以下、本発明の実施の形態に係るマッサージ機について、図面を参照しながら具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るマッサージ機の全体の構成を示す斜視図である。図1に示す如く、本実施の形態1に係るマッサージ機1は、椅子型をなしており、座部2,背凭れ部3,フットレスト4,及びアームレスト5から主として構成されている。座部2は、水平配置された棒状の脚部2aをその下部両側に夫々有する基台2bの上部に、上部が座面として用いられるように略平坦に形成されたクッション部2cが配されて構成されている。クッション部2cは、ウレタンフォーム,スポンジ,又は発泡スチロール製の内装材(図示せず)が基台2bの上面に載置されており、更にこれをポリエステル製の起毛トリコット,合成皮革,又は天然皮革等からなる外装材(カバー)にて覆って構成されている。
座部2の上部前側(マッサージ機1に着座した被施療者から見たときの前側をいう。また、以下において左とはマッサージ機1に着座した被施療者から見たときの左をいい、右とは同被施療者から見たときの右をいう。)には、被施療者の足首及び脹脛をマッサージするためのフットレスト4の上端部が枢着されている。これにより、フットレスト4は、その上端部を中心にして前後に回動可能とされている。
更に座部2の後部には、背凭れ部3が設けられている。背凭れ部3は、被施療者の上半身を支持すべく、一般的な体格の成人がマッサージ機1に着座した際に、該成人の身体の一部がその外部にはみ出ない程度の大きさとされており、前面視略長方形をなしている。背凭れ部3の下端部は、座部2の後部に横方向の枢軸によって枢支されており、この枢軸を中心に背凭れ部3が回動することにより、前後にリクライニングが可能とされている。また背凭れ部3の両側部には、基台2bに固定支持されたアームレスト5が夫々設けられている。このアームレスト5は、背凭れ部3の両側部から前方へ延びていて、被施療者がマッサージ機1に着座したときに、肘置きとして用いることができるようになっている。
背凭れ部3の内部には、マッサージ機構6が設けられている。マッサージ機構6は、例えば特開2000−350756号公報に記載されているように、以下に説明するような構成となっている。マッサージ機構6は、夫々ローラ状をなす4つの施療子を有している。これらの施療子は、背凭れ部3の前面(被施療者の背部を支持する面)から若干前方又は後方の位置に、上下左右に離隔して配されている。また、マッサージ機構6には、モータ等のアクチュエータが設けられており、このようなアクチュエータの動作によって、左右に並べられた施療子が略楕円状の軌道に沿って互いに近接又は離反するように移動することが可能に構成されている。また、このようなマッサージ機構6は、背凭れ部3の内部で背凭れ部3の長手方向に延びるガイドレールによって移動方向が案内されており、モータ等の動作によってこれに沿った方向へ移動することが可能に構成されている。
次に、フットレスト4及びアームレスト5の構成について更に詳しく説明する。図2は、本発明の実施の形態1に係るマッサージ機1のフットレスト4の構成を示しており、(a)は、その外観を示す斜視図であり、(b)は、その使用状態を示す平面図である。図2(a)に示す如く、フットレスト4は、支持台部7,移動部(挟持部)8,及び本発明に係る施療部を構成する空気袋9,10から主として構成されている。支持台部7は、略板状をなしており、その上端部分が座部2の前端部分に左右に延びる枢軸(図示せず)によって枢着されている。また、支持台部7の一板面(前面)は支持面7aとされており、この支持面7aによって被施療者の下腿(脹脛)を略全体に亘って支持するようになっている。このような支持台部7には、図示しないロック機構が設けられており、支持台部7が座部2に対して任意の角度に傾斜した状態でロック機構を作動させることにより、支持台部7の静止状態を保つことができるようになっている。
また、支持面7aには、複数の空気袋9が固着されており、これらの空気袋9にマッサージ機1に内蔵されたポンプ等からなる給排気装置12(図6参照)から空気を供給することによって、空気袋9が膨張し、被施療者の脹脛に刺激を与えることができるようになっている。
更に、空気袋9の表面には、シート状の温熱子(図示せず)が取り付けられている。これらの温熱子は、駆動されることによって発熱するように構成されており、これによって被施療者の脹脛を加熱することができるようになっている。
支持台部7の幅方向中央部には、縦長のスリット状の開口11が設けられており、この開口11から本発明に係る挟持部たる移動部8が突設されている。移動部8は、連結棒13,ローラ14及び空気袋10を備えている。連結棒13は、支持面7aに対して略直行する方向へ延びており、一端が開口11から支持台部7の内部に挿入されていて、支持台部7に内蔵されるモータ15(図6参照)の出力軸に接続されている。そして、このモータ15が本発明に係る駆動部を構成しており、このモータ15によって、移動部8を開口11に沿って移動させることが可能とされている。
連結棒13の突出側端の左右には、夫々ローラ14が設けられている。ローラ14は、左右に延びる回動軸を中心として回動することが可能であるように、連結棒13に夫々枢着されている。また、ローラ14は、円筒の中央部分を略円弧状に窪ませた如き形状をなしており、その周面全体に亘って空気袋10が取り付けられている。また、空気袋10は、連結棒13内を通る図示しないエアホースによって給排気装置12に接続されており(図6参照)、給排気装置12を駆動することによって空気袋10を膨張・収縮させて、被施療者の下腿の前面部分に刺激を与えることができるようになっている。ローラ14は、支持面7aに離隔して対向する状態となっているので、図2(b)に示すように、被施療者の下腿をローラ14及び支持面7aの間に挿入することによって、被施療者の下腿を挟んだ状態で施療することができる。
また、ローラ14は円弧状に窪んだ形状となっているので、被施療者の下腿の形状に合致し、該下腿を広い範囲で押圧することができる。更に、被施療者の下腿に直接当接するのは概ね空気袋9,10のみであるので、被施療者にとって心地の良い刺激を該下腿に与えることができる。
更に、ローラ14の内部には、バイブレータ16(図6参照)が設けられている。このバイブレータ16を動作させることによって、ローラ14が振動し、これにより被施療者の下腿に刺激を与えることが可能となっている。
また、支持台部7の下端には、足底施療部17が設けられている。該足底施療部17は、支持台部7の両側面の下端から夫々前方へ突出した突出部18と、両突出部18の間に架設された略円筒形状のローラ19と、ローラ19の左右2箇所に夫々周設された空気袋20とを備えている。ローラ19は、支持面7aから離隔しており、被施療者の下腿をフットレスト4に載せたときに、丁度足底が当接する位置に配置されている。ローラ19は、ギヤ等を介してモータ19a(図6参照)に接続されており、このモータ19aによって回動駆動されるようになっている。被施療者は、足底が空気袋20に当接するまで下腿をローラ14及び支持面7aの間に挿入してマッサージ機1を使用する。このとき、前述のようにローラ19を回動させることによって、被施療者の足底に刺激を与えることができる。また、空気袋20は、図示しないエアホースによって給排気装置12に接続されており(図6参照)、給排気装置12を駆動することによって空気袋20を膨張・収縮させて、被施療者の足底に刺激を与えることができるようになっている。
更に、ローラ19の内部には、バイブレータ21(図6参照)が設けられている。このバイブレータ21を動作させることによって、ローラ19が振動し、これにより被施療者の下腿に刺激を与えることが可能となっている。
また、空気袋20の表面には、シート状の温熱子(図示せず)が取り付けられている。これらの温熱子は、駆動されることによって発熱するように構成されており、これによって被施療者の足底を加熱することができるようになっている。
図3及び図4は、本発明の実施の形態1に係るマッサージ機1のアームレスト5の外観を示す斜視図である。図3に示す如く、アームレスト5は、支持台部22,カバー部23,移動部(挟持部)24,及び本発明に係る施療部を構成する空気袋25から主として構成されている。支持台部22は、内部に空間を有する前後方向に長い略角板状をなしており、その上面である支持面22aが略円弧溝状に窪んで形成されている。このような形状により、支持台部22を肘掛けとして使用したときに、支持面22aが被施療者の前腕の形状に合致し、該前腕を安定した状態で支持することができる。このような支持台部22は、背凭れ部3に対して固定されており、常に背凭れ部3に対して静止した状態を保つようになっている。
また、支持面22aには、3つの空気袋25が前後に並べて取り付けられている。これらの空気袋25は、図示しないエアホースによって給排気装置12に接続されており(図6参照)、給排気装置12を駆動することによって空気袋25を膨張・収縮させて、被施療者の前腕に刺激を与えることができるようになっている。
更に、空気袋25の表面には、シート状の温熱子(図示せず)が取り付けられている。これらの温熱子は、駆動されることによって発熱するように構成されており、これによって被施療者の前腕を加熱することができるようになっている。
支持台部22の後端からは、可撓性を有する材料で形成されており、中間部分で上方へ湾曲している細長い板状の連結部材26が延設されており、この連結部材26の後端に、被施療者の上腕を支持する上腕支持部材27が取り付けられている。該上腕支持部材27は、板部材が略U字状に湾曲された如き形状をなしており、湾曲内面で被施療者の上腕を支持するようになっている。また、上腕支持部材27の両端の対向する2箇所には、夫々空気袋28が固着されている。これらの空気袋28は、図示しないエアホースによって給排気装置12に接続されており(図6参照)、給排気装置12を駆動することによって空気袋28を膨張・収縮させて、被施療者の上腕に刺激を与えることができるようになっている。
支持台部22の外側端には、カバー部23がヒンジ結合されており、カバー部23が上下に回動可能となっている。カバー部23は、下部が開口した角箱状をなしており、図4に示すように、カバー部23を限界まで下方に回動させることによって、支持面22aの全体をカバー部23で上方から被覆することができるようになっている(以下、カバー部23のこの位置を閉位置という)。カバー部23は、閉位置にあるときに、図示しないマグネット等によってある程度の力で支持台部22に吸着している。また、カバー部23の上面は、若干丸みを帯びた略水平面となっており、被施療者は、マッサージ機1に着座した場合であって、アームレスト5によるマッサージを受けないときには、図4に示すようにカバー部23を閉位置に位置させて、その上面を肘掛けとして使用することができる。
また、カバー部23は、支持面22aに対して所定角度傾斜した図3に示す位置(以下、カバー部23のこの位置を開位置という)まで、閉位置から回動させることができるようになっている。このカバー部23は、図示しないロック機構により、開位置にある状態を保持することが可能となっている。
また、図3に示すように、カバー部23の内側には、本発明に係る挟持部たる移動部24が設けられている。図5は、アームレスト5を部分的に切断してその内部構造を示した斜視図である。図5に示すように、カバー部23は、長手方向両端に夫々端部材29を対向配置し、両端部材29間に板材29a(図3,4参照)を渡した構成となっている。端部材29の間には、幅方向に離隔した2つのガイドレール30,31が渡されており、一方のガイドレール30は、支持台部22の長手方向両端から延設された延設部32を貫通しており、カバー部23の回動枢軸としての役割も果たしている。また、両方の端部材29の間には、移動部24の構成部品の一つである移動台33が配されており、これらのガイドレール30,31夫々が、該移動台33を貫通している。これによって、移動台33は、ガイドレール30,31に沿って、端部材29の間を移動することが可能となっている。
移動部24の構成を以下に詳述する。移動台33との支持面22aとの間には、移動台33と略同寸の板面を有する板状の押圧部材34が配されており、移動台33のガイドレール30の近傍部分に設けられた、ガイドレール30に平行な枢軸35により、該押圧部材34は、支持面22aに近接又は離反する方向へ回動自在に移動台33に枢着されている。また、移動台33及び押圧部材34の対向面の夫々には、略扇状に開閉可能な蛇腹状の本発明に係る駆動部を構成する空気袋36が取り付けられており、この空気袋36は図示しないエアホースによって給排気装置12に接続されている(図6参照)。従って、給排気装置12を駆動することによって空気袋36が膨張・収縮し、押圧部材34が支持面22aに対して近接又は離反する方向へ回動する。換言すれば、給排気装置12を駆動することにより、移動部24が支持面22aに近接又は離反する。
また、移動台33及び押圧部材34には、図示しないバネが取り付けられており、このバネによって押圧部材34が移動台33に近接する方向へ付勢されている。従って、空気袋36に空気が供給されたときには、このバネの付勢に抗して押圧部材34が移動台33から離反し、空気袋36から空気が排出されたときには、バネの付勢によって押圧部材34が移動台33に近接する方向へ移動することとなる。
また、押圧部材34の支持面22aとの対向面には、ガイドレール30,31の長手方向と略直行する方向に延びた回動軸を中心として回動する複数のローラ37が設けられている(図3参照)。ローラ37は、押圧部材34の支持面22aとの対向面から若干突出するように設けられており、これによって押圧部材34が被施療者の腕部に押しつけられたときに、ローラ37が該腕部に当接することとなる。そして、空気袋25及びローラ37によって、本発明に係る駆動部が構成されている。なお、実際には、カバー部23の支持面22aとの対向部分に布が張り付けられており、移動部24が覆い隠された状態とされるが、説明を簡単にするために省略している。
また、押圧部材34の内部には、バイブレータ34a(図6参照)が設けられている。このバイブレータ34aを動作させることによって、押圧部材34が振動し、これにより被施療者の前腕に刺激を与えることが可能となっている。
移動部24には、支持台部22の内部まで延びる延設部38が設けられており、該延設部38は、環状のベルト39の一部分に固着されている。該ベルト39は、支持台部22の内部空間の前後方向両端部近傍に夫々設けられたプーリ40(図4では一方のみを示している)に係合しており、一方のプーリ40は、支持台部22に取り付けられたモータ41の出力軸に連結されている。このようにモータ41は本発明に係る駆動部を構成している。従って、モータ41が駆動されることによって、移動部24が前後方向へ移動することとなり、押圧部材34が被施療者の腕部に押しつけられているときには、移動部24の移動によってローラ37が被施療者の腕部上で転動し、所謂さすり揉みを行うことができる。また、支持面22aと押圧部材34とによって被施療者の前腕を挟んだ状態で施療することができるので、押圧部材34及び空気袋25による押圧の作用方向へ被施療者の前腕が逃げることがなく、押圧部材34及び空気袋25による押圧刺激を確実に被施療者の前腕に与えることができる。
図6は、本発明の実施の形態1に係るマッサージ機1の構成の一部を示すブロック図である。図6に示すように、マッサージ機1には、制御部42が内蔵されている。この制御部42は、CPU,ROM,RAM,及び計時装置等から構成されており、後述するような制御プログラムを実行し、接続された各機器の動作を制御することができるようになっている。
制御部42には、給排気装置12が接続されており、該給排気装置12の動作を制御することが可能に構成されている。この給排気装置12は、電磁弁等の切替バルブ及びエアポンプ等によって構成されており、前述した空気袋9,10,20,25,28,36にエアホースを介して接続されている。また、給排気装置12は、空気袋9,10,20,25,28,36に対して各々独立的に吸気及び排気を行うことが可能となっている。
また、制御部42には、移動部8を移動させるモータ15、ローラ19を回動させるモータ19a、移動部24を移動させるモータ41が夫々駆動回路42aを介して接続されており、モータ15,19a,41の動作を夫々制御することが可能に構成されている。
また、制御部42には、バイブレータ16,21,34aが夫々駆動回路42bを介して接続されており、バイブレータ16,21,34aの動作を夫々制御することが可能に構成されている。
更に、支持台部7の内部には、2つのリミットスイッチ43が設けられている。一方のリミットスイッチ43は、移動部8が移動範囲の一端に到達したときにこれを検出し、他方のリミットスイッチ43は、移動部8が移動範囲の他端に到達したときにこれを検出するようになっている。夫々のリミットスイッチ43は制御部42に接続されており、検出信号を制御部42に送信するようになっている。
また、支持台部22の内部にも同様に、2つのリミットスイッチ44が設けられており、夫々のリミットスイッチ44によって、移動部24が移動範囲の端に到達したことを検出することができるようになっている。夫々のリミットスイッチ44は制御部42に接続されており、検出信号を制御部42に送信するようになっている。
また、制御部42は、被施療者からの動作指示を受け付けるリモートコントローラ等の操作部45に接続されている。操作部45は、複数のボタンスイッチを備えており、被施療者は、これらのボタンスイッチのうちの一又は複数を選択して押下することによって、マッサージ機1の動作を指示することができる。
なお、図6においては、図を簡単にするために、マッサージ機1が1つのアームレスト5のみを有しているように示しているが、実際には1つのマッサージ機1について2つのアームレスト5が設けられている。
次に、本発明の実施の形態1に係るマッサージ機1の動作について説明する。被施療者はマッサージ機1に着座し、操作部45を用いて動作指示の入力を行う。被施療者によって、フットレスト4によるマッサージの開始の指示が入力された場合には、これを表す信号が制御部42に送信され、制御部42が給排気装置12、モータ15,19a、バイブレータ16,21に対して夫々次のような動作制御を行うための制御信号を送信する。
制御部42は、所定の時間間隔で空気袋9,10の膨張・収縮を繰り返すように、給排気装置12の動作を制御する。一方、モータ15に対しては、所定の回転速度で一方向に回転させ、リミットスイッチ43からの検出信号を受信した後に、他方向に回転させるように動作制御を行う。
また、制御部42は、モータ19aを一定の回転速度で一定方向へ回転させ、バイブレータ16,21を一定の周期で振動させるように、これらのデバイスの動作制御を行う。
被施療者によって、アームレスト5によるマッサージの開始の指示が入力された場合には、これを表す信号が制御部42に送信され、制御部42が給排気装置12、モータ41、バイブレータ34aに対して夫々次のような動作制御を行うための制御信号を送信する。制御部42は、所定の時間間隔で空気袋25,28の膨張・収縮を繰り返すように、また空気袋36を一定の圧力まで膨張させるように、給排気装置12の動作を制御する。一方、モータ41に対しては、所定の回転速度で一方向に回転させ、リミットスイッチ44からの検出信号を受信した後に、他方向に回転させるように動作制御を行う。
また、制御部42は、バイブレータ34aを一定の周期で振動させるように、バイブレータ34aの動作制御を行う。
なお、ここで説明したデバイスの動作制御は一例であり、例えば回転速度を変化させながらモータ19aを回転させる等、他の動作制御を行ってもよいことはいうまでもない。
また、本実施の形態1に係るマッサージ機1においては、フットレスト4及びアームレスト5を備える構成について述べたが、これに限定されるものではなく、フットレスト4及びアームレスト5の内何れか一方のみを備える構成であってもよい。
また、フットレスト4及びアームレスト5を異なる構成のものとしたが、フットレスト4と同様の構成のアームレストをマッサージ機1が備えてもよいし、アームレスト5と同様の構成のフットレストをマッサージ機1が備えていてもよい。
また、移動部8,24を、モータ15,41によって移動させる構成について述べたが、これに限定されるものではなく、例えばエアシリンダ等のモータと異なるアクチュエータを使用して、移動部8,24を移動させる構成としてもよい。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係るマッサージ機のフットレスト46の構成を示しており、(a)は、その外観を示す斜視図であり、(b)は、その使用状態を示す平面図である。本実施の形態2に係るフットレスト46は、実施の形態1に係る支持台部7の開口11が設けられていないものと略同様の形状の支持台部47を備えている。支持台部47は、左右両側端がガイドレール48とされており、このガイドレール48に、移動部49が備える移動台50が係合されている。移動台50は、ガイドレール48に沿って、ガイドレール48の長手方向、即ち上下方向へ移動することが可能となっている。
移動部49は、移動台50にローラ14が枢着された構成とされている。移動台50は、ガイドレール48との係合部分から前方へ突出した形状となっており、ローラ14は、支持台部47の支持面47aに離隔して対向するように配置され、移動台50の前端部分において、支持面47aに対して若干傾斜した、略左右に延びる回動軸を中心として回動可能であるように枢着されている。
このような移動部49は、支持台部47に内蔵されるモータ15の出力軸に接続されており、モータ15の動作によってガイドレール48に沿って移動するようになっている。
本実施の形態2に係るマッサージ機のその他の構成は、実施の形態1に係るマッサージ機1の構成と同様であるので、同様の構成要素については同符号を付し、その説明を省略する。
なお、本実施の形態2においては、フットレスト46を備えるマッサージ機の構成について述べたが、これに限定されるものではなく、フットレスト46と同様の構成のアームレストをマッサージ機が備えていてもよい。
(実施の形態3)
図8及び図9は、本発明の実施の形態3に係るマッサージ機のアームレスト51の外観を示す斜視図である。図8及び図9に示す如く、本実施の形態3に係るアームレスト51は、支持台部52及び移動部53から主として構成されている。支持台部52は、内部に空間を有する前後方向に長い角箱形状のハウジング54を有している。ハウジング54は、上面の前後方向略全長に亘る開口55が設けられており、この開口55を閉塞するように、ハウジング54の上面には布製のカバー56が張り付けられている。このような支持台部52は、背凭れ部3に対して固定されており、常に背凭れ部3に対して静止した状態を保つようになっている。
支持台部52の外側から上方へ突出するように、移動部53が設けられている。移動部53は、支持台部52の上面である支持面52aに離隔して覆い被さるように、全体として略円弧状に湾曲している。移動部53は、板状部材の上部を円弧状に湾曲させ、また下部をこの湾曲させた部分に対向するように略直角に屈曲させた如き形状をなす第1部材57を備えている。この第1部材57は、中間部分をハウジング54の側面と平行とし、上部をハウジング54の上面に覆い被せ、また下部をハウジング54の側面に設けられた前後方向に長いスリット状の開口(図示せず)からハウジング54の内部へ挿入するように配されている。
このような第1部材57の湾曲内側であって、支持面52aの上方の箇所には、第1部材57の湾曲面に沿って板状部材が湾曲された如き形状をなす第2部材58が配されている。このような第2部材58は、その下端が、第1部材57の湾曲内面の支持面52aから若干上方の部分に、前後方向へ長い枢軸によって枢着されており、これにより、支持面52aに近接又は離反する方向へ回動することが可能となっている。
第1部材57及び第2部材58の対向面の夫々には、本発明に係る駆動部を構成する空気袋59が取り付けられている。該空気袋59は、一端が蛇腹状とされていて、略扇状に展開可能な構成となっており、図示しないエアホースによって給排気装置12に接続されている(図13参照)。従って、給排気装置12を駆動することによって空気袋59が膨張・収縮し、第2部材58が支持面52aに対して近接又は離反する方向へ回動する。換言すれば、給排気装置12を駆動することにより、移動部53が支持面52aに近接又は離反する。また、第1部材57及び第2部材58には、図示しないバネが取り付けられており、このバネによって第2部材58が第1部材57に近接する方向へ付勢されている。従って、空気袋59に空気が供給されたときには、このバネの付勢に抗して第2部材58が第1部材57から離反し、空気袋59から空気が排出されたときには、バネの付勢によって第2部材58が第1部材57に近接する方向へ移動することとなる。
また、第2部材58の支持面52aとの対向面には、2つの空気袋60が取り付けられている。これらの空気袋60もまた図示しないエアホースによって給排気装置12に接続されており(図13参照)、かかる空気袋60によって本発明に係る施療部が構成されている。よって、給排気装置12を駆動することにより、空気袋60が膨張・収縮し、被施療者の腕部に当接して押圧刺激を与えるようになっている。
更に、空気袋60の表面には、シート状の温熱子(図示せず)が取り付けられている。これらの温熱子は、駆動されることによって発熱するように構成されており、これによって被施療者の前腕を加熱することができるようになっている。
図10及び図11は、アームレスト51を部分的に切断してその内部構造を示した斜視図であり、図12は、移動部53の構造を示す斜視図である。図10及び図12に示すように、第1部材57の下部の水平部分57aには、角板に円筒形状の2つの突起が設けられた如き形状をなすガイド61が取り付けられている。この水平部分57aには、2つの丸孔(図示せず)が開設されており、該丸孔を前記ガイド61の円筒部分が夫々貫通し、角板状のフランジ部分が水平部分57aの上面に密着する状態で、ガイド61が水平部分57aに固定されている。ガイド61には、円筒部分と同軸的な2つの丸孔(図示せず)が設けられており、この丸孔を若干の遊びをもって貫通するように、ガイド棒62が配されている。ガイド棒62の上端には、枢支部材63が固着されている。この枢支部材63は、左右に相対向する部分を有しており、この対向部分間に互いに平行な2つの枢軸64が前後に並べられた状態で渡されており、夫々の枢軸64によって、2つのローラ65が各別に枢支されている。
枢支部材63とガイド61との間の部分には、ガイド棒62に貫通されたバネ66が設けられており、このバネ66によって、枢支部材63が上方へ付勢されている。
また、水平部分57aのガイド61の左右両側には、上方へ突出する突出部67が設けられており、これらの突出部67に合計4つのローラ68が左右に延びる枢軸を中心として夫々回動自在に枢支されている。夫々の突出部67の外側には、前後方向に延びたガイドレール69が互いに平行に配されており、これらのガイドレール69がハウジング54の内壁に固定されている。夫々のガイドレール69には、ローラ68が夫々転動自在に係合しており、これによって移動部53が前後方向に移動を案内されている。
ガイド棒62の下部は、ガイド61の下端から突出しており、ガイド棒62の下端は略水平に配置された検出板70に当接している。検出板70は、リミットスイッチ71に接続されている。リミットスイッチ71は、検出板70が自由状態のときにはオフ状態であるように設定されており、検出板70が下方へ押されると、オフからオンへ状態が変化し、これを検出するようになっている。従って、ローラ65がバネ66の付勢に抗して下方へ押された場合には、ガイド61に沿ってガイド棒62が下方へ移動し、検出板70が下方へ押されて、リミットスイッチ71がオンとなる。
また、図11に示すように、第1部材57の水平部分57aより若干上方の部分の外側面には、出力軸(図示せず)が貫通するようにモータ72が取り付けられている。このモータ72の出力軸には、ピニオンギア(図示せず)が固着されており、このピニオンギアが、ハウジング54の内部に固定されたラック74に噛合している。ラック74は、ガイドレール69と平行に設けられている。従って、モータ72が動作することにより、第1部材57が前後方向へ移動するようになっている。このように、モータ72によって本発明に係る駆動部が構成されている。
図10に示すように、ハウジング54の上部には開口55が設けられており、この開口55をローラ65が臨むように配されている。ハウジング54の上面には、この開口55を塞ぐように、被施療者の前腕の落ち込み防止用の支持帯75が取り付けられている。この支持帯75は、前後方向へ長い布製の帯であり、ある程度の張力をもって、前記開口55の全長に亘ってハウジング54に取り付けられている。また、ハウジング54の上面には、支持帯75及び開口55を覆い隠すように、前述した布製のカバー56が取り付けられている(図9参照)。
図13は、本発明の実施の形態3に係るマッサージ機76の構成の一部を示すブロック図である。本実施の形態3に係るマッサージ機76においては、給排気装置12に前述した空気袋59,60がエアホースを介して接続されている。この給排気装置12は、空気袋59,60に対して各々独立的に吸気及び排気を行うことが可能となっている。
また、制御部42には、移動部53を移動させるモータ72が駆動回路42aを介して接続されており、モータ72の動作を制御することが可能に構成されている。
また、制御部42には、リミットスイッチ71と、これと別個に設けられた2つのリミットスイッチ77とが接続されている。リミットスイッチ77は、ハウジング54に内蔵されており、一方のリミットスイッチ77は、移動部53が移動範囲の一端に到達したときにこれを検出し、他方のリミットスイッチ77は、移動部53が移動範囲の他端に到達したときにこれを検出するようになっている。このようなリミットスイッチ71,77は、検出信号を制御部42に送信するようになっている。
なお、図13においては、図を簡単にするために、マッサージ機76が1つのアームレスト51のみを有しているように示しているが、実際には1つのマッサージ機76について2つのアームレスト51が設けられている。
本実施の形態3に係るマッサージ機76のその他の構成は、実施の形態1に係るマッサージ機1の構成と同様であるので、同様の構成要素については同符号を付し、その説明を省略する。
次に、本実施の形態3に係るマッサージ機76の動作について説明する。被施療者はマッサージ機76に着座し、アームレスト51の支持台部52に前腕を載せる。このとき、被施療者の前腕によってローラ65が下方へ押され、リミットスイッチ77がオン状態となって、検出信号が制御部42に送信される。制御部42は、この検出信号を受信している間、被施療者の前腕が支持台部52の上に載せられていると判断して、空気袋59,60を膨張・収縮させるべく、給排気装置12を駆動する。
なお、空気袋59は、マッサージの強さ調節に使用され、一定量の空気が供給された後は、その状態を維持する(即ち、膨張も収縮もしない)ように動作制御される。また、空気袋60は、直接被施療者の前腕に刺激を与えるために用いられ、膨張・収縮することによって被施療者の前腕に対する押圧力を変化させ、抑揚をつけたマッサージを行うようになっている。
また、このような動作だけでなく、例えば一定量の空気を空気袋59に供給して空気袋59をある程度膨張させるとともに、空気袋60に空気を供給し、2つの空気袋60によって被施療者の前腕を挟み込み、この後に空気袋59から空気を排出して、バネの力によって第2部材58を第1部材57へ引き寄せることによって、被施療者の前腕を挟んでいる空気袋60を被施療者の前腕から引き離すように移動させるように空気袋59,60の動作制御を行ってもよい。このような動作制御を行うことにより、空気袋60が被施療者の前腕を挟むように押圧し、この状態から夫々の空気袋60が被施療者の前腕を滑るように移動して、押圧箇所が変化することとなり、恰もマッサージ師が所謂引き揉みを行っているかのような刺激を被施療者の前腕に対して与えることができる。
更に、リミットスイッチ77がオンとなる前に、リミットスイッチ71がオフとなったときは、ローラ65がその移動範囲中の被施療者の前腕が存在していない部分に到達したとみなし、制御部42によってモータ72を逆回転させるように構成してもよい。このように構成することにより、移動部53の移動範囲の内、被施療者の前腕が存在する部分だけで、移動部53を往復移動することとなり、移動部53を被施療者の前腕から必要以上に離隔させるといった動作の無駄を防ぐことができる。
なお、本実施の形態3においては、アームレスト51を備えるマッサージ機76の構成について述べたが、これに限定されるものではなく、アームレスト51と同様の構成のフットレストをマッサージ機76が備えていてもよい。
(実施の形態4)
図14は、本発明の実施の形態4に係るマッサージ機のアームレスト78の外観を示す斜視図である。図14に示す如く、アームレスト78は、実施の形態1に係るアームレスト5の移動部24に代えて、8つの車輪状のローラ79が設けられた移動部(挟持部)80を有する構成となっている。本実施の形態4においては、空気袋25及びローラ79によって、本発明に係る施療部が構成されている。なお、本実施の形態4に係るマッサージ機のその他の構成は、実施の形態1に係るマッサージ機1の構成と同様であるので、同様の構成要素については同符号を付し、その説明を省略する。
以下に、移動部80の詳細な構成を説明する。図15は、移動部80の構造を示す斜視図である。図15に示す如く、一対のローラ79が車軸81の両端に同軸的に枢着されており、これによってローラサブユニット82が構成されている。また、2つのローラサブユニット82の車軸81の長手方向中央部分が、各車軸81に夫々直交する方向へ延びた車軸83の両端に枢着されており、これによってローラユニット84が構成されている。また、各ローラ79の外周部分には、ローラ79の全幅に亘る複数の凹部79aがローラ79の回転方向へ等間隔に設けられている。
また、2つのローラユニット84の間に、車軸83に直交するように支持台85が配されており、各車軸83の長手方向中央部分が、この支持台85から延設された軸部分86の両端に枢着されている。支持台85は、円柱状の部分の一端に鍔状のブラケット部分が設けられた如き形状をなす台座部分87と、該台座部分の円柱状の部分の他端から該円柱の軸長方向と直交する方向であって、しかも移動部80の移動方向(前後方向)に直交する方向へ延設された軸部分86とから構成されており、板状のベース板88の板面の中央部にブラケット部分を固着された状態で取り付けられている。ベース板88は、略長方形の板面を有する扁平な板であり、その長方形の各長辺の一端の夫々には相対向する軸受部分89が設けられている。該軸受部分89には丸孔90が設けられており、この丸孔90を前述した枢軸35が貫通した状態でベース板88が移動台33に取り付けられている。これによって、空気袋36が膨張・収縮したときに、ベース板88が支持面22aに対して近接又は離反する方向へ回動する。換言すれば、給排気装置12を駆動することにより、移動部80が支持面22aに近接又は離反する。
また、移動台33及びベース板88には、図示しないバネが取り付けられており、このバネによってベース板88が移動台33に近接する方向へ付勢されている。従って、空気袋36に空気が供給されたときには、このバネの付勢に抗してベース板88が移動台33から離反し、空気袋36から空気が排出されたときには、バネの付勢によってベース板88が移動台33に近接する方向へ移動することとなる。
また、移動部80が以上の如き構成とされているため、ローラユニット84はその全体が支持台85の軸部分86を中心として回動することが可能であり、またローラサブユニット82はその全体が車軸83を中心として回動することが可能である。更に、各ローラ79は車軸81を中心として回動することが可能である。これによって、被施療者の腕部に移動部80が押し付けられたときには、ローラ79が被施療者の腕部に倣うように、前述したような移動部80の可動部分が動作し、各ローラ79が被施療者の腕部に当接することとなる。軸部分86は、移動部80の移動方向と直交する方向へ延びているので、車軸81もまた該移動方向と直交する方向へ延びるように配されることとなり、従って移動部80が前後方向へ移動したときには、各ローラ79は被施療者の腕部上で転動し、これによって被施療者の腕部に機械的刺激を与えることができる。また、相隣する凹部79aの間の突起部分が被施療者の腕部に押圧されるため、強い刺激が被施療者の腕部に与えられることとなり、マッサージ効果がより一層向上する。
なお、本実施の形態4においては、アームレスト78を備えるマッサージ機の構成について述べたが、これに限定されるものではなく、アームレスト78と同様の構成のフットレストをマッサージ機が備えていてもよい。
また、以上説明した実施の形態1〜4においては、アームレスト5,51,78を何れも背凭れ部3に固定して設けた構成について述べたが、これに限定されるものではなく、例えばアームレスト5,51,71を背凭れ部3に対して前後にスライドさせることが可能な構成としてもよいし、上下に傾斜させることが可能な構成としてもよい。このとき、アームレスト5,51,78の前後位置又は傾斜角度を一定に保つことができるようなロック機構を設けておき、背凭れ部3に対して静止した状態を保つことができるように構成しておく。これにより、アームレスト5,51,78の位置を調節して被施療者がより一層楽な姿勢をとることができるようになり、またその姿勢で被施療者の前腕をしっかりと支持することが可能となる。
(実施の形態5)
本実施の形態5に係るマッサージ機100は、実施の形態1に係るマッサージ機1に、アームレスト5に代えて以下に説明するようなアームレスト101が設けられた構成となっている。図16は、本発明の実施の形態5に係るマッサージ機100のアームレスト101の外観を示す斜視図であり、図17は、アームレスト101の構成を示す正面図である。図16に示す如く、アームレスト101は、支持台部102,カバー部103,挟持部104a〜c,空気袋105a〜c,空気袋106a〜c,空気袋107a〜c及びバイブレータ108a,bから主として構成されている。支持台部102は、内部に空間を有する前後方向に長い略角板状をなしており、その上面である支持面102aが略円弧溝状に窪んで形成されている。このような形状により、支持台部102を肘掛けとして使用したときに、支持面102aが被施療者の前腕の形状に合致し、該前腕を安定した状態で支持することができる。このような支持台部102は、背凭れ部3に対して固定されており、常に背凭れ部3に対して静止した状態を保つようになっている。
また、支持面102aには、2つの穴102bが前後に並べて設けられており、これらの穴102bの中には夫々バイブレータ108a,bが、その上部が支持面102aから突出するように配されている。これらのバイブレータ108a,bを夫々動作させることにより、支持面102aの上に置かれた被施療者の前腕の下側部分に振動刺激を与えることが可能となっている。
かかる支持台部102の外側端(即ち、右手用のアームレスト101の支持台部102においては右側端、左手用のアームレスト101の支持台部102においては左側端)には、上方に開口した欠落部102cが前後に延びて設けられている。
支持台部102の上方には、カバー部103が配されている。該カバー部103は、下部の全体が開口した角箱状をなしており、その開口から突出するように支持アーム103aが設けられている。該支持アーム103aは、前後方向に長い略板状をなしており、カバー部103の上面に対して約45度傾斜した方向へ突出せしめられている。図17に示す如く、この支持アーム103aは欠落部102cに挿入されており、その挿入側の端部が回動軸109によって支持台部102に枢着されている。回動軸109は、欠落部102cの奥側、支持台部102の外側端近傍に設けられており、これによってカバー部103は、回動軸109を中心として支持面102aに対して近接又は離反する方向へ回動することが可能となっている。
また、カバー部103を限界まで下方に回動させることによって、支持面102aの全体をカバー部23で上方から被覆することができるようになっている(以下、カバー部103のこの位置を閉位置という)。カバー部103は、閉位置にあるときには、ロック機構110によって支持台部102に固定される。かかるロック機構110は、支持台部102の前端に設けられた係合爪110aと、カバー部103の前端に設けられた係合凹部110bとを有しており、係合爪110aが係合凹部110bに係合することによって、カバー部103を閉位置で係止するように構成されている。また、係合爪110aは図示しないバネによって係合が外れない方向へ付勢されており、係合爪110aと係合凹部110bとが係合した場合には、この係合が簡単に解除されないように構成されている。
また、カバー部103の上面は、若干丸みを帯びた略水平面となっており、被施療者は、マッサージ機100に着座した場合であって、アームレスト101によるマッサージを受けないときには、カバー部103を閉位置に位置させて、その上面を肘掛けとして使用することができる。
ロック機構110は、支持台部102に設けられたロック解除用のボタン110cを有している。このボタン110cは、前述した係合爪110aに繋がっており、ボタン110cが押動されたときに、係合爪110aが係合凹部110bとの係合が外れる方向へ移動するように構成されている。これにより、係合爪110aと係合凹部110bとが係合しているときに、ボタン110cが押動された場合には、係合爪110aと係合凹部110bとの係合が解除され、カバー部103を上方へ回動させることが可能となる。
このとき、カバー部103は、支持面102aに対して約45度傾斜した図17に示す位置(以下、カバー部103のこの位置を開位置という)まで、閉位置から回動させることができるようになっている。図17に示す如く、カバー部103が開位置にあるときには、支持アーム103aが略鉛直方向に延びた状態となる。また、かかるカバー部103は、図示しないロック機構により、開位置にある状態を保持することが可能となっている。
図16に示す如く、カバー部23の内側には、3つの挟持部104a〜cが後方へ向かってこの順に並べて配されている。挟持部104a〜cは、夫々略円弧状に湾曲された板状をなしており、夫々凹面を支持面102aに対向させて配されている。また、夫々の挟持部104a〜cの基端側は、欠落部102cに挿入されており、前述した回動軸109よりも支持台部102の左右方向の内側(即ち、右手用のアームレスト101の支持台部102においては回動軸109より左側、左手用のアームレスト101の支持台部102においては回動軸109より右側)に設けられた前後方向に長い回動軸111によって、夫々の基端が枢支されている。これにより、各挟持部104a〜cは回動軸111を中心として支持面102aに対して近接又は離反する方向へ回動することが可能となっている。
挟持部104aは、挟持部104b,cに比して前後方向の長さが長くなっている。また、図17に示す如く、夫々の挟持部104a〜cとカバー部103との間には、空気袋105a〜cが配されている(図17には、空気袋105aのみを示している)。これらの空気袋105a〜cは、実施の形態1の空気袋36と同様の構成とされており、夫々蛇腹状の展開可能な一端を挟持部104a〜cの先端側へ向け、展開不能な他端を挟持部104a〜cの基端側へ向けて、展開方向を挟持部104a〜cの回動方向と略一致させた状態で、挟持部104a〜cとカバー部103とに取り付けられている。これにより、カバー部103が開位置にあるときに、各空気袋105a〜cが膨張・収縮することにより、挟持部104a〜cが夫々支持面102aに対して近接・離反する方向へ回動することとなる。
挟持部104a〜cは、支持面102aの略前面に亘って対向するように設けられており、被施療者が前腕を支持面102aに載せた状態で、挟持部104a〜cを支持面102aに近接させることにより、支持面102aと挟持部104a〜cとで被施療者の前腕を略全長に亘って挟持することが可能となっている。これにより、支持面102aを肘置きとして使用することができ、また被施療者の前腕をしっかりと挟持することが可能である。
また、図16に示す如く、挟持部104aの支持面102aとの対向面には、空気袋106a,107aが取り付けられている。空気袋106aは挟持部104aの先端側に配され、空気袋107aは挟持部104aの基端側に配されていて、各空気袋106a,107aが夫々重ならないように挟持部104aに取り付けられている。また、挟持部104bの支持面102aとの対向面にも、空気袋106b,107bが同様に取り付けられており、挟持部104cの支持面102aとの対向面にも、空気袋106c,107cが同様に取り付けられている。このように、本実施の形態5においては、空気袋106a〜c,107a〜c及びバイブレータ108a,bによって、本発明に係る施療部が構成されており、空気袋105a〜cによって、本発明に係る駆動部が構成されている。
図18は、本発明の実施の形態5に係るマッサージ機100の構成の一部を示すブロック図である。図18に示すように、マッサージ機100には、制御部112が内蔵されている。この制御部112は、CPU,ROM,RAM,及び計時装置等から構成されており、後述するような制御プログラムを実行し、接続された各機器の動作を制御することができるようになっている。
制御部112には、給排気装置113が接続されており、該給排気装置113の動作を制御することが可能に構成されている。この給排気装置113は、電磁弁等の切替バルブ及びエアポンプ等によって構成されており、前述した空気袋105a〜c,106a〜c,107a〜cにエアホースを介して接続されている。また、給排気装置113は、空気袋105a〜c,106a〜c,107a〜cに対して各々独立的に吸気及び排気を行うことが可能となっている。
また、制御部112には、バイブレータ108a,bが夫々駆動回路114を介して接続されており、バイブレータ108a,bの動作を夫々制御することが可能に構成されている。
また、制御部112は、被施療者からの動作指示を受け付けるリモートコントローラ等の操作部45に接続されている。
なお、図18においては、図を簡単にするために一方のアームレスト101のみを示しているが、実際には1つのマッサージ機101について2つのアームレスト101が設けられている。
本実施の形態に係るマッサージ機100のその他の構成は、実施の形態1に係るマッサージ機1の構成と同様であるので、同様の構成要素については同符号を付し、その説明を省略する。
次に、本発明の実施の形態5に係るマッサージ機100の動作について説明する。図19及び図20は、本発明の実施の形態5に係るマッサージ機100のアームレスト101を動作させる場合の動作の流れの一例を示すフローチャートである。被施療者はマッサージ機100に着座し、腕部の施療を受ける場合には、左右のアームレスト101のロック機構109のボタン109cを押動させてカバー部103の係止を解除し、各カバー部103を開位置まで回動させる。
図21は、本発明の実施の形態5に係るアームレスト101の動作開始前の状態を示す平面図であり、図22は、その側面図である。図21,22に示す如く、アームレスト101は、被施療者から動作指示を受ける前には、空気袋105a〜c,106a〜c,107a〜cが膨張しておらず、このため挟持部104a〜cが最も支持面102aへ近接した位置にある。この結果、アームレスト101は、挟持部104a〜cと支持面102aとの間が大きく開かれた状態となっており、被施療者がこの空間に前腕を容易に入れることが可能である。
被施療者は、前記空間に前腕を入れ(又は前腕を入れる直前に)、操作部45を用いて動作指示の入力を行う(ステップS1)。本実施の形態5では、腕部のマッサージプログラムとして、腕揉みコースと腕さすり揉みコースとが予めマッサージ機100に設定されているものとして説明する。腕揉みコース及び腕さすり揉みコースの夫々のマッサージプログラムは、操作部45の異なる操作キーに対応付けられており、被施療者は夫々の操作キーを押下することによって夫々のマッサージプログラムの開始を指示することができるようになっている。
ステップS1において、腕揉みコースの開始を指示する操作入力が与えられた場合には(ステップS1で「腕揉みコース」)、これを表す信号が制御部112に送信され、制御部112は次のような処理を行う。
図23は、本発明の実施の形態5に係るアームレスト101の腕揉みコース実行中の状態を示す平面図であり、図24は、その側面図である。まず、制御部112は、空気袋105a〜cに対する給気を行わせる制御信号を給排気装置113へ送信する(ステップS2)。給排気装置113はこの制御信号に従って空気袋105a〜cに対する給気を行い、これによって空気袋105a〜cが膨張する。そして、図23,24に示す如く、挟持部104a〜cが回動軸111を中心として支持面102aへ近接する方向へ回動する。
制御部112は、空気袋105a〜cへの給気開始から所定時間経過したか否かを判別し(ステップS3)、経過していない場合には(ステップS3でNO)ステップS2へ処理を戻す。また、ステップS3において、給気開始から所定時間経過した場合には(ステップS3でYES)、空気袋105a〜cへの給気を停止するように給排気装置113の動作を制御する(ステップS4)。これにより、挟持部104a〜cの回動が停止する。
次に、制御部112は、バイブレータ108a,bを所定の振動パターンで動作させる制御信号を駆動回路114へ送信し(ステップS5)、また空気袋106a〜c,107a〜cに対する給気を行わせる制御信号を給排気装置113へ送信する(ステップS6)。給排気装置113はこの制御信号に従って空気袋106a〜c,107a〜cに対する給気を行い、これによって空気袋106a〜c,107a〜cが膨張し、被施療者の前腕が押圧される。また、バイブレータ108a,bの振動も開始される。
このようにアームレスト101を動作させることにより、支持面102aと挟持部104a〜cとによって被施療者の前腕を挟んだ状態で施療することができるので、空気袋106a〜c,107a〜cによる押圧の作用方向へ被施療者の前腕が逃げることがなく、空気袋106a〜c,107a〜cによる押圧刺激を確実に被施療者の前腕に与えることができる。また、挟持部104a〜cによって被施療者の前腕を下方へ押し付けることにより、バイブレータ108a,bによる振動刺激をより一層効率的に被施療者の前腕に与えることができる。
制御部112は、空気袋106a〜c,107a〜cへの給気開始から所定時間経過したか否かを判別し(ステップS7)、経過していない場合には(ステップS7でNO)ステップS6へ処理を戻す。また、ステップS7において、給気開始から所定時間経過した場合には(ステップS7でYES)、空気袋106a〜c,107a〜cの排気を行うように給排気装置113の動作を制御する(ステップS8)。これにより、空気袋106a〜c,107a〜cが収縮し、被施療者の前腕の圧迫刺激が緩和される。
このような動作の途中で、被施療者は操作部45に対して動作終了を指示する操作入力を行うことができる。かかる操作入力が行われた場合には、これを表す信号が制御部112に送信される。制御部112は、ステップS8の処理を実行した後に、被施療者によって動作終了が指示されたか否かを判別し(ステップS9)、動作終了が指示された場合には(ステップS9でYES)、バイブレータ108a,bの振動を停止させるべく駆動回路114を制御し(ステップS10)、また空気袋105a〜c,106a〜c,107a〜cの排気を行うように給排気装置113の動作を制御し(ステップS11)、処理を終了する。また、制御部112は、ステップS9において動作終了が指示されていない場合には(ステップS9でNO)、ステップS6へ処理を移す。
一方、ステップS1において、腕さすり揉みコースの開始を指示する操作入力が与えられた場合には(ステップS1で「腕さすり揉みコース」)、これを表す信号が制御部112に送信され、制御部112は次のような処理を行う。
まず、制御部112は、空気袋105a〜cに対する給気を行わせる制御信号を給排気装置113へ送信する(ステップS12)。給排気装置113はこの制御信号に従って空気袋105a〜cに対する給気を行い、これによって空気袋105a〜cが膨張する。そして、図23,24に示す如く、挟持部104a〜cが回動軸111を中心として支持面102aへ近接する方向へ回動する。
制御部112は、空気袋105a〜cへの給気開始から所定時間経過したか否かを判別し(ステップS13)、経過していない場合には(ステップS13でNO)ステップS12へ処理を戻す。また、ステップS13において、給気開始から所定時間経過した場合には(ステップS13でYES)、空気袋105a〜cへの給気を停止するように給排気装置113の動作を制御する(ステップS14)。これにより、挟持部104a〜cの回動が停止する。
次に、制御部112は、バイブレータ108a,bを所定の振動パターンで動作させる制御信号を駆動回路114へ送信し(ステップS15)、また空気袋106a,107aに対する給気を行わせる制御信号を給排気装置113へ送信する(ステップS16)。給排気装置113はこの制御信号に従って空気袋106a,107aに対する給気を行い、これによって空気袋106a,107aが膨張し、被施療者の前腕の前側の部分が押圧される。
制御部112は、空気袋106a,107aへの給気開始から所定時間経過したか否かを判別し(ステップS17)、経過していない場合には(ステップS17でNO)ステップS16へ処理を戻す。また、ステップS17において、給気開始から所定時間経過した場合には(ステップS17でYES)、空気袋106a,107aの排気を行うように給排気装置113の動作を制御する(ステップS18)。
また、ステップS18の処理と略同時に、制御部112は、空気袋106b,107bに対する給気を行わせる制御信号を給排気装置113へ送信する(ステップS19)。給排気装置113はこれらの制御信号に従って、空気袋106a,107aに対する排気及び空気袋106b,107bに対する給気を行い、これによって空気袋106a,107aが収縮すると同時に、空気袋106b,107bが膨張し、被施療者の前腕の前側の部分の圧迫刺激が緩和され、また被施療者の前腕の中央部分が押圧される。これにより、被施療者の前腕の前側の部分から中央部分へと押圧刺激を受ける部位が移動することとなる。
制御部112は、空気袋106b,107bへの給気開始から所定時間経過したか否かを判別し(ステップS20)、経過していない場合には(ステップS20でNO)ステップS19へ処理を戻す。また、ステップS20において、給気開始から所定時間経過した場合には(ステップS20でYES)、空気袋106b,107bの排気を行うように給排気装置113の動作を制御する(ステップS21)。
また、ステップS21の処理と略同時に、制御部112は、空気袋106c,107cに対する給気を行わせる制御信号を給排気装置113へ送信する(ステップS22)。給排気装置113はこれらの制御信号に従って、空気袋106b,107bに対する排気及び空気袋106c,107cに対する給気を行い、これによって空気袋106b,107bが収縮すると同時に、空気袋106c,107cが膨張し、被施療者の前腕の中央部分の圧迫刺激が緩和され、また被施療者の前腕の後側の部分が押圧される。これにより、被施療者の前腕の中央部分から後側の部分へと押圧刺激を受ける部位が移動することとなる。
制御部112は、空気袋106c,107cへの給気開始から所定時間経過したか否かを判別し(ステップS23)、経過していない場合には(ステップS23でNO)ステップS22へ処理を戻す。また、ステップS23において、給気開始から所定時間経過した場合には(ステップS23でYES)、空気袋106c,107cの排気を行うように給排気装置113の動作を制御する(ステップS24)。これにより、空気袋106c,107cが収縮し、被施療者の前腕の後側の部分の圧迫刺激が緩和される。
つまり、ステップS16〜S24の処理にかけて、被施療者の前腕を前側から後側へかけてさするような所謂さすり揉みに相当するマッサージを行うことができる。また、腕さすり揉みコースにおいても、支持面102aと挟持部104a〜cとによって被施療者の前腕を挟んだ状態で施療するので、空気袋106a〜c,107a〜cによる押圧の作用方向へ被施療者の前腕が逃げることがなく、空気袋106a〜c,107a〜cによる押圧刺激を確実に被施療者の前腕に与えることができる。また、挟持部104a〜cによって被施療者の前腕を下方へ押し付けることにより、バイブレータ108a,bによる振動刺激をより一層効率的に被施療者の前腕に与えることができる。
このような動作の途中で、被施療者は操作部45に対して動作終了を指示する操作入力を行うことができる。制御部112は、ステップS24の処理を実行した後に、被施療者によって動作終了が指示されたか否かを判別し(ステップS25)、動作終了が指示された場合には(ステップS25でYES)、バイブレータ108a,bの振動を停止させるべく駆動回路114を制御し(ステップS26)、空気袋105a〜c,106a〜c,107a〜cの排気を行うように給排気装置113の動作を制御し(ステップS27)、処理を終了する。また、制御部112は、ステップS25において動作終了が指示されていない場合には(ステップS25でNO)、ステップS16へ処理を移す。
なお、以上説明したアームレスト101の動作はその一例であり、例えば空気袋105a〜c,106a〜c,107a〜cを膨張させた後、空気袋105a〜cだけを収縮させるように給排気装置113の動作制御を行うことにより、空気袋106a〜c,107a〜cによって被施療者の前腕を挟んだ状態で挟持部104a〜cを支持面102aから離反させ、施療者が被施療者の腕部を挟むように掴み、掴んだ状態のまま施療位置を腕の外側へずらすように施療する所謂引き揉みに相当する刺激を被施療者の腕部に与えるように動作させてもよい。
また、例えば空気袋105a,106a,107aだけ、空気袋105b,106b,107bだけ、又は空気袋105c,106c,107cだけを膨張又は収縮させることにより、被施療者の前腕の前側の部分だけ、中央部分だけ、又は後側の部分だけを集中的に施療するように動作させてもよい。
また腕部の施療を受けない場合には、左右のアームレスト101のカバー部103を閉位置にある状態にし、両前腕を夫々左右のアームレスト101の上面に置いた状態でマッサージ機101に楽な姿勢で着座することができる。また、カバー部103を閉じることによって、挟持部104a〜c等を隠すことができ、外観を好ましいものとすることができる。
なお、実施の形態1に係るフットレスト4と同様のフットレストを設ける構成ではなく、如何なる形態のフットレストを設けた構成としてもよいし、またフットレストを設けない構成であってもよい。
また、フットレスト及びアームレスト101を異なる構成のものとしたが、アームレスト101と同様の構成のフットレストをマッサージ機100が備えていてもよい。
また、本実施の形態5においては、アームレスト101を背凭れ部3に固定して設けた構成について述べたが、これに限定されるものではなく、例えばアームレスト101を背凭れ部3に対して前後にスライドさせることが可能な構成としてもよいし、上下に傾斜させることが可能な構成としてもよい。このとき、アームレスト101の前後位置又は傾斜角度を一定に保つことができるようなロック機構を設けておき、背凭れ部3に対して静止した状態を保つことができるように構成しておく。これにより、アームレスト101の位置を調節して被施療者がより一層楽な姿勢をとることができるようになり、またその姿勢で被施療者の前腕をしっかりと支持することが可能となる。