JP4153598B2 - 液封防振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は自動車のサスペンション部に用いるダンパーマウント等に使用する液封防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このようなダンパーマウントは公知であり、パイプ部材を用いた芯部材と、その周囲へ一体に形成された筒状で防振本体部をなす弾性部材と、この弾性部材を圧入する外側部材とを備え、弾性部材の外周部に開放され、かつ肉厚内へ彫り込まれる周囲溝を形成し、この周囲溝内へ全体として略リング状をなすよう複数に分割された円弧状部材を嵌合することにより、周囲溝の円弧状部材周囲にオリフィス通路を形成するようになっている。
この円弧状部材は全体として連続するリング状をなすよう、隣り合う端部相互を当接させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例のオリフィス通路断面は全周で一定であり、このオリフィス通路固有の共振点で動バネ定数のボトムを形成し、低動バネ化を図ることができる。しかしながら、動バネ定数のボトムに続いてはね上がりが発生し、動バネ定数が急激に上昇する。したがって低動バネの範囲が狭くなるため、低動バネのより広帯域化が望まれている。
【0004】
しかも、各円弧状部材を隣り合う端部が当接するように周囲溝内へ嵌合して固定するので、端部相互の密着シール構造が難しくなる。そのうえ、液室を仕切るため円弧状部材に突部等を設ければ全体を一様断面で成形できなくなり、複雑な成形が必要になる。したがって、液室や円弧状部材も簡単に形成できることが望まれている。本願発明は係る要請の実現を主たる目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願の液封防振装置に係る請求項1の発明は、パイプ部材を用いた芯部材と、その周囲へ一体に形成された筒状の弾性部材と、この弾性部材を圧入する外側部材とを備え、弾性部材の外周部に開放され、かつ肉厚内へ彫り込まれる周囲溝を形成し、この周囲溝内へ全体として略リング状をなすよう複数に分割された円弧状部材を嵌合することにより、周囲溝内の円弧状部材周囲にオリフィス通路を形成した液封防振装置において、周囲溝は弾性部材と一体に形成された仕切壁により周方向へ分割された複数の円弧状溝からなり、これらの円弧状溝に嵌合する円弧状部材のうち、少なくとも2つが互いに断面形状の異なる組合せをなすとともに、各円弧状部材の隣り合う端部は、仕切壁を挟んで不連続であり、かつ仕切壁近傍の円弧状溝の縁部に形成されたストッパ段部によって位置決めされていることを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記芯部材が長さ方向に一様断面のパイプ部材と、その周囲に一体形成された樹脂部とで構成され、パイプ部材の最大外径は、外側部材を嵌合するカップ状のブラケットに形成された取付穴の穴径よりも小さくかつこの取付け穴と同心上に配設され、樹脂部は取付穴近傍に半径方向へ突出する拡大部を備え、この拡大部の最大径を穴径よりも大きくしたことを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、パイプ部材の軸方向一端部に外向きフランジを有するリング部材を取付けるとともに、この取付部を含むリング全体を樹脂部内へ埋設したことを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、パイプ部材とともに芯部材を構成する樹脂部は、芯部材の軸直交断面内における直交2方向で互いに非対称形状であり、その周囲へ一体成形される弾性部材の肉厚も前記直交2方向で互いに異なることを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1の発明において、円筒状の外側部材軸方向一端に取付けられた円形のストッパプレート外周部にフランジ部を設け、かつこのフランジ部の周方向へ間隔をもって切り欠き部を設けるとともに、外側部材は前記フランジ部の内側へ圧入される端面が円形状をなし、かつその圧入側端面の前記切り欠き部と対応する位置に爪部を設け、外側部材をフランジ部へ圧入して爪部を切り欠き部から突出させた後、ストッパプレート上へ折り曲げて一体化することを特徴とする。
【0010】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、少なくとも2つの円弧状部材が互いに異る断面をなすので、それぞれの周囲に形成されるオリフィス通路は互いに異なる通路断面積をなす。その結果、仮にこれら2つの円弧状部材を180゜間隔で使用時における、例えば、車両の前後方向へ配置した場合、一方のオリフィス通路の共振周波数faと、他方のオリフィス通路の同fbが異なることになり、図2に示すように、各オリフィス通路の動バネ定数特性グラフは丸付数字1及び2で示す曲線のように異なり、そのボトムはfafbと異なる。
【0011】
そこで、本願発明のように、通路断面積の異なる複数のオリフィス通路を同時に併有すると、全体としての特性グラフは丸付数字1で示す曲線と同2で示す曲線が連成された丸付数字3で示す曲線となり、ほぼfafbと対応する位置に二つのボトムを生じ、低動バネの帯域が広域化する。
【0012】
また、略90゜異なる方向、例えば、左右方向においては、同じ流路断面積となるので、この方向と直交する前後方向における振動に対しては、図3に示すように一つのボトムfcが生じる。したがって、上記の場合には、左右方向と前後方向においてさらに異なる特性が得られることになる。
【0013】
なお、上記説明は、円弧状溝、円弧状部材及びオリフィス通路をそれぞれ2つずつにした例であるが、3以上の複数にすることは任意であり、その数に応じてボトムの数を増加させ、より広帯域化することができる。
【0014】
そのうえ、弾性部材と一体に形成した仕切壁にて周囲溝を複数の円弧溝に分割するので、各円弧溝の形成が容易になり、かつ各円弧溝内の容積を正確に決定できる。また、隣り合う円弧状部材を仕切壁近傍における円弧状溝の縁部にて互いに不連続に位置決めするので、隣り合う円弧状部材の端部相互を接っして連続させる従来例と比べて接合精度が問題にならないので、円弧状部材の取付が容易になる。
【0015】
特に、互いに断面形状の異なる円弧状部材を上記従来例のように連続させようとすれば、各円弧状部材の接続部を他の部分と異なる特殊形状にしなければならないから、さらに成形条件が難しくなるが、本願発明によれば各円弧状部材をそれぞれ全体として一様断面に成形することができるので、円弧状部材の成形が極めて容易となる。
【0016】
しかも、円弧状部材の位置決めを弾性部材で行うことにより、位置決めが容易になるとともに、各円弧状部材間の間隔を比較的精度よく維持でき、かつ組付け誤差の吸収も材料自体の弾性により容易である。
【0017】
請求項2の発明によれば、樹脂部に設けた拡大部の最大径を取付穴の穴径よりも大きくしたので、パイプ部材の最大外径を取付穴の穴径よりも小さくしても、芯部材全体としての取付穴に対する抜け止めが可能になる。したがって、パイプ部材を比較的小径のもにすることが可能になり、芯部材全体として軽量化並びに成形性向上を図ることができ、コストを低減できる。
【0018】
請求項3の発明によれば、パイプ部材の軸方向一端部にリング部材を圧入して、この圧入部を含むリング全体を樹脂部内へ埋設したので、リング部材で樹脂部を補強できるとともに、リング部材の圧入されたパイプ部材の端部を特に塗装しなくても錆から守ることができ、塗装コストを省略できかつ耐久性を向上できる。
【0019】
請求項4の発明によれば、芯部材の軸直交断面内における直交2方向の樹脂部の形状を非対称にしたので、その周囲へ一体成形される弾性部材の肉厚を前記直交2方向で互いに異ならせることができる。その結果、これら直交方向における弾性部材の静バネ定数を互いに異ならせ、入力振動方向に対するバネ特性を互いに変化させることができる。
【0020】
請求項5の発明によれば、外側部材をストッパプレート外周部のフランジ部に圧入し、かつ外側部材の爪部を折り曲げることにより連結するので、連結作業が容易になるとともに、外側部材の端部がフランジ部へ圧入しているため、大入力時においても十分に耐えることのできる連結強度を確保できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1以降に自動車のサスペンション部におけるダンパーマウントに適用された実施例を説明する。図1は本実施例に係る図4の1−1線相当断面図、図2はこのダンパーマウントの動バネ特性図(前後方向)、図3は同じくその動バネ特性図(左右方向)、図4は実施例の平面図、図5は図4の5−5線断面図、図6は芯部材と一体化した弾性部材の平面図、図7は図9の7−7線断面図、図8は図9の8−8線断面図、図9は図6の9−9線断面図、図10は図6の10−10線断面図、図11は、図9のC部拡大断面図、図12は円弧状部材の斜視図、図13は組立方の説明図である。
【0022】
図1、4及び5に示すように、このダンパーマウントは、芯部材1と一体の弾性部材2の外周部に周囲溝を設けるとともに、この周囲溝を弾性部材2と一体の仕切壁で周方向に分断した複数の円弧状溝3とし、かつこの弾性部材2を外側部材4内へ圧入することにより180゜間隔で2つの液室を対称的に形成してある。
【0023】
各円弧状溝3間はオリフィス通路で連通するとともに、各円弧状溝3内へ互いに異形断面となる円弧状部材5,6を嵌合し、円弧状部材5,6の周囲に通路断面積の異なるオリフィス通路7,8を形成する。符号9は芯部材1が取付けられるサスペンション側取付部である。
【0024】
弾性部材2の周囲部にアウターカラー10、11が一体化され、円筒状の外側部材4内に圧入されている。
【0025】
弾性部材2の軸方向一端側には、ストッパプレート12が重ねられ、外側部材4の一端に周方向へ90度間隔で形成された爪13を折り曲げることによりカシメ止めされている。
【0026】
外側部材4の他端側は取付ブラケット14のカップ部15へ圧入され、取付ブラケット14の周囲はボルト16で車体側へ取付けられる。カップ部15の底部にはサスペンション用ダンパーのスプリングを収容する連結カップ17が一体化されている。
【0027】
図6乃至図11は弾性部材2の構造を示し、その外周部に形成された周囲溝は芯部材1を挟んで左右に対称位置に形成された一対の仕切壁20により前後に仕切られて一対の円弧状溝3をなしている。但し、仕切壁20の半径方向突出端は弾性部材2の外周より若干内側へ引き込んで前後の円弧状溝3の連通路21をなし、外側部材4との間で前後の円弧状溝3を連絡するオリフィス通路になっている(図5)。
【0028】
図5及び図9,10に明らかなように、弾性部材2の半径方向と平行な平面内における直交断面でそれぞれ形状が異なり、左右方向が薄く、前後方向に厚くなっており、互いに異なる断面になっている。
【0029】
アウターカラー10は円弧状溝3側が小径部をなし、その軸方向端面で円弧状溝3へ臨む側は露出端22をなす。アウターカラー10の小径部外周には弾性部材2と一体のゴム被覆部23が設けられ、その外周全周に環状シールリップ24が一体に形成されている。(図11)。アウターカラー10の小径部で露出端22の近傍部は被覆部23から突出した突出部18をなす。
【0030】
また、ゴム被覆部23の円弧状溝3側端部は露出端22よりも図の上方側へ引っ込んだ嵌合凹部25をなしている(図9)。この嵌合凹部25は、図8に示すように、弾性部材2の外周面で円弧状溝3の縁部に沿って周方向へ長く形成され、その周方向端部は仕切壁20の近傍に位置し、ストッパ段部3aになっている。
【0031】
この露出端22及び嵌合凹部25は全周に形成されず、仕切壁20の近傍部分は除かれる。この部分には嵌合凹部25は形成されず、ゴム被覆部23は露出端22を一体に覆っている(図10)。
【0032】
また、露出端22と対応するアウターカラー11側の端面はほぼその全周を弾性部材2の一部である端面被覆26で覆われ、かつアウターカラー11の外周も外周被覆27で覆われ、その外周面にも全周の環状シールリップ28が形成されている(図9,10)。この環状シールリップ28は環状シールリップ24と同一構造である。
【0033】
円弧状部材5,6は、図12に示すように略半円弧状をなし、適当な樹脂やアルミ等の適宜金属で成形されている。円弧状部材5は円弧状溝3へ嵌合する突部5aと、組立時に弾性部材2の外周面と外側部材4の間に狭持される固定部5bを一体に備え、長手方向に一様断面で形成されている。突部5aは内側(ダンパーマウントの軸心方向、図1参照)へ突出し、かつ略楔形断面をなし、その基部の一部が当接部5cとなっている。
【0034】
固定部5bは、弾性部材2の外周面で円弧状溝3の縁部に沿って形成された嵌合凹部25(図8)に嵌合し、組立時には、図1に明らかなように、アウターカラー10の突出部18と外側部材4との間に挟まれて固定されている。このとき、当接部5cは端面被覆26に当接するので、この弾性を利用して寸法公差の吸収とシール性の向上が図られる。
【0035】
円弧状部材6も同様構造をなすが、突部6aの断面形状は異なり、突出程度が少なくなっている。このため、円弧状部材5の突部5a周囲に形成されるオリフィス通路7の通路断面積よりも、円弧状部材6の突部6a周囲に形成されるオリフィス通路8の通路断面積の方がかなり大きくなっている。符号、6bは固定部、6cは当接部であり、それぞれ円弧状部材5側のものと同様構造である。
【0036】
取付時における円弧状部材5,6の隣り合う端部は不連続であり、仕切壁20の近傍における円弧状溝3の縁部に形成されたストッパ段部3a(図8)により位置決めされる。
【0037】
芯部材1は鍛造等で製造されたパイプ30とその周囲に形成された樹脂部31を備え、樹脂部31は、前記直交断面内における直交2方向で形状が異なり、前後方向に薄く(図9)、左右方向に厚くなっている(図10)。
【0038】
また、円弧状溝3に対応する周囲部に全周の凹溝32が形成され、弾性部材2と樹脂部31との結合を強化する構造になっている。
【0039】
パイプ30の軸方向の一端部は小径部33をなし、この部分はフランジ付きリング部材34へ圧入されている。フランジ付きリング部材34は外向きフランジ35を有し、樹脂部31の肉厚内に半径方向外方へ延出している。外向きフランジ35には貫通穴36が形成され、樹脂部31の成形性を良好にしている。
【0040】
なお、パイプ30の外径D1、凹溝32の最深部外径D2、外向きフランジ35の外径D3の関係は、D1<D2<D3の関係になっている。樹脂部31はフランジ付きリング部材34全体を被覆している。このフランジ付きリング部材34を被覆する部分は取付穴15a近傍に位置して半径方向へ突出する拡大部37をなし、この部分の外径が前後方向断面(図9)における樹脂部31並びに芯部材1の最大径部となっている。また、図5に示すように、取付ブラケット14のカップ部15に形成された取付穴15aの穴径Dに対しては、D1<D<D2<D3の関係になっている。
【0041】
次に、組立方法を説明する。図13は外側部材4とストッパープレート12の結合方法であり、ストッパープレート12の周囲はフランジ壁40が形成され、その周方向に適当数の切り欠き部41が等間隔で形成されている。
【0042】
一方、外側部材4の圧入側端面42には、切り欠き部41と対応する位置に軸方向へ爪13が突出形成されておる。
【0043】
そこで、図13のa、bに示すように切り欠き部41と爪13を一致させてフランジ壁40の内側へ圧入側端面42を圧入すると、爪13がストッパープレート12の上方へ突出する。
【0044】
その後、爪13をストッパープレート12上へ折り曲げると、確実に外側部材4とストッパープレート12をカシメにより固定できる(c)。
【0045】
次に、本実施例の作用を説明する。このダンパーマウントが前後左右に振動すると、円弧状部材5,6が突出部18でアウターカラー10側へ固定されているため、芯部材1と一体の弾性部材2の変形により、円弧状溝3が相対移動して容積が変化し、円弧状部材5,6の周囲に液体流動が生じて、2つの円弧状溝3の間を連通路21を介して移動する。
【0046】
このとき、特に、左右方向への振動に対しては、通路断面積が互いに異なるオリフィス通路7,8内をそれぞれ液体が左右へ流動することにより、互いに異なる固有の共振周波数で共振し、図2の丸付数字3で示す曲線に示すように、2つのボトムを有する広帯域の低動バネを実現する。
【0047】
しかも、図7及び8に示すように、前後方向の入力振動に対しては、左右の仕切壁20近傍における流路の断面積が同じでかつ180゜異なる対称位置にあるため、この左右の仕切壁20部分にある左右通路を通って前後の液室間に液体が流動し、この流動の共振は左右共通となり、その結果、図3に示すように、動バネ特性に表れるボトムは、単一のボトムfcとなる。したがって、前後方向と左右方向の振動に対して異なる動バネ特性を生じさせることが可能になる。
【0048】
このとき、前後方向の断面では、樹脂部31が薄く、かつ弾性部材2が厚いので、静バネ定数が低くなり、左右方向の断面では、逆に樹脂部31が厚く弾性部材2が薄いので静バネ定数が高くなる。したがって、左右方向と前後方向では静バネ定数を任意に変えることができる。
【0049】
そのうえ、弾性部材2と一体に形成した仕切壁20にて周囲溝を複数の円弧溝3に分割するので、各円弧溝3の形成が容易になり、かつ各円弧溝3内の容積を正確に決定できる。
【0050】
また、円弧状部材5、6を円弧溝3に沿って延びる嵌合凹部25へ嵌合し、かつ仕切壁20近傍における嵌合凹部25の端部であるストッパ段部3aにて、隣り合う端部が仕切壁20を挟んで互いに不連続なるように位置決めするので、隣り合う円弧状部材5、6の端部相互を接っして連続させる従来例と比べて接合精度が問題にならず、円弧状部材5、6の取付が容易になる。
【0051】
特に、互いに断面形状の異なる円弧状部材を上記従来例のように連続させようとすれば、各円弧状部材の接続部を他の部分と異なる特殊形状にしなければならないから、さらに成形条件が難しくなるが、本実施例によれば各円弧状部材5、6をそれぞれ全体として一様断面に成形することができるので、円弧状部材5、6の成形が極めて容易となる。
【0052】
しかも、円弧状部材5、6の位置決めを弾性部材2で行うことにより、位置決めが容易になるとともに、各円弧状部材5、6間の間隔を比較的精度よく維持でき、かつ組付け誤差の吸収も材料自体の弾性により容易である。
【0053】
また、芯部材1をパイプ30と樹脂部31を用いた複合材で形成したので、パイプ30を通常のパイプ部材とし、全体を特殊形状に鍛造することを避けることができる。このため、樹脂部31により成形容易かつ軽量化を実現でき、かつ前記直交断面(図9・10)を互いに変化させることにより動バネ定数を変化させることが容易である。
【0054】
そのうえ、樹脂部31の拡大部37中にパイプ30の周囲へ広がる外向きフランジ35を有するフランジ付きリング部材34を埋設し、取付穴15aの穴径Dとの関係をD1<D<D2<D3としたので、取付穴15aに対する芯部材1の抜け止めができるとともに、この抜け止め構造をパイプ30と樹脂部31の複合構造としたので、パイプ30を取付穴15の穴径よりも小さな比較的小径でかつ通常の円形断面の部材を使用できる。したがって、軽量かつ成形容易であり、コストダウンが可能になる。
【0055】
また、樹脂部31でフランジ付きリング部材34の周囲を被覆したので圧入時に傷つき易い小径部33の外周部を樹脂部31で覆うことにより錆止めでき、この点でも耐久性が向上する。
【0056】
さらに、外側部材4をストッパプレート12外周部のフランジ部40に圧入し、かつ外側部材4の爪部13を折り曲げることにより連結するので、連結作業が容易になるとともに、外側部材4の端部がフランジ部40の内側へ圧入しているため、大入力時においても十分に耐えることのできる連結強度を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明を原理的に示す断面図
【図2】 その動バネ特性図(前後方向)
【図3】 その動バネ特性図(左右方向)
【図4】 実施例の平面図
【図5】 図4の5−5線断面図
【図6】 芯部材と一体化した弾性部材の平面図
【図7】 図9の7−7線断面図
【図8】 図9の8−8線断面図
【図9】 図6の9−9線断面図
【図10】 図6の10−10線断面図
【図11】 図9のC部拡大断面図
【図12】 円弧状部材の斜視図
【図13】 組立方の説明図
【符号の説明】
1:芯部材、2:弾性部材、3:円弧状溝、4:外側部材、5:円弧状部材、6:円弧状部材、7:オリフィス通路、8:オリフィス通路、14:取付ブラケット、15:カップ部(カップ状部材)

Claims (5)

  1. 部材と、その周囲へ一体に形成された筒状の弾性部材と、この弾性部材を圧入する円筒状の外側部材とを備え、弾性部材の外周部に開放され、かつ肉厚内へ彫り込まれる周囲溝を形成し、この周囲溝内へ全体として略リング状をなすよう複数に分割された円弧状部材を嵌合することにより、周囲溝内の円弧状部材周囲にオリフィス通路を形成した液封防振装置において、周囲溝は弾性部材と一体に形成された仕切壁により周方向へ分割された複数の円弧状溝からなり、これらの円弧状溝に嵌合する円弧状部材のうち、少なくとも2つが互いに断面形状の異なる組合せをなすとともに、各円弧状部材の隣り合う端部は、仕切壁を挟んで不連続であり、かつ仕切壁近傍の円弧状溝の縁部に形成されたストッパ段部によって位置決めされていることを特徴とする液封防振装置。
  2. 前記芯部材はパイプ部材と、その周囲に一体形成された樹脂部とで構成され、パイプ部材の最大外径は、外側部材を嵌合するカップ状のブラケットに形成された取付穴の穴径よりも小さくかつこの取付け穴と同心上に配設され、樹脂部は取付穴近傍に半径方向へ突出する拡大部を備え、この拡大部の最大径を穴径よりも大きくしたことを特徴とする請求項1に記載した液封防振装置。
  3. パイプ部材の軸方向一端部へ外向きフランジを有するリング部材を取付けるとともに、この取付部を含むリング全体を樹脂部内へ埋設したことを特徴とする請求項2に記載した液封防振装置。
  4. パイプ部材とともに芯部材を構成する樹脂部は芯部材の軸直交方向断面内における直交2方向で互いに非対称形状であり、その周囲へ一体成形される弾性部材の肉厚も前記直交2方向で互いに異なることを特徴とする請求項2に記載した液封防振装置。
  5. 円筒状の外側部材軸方向一端に取付けられた円形のストッパプレート外周部にフランジ部を設け、かつこのフランジ部の周方向へ間隔をもって切り欠き部を設けるとともに、外側部材は前記フランジ部の内側へ圧入される端面が円形状をなし、かつその圧入側端面の前記切り欠き部と対応する位置に爪部を設け、外側部材をフランジ部へ圧入して爪部を切り欠き部から突出させた後、ストッパプレート上へ折り曲げて一体化することを特徴とする請求項1に記載した液封防振装置。
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