JP4249798B1 - 検出装置および検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液滴の移動速度Uを検出し、液滴の飛翔方向の幅が所定幅Lである孔44a,44bを備え、これらの孔の有効視野において液滴の占める面積情報を所定時間置きに複数回取得し、取得した面積情報A1〜Anを取得回数nで平均化し、複数回取得に要した総時間Tを、液滴が上記所定幅Lを移動するのに要する時間L/Uで除算して、取得回数nを正規化した正規化枚数Nを得て、平均面積情報Bと正規化された取得回数Nとの積を実粒子面積Sとし、実粒子面積を1.5乗して実粒子体積Vを得る。
【選択図】図9
Description
電子天秤を用いる手法では、インクジェットのインク滴1滴当りの重量は数pl〜数十plであり、電子天秤の計量下限(一般に、数μg〜数十μg)を大きく下回る。そのため、一滴毎の計測は不可能であり、複数液滴の重量に基づいて計測するしかない。また、インクジェットプリンタの構造上、電子天秤を用いる計測手段は、現場では使いにくいという欠点がある。マイクロ波を用いる手法は、検出対象が微細(例えば数十μmを下回るサイズ)になると検出が困難である。なお、高速度カメラは高価である。
上記開口の有効視野からは、上記粒子を開口に向けて正射影した情報に相当する面積情報が観測される。
上記粒子は、液体でも固体でも良く、液体であれば気中を飛翔する略球形の液滴や連続吐出される連続体等であり、固体であれば気中や液中を略一定方向に移動するものである。なお、正射影面積に基づいて体積を算出する関係上、正射影面積と体積とに所定の相関がある形状が好ましい。
そして請求項2にかかる発明によれば、粒子が連続的に飛来しても、粒子速度を簡易に測定可能になる。
さらに請求項3にかかる発明によれば、粒子サイズの検出と粒子速度の検出とを効率的に行える検出装置を提供可能となる。
また請求項4にかかる発明によれば、粒子サイズを個別に検出可能な検出装置を提供可能となる。
そして請求項5にかかる発明によれば、粒子サイズの検出精度が向上する。
さらに請求項6にかかる発明によれば、外来光やノイズの影響を低減し、粒子サイズの検出精度を向上できる。
さらに請求項7にかかる発明によれば、装置の省スペースを実現できる。
さらに請求項8にかかる発明によれば、粒子サイズ検出精度を向上できる。
さらに請求項9,10にかかる発明によれば、S/Nを向上できる。
さらに請求項11にかかる発明によれば、気体や液体等の媒体中を、略一定速度で移動する粒子サイズを、簡易な構成な構成且つ簡易な演算処理で検出する検出方法を提供することができる。
(1)検出装置の構成:
(2)液滴測定処理:
(3)演算処理:
(4)まとめと変形例:
本発明の検出装置は、所定の経路を通過する粒子を光学的に検出し、通過する粒子のサイズに関する情報を光学的に取得し、該情報に基づいて所定の演算を行うことで粒子のサイズを算出する。検出対象の粒子は、所定の媒体(例えば気体や液体)中を移動する微小(例えば、100μm以下)且つ軽量(1粒子当り数十ピコグラム以下)な粒子である。軽量であるがゆえに計量装置(例えば、電子天秤等)を用いても単一の粒子サイズの決定が困難であり、微小であるがゆえにマイクロ波を利用したサイズ測定が困難である。また移動する微小粒子であるがゆえに写真撮影でのサイズ測定も困難である。移動中の微小粒子を補足するには、高速度かつ高解像度カメラが必要であり、どうしても高コストになる。そこで本発明の検出装置では、所定の経路を粒子が通過した際の光量の変動を検出する光学系と、該光学系から入力されるデータに基づく演算を行う演算系とを備えてある。
ただし、上記計算を正確に行うためには、2つの液滴が同時に入射しないようにする必要がある。そのため、上記スリット間隔pは、上記経路を通過する液滴の飛来間隔よりも狭く形成されている。すなわち、スリット間隔pは、少なくとも下記関係式(2)を満たすように設計されている。
以上の構成を利用してマイクロコンピュータ37で実行される液滴測定処理について説明する。図5は、液滴測定処理のフローチャート、図6は液滴測定処理のデータ取得タイミングを模式的に示したタイムチャートである。液滴測定処理は、例えば、検出装置100に設けられた操作部70に対して所定の操作入力が行われたときに開始される。無論、最初に飛来した液滴をトリガとして、本処理が開始されるようにしても構わない。
まずステップS131において、変換器36の出力を取得し、取得回数カウンタnをインクリメントする。この変換器36の出力が、孔44bの有効視野画像情報に相当する。
続くステップS132においては、ステップS131で取得した変換器出力を下流データDに加算する。なお、ステップS131〜S133の繰り返し処理(ステップS131で変換器出力を取込んでからステップS133からステップS131に戻って次に変換器出力を取込む処理)は、所定時間t毎に繰り返し実行されるように調整されている。すなわち、変換器出力は、所定のサンプリングレートで取得される。
ステップS133においては、上流侵入したか否かを判断する。次の液滴が上流侵入した場合はステップS134に進む。一方、上流侵入していない場合は、ステップS131に戻って撮影枚数カウンタnをインクリメントして変換器出力の取得と下流データDへの加算とを実行する。なお、ステップS133からステップS131へ戻る際にも測定時間tが観測時間tLimに対して超過しているか否かを判断し、超過している場合はステップS134に進んでもよい。
上流侵入の時間は、ステップS120で特定されているので、ステップS141では孔44bの有効視野へ液滴が侵入(以下、下流侵入と記載する。)したか否かを判断する。下流侵入を検知するとステップS142に進み、下流侵入を検知しない場合は検知するまでステップS141を繰り返す。
ステップS180においては、ステップS170で算出された演算結果を必要に応じて表示器に表示して、処理を終了する。
図7〜図9は、演算処理で算出される正規化枚数Nについて説明する図である。これらの図は概念的に正規化枚数算出処理を説明したものであり、前述した撮影処理においてステップS131の実行される時間間隔tを撮影間隔tとして説明し、ステップS131においてn1〜ni回目に取得された変換器36出力を陰影面積A1〜Aiとして説明し、取得回数nを撮影回数nとして説明し、スリットの幅wをスリットの有効視野Lとして説明してある。
以上説明したように、本実施形態においては、液滴の移動速度Uを検出し、液滴の飛翔方向の幅が所定幅Lである孔44a,44bを備え、これらの孔の有効視野において液滴の占める面積情報を所定時間置きに複数回取得し、取得した面積情報A1〜Anを取得回数nで平均化し、複数回取得に要した総時間Tを、液滴が上記所定幅Lを移動するのに要する時間L/Uで除算して、取得回数nを正規化した正規化枚数Nを得て、平均面積情報Bと正規化された取得回数Nとの積を実粒子面積Sとし、実粒子面積を1.5乗して実粒子体積Vを得る。
1.上記実施形態においては、平行光束を発生する光源を用いて液滴飛翔経路の対面から照射し、経路通過中の液滴が受光面に形成する陰影のコントラストを高めるようにしたが、平行光束でない通常光源を用いてもよい。例えば、光束が平行でない通常光源を採用し、レンズ等の集光手段で受光面12に集光照射する方法が考えられる。このとき、集光経路上で略平行光束となるようにレンズの屈折度合を調節することにより、平行光束を発生する光源と同様の作用効果が期待できる。該変形例のように通常の光源を用いると、検出装置のコストダウンが可能である。
なお、このとき液滴の反射散乱光をさらにレンズで集光して、受光面へ集光・結像させてもよい。スリットは略垂直に入射した光のみを通過させるので、反射・散乱光の主成分がスリットへ垂直に入射するように構成するとS/N比を向上して、サイズ検出の精度向上が見込まれる。
各時系列信号のずれ時間Δtを変更しつつ相互相関係数Rを算出し、相互相関係数Rが極大値をとるずれ時間Δtmaxを探索する。このように算出され多ずれ時間Δtmaxが、孔44aから孔44bまでの移動に要する時間となる。
なお、複数の液滴が不具合等で連続して吐出された場合には、連続吐出された液滴については、1つの液滴と見做してサイズ計算が実行される。従って、1滴のサイズが本来よりも過大になり、不具合が発見できる。一方、連続吐出が正常状態の液体吐出装置に対して本変形例を適用した場合は総吐出量を算出できる。
該変形例を適用して好適な状況として、発光面と受光面の距離が離れている場合がある。光源を出射する時点では擬平行光束であっても、気中や液中の進行中に次第に平行でなくなる。前述した実施形態では、擬平行光束を用い、且つ発光面と受光面とを短距離にして擬平行光束が拡散する前の光を用いて検出を実行している。しかしながら、発光面と受光面の距離が拡がるにつれて平行が維持できなくなり、スリットに垂直に入射しにくくなる。そこで、2つのスリットに各々光源を用意して、スリットへの到達効率を高めるようにする。この場合は、平行光束を発生する光源である必要は無く、例えば、通常光源であっても光源の中心軸とスリットの略垂直方向に各々一致させればスリットへの入光量を高めることができる。
このように分割フォトダイオードを用いる構成例は、例えば、前述した実施形態における導光路を装置のスペース上配置できない場合等、スリットとフォトダイオードとの間に距離を確保しにくい装置構成において好適である。
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
Claims (12)
- 所定方向に移動する粒子のサイズを求める検出装置であって、
上記粒子の移動速度を検出する検出手段と、
上記所定方向の幅が所定幅である開口を備え、該開口の有効視野において上記粒子の占める面積情報を所定時間置きに複数回取得する取得手段と、
上記取得手段における取得回数をカウントするカウンタと、
上記取得手段が上記複数回取得するのに要した総時間を計時するタイマと、
取得した上記面積情報を上記取得回数で平均化し、上記移動速度と上記総時間とに基づいて上記粒子が上記所定幅を移動するのに要する移動時間を算出し、上記総時間を上記移動時間で除算することにより上記総時間の間に上記面積情報が互いに重複せず且つ取得漏れ無しに取得された場合の取得回数を算出し、該算出された取得回数と上記平均化された面積情報との積を実粒子面積とする算出手段と、
を備えることを特徴とする検出装置。 - 上記所定方向に所定間隔をあけて並設された一組の開口を備え、
上記検出手段は、上記粒子が上記一組の開口の有効視野で各々検出される時間差に基づいて上記移動速度を算出する請求項1に記載の検出装置。 - 上記所定方向に所定間隔をあけて並設された一組の開口を備え、
上記検出手段は、上記開口の双方から時系列で粒子面積情報を各々取得し、
上記算出手段は、時系列で得られる各粒子面積情報のずれ時間を変更しつつ相互相関係数を算出して該相互相関係数が極大化するずれ時間Δ max を探索し、該ずれ時間Δ max を上記移動時間として上記移動速度を算出する請求項1に記載の検出装置。 - 請求項1に記載の開口は、請求項2または請求項3に記載の開口のうち上記粒子が移動する方向において下流側の開口と同一であり、
上記取得手段は、上記粒子が移動する方向において上流側の開口の有効視野への粒子進入を契機として、上記下流側の開口の面積情報の複数回取得を開始する検出装置。 - 上記一組の開口の間隔は、検出対象となる上記粒子が上記開口の有効視野へ入来する平均間隔よりも狭くなるように予め形成されている請求項2〜請求項4の何れか1項に記載の検出装置。
- 上記一組の開口へ向けて略平行な光束を照射する照射手段を更に備え、
上記開口と上記照射手段の間に上記粒子の移動経路が位置する請求項2〜請求項5の何れか1項に記載の検出装置。 - 上記照射手段の点灯周期と、上記取得手段の面積情報取得周期とが同期している請求項6に記載の検出装置。
- 上記各開口に入射される光学的映像が開口毎に異なる分割受光面に入射される分割フォトダイオードを更に備え、
上記取得手段は、上記分割フォトダイオードを介して取得した光情報に基づいて上記開口から各々上記面積情報を取得する請求項2〜請求項7の何れか1項に記載の検出装置。 - 所定位置を通過する粒子の光学的映像を上記取得手段の開口へ結像させるレンズを更に備える請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の検出装置。
- 所定位置を通過する粒子の陰影を上記一組の開口に入射し、開口面の光学的映像を、分離された各受光素子へ、レンズを使って結像させる請求項2〜請求項8の何れか1項に記載の検出装置。
- 上記取得手段は、
上記開口の開口パターンを結像倍率に合わせて拡縮した一組の開口マスクを、上記受光素子の受光面に設置した請求項10に記載の検出装置。 - 所定方向に移動する粒子のサイズを求める検出装置であって、
上記粒子の移動速度を検出する検出工程と、
上記所定方向の幅が所定幅である開口の有効視野において上記粒子の占める面積情報を所定時間置きに複数回取得する取得工程と、
上記取得手段における取得回数をカウントする工程と、
上記取得手段が上記複数回取得するのに要した総時間を計時する工程と、
取得した上記面積情報を上記取得回数で平均化し、上記移動速度と上記総時間とに基づいて上記粒子が上記所定幅を移動するのに要する移動時間を算出し、上記総時間を上記移動時間で除算することにより上記総時間の間に上記面積情報が互いに重複せず且つ取得漏れ無しに取得された場合の取得回数を算出し、該算出された取得回数と上記平均化された面積情報との積を実粒子面積とする算出工程と、
を備えることを特徴とする検出方法。
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