JP4153433B2 - 物体のゲル状態またはゾル−ゲル状態変化の評価方法および装置 - Google Patents

物体のゲル状態またはゾル−ゲル状態変化の評価方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、ゲル状物体のゲル状態またはゾル−ゲル状態の変化を起こしうる物体について、二次元画像解析手法を用いて、コヒーレントな照射光断面の結像やスペックルパターンを指標にして、ゲル状態やゾル−ゲル状態の変化を非破壊かつ非接触かつ迅速に評価する方法関するものである。
二次元光散乱強度からゲル化過程またはゲル状態の観測を行う方法は、いくつか知られている。例えば、非エルゴード性試料のゲル化過程や状態を観測する方法(特開2000−214086号)や、ポリ塩化ビニルのゲル化度測定方法(特開平10−120795号)等があるが、これらは、薄膜状試料の透過散乱光の角度依存性を利用して、一定の散乱角においての輝度分布を測定する方法である。アガロースゲル生成過程(大塚電子株式会社ホームページ参照、平成14年3月15日検索、http://www.photal.co.jp/product/calls_6_1.html)や牛乳の凝乳生成過程(日本食品工業学会誌第39巻第4号p.309〜315)の解析について光散乱法を用いた例はいくつか開示されている。しかし、これらも、透過散乱光の角度依存性による散乱光強度を評価するものである。
従来技術では、例えば濁度が高い場合や光難透過性または肉厚の塊状のゲル物体またはゲル形成性ゾル物体に対しては、ほとんど光が侵入できないため、その透過散乱光の角度依存性は評価しにくかった。また試料は薄片に限定される、角度依存性評価のために装置が複雑化する、計測に時間がかかり生産ライン上の計測が難しい、角度の限定によっては、有用な情報が欠落してしまう等の問題点があった。
スペックルパターンは、コヒーレントな光が粗面に結像する際、その粗さによって、複雑に散乱し、干渉し合う結果、乱反射する光の空間的分布として輝度の強い斑点(スペックル)が多数発生し、コントラストのある斑点模様(いわゆるスペックルパターン)を形成する現象である。例えば、澱粉分散液やコラーゲンゲルの構造を光散乱測定によって解析する方法(特開平7−301602号)では、スペックルはノイズとして除去されている。このようにスペックルは過去、光等の電磁波や超音波の雑音として扱われていたが、近年、その応用計測技術として、変位、歪み、粗さの測定について紹介されている(具体例の記載なし。「実用光キーワード事典」朝倉書店p.202〜203)。また、スペックルパターンによる非接触式の移動距離(速度)測定や振動測定などに応用は多数考案されている。また物や人の認識に固有のスペックルパターンを利用する考案もされている(特開2000−149087号)。
一方、本発明者らは、先にゲル状食品またはゾル状食品の品質判別法について開示している(特許出願番号2001−301653)が、透過反射光の特定波長における吸光度から品質を評価する分光吸収法による方法である。
なお、本発明のように、光の複雑な散乱と干渉によって発生する照射光の結像の形またはスペックルパターンを利用して、ゲル状物体の状態やその変化の解析に利用した例はなく、ましてや、ゲル状食品・ゾル状食品(例えば豆腐・豆乳等)に適用した例は全くない。
ゲル状物体、例えばゲル状食品の品質は一般に物性、外観(形や色)、臭い、味を総合して食感を評価する。特に、硬さや弾力のような物性が食感や品質価値に与える影響は大きい。例えば、充填豆腐は冷却豆乳と凝固剤を混合して、充填包装後、加熱凝固して製造されるが、大豆品質の変動、人為的ミスによって、柔らか過ぎ、未凝固、凝固ムラ等の不良品がまれに発生する。その他、多くの高分子ゲル物体でも、同様な問題が発生している。
ゾル−ゲル状態変化を起こす物体は、大部分のゲル製品の生産工程で、ゾルからゲルへ変化させる工程を含み、その過程の管理は、従来は、作業者の経験と勘を頼りにしていた。その過程を客観的に計測できれば、品質管理上、有用な情報になる。また、ゾル状または液状食品(飲料)で、加工工程中や包装製品の保管中に、予期せぬ原因によってゲル化(凝固)し、不良品になる物体がある。逆に、ゲル状態を形成していた物体が、撹拌、外力、加熱等によってゾル状になり、不良品になる物体もある。
加工製品では出荷前に、専属の検査担当者が抜き取り検査(開封してみる)や、開封せず手触りや目視によって不良品の除去を行っている。しかし、人の経験と勘に頼る検査では、人為的なミスは避けられない。こうした検査に人件費が掛かる上、万一、不良品が市場に出荷されれば、クレーム問題になり、企業イメージや信用の低下、高額な補償金の請求、取引停止など、多大な損害を被る危険性がある。
食品の場合、平常の品質管理においても、予防措置として抜き取り検査によって、破壊試験や試食を行い、硬さや味などの品質をチェックするが、結果が出るまで時間がかかる、検査漏れを払拭できない、不良ロット全品を廃棄する等の問題があり、十分とは言えない。
しかし、従来の技術では、ゲル状物体またはゾル−ゲル状態変化を起こす物体、例えばゲル状食品やゾル状食品等の品質を非破壊かつ非接触かつ自動的に迅速判断する安価な計測方法は知られていない。
なお、スペックルパターンとは「レーザー光のようなコヒーレントな光で粗面を照明したとき、空間にコントラストの高い斑点の模様で、粗面の各点で散乱された光が互いに不規則な位相関係で干渉することによって生ずる複雑な干渉パターンである。」(「光用語事典」オーム社p.126−127)、「レーザー光を紙や摺りガラス、壁、木材、さらに金属やプラスティックのあらずり面に当てると、普通では見られない斑点状の模様が現れる。個々の斑点をスペックル(speckle)、模様をスペックル模様(speckle pattern)と通常呼んでいる。この模様は、拡散面の各点で散乱された光が、面の微視的な凹凸に対応した不規則な位相関係で干渉し合うために生ずる。」(「光学的測定ハンドブック」朝倉書店p.234)と、定義されている。
ただし、「模様の細かさは表面の粗さなど面の微視的な構造とは無関係で、面上の照射スポットの形と大きさで決まり、スポットを絞るほど模様は粗くなる。」「結像系のピントを拡散面から外すと、像はぼやけるが、スペックルは相変わらず明瞭である。」とある。(「光学的測定ハンドブック」朝倉書店p.235)
本発明の課題は物体のゲル状態や物体のゾル−ゲル状態変化について、非破壊かつ非接触式の計測方法を確立し、前記のような加工製品(包装製品や生産工程中の中間製品も含む。)の品質管理上の問題点を解決し、生産ライン上で全数検査を容易かつ安価に実施することが可能である、迅速な自動検査システムを提供することである。
本発明者らは、実際に、ゲル状物体やゾル−ゲル状態変化を起こす物体に対して、コヒーレントな光による反射型または透過型散乱光の二次元観測法を適用し、様々な条件を検討した結果、照射光断面の結像やスペックルパターンが、ゲル状態やゾルからゲルへの状態変化、ゲルからゾルへの状態変化、濃度、硬さ、弾性、触感、食感、粘性、凝固変質等の品質を反映していることを見出し、本発明に至った。
また具体的にレーザー光照射光源と、CCDカメラ等の二次元映像認識手段と、移送手段を備え、前記物体面または観測面に結像するレーザー光断面の像またはスペックルパターンを二次元映像として捉えて、その画像データを解析して、当該物体の前記品質を判定する、実用上安価で、迅速な非接触・非破壊自動計測システムを実現し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は次の(1)から(7)からなる。
(1) 請求項1記載の物体のゲル状態やゾル−ゲル状態変化の評価方法は、レーザ光を照射された、ゲル状またはゲル形成性ゾル状の物体を、二次元映像認識手段によって観測する散乱光観測システムにおいて、前記物体に外力を連続又は断続に与えながら、又は外力の付与を停止した直後に観測面で観測されるスペックルパターンの状態(コントラスト、濃淡、広がり等)を画像処理することによって、当該物体のゲル状態またはゾル−ゲル状態変化について評価することを特徴とする。
前記物体にコヒーレントな光(干渉可能な光。位相、波長、振幅等が揃った光)、例えばレーザー光線を照射すると、当該物体が半透明から不透明ならば入射側の表面、または透明から透明に近い半透明ならば物体裏側に配設した不透明性部材面(入射の反対側)にて、照射光の反射(または透過)散乱が起きて、照射光の像ができ、さらにその像を観測する二次元映像認識手段の観測面でも結像する。二次元映像認識手段手前で、開口絞りや焦点等の調整によっては前記物体面や前記観測面前後の空間における光を結像することができる。これら結像面、特に光線断面の像内やその周辺には、物体の表面の凹凸や内部の粗密、網目構造などによって複雑な反射する際に光路差や方向、波長(周波数)、位相などが微妙に変化した結果、光の干渉によって輝度の強い斑点(スペックル)が発生し、不規則な明暗模様(スペックルパターン)が現れる。これらの光の結像状態(形状、鮮明さ、輝度、濃淡、明暗等)やスペックルパターンの状態(形状、輝度の強さの分布、濃淡、明暗、コントラスト、鮮明さ、広がり等)を、二次元映像で検出できる映像認識手段、例えば肉眼やCCDカメラ等で認識する。好ましくは、散乱光強度の二次元分布映像の画像データを画像処理(2値化、エッジ処理、モービング処理等)や、パターン認識(例えば、ニューラルネットワークの利用)や相対的なパターン比較(例えば、微小な時間差で経時的に得られた2つ以上の画像における、パターンの一致度やその二次元分布の各画素の強度変化度)や、合計値、平均値、分散値などの統計解析処理、1次微分や2次微分等の多次微分、積分、四則演算、対数化、フーリエ変換などの演算処理して、数値化(以下、「スペックル値」という)する。特にスペックルパターンのコントラストは多次微分処理(例えば1次微分や2次微分処理)によって効果的に表現できる。さらに前記スペックル値から、あらかじめ相関関係が認められた因子間で成り立つ関係式を用いて、当該物体のゲル状態(編み目構造の粗密、硬さ、保水性等)やゾル−ゲル状態変化(例えばタンパク質等高分子のゲル化過程やゾル化過程等)に関する情報を得ることができる。
本発明の反射(または透過)光散乱によるスペックルパターンの発生原理は次のように考えられる。前記のように二次元で観察される反射(または透過)散乱光は、一部の光が前記物体の状態(コロイド状液状、微小な編み目構造、粗い編み目構造など)によって複雑に乱反射する表面反射光と、一部の光(特に可視光線の長波長側0.6μm以上〜近赤外線)が前記物体内部に深く浸透し、前記物体の状態(介在する部材の状態も含む)によって散乱、反射、屈折、偏光、回折、吸収、拡散等を複雑に繰り返しながら、再び表面(または裏面、側面)に飛散する透過反射散乱光から成る。これらの散乱光は、進行方向の変化(角度依存性による)、位相の変化、散乱光量の変化、波長(振動数)の変化等を起こし、お互いに干渉し合う。その結果、前記物体表面(裏面)や観測面に形成する光の結像内やその周辺に、斑点状に輝度の強い部分(スペックル)が表れる。そのコントラストや濃淡、明暗、広がり、各スペックルの大きさなどが、前記物体の品質(内部のゲル構造やコロイド状態やそれらの揺らぎ、等)によって変化するものと考えられる。硬いゲルではゲル構造は拘束された状態で安定したスペックルパターンが得られるが、軟らかいゲルや液状の構造では緩い状態でスペックルパターンは変化しやすく、同じ露光時間(例えば、シャッタースピード開放〜1/10,000)で比較すると、前者は明瞭な画像、後者は多重露光になり不明瞭な画像となるので、識別できる。
なお、本発明で利用する観測システムは、ある入射角θ1で入射した照射光を、ある角度θ2で反射(透過)した光を観測するシステムであり、特にθ1やθ2は限定されない。本発明では、従来のように様々な散乱角度で拡散した光を、ある散乱角度における散乱強度(輝度)に制限(抽出)するのではなく、ある観測方向からみて広範囲の散乱角度によって広く形成された結像全面を、観測する方法である。従来のような一定の散乱角に制限する方法では、熱揺らぎ、構造的揺らぎ、構造の不均一性、外乱的振動等による影響を受けやすく、有用な情報を欠落させてしまい、実際の生産工場で実施する上で、不安定かつ不都合な計測であった。これに対して、本発明では広範囲の散乱角度によって広く形成する輝度分布全面を一度に観測するので、散乱角度や散乱方向の多少の乱れには影響を受けにくい点や、最適な散乱角を探す(走査する)必要がない上、正確な焦点調整が不要で、どんな対象にも直ちに適用しやすい点が特徴である。多成分混合系の物体、ムラのある物体や成分分離が生じる物体、柔らかく歪みやすい材質、形状の物体などの不均一性を予測できる物体には有効な方法である。
また、2つ以上のコヒーレントな光を物体に照射することによって、包装材料の影響を差し引いたり、スペックル現象を増幅または明瞭化する方法も有効である。前記2つ以上のコヒーレントな光は、性質(波長や出力等)が同一かまたは異なる光源を2個以上設けるか、光源の光路にハーフパスミラー等の光学分割器を設けて2個以上の光線として照射する。例えば物体の同一位置に適当な入射角で照射させることによって、スペックル値がより明瞭になり安定する。
本発明の適用できるゲル状物体とは、水、油、有機溶剤や空気を分散媒として、タンパク質や多糖類や樹脂などの高分子を分散質または溶質とする物体であって、最終状態が固体又はゲル状である物体をいう。例えば食品、化粧品、医薬品、無機質ゲル、樹脂等の工業製品、生体組織、農水産物、液晶等の分野で、様々な材質からなるが、一般に高分子が三次元の網目状または蜂の巣状のようなスポンジ状構造(空隙は例えば0.001〜数十μmの空間に溶媒を保持した状態)を形成し、固体化(または結晶化)したものである。一見滑らかな表面は内部構造同様に微視的には粗面と言える。前記物体のゲル網目空隙が照射光波長の8分の1以上〜10倍程度(好ましくは1〜2倍)であれば、粗面または粗な網目状態であり、本発明を適用できる。
ゲル状物体は例えば寒天ゲル、ゼラチンゲル、豆腐、こんにゃく等のゲル状食品、ゲル状整髪料や口紅、高分子吸水シート、コラーゲンゲル等の化粧品、軟膏、ゼリー状クリーム、整形用シリコーンゲルなどの医薬・医療品、シリカゲルや土壌等の無機質ゲル、樹脂系ゲル(ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、塩化ビニリデン樹脂(PVDC)、ポリエステル樹脂(PET)、フッ素樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂(PA)、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂(MF)、フェノール樹脂(PF)、ユリア樹脂(UF)、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、オキシベンソイールポリエステル樹脂、ポリ乳酸樹脂等の生分解性プラスティック類、天然ゴム、合成ゴム、これらの複合材、発泡材など)からなるプラスティック製品やタイヤ等、漆や人工漆等やその加工製品(漆器、塗料等)、消臭剤保持材、人体の眼球、皮膚や内臓、脳等の生体組織、米・大豆等の穀物、野菜や果物、海草、魚介類、食肉などの農水畜産物、皮革製品、木材等、油ゲル化剤で固まった油脂、エマルションやミセル(マイクロカプセル)等であり、ポリマー、タンパク質、多糖類、油脂、界面活性剤やゲル化剤などの高分子が三次元の網目状または蜂の巣状のようなスポンジ状構造を形成し、固体化したものである。細胞が多数集合した生体組織や、コアセルベーションによるコアセルベートなども、近似的にゲル構造と見なすことができ、その形成や崩壊についても本発明が適用できる。
ゲル化剤とはゼラチン、寒天、デンプンや、松ヤニ、油ゲル化剤(12−ヒドロキシステアリン酸やパラフィンロウ等)や架橋酵素(ラッカーゼ、トランスグルタミナーゼ、チロシナーゼなどや、逆反応が架橋作用を示すリパーゼ、プロテアーゼ等)などの工業用添加物など、増粘力またはゲル化力、三次元網目構造や結晶構造を形成させる作用のある物質で特に限定しない。その他、樹脂のように加熱冷却によって、ゾル−ゲル転移を起こすような物質も含まれる。また界面活性剤のように油脂の結晶化に作用する物質、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステルなど長大な分子で、高級脂肪酸側鎖を有する乳化剤も油脂やエマルションに作用して、近似的に三次元構造や結晶構造を形成する。
ゾルからゲルへ状態変化を起こすゾル状物体としては、前記ゲル状物体のゾル状原材料の大部分が該当する。また、通常は流動性や粘性を有する液状(ゾル状)であって、加工や保存中に適当な刺激(微生物増殖、酵素反応、加熱、冷却、濃縮、乾燥、静置、腐敗、凝固剤添加、光化学反応等)によってゲル化する性質のゾル状物体も該当する。例えば豆乳、調整豆乳、豆乳飲料、高濃度の大豆タンパク溶液、生卵、卵白、卵豆腐や茶碗蒸しの仕込原料液、牛乳や牛乳加工飲料、寒天飲料、生澱粉液などのゾル状食品(飲料)や、血液、溶媒に分散した樹脂粉末原料、澱粉糊や接着剤、油ゲル化剤等であるが、これらに限定するものではない。例えば、豆乳や牛乳が凝固する過程、パン生地や魚肉すり身が熟成中に弾性が増す過程なども本発明で評価できる対象である。
逆に前記ゲル状物体で、適当な刺激(撹拌、外力、振動、加熱など)によって、ゾル状に変化する状態も本発明の対象になるゾル−ゲル状態の変化である。チキソトロピー性を示す物質のように、適当な刺激(撹拌、外力、振動、加熱など)によって、ゾル状に変化する物体であって、前記ゲル状物体の一部が該当する。例えば、高濃度の冷却豆乳ゲル、大豆タンパク質ゲル、寒天ゲル、ゼラチンゲル、ペクチンゲル等が挙げられる。生体細胞組織の崩壊や地震による液状化現象を示す土壌もゲル状態からゾル状態に変化する物体と言える。
また、前記物体の内部は均一組織で、表面または表面近傍の表層組織が内部組織を代表している物体が好ましい。また繊維状、糸状、粒子状、塊状などの集合体でもよい。前記物体は透明(光透過性)であっても、不透明(光不透過性)であってもよい。特に、図1のような形態によって光透過性の低い、半透明から不透明ゲルに対しても有効である。透明である場合、透過散乱光を前記映像認識手段で結像させる(図2)か、その透過散乱光の結像ができる光不透過性の部材を設ける(図3)形態をとることが好ましい。なお、その部材の表面は粗面であっても平滑な面であっても、一定であれば、相対的な比較が可能である。
本発明の実施は、前記ゲル状物体やゾル状物体の製造工程や流通において、原材料受け入れから、中間段階、包装工程前後、在庫保管中、輸送前後など如何なる工程や流通における最終状態の製品またはその中間製品に適用できる。計測時、当該対象物体または映像認識手段は移動(600mm/sec以下、好ましくは400〜10mm/sec)していてもよいが、再現性・安定性の点から静止させた方が好ましい。
前記物体の形状は立方体、直方体、円柱、カップ状、球状(例えば、風船ゴムのような材質で包装された球状充填豆腐)、粒子状、粉体状、塊状、板状、線(麺)状、繊維状、紡糸状、布状、フィルム状、チューブ状、ブロー容器、ボトル状、スタンディングパウチなど形状に特に限定しない。包装の有無も限定しないが、包装製品の場合、上面・側面・底面のいずれかに少なくとも、特定波長領域の光が一部分でも通過できる部分を有する包装材料で包装した場合に限る。
前記照射光は、干渉性(コヒーレンス性)、単色性、指向性のある光であることが好ましく、一般にレーザー光が最適である。特にコヒーレントな光は、反射各光線の位相や波長が複雑かつ微妙に変化し、回折、干渉や偏光を起こしやすく、波長によっては前記物体内部に浸透し、コントラストのある小斑点の模様(スペックルパターン)を前記結像面上で、照射光断面の像に重なるか、またはその周囲に形成する。このスペックルパターンや照射光断面の像によって、物体のゲル状態またはゾル−ゲル状態の情報を得ることができる。
前記照射光を発射する光源は、具体的には半導体レーザー(LD、2波長以上の光を含む場合も含む)が最も小型で安価である。また複数の、波長の異なる光源を組み合わせて、より多くの情報を得るよう構成してもよい。そのほか、固体レーザー(Nd:YAG、Ti:サファイア、Nd:ガラスなど)、液体レーザー(色素レーザー)、気体レーザー(He:Ne、Ar、炭酸ガス、エキシマレーザーなど)も利用できる。発光ダイオード(LED)、ストライプ型半導体レーザー(SLD)の使用も可能である。レーザー発振方法では連続レーザーやパルスレーザーでもよい。
また、前記光源は、前記レーザー光源以外に、フーリエ変換レンズ(コヒーレント処理)やバンドパスフィルターなど光学処理を組み合わせた水銀灯、ストロボ光源、白色光源(キセノンランプ、蛍光灯)、太陽光、白熱灯、ナトリウム灯、赤外光源(ニクロム線ヒーター、セラミックヒーター、タングステンランプ、タングステン・ハロゲンランプ等)や紫外線ランプ、X線を発生させるレーザープラズマ光源等も利用できる。
前記光源は、光軸断面形状による分類として、極小さい点光源、点光源の集まりになる線光源や面光源(円形、楕円、スポット光源、四角、リング状など)やマルチライン光源などが適用できる。そのほか、レンズ(凹凸レンズ、フーリエ変換レンズ等)やスリット板(1本以上の線状孔を有する)やピンホール板(1以上の小孔を有する)、反射板、(鏡などの平滑な板や金属板などの粗面の板など)光ファイバーなどによって光軸断面形状を変形、分散・干渉(例えば、コヒーレント性を部分的に有するスペックル状の照射光を用いる等)、制限または伝搬した投光方法も用いられる。また開口絞り、NDフィルター、バンドパスフィルター、偏光フィルター、干渉フィルターなどによる光量の調整や波長・偏光制限や、回折格子やプリズムによる分光を行ってもよい。その光軸断面の形状やサイズは製品の照射面積未満であれば特に限定しない。例えば、ゲル状食品またはゲル形成性ゾル状食品や化粧品、等のように小さい形態の製品では、スポット状等の面光源は0.01〜100mm程度が好ましく、1〜10mm程度が最適である。また線光源も幅、長さともに特に限定しないが、幅0.1〜10mm、長さ1mm〜1m程度が実用的である。
前記光のエネルギー密度は特に限定しないが、10W以下で10mWから1Wが適当である。前記物体内に浸透するために十分な出力を得たい場合、さらに高出力の光を用いる。
照射光の波長域は0.15〜0.4μm(紫外領域)、0.38〜0.75μm(可視領域)、0.75〜2.51μm(近赤外領域)、2.51〜25μm(中赤外領域)、25〜2,000μm(遠赤外領域)の範囲にあればよい。ただし、分散媒(例えば水や有機溶剤等)や包装材料など、物体を構成する分散質(高分子物質等)以外の強い吸収波長帯は避けた方が好ましい。
前記二次元で検出する映像認識手段は照射光が可視光線領域なら肉眼でもよいが、非可視光領域の光である場合は少なくとも、照射光と同じ波長域の光を撮影できる二次元映像認識手段、例えばCCD(電荷結合素子)カメラ、MOS型カメラ、TVカメラ、ビデオカメラ、映像管(ビジコン)、イメージインテンシファイア等のイメージセンサーや、写真用カメラ、デジタルカメラ等を利用することができる。またサーモグラフィー、熱電対、焦電検出器、ボロメーターなど赤外検出器も利用することができる。その他フォトダイオードやフォトマルチプライヤー(光電子倍増管)等を二次元的に配置した装置も適用できる。なお、前記映像認識手段は点状(ピンポイント、スポット状など)や線状(極細状や幅のあるバンド状など)に限った映像認識手段によってもよく、移動手段による走査や、複数の映像認識手段によって、全面またはほぼ全面を観測するよう構成してもよい。
前記映像認識手段には、開口絞り、NDフィルターなどによる光量の調整や、シャッタースピード(開放から1/20,000まで、好ましくは1/250〜1/10000)、感度等の映像認識手段の調整や、バンドパスフィルターによる波長の制限や、偏光フィルターによる偏光の制限や、フーリエ変換レンズなどによる光学処理や、回折格子やプリズムによる分光処理を行ってもよい。前記のように多少、散乱波長の波長変化や偏光面の変化がある場合もあり、幅広い光を受光することが好ましい。なお、介在する部材表面からの乱反射を抑えるため、偏光フィルターを用いる場合もある。いずれにおいても画像解析手法やオンライン計測条件によって、最適なスペックルパターンを観測できるように選定する。
前記スペックル値と品質評価値との関係式は、あらかじめモデルデータを元に作成した回帰式(最小2乗法による線形近似式1次式、2次式や多変量解析による多項式、対数近似式、累乗近似式、指数近似式、判別式など統計解析手法による)や、教師データを用いて作成したニューロコンピューターの学習構造、ファジー理論による論理式、遺伝的アルゴリズムによる論理式などを用いる。その関係式を用いて、照射光の結像やスペックルパターンの評価値から物体の性質、品質値を求めることができる。また生産ライン上ではしきい値を設けて、不良品を検知、除去することができる。
本発明において目的とする物体のゲル状態またはゾル−ゲル状態変化の判断基準は、従来の破壊試験や粘度計等による物性値や、形・流動性など外観の主観的評価値など様々である。例えば、豆腐や卵豆腐のようなゲル状食品(不透明ゲル)の場合、主に物性(硬さ・弾力・保水性、官能的食感等)が、その製品価値を決定する大きな要素であり、本発明が目的とする主要な品質でもある。従来の物性測定は、破壊試験機、クリープ試験機や動的粘弾性測定機などの客観的な物性試験機や、試食による主観的官能試験によって行われる。保水性は例えば、遠心分離や自然放置によって目減りする割合から評価する。ほかに外観(形、重量、色調、光沢、きめ等)などが挙げられ、色彩色差計、光沢計も利用できる。これらの品質は、加熱、撹拌、時間、添加剤などの微妙な加工条件によって影響される。ほとんど成分変化を伴わずに、例えばタンパク質の変性や多糖類等の相互作用(一般に高分子内の2次構造から高次構造の変化や高分子間の相互作用、すなわち水素結合、イオン結合、疎水結合、SS結合、共有結合等の会合や電気的反発)によって形成されるゲル構造や性質に違いが生じる。例えば豆腐では、豆乳の凝固によって約0.05〜0.1μmの大豆タンパク質微粒子が会合して三次元的な編み目構造を形成する点について、電子顕微鏡レベルで観察されている(「大豆とその加工1」建帛社p.298、「食の科学No.29(1976年)」丸の内出版p.43参照)。その他、電子顕微鏡によってから、各種ゲルの網目の空隙は、約0.01〜100μmの範囲であることが観察されている。
(2)請求項2記載の物体のゲル状態やゾル−ゲル状態変化の評価方法は、(1)記載の評価方法において、前記物体がゲル状食品またはゲル形成性ゾル状食品(飲料を含む)であり、その品質や品質変化を評価することを特徴とする。
ゲル状食品は例えば豆腐や卵豆腐、プリンなどであり、タンパク質や多糖類などの高分子が三次元の網目状または蜂の巣状のような構造を形成し、固体化したものである。ゲル形成性ゾル状食品(飲料)は例えば豆腐や生卵液、牛乳などであり、流動性や粘性を有する液体であるが、適当な刺激によってゲル化する性質の食品である。また前記ゲル状食品には、適当な刺激によって、ゾル状に変化する食品、例えば、ヨーグルトや高濃度の大豆タンパク質ゲルなども含んでいる。
ゲル状食品のうち、タンパク質性ゲル状食品では、例えば、絹豆腐(絹ごし豆腐)・充填豆腐・木綿豆腐・寄せ豆腐(おぼろ豆腐)等の豆腐類、厚揚げ・生揚げ・薄揚げ・寿司揚げ・がんもどき等の油揚生地、凍り豆腐やその凍結前後の生地、寿司揚げ・厚揚げ・生揚げ・薄揚げ・がんもどき等の油揚類、湯葉や湯葉豆腐、大豆タンパク質ゲル・豆乳ヨーグルト、豆乳ゼリー、豆花、等の大豆(国産大豆、輸入大豆、それらの大豆粉、分離大豆タンパク質、濃縮大豆タンパク質等を含む)加工食品、蒲鉾、・竹輪・揚げ蒲鉾・はんぺん、魚肉ソーセージ等の水産練り製品、卵豆腐、ゆで卵、プリン、茶碗蒸し、メレンゲ等の卵製品、チーズ・ヨーグルト等の生乳加工製品、ゼラチンやハムソーセージなどの畜肉加工食品、うどん・素麺・ラーメン・パスタ・生麩(乾燥麩)・グルテン・パン生地や焼成パン・ビスケット等の生地や焼成ビスケット等の小麦加工食品、蕎麦生地、ジャムやチョコレート、グミ等の菓子類などである。またデンプン・多糖類性ゲル(ゾル)状食品では胡麻豆腐、蒟蒻や蒟蒻ゼリー、ところてん、ういろう、羊羹、煎餅やかきやま、ケーキ等の菓子生地、餅、胡麻豆腐、杏仁豆腐や豆花等のゲル化剤を使用したゼリー状食品等である。ただし、本発明の対象になる食品はこれらに限定するものではない。
ゲル化剤とはゼラチン、寒天、カードラン、カラギーナン、デンプン、ペクチン、ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウム等の食品添加物で、増粘力またはゲル化力のある物質で特に限定しない。その他、豆腐は凝固剤(にがり、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、グルコノデルタラクトン)や乳化凝固剤(花王製「マグネスファインTG」)や架橋酵素(トランスグルタミナーゼ;味の素製「アクティバ」スーパーカード)の水溶液を、蒟蒻は石灰乳を、チーズは凝乳酵素(レンネット)液を、ヨーグルトは乳酸菌等を添加することによって、また大豆タンパク質ゲルは5〜20%分離大豆タンパク質水分散液を80℃に加熱することによって、単独でゲル化を起こす。
(3)請求項3記載の物体のゲル状態やゾル−ゲル状態変化の評価方法は、(1)または(2)記載の評価方法において、前記物体と前記二次元映像認識手段の間に、照射光を一部分でも透過する部材を介していることを特徴とする。
ここでは、例えば、対象の前記物体が包装材料で包装された場合、タンクに貯蔵されている場合、配管で送液されている場合、前記光源や前記二次元映像認識手段がコーティングされている場合等であって、前記物体と前記二次元映像認識手段との間に、一部分でも照射光を透過する部材であれば、特に限定されない。一部分とは、部材の一部分、照射光波長の一部分の波長や、照射光量の一部分という意味である。また前記部材自体のゲル構造の影響もあるが、一定条件であれば、相対的に前記物体の状態を比較することができる。なお、部材のゲル網目空隙が照射光波長の8分の1以下であれば、ほとんど無視できる。
前記の照射光を透過する部材の材質は、例えばガラス、石英ガラス、木材、紙、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、塩化ビニリデン樹脂(PVDC)、ポリエステル樹脂(PET)、フッ素樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂(PA)、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂(MF)、フェノール樹脂(PF)、ユリア樹脂(UF)、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、オキシベンソイールポリエステル樹脂、ポリ乳酸樹脂等の生分解性プラスティック類、天然ゴム、合成ゴム、紙等の部材や、これらの複合材やラミネート材やFRP材や繊維、フィルム、板材などが挙げられる。
前記部材は、覗き窓、包装フィルム、包装材料、コーティング材料や印字材料として用いる。本発明には伝搬用光ファイバー、光学レンズ、バンドパスフィルター、偏光フィルター、プリズムなど補助的光学部材も含まれる。なお、前記照射光透過性の材料や包装材料が食品に接する場合は、食品衛生法で認められる材質に限られる。また前記部材の厚みによる制約は、照射光の強度、波長などによって異なるが、可視光から波長2.0μmで、10W以下の出力の照射光で、例えば白色シリコーンゴムは20〜30mm、透明なシリコーンゴムでは100〜500mm程度までは浸透しているので、数mm以下の材料であれば採用できる。
前記部材がアルミ蒸着材など非光透過性材料で包装された前記物体の場合、本発明を実施できないが、一部分でも光透過性の部分を設けることによって、実施可能になる。また、印字部分、特に黒色の印刷部分は光吸収が大きく、内部まで浸透しにくいが、可視光線以外の波長域で、黒色印刷インクの透過波長を選択すれば、本発明を充分に適用できる。なお、物体表面の焼き目や揚げ色、着色等の影響も、同様にそれらの吸収波長領域を避けることで、的確に包装食品の内部の情報を得ることができる。この点は非食品系の前記物体についても、同様である。
(4)請求項4記載の物体のゲル状態やゾル−ゲル状態変化の評価方法は、(1)または(2)または(3)記載の評価方法において、照射光の波長が、可視光線(0.38〜0.75μm)から近赤外線(0.75〜2.51μm)の範囲にあることを特徴とする。
本発明のように可視光線(0.38〜0.75μm)から近赤外線(0.75〜2.51μm)の光を照射光に用いると、単なる表面の粗面だけでなく、内部まで浸透して、より深層のゲル(ゾル)の三次元構造を反映する散乱光が得られる。肉厚の製品等には有利である。さらに、より浸透性を優先するならば、可視光線の長波長側から近赤外線領域の波長(例えば0.6〜1.1μm)を有する光を選択することが、測定感度、経済性、安全性の面でも好ましい。
特に食品、農水産物や生体のように有機物を含む系では0.6〜1.1μmにかけて、溶質(タンパク質や多糖類など)の結合の2次倍音吸収と見られる吸光波長領域がある。その範囲にある照射レーザー光を用いると、溶媒の水の影響が少なく、より深層(表層から数mm〜数十cm)まで浸透し、内部のゲル構造の状態を反映した散乱光が得られる。表面散乱光に比べて、非常に複雑な散乱を繰り返すので、より明瞭なコントラストのスペックルパターンが得られやすい(上記段落番号0019のスペックルパターン発生原理を参照)。例えば、0.6〜1.1μmの波長のレーザー光(出力1W)では、充填豆腐であれば、計測面の表層から深さ100mm程度、少なくとも1〜50mmまで、ほぼ内部全体を評価することができる。
例えば豆腐(豆乳)の場合、吸収しやすい波長は主に0.6〜1.3μmであり、その範囲の波長の方が内部に浸透しやすく、本発明を実施しやすい。また例えばポリプロピレン製容器の吸収波長は0.6〜2.0μmまで広い範囲で、長波長ほど吸収しにくくなる。従ってポリプロピレン製容器中の豆腐には0.6〜1.3μmの範囲の波長を選択することが好ましい。なお、1μm以下の波長であれば、その領域に感度を有する安価な映像認識手段を採用できる点で実用的である。ただし、今後の技術進歩に応じて、安価なシステムを実現できれば、これらの波長に限定するものではない。
ただし、前記物体が特に高水分(例えば水分60%wt以上)の場合は、長波長の赤外線域には水の大きな吸収(例えば1.2μm、1.45μm、1.94μm等)があり、雰囲気温度や物体の赤外線放射の影響もあるため、できるだけ避けることが望ましい。また、前記物体を遮る部材、例えば包装材料や印字塗料等や表皮組織(焼きめ、染色)の光吸収波長も、できるだけ避けることが望ましい。ちなみに、紫外線はプラスティック製やガラス製材料に吸収され、赤外線はガラス製材料に吸収される。
また自然光や室内照明(蛍光灯、水銀灯)等の迷光の発光波長を避けることによって、前記散乱光観測システムを暗室下におく必要がなくなる。なお、迷光の影響を避ける場合、可視光線域や外光源(蛍光灯や水銀灯等)の発光波長を避けた波長域を選択する方が好ましい。
一般に近赤外線領域は、一般に波長域1(結合音域)1.8〜2.51μm、波長域2(1次倍音域)1.4〜1.8μm、波長域3(2次倍音域)0.75〜1.1μmと3区分に細かく分けられる。特に80%wt以上の高水分食品に適し、化学成分測定の場合では透過性の高い波長域3を用いることが好ましい、とされている(佐藤哲生、第5回非破壊計測シンポジウム講演要旨集p.8〜14;岩元・魚住、日本食品工業学会第32巻第9号p.685〜695)。本発明では、可視光線の長波長側も、前記近赤外線波長域3と同様の性質を有するので、前記のように0.6〜1.1μmの範囲が本発明を実施できる波長として好ましい。
(5)請求項5記載のゲル状包装食品中の遊離水についての検知方法は、(2)または(3)または(4)記載の評価方法において、前記物体が密封包装された後、水に接触する工程を経た製品で、包装材にピンホール、亀裂やシール不良などを起こし、内部に水が侵入した不良品である場合や、ゲルの保水性が低く、離水が発生した場合等、製品内(計測面)に存在する遊離水を検出することを特徴とする。
なお、包装製品を水に接触させる方法として、水蒸気加熱槽、熱水槽、冷却水槽等への浸漬や、水流シャワーリングや、水や水蒸気の噴霧による方法など、如何なる方法も取ることができる。
この発明は包装フィルムとゲル物体の間に薄い水層が存在すると、前記反射散乱光がさらに複雑に屈折することによって、スペックルパターンが異常に強調され、明瞭(スペックル値の増加)になることに基づいている。従来ピンホール検知機の専用機は、真空式や電気的によるものが市販されているが、本発明は、内部品質と合わせて測定できる点に価値がある。
(6)請求項6記載の物体のゲル状態やゾル−ゲル状態変化の評価方法は(1)から(5)記載の評価方法を実施する方法であって、前記外力は、微振動、加振、揺動、音波、超音波、エアーや水の噴霧、慣性力であることを特徴とする物体の評価方法である。体に適度な一定の外力、即ち微振動、加振、揺動、衝撃、音波、超音波、エアーや水の噴霧などの外力を連続または断続に与えながら、またはその外力を停止した直後に映像認識手段でスペックルパターン等の画像を観測する方法である。物体をコンベアーで移動、加速させたり、減速、停止させたときの慣性力も利用できる。またパルスレーザーによる微小な振動も利用できる。ゲル状またはゾル状物体の硬さ、柔らかさによって、動的状態によるスペックルパターンの変化が異なることから、硬さ(破断力)との相関が得られやすくなる。
超音波発振器は周波数20kHz以上、好ましくは20〜50kHzで、出力0.2W/cm2以上、100W/cm2以下、好ましくは0.5〜10W/cm2であり、超音波発振子は例えば対象物体が乗るコンベアや対象物体に接して配設する。また物体またはその受け台(コンベアなど)を1軸方向あるいは2軸方向あるいは3軸方向に振動、揺動させるような形態をとることもできる。加振装置は電磁式、加振モーター、エアー圧式、油圧式等、如何なる方式のものも利用できる。加振の振動数は5〜5,000Hz、変位は10〜5,000μm、速度は1〜10,000mm/s、加速度は1〜100,000m/s、衝撃加振力は0.5kN〜30kNであるが、好ましくは、周波数5〜400Hz、変位は20〜500μm、速度は10〜200mm/s、加速度は20〜1,000m/sである。
また、(1)または(2)または(3)または(4)または(5)または(6)記載の評価方法、移動方向に対して横方向に少なくとも1以上の列を構成した前記物体か、移動方向を横断するように少なくとも1以上のスポット状または線状の断面を有する光を照射する前記光照射装置(少なくとも1以上の前記二次元映像認識手段を配設した光照射撮影装置と固定または分離されていてもよい。)か、少なくとも一方を移動手段によって移動させて、前記物体のほぼ全面または全面を走査計測する装置に適用可能である
なお、前記物体と、前記光源が相対的に移動する移動手段であれば特に限定しない。二次元映像認識手段は、単独で固定されて前記物体全体を撮影する場合や、光源と固定されて同時に移動する場合などがあり、いずれにせよ、全面またはほぼ全面を走査、撮影できる方式であれば、本発明を適用できる。
移動方式は連続、間欠方式など、特に限定しない。また、図10〜図13のように前記物体が容器内、タンク内や配管内等で静止または流動していてもよい。
自動計測する場合、そのスペックルパターンや照射光の結像から得た二次元画像データ(1測定分、所要時間10ミリ秒程度、データ通信や演算処理時間も含めて、1回あたり1ミリ秒〜100ミリ秒と、極短時間である。)について、例えば、各画素における輝度の一次微分値(例えば、横方向に隣接する各画素の輝度の差、またはその差を画素間距離で除した値を合計し、その演算を縦方向に繰り返した後、全ての合計値)を演算する。さらに前記測定を2回以上、好ましくは10〜50回連続で繰り返し、各測定で得た各演算値を平均した値を、1計測における結果とする。特に1次微分値によって、スペックルパターンの明瞭さ、コントラストを表すことができる。その演算処理によって得た数値と、別途測定した物体の品質指標値から作成した前記関係式によって、物体の品質指標を出力したり、不良品を判別したり、排除手段によるラインから排除するシステムを組む。このようなシステムは非破壊、非接触方式で、安価かつ迅速なシステムであるので、生産ライン上で、全数検査を高速で行うことができる。
このように、本発明では計測時間は1〜2秒以下、普通は数十〜数百ミリ秒と極めて短時間である。前記物体の変化、例えば散乱光の角度依存性や熱的揺らぎや構造の不均一性に伴う静的揺らぎがあっても、測定時間内での変化はほとんど無視できる程度である。たとえ多少影響があっても、それらを平均化して扱うので、考慮する必要がない。また、多少、測定毎に散乱角度が変動しても、スペックルの位置が多少変化する程度であり、スペックルパターンのコントラスト等には僅かな影響しか現れない。
実際に現場における計測では、周囲の機械の振動や前記物体の揺れ等によって観測値が安定するまでの時間を要する。通常の計測はその観測値が安定した状態で、2回以上、好ましくは10〜100回行い、得られた前記スペックル値データについて、必要に応じて異常値や最大値、最小値を除くなどして、平均値(または中間値)をもって、代表値とする。複数の計測を繰り返して測定する場合、所要時間は10ミリ秒〜10秒となる。また、前記観測値が安定化するまでの、観測値上昇速度または加速度から、最終の観測値を予想することによって、1測定時間を更に短時間にすることができ、高速の測定システムを構築することができる。
発明を実施するため最良の形態
本発明の請求項1〜記載の実施形態における主要な部分は、図1に示すように、前記物体1にコヒーレントな光2を入射角θ1(例えば0°≦θ1<臨界角<90°)で照射する光源3と、前記物体1の表面から発する表面反射散乱光4、内部浸透し再び反射した透過反射散乱光5、干渉模様のスペックルパターン6を反射(透過)角θ2(例えば0≦θ2≦180°)で、観測する二次元映像認識認識手段9を備えた二次元散乱光観測システムによって構成される。観測角は0≦θ3≦180°である。
反射光測定の場合、一般には入射角θ1は0°≦θ1<90°(ただし、θ1<臨界角である。θ1は厳密には空気と包装材料の界面、包装材料と内部物体との界面での各々の屈折率で決定される臨界角より小さくなるように調整する。)で好ましくは20°≦θ1<70°であり、反射(透過)角はθ2は0°≦θ2<90°、好ましくは0°≦θ2<70°である。場合によっては全反射を避けた方がよい。全反射は入射光軸と受光光軸の成す面内に、法線が含まれ、かつ、θ1−θ2のときに起きる。観測角θ3は0≦θ3<180°であり、好ましくは20°≦θ3<140°である。
透過光測定の場合、前記同様に入射角θ1は0°≦θ1<90°(θ1<臨界角)で、好ましくは20°≦θ1≦70°であり、反射(透過)角θ2は0°≦θ2≦180°であり、好ましくは20°≦θ2≦180°である。観測角θ3は0≦θ3<180°であり、好ましくは20°≦θ3≦180°である。θ1=0°、θ2=0°の透過測定は、反射測定に似ているが、例えば、入射光軸と受光光軸が平行で入射箇所と受光箇所が異なる場合である。
光源3から照射される光2はフーリエ変換レンズ、偏光フィルター、バンドパスフィルター、反射鏡(平滑面や粗面のもの)、フォトリフラクティブ結晶フィルター、干渉フィルター(曇りガラス、樹脂、ゲル状物質、液晶、コロイド粒子分散液など)など光学的変換・制限用光学補助部品12や線状またはスポット状など光軸変換レンズやスリット板等光軸形状変換・制限用光学補助部品13を介して、適当なコヒーレントな光にすることも有効である。
二次元映像認識手段9の手前に、開口絞り、偏光フィルター、バンドパスフィルターなどの光学補助部品10や集光レンズ、拡散レンズ等の光学補助部品11を介して、受光(映像)を加工、制限することも有効である
前記表面反射散乱光4は物体表面でランダムに飛散する乱反射光(拡散反射光、入射角θ1に無関係)で、透過反射散乱光5は、前記物体の内部に侵入し、複雑に透過または散乱または屈折または分散(分光)または回折または偏光した光が、再び反射(透過)角θ2で飛散する際、お互いに複雑に干渉する結果、物体面での結像8(図1では物体上表面、図2や図3では物体下裏面)または観測面での結像7やスペックルパターン6が形成される。なお、θ2は、必ずしもθ1と等しくなくてもよい。なお、図2や図3のような形態も、特に物体が半透明〜透明である場合に実施できる形態である。
前記二次元映像観測システムは、例えばレーザー光源3とCCDカメラ9を前記物体上の空間に配設する形態のほか、防曝防滴目的で遠隔測定の必要性から光ファイバー経由の形態や、前記物体に直に接触する小型プローブ状としての形態(図13)も可能である。これらの場合、前記二次元映像観測システムを照射光が透過可能な部材でコーティングした形が好ましい。インライン測定、防曝防滴などの目的に応用でき、本発明の実施手段の一つであり、接液型ではあるが、前記部材を介した非接触な手段と言える。
本発明で目的ではない品質は、一般に形状(大きさ、重量、欠落等)、風味などの化学的な品質項目が挙げられる。他の光学的、化学的、物理的手法と組み合わせて、総合的な品質計測システムを構築することも可能である。
一方、本発明実施において、前記物体の濃度(固形分濃度)によって、照射光線断面の物体面での結像8の輝度(または吸光度や反射光量)や形が変形する現象も認められた。即ち、その像の変化量から、前記物体の濃淡(固形分濃度)を予測することができる。例えば照射光線断面の結像8が楕円の場合に、固形分濃度が高いほど、その結像が次第に円形に、不鮮明な形になる。スペックルパターンと合わせて、照射光線断面の結像からも、同時に有用な情報を得ることができる。
また、本発明実施において、前記物体が水相と油相が混濁した、O/WまたはW/O型の乳濁液であって、その乳濁分散状態や粒度分布に応じて、前記照射光の結像自体の輝度や形またはスペックルパターンが変化する現象も認められた。即ち、その変化量から、前記物体中の粒度分布や粒度変化を測定することができる。例えば粗い粒子が多いと照射光のスペックルパターンが明瞭なコントラストになり、微粒子になれば、不明瞭な模様が観測される。従来は、透過光散乱法による粒度分布測定によって濃厚な乳濁液を測定する際、溶媒で希釈する必要があり、多少状態が変化してしまう欠点があった。本発明の応用によって、濃厚な乳濁液の状態を直接またリアルタイムにモニターすることができる。
<実施例>
本発明は例えば、図20に示したような形態で実施できる。同調コンベア23、本体(検出部)コンベア24、振り払いコンベア25、操作・制御盤26で構成され、本体には、光源3と映像認識手段9を1セット以上配設し、例えば対象物体1は供給搬送コンベアから、同調コンベア23のストッパーで受け止められ、1〜複数個毎に本体コンベア24に移送されて、例えば対象物体の側面に光源3からの光を照射しその画像を映像認識手段9で画像撮影し、計測が行われる。計測時、当該対象物体1は移動(600mm/sec以下、好ましくは400mm/sec)していてもよいが、再現性・安定性の点から静止させた方が好ましい。計測後、本体コンベア24から振り払いコンベア25に移送され、計測結果が例えば良品(ゲル化品・凝固品)と判断された物体は次工程に進むが、不良品(未ゲル化・未凝固品)と判断された物体は振り払い装置27によって除去される。本体コンベア24に移送する物体の数やコンベア速度等によって処理能力を例えば1時間当たり1,000〜10,000個までの可変調整できる。またその数に応じて、光源とカメラ台数を配設すれば、間引き検査から全数検査まで対応が可能である。なお、図20のような形態は本発明の実施形態の一例であって、特に限定するものではない。
レーザー光源3は半導体レーザーで、(キコー技研製MLX、発振電力30mW、スポット光は3×6mmの楕円形、レンズヘッドなし、照射波長は例えば0.67μm、0.78μm、0.82μm、0.85μm等)を用い、前記物体の表面に対して入射角約30°で照射した。二次元映像認識手段9はCCDカメラ(SONY製XC、1画素10μm、35万画素、受光波長は可視光線から近赤外線領域のもの使用)を用い、前記物体1の表面に対して反射角約0°で受光した。焦点は照射光の結像面8、即ち、半透明〜不透明ゲルに対しては図1のように前記物体の表面に、透明なゲルに対しては図2のように前記物体の裏面に合わせた。なお、撮影部には、特に外光を遮断するような暗室条件を取らず、室内光下で計測を行った。得られた画像データのスペックルパターン6について、前記のように微分値の合計値を測定回数30回で平均化した値をスペックル値として表した。そのスペックル値と従来の分析値の関係について市販の統計解析ソフト(マイクロソフト製EXCEL2000等)を用いて、相関分析、重回帰分析、分散分析を行い、重回帰式や近似式を求めた。
なお、本発明で利用できる光源や映像認識手段、データ処理や数値化の演算方法は、これらに限定するものではない。
本発明では様々な条件を検討し、前記スペックル値が、物体のゲル状態またはゾル−ゲル状態変化と、高い相関関係にあることを見出すに至った。即ち、ゾル状態、ゲル状態、ゾル−ゲル中間状態した様々な状態でのスペックル値について、破断力値、濃度、食感などの品質との相関を検討した。その結果、ゲルが硬いほど、コントラストが明瞭で、スペックル値が大きく、高い相関係数を示した。またゲルが半熟かゾル状のものとは、スペックルパターンがぼやけて、硬いゲルとは肉眼でも容易に分別できた。同様に、ゾル状態からゲル状態に、さらに柔らかいゲル状態から強固なゲル状態に変化する過程で、スペックルパターンは広範囲に、またコントラストが強く現れる傾向があった。またスペックルパターンの濃淡を表す輝度の平均値と硬さの関係も認められ、暗いほど硬いという結果を得た。また例えばゲルの固形分が高いほど、楕円形を成す照射光断面の結像の形が真円に近くなる傾向があった。
以下に、ゲル状物体の一例として、冷却豆乳に凝固剤を混合し充填包装後、加熱凝固する充填豆腐、温豆乳に凝固剤を混合して充填包装するホット充填豆腐、卵白ゲル、ゼラチンゲル、寒天ゲル、コーヒー入りカラギーナンゲル、樹脂の一例としてポリエチレン樹脂について、図1や図2に示すような散乱光の二次元映像認識システムを用いた実施例を以下に述べる。
実施例1
ゼラチンゲルは、ゼラチン粉末(市販)0、3.5、8.8、17.5、35gを計り、それぞれ少量の水で膨潤させておき、沸騰水を加え全量を350mlとして、撹拌溶解し、PP製半透明パック(2Bサイズ、300ml容)に充填し、NY/PPフィルムでヒートシールし、一夜冷蔵庫中でゲル化させた。
寒天ゲルは、寒天粉末(市販)0、0.17、0.34、0.86、1.75、3.5gを計り、それぞれ沸騰水を加え全量を350mlとし、以下ゼラチンと同様にゲル化させた。
カラギーナンゲルはカラギーナン粉末(奥野製薬製)0.17、0.34、0.86、1.75、3.5、7gを計り、それぞれにインスタントコーヒー粉末(市販)を1.5g添加し、沸騰水を加え全量を350mlとし、以下ゼラチンと同様にゲル化させた。
卵白ゲルは卵白粉末(奥野製薬製)3.5、8.76、17.5、35gを計り、それぞれに冷水を加え、350mlとして、80℃に調整した湯槽で1時間加熱凝固させた。氷水で冷後、一夜冷蔵した。
各ゲル試料はフィルム面または容器底面を上に静置(パック表面)して、波長0.67μmの半導体レーザー照射光2を用いて前記光散乱光二次元観測システム(図1)を用いて、スペックルパターン6を観測した。その後、各試料を開封し、容器に入ったまま、レオメーター(不動工業製NRM−2002J)によって破断力の測定(23mmφのプランジャーを6cm/分の速度で侵入させ、破断した時点の応力を測定)を行った。結果を表1および図4(ゼラチンゲル)、図5(寒天ゲル)、図6(コーヒー入りカラギーナンゲル)、図7(卵白ゲル)に示した。
表1
Figure 0004153433
一方、市販のポリエチレン樹脂で、超高密度ポリエチレン樹脂(分子量300万以上;UHMW)、高密度ポリエチレン樹脂(分子量100万以下;HMW)、発泡ポリエチレン樹脂(B−4;柔らかめ)について、同様に平滑な面を直接観測してスペックル値を測定した結果を表1に示した。なお、数字では現れにくいが、画像状態を観察すると、UHMWのスペックルパターンは細かく、HMWでは粗かった。このことから高分子の粗密度の評価に対しても本発明が適用できる。
ゼラチンゲルでは、フィルム面およびパック底面からの測定値の違いはあるものの、それぞれ破断力とは高い相関を示す線形回帰式(パック表面:y=6.0648x+3212.1、決定係数0.9042、パック裏面:y=5.199x+2484.6、決定係数0.9091)を得ることができた。(y:スペックル値、x:破断力値)
寒天ゲルでは、パック裏面の方がフィルム表面よりも、破断力と高い相関関係が得られた(パック裏面:y=1007.7Ln(x)+2772.8、決定係数0.9119)。コーヒー入りカラギーナンゲルではパック裏面でy=2355.5x0.056、決定係数0.9488であった。卵白ゲルではパック裏面でy=507.93Ln(x)+2547.4、決定係数0.9661であった。
なお、図4〜図7において、実線や破線の横線で示したようなしきい値によって、十分な硬さのゲルと、半熟〜未凝固のゲル(ゾル)を判別することも可能であった。
実施例2
国産大豆の微粉末大豆(第一タンパク社製)7kgと水35kgを分散機(高井製作所製KD50−MS)で約20分間分散した粉大豆スラリー生ゴを、豆乳製造プラント(高井製作所製NS2000S)を用いて、消泡剤無添加にて、煮沸(5分102℃)を行い、絞り機(高井製作所製シリウス1連、ミジン取り網:150メッシュ)を通し、豆乳濃度11.5%brix、豆乳量約40kgを得た。使用前まで、氷水で冷却しておいた。
豆乳3kg(10℃)を計量し、これに塩田ニガリ(赤穂化成製)を重量で1:1に溶いたニガリ液を0、6.7、13.4、15.2mlと、それぞれにタンパク質架橋酵素(味の素製「アクティバ」スーパーカード)3gと全量50mlになるよう水で補った凝固剤液を、混合し直ちに、豆腐用パック(白色京型、材質PP、350g)に充填し、フィルム(材質NY/PP、印刷なし)で包装した。ブランクとして豆乳だけを充填包装した試料も用意した。その後、60℃および80℃の温浴にて、35分加熱し、冷却後、測定試料とした。なお、塩田ニガリ液13.4mlの試料で、60℃35分の加熱だけ施した試料も用意した。
試料は包装状態のままフィルム面を上にして静置させ、前記散乱光4、5の二次元映像認識システムによって、0.78μmのレーザー光2照射によるスペックルパターン6を撮影(計測)した。1計測で30回の測定を行い、スペックルパターンの輝度の1次微分値を演算して、30回の平均値を、スペックルパターン値として表した。
その後、フィルムを開封し、容器に入ったまま、レオメーター(不動工業製NRM−2002J)によって破断力の測定、パネラー数名による試食評価(外観、色、臭い、味、テクスチャーについて10段階の採点し、合計を100点満点として換算)、2時間放置前後の重量差から離水率の測定を行った。結果を表2、図8に示した。
表2
Figure 0004153433
豆腐品質の決定する重要な硬さ(破断力)について、スペックル値との間に、高い相関関係があった。破断力をx、スペックル値をyとした場合、累乗近似式y=2495.813x0.113(決定係数0.871)が導かれた。また図8において破線の横線で示すように、スペックル値約3800をしきい値として、完全に凝固した良品と半熟凝固や未凝固の不良品を判別できた。
実施例3
国産大豆トヨマサリ(平成12年度、北海道産)を井戸水で15℃22時間浸漬した。生大豆8kgに相当する17.6kgの漬大豆を粉砕した生ゴを、豆乳製造プラント(高井製作所製NS2000S)を用いて、消泡剤(理研ビタミン社製エマルジースーパー)40gを添加し、煮沸(5分102℃)を行い、搾り機(高井製作所製シリウス1連、ミジン取り網:100メッシュ)を通し、豆乳濃度13.0%brix、豆乳量約35kgを得た。
豆乳は豆乳タンクで82℃に調節され、定量ポンプ(ナカキン製ロータリーポンプ)によって300L/Hで定量的に送出され、一方、乳化ニガリ(花王社製マグネスファインTG)を精密な定量ポンプ(ヘイシン製モーノポンプ)によって、0、1、2、3L/Hで送出し、両者を配管で合一し、直ちに静止型混合撹拌装置(高井製作所製「TSミキサー」)で強力な分散を行い、その直後に、豆腐用パック(京都型350g、PP)に充填し、包装フィルム(NY/PP)でシールした。その直後、まだ温かい包装状態の試料および、その直後に包装フィルムを剥がした開封状態の試料について、前記実施例2記載と同様にスペックル値を計測した。結果を表3、図9に示した。

表3
Figure 0004153433
包装フィルムがある場合とない場合では、若干差はあるものの、破断力とスペックル値との間に、高い相関関係があった。破断力をx、スペックル値をyとした場合、包装状態では多項近似式y=−0.2145x+45.342x+1034.9で、決定係数は0.9914であった。開封状態では、多項近似式y=−0.309x+50.381x+1462.9で、決定係数は0.9737であった。また図9において実線と破線の横線で示すように、包装状態ではスペックル値約2500、開封状態ではスペックル値約3000をしきい値として、完全に凝固した良品と半熟凝固や未凝固の不良品を判別できた。
実施例4
前記散乱反射光の2次元観測システムは、図10に示すように内容物のゲル化過程、内容物のゲル化状態をモニターすることが可能である。 実際に、経時的に豆乳の凝固の過程を測定した。
前記実施例3の通り調製した温豆乳1(13%brix、70℃)12Lを、ポリプロピレン製型箱15(370×370×深さ150mm、板厚10mm)にとり、バッチ式凝固装置14(高井製作所製「マルチカーディS型」)で撹拌しながら、水200mlに分散させたGDL(グルコノデルタラクトン、藤沢薬品製)36gを添加した場合と、水200mlに分散させたトランスグルタミナーゼ(味の素製「アクティバ」スーパーカード、トランスグルタミナーゼ0.2%含有)120gを添加した場合と、水200mlに分散させたすまし粉(硫酸カルシウム、赤穂化成製「パールα」)36gを添加した場合と、液体にがり(粗製海水塩化マグネシウム、高井製作所製「海のめぐみ」、塩化マグネシウム33.2%wt含有)96gを添加した場合、また、連続式凝固装置(高井製作所製「ニューカーディ」)を用いて乳化にがり(花王製「マグネスファインTG」塩化マグネシウム33%含有、)120mlを静止型分散器(高井製作所製「TSミキサー」)で分散し添加した場合について、図10に示すような散乱反射光を観測する二次元観測システムを前記型箱側面に配設して、波長0.82μmにおける半導体レーザー光源3から光2を照射し、凝固撹拌開始から二次元映像観測装置9で連続モニターし、凝固剤添加時点を起点に時間経過によるスペックル値を、1秒毎に計測(30回測定の平均)を20分間行った。その結果を20秒毎に表示した過程を図14に示した。
なお、型箱15は照射光を透過できる材質の覗き窓18を有するステンレス製型箱を使用してもよい。また、液面が静止状態であれば豆乳表面や豆腐表面を直接観測してもよい。
図14に示すように、凝固剤の反応速度(豆乳の凝固、ゲル化速度)が液体にがり>乳化にがり>すまし粉>GDL>トランスグルタミナーゼと、従来の豆腐製造で経験的に知られる凝固速度の順と一致した。また最終安定状態の値が、仕上がった豆腐の硬さの相対的な差を表しており、GDL>すまし粉≒乳化にがり>液体にがり>トランスグルタミナーゼの順であり、その後、水槽で水晒し後、前記同様に求めた破断力値との関係とよく一致した。なお、本実施例は図11のような覗き窓を有するタンクや、図12や図13のような配管上においても同様に実施することができる。
実施例5
前記(実施例3)で調製したホット充填豆腐を、フィルムのヒートシールが完全な場合と、一部シール不良を起こした製品を、水槽で冷却した後、前記散乱反射光を観測する二次元観測システムを用いて計測した。その結果、前者ではスペックル値は平均3500程であったが、後者では、5000〜6000と、異常に高い値を示した。従って、ピンホール検出が可能であることが判った。また、前記ホット充填豆腐の凝固剤量を増やして、豆乳に対して乳化にがり1.5%と過剰に添加した場合で、熟成後、同じように、スペックル値が4000〜5000と高めの値を示し、凝固過剰な状態、いわゆる「寄りすぎ」の状態も検知することが可能であった。
実施例6
前記実施例2同様に、11.5%brixの豆乳にGDLの添加量を変えて製造した充填豆腐を、静止条件と加振条件(市販超音波発振器を受け台に取付けて19kHz、2W/cm2で加振)で計測したスペックル値(3次微分平均値)と、破断力の関係を図19に示した。完全静止状態よりも加振状態の方で、硬さとの高い相関が得られた。
実施例7
図15に示したように、前記物体1がコンベアー19上を連続移動している状態で、レーザー光源3から前記物体1の進行方向を横断するように線状の光2を照射し、前記物体1が移動する間、その線状照射光の結像20から反射する光4、5やスペックルパターンの光6を、前記二次元観測装置9を用いて連続計測した。その結果、結像面の全面に対して、スペックル値の分布が得られた。これによって、例えば図18の矢印Aで示すような硬い部分や、矢印Bに示すような柔らかい部分が、表面や内部に存在する製品を検知することができた。
その他、図16のようにスポット光を横に配列した実施形態や図17のようにスポット光を2次元配列させた実施形態(移動は断続時)をとっても同様に結像面のほぼ全面におけるスペックル値を得ることができる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2002年3月28日出願の日本特許出願(特願2002−092979)、に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の請求項1記載や請求項記載のように、前記物体がゲル状物体(または食品)またはゲル形成性ゾル状物体(または食品)であって、コヒーレントな光を照射する光照射装置によって光照射された当該物体を、二次元で検出する映像認識手段を備えた二次元映像観測システムにおいて、光線断面の結像またはその結像面で形成するスペックルパターンを観測することを特徴とする、物体のゲル状態やゾル−ゲル状態変化の評価方法によれば、ゲル状物体または食品のゲル化状態(硬さなど)やゾル状態への変化、またはゲル形成性ゾル状物体または食品のゲル化状態への変化について、客観的な判定、非破壊計測、非接触計測、迅速な計測、全数検査を実現し、半凝固や未凝固などの不良品を漏らさず判別することができる。その結果、不良品が出荷されることなく、クレーム発生、補償問題等のトラブルを未然に防ぐことができる。また、生産工程管理上の有用な指標になり、品質管理を的確に行うことができ、無駄なロスを最小限に留めることが可能になる。
本発明の請求項記載のように、介在する部材が一部分でも光透過性であれば、前記物体が包装製品であったり、覗き窓付きタンクや配管設備内にあっても適用できるので、開封したり、内容物を直に採取する必要がなく、品質管理上の負担や製品ロスを軽減できる。
本発明の請求項4記載のように、照射光の波長(例えば可視光線〜近赤外線)を選択することによって、包装製品の包材や印字、外光(迷光)、水等の溶媒の影響を最小限に抑え、表面のみならず内部組織の情報を得ることができる。
本発明の請求項5記載のように、前記包装製品で、水に接触する工程があり、水が内部に侵入したピンホールやシール不良の製品や、遊離水が存在する製品についても、合わせて検出することができ、製品検品作業の負担を軽減できる。
本発明請求項6記載のように、外力として、微振動、加振、揺動、音波、超音波、エアーや水の噴霧、慣性力を利用することで、ゲル状またはゾル状物体の硬さ、柔らかさによって、動的状態によるスペックルパターンの変化が異なることから、硬さ(破断力)との相関が得られやすくなる。
図1は、本発明請求項1および実施例1記載の反射散乱光二次元観測システムの説明図(前記物体の表面の結像を撮影)であり、
図2は、本発明請求項1および実施例1記載の反射散乱光二次元観測システムの説明図(前記物体の裏面の結像を撮影)であり、
図3は、本発明請求項1記載の透過散乱光二次元観測システムの説明図(前記物体を透過した散乱光の裏面での結像を撮影)であり、
図4は、本発明請求項1および実施例1記載のゼラチンゲルの硬さとスペックル値(観測値)の関係説明図であり、
図5は、本発明請求項1および実施例1記載の寒天ゲルの硬さとスペックル値(観測値)の関係説明図であり、
図6は、本発明請求項1および実施例1記載のコーヒー入りカラギーナンゲルの硬さとスペックル値(観測値)の関係説明図であり、
図7は、本発明請求項1および実施例1記載の卵白ゲルの硬さとスペックル値(観測値)の関係説明図であり、
図8は、本発明請求項1および実施例2記載の充填豆腐の硬さとスペックル値(観測値)の関係説明図であり、
図9は、本発明請求項2および実施例3記載の包装状態と開封状態によるホット充填豆腐の硬さとスペックル値(観測値)の関係説明図であり、
図10は、本発明請求項1および請求項2および請求項3および実施例4記載のゾル−ゲル状態変化測定実施形態の説明図(型箱、小規模バッチ式)であり、
図11は、本発明請求項1および請求項2および請求項3および実施例4記載のゾル−ゲル状態変化測定実施形態の説明図(タンク、大規模バッチ式)であり、
図12は、本発明請求項1および請求項2および請求項3および実施例4記載のゾル−ゲル状態変化測定実施形態の説明図(配管、インライン連続式)であり、
図13は、本発明請求項1および請求項2および請求項3および実施例4記載のゾル−ゲル状態変化測定実施形態の説明図(プローブ式センサー)であり、
図14は、本発明請求項3および実施例4記載のゲル形成性ゾル状食品のゲル化過程やゲル状態によって変化するスペックル値(観測値)に関する説明図であり、
図15は、実施例7記載の装置の実施形態に関する説明図(線状光源)であり、
図16は、実施例7記載の装置の実施形態に関する説明図(スポット状光源の横列配置)であり、
図17は、実施例7記載の装置の実施形態に関する説明図(スポット状光源の二次元配置)であり、
図18は、実施例7記載の物体の不均一部分検出に関する説明図であり、
図19は、実施例6記載の加振条件による充填豆腐の硬さとスペックル値(観測値)の関係説明図であり、
図20は、本発明請求項1〜6および実施例1〜7記載の反射散乱光二次元観測システムを組み込んだ検査装置システムの説明図である。
符号の説明
1 物体、
2 コヒーレントな照射光
3 光源
4 表面反射散乱光
5 透過反射散乱光
6 スペックルパターン
7 観測面での結像
8 物体面での結像
9 二次元映像認識手段、
10 開口絞り、偏光フィルター、バンドパスフィルターなどの光学補助部品
11 集光レンズ、拡散レンズ等の光学補助部品
12 フーリエ変換レンズ、偏光フィルター、バンドパスフィルターなど光学的変換・制限用光学補助部品
13 線状またはスポット状など光軸変換レンズやスリット板等光軸形状変換・制限用光学補助部品
14 撹拌用装置
15 ゲル状物体またはゾル−ゲル状態変化が起こりうる物体収納容器(型箱)
16 ゲル状物体またはゾル−ゲル状態変化が起こりうる物体収納容器(タンク)
17 ゲル状物体またはゾル−ゲル状態変化が起こりうる物体収納容器(配管)
18 覗き窓
19 移動手段
20 線状照射光の像
21 照射光用光ファイバー
22 映像光(受光)用光ファイバー
23 同調コンベア
24 本体(検出部)コンベア
25 振り払いコンベア
26 操作・制御盤
27 振り払い装置
θ1 入射角(入射光軸と被対象物の照射箇所の接面上の垂線、いわゆる法線となす角度)
θ2 反射(透過)角(受光光軸の、被対象物の反射箇所の接面上の垂線、いわゆる法線となす角度)、
A コントラストの強いスペックルパターン(硬い)部分
B コントラストの弱いスペックルパターン(柔らかい)部分である。

Claims (6)

  1. レーザ光を照射された、ゲル状またはゲル形成性ゾル状の物体を、二次元映像認識手段によって観測する散乱光観測システムにおいて、前記物体に外力を連続又は断続に与えながら、又は外力の付与を停止した直後に観測面で観測されるスペックルパターンの状態を画像処理することによって、前記物体のゲル状態またはゾル−ゲル状態変化について評価することを特徴とする、物体の評価方法。
  2. 前記物体がゲル状食品またはゲル形成性ゾル状食品であり、その品質や品質変化を評価することを特徴とする請求項1記載の物体の評価方法。
  3. 前記物体と前記二次元映像認識手段の間に、照射光が一部分でも透過する部材を介していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の物体の評価方法。
  4. 照射光の波長が、可視光線から近赤外線の範囲にあることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちの何れか1項記載の物体の評価方法。
  5. 密封包装した前記物体の製品中に存在する水の遊離状態を検知することを特徴とする請求項2ないし請求項4のうちの何れか1項記載の物体の評価方法。
  6. 前記外力は、微振動、加振、揺動、音波、超音波、エアーや水の噴霧、慣性力であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載の物体の評価方法。
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