JP2020020579A - 流体速度測定方法及びシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】民生用の一般的な撮像装置を使用しつつ、高速気流(数十m/s)の計測においても、十分に高解像度で撮像可能な流体速度測定方法及びシステムを提供すること。【解決手段】本発明によれば、照射ステップ、撮像ステップ及び測定ステップを備え、前記照射ステップでは、レーザーにより、流れ場に導入したトレーサー粒子に複数回に渡ってレーザーシート光を照射し、且つ、前記照射は第1照射及び第2照射を含み、前記撮像ステップでは、撮像装置により、前記レーザーシート光に照射された前記トレーサー粒子を撮像し、前記測定ステップでは、情報処理装置により、前記撮像された画像に基づいて、前記トレーサー粒子の流速を測定し、前記レーザーシート光は、以下の(1)又は(2)を満たすように構成される、(1)第1照射及び第2照射における前記レーザーシート光の照射時間が異なる(2)第1照射及び第2照射における前記レーザーシート光の照射強度が異なる流体速度測定方法が提供される。【選択図】図1
Description
本発明は、流体速度測定方法及びシステムに関する。
特許文献1には、粒子画像流速(PIV)測定に係る三次元流体測定機に関する発明であり、1つの被験流体の測定体積中を移動するトレーサー粒子に照射する少なくとも1つの照射装置と、移動するトレーサー粒子の繰り返し再生のための少なくとも1つのカメラを有する三次元流体測定装置が開示されている。
ところで、従来、気体・液体の速度分布を可視化計測する手法として、PIV(particle image velocimetry)、PTV(particle tracking velocimetry)が用いられている。従来のシステムでは、流れ場にトレーサー粒子を噴霧し、デジタルカメラ等の撮像装置の光軸に対して垂直方向から、光学系を用いてシート状に屈折させたレーザービーム光を照射する。そして、レーザービーム光が照射された領域でトレーサー粒子が散乱光を発し、これを撮像装置で撮像する。この粒子像の移動量をPIV又はPTVにより解析することで、レーザービーム光の照射面での2次元速度分布を得ることができる。
ここで、PTV法では、微少時間離れた撮像画面の間で個々の粒子の対応関係を見つけて、それらを各点での流速ベクトルとする。この解析には、2〜4時刻の画像が必要となり、数m/s以上の速度の気流速度計測には高速撮像装置が必要となる。しかし、このような撮像装置は、一般に流通しているものではなく専用品又は特注品であるために極めて高価で、一般的な撮像装置に比べて解像度も低い。特に、高速気流(数十m/s)を撮像する際にはフレームレートを高くする必要があるので、解像度を例えば100画素×100画素程度に設定せざるを得ない。しかし、このような低い解像度では、可視化画像の解析を行うことができなかった。さらに、2〜4時刻の画像を要するため、撮像装置とレーザービーム光の駆動タイミングを合わせるタイミングコントローラーを設ける必要があり、システム構築に費用がかかるという問題があった。
さらに、従来のPTV法では、可視化されたトレーサー粒子像が点像であり、これを多時刻撮像して追尾するため、粒子数の多い可視化画像では、隣接粒子の誤追尾による計測エラーが多発することが問題となっていた。
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、民生用の一般的な撮像装置を使用しつつ、高速気流(数十m/s)の計測においても、十分に高解像度で撮像可能な流体速度測定方法及びシステムを提供することを目的とする。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
本発明によれば、照射ステップ、撮像ステップ及び測定ステップを備え、前記照射ステップでは、レーザーにより、流れ場に導入したトレーサー粒子に複数回に渡ってレーザーシート光を照射し、且つ、前記照射は第1照射及び第2照射を含み、前記撮像ステップでは、撮像装置により、前記レーザーシート光に照射された前記トレーサー粒子を撮像し、前記測定ステップでは、情報処理装置により、前記撮像された画像に基づいて、前記トレーサー粒子の流速を測定し、前記レーザーシート光は、以下の(1)又は(2)を満たすように構成される、(1)第1照射及び第2照射における前記レーザーシート光の照射時間が異なる(2)第1照射及び第2照射における前記レーザーシート光の照射強度が異なる流体速度測定方法が提供される。
本発明によれば、レーザーシート光は、第1照射及び第2照射におけるレーザーシート光の照射時間又は照射強度が異なるように照射される。
これにより、可視化画像に長短一組又は強弱一組の軌跡を得ることができ、これらの重心位置より、レーザーシート光の照射断面における、気流の2次元速度分布を得ることができる。さらに、撮像装置が少なくとも第1照射の開始時から第2照射の終了時まで露光を継続する場合には、1回の撮像で長短一組又は強弱一組の軌跡を得ることができるため、1枚の画像からトレーサー粒子TPの方向を一意に特定することができ、気流速度による制約が無く、民生用の一般的な撮像装置を使用することができる。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
1.システム100
図1に示すように、システム100は、レーザー1及び撮像装置2を備える。レーザー1は、流れ場FGに導入したトレーサー粒子TPに複数回に渡ってレーザーシート光LSを照射可能に構成される。さらに、本実施形態では、かかる照射は第1照射及び第2照射を含む。ここで、第1照射及び第2照射においては、それぞれ所定時間継続してレーザーシート光LSが照射され、第1照射及び第2照射における照射時間は互いに重ならないように制御される。撮像装置2は、レーザーシート光LSに照射されたトレーサー粒子TPを撮像可能に構成される。ここで、レーザーシート光LSは、以下の(1)又は(2)を満たすように構成される。
(1)第1照射及び第2照射におけるレーザーシート光LSの照射時間が異なる
(2)第1照射及び第2照射におけるレーザーシート光LSの照射強度が異なる
ここで、上記(1)と(2)は互いに独立しており、(1)と(2)を同時に満たすように構成してもよい。
図1に示すように、システム100は、レーザー1及び撮像装置2を備える。レーザー1は、流れ場FGに導入したトレーサー粒子TPに複数回に渡ってレーザーシート光LSを照射可能に構成される。さらに、本実施形態では、かかる照射は第1照射及び第2照射を含む。ここで、第1照射及び第2照射においては、それぞれ所定時間継続してレーザーシート光LSが照射され、第1照射及び第2照射における照射時間は互いに重ならないように制御される。撮像装置2は、レーザーシート光LSに照射されたトレーサー粒子TPを撮像可能に構成される。ここで、レーザーシート光LSは、以下の(1)又は(2)を満たすように構成される。
(1)第1照射及び第2照射におけるレーザーシート光LSの照射時間が異なる
(2)第1照射及び第2照射におけるレーザーシート光LSの照射強度が異なる
ここで、上記(1)と(2)は互いに独立しており、(1)と(2)を同時に満たすように構成してもよい。
さらに、本実施形態では、システム100は、トレーサー粒子発生装置3及び情報処理装置4を備える。
2.レーザー1
図2に示すように、レーザー1は、出力部11、レーザーシート形成部12、記憶部13、制御部14、出力時間調整部15、出力強度調整部16、通信部17を備える。
図2に示すように、レーザー1は、出力部11、レーザーシート形成部12、記憶部13、制御部14、出力時間調整部15、出力強度調整部16、通信部17を備える。
出力部11は、レーザー光を出力するものである。レーザーシート形成部12は、出力部11から出力されたレーザー光に作用し、シート状のレーザーシート光LSを形成するものである。レーザーシート形成部12は、レンズやミラーを含む任意の光学系とすることができる。また、レーザーシート形成部12は、レーザー1と別の筐体として実装してもよい。記憶部13は、種々のプログラム及びデータを記憶するものである。制御部14は、記憶部13に記憶されたプログラムに従い、レーザー1を構成する種々の要素を制御するものである。出力時間調整部15は、出力部11から出力されるレーザー光の出力時間を調整するものである。出力強度調整部16は、出力部11から出力されるレーザー光の出力強度を調整するものである。通信部17は、情報処理装置4との間で種々の信号の通信をするものである。本実施形態では、通信部17により、撮像装置2により撮像された画像が情報処理装置4に送信される。
上記の各構成要素は、ソフトウェアによって実現してもよく、ハードウェアによって実現してもよい。ソフトウェアによって実現する場合、CPUがプログラムを実行することによって各種機能を実現することができる。プログラムは、内蔵の記憶部に格納してもよく、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体に格納してもよい。また、外部の記憶部に格納されたプログラムを読み出し、いわゆるクラウドコンピューティングにより実現してもよい。ハードウェアによって実現する場合、ASIC、FPGA、又はDRPなどの種々の回路によって実現することができる。本実施形態においては、様々な情報やこれを包含する概念を取り扱うが、これらは、0又は1で構成される2進数のビット集合体として信号値の高低によって表され、上記のソフトウェア又はハードウェアの態様によって通信や演算が実行され得るものである。
3.その他の構成要素
以下、図1を用いて、システム100を構成するその他の構成要素について説明する。
以下、図1を用いて、システム100を構成するその他の構成要素について説明する。
撮像装置2は、例えばCCDやCMOSをイメージャとするデジタルカメラにより構成され、流れ場FG内においてレーザーシート光LSにより可視化された可視化断面(以下、計測領域MR)を撮像する。本実施形態では、撮像装置2は、1回の撮像により、トレーサー粒子TPの軌跡を得る。すなわち、後述の撮像ステップにおいて、撮像装置2は、少なくとも第1照射の開始時から第2照射の終了時まで露光を継続するように制御される。
トレーサー粒子発生装置3は、例えば超音波噴霧器により構成され、流れ場FG内にトレーサー粒子TPを噴霧する。
情報処理装置4は、撮像された画像に基づいて、トレーサー粒子TPの流速を測定する。具体的には、情報処理装置4は、撮像装置2から受信した画像に対して画像処理を実行し、この粒子像の移動量をPTVにより解析することで、トレーサー粒子TPの流速を測定する。
4.フローチャート
次に、図3を用いて、本発明の一実施形態に係る流体速度測定方法について説明する。
次に、図3を用いて、本発明の一実施形態に係る流体速度測定方法について説明する。
まず、S1において、トレーサー粒子発生装置3により、流れ場FG内にトレーサー粒子TPを導入する。
次に、S2の照射ステップにおいて、レーザー1により、流れ場FGに導入したトレーサー粒子TPに複数回に渡ってレーザーシート光LSを照射する。ここで、複数回に渡る照射には、第1照射及び第2照射が含まれる。このとき、撮像装置2の光軸に対して垂直方向からレーザーシート光LSが照射される。本実施形態では、レーザーシート光LSは、以下の(1)又は(2)を満たすように制御される。
(1)第1照射及び第2照射におけるレーザーシート光LSの照射時間が異なる
(2)第1照射及び第2照射におけるレーザーシート光LSの照射強度が異なる
これにつき、詳細は図4〜図7を用いて後述する。
(1)第1照射及び第2照射におけるレーザーシート光LSの照射時間が異なる
(2)第1照射及び第2照射におけるレーザーシート光LSの照射強度が異なる
これにつき、詳細は図4〜図7を用いて後述する。
これにより、流れ場FG内においてレーザーシート光LSが照射された領域である計測領域MRにおいて、トレーサー粒子TPが散乱光を発する。
次に、S3の撮像ステップにおいて、撮像装置2により、レーザーシート光LSに照射されたトレーサー粒子TPを撮像する。具体的には、撮像装置2は、流れ場FG内の計測領域MRを撮像する。撮像装置2は、撮像した画像を情報処理装置4に送信する。
そして、S4の測定ステップにおいて、情報処理装置4により、撮像された画像に基づいて、トレーサー粒子TPの流速を測定する。具体的には、情報処理装置4は、撮像装置2から受信した画像に対して画像処理を施し、画像に写ったトレーサー粒子TPの軌跡をPTVにより解析する。これにより、計測領域MRにおけるトレーサー粒子TPの2次元速度分布を得ることができる。
5.レーザーシート光LSの照射時間及び照射強度
以下、図3のS2について、種々の実施形態を用いて説明する。
以下、図3のS2について、種々の実施形態を用いて説明する。
(5−1)第1実施形態
図4Aに示すように、レーザー1は、照射時間に長短を与えたパルス状のレーザーシート光LSを照射する。本実施形態では、レーザー1は、(第2照射におけるレーザーシート光LSの照射時間)/(第1照射におけるレーザーシート光LSの照射時間)の値が、1.1〜10となるように制御される。図4Aの例では、時刻t1〜時刻t1+T1までの間における照射が第1照射に相当し、時刻t2〜時刻t2+T2までの間における照射が第2照射に相当する。また、第1照射におけるレーザーシート光LSの照射時間はT1であり、第2照射におけるレーザーシート光LSの照射時間はT2である。つまり、図4Aの例では、第2照射時間(T2)/第1照射時間(T1)の値が、1.1〜10となるように、レーザー1が制御される。第2照射時間(T2)/第1照射時間(T1)の値は、具体的には例えば、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
図4Aに示すように、レーザー1は、照射時間に長短を与えたパルス状のレーザーシート光LSを照射する。本実施形態では、レーザー1は、(第2照射におけるレーザーシート光LSの照射時間)/(第1照射におけるレーザーシート光LSの照射時間)の値が、1.1〜10となるように制御される。図4Aの例では、時刻t1〜時刻t1+T1までの間における照射が第1照射に相当し、時刻t2〜時刻t2+T2までの間における照射が第2照射に相当する。また、第1照射におけるレーザーシート光LSの照射時間はT1であり、第2照射におけるレーザーシート光LSの照射時間はT2である。つまり、図4Aの例では、第2照射時間(T2)/第1照射時間(T1)の値が、1.1〜10となるように、レーザー1が制御される。第2照射時間(T2)/第1照射時間(T1)の値は、具体的には例えば、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
ここで、第1照射及び第2照射の定め方はこれに限定されず、任意の時間帯における照射とすることができる。例えば、図4Aの例では、時刻t3〜時刻t3+T3までの間における照射を第1照射と捉え、時刻t1〜時刻t1+T1までの間における照射、又は、時刻t2〜時刻t2+T2までの間における照射を第2照射と捉えることができる。この場合、T1/T3又はT2/T3の値が1.1〜10となるように制御される。
図4Bは、図4Aの態様でレーザー1を照射した際における、トレーサー粒子TPの軌跡の一例を表す概念図である。このとき、撮像装置2は、少なくとも第1照射の開始時から第2照射の終了時まで露光を継続している。図4の例では、撮像装置2は、少なくとも第1照射の開始時から第3照射の終了時まで露光を継続している。したがって、図4Bは、撮像装置2にて撮像した1枚の画像を表す。本実施形態では、レーザー1から照射されるレーザー光の照射時間(パルス幅)を長短織り交ぜているので、撮像装置2により撮像された可視化画像では、トレーサー粒子TPの軌跡にも照射時間(パルス幅)の長短が反映される。図4A及び図4Bに示すように、レーザー光の照射時間(パルス幅)が大きいほど、撮像されるトレーサー粒子TPの移動距離が大きくなる。したがって、レーザー1の照射時間(パルス幅)の設定を参照することにより、1枚の画像からでも追跡対象のトレーサー粒子TPの移動の向きを一意に特定することができる。具体的には、図4Bの例では、左から右にかけてT1〜T3が反映されているので、トレーサー粒子TPが左から右に向かって移動していることがわかる。
これにより、粒子密度が高い流れ場FG内においても、追跡対象のトレーサー粒子TPを極めて高い精度で追跡することが可能になる。
次に、トレーサー粒子TPの実際の可視化画像について説明する。図5Aは、本発明の一実施形態に係る流体速度測定方法により撮像されたトレーサー粒子TPの軌跡の可視化画像である。ここで、画面左側は、撮像装置2により撮像されたトレーサー粒子TPの可視化画像である。長短一組のパルス像から、1枚の可視化画像より、流れ場FG内における気流の向きと気流速度の大小を読み取ることができる。また、画面右側は、情報処理装置4により、各々のパルス像を画像解析した結果である。以下、かかる画像解析について説明する。
長短パルス像の組の形状は相似形であるため、最初に、この長短パルス像の位置、向き、サイズを、画像認識により各々取得する。こうして得られた長短パルス像に対して、長短パルス像各々の重心位置を取得し、図5Bに示すように、短パルス像から長パルス像へベクトル線を引くことができる。そして、このベクトルの向き及び長さから、気流速度の向き及び大小を求めることができる。
<効果>
従来のPTV計測法では、可視化されたトレーサー粒子像が点像であり、これを多時刻撮像して追尾するため、粒子数の多い可視化画像では、隣接粒子の誤追尾による計測エラーが多発することが問題となっていた。一方、第1実施形態では、長短一組のパルス像を解析対象とするため、こうした誤追尾が生じない。これにより、流体速度の計測精度が向上する。
従来のPTV計測法では、可視化されたトレーサー粒子像が点像であり、これを多時刻撮像して追尾するため、粒子数の多い可視化画像では、隣接粒子の誤追尾による計測エラーが多発することが問題となっていた。一方、第1実施形態では、長短一組のパルス像を解析対象とするため、こうした誤追尾が生じない。これにより、流体速度の計測精度が向上する。
また、第1実施形態では、1回の撮像で長短一組のパルス像を得るため、従来の他時刻撮像と比較して気流速度による制約が低減され、民生用のデジタルカメラを使用することができる。これにより、システム構築のコストを低減しつつ、高速気流(数十m/s)の計測においても、例えば6,000画素×4,000画素程度の高解像度で撮像可能となった。
さらに、第1実施形態では、1回の撮像で長短一組のパルス像を得るため、レーザー1と撮像装置2の駆動タイミングを制御するタイミングコントローラーが不要となり、システム構築にかかるコストを低減することができる。
(5−2)第2実施形態
以下、図6を用いて、第2実施形態について説明する。本実施形態では、レーザー1は、(第2照射におけるレーザーシート光LSの照射強度)/(第1照射におけるレーザーシート光LSの照射強度)の値が、1.1〜10となるように制御される。図6の例では、時刻t1〜時刻t1+T1までの間における照射が第1照射に相当し、時刻t2〜時刻t2+T1までの間における照射が第2照射に相当する。また、第1照射におけるレーザーシート光LSの照射強度はI1であり、第2照射におけるレーザーシート光LSの照射強度はI2である。つまり、図6の例では、第2照射強度(I2)/第1照射強度(I1)の値が、1.1〜10となるように、レーザー1が制御される。第2照射強度(I2)/第1照射強度(I1)の値は、具体的には例えば、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
以下、図6を用いて、第2実施形態について説明する。本実施形態では、レーザー1は、(第2照射におけるレーザーシート光LSの照射強度)/(第1照射におけるレーザーシート光LSの照射強度)の値が、1.1〜10となるように制御される。図6の例では、時刻t1〜時刻t1+T1までの間における照射が第1照射に相当し、時刻t2〜時刻t2+T1までの間における照射が第2照射に相当する。また、第1照射におけるレーザーシート光LSの照射強度はI1であり、第2照射におけるレーザーシート光LSの照射強度はI2である。つまり、図6の例では、第2照射強度(I2)/第1照射強度(I1)の値が、1.1〜10となるように、レーザー1が制御される。第2照射強度(I2)/第1照射強度(I1)の値は、具体的には例えば、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
ここで、第1照射及び第2照射の定め方はこれに限定されず、任意の時間帯における照射とすることができる。例えば、図6の例では、時刻t3〜時刻t3+T1までの間における照射を第1照射と捉え、時刻t1〜時刻t1+T1までの間における照射、又は、時刻t2〜時刻t2+T1までの間における照射を第2照射と捉えることができる。この場合、I1/I3又はI2/I3の値が1.1〜10となるように制御される。
第2実施形態では、レーザー1から照射されるレーザー光の照射強度を強弱織り交ぜているので、撮像装置2により撮像された可視化画像では、トレーサー粒子TPの軌跡にも照射強度の強弱が反映される。具体的には、照射強度が大きい範囲では、可視化画像におけるトレーサー粒子TPの輝度が大きくなる。一方、照射強度が小さい範囲では、可視化画像におけるトレーサー粒子TPの輝度が小さくなる。したがって、レーザー1の照射強度の設定を参照することにより、追跡対象のトレーサー粒子TPの移動の向きを一意に特定することができる。
(5−3)第3実施形態
以下、図7を用いて、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1実施形態と第2実施形態を組み合わせた形態である。図7に示すように、時刻t3〜時刻t3+T3までの間、レーザー1から照射されるレーザー光の照射時間(パルス幅)をT3、照射強度をI2とすることができる。
以下、図7を用いて、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1実施形態と第2実施形態を組み合わせた形態である。図7に示すように、時刻t3〜時刻t3+T3までの間、レーザー1から照射されるレーザー光の照射時間(パルス幅)をT3、照射強度をI2とすることができる。
第3実施形態では、レーザー1から照射されるレーザー光の照射時間の長短及び照射強度の強弱を織り交ぜているので、撮像装置2により撮像された可視化画像では、トレーサー粒子TPの軌跡にも照射時間の長短及び照射強度の強弱が反映される。したがって、レーザー1の照射時間及び照射強度の設定を参照することにより、追跡対象のトレーサー粒子TPの移動の向きを一意に特定することができる。
1 :レーザー
2 :撮像装置
3 :トレーサー粒子発生装置
4 :情報処理装置
11 :出力部
12 :レーザーシート形成部
13 :記憶部
14 :制御部
15 :出力時間調整部
16 :出力強度調整部
17 :通信部
100 :システム
2 :撮像装置
3 :トレーサー粒子発生装置
4 :情報処理装置
11 :出力部
12 :レーザーシート形成部
13 :記憶部
14 :制御部
15 :出力時間調整部
16 :出力強度調整部
17 :通信部
100 :システム
Claims (5)
- 照射ステップ、撮像ステップ及び測定ステップを備え、
前記照射ステップでは、レーザーにより、流れ場に導入したトレーサー粒子に複数回に渡ってレーザーシート光を照射し、且つ、前記照射は第1照射及び第2照射を含み、
前記撮像ステップでは、撮像装置により、前記レーザーシート光に照射された前記トレーサー粒子を撮像し、
前記測定ステップでは、情報処理装置により、前記撮像された画像に基づいて、前記トレーサー粒子の流速を測定し、
前記レーザーシート光は、以下の(1)又は(2)を満たすように構成される、
(1)第1照射及び第2照射における前記レーザーシート光の照射時間が異なる
(2)第1照射及び第2照射における前記レーザーシート光の照射強度が異なる
流体速度測定方法。 - 前記撮像ステップにおいて、前記撮像装置は、少なくとも第1照射の開始時から第2照射の終了時まで露光を継続する、
請求項1に記載の方法。 - 前記(1)を満たす場合、(第2照射における前記レーザーシート光の照射時間)/(第1照射における前記レーザーシート光の照射時間)の値が、1.1〜10となるように制御される、
請求項1又は請求項2に記載の方法。 - 前記(2)を満たす場合、(第2照射における前記レーザーシート光の照射強度)/(第1照射における前記レーザーシート光の照射強度)の値が、1.1〜10となるように制御される、
請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の方法。 - レーザー及び撮像装置を備え、
前記レーザーは、流れ場に導入したトレーサー粒子に複数回に渡ってレーザーシート光を照射し、且つ、前記照射は第1照射及び第2照射を含み、
前記撮像装置は、前記レーザーシート光に照射された前記トレーサー粒子を撮像可能に構成され、
前記レーザーシート光は、以下の(1)又は(2)を満たすように構成される、
(1)第1照射及び第2照射における前記レーザーシート光の照射時間が異なる
(2)第1照射及び第2照射における前記レーザーシート光の照射強度が異なる
システム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2018142129A JP2020020579A (ja) | 2018-07-30 | 2018-07-30 | 流体速度測定方法及びシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018142129A JP2020020579A (ja) | 2018-07-30 | 2018-07-30 | 流体速度測定方法及びシステム |
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JP2018142129A Pending JP2020020579A (ja) | 2018-07-30 | 2018-07-30 | 流体速度測定方法及びシステム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114487476A (zh) * | 2022-01-21 | 2022-05-13 | 南京航空航天大学 | 一种时空状态相关的粒子图像流场速度的测量系统及方法 |
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-
2018
- 2018-07-30 JP JP2018142129A patent/JP2020020579A/ja active Pending
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