JP3017912U - 廃棄物処理装置 - Google Patents

廃棄物処理装置

Info

Publication number
JP3017912U
JP3017912U JP1995001431U JP143195U JP3017912U JP 3017912 U JP3017912 U JP 3017912U JP 1995001431 U JP1995001431 U JP 1995001431U JP 143195 U JP143195 U JP 143195U JP 3017912 U JP3017912 U JP 3017912U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
furnace
oil
organic waste
gas
activated carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1995001431U
Other languages
English (en)
Inventor
靖夫 広瀬
正道 和佐
Original Assignee
株式会社ファーネステクノ
株式会社横浜テクノセンター
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ファーネステクノ, 株式会社横浜テクノセンター filed Critical 株式会社ファーネステクノ
Priority to JP1995001431U priority Critical patent/JP3017912U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3017912U publication Critical patent/JP3017912U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 炉内の通気性を向上させ、有機系廃棄物自身
による継続燃焼を可能とし、有機系廃棄物を確実に焼却
滅容させ、また油分の回収、固形物残渣からの活性炭の
回収を効率良く行なうことができる廃棄物処理装置を提
供すること。 【構成】 細かな有機系廃棄物W1 と比較的容積が大き
な有機系廃棄物W2 とを層状に充填して水冷式の炉10
内で部分燃焼させ、発生した油分Oを含むガスを冷却す
ることにより、油分Oとガス分を分離回収するとともに
炉10の下部に残った炭化物残渣から活性炭を回収する
ようにしたもの。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、有機系廃棄物を乾留処理して有用な資源として再利用する廃棄物処 理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車や家電製品等の廃棄物をリサイクルする場合には、まず、エン ジンあるいはモータ等の破砕に適さない部品を取外す。次に、この残りの廃棄物 をプレスカッターによりある程度の大きさに切断する。これをさらにシュレッダ ーにより細かく破砕した後、鉄、アルミニウム等の必要部分を回収する選別を行 なった後に、残る廃棄物(シュレッダーダスト)を、炉により焼却し滅容してい る。
【0003】 この廃棄物の焼却は、傾斜固定床炉、ロータリキルン、流動層等で行なわれて いるが、プラスチックを含むシュレッダーダスト(以下、有機系廃棄物)を焼却 すると、プラスチックが炉内で局所的に高温になり、レンガ等耐火物の焼損ある いは局所的空気不足によるススの発生を引き起こすことになる。また、この有機 系廃棄物を燃焼すると、有害物質が発生し、大気汚染や環境破壊の原因になる。 さらに、石油等の燃料を用いて加熱燃焼するので、燃料費もかさむことになる。 したがって、最近では、有機系廃棄物を焼却処理する場合には、これらを乾留 炉で乾留し、ガス化した後に、このガスを冷却し、凝縮させて、B重油相当の油 分を回収したり、固形物残渣から不純物を除去して活性炭を回収するという方法 が採られている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、このような方法においては、油分回収後の固形物残渣を処理する場合 に、熱分解により生じたタール分や配管中から戻る未流出油分が固形物残渣に混 入することがあるので、この固形物残渣の処理には、別途タール分や油分を処理 するための工程が必要となり、装置全体が複雑化し、生産コスト的に不利となっ ている。特に、固形物残渣から活性炭を分離するには、多大なエネルギが必要と なり、省エネルギの観点からも好ましくない。
【0005】 また、有機系廃棄物の乾留は、1〜50mm程度に破砕したものを、水冷式の 竪型円筒炉に充填し、炉底部で着火した状態で、完全燃焼しないように少量の空 気を送り、部分燃焼させながら、発生したガスを取出し冷却するが、この炉内は 、比較的細かい有機系廃棄物が充填された状態となっているので、通気性が悪く 、燃焼しにくく、しかも有機系廃棄物自身が水分や不然物を有しているので、着 火した後に廃棄物自身が燃焼しても、その燃焼を継続することも難しい。
【0006】 本考案は、上述した従来技術に伴う課題を解決するためになされたもので、炉 内の通気性を向上させ、有機系廃棄物自身による継続燃焼を可能とし、確実に焼 却滅容させ、また、油分の回収と、固形物残渣からの活性炭の回収を効率良く行 なうことができる廃棄物処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成する本考案に係る廃棄物処理装置は、炉内に、略こぶし大よ り小さい有機系廃棄物と該有機系廃棄物よりも大きな容積の有機系廃棄物とを交 互に層状となるように充填し、完全燃焼に必要な空気量より少ない空気量を供給 しつつ燃焼させるようにした水冷式の部分燃焼炉と、この部分燃焼炉から炉外に 取出したガスを冷却することにより油分回収する油分回収部と、前記部分燃焼炉 の下部に残った残渣から炭化物残渣のみを取出し賦活炉にて賦活し活性炭を回収 する活性炭回収部とを有することを特徴とする。
【0008】 前記大きな容積の有機系廃棄物は、容積比で20%以上としたことを特徴とす る。
【0009】 前記部分燃焼炉の底部より供給する空気量は、前記有機系廃棄物が完全燃焼に 要する空気量の5〜30%であることを特徴とする。
【0010】 前記油分回収部は、前記炉外に取出したガスから油分を回収した残りのガスを 完全燃焼した後浄化して大気中に排出するガス浄化部を有することを特徴とする 。
【0011】 前記活性炭回収部は、前記部分燃焼炉内に残った炭化物残渣を、前記賦活炉内 で、水蒸気を多量に含んだ1000℃以上の高温のガスにより加熱し、当該残渣 中に含まれる亜鉛を揮発除去するようにしたことを特徴とする。
【0012】 前記活性炭回収部は、前記揮発除去した亜鉛を含むガスを冷却することにより 亜鉛分を分離回収する亜鉛回収部を有することを特徴とする。
【0013】
【作用】
このように、小さい有機系廃棄物と大きな有機系廃棄物が交互に層状となるよ うに充填した状態で、完全燃焼に必要な空気量より少ない空気量を供給して部分 燃焼させるようにすれば、通気性良く燃焼させることができ、有機系廃棄物自身 による継続燃焼も可能となり、確実に焼却滅容させることができる。
【0014】 特に、大きな容積の有機系廃棄物を容積比で20%以上とすれば、一層通気性 が向上し、有機系廃棄物自身の継続燃焼が促進される。
【0015】 部分燃焼炉の底部より供給する空気量が前記有機系廃棄物の完全燃焼に要する 空気量の5〜30%とすれば、効率良く乾留できる。
【0016】 また、発生した油分を含むガスを冷却することにより、油分とガス分を分離回 収するとともに燃焼炉の下部に残った炭化物残渣から活性炭を回収するようにし たので、無用な廃棄物から有用な油分と活性炭を回収できる。
【0017】 部分燃焼炉の下部に残った炭化物残渣を賦活炉において、1000℃以上温度 で加熱すれば、多量の亜鉛を炭化物残渣から揮発除去することができ、また、こ れを再度冷却して回収すれば、排気ガス中に含まれる有害な亜鉛までも除去する ことができる。
【0018】
【実施例】
以下、図面を参照して本考案の一実施例を説明する。 図1は、本考案の一実施例に係る廃棄物処理装置の全体概略図、図2は、図1 の部分燃焼炉を拡大して示す断面図である。
【0019】 図1に示す廃棄物処理装置1は、有機系廃棄物を乾留してガス化する部分燃焼 炉10と、この部分燃焼炉10から炉外に取出したガスを冷却することにより油 分とガス分を分離回収する油分回収部20と、部分燃焼炉10から取出された残 渣から金属製ワイヤー等の不然物を除去する分離装置30と、前記部分燃焼炉1 0の下部に残った残渣から炭化物残渣のみを取出し賦活炉にて賦活し活性炭を回 収する活性炭回収部40とを有している。
【0020】 前記部分燃焼炉10は、図2に示すように、上部に有機系廃棄物の投入口11 を有し、下部に着火部12を備えた灰出口13を有する水冷式の竪型円筒状乾留 炉であり、胴部14の周縁には、冷却する水が外周に供給されて循環する冷却槽 15と、この冷却槽15を貫通し炉内に空気を吹き出す空気供給管16が設けら れている。
【0021】 また、この乾留炉である部分燃焼炉10の上側部には、炉内で生じた乾留ガス を油分回収部20に送る配管P1 が接続され、底部下部域には、残渣を受ける灰 出しコンベア17が延設されている。
【0022】 特に、本実施例では、部分燃焼炉10内に充填される有機系廃棄物は、こぶし 大より小さい、つまり1〜50mm程度に破砕された細かなシュレッダーダスト W1 と、こぶし大より大きい、つまり比較的大きな容積を持つ可燃性材料W2 と からなり、これら両者を交互に層状となるように炉内に充填している。
【0023】 前記細かなシュレッダーダストW1 は、水分や不然物を有する難燃性材料であ るため、単に投入口11から炉内に投入するのみでは、炉内の通気性を低下させ ることになり、燃焼しにくく、この有機系廃棄物自身が燃焼を継続することが難 しい。したがって、この細かなシュレッダーダストW1 と、例えば自動車の廃タ イヤ、ウレタンバンパーあるいはインストルメントパネル等のような比較的大き な容積を持つ可燃性材料W2 とを交互に炉内に投入し、両者が層状となるように している。
【0024】 このようにすれば、大きな容積を持つ可燃性材料W2 が炉内の通気性を高める とともにこの可燃性材料自体が高い発熱量(廃タイヤの場合には、約8000K cal/kg)を有しているので、これが補助燃料の役割を果たし、難燃性材料 である細かなシュレッダーダストW1 も着火後にシュレッダーダスト自身が継続 燃焼し、全体を確実に燃焼させることができる。
【0025】 炉内における大きな可燃性材料W2 の容積比率は、実験によれば、約20%以 上であることが好ましい。大きな可燃性材料が多ければ多いほど通気抵抗は少な く、均一に空気が流れかつ熱量も多くなるが、それだけ相対的に大きな可燃性材 料の焼却処理が、細かなシュレッダーダストW1 の焼却処理がより多くなり、細 かなシュレッダーダストW1 の焼却処理が少なくなる。
【0026】 通気抵抗を測定した結果、図3に示すようになった。この図は、大きな可燃性 材料W2 として廃タイヤをしたものであるが、図より明らかなように、廃タイヤ を混入する量が増大するにしたがって急激に通気抵抗が減少し、この廃タイヤの 割合が約20%とすると良好な運転が可能となることが分かる。
【0027】 ただし、この炉は、部分燃焼炉であるので、底部より供給する空気量は、前記 可燃性材料Wが完全燃焼に要する空気量よりも極度に少なくする必要がある。こ の比率としては、完全燃焼に要する空気量の5〜30%とすることが望ましいこ とが判明している。特に、好ましくは、5〜10%程度であり、この範囲の空気 量を供給すれば、効率良く乾留でき、油分Oや活性炭の生成量も向上する。
【0028】 前記油分回収部20は、部分燃焼炉10において発生した乾留ガスを冷却部2 1により水冷し、この乾留ガスに含まれる油分Oを冷却凝縮して分離回収し、油 分Oのみを副生成油タンクT内に貯溜するようになっている。
【0029】 なお、この副生成油Oは、B重油に相当し、燃料として再利用できるので、本 実施例では、この副生成油Oを、前記活性炭回収部40における賦活炉43で必 要となる熱水を発生させるボイラーBの燃料として利用し、燃料コストの低減を 図っている。
【0030】 前記油分回収部20において副生成油Oが除去された後のガス分は、冷却部2 1から焼却炉22に導かれ、空気と混合してバーナー23により完全燃焼され、 この焼却炉22からの排気ガスは、水洗式の冷却室24を介して水洗式のガス浄 化部25に送られ、ここで冷却され、塵埃等が除去された後に、クリーンなガス として大気中に排出される。
【0031】 前記分離装置30は、部分燃焼炉10から取出された残渣から金属製ワイヤー を磁力により吸着して除去する磁選器であり、前記廃タイヤ等に含まれている金 属製ワイヤー等の不純物を残渣中から除去するようにしている。
【0032】 この分離装置30により不純物が除去された残渣は、オーガ式の搬送装置31 により乾燥炉32内に搬送され、ここで水分や油分を完全に除去された後に、活 性炭回収部40に搬入される。なお、この乾燥炉32にも、後述のバーナー41 にも、前記分離された副生成油Oが燃料として利用されている。
【0033】 この活性炭回収部40は、バーナー41により前記ボイラーBからの熱水を水 蒸気化して燃焼室42内の炭化物残渣と接触させて賦活し活性炭を形成する賦活 炉43と、この賦活炉43内で賦活された活性炭を外部に取出し、水冷しつつ排 出するオーガ式の搬送装置44と、前記賦活炉43からの排気ガス中に含まれて いる亜鉛を除去する亜鉛回収部47とを有している。
【0034】 前記乾燥炉32から賦活炉43内に導かれた炭化物残渣は、傾斜した状態で回 転(1〜10rpm程度)するキルン内で移動しつつ、60%程度の湿度を有す るように還元性雰囲気化で加熱される。しかし、この炭化物残渣は、まだ内部に 多量の亜鉛を有しているので、この賦活炉43での加熱は、炭化物残渣を約10 00℃以上の高温で加熱し、酸化亜鉛を亜鉛に還元し、炭化物残渣から揮発する 。そして、この賦活炉43からの排気ガスを、一旦水性ガス燃焼炉48で酸素と 反応させ、酸化亜鉛の粉末とした後に、前記両熱交換器45,46を通って、亜 鉛回収部47において集め回収し、有機系廃棄物中に含まれる有害な亜鉛までも 除去するようにしている。
【0035】 なお、蒸気熱交換器45は、賦活炉43に導く水蒸気を120〜400℃程度 に加熱するためのものであり、空気熱交換器46は、賦活炉43に導く空気を3 00℃程度に加熱するためのものである。
【0036】 また、前記亜鉛回収部47は、いわゆる集塵器が使用され、ファン49により 圧送された空気流により前記賦活炉43からの排気ガスを旋回させて遠心分離し 、酸化亜鉛を集めるようになっている。 なお、図中、符号「F」は送風ファン、「M」はモータである。
【0037】 次に、上記のように構成された実施例の作用を説明する。 まず、部分燃焼炉10上部の投入口11から比較的大きな容積を持つ可燃性材 料W2 を投入し、次に、細かなシュレッダーダストW1 を入れ、両有機系廃棄物 W1 ,W2 が交互に位置する層状となるようにする。この場合、可燃性材料W2 の炉内での比率は、約20%程度とすることが好ましい。
【0038】 送風ファンFを駆動して有機系廃棄物W1 ,W2 の完全燃焼に必要な空気量よ り極めて少ない量の空気を空気供給管16より部分燃焼炉10内に多段に供給し 、また胴部14の周縁の冷却槽15には冷却水を循環させる。そして、下部の着 火部12からLPG等の燃料を供給して燃焼させ、部分燃焼炉10の投入口11 に設けられている蓋を閉じ、炉内を密閉する。
【0039】 これにより乾留炉10の下部に燃焼帯が形成されるが、燃焼空気量は極めて制 限されており、しかも、冷却水により部分燃焼炉10内は、発生する乾留ガスの 着火温度以下に制限されるので、燃焼反応は制限され、有機系廃棄物W1 ,W2 は乾留される。
【0040】 有機系廃棄物W1 ,W2 の乾留により、炭化水素や一酸化炭素等の可燃物質と 、燃焼反応の中間生成物である還元物質が生じ、可燃物質の内、炭化水素化合物 の分子量が大きい物が、後に冷却凝縮されて油分となり、分子量が小さいものが 油分除去後にガス分となる。
【0041】 特に、本実施例では、細かなシュレッダーダストW1 と比較的大きな容積を持 つ可燃性材料W2 とが層状となっているので、炉内の通気性が高く、可燃性材料 自体が高い発熱量をだすので、難燃性材料である細かなシュレッダーダストW1 も着火後に継続燃焼することになり、有機系廃棄物W1 ,W2 全体が確実に燃焼 する。
【0042】 ただし、部分燃焼炉10は、冷却水により着火温度以下に冷却されているので 、この発生した乾留ガスが、着火することはなく、配管P1 により油分回収部2 0に送られる。ここにおいて、油分以外の高温のガスは、配管P1 を流通する場 合にキャリアガスとなり、油分の凝縮を防止し、油分を円滑に配管P1 を通って 冷却装置20に導き、配管P1 が油分により詰ったり、油分の回収率が低下する ことはない。
【0043】 なお、この乾留ガス中のガス分は、焼却炉22において空気と混合され、バー ナー23により燃焼される。そして、この排気ガスは、冷却室24を介して水洗 式のガス浄化部25に送られ、冷却され、塵埃等が除去された後にクリーンガス となって大気中に排出される。
【0044】 一方、乾留ガス中の油分は、油分回収部20により冷却され、中に含まれる油 分Oが冷却凝縮され、副生成油タンクT内に貯溜される。
【0045】 また、燃焼後の部分燃焼炉10内の残渣は、灰出口13より灰出しコンベア1 7上に落下され、分離装置30により金属製ワイヤー等の不純物が磁力により吸 着除去される。不純物が除去された残渣は、搬送装置31により乾燥炉32内に 搬送され、水分や油分が完全に除去された後に、賦活炉43に搬入される。
【0046】 賦活炉43には、副生成油タンクT内に貯溜された副生成油を燃料として使用 するボイラーBからの熱水が導かれている。このボイラーBからの熱水は、バー ナー41の火炎により水蒸気となり、燃焼室内に吐出される。したがって、賦活 炉43では、この燃焼室内の炭化物残渣は、水蒸気により賦活され、活性炭化さ れ、この活性炭化されたものは、賦活炉43から外部に取出され、搬送装置44 において水冷された後に、製品として取出される。
【0047】 ここに、賦活のための最低条件は、800℃前後の温度で加熱されること、H 2 Oが60%前後含まれること、還元性雰囲気にすることであるが、本実施例で は、脱亜鉛化を図るようにしているので、賦活炉43において、約1000℃以 上の高温の混合気により炭化物残渣を加熱し、これにより炭化物残渣中に多量に 含まれている酸化亜鉛(ZnO)を還元して金属亜鉛(Zn)として蒸発させ、 排気ガスと一緒に賦活炉43から流出させるようにしている。
【0048】 ただし、この排気ガスは、H2 、CO等の未燃焼ガス成分を含んでいるので、 水性ガス燃焼炉48内でこれを完全燃焼するとともに、金属亜鉛(Zn)を酸化 し、固体で粉末の酸化亜鉛(ZnO)とする。そして、この酸化亜鉛が蒸気熱交 換器45及び空気熱交換器46を通って亜鉛回収部47に導かれ、集塵器である 亜鉛回収部47において、集められ取出される。
【0049】 亜鉛回収部47からの排気ガスは、前記水洗式のガス浄化部25に送られ、冷 却され、塵埃等が除去された後に大気中に排出される。
【0050】 なお、本考案は、上述した実施例のみに限定されるものではなく、実用新案登 録請求の範囲内において、種々改変することができる。例えば、上述した実施例 では、乾留炉、賦活炉、燃焼炉等は、それぞれ1つ設けられているが、それぞれ 複数個設け、相互に連結して使用しても良い。
【0051】
【考案の効果】
以上述べたように、本考案によれば、有機系廃棄物を水冷した炉内で部分燃焼 し、発生した油分を含むガスを冷却することにより、油分とガス分を分離回収す るとともに燃焼炉の下部に残った炭化物残渣から活性炭を回収するようにしたの で、無用な廃棄物から有用な油分と活性炭を回収できる。
【0052】 また、前記燃焼炉内において、有機系廃棄物をシュレッダーダストのように細 かなものと比較的容積が大きなものとを層状に充填して少量の空気で部分燃焼さ せるようにしたので、炉内の通気性を向上させ、有機系廃棄物自身による継続燃 焼を可能とし、有機系廃棄物を確実に焼却滅容させることができる。特に、大き な容積の有機系廃棄物を容積比で20%以上とすれば、一層通気性が向上し、有 機系廃棄物自身の継続燃焼が促進され、また、部分燃焼炉の底部より供給する空 気量が前記有機系廃棄物の完全燃焼に要する空気量の5〜30%とすれば、効率 良く乾留できる。
【0053】 さらに、部分燃焼炉の下部に残った炭化物残渣を賦活炉において、約1000 ℃以上温度で多量の亜鉛を揮発除去し、これを再度冷却して回収するようにした ので、排気ガス中に含まれる有害な亜鉛までも除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の一実施例に係る廃棄物処理装置の全
体概略図である。
【図2】 同実施例の部分燃焼炉の断面図である。
【図3】 通気抵抗を測定した結果を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
10…部分燃焼炉、 20…油分回収部、 4
0…活性炭回収部、43…賦活炉、 47…亜
鉛回収部、W1 …小さい有機系廃棄物、W2 …比較的容
積の大きな有機系廃棄物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C01B 31/10 B09B 5/00 ZAB M

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉内に、略こぶし大より小さい有機系廃
    棄物と該有機系廃棄物よりも大きな容積の有機系廃棄物
    とを交互に層状となるように充填し、完全燃焼に必要な
    空気量より少ない空気量を供給しつつ燃焼させるように
    した水冷式の部分燃焼炉と、この部分燃焼炉から炉外に
    取出したガスを冷却することにより油分回収する油分回
    収部と、前記部分燃焼炉の下部に残った残渣から炭化物
    残渣のみを取出し賦活炉にて賦活し活性炭を回収する活
    性炭回収部とを有する廃棄物処理装置。
  2. 【請求項2】 前記大きな容積の有機系廃棄物は、容積
    比で20%以上としたことを特徴とする請求項1に記載
    の廃棄物処理装置。
  3. 【請求項3】 前記部分燃焼炉の底部より供給する空気
    量は、前記有機系廃棄物が完全燃焼に要する空気量の5
    〜30%である請求項1又は2に記載の廃棄物処理装
    置。
  4. 【請求項4】 前記油分回収部は、前記炉外に取出した
    ガスから油分を回収した残りのガスを完全燃焼した後に
    浄化して大気中に排出するガス浄化部を有する請求項1
    乃至3のいずれかに記載の廃棄物処理装置。
  5. 【請求項5】 前記活性炭回収部は、前記部分燃焼炉内
    に残った炭化物残渣を、前記賦活炉内で、水蒸気を多量
    に含んだ1000℃以上の高温のガスにより加熱し、当
    該残渣中に含まれる亜鉛を揮発除去するようにしたこと
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の廃棄物
    処理装置。
  6. 【請求項6】 前記活性炭回収部は、前記揮発除去した
    亜鉛を含むガスを冷却することにより亜鉛分を分離回収
    する亜鉛回収部を有することを特徴とする請求項1乃至
    5のいずれかに記載の廃棄物処理装置。
JP1995001431U 1995-03-06 1995-03-06 廃棄物処理装置 Expired - Lifetime JP3017912U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1995001431U JP3017912U (ja) 1995-03-06 1995-03-06 廃棄物処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1995001431U JP3017912U (ja) 1995-03-06 1995-03-06 廃棄物処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3017912U true JP3017912U (ja) 1995-11-07

Family

ID=43153379

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1995001431U Expired - Lifetime JP3017912U (ja) 1995-03-06 1995-03-06 廃棄物処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3017912U (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4154029B2 (ja) 廃棄物の処理方法および廃棄物処理装置
US5205225A (en) Apparatus for allowing thermal dimensional changes of metal parts in a retort mechanism
Sharma et al. Disposal of waste tyres for energy recovery and safe environment
US5224432A (en) Method for retorting organic matter
JP4953373B2 (ja) 廃棄物処理発電炉
US5220873A (en) Apparatus for retorting organic matter
RU2663312C1 (ru) Устройство для термической утилизации углеводородсодержащих отходов, оснащенное вихревой камерой сгорания с внутренним пиролизным реактором, и способ его работы
JP3017912U (ja) 廃棄物処理装置
JPH11159718A (ja) 燃焼装置および燃焼方法
JPH08159430A (ja) ゴム系廃棄物の燃焼処理方法
JP2002515110A (ja) 家庭ゴミを処理する方法及び装置
JP3732640B2 (ja) 廃棄物の熱分解溶融燃焼装置
CN100523612C (zh) 废弃物的热分解处理装置和热分解处理装置的控制方法
JPH08110021A (ja) 廃棄物の溶融炉の発生ガス処理装置
US7063026B1 (en) Waste carbonizing and energy utilizing system
JPH08110024A (ja) ゴム系廃棄物の熱処理方法
JPH10339416A (ja) 廃棄物処理装置
JP3077756B2 (ja) 廃棄物処理装置
CN214009225U (zh) 一种用于可燃工业固废的焚烧处理装置
CN102734807A (zh) 一种处理报废动力电池残渣的欠氧焚烧装置
JPH09310073A (ja) 廃棄物の乾留熱分解方法及びその装置
JP3759200B2 (ja) 廃棄物の熱分解・溶融方法およびその装置
KR101006011B1 (ko) 탄화가스 생성 보일러용 펠렛의 제조방법
JP3217673B2 (ja) 金属を含む有機系廃棄物の処理装置
JP3721752B2 (ja) ごみ熱分解−製鉄複合設備及び残渣の処理方法