JP4154042B2 - 撮像装置及び撮像方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露出制御のために予備発光を行う撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ストロボ等の発光手段を備えた撮像装置においては、実際に撮影する本露光の前に、被写体の露出条件を測定するためにあらかじめ予備発光を行い、この測光データにより、本露光時に本発光させる際の発光条件を求め、本発光を行なう方法が広く知られている。
【0003】
この従来の方法では、予備発光及び本露光時の絞り値は距離情報を基に決定した絞りで行うシステムであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、撮影条件が暗い場合など絞りを開放付近に設定して撮影を行いたい場合においても、距離情報を基に決定した絞りが開放よりも絞る値となった場合には、その条件で撮影を行うと開放で撮影した時に比べ背景がアンダーになる場合がある等、撮影条件によっては、露出制御を正確に行うことができない問題があった。
【0005】
そこで本発明では、被写体が近いために予備発光の際に絞りを絞らなければならない時でも適正な調光レベルで撮影し得るような、撮影状態にかかわらず、常に正確な露出制御及びストロボ発光制御を可能とした撮像装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明の撮像装置は、被写体像を光電変換して撮像信号を出力する撮像手段と、前記撮像手段への光量を設定された制御値に基づき制御する光量制御手段と、被写体に対する焦点状態を検出して撮像装置から被写体までの距離を検出する被写体距離検出手段と、前記被写体に対して測光を行い、測光情報を出力する測光手段と、前記被写体距離検出手段によって前記距離情報が検出された後に第1の発光を行い、前記第1の発光よりも後に第2の発光を行う発光手段と、前記第1の発光時は前記距離情報に基づいて前記光量制御手段の制御値を決定し、前記第2の発光時は、前記被写体距離検出手段によって距離情報が検出される前に前記測光手段によって求められた測光情報に基づいて該光量制御手段の制御値を決定する制御手段とを有することを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明の撮像装置は、被写体像を光電変換して撮像信号を出力する撮像手段と、前記撮像手段への光量を設定された制御値に基づき制御する光量制御手段と、被写体に対する焦点状態を検出して撮像装置から被写体までの距離を検出する被写体距離検出手段と、前記被写体に対して測光を行い、測光情報を出力する測光手段と、前記被写体距離検出手段によって前記距離情報が検出された後に第1の発光を行い、該第1の発光よりも後に第2の発光を行う発光手段と、前記発光手段に、前記第1の発光と、前記第2の発光を順次行わせ、該第1の発光時は前記距離情報を基に決定した前記光量制御手段の制御値と、前記距離情報が検出される前に前記測光手段によって求められた測光情報を基に決定した制御値とを比較し、小絞り側となる制御値を選択し、前記第2の発光時は、前記距離情報を基に決定した前記光量制御手段の制御値と、前記距離情報が検出される前に前記測光手段によって求められた測光情報を基に決定した該制御値のうちのいずれかを撮影モードによって選択する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決し、目的を達成するために、被写体像を光電変換して撮像信号を出力する撮像手段と、前記撮像手段への光量を設定された制御値に基づき制御する光量制御手段と、被写体に対する焦点状態を検出して撮像装置から被写体までの距離を検出する被写体距離検出手段と、前記被写体に対して測光を行い、測光情報を出力する測光手段と、前記被写体距離検出手段によって前記距離情報が検出された後に第1の発光を行い、前記第1の発光よりも後に第2の発光を行う発光手段とを有する本発明の撮像装置の制御方法は、前記第1の発光時は前記距離情報に基づいて前記光量制御手段の制御値を決定し、前記第2の発光時は、前記被写体距離検出手段によって距離情報が検出される前に前記測光手段によって求められた測光情報に基づいて該光量制御手段の制御値を決定する制御工程を有することを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決し、目的を達成するために、被写体像を光電変換して撮像信号を出力する撮像手段と、前記撮像手段への光量を設定された制御値に基づき制御する光量制御手段と、被写体に対する焦点状態を検出して撮像装置から被写体までの距離を検出する被写体距離検出手段と、前記被写体に対して測光を行い、測光情報を出力する測光手段と、前記被写体距離検出手段によって前記距離情報が検出された後に第1の発光を行い、該第1の発光よりも後に第2の発光を行う発光手段と、を有する本発明の撮像装置の制御方法は、前記発光手段に、前記第1の発光と、前記第2の発光を順次行わせ、該第1の発光時は前記距離情報を基に決定した前記光量制御手段の制御値と、前記距離情報が検出される前に前記測光手段によって求められた測光情報を基に決定した制御値とを比較し、小絞り側となる制御値を選択し、前記第2の発光時は、前記距離情報を基に決定した前記光量制御手段の制御値と、前記距離情報が検出される前に前記測光手段によって求められた測光情報を基に決定した該制御値のうちのいずれかを撮影モードによって選択する制御工程を有することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下本発明における撮像装置を各図を参照しながらその実施形態について説明する。
【0023】
(第1の実施例)
図1は、本発明を適用した撮像装置の一例を示すものであり、同図において、1はレンズをプロテクトするためのバリア、2は被写体の光学像を固体撮像素子4に結像させるレンズ、3はレンズ2を通った光量を制御するための光量制御手段としての絞り、4はレンズ2で結像された被写体を画像信号として取り込むための固体撮像素子、5は固体撮像素子4より出力される画像信号に各種の補正、クランプ等を行いアナログ信号からデジタル信号に変換するA/D変換器を備えた撮像処理A/D変換部、6は各種タイミングパルスを固体撮像素子4と撮像処理A/D変換器5へ出力するためのタイミング発生部、7は撮像処理A/D変換部5や演算制御部9から入力した画像データに各種の補正を行った後に再び演算制御部9へ画像データを出力したり増幅器8へアナログ信号を出力するためのD/A変換器を備えた信号処理部、8は信号処理部7からの信号を増幅しテレビモニターあるいは液晶モニター等の外部モニターへ出力するための増幅器、9はデジタルカメラ全体の制御及び各種演算を行う本発明の制御手段に相当する演算制御部で、CPUによって構成される。
【0024】
10はメインスイッチ17やレリーズスイッチ18の操作状態の検出などを行い演算制御部9を補助するための補助制御部、11は演算制御部9からの画像データを圧縮したり伸長するための圧縮・伸長処理部、12は画像データを一時的に格納するためのメモリー部、13は画像データの記録又は読み出しを行うための半導体メモリー等の着脱可能な記録媒体、14は外部コンピュータ等と通信するためのインターフェース部、15は発光手段としてのストロボ発光部、16は外光が暗いときまたは被写体にコントラストが少ないときに発光する補助光発光部、17は各種モード設定を行うことも兼ねたメインスイッチ、18は第1のストロークと第2のストロークを有するレリーズスイッチ、19は表示部20を制御するための表示制御部、20は画像信号を表示するための表示部である。
【0025】
上記構成において、撮影時の撮像装置の動作について、図2のフローチャートに従って説明する。
【0026】
撮像レンズのレンズ位置をリセット位置まで駆動し、2段押圧式のレリーズスイッチ18の第1のストロークに応じてONする第1のスイッチがONされるまで待機する。
【0027】
第1のスイッチがONされると(S201)、再びAFレンズのレンズ位置を所定の位置まで駆動し、撮像処理A/D変換部5やタイミング発生部6など撮像系回路の電源をONする。
【0028】
演算制御部9の指令により絞り3を開放にした後(S202)、固体撮像素子4を通り撮像処理A/D変換部5で変換された画像データは信号処理部7を通った後に演算制御部9に入力しここで測光値を演算し測光結果を記憶しておく(S203)。これを予備露光という意味で測光1とする。
【0029】
この測光を行った結果により明るさを判断し(S204)、その結果に応じて演算制御部9は図3に示すプログラム線図により絞りとシャッタースピードを決定し制御する(S206)。
【0030】
一方、S204で暗いと判断した場合や逆光と判断した場合、またはストロボ強制発光用の外部操作部材が押されている場合はフラグをセットし、演算制御部9の制御によりストロボ発光部15が発光する際のエネルギーを貯えるコンデンサに充分に充電を行い(S205)、その他の場合は、フラグを立てずまた充電も行わない。
【0031】
次に、固体撮像素子4・撮像処理A/D変換部5を通り信号処理部7から出力された信号をもとに、焦点状態に応じて変化する高周波成分を取り出し、被写体に合焦させるべく、AFレンズの駆動制御信号の演算を演算制御部9で行う(S209)。
【0032】
この時、被写体のコントラストの差が小さい時や暗いと判断したとき(S207)は補助光発光部16から補助光を発光する(S208)。その後、AFレンズを駆動して合焦か否かを判断し(S210)、合焦していないと判断したときは、再びAFレンズを駆動し焦点制御動作を行う。
【0033】
合焦後、S205によりフラグが立っている場合はストロボ発光モードと判断する(S211)。そうでない場合はレリーズスイッチ18の第2のストロークに応じてONする第2のスイッチがONされるまで待機し(S212)、第2のスイッチがONされたら本露光を行う(S213)。
【0034】
露光が終了すると、固体撮像素子4より出力され、撮像処理・A/D変換部で処理され出力された画像データは、信号処理部7を通り演算制御部9によりメモリー部12に格納される。
【0035】
その後、メモリー部12に蓄積されたデータは、演算制御部9の制御により圧縮・伸長処理部11で圧縮された後に半導体メモリー等の着脱可能な記録媒体13に記録される。この時第2のスイッチが押され続けていた場合は(S214)、表示部20に撮影した画像を表示し(S215)、第2のスイッチがOFFされるまで表示し続け、OFFされた時には表示を止めて撮影を終了する。S214ではじめから第2のスイッチがOFFだった場合は、表示部20には表示せずに撮影を終了する。
【0036】
S211でストロボ発光モードであると判断した場合は、ストロボシーケンスに入りレリーズスイッチ18の第2のストロークに応じてONする第2のスイッチがONされるまで待機する(S216)。
【0037】
第2のスイッチがONされたらS209で得られた距離情報を基に後述の(1)式で絞り値を算出し、更に図3のプログラム線図からシャッタースピードを求め再設定する(S217)。
【0038】
ここで、S217での絞り制御は、S219の第1の発光が常に一定の光量で発光した場合に、被写体との距離や反射率により変化する反射光が固体撮像素子4へ適度な光量で入射するように制御している。その時の絞りの値は(1)式で表すことができる。
【0039】
Av = 2 * Log2(D/L) + Y ・・・ (1)
Av : 絞り値
L : 距離情報
D , Y : 所定値
【0040】
(1)式で示す D , Y は所定値であり、第1の発光の発光量が一定であれば変える必要はないが、被写体からの反射光が固体撮像素子4へより適切な光量で入射するためにモードにより絞り制御量 D , Yを切り替えても良い。
【0041】
例えば、至近距離で撮影するマクロモード、反射率の高い紙などを撮影する書類モード、逆光時に強制的に発光する日昼モード、コントラストで表現する白黒モードなどを設けて切り替えても良い。無論、各モードを組み合わせて更に細かいモードを設定して切り替えても良い。
【0042】
これによって第1の発光による測光を精度良く行うことが可能となる。例えば、比較的暗い状況で被写体が近距離にある場合、S203の測光結果により設定される絞りは比較的開いている状態にある。この絞りの状態で第1の発光を行った場合、固体撮像素子4のダイナミックレンジをオーバーするような反射光が帰ってくることがある。
【0043】
しかしながら、S209の焦点調節の結果、AFレンズの位置等から検出された距離情報により絞りを制御して絞っておくことにより適度な光量で固体撮像素子4に入射させることが可能となり、正確な測光結果を得ることができる。
【0044】
また、S217のシャッタースピードの制御は図3に示したプログラム線図から、絞り値が変動した分を補い露出条件がS206の設定値と同じとなるような値を求める。
【0045】
その後、第2の測光を行い定常光の値を記憶しておく(S218)。更に第1の発光を行い(S219)、同時に第3の測光も行う(S220)。この時の第1の発光は、第2の発光のための充電エネルギーをなるべく減らさないために、また測光できるための必要十分な発光量でよい理由から、最大でも全発光時の 4〜 5段落ちくらいになる発光量が良い。この場合、第1の発光による充電用コンデンサの電圧降下はフル充電の約7〜10〔%〕であり、第1の発光後の残充電電圧はほぼ一定の値となる特徴がある。
【0046】
測光2(S218)及び測光3(S220)では、固体撮像素子4を通り撮像処理A/D変換部5及び信号処理部7の処理を行ったデータ信号を基に、被写体からの反射光の光量を演算制御部9で演算し測光値を得る。そして、この測光値から第1の発光の適正レベルからの差(ΔEv )を(2)式から求める。
【0047】
ΔEv = Log2((Pre_D − Prepre_D )/( Ref − Prepre_D ))・・・ (2)
Prepre_D : 測光2の測光データ
Pre_D : 測光3の測光データ
Ref : 基準値
【0048】
この時、測光3における固体撮像素子からの出力はストロボ光と外光が混合したものである。第1の発光における純粋なストロボ光の反射光量を求めるため、外光のみの測光値である測光2の結果を、ストロボ光と外光が混合した測光3の結果から差し引く。従って第1の発光によるストロボ光のみの正確な反射光量を知ることができる。
【0049】
更には、外光の明るさにより露光時にストロボ光を必要とするレベルは変化するが、基準値から測光2の測光値を引く、つまり外光分を差し引くことで対応し、これにより必要なストロボ光が正確に求めることができる。
【0050】
この(2)式の演算結果に各補正項目を加え、最終的な本発光に必要なガイドナンバー( G No. )を(3)式から求める。
【0051】
GNo. = 2( -ΔEv + α + β ) ・・・ (3)
G No. : ガイドナンバー
ΔEv : 演算結果
α : 補正項1
β : 補正項2
【0052】
補正項1は、図4(a)のように外光の明るさにより変化する項である。また、モードにより(b)の様に変化するパターンをかえることにより様々なシーンに対応することが可能となる。
【0053】
また、補正項2は発光量を微調整したいときなどフレキシブルに設定できる項である。例えば、撮影者がストロボ光を+0.2段明るく発光させたいときなどは、操作部材で+0.2段と設定すればβ=0.2と設定することで対応が可能となる。
【0054】
以上より求めた第2の発光のためのガイドナンバーから、図5に示したストロボの特性を表す“ガイドナンバーと発光時間のテーブル”を用いて、第2の発光の発光時間を演算制御部9で算出する(S221)。
【0055】
その後、絞りとシャッタースピードをS206で設定した値に戻す(S222)。これは、S217で再設定した絞りとシャッタースピードの条件では、S206で設定した値で撮影した場合に比べ背景がアンダーとなることがあるからである。
【0056】
例えば、S206の設定値が絞りAv=3、シャッタースピードTv=6であった場合、S209で算出した絞りがAv=5の時はシャッタースピードはTv=4としなければならない。
【0057】
しかし、図3のプログラム線図によりTvの最小値を4.91としているためS217ではTv=4.91と設定しなければならない。そのため、S217で設定した条件で露光を行えばS206で設定した条件の時よりも背景は0.91段アンダーとなってしまう。
【0058】
そして本露光を開始し(S223)、演算制御部9の制御よりストロボ発光部15へストロボトリガパルスが送られ、このパルスに同期してストロボ15は第2の発光を開始し、S221で得られた発光時間が経過したら、その瞬間に発光を停止する(S224)。
【0059】
露光が終了すると(S225)、固体撮像素子4より出力され、撮像処理・A/D変換部で処理され出力された画像データは、信号処理部7を通り演算制御部9によりメモリー部12に格納される。
【0060】
その後、メモリー部12に蓄積されたデータは、全体制御・演算部9の制御により圧縮・伸長処理部11で圧縮された後に半導体メモリー等の着脱可能な記録媒体13に記録される。
【0061】
この時第2のスイッチが押され続けていた場合は(S214)、表示部20に撮影した画像を表示し(S215)、第2のスイッチがOFFされるまで表示し続け、OFFされた時には表示を止めて撮影を終了する。
【0062】
S214ではじめから第2のスイッチがOFFだった場合は、表示部20には表示せずに撮影を終了する。
【0063】
次に、以上の構成から成る本実施例のストロボ発光のタイミングを、図6のタイミングチャートに従って説明する。
【0064】
レリーズスイッチ18の第1ストロークによって第1のスイッチがONすると(t1)、AFレンズのレンズ位置を必要な位置まで駆動し(t2)、撮像処理A/D変換部5やタイミング発生部6など撮像信号処理回路系の電源をONする。
【0065】
算制御部9は、絞り3を開放にし(t3)、固体撮像素子4、撮像処理A/D変換部5を通り信号処理部7から出力された画像データ信号をもとに、被写体からの反射光の光量の演算を演算制御部9で行う。
【0066】
この測光の結果、暗いと判断した場合は演算制御部9からストロボ発光部15を構成する発光のためのコンデンサに充電を充分に行い(t4)、絞りを制御する(t5)。
【0067】
次に、固体撮像素子4、撮像処理A/D変換部5を通り信号処理部7から出力された画像データ信号をもとに、演算制御部9にて自動焦点調節動作を行ない、その結果AFレンズ位置情報等から被写体までの距離の演算を演算制御部9で行う。
【0068】
そしてAFレンズを駆動して(t6)合焦か否かを判断し、合焦していないと判断したときは、再びAFレンズを駆動し測距を行う。被写体までの測距を行う際に、まわりが暗いと判断したときや被写体のコントラストが一様なときには、演算制御部9は補助光発光部16へ発光を促す信号を送り補助光発光部16は補助光を照射する(t7)。
【0069】
合焦後、レリーズスイッチ14の第2のストロークに応じてONする第2のスイッチがONされるまで待機する。ストロボ発光モードがONの場合、第2のスイッチがONされると(t8)、距離情報より求めた絞り値へ絞りを制御する(9)。
【0070】
次に、第1の発光の前に露光を行ないこれを第1の測光値とする。続いて演算制御部9からの制御によりストロボトリガパルスが送られ、このパルスの立ち上りに同期してストロボ発光部15は第1の発光を行い(t11)、これを第2の測光値とする。この第1の発光により固体撮像素子4、撮像処理A/D変換部5を通り信号処理部7から出力された画像データ信号をもとに、被写体からの反射光の光量の演算を全体制御・演算部9で行う。この測光の結果から第2の発光の発光時間を決定する。
【0071】
次に再度絞りを制御し(t12)t5の絞り値に戻す。続いて、本露光を開始すると共に、演算制御部9の制御によりストロボトリガパルスが送られ、このパルスの立ち上りに同期してストロボ発光部15は第2の発光を開始する(t13)。所定の時間が経過したら、瞬時に発光を停止し(t14)、本露光を終了する。
【0072】
(第2の実施例)
次に本発明の第2の実施例について説明する。本実施例において、構成は図1の第1の実施例と同様であり、説明は省略する。本実施例において、第1の実施例と異なるのは、演算制御部9による制御処理にあり、その処理を図7のフローチャートに示す。
【0073】
図7のフローチャートにおいて、図2の第1の実施例のフローチャートと同じ処理を行うステップには、同一の符号を用いている。図2のフローチャートと異なるのは、S216の処理の後に、S701の処理が付加された点と、S221の処理の後に、S702の処理が付加された点である。以下順を追って説明する。
【0074】
S211で、ストロボを発光させて撮影を行う処理が選択され、S216で、レリーズスイッチ18の第2のストロークによって第2のスイッチがONされとき、図2の第1の実施例では、S217へと進み、S209で得られた距離情報を基に(1)式で絞り値を算出し、図3のプログラム線図からシャッタースピードを求め再設定を行った。すなわち絞り値が変動した分を補い露出条件がS206の設定値と同じとなるような値を求める処理を行った。
【0075】
これに対して、本第2の実施例では、S216で第2のスイッチがONされた後、ただちにS217へと移行せず、S701で、距離情報に基づく絞り値設定を行うか否かの選択を行う。
【0076】
すなわちS203の測光1の結果と図3に示したプログラム線図を基に求めたS206で設定した現在の絞り値と、S209で得られた距離情報を基に(1)式で算出した絞り値を比較し、小絞り側の値を選択する。この時にS206で設定した現在の絞り値を選択した場合は再設定せず、他方のS209で得られた距離情報を基に求めた絞り値を選択した場合は、S217で、絞りとシャッタースピードを再設定する。
【0077】
S217での絞り制御は、S219の第1の発光が常に一定の光量で発光した場合に、被写体との距離や反射率により変化する反射光が固体撮像素子4へ適度な光量で入射するように制御するものであり、絞り値は前述の(1)式で表した通りである。
【0078】
これによって第1の発光による測光結果が精度良く行うことが可能となる。前述のように、比較的暗い状況で被写体が近距離にある場合、S203の測光結果により設定される絞りは比較的開いている状態にあるため、この状態で第1の発光を行うと、固体撮像素子4のダイナミックレンジをオーバーするような反射光が帰ってくることがあるが、S209の距離情報により絞りを制御して絞っておくことにより適度な光量で固体撮像素子4に入射させることが可能となり、正確な測光結果を得ることができる。
【0079】
また逆に、日中の様に明るい状況の時は絞り値の大小関係が逆転してしまう。すなわち、近距離であっても、被写体が明るいために、絞りが小絞りになっている場合において、開いている方の距離情報からの絞り値を選択してしまうと、定常光で固体撮像素子4のダイナミックレンジをオーバーする可能性がある。このような時に、より小絞りであるS206の設定を選択することにより定常光で固体撮像素子4のダイナミックレンジをオーバーする可能性をなくすことができる。従って、小絞り側の値を選択することによって確実な測光結果を得ることが可能となる。
【0080】
このようにS701の処理により、S206の処理で求められた絞り値と、S209の処理で求められた絞り値の小さい方の絞り値を用いることにより、S218以降の処理を正確に行うことが可能となる。
【0081】
その後、S218で第2の測光を行い定常光の値を記憶し、S219で第1の発光を行い、さらにS220で第3の測光を行い、S221で第2の発光の発光時間を演算する。これらの処理については、前述の第1の実施例と同様である。
【0082】
その後、S702で、絞りとシャッタースピードをS206で設定した値に再設定し直すかを判断する。
【0083】
この時モード設定を兼ねたメインスイッチ17が非マクロモードとなっている場合で、S701でS206の値を選択した時はそのまま現在の値で本露光に移る。逆にS701で距離情報の値を選択した場合でも再度S206の値に設定し直してから(S222)本露光に移る。
【0084】
また、モード設定を兼ねたメインスイッチ17がマクロモードとなっている場合は、S701で距離情報の値とS206の値のどちらを選択していても、絞り・シャッタースピードの再設定は行わずにS701で選択した値のままで本露光に移る。
【0085】
S702の判断は上記の様にモードで切り替えても良いが他の判断条件で切り替えても良い。例えば、マクロ・非マクロに限らずS217での設定で背景がS206で設定した条件よりもアンダーになるか否かで判断しても良い。
【0086】
例えば、S206の設定値が絞りAv=3、シャッタースピードTv=6であった場合、S209で算出した絞りがAv=5の時はシャッタースピードはTv=4としなければならない。
【0087】
しかし、図3のプログラム線図によりTvの最小値は4.91であるためS217ではTv=4.91と設定しなければならない。その結果、この条件で露光を行うと背景はS206で設定した条件よりもアンダーとなってしまう。このような場合には絞りとシャッタースピードをS206で設定した値に戻す(S222)、としても良い。
【0088】
その後、S223で本露光を開始し、ストロボ発光部15へストロボトリガパルスが送られ、このパルスに同期してストロボ15が第2の発光を開始し、S221で得られた発光時間が経過したら、発光を停止し(S224)、露光が終了する。
【0089】
以後の処理は、第1の実施例と同様である。
【0090】
次に、本第2の実施例のストロボ発光のタイミングを、図6のタイミングチャートに従って説明する。
【0091】
レリーズスイッチ18の第1のスイッチがONすると(t1)、AFレンズのレンズ位置を必要な位置まで駆動し(t2)、撮像処理A/D変換部5やタイミング発生部6など撮像信号処理回路系の電源をONする。全体制御・演算部9は、絞り3を開放にし(t3)、固体撮像素子4・撮像処理A/D変換部5を通り信号処理部7から出力された画像データ信号をもとに、被写体からの反射光の光量の演算を全体制御・演算部9で行う。この測光の結果、暗いと判断した場合は全体制御・演算部9からストロボ発光部15を構成する発光のためのコンデンサに充電を充分に行い(t4)、絞りを制御する(t5)。
【0092】
そして固体撮像素子4・撮像処理A/D変換部5を通り信号処理部7から出力された画像データ信号をもとに、被写体までの距離の演算を演算制御部9で行う。
【0093】
そしてAFレンズを駆動して(t6)合焦か否かを判断し、合焦していないと判断したときは、再びAFレンズを駆動し測距を行う。被写体までの測距を行う際に、まわりが暗いと判断したときや被写体のコントラストが一様なときには、全体制御・演算部9は補助光発光部16へ発光を促す信号を送り補助光発光部16は補助光を照射する(t7)。
【0094】
合焦後、レリーズスイッチ14の第2のストロークに応じてONする第2のスイッチがONされるまで待機する。ストロボ発光モードがONの場合、第2のスイッチがONされると(t8)、t5で設定した現状の絞り値と距離情報より求めた絞り値とを比較し小絞りの値を選択し、現状の値を選択した場合は再設定せず、距離情報より求めた絞り値を選択した場合は絞りを制御する(t9)。
【0095】
次に、第1の発光の前に露光を行ないこれを第1の測光値とする。続いて全体制御・演算部9からの制御によりストロボトリガパルスが送られ、このパルスの立ち上りに同期してストロボ発光部15は第1の発光を行い(t11)、これを第2の測光値とする。この第1の発光により固体撮像素子4、撮像処理A/D変換部5を通り信号処理部7から出力された画像データ信号をもとに、被写体からの反射光の光量の演算を全体制御・演算部9で行う。この測光の結果から第2の発光の発光時間を決定する。
【0096】
次に非マクロモードの時にはt5と同じ値に再度絞りを制御し(t12)、マクロモードの時にはt9のままの絞り値とするため絞りの再設定は行わない。続いて、本露光を開始すると共に、全体制御・演算部9の制御によりストロボトリガパルスが送られ、このパルスの立ち上りに同期してストロボ発光部15は第2の発光を開始する(t13)。所定の時間が経過したら、瞬時に発光を停止し(t14)、本露光を終了する。
【0097】
以上説明したように、第1の実施例では、第1の発光では絞りを距離情報により決定した絞りに再設定して行い、第2の発光では最初の絞りに再度設定し直すことにより、第1の発光では正確な測光値を得ることが可能となり更に第2の発光では背景レベルもふくめて正確な本露光を行うことが可能となる。
【0098】
また第2の実施例では、第1の発光では現状の絞りと距離情報から求めた絞りを比較して小絞り側の値を選択して、第2の発光ではモード等により小絞り側の値のまま本露光に移るか、最初の値に戻すかを選択すことにより第1の発光では正確な測光値を得ることができ、その結果から求まった明るさ明るさで発光する第2の発光における測光精度も高まり、本露光を正確に行うことが可能となる。
【0099】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、ストロボを発光させて撮像を行う際、被写体の距離、明るさ等の状態にかかわらず、予備発光での正確な測光結果を得ることができ、その測光結果から求めた発光時間で行う本発光を精度の高い調光とすることができ、常に正確な露出制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である撮像装置の構成ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例の撮影動作時のフローチャートである。
【図3】本発明の第1及び第2の実施例のプログラム線図である。
【図4】本発明の第1及び第2の実施例の補正項1を示す図である。
【図5】本発明の第1及び第2の実施例の発光時間を求めるテーブルである。
【図6】本発明の第1及び第2の実施例の撮影動作時のタイムチャートである。
【図7】本発明の第2の実施例の撮影動作時のフローチャートである。
【符号の説明】
1 バリア
2 レンズ
3 絞り
4 固体撮像素子
5 撮像処理A/D変換部
6 タイミング発生部
7 信号処理部
8 増幅器
9 演算制御部
10 補助制御部
11 圧縮・伸長処理部
12 メモリー部
13 記録媒体
14 I/F部
15 ストロボ発光部
16 補助光発光部
17 メインスイッチ
18 レリーズイッチ
19 表示制御部
20 表示部

Claims (5)

  1. 被写体像を光電変換して撮像信号を出力する撮像手段と、
    前記撮像手段への光量を設定された制御値に基づき制御する光量制御手段と、
    被写体に対する焦点状態を検出して撮像装置から被写体までの距離を検出する被写体距離検出手段と、
    前記被写体に対して測光を行い、測光情報を出力する測光手段と、
    前記被写体距離検出手段によって前記距離情報が検出された後に第1の発光を行い、前記第1の発光よりも後に第2の発光を行う発光手段と、
    前記第1の発光時は前記距離情報に基づいて前記光量制御手段の制御値を決定し、前記第2の発光時は、前記被写体距離検出手段によって距離情報が検出される前に前記測光手段によって求められた測光情報に基づいて該光量制御手段の制御値を決定する制御手段と、を有することを特徴とする撮像装置。
  2. 被写体像を光電変換して撮像信号を出力する撮像手段と、
    前記撮像手段への光量を設定された制御値に基づき制御する光量制御手段と、
    被写体に対する焦点状態を検出して撮像装置から被写体までの距離を検出する被写体距離検出手段と、
    前記被写体に対して測光を行い、測光情報を出力する測光手段と、
    前記被写体距離検出手段によって前記距離情報が検出された後に第1の発光を行い、該第1の発光よりも後に第2の発光を行う発光手段と、
    前記発光手段に、前記第1の発光と、前記第2の発光を順次行わせ、該第1の発光時は前記距離情報を基に決定した前記光量制御手段の制御値と、前記距離情報が検出される前に前記測光手段によって求められた測光情報を基に決定した制御値とを比較し、小絞り側となる制御値を選択し、前記第2の発光時は、前記距離情報を基に決定した前記光量制御手段の制御値と、前記距離情報が検出される前に前記測光手段によって求められた測光情報を基に決定した該制御値のうちのいずれかを撮影モードによって選択する制御手段と、を有することを特徴とする撮像装置。
  3. 前記制御手段は、マクロモードにおける前記第2の発光手段による発光時は、前記第1の発光手段による発光時に選択された方の設定値を選択することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 被写体像を光電変換して撮像信号を出力する撮像手段と、前記撮像手段への光量を設定された制御値に基づき制御する光量制御手段と、被写体に対する焦点状態を検出して撮像装置から被写体までの距離を検出する被写体距離検出手段と、前記被写体に対して測光を行い、測光情報を出力する測光手段と、前記被写体距離検出手段によって前記距離情報が検出された後に第1の発光を行い、前記第1の発光よりも後に第2の発光を行う発光手段とを有する撮像装置の制御方法において、
    前記第1の発光時は前記距離情報に基づいて前記光量制御手段の制御値を決定し、前記第2の発光時は、前記被写体距離検出手段によって距離情報が検出される前に前記測光手段によって求められた測光情報に基づいて該光量制御手段の制御値を決定する制御工程を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
  5. 被写体像を光電変換して撮像信号を出力する撮像手段と、前記撮像手段への光量を設定された制御値に基づき制御する光量制御手段と、被写体に対する焦点状態を検出して撮像装置から被写体までの距離を検出する被写体距離検出手段と、前記被写体に対して測光を行い、測光情報を出力する測光手段と、前記被写体距離検出手段によって前記距離情報が検出された後に第1の発光を行い、該第1の発光よりも後に第2の発光を行う発光手段と、を有する撮像装置の制御方法において、
    前記発光手段に、前記第1の発光と、前記第2の発光を順次行わせ、該第1の発光時は前記距離情報を基に決定した前記光量制御手段の制御値と、前記距離情報が検出される前に前記測光手段によって求められた測光情報を基に決定した制御値とを比較し、小絞り側となる制御値を選択し、前記第2の発光時は、前記距離情報を基に決定した前記光量制御手段の制御値と、前記距離情報が検出される前に前記測光手段によって求められた測光情報を基に決定した該制御値のうちのいずれかを撮影モードによって選択する制御工程を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
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