JP7310359B2 - 計測装置、計測システム及び計測方法 - Google Patents

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本発明は、計測装置、計測システム及び計測方法に関する。
従来、記録媒体上にある記録材等に光を当てると得られる反射光を利用して記録材の状態等を分析する方法が知られている。
具体的には、記録材の量を計測する方法において、まず、レーザスペックルセンサユニットは、記録材に対してレーザ光を当てると得られる反射光が形成する結像の光強度分布を検出する。次に、光強度分布を用いて、記録材の表面粗さが検出される。一方で、記録媒体上において、表面粗さと、記録材の量との関係をあらかじめ求めることで、表面粗さと記録材の量の関係が把握される。そして、検出される記録材の表面粗さに基づいて、表面粗さと記録材の量の関係により、記録材の量を計測する方法が知られている(例えば、特許文献1等を参照)。
しかしながら、計測対象となる部材の種類等によっては、レーザ光をあまり透過又は反射しない場合がある。そのため、レーザ光だけを用いる方法では、部材の固形化している度合い等の状態を把握できない場合がある。
本発明の一態様は、部材の状態等を把握することを目的とする。
本発明の一実施形態による、計部材を計測対象とする計測装置であって、前記部材に向かって複数の波長の光を発光する光源部と、前記光の反射による光強度に基づいてスペックルパターンを検出する検出部と、前記スペックルパターンに基づいて、前記部材の固形化している度合いを解析する解析部とを備え、前記複数の波長には、吸収係数が最も高くなる波長、及び、吸収係数が最も低くなる波長を少なくとも採用することを特徴とする。
本発明の実施形態によって、部材の固形化している度合い等を把握できる。
計測装置のハードウェア構成例を示す図である。 情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。 計測装置の機能構成例を示す図である。 波長と吸収係数の関係例を示す図である。 シアン顔料における波長と吸収係数の関係例を示す図である。 インク層の厚み方向位置、吸収係数及び光強度の関係例を示す図である。 反射光の検出例を示す図である。 全体処理例を示す図である。
以下、発明を実施するための最適な形態について、図面を参照して説明する。
また、以下の例は、計測の対象となる部材がインクである場合の例で説明する。なお、部材は、インクに限られず、他の液滴又は材料等でもよい。
<計測装置のハードウェア構成例>
図1は、計測装置のハードウェア構成例を示す図である。例えば、計測装置100は、図示するように、レンズ5、ミラー6、ビームコンバイナ7、光源装置8、ドライバ装置9、撮影用レンズ10、エリアセンサ11、及び、PC(Personal Computer、以下「PC13」という。)等を有するハードウェア構成である。
図示するように、計測装置100は、例えば、試料台1の上に、記録媒体の例である記録紙2を置いて、記録紙2に吐出されたインクが形成するインク層3を計測対象とする。なお、計測装置100は、記録紙2及び試料台1を使って計測するに限られない。すなわち、インクは、ノズルのような細い孔等に充填されて計測されてもよい。
また、計測対象となるインクは、光を散乱させやすい散乱粒子を含むのが望ましい。例えば、散乱粒子は、顔料粒子等である。
例えば、インクは、インクジェットヘッド又はコータ等の装置で吐出される。なお、このように、吐出する機構において、インクの吐出量が吐出の際又はあらかじめ計測されてもよい。又は、インクを吐出する機構は、インクの吐出量を制御できる機構であってもよい。
さらに、インクは、1滴でなく、2滴以上が吐出されてもよい。
なお、試料台1等には、インク又は記録紙2等を加熱させるヒータ等を更に有してもよい。
レンズ5、ミラー6、ビームコンバイナ7、及び、光源装置8は、光4を発する光源となる装置の例である。図示するように、光源装置8が発光すると、光4は、レンズ5、ミラー6、及び、ビームコンバイナ7等の光学系を介して、インクに当たる。
図示するように、計測装置100は、複数の光源装置8を持つ等によって、異なる波長、すなわち、インクの吸収係数が異なる光を複数種類、発光する。
例えば、図示するレンズ5、ミラー6、及び、ビームコンバイナ7等の光学系のように、光4を屈折又は反射する光学系を用いると、計測装置100は、光4を計測したい範囲に当てることができる。なお、光学系となる、レンズ及びミラー等は、図示するような数、配置及び構成でなくともよい。例えば、光学系は、フィルタ等があってもよい。
また、光4は、図示するように、撮影光軸に対して、斜めに入射する位置関係であるのが望ましい。ただし、撮影系と発光系は、光4が撮影に用いられる光学系を介して入射する位置関係、いわゆる同軸照射等の位置関係であってもよい。
ドライバ装置9は、光源を実現する装置を制御する制御装置の例である。図示するように、ドライバ装置9は、PC13等がドライバ装置9を介して光源を実現する各装置を制御するように命令を発してもよい。
撮影用レンズ10及びエリアセンサ11は、撮影系の例である。図示するように、エリアセンサ11は、撮影用レンズ10を介して入射する反射光を検出する光センサ等である。
図示するように、撮影用レンズ10等の光学系によって、エリアセンサ11が試料台1の上等を撮影できるように調整がされる。例えば、エリアセンサ11は、インクが記録紙2に吐出されると、インクが記録紙2に浸透していく過程又はインクが乾燥していく過程等を動画像等で撮影する。すなわち、エリアセンサ11は、所定の時間ごとに、シャッタを切る等によってインクの様子を写した画像データを生成する。このように、動画像等を生成すると、インクの表面に形成されるスペックルパターンの時間による変化を記録できる。なお、撮影が行われている間は、撮影系及び発光系は、固定し、位置関係が変化しないのが望ましい。
また、以下の説明では、インク層厚み方向(深さ方向という場合もある。また、図において上下方向がインク層厚み方向である。)をZ軸で示す。
PC13は、情報処理装置の例である。例えば、PC13は、以下のようなハードウェア構成の装置である。
図2は、情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。例えば、PC13は、図示するように、CPU(Central Processing Unit、以下「CPU13H1」という。)、記憶装置13H2、入力装置13H3、出力装置13H4、及び、インタフェース13H5等を有するハードウェア構成である。
CPU13H1は、制御装置及び演算装置の例である。例えば、CPU13H1は、プログラム等に基づいて、記憶装置13H2にデータ等を展開して処理を行う。このようにして、PC13は、プログラム等に基づいて、CPU13H1及び記憶装置13H2等が協働して動作することで処理を実行する。
記憶装置13H2は、メモリ等の主記憶装置等である。なお、記憶装置13H2は、ハードディスク等の補助記憶装置があってもよい。
入力装置13H3は、ユーザによる操作又はデータ等を入力する。例えば、入力装置13H3は、マウス及びキーボード等である。
出力装置13H4は、ユーザに対して処理結果又は画像等を出力する。例えば、出力装置13H4は、ディスプレイ等である。
インタフェース13H5は、ネットワーク又はケーブル等を介して、外部装置を接続してデータ等を送受信する。例えば、インタフェース13H5は、コネクタ等である。
なお、情報処理装置は、図示するようなハードウェア構成でなくともよい。例えば、情報処理装置は、演算装置、制御装置、記憶装置、入力装置又は出力装置等が外部又は内部に更にあるハードウェア構成であってもよい。また、情報処理装置は、複数の装置で構成されてもよい。
<計測装置の機能構成例>
図3は、計測装置の機能構成例を示す図である。例えば、図示するように、計測装置100は、光源部FN1と、検出部FN2と、解析部FN3とを備える機能構成である。
光源部FN1は、部材TGに向かって複数の波長の光を発光する発光手順を行う。例えば、光源部FN1は、光源装置8等で実現する。
検出部FN2は、部材TGで光が反射して発生する複数の反射光のそれぞれの光強度を検出する検出手順を行う。例えば、検出部FN2は、エリアセンサ11等で実現する。
解析部FN3は、波長、光強度及び部材TGの吸収係数の関係に基づいて、部材TGの状態を解析する解析手順を行う。例えば、解析部FN3は、PC13等で実現する。
図示するように、光源部FN1が複数の光(図は、第1光LG1及び第2光LG2の2つの光が部材TGに照射される例を示す。)を部材TGに当てると、図示するように、それぞれの光は、反射して反射光が発生する。具体的には、図示する例では、第1光LG1が反射して発生する光が第1反射光R1である。一方で、第2光LG2が反射して発生する光が第2反射光R2である。
部材TGに当たる光、すなわち、光源部FN1が発光する光は、部材の吸収係数及び光の波長により、例えば、以下のような関係となる。
<波長及び吸収係数の関係例>
図4は、波長と吸収係数の関係例を示す図である。部材は、例えば、図示するように、吸収しやすさが照射される光の波長によって異なる。
図では、横軸を波長、縦軸を吸収係数とする。なお、吸収係数は、数値が高いほど、光を吸収することを示す値である。
図示するように、部材に向かって発光させる複数の光には、吸収係数が最も高くなる波長と吸収係数が最も低くなる波長が少なくとも採用されるのが望ましい。図示する例では、吸収係数は、波長が第1波長λ付近の値となると、最大の値となる第1吸収係数PAAとなる。一方で、吸収係数は、波長が第3波長λ付近の値となると、最小の値となる第3吸収係数PACとなる。そして、図示するような吸収係数が第2吸収係数PABとなる、波長が第2波長λ付近の光が更に採用されるのが望ましい。
すなわち、図示する例では、発光する光は、波長が3種類であって、第1波長λ、第2波長λ、及び、第3波長λの光である。この3つの波長は、吸収係数が下記(1)式のような関係となるように選ばれるのが望ましい。

第1吸収係数PAA > 第2吸収係数PAB > 第3吸収係数PAC (1)

なお、用いる光は、3種類に限られず、2種類又は4種類以上であってもよい。また、図示する例では、第2波長λが、第1波長λ及び第3波長λのほぼ中間となる性質となるようにしているが、このような波長でなくともよい。すなわち、第2波長λは、第1波長λ及び第3波長λと異なる吸収係数になる波長であればよく、例えば、第1波長λ及び第3波長λのどちらかに偏った性質となってもよい。
例えば、部材がシアン顔料の場合には、波長と吸収係数は、下記(表1)のような関係になる。
Figure 0007310359000001
上記(表1)の例における波長と吸収係数の関係は、例えば、以下のようになる。
図5は、シアン顔料における波長と吸収係数の関係例を示す図である。
図示するように、光は、部材の内部では、吸収係数に応じて、光強度が指数関数的に減衰する場合が多い。したがって、吸収係数が高い場合には、スペックルパターンを構成する散乱による光は、表面付近で発生した光が支配的になりやすい。
第1波長λのように吸収係数が高い光は、部材によって光が吸収されやすい。したがって、第1波長λのような光を用いると、部材の表面及び部材の表面に近い層の状態等を対象とするのに適する。すなわち、第1波長λのように吸収係数が高い光によって、部材の表面等の状態を計測できる。
第3波長λのように吸収係数が低い光は、部材によって光が吸収されにくい。したがって、第3波長λのような光を用いると、部材の全体を計測の対象とするのに適する。すなわち、第3波長λのように吸収係数が低い光によって、部材の奥側の状態を含めて計測できる。
第2波長λのように吸収係数が中間的な光は、第1波長λ及び第3波長λの中間に位置する深さにおける状態等を対象とするのに適する。
具体的には、第1波長λは、例えば、650nm(±50nm)である。第2波長λは、例えば、550nm(±50nm)である。第3波長λは、例えば、500nm(±50nm)である。
<インク層の厚み方向位置、吸収係数及び光強度の関係例>
図6は、インク層の厚み方向位置、吸収係数及び光強度の関係例を示す図である。例えば、第1波長λ、第2波長λ、及び、第3波長λ、すなわち、吸収係数が第1吸収係数PAA、第2吸収係数PAB、及び、第3吸収係数PACとなる3種類の光を採用すると、それぞれの光は、インク層厚み方向位置(図では、縦軸で示す。以下単に「深さ」という。)に対して、図示するような光強度の反射光となる(図では、光強度を横軸で示す)。
図示するように、吸収係数が異なると、同じ深さであっても、光強度の減衰が異なる。具体的には、図示するように、第1吸収係数PAA、第2吸収係数PAB、及び、第3吸収係数PACの光が同じ深さ(例えば、深さZTであるとする。)であっても、第1吸収係数PAAであると、深さZTでは第1光強度I1となり、最も減衰する。これに対して、第2吸収係数PABであると、深さZTでは第2光強度I2となり、第1光強度I1より減衰が少ない値となる。さらに、第3吸収係数PACであると、深さZTでは第3光強度I3となり、最も減衰が少ない値となる。
したがって、図示するような関係を示す式の入力又はテーブルデータがあると、検出部は、波長に基づいて、所定の深さにおけるスペックルパターン等を検出できる。
具体的には、例えば、以下のようにして反射光を検出する。
<反射光の検出例>
図7は、反射光の検出例を示す図である。例えば、部材TGをZ軸方向に、表面LA0から第1層LA1、第2層LA2、第3層LA3、第4層LA4、第5層LA5、及び、第6層LA6に分ける。
図示するように、表面LA0の状態を計測するには、対応する「IA(0)」の光強度が用いられる。同様に、第1層LA1、第2層LA2、第3層LA3、第4層LA4、第5層LA5、及び、第6層LA6のそれぞれの層における状態を計測するには、対応する「IA(1)」、「IA(2)」、「IA(3)」、「IA(4)」、「IA(5)」及び「IA(6)」の光強度が用いられる。
<全体処理例>
図8は、全体処理例を示す図である。
ステップS1では、入力部は、テーブルデータ又は数式等を入力する。すなわち、例えば、図4乃至図6のような関係が特定できる数式又はテーブルデータが入力される。
ステップS2では、吐出部は、部材を吐出する。例えば、図1に示すように、記録材の上に部材が吐出される。
ステップS3では、光源部は、複数の波長の光を発光する。
ステップS4では、検出部は、反射光の光強度等を検出する。光強度に基づいて、例えば、以下のようにスペックルパターンを検出する。
<スペックルパターンの検出例>
例えば、計測に用いる光の波長を分離する光学フィルタを順次切り替えながら撮影すると、検出部は、各波長の光で生じるスペックルパターンを間欠的に検出できる。又は、光源部が「ON/OFF」を順次切り替えて、検出部は、各波長の光で生じるスペックルパターンを間欠的に検出してもよい。
なお、光学フィルタ又は波長を切り替えるタイミング等は、一定時間ごとでもよいし、経時的に変化させてもよい。さらに、計測が開始された直後は、頻繁に切り替え、次第に切り替える頻度を低下させていくのが望ましい。
固形化が進むと、スペックルパターンの揺らぎが緩慢になる場合が多い。したがって、固形化が進んだと考えられる程度に時間が経過している場合等には、低い周波数を計測するのには、長い時間、撮影したデータ等が必要となる。そこで、固形化があまり進んでいないと考えられる、インク吐出直後等では、短時間に多くの画像を撮影する、すなわち、高フレームレートな設定であるのが望ましい。一方で、固形化がある程度進んだと考えられる程度に時間が経過した場合には、低い周波数に対応して、時間密度が低い動画像を撮影するのが望ましい。このように、推定される固形化の度合いに応じて、スペックルパターンの検出周期が調整されるのが望ましい。
エリアセンサがカラーカメラのような配列を持ち、さらに、光を分離する光学フィルタ等があると、撮影が行われた後、各波長の光で生じたスペックルパターンが画像処理により抽出できる。例えば、対象とする波長の光のみを検出するエリアセンサを採用する波長の数だけ備えて、検出部は、各波長の光で生じるスペックルパターンを所定の時間ごとに検出する。例えば、ビームスプリッタ等を用いると、スペックルパターンを検出できる。
まず、概略としては、部材の内部奥深くまで侵入する長さの波長の光を部材に向かって当てると、部材の内部全体に渡りスペックルパターンが検出できる。逆に、部材の表面まで侵入する長さの波長の光を部材に向かって当てると、表面において、スペックルパターンが検出できる。したがって、部材の内部深くまで侵入する長さの波長、及び、表面まで侵入する長さの波長の2つの光を採用し、これらの光が部材に照射されると、これらの結果に基づいて、部材の中心部のスペックルパターンが検出できる。
スペックルパターンは、例えば、顔料インク等のように粒子を含有する部材に対して、可干渉性を持つ光等を当てると計測できる。まず、光が部材に当たると、粒子によって照射された光が散乱又は干渉する現象が発生する。この現象により、光強度のムラが生じる。このような光強度のムラがスペックルパターンとなる。したがって、光強度を検出して光強度の分布が分かると、スペックルパターンが把握できる。
具体的には、スペックルパターンは、カメラ等による撮影により、2次元的に光分布を検出すると得られる。
インク等の溶媒粘度が低い場合、又は、インクが含有する粒子の粒子径が小さい場合には、粒子のブラウン運動が比較的激しい場合が多い。そのため、部材において、短い周期で粒子の配置が変化する場合が多い。ゆえに、スペックルパターンは、同様に速い速度で変化する場合が多い。
一方で、インク等の溶媒粘度が高い場合、又は、インクが含有する粒子の粒子径が大きい場合には、粒子のブラウン運動が比較的緩慢になる場合が多い。また、インク等の液体の場合には、乾燥し、固形化が進むと、同様に、粒子のブラウン運動が比較的緩慢になる場合が多い。そのため、部材において、長い周期で粒子の配置が変化する場合が多い。ゆえに、スペックルパターンは、同様に遅い速度で変化する場合が多い。
このようなスペックルパターンの性質を踏まえて、まず、検出部は、スペックルパターンを所定の時間ごと、すなわち、複数のスペックルパターンを検出する。次に、解析部は、検出したスペックルパターンの速度を計算する。このようにして計算されるスペックルパターンの速度が分かると、部材が固形化している度合いを解析できる。すなわち、スペックルパターンが速い速度であれば、インク等は、流動性が高く、固形化がまだあまり起きていない度合いであると解析できる。一方で、スペックルパターンが遅い速度であれば、インク等は、流動性が低く、固形化が進んでいる度合いであると解析できる。
また、このようなスペックルパターンに基づく解析をZ軸方向において一定間隔、すなわち、層ごとに行うと、部材の表面及び深さのある位置の状態も把握することができる。
ステップS5では、解析部は、固形化度等を解析する。
<固形化の進んでいる度合いの計算例>
例えば、スペックルパターンに基づいて、以下のように固形化している度合い(以下「固形化度」という。)が計算される。
例えば、固形化度は、検出されたスペックルパターンの時間的揺らぎに基づいて数値化する。
まず、解析部は、ある観測点(例えば、撮影された画像内の任意の領域となる。)の時間に対する自己相関関数を求める。
ある時間における散乱光強度「I(t)」とし、基準とする時間から時間「τ」経過後の散乱光強度を「I(t+τ)」とする。この場合には、自己相関関数「G2(τ)」は、例えば、下記(2)式のように示せる。

G2(τ) = <I(t)・I(t+τ)> / <I(t)> (2)

なお、上記(2)式では、「<>」は、平均値を示す。
次に、散乱光強度の時間変化から把握できる二次の自己相関関数「G2(τ)」は、「β」を定数とし、かつ、1次の自己相関関数を「G1(τ)」とすると、下記(3)式のように示せる。

G2(τ) =1+β|G1(τ)| (3)

そして、懸濁液、すなわち、粒子を含有するインク内において、粒子が単分散していると仮定すると、1次の自己相関関数「G1(τ)」は、単一指数関数となる。したがって、1次の自己相関関数「G1(τ)」は、下記(4)式のようになる。

G1(τ) = exp(-Γτ) (4)

上記(4)式において、「exp」は、「e」を基数とし、括弧内の値を指数とする指数関数「e」のべき乗を示す。
すなわち、上記(4)式は、例えば、下記(5)式のようにも示せる。

ln(G1(τ)) = -Γτ (5)

なお、上記(4)式及び上記(5)式における「Γ」は、減衰定数である。「Γ」は、拡散係数(並進拡散係数)「D」と下記(6)式に示すような関係がある.

Γ = q・D
q = (4πn/λ)・sin(θ/2) (6)

上記(6)式において、「q」は、拡散ベクトルである。また、「n」は、溶媒の屈折率である。さらに、「λ」は、計測に用いる光の波長である。
そして、例えば、「D」を固形化度として算出する。
また、固形化度は、スペックルパターンの時間的な揺らぎによる周波数成分の推移を計算することで求められてもよい。すなわち、固形化度は、スペックルパターンの面内における平均又は面内で各位置においてマッピングする等によって求められてもよい。
具体的には、波長ごとのスペックルパターンを示す画像を分離すると、周波数成分の推移が計算できる。次に、周波数成分の推移に基づいて、動的散乱法等を用いると、拡散係数等が求まる。
また、固形化度は、あらかじめ設定する領域ごとに計算されてもよい。また、領域は、メッシュ状であってもよいし、移動平均的でもよい。
<変形例>
なお、図示するような処理に更に部材の厚みを計測する処理が加わってもよい。例えば、計測装置は、あらかじめ吐出するインクの吐出量を把握する。ただし、吐出量は、計測されてもよいし、あらかじめ入力されてもよいし、又は、計算等で求められてもよい。そして、計測装置は、インクが記録紙に着弾すると、どの程度の高さ(すなわち、厚みである。)になるかが推定できる。
また、計測装置は、吐出後に厚みを計測してもよい。すなわち、計測装置は、厚みを計測するため、レーザ光を発光する装置を有してもよい。このようにして、計測装置は、部材の厚みを把握できるような構成であるのが望ましい。このように厚みが分かると、部材において最も深い位置が分かる。そのため、計測装置は、最大の深さに合わせて、層の区切り方、1層あたりの深さ、何層まで計測するか、及び、用いる波長の選択等をするのが望ましい。すなわち、厚みが計測等によって把握できると、計測装置は、部材を表面からどこまで計測すればよいかが分かる。したがって、厚みの計測結果又は推定結果があると、計測装置は、精度よく部材の状態を計測できる。
また、部材に対して、複数の波長の光を照射させると、光が侵入する長さが波長によって異なる。そのため、部材の厚みと、照射した光の侵入長との関係に基づいて、採用する光の波長を適切に選定することにより、部材の内部において、どの範囲を測定するが定められる。
<その他の実施形態>
各装置は、1つの装置でなくともよい。すなわち、各装置は、複数の装置の組み合わせであってもよい。なお、図示する以外の装置が更に含まれる構成であってもよい。
なお、本発明に係る各処理の全部又は一部は、コンピュータ言語で記述され、コンピュータに計測方法を実行させるためのプログラムによって実現されてもよい。すなわち、プログラムは、計測装置又は計測システム等といったコンピュータに各処理を実行させるためのコンピュータプログラムである。
したがって、プログラムに基づいて計測方法が実行されると、コンピュータが有する演算装置及び制御装置は、各処理を実行するため、プログラムに基づいて演算及び制御を行う。また、コンピュータが有する記憶装置は、各処理を実行するため、プログラムに基づいて、処理に用いられるデータを記憶する。
また、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されて頒布することができる。なお、記録媒体は、磁気テープ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク又は磁気ディスク等のメディアである。さらに、プログラムは、電気通信回線を通じて頒布することができる。
なお、本発明に係る実施形態は、複数の情報処理装置を有する計測システムによって実現されてもよい。また、計測システムは、各処理及びデータの記憶を冗長、分散、並列、仮想化又はこれらを組み合わせて実行してもよい。
以上、実施形態における一例について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。すなわち、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。
1 試料台
2 記録紙
3 インク層
4 光
5 レンズ
6 ミラー
7 ビームコンバイナ
8 光源装置
9 ドライバ装置
10 撮影用レンズ
11 エリアセンサ
100 計測装置
FN1 光源部
FN2 検出部
FN3 解析部
I1 第1光強度
I2 第2光強度
I3 第3光強度
LA0 表面
LA1 第1層
LA2 第2層
LA3 第3層
LA4 第4層
LA5 第5層
LA6 第6層
PAA 第1吸収係数
PAB 第2吸収係数
PAC 第3吸収係数
TG 部材
λ 第1波長
λ 第2波長
λ 第3波長
特許第4804204号公報

Claims (6)

  1. 部材を計測対象とする計測装置であって、
    前記部材に向かって複数の波長の光を発光する光源部と、
    前記光の反射による光強度に基づいてスペックルパターンを検出する検出部と、
    前記スペックルパターンに基づいて、前記部材の固形化している度合いを解析する解析部とを備え
    前記複数の波長には、
    吸収係数が最も高くなる波長、及び、吸収係数が最も低くなる波長を少なくとも採用する
    計測装置。
  2. 前記部材は、
    前記光源部に対して厚みとなる方向に、複数の層が設定され、
    前記検出部は、
    前記層ごとに、前記光強度を検出し、
    前記解析部は、
    前記層ごとに、前記部材の固形化している度合いを解析する
    請求項に記載の計測装置。
  3. 前記検出部は、
    前記光強度に基づいて、所定の時間ごとに、複数の前記スペックルパターンを検出し、
    前記解析部は、
    複数の前記スペックルパターンの速度を計算して、前記速度の変化に基づいて前記部材の固形化している度合いを解析する
    請求項1又は2に記載の計測装置。
  4. 前記部材の厚みを計測又は推定する
    請求項1乃至のいずれか1項に記載の計測装置。
  5. 部材を計測対象とする計測システムであって、
    前記部材に向かって複数の波長の光を発光する光源部と、
    前記光の反射による光強度に基づいてスペックルパターンを検出する検出部と、
    前記スペックルパターンに基づいて、前記部材の固形化している度合いを解析する解析部とを備え
    前記複数の波長には、
    吸収係数が最も高くなる波長、及び、吸収係数が最も低くなる波長を少なくとも採用する
    計測システム。
  6. 部材を計測対象とする計測装置が行う計測方法であって、
    計測装置が、前記部材に向かって複数の波長の光を発光する発光手順と、
    計測装置が、前記光の反射による光強度に基づいてスペックルパターンを検出する検出手順と、
    計測装置が、前記スペックルパターンに基づいて、前記部材の固形化している度合いを解析する解析手順とを含み、
    前記複数の波長には、
    吸収係数が最も高くなる波長、及び、吸収係数が最も低くなる波長を少なくとも採用する
    計測方法。
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