JP4157058B2 - 電子輸送能力の向上したポリ(フェニレンビニレン)誘導体およびそれを用いた電気発光素子 - Google Patents

電子輸送能力の向上したポリ(フェニレンビニレン)誘導体およびそれを用いた電気発光素子 Download PDF

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Description

本発明は、電気発光素子に使用し得る発光高分子に係り、より詳細には、ポリ(フェニレンビニレン)(PPV)誘導体およびそれを用いた電気発光素子に関する。
半導体および金属が有する電気的・光学的特性と、高分子の長所とを同時に有している伝導性高分子は、1970年代に開発されて以来、フィルム、纎維および様々な分野で応用されつつある。特に、イギリスのケンブリッジ大学のR.H.Friend教授チ−ムによって共役二重結合を有する高分子である、ポリフェニレンビニレン(PPV)を用いた電気発光素子が初めて発表されて以来、電気発光素子の物質としての様々なPPV誘導体に関する研究が行われている。
従来、電気発光素子としては、無機物半導体のp−n接合でなる無機系電気発光素子が主に用いられてきたが、このような無機系電気発光素子の場合、交流200V以上の駆動電圧を必要とし、真空状態下で素子が製作されるので、大型化することが困難で、特に、高効率である青色を得ることが困難であったとの問題点がある。
かかる問題点により、有機物質を用いた電気発光素子に関する研究が進行されつつある。有機電気発光現象は、有機物質に電場をかけるときに陰極および陽極からそれぞれ電子および正孔(hole)が伝達されて有機物質内で結合し、その際に生成されるエネルギ−が光として放出される現象である。かかる有機電気発光現象を用いて製造される有機電気発光素子は、透明電極と金属電極との間に発光特性を有する高分子有機物質を挿入した構造を有する単一層の発光素子と、電子輸送層と正孔輸送層との間に有機物発光層を備える多層薄膜素子とに大別される。従来の有機電気発光素子を簡単に説明すれば次の通りである。
図1は、基板/電極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層でなる多層薄膜形態の従来の有機電気発光素子の構造を示す断面図であって、有機電気発光素子100は、その下層から基板101、アノード102、正孔輸送層(hole transporting layer)103、発光層(emissive layer)104、電子輸送層(electron transporting layer)105およびカソード106が順次形成されている。前記基板101は、ガラスまたはプラスチックで製造され、通常、前記アノード102はITO(インジウムスズ酸化物)でコートされ、前記カソード106はAlでコートされる。また。前記正孔輸送層103、発光層104および電子輸送層105は有機化合物でなる有機薄膜であって、特に前記電子輸送層105として、Alqのような有機物質を使用しても良い。
上記のように構成される電気発光素子100の駆動原理をよくみると、アノード102とカソード106との間に電圧を印可すれば、アノード102から注入された正孔は、正孔輸送層103を経由して発光層104に移動される。一方、電子は、カソード106から電子輸送層105を経由して発光層104内に注入され、発光層104の領域で電子と正孔といったキャリア同士が再結合して中性のエキシトン(励起子)を形成する。該エキシトンは励起状態から基底状態に変化し、これにより発光層の分子が発光することによって画像が形成される。
特に、最近には有機電気発光素子の発光層を構成する物質として高分子を用いているが、かかる高分子は、その主鎖のπ−電子波動関数の重畳によってエネルギー準位が伝導帯と仮伝導帯とに分離するので、そのエネルギー差に該当するバンドギャップエネルギーによって高分子の半導体的な性質が決定され、フルカラーの具現を可能とする。
一般に、PPVを用いた電気発光高分子は、主鎖であるPPVの側鎖にアルコキシ基、アルキル基、またはアリール基が1〜2個置換されている高分子であって、これを適用して電気発光素子を製作する。例えば、アメリカ特許第5,189,136号(Fred Wudlら)では、ポリ(フェニレンビニレン)主鎖の側鎖にメトキシ基およびアルコキシド基で置換されている、ポリ(2−メトキシ,5−(2’−エチル−ヘキルオキシ)−p−フェニレンビニレン)(MEH−PPV)を開示している。前記化合物は単独重合体、共重合体、混合物または合成物の形態にすることが可能であると記述されている。上記文献に開示されているポリ(フェニレンビニレン)誘導体は、有機溶媒に対して優れた溶解性を表しているが、その電気的特性が不十分であり、特に単一層の電気発光素子に適用する場合、ITOまたは金属電極との接着力が不良で、正孔および電子の注入が効率的ではなく、多層薄膜素子に用いられるとき、電荷輸送層との間で界面接着力が劣って素子の耐久性が減少するなどの問題点がある。
特に、代表的な高分子電気発光表示素子の材料である前駆体のPPV誘導体を製造する過程において、溶解性の低下に基づき、完全に溶解した高分子以外に沈殿物が一部生成されるなど、不均一な状態の高分子が同時に生成されてしまい、それを用いた電気発光素子の特性が低下するとの問題点がある。なお、かかる溶解度の低下により、重合過程で生成される不純物をとり除くために要求される重合反応条件を調節することが難しくなり、大量生産するには限界がある。
また、従来のPPV誘導体の合成方法では、PPV前駆体であるスルホニウム前駆体を製造する重合過程で長時間が費やされ、収率が低くなるだけでなく、更に、高費用が要求される。特に完全なPPV誘導体を製造するためには、生成されたスルホニウム塩を除去しなければならないが、それを完全に除去することは困難であり、低電圧で駆動するためには発光層を薄膜形態(約100nm)で形成しなければならないが、この場合、未反応のスルホニウム塩が徐々に除去されながらピンホ−ルなどが生じるので、膜の均一性が落ちるだけでなく、その結果、漏洩電流が発生して発光効率を低下させてしまう。
PPV前駆体を製造する更に他の方法であるWittig反応やHeck反応の場合は、最終的に合成された高分子の分子量が低いので高分子による薄膜形成能力が劣り、重合反応で多くの金属触媒が使用されるため、それを除去し難いだけでなく、多くの段階を経由しなければならないという問題点がある。
上記問題点を解決するために、アメリカ特許第5,900,038号および第6,177,975号(Hwangら)では、2つのシリル基で置換されている溶解性のPPV誘導体を発光層に使用することで、緑色発光効率を増加できることを開示している。ところが、前記アメリカ特許に開始されているPPV誘導体を含む従来のPPV誘導体を用いた電気発光素子の場合、正孔の注入が電子の注入より容易になり、正孔の移動速度が電子の移動速度に比べて著しく速いために、注入された正孔および電子の不均一性により発光効率が落ちて電気発光素子の寿命が低下するとの問題点を有している。従って、有機溶媒に対する溶解性および電気伝導度をそのまま維持しながら上記のような問題点のない新規のPPV誘導体、およびそれを用いた有機電気発光素子を開発する必要性は、依然として当業界で要求されている。
本発明は、かかる従来の問題点を解決するために提案されたもので、その目的は、生成された発光高分子の側鎖に立体障害の大きい官能基で置換し、電気発光素子を駆動させるときに発生する熱(ジュール熱)による劣化の問題を克服し、薄膜の機械的強度を大きく向上させ得る有機電気発光高分子を提供することにある。
本発明の他の目的は、電気発光素子において正孔および電子の注入差を減少させ、発光効率を大きく向上させ得る電気発光高分子を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、生成された発光高分子の有効共役構造の長さを調節することにより、すべての波長の光を調節できる電気発光高分子を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、前記電気発光高分子を発光層、電子輸送層、または正孔輸送層形成用物質を用いて製造される電気発光素子を提供することにある。
本発明の一観点によれば、下記化学式1により構成されるポリ(フェニレンビニレン)誘導体が提供される。
Figure 0004157058
(式中、Aは
Figure 0004157058
または
Figure 0004157058
または
Figure 0004157058
または

より選択され、前記R、RおよびRはそれぞれ独立的に炭素数1〜20の脂肪族アルキル基であり、nは10〜1000の定数である。)
この際、好ましくは前記R、RおよびRは、それぞれメタまたはパラ位置に置換されており、その中の少なくとも一つは側鎖の付いた脂肪族アルキル基であり、得られたポリ(フェニレンビニレン)誘導体の平均分子量は、9万〜100万であることを特徴とする。
本発明の他の観点によれば、下記化学式2を繰り返し単位として構成されるポリ(フェニレンビニレン)系共重合体を提供する。
Figure 0004157058
(式中、Aは
Figure 0004157058
または
Figure 0004157058
より選択され、Bは
Figure 0004157058
であり、R、RおよびRは、それぞれ独立的に炭素数1〜20の脂肪族アルキル基であり、nは10〜1000の定数である。)
この際、前記共重合体を構成するそれぞれのモノマーは、0.1〜0.9の割合で共重合体に含まれ、生成された共重合体の分子量は、9万〜100万であり、前記R、RおよびRの中の少なくとも一つは、側鎖の付いた脂肪族アルキル基であることが好ましい。
一方、本発明の他の観点によれば、前記化学式1または前記化学式2のポリ(フェニレンビニレン)誘導体を発光層または電子輸送層に用いる電気発光素子が提供される。
本発明によって製造される前記電気発光素子は、第1電極/発光層/第2電極の単一層の電気発光素子であっても良く、前記第1電極と第2電極との間にバッファー層、正孔輸送層、電子輸送層の中の少なくとも一つを更に含んで構成される多層薄膜形態の電気発光素子であっても良い。
一方、本発明の更に他の観点によれば、前記化学式1または前記化学式2で構成されるポリ(フェニレンビニレン)誘導体を合成する方法が提供される。以下、添付の図面を参照して本発明を詳細に説明する。
前述したように、有機電気発光素子は、アノードおよびカソードを通じてそれぞれ放出された正孔および電子が発光層において衝突して生成された中性のエキシトンが吸収したエネルギ−を光として発散して発光されるように構成するが、前記有機電気発光素子においては、通常、正孔の移動/放出速度が電子の移動/放出速度に比べて著しく速いために発光効率が低下するとの問題点がある。従って、本発明においては、PPV主鎖の側鎖に電子親和度の高い官能基を導入して生成された高分子のLUMO(Lowest Unocuupied Molecular Orbital)のエネルギ−準位を増加させ、カソードにおいて電子の注入を向上できるようにし、従来のPPV誘導体を用いた電気発光素子の短所であった機械的強度を向上させ得るように、側鎖が立体的障害(steriCHinderance)の大きい他の官能基で置換されている新規なPPV誘導体を合成した。特に、前記電子親和度の高い官能基で置換されている単量体と、立体的障害の大きい他の官能基で置換されている他の単量体とを所定の割合で混合した共重合体は、発光高分子の有效共役構造の長さを調節でき、単重合体として用いる場合に比べて上昇された効果を奏することを確認した。
そのために、電子輸送性の優れた官能基として、1,3,4−オキサジアゾール基が側鎖に置換されているPPV誘導体を合成した。本発明により、前記1,3,4−オキサジアゾール基が側鎖に置換されているPPV誘導体の合成は2つの方式によって可能となるとなるが、それを図面を参照して説明する。
図2は、本発明の一実施例により、オキサジアゾール基が、PPV骨格にリンケージとして酸素を介して連結されているPPV誘導体の前駆体である単量体を合成する過程を示した図である。まず、2,5−ジメチルフェノールとエチル4−フルオロ安息香酸を反応させて4−(2,5−ジメチルフェノキシ)エチル安息香酸{図2の(1)}を合成し、合成された4−(2,5−ジメチルフェノキシ)エチル安息香酸をヒドラジン一水和物と反応させて4−(2,5−ジメチルフェノキシ)ベンゾヒドラジド{図2の(2)}を得る。次いで、4−(2,5−ジメチルフェノキシ)ベンゾヒドラジドをアルキルオキシベンゾイル塩化物、好ましくは炭素数C〜C20の直鎖型または側鎖型のアルキル基で置換されており、特に好ましくは、−メタまたは−パラ位置に、アルキル基が置換されている、例えば4−(3,7−ジメチルフェノキシ)ベンゾイル塩化物と反応させてN−{4−[(3,7−ジメチルオクチル)オキシ]ベンゾイル}−4−(2,5−ジメチルフェノキシ)ベンゾヒドラジド{図2の(3)}を得る。生成されたN−{4−[(3,7−ジメチルオクチル)オキシ]ベンゾイル}−4−(2,5−ジメチルフェノキシ)ベンゾヒドラジドをSOClと反応させて1,3,4−オキサジアゾール環の導入された中間体として、2−{4−[(3,7ジメチルオクチル)オキシ]フェニル}−5−{4−(2,5−ジメチルフェノキシ)フェニル}−1,3,4−オキサジアゾール{図2の(4)}を合成し、このように合成された前記2−{4−[(3,7ジメチルオクチル)オキシ]フェニル}−5−{4−(2,5−ジメチルフェノキシ)フェニル}−1,3,4−オキサジアゾールはN−ブロモスクシネアミド(NBS)およびベンゾイル過酸化物(BPO)と反応させて最終単量体の2−{4−[2,5−ビス(ブロモメチル) フェノキシ]フェニル}−5−(アルキルオキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール{図1の(5)}を合成する。
一方、図3は本発明の他の実施例により、オキサジアゾールが、上述した場合と異なって、酸素原子を介さずに、直接にPPV主鎖に連結される、PPV誘導体の単量体を製造する過程を示す。まず、出発物質として、2−ブロモ−p−キシレンを2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランと反応させて1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2イル)−2,5−ジメチルベンゼン{図3の(6)}を合成した後、1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2イル)−2,5−ジメチルベンゼンを4−ブロモンベンゾニトリルと反応させて2つのベンゼン環が連結された構造の1−(4−シアノフェニル)−2,5−ジメチルベンゼン{図3の(7)}を合成する。次いで、合成された1−(4−シアノフェニル)−2,5−ジメチルベンゼンをナトリウムアジ化合物(NaN)と反応させて5−[4−(2,5−ジメチルフェニル)フェニル]−テトラゾール{図3の(8)}を製造し、得られた5−[4−(2,5−ジメチルフェニル)フェニル]−テトラゾールをアルキルオキシベンゾイル塩化物、好ましくは炭素数C〜C20の直鎖型または側鎖型のアルキル基で置換されており、特に好ましくは、−メタまたは−パラ位置にアルキル基で置換されている、例えば、3−(3,7−ジメチルフェノキシ)ベンゾイル塩化物と反応させて2−[3−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニル]−5−[4−(2,5−ジメチルフェニル)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾール{図3の(9)}を合成してオキサジアゾール基で置換されている中間体を合成し、2−[3−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニル]−5−[4−(2,5−ジメチルフェニル)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾールをNBSおよびBPOと反応させて単量体の2−{4−[2,5−ビス(ブロモメチル)フェニル]フェニルl}−5−[3−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾール{図3の(10)}を合成する。
一方、前述したような方法で製造された単量体の単重合によって製造されたPPV誘導体は、その側鎖に電子親和度の高いオキサジアゾール基を含んでいるので、従来のPPVを含んでいる有機電気発光素子において、電子の移動速度および正孔の移動速度差に基づく発光効率の問題を解決することができる。
また、本発明の他の観点では、上記のような電子親和度の優れたオキサジアゾール基で置換された単量体の他、立体障害の大きいアルコキシフェニルオキシ官能基で置換されているPPV誘導体およびその前駆体である単量体を合成する。図3は本発明の更に他の実施例によってアルコキシフェニルオキシ基で置換されている単量体を合成する過程を示す。まず、KOHとグアヤコ−ルとを反応させて2−(2−メトキシフェニルオキシ)−1,4−ジメチルベンゼン{図4の(11)}を合成し、2−(2−メトキシフェニルオキシ)−1,4−ジメチルベンゼンをAlClの存在下でS(CHと反応させると、前記2−(2−メトキシフェニルオキシ)−1,4−ジメチルベンゼンのネトキシ基がヒドロキシ基で置換されて2−(2−ヒドロキシフェノキシ)−1,4−ジメチルベンゼン{図4の(12)}が得られる。合成された2−(2−ヒドロキシフェノキシ)−1,4−ジメチルベンゼンは、その後、臭化アルキル、好ましくは炭素数C〜C20の直鎖型または側鎖の付いた臭化アルキル、例えば、3,7−臭化ジメチルオクチルと反応させてベンゼン環にフェニルオキシ基で置換されている中間体の2−[2−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェノキシ]−1,4−ジメチルベンゼン{図4の(13)}を合成し、次いで、2−[2−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェノキシ]−1,4−ジメチルベンゼンをNBSおよび少量のBPOと反応させて最終単量体の1,4−ビス(ブロモメチル)−2−[2−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニルオキシ]ベンゼン{図4の(14)}を合成する。
図2〜図4で最終的に合成された各単量体は、自らの重合反応を通じて単重合体を形成するか、あるいは他の単量体と共に重合反応(例えばGilCH反応)を通じて共重合体を形成することができる。
即ち、前記図2で最終的に合成された単量体として、好ましくは、2−{4−[2,5−ビス(ブロモメチル)フェノキシ]フェニル}−5−[4−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾール である2−{4−[2,5−ビス(ブロモメチル)フェノキシ]フェニル}−5−(アルキルオキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールは、トルエン(溶液)の存在下でTHFに溶解してある、第3−ブトキシド(t−BuOK)の存在下で、下記反応式1のように反応し、ポリ[2−{4−[5−(4−アルコキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール2−イル]フェニルオキシ}−1,4−フェニレンビニレン](Oxa−PhPPV)を合成することができる。
[反応式1]
Figure 0004157058
(式中、Rおよびnは、上記で定義された内容と同じである。)
一方、図3で最終的に合成された単量体である、2−{4−[2,5−ビス(ブロモメチルフェニル)フェニル]フェニル}−5−[4−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾールのような2−{4−[2,5−ビス(ブロモメチル)フェニル]フェニル}−5−[アルキルオキシフェニル]−1,3,4−オキサジアゾールは、トルエン(溶媒)の存在下でTHFに溶解されているt−BuOKと反応して下記反応式2に示すような繰り返し単位を有するポリ[2−{4−[5−(4−アルコキシ)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾール2−イル}フェニル]−1,4−フェニレンビニレン(ROPh−OxaPPV)の単重合体を合成する。
[反応式2]
Figure 0004157058
(式中、Rおよびnは、上記で定義された内容と同じである。)
一方、図4で最終的に合成された単量体である、1,4−ビス(ブロモメチル)−2−[2−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニルオキシ]ベンゼンのような1,4−ビス(ブロモメチル)−2−(アルキルオキシフェニルオキシ)ベンゼンは、THF溶媒の存在下で、potassiumt−butoxideと反応させて下記反応式3に示すように、ポリ[2−(2−アルコキシ)フェニルオキシ]−1,4−フェニレンビニレン(DMOP−PPV)のような単重合体を合成することができる。
Figure 0004157058
(式中、Rおよびnは、上記で定義された内容と同じである。)
特に、本発明と関連し、図2および図3で記述されたようなオキサジアゾール基で置換されている単量体は、図4のアルコキシフェノキシ基で置換されている単量体と反応し、互いに異なる官能基で置換されているPPV主鎖が互いに連結される共重合体を形成し得る。例えば、図4の反応を介して合成された最終単量体である、1,4−ビス(ブロモメチル)−2−(2−アルキルオキシフェニルオキシ)ベンゼンを、前記化学式3に記載された、2−{4−[2,5− ビス(ブロモメチル)フェノキシ]フェニル}−5−(4−アルコキシルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールと反応させて下記反応式4に示すような繰り返し単位を有する共重合体を合成することができる。
[反応式4]
Figure 0004157058
(式中、R、Rは上記で正義された内容と同じであり、xは0.1〜0.9である。)
上述の通りに合成されたPPV単重合体または共重合体は、側鎖に連結された官能基によって電子輸送能力が優秀であると共に、特に、共重合体の場合、互いに異なる官能基を有する単量体を適宜な割合で混合すれば、発光効率を大きく向上できるので、電気発光素子の電極間にコートされる発光層として使用できる。
図8は、本発明の一実施例によって製造された電気発光素子800を概略的に示した断面図であり、同図に示すように、電気発光素子は、基板801、第1電極802、正孔輸送層803、発光層804、および第2電極806でなる多層薄膜の形態をとっている。前記基板801は、ガラスまたはプラスチックで製造しても良く、好ましくは、ガラスで製造する。一方、前記第1電極802および前記第2電極806はそれぞれ、アノードおよびカソードとして機能する部分であり、前記第1電極802には、前記第2電極806に比べて仕事関数の大きい物質を使用する。前記第1電極802としては、ITO(インジウムスズ酸化物)、ポリアニリン、ポリチオフェンなどの物質を使用しても良く、好ましくは、ITOを使用する。一方、前記第2電極806としては、金、アルミニウム、銅、銀またはそれらの合金、カルシウム/アルミニウム合金、マグネシウム/銀合金、アルミニウム/リチウム合金などを使用しても良く、好ましくは、アルミニウム、またはアルミニウム/カルシウム合金を使用する。
一方、前記発光層804としては、本発明によって合成されたオキサジアゾール基およびアルコキシフェノキシで側鎖が置換されているPPV単重合体または各官能基に置換された単量体が所定の割合で混合して合成されたPPV共重合体を適宜な有機溶媒、好ましくは、クロロベンゼンに溶解させて使用する。特に、前記第1電極802としてITOをコートして使用する場合、ITO表面の均一性とITOおよび発光層804に注入された発光高分子であるPPV誘導体界面の接着能力によって電気発光素子の駆動電圧および発光効率が影響を受けることもあるので、好ましくは、前記第1電極802と前記発光層804との間に有機物質でコートされる正孔輸送層803を含んでも良い。前記正孔輸送層803としては、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸(DEPOT/PSS)が、第1電極802の上部にコートされた形態で使用しても良い。特に、本発明の発光層804にコートされ得るPPV誘導体は、その側鎖に優れた電子親和度を有するオキシジアゾール基で置換されており、前記第2電極806から放出された電子が速やかに発光層804へ移動または注入され得るので、前記正孔輸送層803に対応され得る別途の電子輸送層を第2電極806と発光層804との間に形成する必要がない。
本発明の好ましい実施例によって製造された電気発光素子を構成する第1電極802をなすITO、第2電極806をなすAlおよびCa、正孔輸送層803に使用されたPEDOTおよび発光層804に使用されたPPV誘導体の仕事関数値および最高占有分子軌道(high occupied molecular orbital,HOMO)、最低非占有分子軌道(lowest unoccupied molecular orbital,LUMO)の値は図9に示した。
本発明によって製造された電気発光素子の発光層804領域としては、電子親和力の優れた官能基が側鎖に置換されているPPV誘導体、即ち、LUMO値の大きい高分子物質が挿入されているので、低い電圧下でも電気発光素子800が駆動され得る。即ち、電気発光素子における電荷の注入は、高分子の HOMOおよび LUMOと電極の仕事関数とがそれぞれつくるエネルギ−障壁によって左右されるが、本発明ではその中、LUMO値の大きい官能基で置換された高分子を使用することにより、電子の移動速度を向上させると共に、低い電圧下でも駆動できるようにした。
前記図においては、第1電極802と第2電極806との間に正孔輸送層803のようなキャリア輸送層が含まれている多層薄膜構造の電気発光素子を記述したが、前記第1電極802と第2電極806との間に発光層804のみをコートする単一層の形態の電気発光素子を設けることができるという点は、当業者にとっては自明なことである。特に、電気発光素子800を単一層または多層薄膜形態に製作する場合、前記発光層804内に、または発光層804と区別されるバッファ−層(図示せず)に正孔/電子輸送、機械的・熱的性質(ガラス転移速度、薄膜形成特徴)を向上させるためのco−モノマーを使用しても良い。例えば、駆動電圧を下げるために使用し得るco−モノマーとしては、トリアリールアミン、アリールスルホン、アリールエーテルなどが挙げられ、トリアリールアミンとしては、トリフェニルアミン、ジフェニルトイルアミン、テトラフェニル−p−フェニレンジアミン、テトラフェニルベンザジンおよび多核芳香族および/または複素環式芳香族化合物の置換基を有するアリールアミンが挙げられる。正孔輸送のためのモノマーとしては、ジアリールアミン(N−置換カルバゾール)およびアミノベンズアルデヒドヒドラゾンなどが挙げられる。電子の不足な co−モノマーは電子注入または輸送を促進する目的に使用できるが、例えば、アリールスルホン(例えば、ジアリルスルフォン、ビフェニルスルフォン)、アリールスルホキシド、フッ素化アリール{例えば、ビス(ジフェニルフルオロプロパン,オクタフルオロフェニル)、ビフェニル、ジアリルホスフィンオキシド、ベンゾフェノン}および電子の不足な複素環式化合物(2,5−ジアリルオキサジアゾール、ピリジン、キノリンおよびピリミジン)などが含まれても良い。また、ポリマ−組成中に分散した塩を含んでも良いが、好ましくは有機塩として、アルカリ金属イオン(Li、Na、K、Rb)、テトラアルキル、アリール、または テトラ C1−6 アルキル・アンモニウムを含む、ヘテロアリール第4級アンモニウムイオンのような陽イオンと、テトラフルオロボレ−ト、テトラフェニルボレ−ト、トリフルオロメチルスルホネ−トのような陰イオンを含む。
本発明で合成された高分子は、既存のポリ(p−フェニレンビニレン)系高分子よりも分子量が非常に高く、有機溶媒に溶解しやすいので、広い発光面積を形成でき、ITO 表面との接着性を向上させるためにアルキルオキシフェニルオキシ誘導体を導入することで、アノード電極として使用されるITO表面との接着性を向上させた。
また、優れた電子親和力を有する1,3,4−オキサジアゾール系置換基を、ポリ(p−フェニレンビニレン)主鎖に導入して電子親和力の向上した高分子を合成し、それを電気発光素子に使用したとき、発光効率が大きく向上した。
特に、電子親和性の発光高分子に類似した構造を有する発光高分子と共重合体を合成し、既存のポリ(p−フェニレンビニレン)系発光高分子に比べて次のような効果を得ることができる。
第一に、既存のポリ(p−フェニレンビニレン)誘導体に比べて高分子でありながら、様々な形態の置換基を導入し、有機溶媒に対する溶解性が格段に向上した発光高分子であることを確認した。
第2に、本発明の発光高分子は、高分子骨格にアルキルオキシフェニルオキシ誘導体を導入したため、電極との間で優れた界面特性を有し、なお、優れた薄膜形成能を有する。
第3に、本発明の発光高分子は、1,3,4−オキシジアゾール置換基がポリ(p−フェニレンビニレン)骨格に側鎖として導入されることによって電子注入を極大化し、発光効率が既存のポリ(p−フェニレンビニレン)系発光高分子および低分子有機色素に比べて大きく増加した高効率の発光高分子であることが分かった。
第4に、本発明の発光高分子の駆動電圧は約4〜12Vであり、DMOP−PPV発光高分子は緑光を発光し、1,3,4−オキシジアゾール置換基の導入されたポリ(p−フェニレンビニレン)系発光高分子は、赤橙色の発光色を示しており、共重合体を形成することにより、発光色の調節のみならず、発光ダイオ−ドの特性も向上することが分かった。
第5に、本発明の発光高分子は、電子材料として備えるべき光透過性、耐環境性、基板に対する接着力、薄膜形成能、電界に対する安全性などが優秀な高分子である。
以下、実施例を通じて本発明をより詳細に説明する。但し、下記実施例は本発明を例示するだけであって、本発明は下記実施例によって何ら限定されるものではない。
2−{4−[2,5−ビス(ブロモメチル)フェノキシ]フェニル}−5−{4−[(3,7−ジメチルオクチル)オキシ]フェニル}−1,3,4−オキサジアゾールの製造
(1)ステップ1:4−(2,5−ジメチルフェノキシ)安息香酸の製造
磁気撹拌棒が取り付けられた250mLフラスコに冷却塔を設け、2,5−ジメチルフェノール16.7g(0.137mol)およびエチル4−フルオロベンゾエ−ト23.0g(0.137mol)を、100mLのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に加えて溶解させた。次いで、カリウム第3ブトキシド(18.4g,0.164mol)を常温で、前記反応物に加えた後、150℃で10時間にわたって反応を行った。反応の終了後、前記フラスコ内の内容物を常温で冷凍させ、過量の蒸溜水に反応混合物を入れた後、ジエチルエ−テルで数回抽出した。使用された有機溶媒をMgSOで乾燥させ、ろ過した後、回転蒸発機を用いて溶媒を除去し、展開溶媒(ヘキサン:ジクロロメタン=1:1)を用いて、カラムクロマトグラフで分離し、4−(2,5−ジメチルフェノキシ)安息香酸が合成された(収率、約68%)。生成された合成物をNMR分析機(Bruker AM‐300 spectrometer)で分析し、4−(2,5−ジメチルフェノキシ安息香酸を確認し、その分析結果は次のようである。
H NMR(CDCl,δppm):1.34−1.41(t,3H,CH), 2.12,2.30(s,6H,2CH on aromatic ring),4.29−4.40(q,2H,−OCH−),6.79,6.84−6.89,6.92−6.96,7.13−7.17,7.96−8.00(m,7H,aromatic protons)。
(2)ステップ2:4−(2,5−ジメチルフェノキシ)ベンゾヒドラジドの製造
磁気撹拌棒の取り付けられた250mLフラスコに冷却塔を設け、ヒドラジン・モノハイドレ−ト26g(0.518mol)を30mLのエタノ−ルに溶かした後、上記ステップ1で合成された4−(2,5−ジメチルフェノキシ)安息香酸20g(0.074mol)を加え、90℃で約17時間反応させた。TLCで反応混合物から4−(2,5−ジメチルフェノキシ)安息香酸が完全に除去されたことを確認した後、反応混合物を常温で冷却し、メタノ−ルにより再結晶を行った。該再結晶された化合物は、n−ヘキサンで複数回洗浄した後、真空・乾燥を通じて4−(2,5−ジメチルフェノキシ)ベンゾヒドラジドを得た(収率、約75%)。生成された化合物をNMR分析機で分析し、4−(2,5−ジメチルフェノキシ)ベンゾヒドラジドが合成されたことを確認し、その分析結果は次のようである。
H NMR(CDCl,δppm):2.12,2.30(s,6H,2CH on aromatic ring),4.0−4.2(b,2H,NH),7.2−7.4(b,1H,NH),6.78,6.84−6.96,7.13−7.17,7.65−7.72(m,7H,aromatic protons)。
(3)ステップ3: N−{4−[(3,7−ヂメチルオクチル)オキシ]ベンゾイル}−4−(2,3−ジメチルフェノキシ) ベンゾヒドラジドの製造
磁気攪拌棒の取り付けられた250mL フラスコ冷却塔を設け、実施例2で合成された4−(2,5−ジメチルフェノキシ)ベンゾヒドラジド4.4g(0.017mol)およびトリエチルアミン1.74g(0.017mol)を、約50mLのジクロロメタンに加えて溶解させた後、4−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)ベンゾイル 塩化物5.1g(0.017mol)をゆっくり滴下した。反応混合物を常温で4時間攪拌した後、蒸留水およびジクロロメタンで抽出し、有機溶媒はMgSOで乾燥させ、ろ過した後、回転蒸発機で溶媒を除去した。溶媒が除去された反応混合物をメタノ−ルにより再結晶を行った後、該再結晶された化合物はn−ヘキサンで数回洗浄してN−{4−[(3,7−ジメチルオクチルオキシ]ベンゾイル}−4−(2,3−ジメチルフェノキシ)ベンゾヒドラジドの白色結晶を得た(収率約97%)。生成された化合物に対するNMR分析結果は次のようである。
H NMR(CDCl,δppm):0.84−0.88(d,6H,2CH)0.92−0.95(d,3H,CH)1.16−1.85(m,10H,4CH,2CH)2.11,2.30(s,6H,2CH on aromatic ring),3.98−4.05(t,2H,OCH),6.78−6.96,7.12−7.16,7.78−7.83(m,11H,aromatic protons),9.35−9.48(d,d,2H,NH)。
(4)ステップ4:2−{4−[3,7(ジメチルオクチル)オキシ]フェニル}−5−{4−(2,5−ジメチルフェノキシ)フェニル}−1,3,4−オキサジアゾールの製造
磁気攪拌棒の取り付けられた250mL フラスコに冷却塔を設け、上記ステップ4で合成されたN−{4−[(3,7−ジメチルオクチルオキシ]ベンゾイル}−4−(2,3−ジメチルフェノキシ)ベンゾヒドラジド4.0g(7.74mmol)を50mLのベンゼンに溶解させた。次いで、SOCl3.7g(30.98mmol)を前記フラスコに添加して120℃で4時間反応させた。TLCでN−{4−[(3,7−ジメチルオクチルオキシ]ベンゾイル}−4−(2,3−ジメチルフェノキシ)ベンゾヒドラジドが全て反応したことを確認した後、フラスコ内の反応物を常温で冷却させ、回転蒸発機で過量の溶媒およびSOClを除去した。次に、反応混合物を蒸留水に入れ、再びクロロホルムで抽出した。使用溶媒はMgSOで乾燥させ、ろ過して2−{4−[(3,7−ジメチルオクチル)オキシ]フェニル}−5−{4−(2,5−ジメチルフェノキシ)フェニル}−1,3,4−オキサジアゾールを製造した(収率約95%)。合成された化合物についてのNMR分析結果は次のようである。
H NMR(CDCl,δppm):0.85−0.89(d,6H,2CH)0.94−0.97(d,3H,CH)1.18−1.88(m,10H,4CH,2CH)2.15,2.31(s,6H,2CH on aromatic ring),4.03−4.10(t,2H,OCH),6.82,6.93−7.03,7.14−7.19,8.01−8.08(m,11H,aromatic protons)。
(5)ステップ5:2−{4−[2,5−ビス(ブロモメチル)フェノキシ]フェニル}−5−{4−[(3,7−ジメチルオクチル)オキシ]フェニル}−1,3,4−オキサジアゾールの製造
250mLフラスコに上記ステップ4で合成された2−{4−[(3,7−ジメチルオクチル)オキシ]フェニル}−5−{4−(2,5−ジメチルフェノキシ)フェニル}−1,3,4−オキサジアゾール5.8g(11.6mmol),N−ブロモスクシニミド (NBS) 4.56g (25.6mmol)と、少量の過酸化ベンゾイル(BPO)を 100 mLのベンゼン溶媒下で反応させた。反応混合物をゆっくり還流させて白色の固体であるスクシニミドを生成し、TLCで出発物質である2−{4−[(3,7−ジメチルオクチル)オキシ]フェニル}−5−{4−(2,5−ジメチルフェノキシ)フェニル}−1,3,4−オキサジアゾールが完全に反応したことを確認し、冷却させた後、生成されたスクシニミドをろ過させた。次いで、反応物を蒸留水に入れ、ジクロロメタンで抽出した後、MgSOで 乾燥させ、ろ過した後、n−ヘキサンを用いてカラム・クロマトグラフィーを行い、2−{4−[2,5−ビス(ブロモメチル)フェノキシ]フェニル}−5−{4−[(3,7−ジメチルオクチル)オキシ]フェニル}−1,3,4−オキサジアゾールが生成された(収率約41%)。生成された化合物はNMR分析器を利用して分析し、その分析結果は次のようである。
H NMR(CDCl,δppm):0.84−0.88(d,6H,2CH)0.93−0.96(d,3H,CH)1.17−1.88(m,10H,4CH,2CH)4.06−4.12(t,2H,OCH),4.40,4.54(s,4H,2CHBr on aromatic ring),6.97−7.03,7.11−7.21,7.43−7.48,8.01−8.14(m,11H,aromatic protons)。
2−{4−[2,5−ビス(ブロモメチル)フェニル]フェニル}−5−[4−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾールの合成
(1)ステップ1:1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2イル)−2,5−ジメチルベンゼンの製造
丸い底のフラスコの中に、2−ブロモ−p−キシレン18.5g(0.1mol)を入れ、撹拌しながら減圧した後、窒素で還流させてフラスコ内の水分を除去した。100mLの無水THFを注射器を用いてフラスコに滴下した後、ドライアイスでフラスコの内部温度を−78℃に下げた。n−ブチルリチウム(n−BULi)42.0mL(in2.5M n−ヘキサン溶液)をゆっくりフラスコに滴下した。前記反応物を2時間にわたって攪拌した後、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサ−ボロラン22.34g(0.12mol)を加えた。フラスコの温度が常温に上昇するまで待ってから、更に3時間撹拌した。該反応物を水とエーテルとで抽出し、無水MgSOで乾燥させ、ろ過した後、カラム・クロマトグラフィー[シリカゲル,溶離液:ヘキサン/酢酸エチル(10:1)]で分離し、1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2イル)−2,5−ジメチルベンゼンを得た(収率、94%)。得られた化合物をNMR分析機(Bruker AM‐300 spectrometer)で分析し、その分析結果は次のようである。
H NMR(CDCl,δppm):1.34(s,12H,4CH),2.29, 2.48(s,6H,2CH on aromatic ring),7.0−7.15(q,2H).7.56(s,1H)。
(2)ステップ2:4−(4−シアノンフェニル)−2,5−ジメチル ベンゼンの製造
250mL三角フラスコに、1,2−ジメトキシエタン(DME)、4−ブロモベンゾニトリル3g(16.15mmol)およびPd[P(Ph)を入れ、20分間撹拌した。混合溶液が透明な茶色に変化すれば、上記ステップ1で製造した、1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2,5−ジメチルベンゼン6.0g(25.84mmol)および59.76mLの1M NaHCOを順番にフラスコに添加した。95℃で1時間程度還流させた後、水を注いで反応を終了させた。エーテルで抽出された有機層に、無水MgSOを入れて少量の水を除去した。ろ紙でろ過した後、カラム・クロマトグラフィー[シリカゲル,溶離液:ヘキサン/ジメチル塩化物(6:1)]を行い、4−(4−シアノンフェニル)− 2,5−ジメチルベンゼンを得た(収率、88%)。得られた化合物に対する分析結果は次のようである。
H NMR(CDCl,δppm):2.2,2.34(s,6H,2CH on aromatic ring),7.0−7.15 7.39−7.44,7.67−7.71(m,7H,aromatic protons)。
(3)ステップ3:5−[4−(2,5−ジメチルフェニル)フェニル]テトラゾールの製造
前記で合成された4−(4−シアノフェニル)−2,5−ジメチルベンゼン2.64 g(0.14mol)を精製したN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)で反応容器で溶解させた。アジ化ナトリウム1.38g(0.213mol)および、塩化アンモニウム1.14g(0.213mol)を反応フラスコに入れ、100℃で還流させ、反応容器が冷めるまで待ってから、反応混合物を蒸留水が入っている1Lビ−カ−に入れた後、攪拌させながら2N HClをゆっくり滴下し、白色の5−[4−(2,5−ジメチルフェニル)フェニル]テトラゾールが生成された。エタノ−ルに再結晶する過程を経て純度を高め、生成された5−[4−(2,5−ジメチルフェニル)フェニル]テトラゾールの収率は約88%であった。合成された化合物に対するNMR分析結果は次のようである。
H NMR (DMSO,δppm):2.18,2.28(s,6H,2CH on aromatic ring),7.05−7.2(q,3H),7.52−7.56(d,2H),8.04−8.08(d,2H)。
(4)ステップ4:2−[3−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニル]−5−[4−(2,5−ジメチル フェニル)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾールの製造
精製したピリジン200mLに上記ステップ3で製造された5−[4−(2,5−ジメチルフェニル)フェニル]テトラゾール(3.11g(12.4mmol)を溶解させた。 3−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)ベンゾイル塩化物3.69g(12.4mmol)をフラスコに滴下した。24時間還流させた後、減圧ろ過によって溶液中にある塩などをろ過させ、減圧回転蒸発機を用いてピリジンを除去した。カラム・クロマトグラフィー[シリカゲル,溶離液:ヘキサン/クロロホルム(1:1)]を行い、2−[3−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニル]−5−[4−(2,5−ジメチルフェニル)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾールを得た(収率87%)。生成された化合物に対するNMR分析結果は次のようである。
H NMR(CDCl,δppm):0.8−0.92(d,6H,2CH),0.92−1.2(d,3H,CH),1.13−1.96(m,10H,4CH,2CH),2.15,2.31(s,6H,2CH on aromatic ring),4.03−4.10(t,2H,−OCH−),6.82,6.93−7.03,7.14−7.19,8.01−8.08(m,11H,aromatic protons)。
(5)ステップ5:2−{4−[2,5−ビス(ブロモメチル)フェニル]フェニル}−5−[4−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾールの製造
三角フラスコに、上記ステップ4で製造された2−[3−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニル]−5−[4−(2,5−ジメチルフェニル)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾール8.95g(18.54mmol),N−ブロモスクシニミド(NBS)7.26g(40.79mmol)と、触媒量程度のベンゾイルペルオキシド(BPO)を添加した。次いで、ベンゼン100 mLを入れて混合物を溶解させ、24時間還流させた。生成物の生成を確認した後、反応物を常温で冷却させた。スクシニミドをろ過した後、余液を水とジクロロメタンとで抽出して無水MgSOで乾燥させた。カラム・クロマトグラフィー[シリカゲル,溶離液:ヘキサン/酢酸エチル(5:1)]を行い、2−{4−[2,5−ビス(ブロモメチル)フェニル]フェニル}−5−[4−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾールのみを分離した。生成された化合物はNMR分析器によって分析し、その分析結果は次のようである。
H NMR(CDCl3,δppm):0.85−0.88(d,6H,2CH),0.95−0.98(d,3H,CH),1.18−2.0(m,10H,4CH,2CH,)4.42,4.51(s,4H,2CH on aromatic ring),4.03−4.10(t,2H,−OCH−),7.07−7.2,7.31−7.56,7.61−7.8,8.22−8.26(m,11H,aromatic protons)。
(1)ステップ1:2−(2−メトキシフェニルオキシ)−1,4−ジメチルベンゼンの製造
磁気攪拌棒の取り付けられた250mLフラスコに細かく砕いたKOH8.98g(0.16mol)を入れ攪拌しながら、常温(発熱反応なので)でグアヤコ−ル(20g、0.16mol)をゆっくり滴下した。グアヤコ−ルが添加されると、反応物は固体状態になり薄い灰色になった。グアヤコ−ルを全部入れ、その後反応混合物をオイル・バスで150℃まで加熱しながら3〜4時間さらに攪拌した。反応後、得られた副生成物である水を除去するために150℃で減圧下、一晩置いた。得られたカリウム o−メトキシフェノキシドは暗灰色を帯びた。ここに2−ブロモ−p−キシレン20ml(0.15mol)とグアヤコ−ルとを数滴落とし、触媒として少量のCuを入れて、200℃で攪拌しながら還流させた。190℃で反応が起き液化され、反応物は黒色になった。約5時間の反応後、混合物を冷却させ、水および過量のエ−テルで抽出した。得られた有機溶液を無水MgSCOで乾燥させ、ろ過して溶媒を除去した。かくして得られた溶液を減圧蒸留又は、カラム・クロマトグラフィー[シリカゲル、溶離液:ヘキサン/酢酸エチル(10:1)]で精製し、2−(2−メトキシフェニルオキシ)−1,4−ジメチルベンゼンを得た(収率70%)。生成された化合物の構造はH−NMRで確認した。
H−NMR(CDCl):2.25(s,6H,2CH on aromatic ring),3.9(s,3H,−OCH),6.6−7.2(m,7H,aromatic protons)。
(2)ステップ2:2−(2ヒドロキシフェノキシ)−1,4−ジメチルベンゼンの製造
500mLフラスクに溶媒としてメチレンクロリド(250ml)をいれ、上記生成された2−2(2−メトキシフェニルオキシ)−1,4−ジメチルベンゼン溶液23g(0.1mol)を添加した。氷浴で0℃まで冷却させ、冷却塔を設けた後攪拌した。ここにAlCl 66g(0.5mol)をいれ、S(CH38.6g(0.62mol)を徐々に添加した後、0℃で2時間反応させた。反応終了後、適当量のNHC1水溶液と氷を入れた1Lビーカーに反応物を入れた。これを水およびエ−テルで抽出した後、形成された有機層に無水MgSOを入れ乾燥させろ過して溶媒を除去した。このように得られた反応混合物をTLC[溶離液:ヘキサン/酢酸エチル(9:1)]を用いて確認した後、カラム・クロマトグラフィー[シリカゲル,溶離液:ヘキサン/酢酸エチル (9:1)]を用いて、得られた生成物を精製した(収率95%以上)。得られた生成物はH−NMRで2−(2ヒドロキシフェノキシ)−1,4−ジメチルベンゼンであることを確認した。
H−NMR(CDCl):2.20,2.25(s,6H,2CH on aromatic ring),5.7(s,H,−OH),6.6−7.2(m,7H,aromatic protons)。
(3)ステップ3:2−[2−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニルオキシ]−1,4−ジメチルベンゼンの製造
500mLフラスクに溶媒としてメチレンクロリド250mlを入れ、上記ステップ2で合成された2−(2ヒドロキシフェノキシ)−1,4−ジメチルベンゼン19.5g(0.09mol)、KOH(5.62g、0.1mol)、3,7−臭化ジメチルオクチル(24.21g、0.11mol)、触媒の少量のKIを添加し、還流させながら24時間攪拌した。該反応物を水およびエ−テルで抽出して有機層を得た。該有機層に無水MgSOを入れ乾燥させろ過して溶媒を真空除去した。該反応混合物は、真空蒸留とカラム・クロマトグラフィー[シリカゲル,溶離液:ヘキサン/酢酸エチル(10:1)]とを行い、2−[2−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニルオキシ)−1,4−ジメチルベンゼンを精製した(収率70%以上)。生成された化合物の構造はH−NMRで確認した。
H−NMR(CDCl):2.2,2.25(s,6H,2CH on aromatic ring),0.8−1.6(m,19H,CHCH(CH)(CHCH(CH),4.0(t,2H,−OCH−),6.5−7.2(m,7H,aromatic protons)。
(4)ステップ4:1,4−ビス(ブロモメチル)−2−[2−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニルオキシ] ベンゼンの製造
500mLフラスクに、溶媒CCl200mlと、上記ステップ3で合成された2−(2−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニルオキシ)−1,4−ジメチルベンゼン溶液22g(0.06mol)と、ラジカル開始剤としての少量のBPOと、NBSの25g(0.14mol)とを入れ、還流させながら約6時間攪拌した。その時、生成された白い固体は、NBSが反応して出来たスクシニミドである。反応後、溶液をろ過してそれを除去し、水およびクロロホルムで抽出した。得られた有機溶液を無水MgSOで乾燥させろ過して溶媒を真空除去した。濃縮された混合物をカラム・クロマトグラフィー [シリカゲル,溶離液: ヘキサン/塩化メチレン(4:1)]を用いて1,4−ビス(ブロモメチル)−2−[2−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニルオキシ]ベンゼンを精製する(収率25%程度)。生成された化合物の構造はH−NMRで確認した。
H−NMR(CDCl):0.8−1.6(m,19H,−CHCH(CH)(CHCH(CH),4.0(t,2H,−OCH−),4.35,4.7(s,4H,2CHBronaromaticring),6.6−7.4(m,7H,aromatic protons)。
ポリ[2−{4−[5−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾール2−イル}フェニルオキシ]−1,4−フェニレンビニレン(ROPhO‐PPV)の製造
100mL重合用フラスコを磁気撹拌棒で攪拌しながら減圧した後、窒素で3回還流させ、フラスコにある水分を除去した。水分除去後、実施例1で生成された2−{4−[2,5−ビス(ブロモメチル)フェノキシ]フェニル}−5−{4−[(3,7−ジメチルオクチル)オキシ]フェニル}−1,3,4−オキサジアゾール0.3g(0.46mmol)を入れ、再び減圧した後、窒素で2回還流させた上、溶媒の無水トルエンを30mL程度添加した。0℃でカリウム第3−ブトキシド(potassium tert‐butoxide)(1.0M/THF)2.73mLを入れ攪拌しながら、シリンジ・ポンプを用いて30分間徐々に添加し、室温で4時間攪拌した後、重合反応を終了した。次いで、重合された高分子の末端を中和させるために、2−{4−[5−(ブロモメチル)−2−メチルフェノキシ]フェニル}−5−{4−[(3,7−ジメチルオクチル)オキシ]フェニル}−1,3,4−オキサジアゾールを0.5ml程度入れて、約1時間再び攪拌した。重合反応物を多量のメタノ−ルに沈殿させシンブル(thimble)でろ過し、メタノールでソックスレー(Soxhlet)して、低分子量のオリゴマーおよび不純物を除去した。再びクロロホルムでソックスレーして得た高分子溶液を濃縮させ、メタノールで再沈殿させろ過した上、真空乾燥させることで、最終の高分子を得た。
合成された高分子の分子量(Mw)、多分散度(polydispersity index、PDI)、収率、示差走査熱量計(DSC)を用いるガラス転移温度(Tg)及び熱重量分析(TGA)は、表1に示した。この時、合成された高分子の分子量及び多分散度は、ポリスチレン標準に対するGPC(gel permeation chromatography)により決定され、熱重量分析(TGA)は熱重量分析機(Dupont 9900)を用いて、10℃/minの加熱速度で窒素環境下で行われた。
一方、合成された高分子の構造は、H−NMRで確認し、その分析の結果は次のようである。
H−NMR(CDCl,δ):0.72−1.80(m,19H,−CHCH(CH)(CHCH(CH),3.90−4.12(br,2H,−OCH),6.55−7.40,7.80−8.15(br,13H,aromatic protons and vinylic protons)。
ポリ[2−{2−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニルオキシ}−1,4−フェニレンビニレン](DMOP‐PPV)の製造
100mL重合用フラスクを磁気撹拌棒で攪拌しながら減圧した後、窒素で3回還流させ、フラスコにある水分を除去した。水分除去後、実施例3で合成された1,4−ビス(ブロモメチル)−2−(2−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニルオキシ)ベンゼン0.2g(0.39mmol)を入れ、再び減圧した後、窒素で2回還流させた上、溶媒の無水THFを30mL程度添加した。0℃でカリウム第3−ブトキシド(potassium tert‐butoxide(1.0M/THF)2.34mlを入れ攪拌しながら、シリンジ・ポンプを用いて30分間徐々に添加し、室温で3時間攪拌した後、重合反応を終了した。高分子の末端を中和させるために、4−(第3−ブチル)ベンジル臭化物を0.5ml程度入れて、約1時間再び攪拌した。該反応物を多量のメタノール)に沈殿させ、シンブル(thimble)でろ過し、メタノールでソックスレー(Soxhlet)して、低分子量のオリゴマーおよび不純物を除去した。クロロホルムで再びソックスレーして得た高分子溶液を濃縮させ、メタノールで再沈殿させろ過した上、真空乾燥させることで、最終の高分子を得た。合成された高分子の分子量、PDI、収率、DSC及びTGAは、表1に示した。合成された化合物の構造は、H−NMRで確認し、その分析結果は次のようである。
H−NMR(CDCl):0.8−1.8(m,19H,−CHCH(CH)(CHCH(CH),3.95(br,2H,−OCH−),6.6−7.7(m,9H,aromatic protons and vinylic protons)。
ポリ[2−{4−[5−(4−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール2−イル]フェニルオキシ}−1,4−フェニレンビニレン]−co−[2−{2−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェノキシ}−1,4−フェニレンビニレン](Oxa‐PhPPV‐co‐DMOP‐PPV)の製造
実施例1及び実施例3で製造された2−{4−[2,5−ビス(ブロモメチル)フェノキシ]フェニル}−5−{4−[(3,7−ジメチルオクチル)オキシ]フェニル}−1,3,4−オキサジアゾール及び1,4−ビス(ブロモメチル)−2−(2−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニルオキシ)ベンゼンを、種々のモル組成比(90:10,70:30,50:50,30:70,10:90mol%)で調節しながら、水分が除去されたTHFに溶解させた(単量体濃度:1wt%)。常温でそれぞれの混合溶液を攪拌しながら、カリウム第3−ブトキシド(potassium tert‐butoxide)(1.0M THF 溶液,単量体に対して約6当量)をシリンジ・ポンプを用いて30分間ゆっくり滴下した。カリウム第3−ブトキシドの量が1.5〜2.0当量を超え始めると、溶液の粘度が増加して強い蛍光色を帯びた。前記重合温度で3時間攪拌した後、重合反応器で2−{4−[5−(ブロモメチル)−2−メチルフェノキシ]フェニル}−5−{4−[(3,7−ジメチルオクチル)オキシ]フェニル}−1,3,4−オキサジアゾールを少量添加して1時間攪拌することで、発光高分子の末端の反応性を除去した。重合混合物を多量のメタノ−ル又はイソプロピルアルコ−ルで再沈殿させた後、得られた高分子をソックスレ−装置を利用して低分子量のオリゴマ−および触媒を除去した後、メタノ−ルで再沈殿させた上、乾燥を行い、最終の発光共重合高分子を得た。合成された高分子の分子量、PDI、収率、DSC、TGAは表1に示した。得られた高分子の平均分子量は略3.8〜5.9×10程度であり、多分散度は4.8〜8.6程度である。構造および組成比はH−NMRで確認し、その分析結果は次のようである。
H−NMR(CDCl,δ):0.82−1.80(m,38H,−CHCH(CH)(CHCH(CH),3.90−4.12(br,2H,−OCH),3.80−4.05(br,2H,−OCH−)6.55−7.75,7.82−8.15(m,22H,aromaticprotons and vinylicprotons)。
ポリ[2−{4−[5−(3−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール2−イル]フェニル}−1,4−フェニレンビニレン](ROPH−OxaPPV)の製造
上記実施例2で製造された2−{4−[2,5−ビス(ブロモメチル)フェニル]フェニル}−5−[4−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾール0.3g(0.468mmol)、溶媒のトルエン40mL、カリウム第3−ブトキシド(potassium tert‐butoxide)(1.0M/THF)2.81mLを使用したことを除いては、上記実施例4と同一の条件及び手続きによって反応させ、ROPhPPVを合成した(収率約44%)。合成された化合物の構造はH−NMRで確認した。
H−NMR(CDCl,δ):0.72−1.05(br,9H,3CH),1.06−1.40(br,6H,3CH),1.42−2.3(br,4H,2CH,−CH−),3.90−4.12(br,2H,−OCH−),6.9−7.2,7.34−7.82,7.90−8.33(br,13H,aromatic protons and vinylic protons)。
Anal.Calcd.for C32H34: C、80.30%;H、7.16%;N、5、85%
Found:C、77.09%;H、7.771%;N、5.149%
[表1]合成されたPPV誘導体の物理的性質
Figure 0004157058
:重合体の分子量(Mw)及び多分散度(PDI)は、ポリスチレン標準を使用するGPCによって決定された。
:TGA(thermaogravimetric analysis)は重合体の重量が5%減少する温度である。
:組成比は1,3,4−オキサジアゾールグループ上のフェニル部分と酸素に接したメチレン部分との比率により決定された。
薄膜フィルタ−を用いた分子量切断及び高純度精製
上記実施例4、5、6及び7でそれぞれ合成された発光高分子であるOxa‐PhPPV,DMOP‐PPV、共重合体であるOxa‐PhPPV‐co‐DMOP‐PPV及びROPh−OxaPPVのそれぞれを少量のクロロホルムに溶かした後、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)材質のメンブランチューブ(membrane tube)(Spectrum,USA)に入れた。800mLのクロロホルムが入っている1L容量のビーカーに前記メンブランチューブを入れた後、磁気撹拌棒で攪拌しながら約7日間浸透圧法により低分子量の高分子を除去した。そして、メンブランチューブにある発光高分子は再びメタノールに沈殿させた後、ろ過し、乾燥させて、高純度化された発光高分子を得た。
発光高分子フィルムのUV−Visible吸光度測定
上記実施例4、5、6及び7で合成された発光高分子溶液をガラス基板上にスピンコートして高分子薄膜を形成した後、UV吸光度を測定した。それぞれ合成された高分子は0.5重量%の濃度でクロロベンゼンに溶解し、前もって洗浄された石英ガラスの上で約80nmの厚さでスピンコートされた後、shimadzu UV−3100spectrometerによってUV−visibleの吸光スペクトルが測定された。それぞれ合成された高分子に対するUV吸収ピークは表2に示した。Oxa‐PhPPV,DMOP‐PPV、多様な比率で混合されたOxa‐PhPPV‐co‐DMOP‐PPVのUV吸収ピークは図5aに、ROPh−OxaPPVのUV吸収ピークは図5bにそれぞれ図示した。比較のためにそれぞれの結果は標準化された。
同図に示すように、上記実施例で合成されたOxa‐PhPPV,DMOP‐PPV、Oxa‐PhPPV‐co‐DMOP‐PPV及びROPh−Oxa‐PPVのUV吸収ピークは、約300〜305nmおよび450〜455nmで最大吸収ピークを示した。特に電子親和力の高い1,3,4−オキサジアゾール置換基が導入された場合、約303nmのUV波長で1,3,4−オキサジアゾールの特徴的な吸収ピークを示したが、Oxa‐PhPPV及びDMOP‐PPVの共重合体においてオキサジアゾール基が置換されている単量体の含量が減少するに伴い、約303nmでの吸収ピークも減少した。
発光高分子フィルムの光ルミネセンス及びエレクトロルミネセンス測定
本実施例では、上記実施例4乃至7でそれぞれ合成された高分子に対する光ルミネセンス(PL)及びエレクトロルミネセンス(EL)を測定した。先ず、光ルミネセンスを測定するために合成された発光高分子は、クロロベンゼンに0.5%の濃度で溶解し、前もって洗浄された石英ガラスの上面に約80nmの厚さにスピンコートされた後、Variant 5E UV−VIS−NIR 分光光度計に記録された。次いで、それぞれの発光高分子で測定されたUV最大吸収波長を励起波長とし、励起ビーム方向に対して45度の角度を持つ石英ガラス基板上に形成された薄膜上で、固相の放出測定が行われた。それぞれの高分子に対するPL及びEL値は表2に示す。
図6a及び図6bは、それぞれOxa−PhPPV、DMOP−PPVと多様な比率で混合されたOxa−PhPPV−co−DMOP−PPVの光ルミネセンス(PL)吸収スペクトラム及びROPh−OxaPPVのPL吸収スペクトラムを示す図であって、比較のために標準化された。同図に示すように、略550〜570nmでPL最大吸収ピークを示した。特にOxa−PhPPVの場合、573nmで最大PLピークが示し、542nmでショルダーを示した。DMOP−PPVの場合は、539nmで最大PLピークを示し、520nmでショルダ−を示した。Oxa−PhPPV−co−DMOP−PPV共重合体は、オキサジアゾール基の含量が増加するに伴い、DMOP−PPVの単独最大発光ピーク(520nm)よりも長波長で移動した。一方、ROPh−OxaPPVは、オキサジアゾール置換基がPPV骨格に直接連結されているので、Oxa−PhPPVよりも短波長で移動し、550nmで最大のピークを示した。また、PLスペクトラムで1,3,4−オキサジアゾール置換基から発生した発光現象は示されていないことから、1,3,4−オキサジアゾール置換基からPPV発光高分子骨格に効果的なエネルギ−転移が発生したことが確認された。
一方、図7a及び図7bは、それぞれの本実施例により合成されたOxa−PhPPV、DMOP−PPV及び、多様な比率で混合されているOxa−PhPPV−co−DMOP−PPV共重合体を対象として測定したEL値を示す図であって、比較のために測定値は標準化されている。同図に示すように、オキサジアゾール基のみに置換されている単重合体であるOxa−PhPPVは、約591nmで最大EL強度を示し、DMOP−PPVは513nm、539nmで最大EL強度を示した。一方、Oxa−PhPPV−co−DMOP−PPVの場合、オキサジアゾール基の量が減少するに伴い、最大EL強度はより少ない波長で示された。
電気発光素子の製作
上記実施例4、5、6及び7で製造された発光高分子Oxa−PhPPV、DMOP−PPVと共重合発光高分子であるOxa−PhPPV−co−DMOP−PPV及びROPh−OxaPPVを用いて、電気発光素子を製作した。
図8は本実施例によって製作された電気発光素子の断面図である。電気発光素子(800)は、ガラス基板801上にITO(インジウムスズ酸化物)でコートした透明電極基板をきれいに洗浄した後、前記ITOでコートした透明電極基板に、感光性樹脂およびエッチャントを用いて微細加工工程を経てアノード802を形成し、その後、再びきれいに洗浄した。正孔注入層(803)として伝導性高分子であるポリチオフェン誘導体の3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸(PEDOT)を、100Åの厚さにコートし、110℃で約10分間加熱乾燥した。クロロベンゼンに溶解させて製造されたそれぞれの発光高分子溶液を正孔注入層803上にスピンコートし加熱乾燥処置した上、真空オ−ブン内で溶媒を完全に除去し、高分子薄膜の発光層804を形成した。高分子溶液は0.2μmフイルターでフィルタリングし、スピンコートし、発光高分子の厚さは約80〜200nmとした。また、電子注入用のカソードであるA1を、真空蒸着機)を用いて真空度4×10−6torr以下を保持しながら形成した。蒸着のとき、膜の厚さ及び膜の成長速度は水晶式センサーにて調節し、発光面積は4mmあり、駆動電圧は直流電圧として順方向バイアス電圧を利用した。
本実施例で用いる高分子の仕事関数値及びLUMO(lowest unoccupied molecular orbital)及びHOMO(highest occupied molecular orbital)は、表2に示した。一方、図9には本実施例で用いるITO電極802、A1/Ca電極806及び各高分子のLUMO及びHOMOを示した。DMOP−PPVがOxa−PhPPVに比べてHOMOエネルギ−準位が低い。さらに、Oxa−PhPPVでは、電子親和力に優れた1、3、4−オキサジアゾール置換基が導入されることにより、LUMOエネルギ−準位が非常に増加した。
[表2]合成された高分子の光学的、電気的性質測定
Figure 0004157058
:吸光スペクトルのエッジで決定。
:サイクリックボルタンメトリーの陽極走査のonsectから決定。
:ショルダー。
電気発光素子の電気光学特性測定
上記実施例11でそれぞれの発行高分子がコートされている電気発光素子から電気光学的な特性を測定した。
上記実施例11によって製作された電気発光素子の電圧の増加による電流密度及び輝度は、較正光電子増倍管の取り付けられたKeithley 236 Source Measureを使用して測定し、それぞれの高分子が発光層にコートされている電気発光素子の開始駆動電圧、最大発光、最大発光効率及びCIEは表3に示した。
図10aはOxa−PhPPV、DMOP−PPV及び他の比率で混合されているOxa−PhPPV−co−DMOP−PPV共重合体がコートされた電気発光素子の印加された電圧による電流密度を示すグラフであり、図10bはROPh−OxaPPVがコートされた電気発光素子の電圧の増加による電流密度を示すグラフである。図11aはOxa−PhPPV、DMOP−PPV及び他の比率で混合されているOxa−PhPPV−co−DMOP−PPV共重合体がコートされた電気発光素子の印加された電圧による発光度を示すグラフであり、図11bはROPh−OxaPPVがコートされた電気発光素子の印加された電圧による発光輝度を示すグラフである。一方、図12a及び 図12bはそれぞれの高分子を有する電気発光素子から測定された電流−密度と発光度とを比較し、発光効率を示すグラフである。
同図に示すように、本発明によって合成された、高分子がコートされた電気発光素子は、略4〜12Vの電圧で駆動し始め、電圧の増加に伴いキャリヤ−の注入量が増加し、その結果、電流密度が幾何級数的に増加した。特に、DMOP−PPVの開始駆動電圧がOxa−PhPPVの開始駆動電圧より低いのは、図9に示すように、DMOP−PPVのHOMOエネルギ−準位がOxa−PhPPVのHOMOエネルギ−準位より低いので、ITO電極で正孔の注入が相対的に容易であるからである。また、共重合体であるOxa−PhPPV−co−DMOP−PPVの場合、HOMOエネルギ−準位がOxa−PhPPVとほぼ同じ同様であるので、駆動電圧が非常に類似している。
特に、Oxa−PhPPVでは、電子親和力に優れた1、3、4−オキサジアゾール置換基が導入されることにより、高分子のLUMOエネルギ−準位が非常に増加する。したがって、発光高分子エネルギ−準位の図式図である図9からわかるように、1、3、4−オキサジアゾール含量が増加するに伴い、共重合体であるOxa−PhPPV−co−DMOP−PPV、Oxa−PhPPV及びROPh−OxaPPVの場合、LUMOエネルギ−準位が非常に増加し、その結果、A1/Ca電極で電子注入が容易に行われ、これにより、注入された正孔と電子は均衡を保つようになり、発光効率が急激に増加したことが図12a及び図12bからわかる。
[表3]高分子がコートされた電気発光素子の電気光学的性質
Figure 0004157058
:ELスベクトルから計算される。
比較例
MEH−PPVで製造された電気発光素子の物理的性質測定
本発明で合成されたPPV誘導体の代わりに従来公開された(米国特許第5,189,136)MEH−PPVの光学的性質及び、MEH−PPVを発光層でコート処理した電気発光素子の電気光学的性質を測定した。
図13aは電圧を10Vで固定した状態でMEH−PPVのUV吸光、PLスペクトラム及びELスペクトラムを測定した結果であって、同図に示すように、MEH−PPVは赤色領域(約600nm波長)で発光することがわかる。
図13bはMEH−PPVを発光層として用いた電気発光素子の印加された電圧による電流密度を示すグラフであって、駆動電約3V程度で徐々に電流が流れることがわかる。
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、該実施例は例示に過ぎないもので、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形および変更が可能であり、該変形および変更は本発明の精神を損ない範囲内で本発明の権利範囲に属することは、添付する請求の範囲によって明らかになる。
従来の一般的な有機電気発光素子の構造を示す断面図である。 本発明の一実施例によるPPV誘導体の製造過程を例示した反応式である。 本発明の他の実施例によるPPV誘導体の製造過程を示す反応図である。 本発明の更に他の実施例によるPPV誘導体の製造過程を示す反応図である。 図5aは本発明で合成されたPPV誘導体のUV吸光度を測定したグラフであり、図5bは本発明で合成されたPPV誘導体のUV吸光度を測定したグラフである。 図6aは本発明で合成されたPPV誘導体のPL強度を測定したグラフであり、図6bは本発明で合成されたPPV誘導体のPL強度を測定したグラフである。 図7aは本発明で合成されたPPV誘導体のEL強度を測定したグラフであり、図7bは本発明で合成されたPPV誘導体のEL強度を測定したグラフである。 本発明の一実施例により製作された電気発光素子の概略断面図である。 本発明で合成されたPPV誘導体を用いて製作した電気発光素子を構成する各構成要素のエネルギー準位を示す図式図である。 図10aは本発明で合成されたPPV誘導体を用いて製作した電気発光素子の印加された電圧による電流密度を示すグラフであり、図10bは本発明で合成されたPPV誘導体を用いて製作した電気発光素子の印加された電圧による電流密度を示すグラフである。 図11aは本発明で合成されたPPV誘導体を用いて製作した電気発光素子の電流に対する発光効率を示すグラフであり、図11bは本発明で合成されたPPV誘導体を用いて製作した電気発光素子の電流に対する発光効率を示すグラフである。 図12aは本発明で合成されたPPV誘導体を用いて製作した電気発光素子の印加された電圧による発光輝度を示すグラフであり、図12bは本発明で合成されたPPV誘導体を用いて製作した電気発光素子の印加された電圧による発光輝度を示すグラフである。 図13aは従来のPPV誘導体である、MEH−PPVのUV吸光、PLスペクトラムおよびELスペクトラムを測定したグラフであり、図13bは従来のPPV誘導体である、MEH−PPVを用いて製作した電気発光素子の印加された電圧による電流密度を示すグラフである。
符号の説明
100、800 電気発光素子
101、801 基板
102、802 第1電極
103、803 正孔輸送層
104、804 発光層
105 電子輸送層
106、806 第2電極

Claims (17)

  1. 下記化学式1により構成されることを特徴とするポリ(フェニレンビニレン)誘導体。
    [化1]
    Figure 0004157058
    (式中、Aは
    Figure 0004157058
    であり、前記Rは炭素数1〜20の脂肪族アルキル基であり、nは10〜1000の定数である。)
  2. 前記Rはメタまたはパラ位置に置換されている請求項1記載のポリ(フェニレンビニレン)誘導体。
  3. 前記Rは側鎖の付いた脂肪族アルキル基であることを特徴とする請求項1記載のポリ(フェニレンビニレン)誘導体。
  4. 下記化学式2を繰り返し単位として構成されることを特徴とするポリ(フェニレンビニレン)系共重合体。
    [化2]
    Figure 0004157058
    (式中、Aは
    Figure 0004157058
    であり、Bは
    Figure 0004157058
    であり、RおよびRは、それぞれ独立的に炭素数1〜20の脂肪族アルキル基であり、nは10〜1000の定数である。)
  5. 前記共重合体を構成するそれぞれのモノマーが含まれる割合は、0.1〜0.9であることを特徴とする請求項記載のポリ(フェニレンビニレン)系共重合体。
  6. 前記RおよびRの中の少なくとも一つは、側鎖の付いた脂肪族アルキル基であることを特徴とする請求項記載のポリ(フェニレンビニレン)系誘導体。
  7. 下記化学式1のポリ(フェニレンビニレン)系誘導体を発光層に用いることを特徴とする電気発光素子。
    [化1]
    Figure 0004157058
    (式中、Aは
    Figure 0004157058
    であり、前記Rは炭素数1〜20の脂肪族アルキル基であり、nは10〜1000の定数である。)
  8. 前記電気発光素子は、第1の電極/発光層/第2の電極を含むことを特徴とする請求項記載の電気発光素子。
  9. 前記第1の電極と第2の電極との間にキャリア輸送層をさらに含むことを特徴とする請求項記載の電気発光素子。
  10. 前記第1の電極と第2の電極との間にバッファ−層をさらに含むことを特徴とする請求項記載の電気発光素子。
  11. 下記化学式2の 繰り返し単位を有するポリ(フェニレンビニレン)系共重合体を発光層または電子輸送層に用いる電気発光素子。
    [化2]
    Figure 0004157058
    (式中、Aは
    Figure 0004157058
    であり、Bは
    Figure 0004157058
    であり、RおよびRは、それぞれ独立的に炭素数1〜20の脂肪族アルキル基であり、nは10〜1000の定数である。)
  12. 前記電気発光素子は、第1の電極/発光層/第2の電極を含むことを特徴とする請求項11記載の電気発光素子。
  13. 前記電気発光素子は、前記第1の電極と前記第2の電極との間にキャリア輸送層をさらに含むことを特徴とする請求項12記載の電気発光素子。
  14. 前記電気発光素子は、前記第1の電極と前記第2の電極との間にバッファ−層をさらに含むことを特徴とする請求項12記載の電気発光素子。
  15. (a)2−ブロモ−p−キシレンを2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランと反応させて1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2イル)−2,5−ジメチルベンゼンを得る段階;
    (b)前記1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2イル)−2,5−ジメチルベンゼンを4−ブロモンベンゾニトリルと反応させて、1−(4−シアノフェニル)−2,5−ジメチルベンゼンを得る段階;
    (c)前記1−(4−シアノフェニル)−2,5−ジメチルベンゼンをナトリウムアジ化物と反応させて、5−[4−(2,5−ジメチルフェニル)フェニル]−テトラゾールを得る段階;
    (d)前記5−[4−(2,5−ジメチルフェニル)フェニル]−テトラゾールを ハロゲン化アルキルオキシベンゾイルと反応させて、2−(アルキオキシフェニル)−5−[4−(2,5−ジメチルフェニル)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾールを得る段階;および
    (e)2−(アルキオキシフェニル)−5−[4−(2,5−ジメチルフェニル)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾールをN−ブロモスクシネアミドと反応させて、下記化学式5単量体2−{4−[2,5−ビス(ブロモメチル)フェニル]−5−(4−アルコキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールを得る段階;を含むことを特徴とするポリ(フェニレンビニレン)誘導体の合成方法。
    [化5]
    Figure 0004157058
    (式中、前記RはC〜C20の脂肪族アルキル基である。)
  16. (f)前記得られた2−{4−[2,5−ビス(ブロモメチル)フェニル]}−5−(4−アルキオキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールをt−ブトキシドと反応させて、下記化学式6の繰り返し単位を有するポリ[2−{4−[5−(4−アルコキシ)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル}フェニル]−1,4−フェニレンビニレンを得る段階をさらに含むことを特徴とする請求項15記載のポリ(フェニレンビニレン)誘導体の合成方法。
    [化6]
    Figure 0004157058
    (式中、 は C〜C20の脂肪族アルキル基であり、nは10〜1000の定数である。)
  17. (a)グアヤコールをKOHと反応させて、2−(2−メトキシフェニルオキシ)−1,4−ジメチルベンゼンを得る段階;
    (b)前記2−(2−メトキシフェニルオキシ)−1,4−ジメチルベンゼンをS(CHと反応させて、2−(2ヒドロキシフェノキシ)−1,4−ジメチルベンゼンを得る段階;
    (c)前記2−(2ヒドロキシフェノキシ)−1,4−ジメチルベンゼンをハロゲン化アルキルと反応させて、2−(2−アルキルオキシフェニルオキシ)−1,4−ジメチルベンゼンを得る段階;
    (d)前記2−(2−アルキルオキシフェニルオキシ)−1,4−ジメチルベンゼンをNBSと反応させて、下記化学式7の単量体1,4−ビス(ブロモメチル)−2−(2−アルキルオキシフェニルオキシ)ベンゼンを得る段階;
    [化7]
    Figure 0004157058
    (式中、 は C〜C20の脂肪族アルキル基である。)
    および
    (e)1,4−ビス(ブロモメチル)−2−(2−アルキルオキシフェニルオキシ) ベンゼンを請求項15記載の化学式5の2−{4−[2,5−ビス(ブロモメチル)フェニル]}−5−(4−アルコキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールと反応させて、下記化学式2の繰り返し単位を有するPPV誘導体を形成する段階を含むことを特徴とするポリ(フェニレンビニレン)誘導体の合成方法。
    [化2]
    Figure 0004157058
    (式中、Aは
    Figure 0004157058
    であり、Bは
    Figure 0004157058
    であり、RおよびRは、それぞれ独立的に炭素数1〜20の脂肪族アルキル基であり、nは10〜1000の定数である。)
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