JP4154457B2 - 小型造粒装置 - Google Patents
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Description
例えば、下記特許文献1には、粒状物を内部に含み、その粒状物が外層で被膜されているペットフードの製造装置が開示してある。この装置はエクストルーダを用いて線形のペットフードを押し出すように製造する。
また、下記特許文献2には、賞味期限切れの食品を飼料化するために食品をミンチ状に押し出すミンチ装置と、ミンチ状食品を乾燥する乾燥装置を備えた小型造粒装置が提案してある。
また、近年、犬や猫にもアレルギー、高血圧、高脂血症などの生活習慣病と思われる病気が増えている。これらの生活習慣病に対する治療は長期間に及ぶため、注射等によって行うことが難しい。したがって、経口薬の投与は家庭で行われることになるが、犬や猫などはこれらの薬を飲むことをいやがり、家庭でも薬の投与に困っているのが現状である。
特許文献1の技術は業務用のドライペットフードを製造する装置であり、個々の家庭や動物病院においてペットフードを製造する場合には装置が大きすぎ、また、取り扱いが難しい。
さらに、ペットフードのみならず、ふりかけなどの食物等の製造や各種研究所などにおいて個形化された粒状物を小規模に製造したいという要望があった。
具体的な目的の一例を示すと、以下の通りである。
(a)家庭などにおいてペットが喜ぶ新鮮なペットフードを安価に製造することができるようにする。
(b)獣医師等が処方する経口薬をペットに飲ませることが簡単に行えるようにする。
(c)個形化された粒状物を安価に製造できるようにする。
なお、上記に記載した以外の発明の課題、その解決手段及びその効果は、後述する明細書内の記載において詳しく説明する。
前記攪拌羽根12は少なくとも前記攪拌槽5の底部域で回転する下部腕14を備え、
前記搬送羽根11は前記排出通路8に挿入された挿入部分Sと攪拌槽5内へ突出した突出部分Lを備え、
前記駆動モータ9を正転させることによって、前記搬送羽根11の前記突出部分Lと前記攪拌羽根12の前記下部腕14とで前記攪拌槽5内の材料33の攪拌及び混練を行い、
前記駆動モータ9を逆転させることによって、前記搬送羽根11によって前記攪拌槽5内の前記材料33を前記開口部材16の位置にまで搬送し、
前記押込部材19によって前記材料33を前記開口部材16の前記押出孔17に押込み、
前記切断部材22によって前記開口部材16の前記押出孔17から押し出された材料33を切断する、
ことによって個形化された粒状物を製造することを特徴とする。
搬送羽根の突出部分Lの長さは、攪拌槽5に原材料を最大に入れた場合にも、突出部分Lが搬送、攪拌及び混練の作用を行うことができる長さに設定することが好ましい。
搬送羽根11の挿入部分Sと突出部分Lの長さの比(L/S)を、0.5<L/S<2に設定することが好ましい。
第3発明は、第1発明から第2発明のいずれか一つに記載の発明において、前記攪拌羽根12は前記駆動モータ9の回転軸10から前記攪拌槽5の周壁7に向けて横方向に突出させた水平支軸13と、前記水平支軸13から下方に延びた前記下部腕14とを備え、前記下部腕14が少なくとも前記攪拌槽5の底壁6に沿った形状となっていることを特徴とする。
第5発明は、第1発明から第4発明のいずれか一つに記載の発明において、前記切断部材22が前記回転軸9から着脱自在に構成され、前記切断部材22の切刃23の本数を変えた複数種類の前記切断部材22を有していることを特徴とする。
その乾燥装置3が、ケーシング24と、前記ケーシング24内に設けられ、複数の通風開口35を備えた皿板部25と、前記皿板部25を回転させる駆動モータ30と、熱風発生装置37とを有し、前記皿板部25の下部空間44内で熱風が回るように熱風発生装置25からの熱風を前記ケーシング24内に導くように構成し、前記皿板部25の中央部域に略円錐形のキャップ36を設け、前記中央部域の粒状物を前記皿板部25の周辺部に導くように構成したことを特徴とする。
その乾燥装置3が、ケーシング24と、前記ケーシング24内に設けられ、複数の通風開口35を備えた皿板部25と、前記皿板部25を回転させる駆動モータ30と、熱風発生装置37とを有し、前記皿板部25の下部空間44内で熱風が回るように熱風発生装置25からの熱風を前記ケーシング24内に導くように構成し、前記皿板部25の中央部域には通風開口35を設けず、前記中央部域の中心から外側に延びる複数の凸線部47を設け、前記中央部域の粒状物を前記凸線部47によって前記皿板部25の周辺部に導くように構成したことを特徴とする。
皿板部25の中央部域に通風開口35を設けない方法として、板材などで通風開口35を塞ぐ構成と、予め皿板部25の中央部域に通風開口35を設けない構成がある。
なお、第6発明及び第7発明は第1発明に従属しない独立の発明(粒状物の乾燥装置)としても把握することができる。
第9発明は、第6発明から第8発明のいずれか一つに記載の発明において、外側に寄った前記粒状物を内側に移動させる戻し部材48を前記ケーシング24の内周壁24aに設けたことを特徴とする。
戻し部材の一例としては、板材をケーシングの内周壁に固設する方法がある。
第1発明であれば、以下の特有の効果を有する。
(イ)単一の駆動モータの動力で攪拌羽根、搬送羽根、押込部材、切断部材の全ての回転部材を駆動しているので構成が簡単で安価に製造できる。
(ロ)駆動モータの正転によって攪拌槽内の材料の攪拌及び混練処理を行い、逆転によって材料の排出処理を行うようにしているのでコンパクトかつ低コストで個形化された粒状物を製造できる。
第3発明であれば、攪拌槽に投入された原材料は、攪拌槽の下部中央域は搬送羽根の突出部分によって攪拌され、攪拌槽の底部周辺部は下部腕によって攪拌される。したがって、回転軸が一軸の簡単な構成でありながらも実用上、十分な攪拌及び混練を行うことができる。
第5発明であれば、切断部材の切刃の本数を増やすことで押し出される材料の長さを短くでき、本数を減らすことで材料の長さを長くでき、所望の長さを簡単に調整できる。
第9発明であれば、皿板部の遠心力で外側に寄った粒状物を戻し部材によって内側に移動させることができ、良好な乾燥を実現できる。
図1は本発明に係る小型造粒装置を小型ペットフード製造装置に適用した正面図、図2はその攪拌造粒装置の縦断面図、図3は排出通路付近の構成を示す拡大縦断面図である。
このペットフード製造装置1は、攪拌造粒装置2と乾燥装置3とから構成してある。攪拌造粒装置2は基台4の上段に設置され、乾燥装置3は基台4の下段に設置されている。
攪拌槽5の上方位置には第1駆動モータ9が設けてあり、攪拌槽5の中心に一致するように第1駆動モータ9の回転軸10が攪拌槽5に突入させてある。回転軸10の先端にはスクリュウ羽根11が取付けてあり、そのスクリュウ羽根11は排出通路8に挿入してある。スクリュウ羽根11の螺旋状突起の間隔は上側が広く、下側が狭く形成してある。スクリュウ羽根11はその間隔(ピッチ)が小さい部分と大きい部分との比率が1.2倍〜3倍の範囲に設定してある。例えば、攪拌側の入口側の最も大きいピッチが90mmとすれば、排出通路8側は最大30mm(90/30=3倍)にまでピッチを小さくして圧力を高めることができる。
第1駆動モータ9の正転によって排出通路8内のペットフード材33はスクリュウ羽根11によって上方に搬送され、第1駆動モータ9の逆転によって攪拌槽5及び排出通路8内のペットフード材33は下方に搬送されるように構成してある。
図3に示すように、排出通路8の排出側(下側)には線状のペットフードを形成する円盤形のダイ16が取付けてある。このダイ16は図4に示すように一面に多数の押出孔17が設けてある。回転軸10は軸受を介してダイ16の中心を貫通し、その回転軸10にダイ16を挟んで上下に回転部材が取付けてある。
図6は乾燥装置の要部縦断面図、図7は乾燥装置の要部横断面図である。
図6,図7に示すように、乾燥装置3は円筒形のケーシング24内に円盤形の皿板部25を回転自在に設置し、そのケーシング24内に熱風を吹き込むことによって攪拌造粒装置2から排出されるペットフード26を乾燥するように構成してある。
図6に示すように、ケーシング24の上部には上方を覆う屋根部27が設けられ、その屋根部27にペットフード26を投入する投入口28が設けられている。その投入口28にはホッパー29が取付けてある。
なお、皿板部25の下側にある回転軸31を覆うように円筒形のカバー34を設けている。
なお、ケーシング24の内周壁24aと皿板部25の周縁との隙間dは0.5mm〜10mm程度の短い距離に設定してある。
図7に示すようにケーシング24の周壁には前記熱風発生装置から熱風を導入する導入口40が設けられている。その導入口40はケーシング24の下部空間44(図6参照)に臨んで設けられている。
ケーシング24の中心を挟んで導入口40の略反対側には、ペットフード26の取出口43が設けられている。
制御装置45は送風機38の送風設定(駆動・停止及び強度調整)及び電熱ヒータ39の発熱温度設定ができるように構成してある。なお、制御装置45で熱風発生装置37の制御を行わす、熱風発生装置37に付設して操作部を設け、その操作部で送風強度と熱風の温度などを調整するように構成してもよい。
まず、図2において示す第1駆動モータ9を正転させながら、投入口15からペットフードの原材料、ミンチ肉、各種穀物、野菜、水分などを投入する。この状態ではスクリュウ羽根11は排出通路8内のペットフード材33を下方から上方に搬送するように回転しているので、投入された原材料が排出通路8から出ていくことはない。さらに、スクリュウ羽根11は図3に示すように底壁7から突出部分Lだけ突出しているため、スクリュウ羽根11による下から上へのペットフード材33の押し上げ運動のみならず、攪拌槽5内のペットフード材33を混合、混練する作用がある。
つまり、スクリュウ羽根11の間に入ったペットフード材33はスクリュウ羽根11の突出部分Lにおいてばらまかれるように落下し、その落下したペットフード材33は下部腕14の回転運動によって、対流を起こすように攪拌槽5内で攪拌、混練されるのである。
即ち、切断部材22の切刃23の本数が多いと製造されたペットフードの全長さは短くなり、切断部材22の本数が少ないと製造されたペットフードの全長は長くなる。
所定時間、乾燥装置3による乾燥が行われた後は、取出口43を開いてペットフード26を取り出すようにする。
ペットフード26は皿板部25の回転によって皿板部25上を移動しつつ、隙間と通風開口35から吹き上げる熱風と降り注ぐ熱風によって乾燥される。このような乾燥装置の構成であれば、簡単な構成でムラなく高速にペットフードを乾燥させることができる。
また、攪拌槽の底壁から攪拌槽内へ突出させたスクリュウ羽根と、攪拌槽の底壁及び内周壁に沿うように設けられた下部腕との組み合わせによって、非常に簡単な構成でありながらもペットフードの混合と混練を良好に行うことができる。
本発明に係る粒状物の乾燥装置の第2実施形態について説明する。
図8はその乾燥装置の要部縦断面図、図9はその乾燥装置の要部横断面図である。
この第2実施形態の特徴は、前記皿板部25の中央部域には円形の塞ぎ板46を取付けることによって通風開口35を塞ぐとともに、塞ぎ板46の中心から外側に延びる曲線形の凸線部47を設け、中央部域のペットフードを凸線部47によって前皿板部25の周辺部に導くように構成した点にある。
また、図9に示すように、外側に寄ったペットフードを内側に移動させる戻し部材48をケーシング24の内周壁24aに設けた点にある。
この構成であれば、凸線部47によって中央部域のペットフードを周辺部に移動させることができる。また、図9において矢印で示すように、戻し部材48の作用によって周辺部の外側に偏ったペットフードを周辺部の中央に戻すことができ、熱風による乾燥を良好に行うことができる。
(1)必要に応じて第1駆動モータの回転軸と攪拌槽を傾けた構成も採用することが可能である。
(2)第1駆動モータの正転の時間、逆転の時間、第2駆動モータと熱風発生装置のオン、オフ制御を全自動で行うように制御装置を構成してもよい。この場合は、典型的なペットフード原材料の量、水分量に合致した攪拌造粒装置の運転データ及び乾燥装置の運転データを複数種類、用意しておき、獣医師や一般購入者がその運転データを選択するだけで、所定のペットフードを製造できるように構成することもできる。また、標準となるペットフードを製造する攪拌造粒装置と乾燥装置の運転シーケンスを予め用意しておき、その運転シーケンスを自分のペットの状況に合わせて調整できるように構成してもよい。
(4)前記したように本発明はペットフードのみならず、個形化された造粒物を製造する場合に広く使用できるものである。
Claims (9)
- 原材料を攪拌及び混練する攪拌槽(5)と、前記攪拌槽(5)の下部に設けられた排出通路(8)と、前記排出通路(8)に設けられ、複数の押出孔(17)を有した開口部材(16)と、攪拌羽根(12)、搬送羽根(11)、押込部材(19)及び切断部材(22)が取付けられた回転軸(10)と、前記攪拌槽(5)の上方に配設され、前記回転軸(10)を正転、逆転で回転可能な駆動モータ(9)とを有し、
前記攪拌羽根(12)は少なくとも前記攪拌槽(5)の底部域で回転する下部腕(14)を備え、
前記搬送羽根(11)は前記排出通路(8)に挿入された挿入部分(S)と攪拌槽(5)内へ突出した突出部分(L)を備え、
前記駆動モータ(9)を正転させることによって、前記搬送羽根(11)の前記突出部分(L)と前記攪拌羽根(12)の前記下部腕(14)とで前記攪拌槽(5)内の材料(33)の攪拌及び混練を行い、
前記駆動モータ(9)を逆転させることによって、前記搬送羽根(11)によって前記攪拌槽(5)内の前記材料(33)を前記開口部材(16)の位置にまで搬送し、
前記押込部材(19)によって前記材料(33)を前記開口部材(16)の前記押出孔(17)に押込み、
前記切断部材(22)によって前記開口部材(16)の前記押出孔(17)から押し出された材料(33)を切断する、
ことによって個形化された粒状物を製造することを特徴とする小型造粒装置。 - 請求項1に記載の小型造粒装置において、前記搬送羽根(12)をスクリュウ羽根(11)で構成し、そのスクリュウ羽根(11)においてそのピッチの小さい部分と大きい部分との長さ比率を1.2倍〜3倍の範囲に設定した小型造粒装置。
- 請求項1から請求項2のいずれか一項に記載の小型造粒装置において、前記攪拌羽根(12)は前記駆動モータ(9)の回転軸(10)から前記攪拌槽(5)の周壁(7)に向けて横方向に突出させた水平支軸(13)と、前記水平支軸(13)から下方に延びた前記下部腕(14)とを備え、前記下部腕(14)が少なくとも前記攪拌槽(5)の底壁(6)に沿った形状となっている小型造粒装置。
- 請求項3に記載の小型造粒装置において、前記下部腕(14)が前記底壁(6)のみならず、前記攪拌槽(5)の周壁(7)にも沿うような形状となっている小型造粒装置。
- 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の小型造粒装置において、前記切断部材(22)が前記回転軸(9)から着脱自在に構成され、前記切断部材(22)の切刃(23)の本数を変えた複数種類の前記切断部材(22)を有している小型造粒装置。
- 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の小型造粒装置において、製造された粒状物を乾燥する乾燥装置(3)を設け、
その乾燥装置(3)が、ケーシング(24)と、前記ケーシング(24)内に設けられ、複数の通風開口(35)を備えた皿板部(25)と、前記皿板部(25)を回転させる駆動モータ(30)と、熱風発生装置(37)とを有し、前記皿板部(25)の下部空間(44)内で熱風が回るように熱風発生装置(25)からの熱風を前記ケーシング(24)内に導くように構成し、前記皿板部(25)の中央部域に略円錐形のキャップ(36)を設け、前記中央部域の粒状物を前記皿板部(25)の周辺部に導くように構成した小型造粒装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の小型造粒装置において、製造された粒状物を乾燥する乾燥装置(3)を設け、
その乾燥装置(3)が、ケーシング(24)と、前記ケーシング(24)内に設けられ、複数の通風開口(35)を備えた皿板部(25)と、前記皿板部(25)を回転させる駆動モータ(30)と、熱風発生装置(37)とを有し、前記皿板部(25)の下部空間(44)内で熱風が回るように熱風発生装置(25)からの熱風を前記ケーシング(24)内に導くように構成し、前記皿板部(25)の中央部域には通風開口(35)を設けず、前記中央部域の中心から外側に延びる複数の凸線部(47)を設け、前記中央部域の粒状物を前記凸線部(47)によって前記皿板部(25)の周辺部に導くように構成した小型造粒装置。 - 請求項6から請求項7のいずれか一項に記載の小型造粒装置において、前記皿板部(25)の上方を覆う屋根部(27)を設け、前記皿板部(25)の周縁と前記ケーシング(24)の内周壁(24a)との隙間(d)を0.5mm〜10mmに設定した小型造粒装置。
- 請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の小型造粒装置において、外側に寄った前記粒状物を内側に移動させる戻し部材(48)を前記ケーシング(24)の内周壁(24a)に設けた小型造粒装置。
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