以下、本発明に係る撮像装置の第1の実施形態について説明する。図1は、撮像装置の第1の実施形態の構成を示す正面図、図2は、撮像装置の構成を示す背面図、図3は、撮像装置の内部構成を示す図である。なお、図1〜図3において、同一の部材等については、同一の符号を付している。
図1,図2に示すように、本実施形態に係る撮像装置1は、箱形の装置本体1Aにレンズユニット(交換レンズ)2が交換可能(着脱可能)に取り付けられる一眼レフレックスタイプのカメラである。
撮像装置1は、装置本体1Aの前面略中央に取り付けられるレンズユニット2と、上面適所に配設された第1モード設定ダイヤル3と、上方角部に配設されたシャッターボタン4と、背面左側に配設されたLCD(Liquid Crystal Display)5と、LCD5の下方に配設された設定ボタン群6と、LCD5の側方に配設されたジョグダイヤル7と、ジョグダイヤル7の内側に配設されたプッシュボタン8と、LCD5の上方に配設された光学ファインダー9と、光学ファインダー9の側方に配設されたメインスイッチ10と、メインスイッチ10の近傍に配設された第2モード設定ダイヤル11と、光学ファインダー9の上方に配設された接続端子部12とを備えている。
レンズユニット2は、光学素子としてのレンズを鏡胴内において図1の紙面に垂直な方向に複数配置して構成されている。レンズユニット2に内蔵される光学素子として、変倍を行うズームレンズ35(図4参照)と、焦点の調節を行うためのフォーカスレンズ36(図4参照)とが備えられており、それぞれ光軸方向に駆動されることで、変倍や焦点調節が行われる。
本実施形態のレンズユニット2には、その鏡胴の外周適所に該鏡胴の外周面に沿って回転可能な図略の操作環が備えられており、ズームレンズ35は、前記操作環の回転方向及び回転量に応じて光軸方向に移動し、その移動先の位置に応じたズーム倍率(撮影倍率)に設定される手動式のズームレンズである。なお、レンズユニット2は、取外しボタン13を押圧操作することで、装置本体1Aから取り外すことができる。
第1モード設定ダイヤル3は、撮像装置1の上面と略平行な面内で回動可能な略円盤状の部材であり、静止画や動画を撮影する撮影モードや記録済みの画像を再生する再生モード等、撮像装置1に搭載されたモードや機能を択一的に選択するためのものである。図示はしないが、第1モード設定ダイヤル3の上面には、その外周縁に沿って各機能を示すキャラクターがそれぞれ所定の間隔で表記されていて、装置本体1A側の適所に設けられた指標と対向する位置にセットされたキャラクターに対応する機能が実行される。
シャッターボタン4は、途中まで押し込む半押し操作と完全に押し切る全押し操作との2段階で押圧操作されるボタンであり、主に後述する撮像素子19(図3、図4参照)による露光動作のタイミングを指示するためのものである。シャッターボタン4の半押し操作が行われることで、後述する測光センサ14(図3参照)の検出信号を用いて露出制御値(シャッタースピード及び絞り値)等の設定が行われる撮像待機状態に設定され、全押し操作が行われることで、後述する画像記憶部56(図4参照)に記録する被写体の画像を生成するための撮像素子19による露光動作が開始される。シャッターボタン4の半押し操作は、図略のスイッチS1がオンされることにより検出され、シャッターボタン4の全押し操作は、図略のスイッチS2がオンされることにより検出される。
LCD5は、カラー液晶パネルを備えてなり、撮像素子19により撮像された画像の表示や記録済みの画像の再生表示等を行うとともに、撮像装置1に搭載される機能やモードの設定画面を表示するものである。なお、LCD5に代えて、有機ELやプラズマ表示装置であってもよい。設定ボタン群6は、撮像装置1に搭載された各種の機能に対する操作を行うボタンである。
ジョグダイヤル7は、円周方向に一定間隔で配置された複数の押圧部(図中の三角印の部分)を備える環状の部材を有し、各押圧部に対応して備えられた図略の接点(スイッチ)により押圧部の押圧操作が検出されるように構成されている。また、プッシュボタン8は、ジョグダイヤル7の中央に配置されている。ジョグダイヤル7及びプッシュボタン8は、LCD5に再生する記録画像のコマ送り、及び撮影条件(絞り値、シャッタースピード、フラッシュ発光の有無等)の設定等の指示を入力するためのものである。
光学ファインダー9は、被写体が撮影される範囲を光学的に表示するものである。メインスイッチ10は、左右にスライドする2接点のスライドスイッチからなり、左にセットすると撮像装置1の主電源がオンされ、右にセットすると主電源がオフされる。
第2モード設定ダイヤル11は、第1モード設定ダイヤル3と同様の機械的構成を有し、撮像装置1に搭載された各種の機能に対する操作を行うものである。接続端子部12は、図略のフラッシュ等の外部装置を当該撮像装置1と接続するための端子である。
図3に示すように、装置本体1Aの内部には、AF駆動ユニット15と、撮像素子19と、光学ファインダー9と、位相差AFモジュール25と、ミラーボックス26と、測光センサ14と、制御部30とが備えられている。
AF駆動ユニット15は、AFアクチュエータ16と、エンコーダ17と、出力軸18とを備えてなる。AFアクチュエータ16は、駆動源を発生するDCモータ、ステッピングモータ、超音波モータ等のモータ及びモータの回転数を減速するための図略の減速系を含むものである。
エンコーダ17は、詳細には説明しないが、AFアクチュエータ16から出力軸18に伝達される回転量を検出するもので、検出した回転量は、レンズユニット2内の撮影光学系20の位置算出に用いられる。出力軸18は、AFアクチュエータ16から出力される駆動力をレンズユニット2内のレンズ駆動機構32に伝達するものである。
撮像素子19は、装置本体1Aの背面側の領域において該背面に略平行に配設されている。撮像素子19は、詳細な構成は後述するが、例えばフォトダイオード41(図5参照)で構成される複数の画素40(図5参照)がマトリックス状に2次元配列され、各画素50の受光面に、それぞれ分光特性の異なる例えばR(赤),G(緑),B(青)のカラーフィルタが1:2:1の比率で配設されてなるベイヤー配列のCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)カラーエリアセンサである。撮像素子19は、撮影光学系20により結像された被写体の光像をR(赤),G(緑),B(青)各色成分のアナログの電気信号(画像信号)に変換し、R,G,B各色の画像信号として出力する。
光学ファインダー9は、装置本体1Aの略中央に配設されたミラーボックス26の上部に配設されており、焦点板21と、プリズム22と、接眼レンズ23と、ファインダー表示素子24とを備えて構成されている。プリズム22は、焦点板21上の像の左右を反転させ接眼レンズ23を介して撮影者の目に導き、被写体像を視認できるようにするものである。ファインダー表示素子24は、ファインダー視野枠9a内(図2参照)に形成される表示画面の下部に、シャッター速度、絞り値、露出補正値等を表示する。
位相差AFモジュール25は、ミラーボックス26の底部に配設されており、周知の位相差検出方式により合焦位置を検出するものである。位相差AFモジュール25は、本出願人が提案した例えば特開平11−84226号に開示されている構成を有するものであり、詳細な構成の説明は省略する。
ミラーボックス26は、クイックリターンミラー27とサブミラー28とを備えてなる。クイックリターンミラー27は、回動支点29を中心として、図3の実線で示すように、撮影光学系20の光軸Lに対して略45度傾斜した姿勢(以下、傾斜姿勢という)と、図3の仮想線で示すように、装置本体1Aの底面と略平行な姿勢(以下、水平姿勢という)との間で回動自在に構成されている。
サブミラー28は、クイックリターンミラー27の背面側(撮像素子19側)に配設されており、図3の実線で示すように、傾斜姿勢にあるクイックリターンミラー27に対して略90度傾斜した姿勢(以下、傾斜姿勢という)と、図3の仮想線で示すように、水平姿勢にあるクイックリターンミラー27と略平行な姿勢(以下、水平姿勢という)との間で、クイックリターンミラー27に連動して変位可能に構成されている。クイックリターンミラー27及びサブミラー28は、後述のミラー駆動機構51(図4参照)により駆動される。
クイックリターンミラー27及びサブミラー28が傾斜姿勢のとき(シャッターボタン4の全押し操作が行われるまでの期間)、クイックリターンミラー27は、撮影光学系20による光束の大部分を焦点板21方向に反射するとともに、残りの光束を透過させ、サブミラー28は、クイックリターンミラー27を透過した光束を位相差AFモジュール25に導く。このとき、光学ファインダー9による被写体像の表示と位相差AFモジュール25による位相差検出方式の焦点調節動作とが行われる一方、撮像素子19には光束が導かれないため、LCD5による被写体の画像の表示は行われない。
一方、クイックリターンミラー27及びサブミラー28が水平姿勢のときには(シャッターボタン4が全押しされたとき)、クイックリターンミラー27及びサブミラー28は光軸Lから退避するため、撮影光学系20を透過した光束は略全て撮像素子19に導かれる。このとき、LCD5による被写体の画像表示が行われる一方、光学ファインダー9による被写体の画像表示や位相差AFモジュール25による位相差検出方式の焦点調節動作は行われない。
測光センサ14は、マトリックス状に配列された複数の測光領域を有し、各測光領域に対応した複数個の集光レンズ及び光電変換素子、たとえばフォトダイオードを含む多分割測光ユニットであり、被写体の輝度をTTL(Through The Lens)方式で検出するためのものである。測光センサ14は、撮像面にIRカットフィルタを有し、その分光感度が可視領域となるように調整されている。また、測光センサ14には、クイックリターンミラー27及びサブミラー28が傾斜姿勢のときに、撮影光学系20による光束の一部が導かれる。
制御部30は、例えば制御プログラムを記憶するROMや一時的にデータを記憶するフラッシュメモリ等の記憶部が内蔵されたマイクロコンピュータからなるものであり、詳細な機能については後述する。
次に、装置本体1Aに装着されるレンズユニット2について説明する。
図3に示すように、レンズユニット2は、撮影光学系20と、鏡胴31と、レンズ駆動機構32と、レンズエンコーダ33と、記憶部34とを備える。
撮影光学系20は、撮影倍率(焦点距離)を変更するためのズームレンズ35(図4参照)と、焦点位置を調節するためのフォーカスレンズ36(図4参照)と、装置本体1Aに備えられる後述の撮像素子19等へ入射される光量を調節するための絞り37とが、鏡胴31内において光軸L方向に保持されてなり、被写体の光像を取り込んで該光像を撮像素子19等に結像するものである。焦点調節動作は、撮影光学系20が装置本体1A内のAFアクチュエータ16により光軸L方向に駆動されることで行われる。なお、撮影倍率(焦点距離)の変更(ズーム動作)は、図略のズームリングにより手動で行われる。
レンズ駆動機構32は、例えばヘリコイド及びヘリコイドを回転させる図略のギヤ等で構成され、カプラー38を介してAFアクチュエータ16からの駆動力を受けて、撮影光学系20を一体的に光軸Lと平行な矢印A方向に移動させるものである。撮影光学系20の移動方向及び移動量は、それぞれAFアクチュエータ16の回転方向及び回転数に従う。
レンズエンコーダ33は、撮影光学系20の移動範囲内において光軸L方向に複数個のコードパターンが所定ピッチで形成されたエンコード板と、このエンコード板に摺接しながら鏡胴31と一体的に移動するエンコーダブラシとを備えてなり、撮影光学系20の焦点調節時の移動量を検出するためのものである。
記憶部34は、当該レンズユニット2が装置本体1Aに装着され、装置本体1A内の制御部30からデータの要求があった場合に、該装置本体1A内の制御部30に記憶内容を提供するものである。記憶部34は、レンズエンコーダ33から出力される撮影光学系20の移動量の情報等を記憶する。
次に、本実施形態に係る撮像装置1の電気的な構成について説明する。図4は、装置本体1Aにレンズユニット2が装着された状態での撮像装置1全体の電気的な構成を示すブロック図である。また、図1〜図3と同一の部材等については、同一の符号を付している。また、図4の点線は、レンズユニット2内に搭載される部材等であることを示している。
図4に示すように、撮影光学系20は、図3に示す撮影光学系20に相当するものであり、撮影倍率(焦点距離)を変更するためのズームレンズ35と、焦点位置を調節するためのフォーカスレンズ36とを備えてなる。AFアクチュエータ16、エンコーダ17、出力軸18、レンズ駆動機構32及びレンズエンコーダ33は、それぞれ図3に示すAFアクチュエータ16、エンコーダ17、出力軸18、レンズ駆動機構32及びレンズエンコーダ33に相当するものである。記憶部34は、図3に示す記憶部34に相当するものである。ミラーボックス26は、クイックリターンミラー27及びサブミラー28を備えてなり、また、位相差AFモジュール25は、図3に示す位相差AFモジュール25に相当するものである。
撮像素子19は、図3に示す撮像素子19に相当するものである。図5は、撮像素子19の概略構成を示す図である。
図5に示すように、撮像素子19は、マトリックス状に配列された複数の画素40を有してなり、各画素40は、光電変換動作を行う光電変換素子としてのフォトダイオード41と、画素信号を出力させる画素40を選択するための垂直選択スイッチ42と、リセットスイッチ(Rst)39と、増幅素子61とを備えて構成されている。
また、撮像素子19は、画素40のマトリックスにおける各行において、垂直選択スイッチ42の制御電極が共通に接続された垂直走査線43に垂直走査パルスφVnを出力する垂直走査回路44と、列ごとに垂直選択スイッチ42の主電極が共通に接続された水平走査線45と、各画素40のリセットスイッチ39が共通に接続されたリセット線62と、各水平走査線45に接続されたサンプリング回路50と、サンプリング回路50と水平走査回路48とに接続された水平スイッチ47と、水平スイッチ47の制御電極に接続された水平走査回路48と、水平信号線46に接続されたアンプ49と、水平スイッチ47の出力端子とアンプ49の出力端子とに接続された水平信号線46とを備える。増幅素子61及びリセットスイッチ39は、電源Vpに接続されている。
サンプリング回路50は、各画素40から出力されるアナログの画素信号をサンプリングし、この画素信号に対し、画素信号のノイズの低減を行うものである。サンプリング回路50の動作については後述する。アンプ49は、サンプリング回路50の出力信号を電圧に変換するものである。
このような構成を有する撮像素子19においては、画素に蓄積された電荷の出力動作を、1画素ずつ出力させるとともに、垂直走査回路44及びサンプリング回路50の動作を制御することで、画素を指定してその画素に電荷を出力させることができる。
すなわち、垂直走査回路44により、或る画素のフォトダイオード41で光電変換された電荷を、増幅素子61及び垂直選択スイッチ42を介して水平走査線45に出力させ、または、リセットスイッチ39を介してリセット電位に固定し、その後、サンプリング回路50により、その水平走査線45の光電変換された電荷とリセットに固定された電荷との差が、アナログの画素信号としてサンプリングされる。この動作を各画素について行うことで、画素を指定しつつ全ての画素に順番に電荷を出力させることができる。なお、サンプリング回路50の出力信号は、水平スイッチ47を介してアンプ49に出力され、該アンプ49で増幅された後、後述のA/D変換部52に出力される。
撮像素子19は、後述のタイミング制御回路53により、撮像素子19の露出動作の開始及び終了や、撮像素子19における各画素の画素信号の読出し等の撮像動作が制御される。
図4に戻り、ミラー駆動機構51は、クイックリターンミラー27やサブミラー28を傾斜姿勢と水平姿勢との間で駆動するものであり、制御部30により制御される。
A/D変換部52は、撮像素子19により出力されたアナログのR,G,Bの画素信号を、複数のビット(例えば10ビット)からなるデジタルの画素信号(以下、画素データ)にそれぞれ変換するものである。
タイミング制御回路53は、制御部30から出力される基準クロックCLK0に基づいてクロックCLK1,CLK2を生成し、クロックCLK1を撮像素子19に、クロックCLK2をA/D変換部52にそれぞれ出力することにより、撮像素子19及びA/D変換部52の動作を制御する。
画像メモリ54は、撮影モード時には、A/D変換部52から出力される画像データを一時的に記憶するとともに、この画像データに対し制御部30により後述の処理を行うための作業領域として用いられるメモリである。また、再生モード時には、後述の画像記憶部56から読み出した画像データを一時的に記憶するメモリである。
画像処理部55は、画像メモリ54に記憶された画像データの黒レベルを基準の黒レベルに補正する黒レベル補正部、R(赤),G(緑),B(青)の各色成分の画素データのレベル変換を行うホワイトバランス補正部及び画素データのγ特性を補正するγ補正部等を備えるものである。
画像記憶部56は、メモリカードやハードディスクなどからなり、制御部30で生成された画像を保存するものである。入力操作部57は、前述の第1モード設定ダイヤル3、シャッターボタン4、設定ボタン群6、ジョグダイヤル7、プッシュボタン8、メインスイッチ10及び第2モード設定ダイヤル11等を含み、操作情報を制御部30に入力するためのものである。VRAM60は、LCD5の画素数に対応した画像信号の記録容量を有し、LCD5に再生表示される画像を構成する画素データのバッファメモリである。LCD5は、図2に示すLCD5に相当するものである。
制御部30は、図3に示す制御部30に相当するものであり、図4に示す撮像装置1内の各部材の駆動を関連付けて制御するものである。
ところで、CMOSカラーエリアセンサからなる撮像素子19は、次のような問題を有している。すなわち、図6(a)に示すように、撮像素子19が極めて輝度の高い被写体(主に太陽)を撮像した場合に、この被写体の画像のうち輝度が高いはずの部分(図6(a)では太陽の画像)の一部に、矢印Pに示すように黒色として表される現象(以下、反転現象という)が発生する場合がある。この反転現象が発生する原因の1つとして、次に述べるような原因が考えられる。
すなわち、本実施形態では、撮影光学系20から導かれた光を、該撮影光学系20と撮像素子19との間で遮光するメカニカルシャッターが搭載されていないため、画素19の露光動作の終了及び該露光動作により生成された画素信号の読出しは、制御部30からの指示に基づく該画素19内の各素子の動作による所謂電子シャッター方式で行われる。
この電子シャッター方式における画素の動作を説明する。図7は、撮像素子19の画素の動作を示すタイムチャートであり、垂直走査回路44からリセットスイッチ39に出力されるリセットパルス(Reset)と、画素19におけるフォトダイオード41の陰極の電圧VPDと、リセット動作後の電圧VPDをサンプリング回路50によりサンプリングするタイミングを決定するリセットサンプルホールドパルス(以下、SHRと表す)と、画像を構成する画素信号に相当する電圧VPDをサンプリング回路50によりサンプリングするタイミングを決定するシグナルサンプルホールドパルス(以下、SHSと表す)とを示す。なお、SHR及びSHSは、それらを合わせて図4ではタイミングパルスCLK2として表記している。
図7(a)に示すように、被写体像を撮像するときには、まず、垂直走査回路44によりリセットスイッチ39をオンにしてフォトダイオード41に蓄積されている電荷を排出(廃棄)させる(時刻T=T1)。
そして、時刻T=T1から所定時間経過後に制御部30はSHSを出力することで、サンプリング回路50は、フォトダイオード41の陰極電圧VPDをサンプリングする(時刻T=T2)。このサンプリング動作により得られた電圧VPDを電圧VPD1と表すものとする。時刻T=T1からT2までの時間が露光時間Tpとなる。
さらに、時刻T=T2から所定時間経過後の時刻T=T3に、リセットスイッチ39をオンにしてフォトダイオード41に蓄積されている電荷を排出させ、また、その直後に制御部30はSHRを出力する。これにより、サンプリング回路50は、リセットされたフォトダイオード41の陰極電圧VPDをサンプリングする(時刻T=T4)。このサンプリング動作により得られた電圧VPDを電圧VPD2と表すものとする。
そして、サンプリング回路50は、この2回のサンプリング動作により得られた電圧VPD1と電圧VPD2との差分(VPD2−VPD1)を導出する。この差分(VPD2−VPD1)が、当該画素の露光動作により得られた被写体像の画素信号に相当するものとして設定される。
以上のような動作を、図5において例えば上側に位置する水平画素列から下側に位置する水平画素列に向けて、且つ各水平画素列において左上に位置する画素から右側に位置する画素に向けて行う。このような処理を行うことで、撮像素子19が例えば時刻T=T1でのリセット動作を行っても画素に残存するノイズに近似するノイズが、画像を構成する画素信号から除去されることとなり、これにより、被写体像により忠実な画像を得ることができる。
このように画素を動作させるとき、フォトダイオード41の陰極の電電圧VPDは、リセットスイッチ39がオンされると所定値まで一旦上昇したのち低下することとなるが、その際、画素に入射する光の強さに応じて、電圧VPDの低下の態様が異なる。
すなわち、画素に入射される光がそれほど強いものではないときには、図7(a)に示すように、リセットスイッチ39が再度オンされるまで電圧VPDは漸減していく。これに対し、画素に入射される光が非常に強いものであるときには、非常に短い時間の間でも画素に多くの電荷が蓄積するため、図7(b)に示すように、電圧VPDが図7(a)で示す場合に比して急激に低下し、換言すれば瞬間的に画素が飽和することとなる。
ここで、前述したように、各画素について導出した前記差分(VPD2−VPD1)を当該画素の画素信号とすることから、前述のように画素に入射される光が非常に強いものであるときには、画素に入射する光がそれほど強いものではない場合に比して、前記差分(VPD2−VPD1)が小さくなる。
図7(c)は、画素に入射する光が図7(b)に示す場合に比してより一層強いものである場合の電圧VPDの変化等を示すものであり、この場合には、リセットスイッチ39をオンにしても、電圧VPDが上昇すべき値まで上昇しないまま画素が瞬間的に飽和するため、図7(b)に示す場合に比してさらに前記差分(VPD2−VPD1)が小さくなる。
このように、前記差分(VPD2−VPD1)が非常に小さくなると、当該画素による露光動作により得られる被写体像の画像は、輝度が極めて小さいもの、すなわち黒色として表されることとなる。本実施形態は、このような反転現象により、輝度が高いものとして表されるべき部分が黒色として表される不自然な画像が生成されるのを回避または抑制する技術を提案するものである。
なお、本実施形態に係る撮像装置1は、前述のように、シャッターボタン4の全押し操作が行われるまでの期間は、クイックリターンミラー27が傾斜姿勢となることにより撮像素子19には光束が導かれず、撮像素子19による撮像動作は行われないから、反転現象の問題は生じ得ない。
したがって、本実施形態では、反転現象に対する補正の対象は、シャッターボタン4の全押し操作により生成される記録用画像であり、この記録用画像に生じる反転現象に係る問題を解決すべく、図4に示すように、制御部30は、機能的に、判断部58と、データ補正部59とを有する。
反転現象は、極めて輝度の高い被写体(主に太陽)を撮像したときに発生し得るが、撮像素子19は、ダイナミックレンジ(出力信号の強度)がそれほど広くないため、所定の輝度を超える被写体であれば、異なる輝度を有する被写体(例えば太陽と電灯)であっても、同一の画素信号(出力値)を出力する場合があり、撮像素子19の出力値でそれらの被写体を識別することが困難である。
そこで、本実施形態では、撮像素子19に比してダイナミックレンジが広い測光センサ14を備えていることから、この測光センサ14の検出信号を用い、撮像素子19の出力値では識別が困難な高輝度の被写体について、反転現象が発生しない被写体であるか反転現象が発生し得る被写体であるかを識別し、反転現象が発生し得る被写体のみを抽出するようにしている。
判断部58は、シャッターボタン4の全押し操作により生成される記録用画素データに反転現象が生じるか否かにつき、測光センサ14の検出信号を用いて判断するものである。
図6(a)は、撮像素子19の撮像領域を示し、図6(b)は、測光センサ14の測光領域を示し、図6(c)は、撮像素子19の撮像領域と測光センサ14の測光領域との対応関係を示す図である。図6(b)に示すように、測光センサ14は、前述したようにマトリックス状に配列された複数の測光領域を有しており、ここでは、図6(c)に示すように、測光センサ14の測光領域と撮像素子19の撮像領域とが略一致しているものとする。
判断部58は、シャッターボタン4の全押し操作が行われるまでの期間において、測光センサ14から測光領域毎の出力データを受け取って測光領域毎に被写体輝度を導出し、各被写体輝度に基づいて反転現象が発生し得ると考えられる測光領域を求める、すなわち被写体輝度についての所定の閾値を超える被写体輝度を含む測光領域を導出する。本実施形態では、前記所定の閾値は、画素が出力し得る最大の出力値(以下、飽和値という)に設定されている。
そして、判断部58は、反転現象が発生し得る領域として導出された前記測光領域に対応する撮像素子19の撮像領域を、反転現象が発生し得ると考えられる撮像領域として抽出する。ここでは、図6(c)に示す撮像領域A〜Dが抽出されたものとする。
データ補正部59は、シャッターボタン4の全押し操作が行われ記録用画素データが撮像素子19から出力されると、その記録用画素データのうち、判断部58により抽出された撮像領域の記録用画素データに対して、次のような補正処理を行うものである。
すなわち、データ補正部59は、図8に示すように、抽出された撮像領域A〜Dに対して、画素データ(出力値)の変化を所定の画素配列方向に検出していく。例えば、データ補正部59は、撮像領域A〜Dに属する各画素について、上側に位置する水平画素列から順に、且つ水平方向、例えば左から右側に向けて順番に画素データ(出力値)の変化を検出していく。
その際、水平方向に並ぶ画素の画素データの変化をみたとき、画素データの変化パターンとして、図9(a)〜(c)に示すような3通りの変化パターンが考えられる。なお、図9(a)〜(c)において、数値は画素データの値を示し、画素が出力し得る最小値は0、飽和値は1023である。また、図9(a)〜(c)における「A」,「B」は、図6,8に示す撮像領域「A」,「B」に相当するものである。
図9(a)は、図8に示す水平画素列L1及び該水平画素列L1に属する画素が出力した画素データの並びを示すものであり、飽和値が存在しない変化パターンである。図9(b)は、図8に示す水平画素列L2及び該水平画素列L2に属する画素が出力した画素データの並びを示すものであり、飽和値の間に該飽和値より小さい画素データが存在しない変化パターンである。図9(c)は、図8に示す水平画素列L3及び該水平画素列L3に属する画素が出力した画素データの並びを示すものであり、飽和値の間に該飽和値より小さい画素データが存在する変化パターンである。
ここで、水平方向に並ぶ画素が出力する各画素データ(出力値)に着目したとき、反転現象が発生している場合には、飽和値の間に該飽和値より小さい画素データが存在する。したがって、図9(c)に示す変化パターンが存在するとき、反転現象が発生しているものと考えられる。
データ補正部59は、これに基づいて反転現象の発生の有無を判断し、図9(c)に示す変化パターンが存在することを検知すると、その変化パターンのうち飽和値の間に存在する、前記飽和値より小さい画素データを出力した画素に反転現象が発生しているものと判断し(以下、この画素を反転画素という)、シャッターボタン4の全押し操作により行われる記録用露光動作によって画素データ(記録用画素データ)が得られると、前記反転画素の画素データを飽和値に置換する。
例えば図9(c)に示す変化パターンにおいては、「926」、「52」、「3」の画素データを飽和値「1023」の画素データに置換する。なお、本実施形態では、飽和値の間に該飽和値より小さい画素データが存在する変化パターンが検出した場合には、前記飽和値より小さい画素データを全て飽和値に置換するようにしたが、これに限らず、画素データの置換を行うための画素データについての閾値を設定し、その閾値より小さい画素データを飽和値に置換するようにしてもよい。この場合、前記閾値として、例えば前記飽和値の1%に相当する値だけその飽和値より小さい値に設定するとよい。
すなわち、或る水平画素列に属する各画素から、例えば図10に示すような出力値が得られたものとすると、前記閾値を、例えば飽和値Gmax×99%に設定するのが好ましく、この図10においては、矢印Mに示すように、前記第2の閾値を示す点線より下の部分に相当する領域の画素信号について前記補正が行われる。
これにより、図6(a)の矢印Pに示すような黒点の発生を防止又は抑制し、この部分の画像を周囲の被写体の明るさと略同一の明るさで表すことができる。なお、図9(a),(b)に示す変化パターンの場合には、データ補正部59は、前述のような画素データの置換は実行しない。
次に、本実施形態の撮像装置1による補正処理を、図11に示すフローチャートを用いて説明する。
図11に示すように、制御部30は、測光センサ14の検出信号を取り込むと(ステップ♯1)、この検出信号において、所定の閾値を超える検出信号が存在するか否かを判断する(ステップ♯2)。その結果、所定の閾値を超える検出信号が無い場合には(ステップ♯2でNO)、制御部30は、処理を終了する一方、所定の閾値を超える検出信号が存在する場合には(ステップ♯2でYES)、この所定の閾値を超える検出信号を有する高輝度領域を含む測光領域を抽出する(ステップ♯3)。
そして、制御部30は、記録用画素データを受け取ると(ステップ♯4でYES)、ステップ♯3で抽出された測光領域に対応する撮像素子19の撮像領域から出力された記録用画素データを抽出する(ステップ♯5)。
次に、制御部30は、図8に示すように、上側に位置する水平画素列から順に且つ各水平画素列において左側の画素から順に画素データの変化を検出していく。すなわち、制御部30は、注目画素は飽和しているか否かを判断し(ステップ♯6)、飽和していない場合には(ステップ♯6でNO)、注目画素を次の順番の画素に設定し(ステップ♯7)、抽出した撮像領域に属する全ての画素について飽和の有無の判断を行ったか否かを判断する(ステップ♯8)。前記飽和の有無の判断が全て終了していない場合には(ステップ♯8でNO)、制御部30は、ステップ♯6の処理に戻る。
一方、ステップ♯6において、制御部30は、注目画素が飽和している場合には(ステップ♯6でYES)、注目画素を次の順番の画素に設定し(ステップ♯9)、抽出した撮像領域(ブロック)に属する全ての画素について飽和の有無の判断を行ったか否かを判断する(ステップ♯10)。そして、前記飽和の有無の判断が全て終了すると(ステップ♯10でYES)、制御部30は、処理を終了する一方、前記飽和の有無の判断が全て終了していない場合には(ステップ♯10でNO)、ステップ♯9で新たに設定された注目画素は飽和しているか否かを判断する(ステップ♯11)。
その結果、制御部30は、注目画素が飽和している場合には(ステップ♯11でYES)、ステップ♯9の処理に戻る一方、前記注目画素が飽和していない場合には(ステップ♯11でNO)、当該注目画素を反転画素の候補として記憶する(ステップ♯12)。
そして、制御部30は、注目画素を次の順番の画素に設定し(ステップ♯13)、抽出した撮像領域に属する全ての画素について飽和の有無の判断を行ったか否かを判断する(ステップ♯14)。前記飽和の有無の判断が全て終了すると(ステップ♯14でYES)、処理を終了し、前記飽和の有無の判断が全て終了していない場合には(ステップ♯14でNO)、注目画素は飽和しているか否かを判断する(ステップ♯15)。
その結果、制御部30は、前記注目画素が飽和していない場合には(ステップ♯15でNO)、ステップ♯12の処理に戻る一方、注目画素が飽和している場合には(ステップ♯15でYES)、反転画素の候補として記憶された画素に対応する記録用画素データを飽和値に補正した後(ステップ♯16)、注目画素を次の順番の画素に設定して(ステップ♯17)、ステップ♯6の処理に戻る。
そして、ステップ♯6において、注目画素が飽和している場合には(ステップ♯6でYES)、ステップ♯9以降の処理を実行し、注目画素が飽和しておらず(ステップ♯6でNO)、ステップ♯7の処理後、抽出した撮像領域に属する全ての画素について飽和の有無の判断を行うと(ステップ♯8でYES)、制御部30は、処理を終了する。
以上のように、反転現象が発生している場合には、水平方向に並ぶ画素の画素データに着目したときに、飽和値の間に該飽和値より小さい画素データが存在することに基づいて反転現象の発生の有無を検出し、反転現象が発生しているときには、反転画素の画素データを飽和値に補正(置換)するようにしたので、前述のように太陽の画像が中心部に黒点を有する画像となるような不自然な画像が生成されるのを回避することができ、被写体により忠実な画像を得ることができる。
また、ダイナミックレンジが撮像素子19よりも広い測光センサ14の検出信号を用いて、反転現象が発生し得る高輝度の部分を抽出するようにしたから、反転現象が発生しない被写体と反転現象が発生し得る被写体との識別を正確に行うことができる。
図12は、被写体の輝度(横軸)とその輝度に対応する測光センサ14の出力(縦軸)との関係を示す図である。
例えば、蛍光灯、タングステン電球、水銀灯及び太陽からの各光を撮像素子19が受光したとき、撮像素子19は、いずれの光についても飽和値となる場合がある。しかし、測光センサ14は、ダイナミックレンジが撮像素子19よりも広いため、図12に示すように、それらの光に応じて出力データが異なる。すなわち、図12に示すように、測光センサ14の出力は、被写体の輝度の増大に略比例して小さくなっていくという特性を有し、輝度が異なる蛍光灯、タングステン電球、水銀灯及び太陽からの各光に応じて、出力が異なる。
したがって、蛍光灯、タングステン電球、水銀灯及び太陽からの各光のうち、反転現象を発生させ得る光が太陽光のみであると考えた場合には、図12に示すように、測光センサ14からの出力についての閾値を500(mV)に設定することで、測光センサ14の各測光領域に対応する撮像素子19の各画素が受光した被写体光が、太陽光であるのかそれとも太陽光以外の光であるのかを識別することができる。その結果、撮像素子19では飽和値として出力される被写体が、反転現象が発生しない被写体であるのか反転現象が発生し得る被写体であるのかの識別を正確に行うことができる。
また、前記画素データの補正(置換)の要否を、撮像素子19の全ての画素について判断するようにしてもよいが、前述のように、測光センサ14の検出信号を用いて、反転現象が発生し得る高輝度の部分を抽出し、この抽出した高輝度の部分について画素データの補正の要否を判断するようにしたので、前記画素データの補正(置換)の要否を、撮像素子19の全ての画素について判断する形態に比して前記補正を要する画素を速やかに検出することができる。
そして、前記抽出部分に反転現象が発生している場合には、反転画素の画素データを飽和値に補正(置換)するだけであるから、従来の構成に比して簡単な構成で、反転現象の発生を防止または低減することができる。
[第2の実施形態]
図13は、第2実施形態の撮像装置の構成を示す正面図、図14は、当該撮像装置の構成を示す背面図である。
図13、図14に示すように、本実施形態の撮像装置101は、前記第1の実施形態のような一眼レフタイプの撮像装置ではなく所謂コンパクトカメラと呼ばれる撮像装置であり、装置本体102に、撮影光学系103、シャッターボタン104、光学ファインダー105、フラッシュ106、LCD107、機能スイッチ群108、電源ボタン109及びモード設定スイッチ110を備えている。
撮影光学系103は、装置本体102の前面右側に配設されており、被写体の光像を形成するものである。撮影光学系103は、撮影画角を変更するためのズームレンズ群111(図15参照)や焦点調節を行うためのフォーカスレンズ群112(図15参照)及びレンズシャッター113(図15参照)等を有し、焦点距離の変更や焦点位置の調節を行う。
シャッターボタン104は、2段階(半押し及び全押し)で押圧操作されるボタンであり、露光制御のタイミングを指示するためのものである。撮像装置101は、静止画を撮影する静止画撮影モードと、動画を撮影する動画撮影モードとを有し、静止画撮影モード及び動画撮影モードの設定時において、シャッターボタン104が操作されていない状態では、所定の周期例えば1/30(秒)毎に、電子シャッター方式により画素信号が各画素から読み出され、被写体の画像(ライブビュー画像)が更新的にLCD107に表示される。
なお、ライブビュー画像は、被写体の画像を記録するまでの期間(撮影準備期間)、一定の周期(例えば1/30秒)でLCD107に切換表示される、撮像素子116で撮像された画像をいい、このライブビュー画像により、被写体の状態が略リアルタイムでLCD107に表示され、撮影者は被写体の状態をLCD107で確認することができる。
また、静止画撮影モードにおいては、シャッターボタン104の半押し操作が行われることで、前記ライブビュー画像の表示処理に加えて、露出制御値(後述のレンズシャッター113のシャッタースピード及び絞り値)等の設定が行われる撮像待機状態に設定される。さらに、静止画撮影モードでは、全押し操作が行われると、後述する画像記憶部122(図15参照)に記録する被写体の画像を生成するための撮像素子116による露光動作(記録用露光動作)が開始される。一方、動画撮影モードにおいては、シャッターボタン104の全押し操作が行われることで記録用露光動作が開始され、所定の周期例えば1/30(秒)毎に、電子シャッター方式により画素信号が各画素から読み出されて逐次画像が生成され、再度全押し操作が行われることで、その記録用露光動作が停止される。
光学ファインダー105は、装置本体102の背面左側上部に配設されており、被写体が撮影される範囲を光学的に表示するものである。フラッシュ106(内蔵フラッシュ)は、装置本体102の前面中央上部に配設されており、被写体からの光量が不足する場合などに図略の放電灯を放電させることにより被写体に照明光を照射するものである。
LCD107は、装置本体102の背面略中央部に配設されており、カラー液晶パネルを備えてなり、撮像素子116により撮像された画像の表示や記録済みの画像の再生表示等を行うとともに、撮像装置101に搭載される機能やモードの設定画面を表示するものである。
機能スイッチ群108は、LCD107の右側方に配設されており、ズームレンズ群111(図15参照)のワイド方向又はテレ方向の駆動を行うためのズームスイッチ108aや、焦点調節を行う(フォーカスレンズ群112を光軸方向に駆動する)ためのフォーカススイッチ108b等からなる。
電源ボタン109は、装置本体102の背面上部であって機能スイッチ群108の左側に配設されており、押圧する毎に主電源のON/OFFが交互に切り換わるようになっている。
モード設定スイッチ110は、装置本体102の背面上部に配設されており、被写体像の静止画撮影を行う「静止画撮影モード」と、被写体像の動画撮影を行う「動画撮影モード」と、後述の画像記憶部122(図15参照)に記録された撮影画像をLCD107に再生表示する「再生モード」との間でモードの切換設定を行うためのスイッチである。モード設定スイッチ110は、上下にスライドする3接点のスライドスイッチからなり、下にセットすると撮像装置101が再生モードに設定され、中央にセットすると静止画撮影モードに設定され、上にセットすると動画撮影モードに設定される。
次に、図15を参照して、撮像装置101の電気的な構成について説明する。なお、図13,図14と同一の部材等については、同一の符号を付している。
LCD107は、図13に示すLCD107に相当するものである。また、撮影光学系103は、図13に示す撮影光学系103に相当するものであり、ズームレンズ群111、フォーカスレンズ群112及びレンズシャッター113等を有する。
レンズ駆動部114は、撮影光学系103のズームレンズ群111及びフォーカスレンズ群112を光軸方向に駆動するアクチュエータを備えて構成されている。シャッター駆動部115は、レンズシャッター113を駆動するアクチュエータを備えて構成されている。
撮像素子116、A/D変換部117及びタイミング制御回路128は、前記第1の実施形態における撮像素子19、A/D変換部52及びタイミング制御回路53と略同様の構成を有するものである。画像メモリ118、画像処理部119及びVRAM120は、前記第1の実施形態における画像メモリ54、画像処理部55及びVRAM60と略同様の構成を有するものである。入力操作部121は、前述のシャッターボタン104、機能スイッチ群108、電源ボタン109及びモード設定スイッチ110を含むものであり、これらの操作情報を制御部123に入力するものである。画像記憶部122は、前記第1の実施形態における画像記憶部56と略同様の構成を有するものである。
制御部123は、マイクロコンピュータからなり、上述した装置本体102内の各部材の駆動を関連付けて制御して撮像装置101の撮影動作を統括制御するものである。制御部123は、CPUのワーク用としてのRAMと、撮像装置101に備えられる各種機能を実行するプログラム等を記憶するROMとを有してなる図略の記憶部を備える。
ところで、本実施形態は、レンズシャッター113を搭載しており、記録画像の生成時には、撮像素子116への光が該レンズシャッター113により遮断されることから前述のような反転現象は発生し得ない。一方、記録画像の生成指示が行われるまで(シャッターボタン104の全押し操作が行われるまで)の期間において生成されるライブビュー画像及び動画撮影モードにおいて生成される動画像は、前記電子シャッター方式により生成されるため、反転現象が発生し得る。このことから、本実施形態では、反転現象に対する補正の対象は、前記ライブビュー画像及び動画像である。
その際、撮像装置101は、前記第1の実施形態のような測光センサ14を具備していないため、測光センサ14の出力データを用いて反転現象が発生し得る高輝度の被写体と反転現象が発生しない高輝度の被写体との識別を行うことができない。そこで、本実施形態では、次のような方法により、反転現象が発生し得る高輝度の被写体と反転現象が発生しない高輝度の被写体との識別を正確に行いつつ、反転現象を解消または低減するようにしている。以下、反転現象を解消又は低減する対象を前記ライブビュー画像として説明する。
ライブビュー画像は、撮像素子116の画素から出力される画素データの一部を用いて(間引き読出しにより)生成され、残りの画素で生成された画素データは、ライブビュー画像の生成に関与しないことから、本実施形態では、この残りの画素で生成された画素データを用いて、ライブビュー画像を生成するための画素(前記一部の画素)から出力される画素データにおける反転現象の有無を判断し、その判断結果に応じて、ライブビュー画像生成用の画素データの補正を行う。
この機能を実現するべく、制御部123は、機能的に、撮像制御部124と、ライブビュー画像生成部125と、判断部126と、データ補正部127とを備える。
撮像制御部124は、撮像素子116の撮像動作を制御するものである。ライブビュー画像生成部125は、撮像素子116の画素から出力される画素データの一部を用いて(間引き読出しにより)、ライブビュー画像を生成するものである。
以下、撮像制御部124及びライブビュー画像生成部125の処理を、図16〜図18を用いて説明する。図16は、撮像素子116の画素の配列を示す図である。
図16に示すように、マトリックス状に配置される画素に対して、左上の画素を基準として水平方向及び垂直方向に番号を付して2次元座標系を設定したとき、ライブビュー画像生成部125は、例えば、(10m−5,10n−5)、(10m−4,10n−5)、(10m−5,10n−4)、(10m−4,10n−4)(m,nは自然数)で表される位置に位置する画素(図16の点線で囲まれた画素)の画素データを用いてライブビュー画像を生成する。以下、ライブビュー画像を構成する画素データを生成する画素を、撮影準備期間においてLV画像生成用画素から得られる画素データをLV画像生成用画素データというものとする。
ここで、本実施形態の撮像装置101は、前記第1の実施形態のような測光センサ14を備えておらず、該測光センサ14の出力データを用いた、反転現象が発生し得る高輝度の被写体と反転現象が発生しない高輝度の被写体との識別が困難であり、また、前記第1の実施形態のように、水平方向に並ぶ画素の画素データを着目したときに飽和値の間に該飽和値より小さい画素データが存在することに基づいて反転現象の発生の有無を判断する処理を、各フレーム画像に対して行うことは、処理スピードの点から限界がある。
そこで、本実施形態では、前記LV画像生成用画素の近傍に位置する画素には、隣接するLV画像生成用画素と同様の光が入力されるものとの着想から、LV画像生成用画素の近傍に位置する画素に、短い時間の露光動作を行わせ、短い露光時間でも反転判断画素が飽和する場合には、LV画像生成用画素も飽和するものとみなし、その画素の近傍に位置するLV画像生成用画素の画素データを、実際の画素データの如何に拘わらず飽和値に置換するようにしている。
その際、各画素が受光した被写体光が、太陽光であるのか、それとも太陽光以外の光であるのか、延いては、反転現象が発生しない高輝度の被写体と反転現象が発生し得る高輝度の被写体との識別をできるだけ正確に行うため、前述のように、反転現象を生じさせる被写体光は、画素の露光時間が短くても十分に大きな画素データが得られることに基づき、LV画像生成用画素の近傍に位置する前記画素の露光時間を非常に短時間に設定する。以下、この反転現象の有無の判断に用いる画素を反転判断画素という。
図16は、LV画像生成用画素に隣接する画素、例えば(10m−6,10n−5)、(10m−6,10n−4)(m,nは自然数)で表される位置に位置する画素(図16の丸印で囲まれた画素)を反転判断画素として設定した例を示す。
撮像制御部124は、例えば矢印Sで示すLV画像生成用画素(以下、LV画像生成用画素Sという)及び矢印Tで示す反転判断画素(以下、反転判断画素Tという)の露光動作及び画素信号の出力動作を次のように行わせる。図17(a)〜(c)は、周期的に行われるライブビュー画像の生成処理のうち1フレームのライブビュー画像を生成する場合におけるLV画像生成用画素Sの露光動作及び画素信号の出力動作を示し、図17(d)〜(f)は、前記LV画像生成用画素Sの露光動作及び画素信号の出力動作に関連して行われる反転判断画素Tの露光動作及び画素信号の出力動作を示す。
図17(a)〜(c)に示すように、撮像制御部124は、リセットスイッチ39(図5参照)をオンし、時刻T=T11にLV画像生成用の露光動作をLV画像生成用画素Sに開始させ、また、リセットスイッチ39を再度オンしてその露光動作を時刻T=T14に終了させ、時刻T=T17にリセットスイッチ39をオンする(リセット動作)ものとすると、時刻T=T14とリセット動作直後の時刻T=T18とにおいてサンプリング回路50にサンプリング動作を行わせる。これにより、ライブビュー画像を構成する画素信号が得られる。
また、撮像制御部124は、反転判断画素Tには、LV画像生成用画素Sの露光動作の終了直前である時刻T=T12から時刻T=T13までの間、反転現象判断用の露光動作を行わせる。すなわち、撮像制御部124は、リセットスイッチ39をオンし、時刻T=T12に反転現象判断用の露光動作を反転判断画素Tに開始させ、また、SHSをオンにしてその露光動作を時刻T=T13に終了させる。
その後、撮像制御部124は、リセットスイッチ39を再度オンしてリセット動作を時刻T=T15を行わせ、時刻T=T16にSHRをオンにしてリセット電圧を読出し、サンプリング回路50にサンプリング動作を行わせる。時刻T=T12から時刻T=T13までの時間は、例えば1/10000(秒)に設定される。
これにより、ライブビュー画像を構成する画素信号に、反転現象が発生するか否かの判断を行うための画素信号が得られる。
また、撮像素子116の画素のうち、全てのLV画像生成用画素及び該LV画像生成用画素と隣接する全ての反転判断画素の画素信号の出力順は次のようになる。図18(a)は、図16に示されている撮像素子116の画素のうち、全てのLV画像生成用画素及び該LV画像生成用画素と隣接する全ての反転判断画素のみを抽出して表した図であり、図18(b)は、図18(a)に示す画素の画素信号の出力順を示す図である。
図18(b)に示すように、全てのLV画像生成用画素及び反転判断画素の画素信号の出力動作は、これらの画素のうち、上側に位置する水平画素列から下側に位置する水平画素列に向かう順番で、且つ各水平画素列において左上に位置する画素から右側に位置する画素に向かう順番で行われる。
判断部126は、前記反転判断画素が飽和状態であるか否かを検出し、飽和状態である反転判断画素が存在することを検出した場合には、その反転判断画素の近傍に位置するLV画像生成用画素の画素データに反転現象が発生するものと判断する。
データ補正部127は、判断部126により反転現象が発生するものと判断されたLV画像生成用画素の画素データを飽和値に置換するものである。
次に、本実施形態の撮像装置101による補正処理を、図19に示すフローチャートを用いて説明する。
図19に示すように、電源ボタン109により主電源がオンされると(ステップ♯21でYES)、制御部123は、LV画像生成用画素に例えば1/30(秒)の記録用露光動作を開始させる(ステップ♯22)。また、制御部123は、反転判断画素に例えば1/10000(秒)の露光動作を実行させ(ステップ♯23)、LV画像生成用画素及び反転判断画素から画素信号を読み出す(ステップ♯24)。
次に、制御部123は、読み出した画素信号のうち反転判断画素から読み出した画素信号に基づいて、反転現象が発生する可能性のあるLV画像生成用画素(反転画素)の有無を判断する(ステップ♯25)。
その結果、制御部123は、反転現象が発生する可能性のあるLV画像生成用画素が存在すると判断した場合には(ステップ♯26でYES)、反転現象が発生するものと予測したLV画像生成用画素の画素データを飽和値に置換した上で(ステップ♯27)、ライブビュー画像を生成し、該ライブビュー画像をLCD107に表示する(ステップ♯28)一方、反転現象が発生する可能性のあるLV画像生成用画素が存在しないと判断した場合には(ステップ♯26でNO)、ステップ♯27の処理をとばしてステップ♯28の処理を実行する。
シャッターボタン104の全押し操作が行われるまで(ステップ♯29でNO)、ステップ♯22〜♯28の処理を繰り返し実行し、シャッターボタン104の全押し操作が行われると(ステップ♯29でYES)、制御部123は、レンズシャッター113を用いた記録画像の生成処理を行って(ステップ♯30)、処理を終了する。
以上のような処理を行うことで、第1の実施形態のような測光センサ14を搭載していなくても、反転現象の無い又は低減したライブビュー画像をLCD5に表示することができる。なお、動画撮影モードにおける動画も、これと同様の処理を行うようにすることで、動画に生じる反転現象を解消または低減することができる。
なお、本発明は、前記第1、第2の実施形態の内容に加えて、あるいは前記第1、第2の実施形態に代えて次の変形形態[1]〜[4]も採用可能である。
[1]前記第2の実施形態においては、反転現象の発生の有無の判断を行うための画素と、ライブビュー画像または動画像の生成を行うための画素とを分けたが、次のように処理することで、同一の画素を用いて、反転現象の発生の有無の判断とライブビュー画像又は動画像の生成との両方を行うようにすることもできる。
図20に示すように、制御部123(撮像制御部124)は、例えばライブビュー画像の表示更新処理の各周期を2つの期間に分割する。
本実施形態では、ごく短い時間だけ時間的にずれても同一の画素には同様の光が入射するものとの着想から、前記LV画像生成用画素において前半の期間に非常に短時間の露光動作を行って得られる画素データが飽和している場合には、後半の期間に当該LV画像生成用画素のライブビュー画像生成用の露光動作によって得られる画素データについて、その実際の出力値の如何に拘わらず飽和値に置換する。
具体的には、制御部123は、前半の期間において、LV画像生成用画素から非常に短時間(例えば1/10000(秒))の露光動作により生成された画素信号を読出す。すなわち、制御部123は、前半の期間において、LV画像生成用画素のリセットスイッチ39をオンにしてフォトダイオード41(図5参照)に蓄積されている電荷を排出させる動作を、2回、例えば1/10000(秒)だけ間隔をあけて行わせ、この2回のサンプリング動作により得られた2の電圧の差分を導出し、この差分に基づき画素データを生成する。そして、制御部123は、飽和値を出力したLV画像生成用画素を記憶しておく。
次に、制御部123は、後半の期間において、一旦、LV画像生成用画素から所定の時間(例えば1/60(秒))の露光動作により生成された画素信号を読出す。換言すれば、制御部123は、LV画像生成用画素のリセットスイッチ39をオンにしてフォトダイオード41(図5参照)に蓄積されている電荷を排出させる動作を、2回、例えば1/60(秒)だけ間隔をあけて行わせ、この2回のサンプリング動作により得られた2の電圧の差分を導出し、この差分に基づき画素データを生成する。
そして、制御部123は、これらの画素データのうち、前半の期間において飽和値を出力したLV画像生成用画素から後半の期間で得られる画素データについて、その出力値の如何に拘わらず、飽和値に置換する補正を行った上で、ライブビュー画像をLCD107に表示する。
これにより、LV画像生成用画素が後半の期間において出力して得られる画素データに、反転現象が発生している場合には、この反転現象を解消することができ、その結果、ライブビュー画像及び動画像に発生し得る反転現象を解消または低減することができる。なお、第2の実施形態では、本変形形態[1]に比して、ライブビュー画像や動画像を生成するための露光時間をより長く確保することができるため、綺麗なライブビュー画像や動画像を生成することができる。
例えば、ライブビュー画像を1/30(秒)の周期で行う場合、本変形形態[1]では、ライブビュー画像を生成するための露光時間は、1/30(秒)より短いものとなる(例えば1/60(秒))が、前記第2の実施形態においては、1/30(秒)の露光時間が確保されるため、綺麗なライブビュー画像や動画像を生成することができる。
なお、本実施形態では、前述したように、後半の期間において、一旦、LV画像生成用画素から所定の時間(例えば1/60(秒))の露光動作による画素信号を読出すようにしたが、前半の期間において飽和値を出力した画素として記憶されたLV画像生成用画素については、リセットスイッチ39のオン動作やサンプリング回路50によるサンプリング動作を行うことなく、そのLV画像生成用画素の画素値を飽和値に設定するようにしてもよい。
[2]前記変形形態[1]では、ごく短い時間だけ時間的にずれても同一の画素には同様の光が入射するものとの着想から、前記LV画像生成用画素において前半の期間に非常に短時間の露光動作を行って得られる画素データが飽和している場合には、後半の期間において当該LV画像生成用画素のライブビュー画像生成用の露光動作によって得られる画素データについて、その実際の値の如何に拘わらず飽和値に置換するようにしたが、ごく短い時間だけ時間的にずれても隣接する画素には同様の光が入射するものと考えられることから、例えば図21に示すように、LV画像生成用画素Xと該画素Xに隣接する隣接画素Yとにおいて、前半の期間において前記隣接画素Yに非常に短時間の露光動作を行わせるとともに、後半の期間において前記LV画像生成用画素Xに所定時間の露光動作を行わせ、隣接画素Yの露光動作により得られる画素データが飽和している場合には、該隣接画素Yに隣接するLV画像生成用画素Xのライブビュー画像生成用の露光動作によって得られる画素データについて、その実際の値の如何に拘わらず飽和値に置換するようにしてもよい。
またこの方法とは別に、前半の期間において前記隣接画素Yに非常に短時間の露光動作を行わせるとともに、LV画像生成用画素Xに所定時間(例えば1/60(秒))の露光動作を行わせる。また、後半の期間において前記LV画像生成用画素Xに所定時間(例えば1/60(秒))の露光動作を行わせる。
そして、前半の期間において前記隣接画素Yから得られる出力値が飽和値となり、同じく前半の期間において前記LV画像生成用画素Xから得られる出力値が前記飽和値より小さい場合や所定の閾値より小さい場合には、後半の期間において当該LV画像生成用画素Xから得られる画素データには反転現象が発生しているものと考えられることから、後半の期間において当該LV画像生成用画素Xから得られる画素データについて、その実際の値の如何に拘わらず飽和値に置換するようにしてもよい。
[3]前記レンズシャッター113を備えていないコンパクトカメラにおいて、記録する静止画像に発生し得る反転現象を解消又は低減するときには、次のように処理するとよい。
制御部123は、シャッターボタン104の半押し操作が行われるまでの撮影準備期間において、撮像素子116による周期的な撮像動作により得られる画素データから、反転現象が発生する可能性がある領域を導出しておき、記録用画素データのうち前記導出した領域に対して、前記第1の実施形態で説明した画素データの補正の要否を判断し、補正が必要であると判断した画素データを最大の画素データに置換したり、あるいは、前記撮影準備期間において導出された反転現象が発生する可能性がある領域の記録用画素データを、その出力値の如何に拘わらず飽和値に置換したりするようにしてもよい。
[4]前記第2の実施形態のようなコンパクトカメラにおいて、撮影光学系とは別の光学系を介して測光動作を行う外光パッシブ方式の測光ユニットが搭載されている場合には、前記第1の実施形態と略同様の方法により反転現象を解消又は低減するようにしてもよい。
なお、撮像装置101がズームレンズを備えている場合、測光領域の大きさは、撮影光学系により導かれる被写体像に対し撮影倍率に応じて相対的に変化することから、或る撮影倍率のときには、例えば測光領域が、撮像素子の撮像領域より小さくなるという状態が発生し、反転現象が発生する領域が測光領域から逸脱することが発生し得る。
これに対処するべく、例えば、反転現象が発生し得る被写体(主に太陽)が配置されることが多いと考えられる領域(例えばLCD5の表示画面の上部に相当する領域)に測光領域を有する測光ユニットを搭載したり、あるいは撮像素子19の撮像領域に対して測光ユニットの測光領域が最も小さいときでも、前記撮像領域の大部分の領域が測光可能な測光ユニットを設けたりするようにするとよい。