JP4153923B2 - 乾留装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高分子系素材を含んだ被処理物を密閉状態で乾留する乾留装置に関するものである。
近年、産業活動から生じた廃棄物を処分する場合、その廃棄物の原料として使用された素材を回収して再利用することが求められている。一般に、廃棄物に使用されている金属系素材は、各金属の溶解温度や密度など個々の金属固有の物性の違いを利用してそれぞれ別々に回収し、その回収物から不純物等を除去して金属の純度を上げてから再利用されている。
一方、高分子樹脂などの高分子系素材は、その殆どが石油製品であって低分子状の原料から触媒等を利用して高分子合成法により化学合成されており、一旦成型されるとそれを成型前の原料に戻すのに高度な技術とコストとが必要となり、金属系素材に比べて簡易に再利用することが困難であった。そこで、高分子系素材に関しては、それを熱分解により低分子化することで、油分(オイル)として回収し、それをエネルギー源として利用することがなされている。
このように高分子系素材を熱分解により低分子化して油分を回収する装置、いわゆる油化装置には、大別して、開放型の非乾留方式のものと、密閉型の乾留方式のものとがあり、それぞれ処理目的に応じて使い分けられている。ここで、密閉型の乾留方式では、被処理物が収容される空間を外部空気から遮断するため、一般に被処理物が投入時の姿勢のままで加熱され続ける。しかし、このような加熱態様では、被処理物の熱分解効率が極めて低くなってしまう。
そこで、被処理物の熱分解効率を高める手段として、被処理物を熱処理中に攪拌させることが、特開2002−186950号公報に開示されている。この特開2002−186950号公報に記載の有機廃棄物の炭化処理装置では、円筒状の炭化室内に回転軸が軸通されており、その回転軸の外周面に攪拌羽根が配設され、この回転軸を炭化室内で回転させることにより炭化室内の処理物を攪拌させている。
特開2002−186950号公報
しかしながら、上記した炭化処理装置では、例えば、被処理物が低粘度のゲル状や液状の場合、炭化室内で回転される回転軸の攪拌羽根は被処理物を単に切ることしかできず、被処理物全体を攪拌できず、ゲル状や液状以外の被処理物に処理対象が限定されるという問題点があった。しかも、炭化室内に回転軸が軸通されるスペースの分だけ、炭化室内に収容可能な被処理物の容量も減少したり、攪拌羽根に被処理物が付着して固化すると回転軸の回転駆動が阻害されてしまうという問題点もあった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、高分子系素材が含まれる被処理物を熱分解する場合にその分解効率を向上できる乾留装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の乾留装置は、高分子系素材を含んだ被処理物を収容するための空間が内周部に設けられる略中空円筒状に形成され、その軸心が略水平方向へ向けられ、その軸方向前端部を開閉可能に密閉する投入口蓋を有して、密閉かつ低酸素雰囲気で熱分解可能に形成される熱分解炉と、その熱分解炉の前記投入口蓋を外側に出した状態でその熱分解炉を内部に収容すると共に、その熱分解炉をその軸心回りで回転可能に支持して、その熱分解炉を周囲から加熱する加熱燃焼炉と、その加熱燃焼炉に支持される前記熱分解炉をその軸心回りで回転させる回転駆動力を供給する駆動装置と、その駆動装置により回転駆動される前記熱分解炉の軸方向後端側の軸心部分と連通されて前記加熱燃焼炉の外側へと導出され、前記熱分解炉内で発生したガスをその熱分解炉の外へ排気するガス排気路と、そのガス排気路を通じて前記熱分解炉から排出されるガスを冷却することによりガスから油分を分離して回収する油分離装置と、前記熱分解炉の内周面から軸心部へ向けて略板状に突出され且つその熱分解炉の軸方向へ向けて延設される少なくとも1枚の攪拌プレートとを備えている。
この請求項1記載の乾留装置によれば、投入口蓋が開かれて被処理物が熱分解炉内へ収容された後に、投入口蓋が閉じられて熱分解炉が密閉される。そして、被処理物を収容して密閉された熱分解炉は、加熱燃焼炉によって加熱されながら、駆動装置によって回転される。熱分解炉が加熱されると、被処理物に含まれている物質の熱分解温度や気化温度は物質ごとに異なるため、これらの温度が低いものから熱分解されて気化される。
例えば、被処理物に水分が含まれている場合には、まず最初に水分が気化されて水蒸気となって熱分解炉からガス排気路を通じて排気される。更に、水蒸気が排出された後、被処理物に含まれる高分子系素材は、熱分解温度や気化温度の低い順に熱分解され気化されて、ガス排気路を通じて熱分解炉の外へ排気される。ガス排気路を通じて排気されたガスは油分離装置へ導入され冷却されることで、油分が液化してガスから分離されて回収される。
また、上記した被処理物の熱分解過程において、熱分解炉が駆動装置によって回転されることで、熱分解炉の内周部では攪拌プレートが旋回運動するように動かされる。このため、熱分解炉内では、攪拌プレートによって、被処理物が熱分解炉の内周下部から内周上部へ向かって掬い上げられる。そして、攪拌プレートに掬い上げられた被処理物は熱分解炉の内周頂部に達するまでに、攪拌プレートから熱分解炉の内周下部へと落下して衝突することで細かく破砕される。このように被処理物を破砕することで、被処理物の表面積は増大されるので、その分、被処理物への伝熱面積が増大して熱分解効率が高められる。
請求項2記載の乾留装置は、請求項1記載の乾留装置において、前記加熱燃焼炉は、前記熱分解炉をその軸心回りで正回転及び逆回転可能に支持するものであり、前記駆動装置は、前記熱分解炉をその軸心回りで正回転及び逆回転させる回転駆動力を供給するものであり、前記攪拌プレートは、前記熱分解炉の正回転により前記熱分解炉の内周下部から内周上部へ向かう場合に、その熱分解炉における軸方向前端側から後端側へ向けて下降傾斜され、且つ、前記熱分解炉の逆回転により前記熱分解炉の内周下部から内周上部へ向かう場合に、その熱分解炉における軸方向後端側から前端側へ向けて下降傾斜されるように、前記熱分解炉の軸方向へ向けて延設されている。
この請求項2記載の乾留装置によれば、請求項1記載の乾留装置と同様に作用する上、熱分解炉が正回転されて攪拌プレートが熱分解炉の内周下部から内周上部へ向かう間、その攪拌プレートは熱分解炉の軸方向前端側から後端側へ向けて下降傾斜される。これによって、攪拌プレートにより掬い上げられた被処理物は、攪拌プレートに沿って熱分解炉の反投入口蓋側へと送られる。従って、投入口蓋に被処理物が衝突するなどして熱分解炉の気密性が損なわれることが防止される。
一方、熱分解炉が逆回転されて攪拌プレートが熱分解炉の内周下部から内周上部へ向かう間、その攪拌プレートは熱分解炉の軸方向後端側から前端側へ向けて下降傾斜される。よって、熱分解処理後に投入口蓋を開いて熱分解炉から処理済みの固形炭化物を取り出す場合、攪拌プレートにより掻き上げられた固形炭化物は、攪拌プレートに沿って熱分解炉の投入口蓋側へと送られる。従って、熱分解炉から処理済みの固形炭化物を取り出し易くなる。
請求項3記載の乾留装置は、請求項1又は2に記載の乾留装置において、前記油分離装置により液化されずに残存したガスを燃料として前記加熱燃焼炉内を加熱するガス燃焼装置を備えている。
この請求項3記載の乾留装置によれば、請求項1又は2に記載の乾留装置と同様に作用する上、油分離装置によって液化されずに残存したガスは、ガス燃焼装置によって燃焼され、加熱燃焼炉内を加熱する熱源として再利用される。
本発明の乾留装置によれば、攪拌プレートは、熱分解炉の内周面から軸心部へ向けて略板状に突出され且つその熱分解炉の軸方向へ向けて少なくとも1枚延設されており、熱分解炉内で熱分解されている被処理物を掬い上げて落下させることで破砕できるので、この破砕により被処理物を細かくして気化蒸発面積を拡大させて、被処理物の熱分解効率を向上させることができるという効果がある。
また、上記した攪拌プレートによれば、被処理物が低粘度の物質や液体であっても、これらを掬い上げるように熱分解炉の内周上部へ移動させて落下させることができ、落下時に被処理物が飛沫状となれば、これらの被処理物の気化蒸発面積を拡大させることができ、被処理物の熱分解効率を向上できるという効果がある。しかも、熱分解炉の内部に回転軸を軸架する必要もないので、かかる回転軸の存在により被処理物の収容容量が制限されることもなく、回転軸に被処理物が付着して攪拌が阻害されるようなこともない。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例である乾留装置1の概略図である。なお、乾留装置1では、その以下に説明する各部の動作、例えば、駆動モータ13の回転速度、各部の始動時期及び停止時期、並びに温度条件などは図示しない制御装置によって制御される。
図1に示すように、乾留装置1は、加熱燃焼炉2と、熱分解炉3とを備えている。加熱燃焼炉2は、被処理物50を熱分解させるため、熱分解炉3を内部に収容して、その熱分解炉3の周囲を加熱するものであり、例えば、キャスタブル耐火材で形成されている。この加熱燃焼炉2は、その上部に燃焼ガスを外部へと排気するための排気口4が設けられており、その底部に加熱燃焼炉2内を火炎で加熱するためのオイルバーナー5が配設されている。このオイルバーバー5へは、オイルタンク6から燃料であるオイルが供給される。
熱分解炉3は、その内部空間に被処理物50を密閉状態で収容して、無酸素状態に近い低酸素雰囲気下で乾留するためのものである。この熱分解炉3は、加熱燃焼炉2の内部に設けられる略中空円筒状の回転炉であり、その軸心Lが略水平方向(図1左右方向)へ向けられている。また、熱分解炉3は、その軸方向一端側(図1左側)である前端部3aが加熱燃焼炉2の外側に突出されており、かかる前端部3aが加熱燃焼炉2の外壁面に固定された軸受7によって回転可能に支持されている。また、熱分解炉3の前端部3aには、熱分解炉3内を密閉状態に閉塞するための投入口蓋8が開閉可能に装着されている。
ここで、乾留装置1により処理される被処理物50は、主に、高分子系素材を含んだ廃棄物であり、例えば、廃タイヤや使用済みの医療用機器などである。また、上記した高分子系素材としては、例えば、高分子樹脂系素材のみならず、植物由来の繊維系素材、若しくは、動物由来のタンパク質系素材若しくは脂質系素材、又は、これらの組み合わせたものなどが含まれている。
図2は、熱分解炉3を前端部3a側から投影した正面図であり、図3は、図2のIII−III線における縦断面図であり、図4は、図2のIV−IV線における縦断面図である。なお、図2中では、熱分解炉3の正回転方向を矢印Aにより、逆回転方向を矢印A’によりそれぞれ示しており、さらに、図2から図4では、投入口蓋8の図示を省略している。
図2に示すように、熱分解炉3の前端部3aには上記した投入口蓋8により密閉される投入口3cが開口形成されており、この投入口3cの口径は熱分解炉3の内径と同じとされている。また、熱分解炉3には、その内周面から軸心部(熱分解炉3の内周中心部)へ向けて略平板状の攪拌プレート9が突出されており、かかる攪拌プレート9は熱分解炉3の円周方向に略等間隔に合計6枚設けられている。このため、熱分解炉3が回転されると、被処理物50は、各攪拌プレート9によって熱分解炉3の内周下部から内周上部へ向けて掬い上げられる。
また、図3及び図4に示すように、各攪拌プレート9は、熱分解炉3の軸方向前端部3a側から後端部3b側へと略つるまき線状(螺旋状)に延設され、熱分解炉3の軸心Lに対して所定のねじれ角βを成している。また、全ての攪拌プレート9はいずれも同一方向の捩れを有している。
図3に示した攪拌プレート9は、熱分解炉3が正回転方向(図2の矢印A方向)へ回転する場合に、熱分解炉3の内周下部(図3下側)から内周上部(図3上側)へ向かうものであり、この攪拌プレート9は、熱分解炉3における軸方向前端部3a側から後端部3b側へ向けて下降傾斜されている。よって、熱分解炉3が正回転されると、その攪拌プレート9によって掻き上げられた被処理物50は熱分解炉3の後端部3b側へと攪拌プレート9の傾斜に沿って送り込まれる。
一方、図4に示した攪拌プレート9は、熱分解炉3が逆回転方向(図2の矢印A’方向)へ回転する場合に、熱分解炉3の内周下部(図4下側)から内周上部(図4上側)へ向かうものであり、この攪拌プレート9は、熱分解炉3における軸方向後端部3b側から前端部3a側へ向けて下降傾斜されている。よって、熱分解炉3が逆回転されると、被処理物50は攪拌プレート9によって熱分解炉3の投入口3c側へと攪拌プレート9の傾斜に沿って送り出される。
図1に戻って説明する。熱分解炉3は、その軸方向他端側(図1右側)の後端部3bから加熱燃焼炉2の外部へ突出される中空軸部10を備えており、この中空軸部10の内周部は熱分解炉3の内部と連通されている。また、中空軸部10は、加熱燃焼炉2の外側壁面に固定された軸受11によって回転可能に支持されており、その外周部にギア12が周設されている。このギア12は、駆動モータ13の回転軸に取着されているモータギア14と歯合されており、駆動モータ13の回転力を減速して中空軸部10へ伝達し、熱分解炉3を軸心L回りに回転させるものである。
ガス排気管15は、熱分解炉3から排出されるガスを流通させる配管であり、その一端部に中空軸部10の先端部が軸受(図示せず)を介して回転可能に連結されている。このため、ガス排気管15は、中空軸部10が熱分解炉3と共に回転しても、中空軸部10との連結部で捩れを生じないように構成されている。また、ガス排気管15は、熱分解炉3内の気密性を確保するために中空軸部10との連結部分にシール部材(図示せず)が配設されており、その他端部が乾留ガスの逆流防止装置16に連結されている。
逆流防止装置16は、油分離タンク17から熱分解炉3へ向けてガスが逆流することを防止するためのものであり、油分離タンク17とも管路を通じて連結されている。油分離タンク17は、その内側上部にガス排気管15及び逆流防止装置16を通じてガスが導入される気体層17aが設けられており、その気体層17aの下方であって油分離タンク17の内側下部には、油分離タンク17へ導入したガスのうち、油分離タンク17への導入により冷却され液化した油分51が貯留される。
この油分離タンク17は、その外側を包囲する冷却装置18によって強制的に冷却されており、この冷却によって気体層17aにあるガスの一部が液化されて油分51が抽出されるのである。なお、油分51は、油分離タンク17に開閉可能に設けられるオイル採取口19から油分離タンク17の外へ取り出される。また、油分51の上方にある気体層17aは、油分離タンク17の上部側面に一端部が連結される管路を通じてガス洗浄装置20とも連通されている。
ガス洗浄装置20は、その内側底部にガスを洗浄するための洗浄水が貯留されており、油分離タンク17の気体層17aから管路を通じて導入されたガスの揮発性ガス成分を洗浄水中へ放出させて洗浄するものである。この洗浄によって、乾留ガスに含まれる不燃性ガス成分である塩化水素ガスが洗浄水に水溶して塩酸となって捕捉される。また、洗浄水の上方であってガス洗浄装置20の内側上部には気体層が設けられており、この気体層には、洗浄水に水溶せずに浮上した可燃性ガス成分が貯留される。
ガス洗浄装置20の気体層は、管路を通じてガスバーナー21と連結されている。ガスバーナー21は、オイルバーナー5と共に熱分解炉3の炉底部に配設されるものであり、ガス洗浄装置20の気体層から管路を通じて導入される可燃性ガスを燃焼させて、熱分解炉3内を加熱するための燃焼装置である。
次に、上記のように構成された乾留装置1の動作について説明する。この乾留装置1によれば、まず、熱分解炉3の投入口蓋8が開かれて、被処理物50が投入口3cから熱分解炉3へ投入され、そのあと投入口蓋8が閉じられて、熱分解炉3が密閉される。熱分解炉3の密閉後は、熱分解炉3を加熱燃焼炉2によって初期加熱するため、オイルがオイルタンク6からオイルバーナー5へ供給され、そのオイルバーナー5が点火されて、加熱燃焼炉2内が加熱される。
このとき、駆動モータ13の回転力はモータギア14及びギア12を介して中空軸部10へ増幅されて伝達され、この中空軸部10ごと熱分解炉3は、軸受7及び軸受11を介して加熱燃焼炉2内で正回転されながら加熱される。加熱燃焼炉2の加熱によって熱分解炉3内の温度が上昇すると、熱分解炉3内に収容されている被処理物50は、熱分解炉3の内周面から突設される複数の攪拌プレート9により攪拌されながら加熱される。
また、このとき、被処理物50は、正回転される攪拌プレート9によって反投入口3c側(図3左側)へ送り込まれるので、被処理物50が投入口蓋8に衝突するなどして熱分解炉2の気密性を阻害したり、或いは、投入口蓋8側へ流れて来ようとする液状又はゲル状の被処理物50を反投入口3c側へ送り戻すことができる。
その後、熱分解炉3内が一定の熱分解温度に達すると、熱分解炉3内で気化した分解ガスが中空軸部10の内周部からガス排気管15を通じて逆流防止装置16へ送られ、この逆流防止装置16を経て油分離タンク17の気体層17aへ導入される。この気体層17aへ導入された乾留ガスは、冷却装置18によって強制冷却されて凝縮され、油分離タンク17に油分51として貯留され、オイル採取口19から採取される。なお、オイル採取口19から採取される油分51は、オイルタンク6へ供給することで、オイルバーナー5の燃料として使用しても良い。
一方、油分離タンク17でも液化不能なガス成分は、気体層17aから管路を通じてガス洗浄装置20へ移送されて洗浄され、ガスバーナー21へ供給されて加熱燃焼炉2内を加熱するための燃料として使用される。そして、加熱燃焼炉2内にある燃焼済みの排気ガスは排気口4から大気中へ排出される。なお、排気口4から排出される排気ガスには、塩素などの環境汚染物質を除去するための処理が施される。
ここで、被処理物50の熱分解過程において、熱分解炉3が正回転されることで、熱分解炉3の内周部では各攪拌プレート9が旋回運動するように動かされる。このため、熱分解炉3内では、各攪拌プレート9によって被処理物50に適当な回転運動が加えられる。そして、このまま熱分解が進行して行くと、被処理物50が回転運動の衝撃で徐々に破砕される。
破砕された被処理物50は、更に攪拌プレート9により熱分解炉3の内周下部から内周上部へ向かって掬い上げられて、熱分解炉3の内周頂部に達するまでに、攪拌プレート9から熱分解炉3の内周下部へと落下して衝突することで更に細かく破砕される。このように被処理物50を攪拌プレート9により徐々に破砕させることで、被処理物50の伝熱面積は徐々に増大されて熱分解効率が高められる。
被処理物50の熱分解が完了した後は、オイルバーナー5及びガスバーナー21を停止して、加熱燃焼炉2による熱分解炉3の加熱を中止した後、一旦、駆動モータ13が停止されて、熱分解炉3の回転が止められる。それから、熱分解炉3の投入口蓋8が開かれて、駆動モータ13が逆転されて熱分解炉3が逆回転されると、処理済みの固形炭化物が攪拌プレート9によって投入口3c側(図4右側)へ送り出され、投入口3cから外部へ取り出される。
図3(a)は、本実施例の乾留装置1により廃タイヤを乾留処理した場合の実験データを示す図であって、熱分解炉3を3.5rpmで回転させ続けて乾留処理を行った場合と、熱分解炉3の回転を停止させままの状態で乾留処理を行った場合とを比較したものである。なお、被処理物50としての廃タイヤの総重量は25.6kgfであって、加熱燃焼炉2の炉内温度は645℃から650℃とした。
図3(a)に示すように、熱分解炉3を回転速度3.5rpmで回転させながら100分間加熱した場合には、被処理物50の総重量の51.95%に相当する13.3kgfの油分51を回収することができた。これに対して、熱分解炉3の回転を停止させたまま120分間加熱した場合には、被処理物50の総重量の49.21%に相当する12.6kgfの油分51を回収するに止まった。
図3(b)は、本実施例の乾留装置1により医療用廃棄物を乾留処理した場合の実験データを示す図であって、熱分解炉3を3.5rpmで回転させ続けて乾留処理を行った場合と、熱分解炉3の回転を停止させままの状態で乾留処理を行った場合とを比較したものである。なお、被処理物50としての医療用廃棄物は滅菌及び減容圧縮されたものであってその総重量が42.3kgfであり、加熱燃焼炉2の炉内温度は645℃から650℃とした。
図3(b)に示すように、熱分解炉3を回転速度3.5rpmで回転させながら205分間加熱した場合には、被処理物50の総重量の68.56%に相当する29.0kgfの油分51を回収することができた。これに対して、熱分解炉3の回転を停止させたまま285分間加熱した場合には、被処理物50の総重量の57.68%に相当する24.4kgfの油分51を回収するに止まった。
以上説明したように、本実施例の乾留装置1によれば、熱分解炉3内の攪拌プレート9によって被処理物50を攪拌させながら密閉状態のままで加熱することで、被処理物50を攪拌せずに密閉状態で加熱する場合に比べて短時間で且つより多くの油分51を回収できた。そして、特に、水分の含有率の高い被処理物50ほど油分の回収率(液化率)が高められることが確認された。
また、本実施例の乾留装置1と、開放型の非乾留方式の一種であるロータリーキルン方式とを比較した場合、ロータリーキルン方式では、被処理物が常に空気に曝された酸化的雰囲気中で熱処理されるため、酸化物の生成を伴ってしまう。しかしながら、本実施例の乾留装置1は、気密性を確保した密閉型の乾留方式により被処理物50の熱分解を行うため、その稼働開始時に熱分解炉3内に存在する空気は排出されるので、低酸素状態の還元的雰囲気で熱分解処理を行うことができ、酸化物の生成を抑制できる。
また、乾留装置1では、ロータリーキルン方式において実現困難な還元的雰囲気中で被処理物50の熱分解を進行させるので、高分子系素材などのポリマーを熱分解して油分やガスを容易に採取することができる。しかも、被処理物50を還元的雰囲気中で処理するので、被処理物を酸化的雰囲気中で炭化させる場合のように炭化物が炭素−酸素−炭素結合の大きな粒子体とならず、微細構造の炭素−炭素結合体を生成できる。
更に、ロータリーキルン方式では、極めて低粘度な液状の被処理物を処理することが不可能であるが、乾留装置1によれば、被処理物50が液体であっても熱分解処理できる。しかも、被処理物50が液状の場合でも、熱分解炉3を回転させることで、攪拌プレート9によって被処理物50を掬い上げた後に落下させることで、被処理物50を飛沫状にして表面積を拡大できるので、液状の被処理物50の伝熱効率を高めて、熱分解され易くできる。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、本実施例では、攪拌プレート9の枚数を6枚として説明した、かかる攪拌プレート9の枚数は必ずしもこれに限定されるものではなく、熱分解炉3の内周面に1枚以上存在すれば良い。
本発明装置の一実施例である乾留装置の概略図である。 熱分解炉を前端部側から投影した図である。 図2のIII−III線における縦断面図である。 図2のIV−IV線における縦断面図である。 (a)は、本実施例の乾留装置により廃タイヤを乾留処理した場合の実験データを示す図であり、(b)は、本実施例の乾留装置により医療用廃棄物を乾留処理した場合の実験データを示す図である。
符号の説明
1 乾留装置
2 加熱燃焼炉
3 熱分解炉
3a 前端部(熱分解炉の軸方向前端部又は軸方向前端側)
3b 後端部(熱分解炉の軸方向後端側)
8 投入口蓋
9 攪拌プレート
10 中空軸部(ガス排気路の一部)
12 ギア(駆動装置の一部)
13 駆動モータ(駆動装置の一部)
14 モータギア(駆動装置の一部)
15 ガス排気管(ガス排気路の一部)
17 油分離タンク(油分離装置の一部)
18 冷却装置(油分離装置の一部)
19 ガスバーナー(ガス燃焼装置)
51 油分
50 被処理物
L 軸心

Claims (3)

  1. 高分子系素材を含んだ被処理物を収容するための空間が内周部に設けられる略中空円筒状に形成され、その軸心が略水平方向へ向けられ、その軸方向前端部を開閉可能に密閉する投入口蓋を有して、密閉かつ低酸素雰囲気で熱分解可能に形成される熱分解炉と、
    その熱分解炉の前記投入口蓋を外側に出した状態でその熱分解炉を内部に収容すると共に、その熱分解炉をその軸心回りで回転可能に支持して、その熱分解炉を周囲から加熱する加熱燃焼炉と、
    その加熱燃焼炉に支持される前記熱分解炉をその軸心回りで回転させる回転駆動力を供給する駆動装置と、
    その駆動装置により回転駆動される前記熱分解炉の軸方向後端側の軸心部分と連通されて前記加熱燃焼炉の外側へと導出され、前記熱分解炉内で発生したガスをその熱分解炉の外へ排気するガス排気路と、
    そのガス排気路を通じて前記熱分解炉から排出されるガスを冷却することによりガスから油分を分離して回収する油分離装置と、
    前記熱分解炉の内周面から軸心部へ向けて略板状に突出され且つその熱分解炉の軸方向へ向けて延設される少なくとも1枚の攪拌プレートとを備えていることを特徴とする乾留装置。
  2. 前記加熱燃焼炉は、前記熱分解炉をその軸心回りで正回転及び逆回転可能に支持するものであり、
    前記駆動装置は、前記熱分解炉をその軸心回りで正回転及び逆回転させる回転駆動力を供給するものであり、
    前記攪拌プレートは、前記熱分解炉の正回転により前記熱分解炉の内周下部から内周上部へ向かう場合に、その熱分解炉における軸方向前端側から後端側へ向けて下降傾斜され、且つ、前記熱分解炉の逆回転により前記熱分解炉の内周下部から内周上部へ向かう場合に、その熱分解炉における軸方向後端側から前端側へ向けて下降傾斜されるように、前記熱分解炉の軸方向へ向けて延設されていることを特徴とする請求項1記載の乾留装置。
  3. 前記油分離装置により液化されずに残存したガスを燃料として前記加熱燃焼炉内を加熱するガス燃焼装置を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の乾留装置。
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