリセットされた時点になる。タイマ部14の時限が終了した場合には、タイマ部14は弁駆動部18を通して遮断弁2を遮断させる。一方、時限中において比較部13で流量の変化が検出されたときには、判定部16を介してタイマ部14がリセットされ、その時点での平均流量Qave(i)に対応する許容連続使用時間を時限時間として時限動作が再開されることになる。要するに流量が変化すれば、平均流量Qave(i)に応じた時限時間であらためて時限動作を行うのである。言い換えると、判定部16は、タイマ部14による時限終了までに比較部13において両差値のいずれかに基準値以上の変化が検出されるとタイマ部14をリセットして変化後の平均値の流量区分に対応する時限時間をタイマ部14に時限させ、タイマ部14による時限終了まで両差値のいずれにも基準値以上の変化が検出されなければ前記タイマ部14により遮断弁2の遮断を指示させる。
【0029】
上述した制御回路部4における主要部の動作を図2に示す。図2に示す手順は基本的には図7に示した動作と同様であってサブルーチン化されており、メインルーチンから30秒ごとに呼び出される。すなわち、図2に示すサブルーチンでは、メインルーチンから30秒間の検出期間毎に演算部11で求めた平均流量Qave(i)と最大値Qmax(i)と最小値Qmin(i)とを取得して(S1)レジスタ12に格納し(S2)、最新の平均流量Qave(i)に基づいて流量の有無を判定する(S3)。その後、レジスタ12に格納されている瞬時流量の最新の検出期間における平均流量Qave(i)、最大値Qmax(i)、最小値Qmin(i)と、3期間前の検出期間における最大値Qmax(i−3)、最小値Qmin(i−3)とを用いて流量の変化の有無を判定する(S6)。流量の有無は、平均流量Qave(i)が50L/h以上であるか否かにより判定し(S3)、平均流量Qave(i)が50L/h未満であれば許容連続使用時間の計時動作を解除し(S4)、メインルーチンに戻る(S5)。つまり、ステップS4では許容連続使用時間の計時を中止するとともに、許容連続使用時間の設定値を「制限なし」にする。
【0030】
一方、ステップS3において流量があると判断されると、流量の変化の有無が判定される(S6)。流量の変化の有無を判定するにあたっては、比較部13においてQmin(i)−Qmax(i−3),Qmin(i−3)−Qmax(i)を基準値と比較する。基準値は従来と同様に、平均流量の現在値Qave(i)に対する3%の値と50L/hとのうち大きいほうを用いる。ステップS6において流量の変化があると判断されると判定部16を介してタイマ部14をリセットし(S7)、変化後の平均流量(つまり、現在値Qave(i))が属する流量区分に対応する許容連続使用時間を求めた後(S8)、メインルーチンに戻る(S5)。一方、ステップS6において流量の変化がないと判断されると、計時中の時間と許容連続使用時間とを比較し(S9)、計時中の時間が許容連続使用時間に達しているときには遮断弁2を遮断した後に(S10)、メインルーチンに戻る(S5)。また、ステップS9において、計時中の時間が許容連続使用時間に達していないと判断したときには、何も行わずにメインルーチンに戻る(S5)。
【0031】
上述のように30秒毎の各検出期間の最大値と最小値との差値を用いて流量の増加あるいは減少を判定する際に、現在の値と3期間前の値とを用いるのは1期間前の値あるいは2期間前の値を用いると以下の問題が生じるからである。まず、現在の値と1期間前の値とを用いる場合について考察する。この場合、Qmin(i)−Qmax(i−1)あるいはQmin(i−1)−Qmax(i)について基準値との大小を比較することになる。図4のように圧力脈動が生じていない場合を考え、1期間前において流量に変化が生じたとすると、Qmin(i)=Qmax(i−1)になるから、Qmin(i)−Qmax(i−1)=0になり、流量の変化の程度にかかわらず流量の変化を検出することができない。つまり、現在の値と1期間前の値とを用いても流量の変化の有無を検出することができない。
【0032】
次に、現在の値と2期間前の値とを用いる場合について考察する。この場合には、Qmin(i)−Qmax(i−2)あるいはQmin(i−2)−Qmax(i)について基準値との大小を比較することになる。一般に、流量の変化は瞬時に生じるのではなく数秒〜30秒程度の時間幅を有している。したがって、流量が変化するタイミングによっては図5のように30秒毎の2つの期間に跨って流量が変化することがある。図5においては圧力脈動が生じていない場合を示しており、流量の変化幅は80L/h程度であって流量に50L/hを越える変化があるものの、Qmin(i)−Qmax(i−2)は30L/h程度であって流量に変化があることを検出することができない。つまり、現在の値と2期間前の値との比較によっても流量の変化を検出することができない場合がある。
【0033】
以上の考察から現在の値と3期間以上前の値との差を用いるのが望ましい。また、4期間以上前の値を用いると流量の変化の判定に要する時間が長くなるから、流量の変化を検出可能であってかつ判定に要する時間が最小になるように本実施形態では3期間前の値を用いている。
【0034】
ここで、従来構成と比較するために流量計測部3で検出した瞬時流量が図8のように変化する場合を例として動作を考える。すなわち、供給路1において圧力脈動のみが生じており、流量は実質的に変化していない状態について考える。この場合、瞬時流量の最大値と最小値とは時間の経過にかかわりなく略一定になるから、Qmin(i)−Qmax(i−3)とQmin(i−3)−Qmax(i)とはともに負値になる。つまり、従来構成のように30秒毎の平均流量を比較した場合には許容連続使用時間の計時が中止する可能性があったのに対して、瞬時流量が図8のように変化する場合に対して、本実施形態の条件では許容連続使用時間の計時が中止されることがなくなり、結果的に、ガス漏れが生じている場合あるいはガス使用機器を消し忘れている場合には許容連続使用時間の経過時点で遮断弁2を閉じることが可能になる。
【0035】
一方、図3のように平均流量が増加した場合には(図3において、実線は30秒の期間内で得られる瞬時流量の15個の値の平均値、一点鎖線は30秒の期間内で得られる瞬時流量の15個の値のうちの最大値、二点鎖線は30秒の期間内で得られる瞬時流量の15個の値のうちの最小値を意味し、後述する図4、図5も同様である)、通常はQmin(i)−Qmax(i−3)は正値になり、Qmin(i−3)−Qmax(i)は負値になる。ただし、Qmin(i)−Qmax(i−3)は、必ずしも平均流量Qave(i)の3%と50L/hとのうちの大きいほうよりも大きな値になるとは限らない。つまり、流量が変化したとしても許容連続使用時間の計時が継続される可能性が高くなり、遮断弁2を遮断する確率が高くなる。つまり、圧力脈動が生じているときに流量に変化が生じても検出できない場合があるものの、ガス漏れが生じている場合やガス使用機器を消し忘れていることは確実に検出することになるから、結果的にガス漏れや過熱が生じている可能性のあるときには、確実に遮断弁2を閉じて安全を確保することができる。
【0036】
なお、本実施形態では、流量計測部3として超音波流量計を用いる例を示したが、瞬時流量を検出することができるものであれば、フルイディック流量計、フローセンサによる流量計(熱線式流量計)などの他の流量計を用いることが可能である。また、燃料ガスの流量を計測する例を示したが、本発明の技術思想は他の流体についても適用可能である。さらに、上述した各種数値は一例であって、流量計測部3の構成、流体の種類、供給路1に許容された最大流量などに応じて適宜に変更可能である。さらに、異常時に遮断弁2を遮断するのではなく異常の報知のみ行う構成としてもよい。
【0037】
【発明の効果】
請求項1の発明は、瞬時流量について一定の検出期間ごとに平均値と最大値と最小値とを求め、現在の検出期間における最小値から所定期間前の検出期間における最大値を減算した差値および前記所定期間前の検出期間における最小値から現在の検出期間における最大値を減算した差値を求めるとともに両差値を規定の基準値と比較し、瞬時流量の平均値が属する流量区分に対応付けて規定した許容連続使用時間をタイマ部により時限し、タイマ部による許容連続使用時間の時限終了までに両差値のいずれかが基準値以上になるとタイマ部をリセットし、変化後の前記平均値が属する流量区分に対応して前記テーブルから求めた許容連続使用時間を前記タイマ部に時限させ、前記タイマ部による時限終了をもって異常と判定するので、流体の供給路内で圧力に変動が生じる場合に、流量には実質的に変化が生じていないにもかかわらず流量に変化が生じたと誤検出することがなく、しかも圧力の変動幅が比較的小さければ流量の変化を検出することによってタイマ部をリセットするから必要以上に異常と判定されることがない上に、異常を失敗なく確実に検出することができる。加えて、流量区分ごとにタイマ部の時限時間を変化させることによって、たとえば単位時間当たりの流体の流出量が多い場合ほど短時間で異常を報知するというような動作が可能になる。
【0038】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記供給路に挿入された遮断弁を備え、判定部は、異常と判定したときに遮断弁の遮断を指示するものであり、必要以上に異常と判定されることがないから、遮断弁が必要以上に遮断されることがなく、その一方、遮断弁の遮断が必要な状況では遮断弁を失敗なく確実に遮断することができる。
【0040】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、判定部が、前記平均値が所定値以下であるとタイマ部をリセットして動作を停止させるので、流量が実質的に生じていないときにはタイマ部による時限動作を停止し、流量が実質的に生じていないにもかかわらずタイマ部が不必要に動作するのを防止することができる。
【0041】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記検出期間を30秒としたので、流体の使用量が変化したときにほとんどの場合において検出期間の2期間内には流量変化が終了することになり、前記所定期間を3期間以上とすれば圧力に変動が生じていないときに流量の変化を失敗なく検出することができる。
【0042】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記所定期間を3期間としたので、圧力に変動が生じていないときに流量の変化を失敗なく検出することができ、しかも流量の変化の有無を失敗なく検出することができる時間としては最小時間になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すブロック図である。
【図2】同上の動作説明図である。
【図3】同上の動作説明図である。
【図4】比較例を示す動作説明図である。
【図5】比較例を示す動作説明図である。
【図6】要部の概略構成図である。
【図7】従来例の動作説明図である。
【図8】従来例の動作説明図である。
【符号の説明】
1 供給路
2 遮断弁
3 流量計測部
4 制御回路部
11 演算部
12 レジスタ
13 比較部
14 タイマ部
15 テーブル
16 判定部
17 流量検出部
18 弁駆動部
Claims (5)
- 流体の供給路を通過する流体の瞬時流量を間欠的に計測する流量計測部と、一定個数の瞬時流量が得られる検出期間毎に平均値と最大値と最小値とを求める演算部と、複数段階の流量区分を規定するとともに各流量区分ごとに許容連続使用時間を対応付けたテーブルと、現在の検出期間における最小値から所定期間前の検出期間における最大値を減算した差値および前記所定期間前の検出期間における最小値から現在の検出期間における最大値を減算した差値を求め両差値をそれぞれ規定の基準値と比較する比較部と、前記検出期間毎の前記平均値が属する流量区分に対応して前記テーブルから求めた許容連続使用時間を時限するタイマ部と、前記タイマ部による時限終了までに前記比較部において前記両差値のいずれかに前記基準値以上の変化が検出されると前記タイマ部をリセットし、変化後の前記平均値が属する流量区分に対応して前記テーブルから求めた許容連続使用時間を前記タイマ部に時限させ、前記タイマ部による時限終了をもって異常と判定する判定部とを備えることを特徴とする流体供給路における安全装置。
- 前記供給路に挿入された遮断弁を備え、前記判定部は、異常と判定したときに前記遮断弁の遮断を指示することを特徴とする請求項1記載の流体供給路における安全装置。
- 前記判定部は、前記平均値が所定値以下であると前記タイマ部をリセットして動作を停止させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の流体供給路における安全装置。
- 前記検出期間は30秒であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の流体供給路における安全装置。
- 前記所定期間は3期間であることを特徴とする請求項4記載の流体供給路における安全装置。
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