JP4153197B2 - ステアリングダンパシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、二輪車のステアリングダンパシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から知られている二輪車用のステアリングダンパは、図4に示すように、ハウジング1に仕切り部材2を設けて、ハウジング1内を一対の油室3、4に区画するとともに、これらハウジング1と仕切り部材2とを相対的に回動自在にしている。つまり、ハウジング1を図示していないハンドルバー側に固定し、仕切り部材2を車体側に固定している。
また、上記仕切り部材2には、固定オリフィス5を形成し、この固定オリフィス5を介して両油室3、4を連通させるようにしている。
【0003】
今、上記ハンドルバーを切ると、ハウジング1と仕切り部材2とが相対的に回動するので、そのときには、一方の油室の体積が小さくなって、他方の油室の体積が拡大する。したがって、体積を縮小させる側の油室内の作動油は、固定オリフィス5を介して、体積を拡大する側の油室に流れ込む。そして、一方の油室の作動油が上記のように固定オリフィス5を通過するときに減衰力が発生することになる。
【0004】
上記減衰力は、ハンドルバーを速く切れば切るほど大きくなる。なぜなら、ハンドルバーを速く切れば切るほど、ハウジング1と仕切り部材2との相対回動速度が大きくなるので、その分、固定オリフィス5を通過する単位時間当たりの流量が多くなるからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記固定オリフィスを用いた従来のステアリングダンパシステムにおいて、外乱発生に対応するために固定オリフィスの径を小さくして減衰力を大きく保つと、ハンドルバーの操作が重くなってしまい、いわゆる操舵フィーリングが悪くなってしまう。
この発明の目的は、操舵フィーリングを良好に保てるステアリングダンパシステムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、ハウジング内を仕切り部材で一対の油室に区画するとともに、ハウジングあるいは仕切り部材のいずれか一方を車体側に連係させ、いずれか他方をハンドルバー側に連係させ、ハンドルバーを切ったとき、ハウジングと仕切り部材とが相対移動して、一方の油室の体積を縮小し、他方の油室の体積を拡大する構成にしたダンパ本体と、ハウジングと仕切り部材とが相対移動したとき、いずれか一方の油室から流出する流体に対して流体抵抗を付与する可変減衰弁と、この可変減衰弁を制御するコントローラとを有するステアリングダンパシステムにおいて、上記コントローラは、可変減衰弁の流路抵抗を制御する制御信号を車速に基づいて出力する車速系制御信号出力部と、可変減衰弁の流路抵抗を制御する制御信号をハンドルバーの操舵角速度、ハンドルバーの操舵角、ハンドルバーの上下加速度、または、ハンドルバーの軸周り加速度のいずれかにより定まるハンドル特性に基づいて出力するハンドル系制御信号出力部とを備え、ハンドルへの外乱を検出するハンドル系検出信号の絶対値が、予め設定したしきい値以下のとき、車速系制御信号出力部の出力信号に基づいて車速が早くなるにつれて減衰力が大きくなるように可変減衰弁の流路抵抗を制御し、上記ハンドル系検出信号がしきい値より大きくなったとき、上記車速系制御信号出力部の出力信号に基づく制御から、ハンドル系制御信号出力部の出力信号に基づく制御に切り換えて可変減衰弁の流路抵抗を制御するとともに、上記車速系制御信号出力部の出力信号に基づく制御によって発生する最大減衰力よりハンドル系制御信号出力部の出力信号に基づく制御によって発生する減衰力が大きく設定されたものである。
【0007】
第2の発明は、第1の発明を前提とし、ハンドル系制御信号出力部から出力される出力信号の出力タイミングをずらすディレー手段を設けたものである。
第3の発明は、第1または第2の発明を前提とし、油温の状況に応じてゲインを変更するゲイン調整手段を設け、ゲイン調整手段に基づいて、可変減衰弁の流路抵抗を制御する構成にしたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1および図2に示した実施態様は、ダンパ本体bのハウジングhに仕切り部材6を設けて、ハウジングh内を一対の油室7、8に区画するとともに、これらハウジングhと仕切り部材6とを相対的に回動自在にしている。つまり、ハウジングhを図示していないハンドルバー側に固定し、仕切り部材6を車体側に固定しているが、この点は従来の構成と同様である。
【0009】
そして、この実施態様では、上記両油室7、8を、電子式の可変減衰弁V1を介して連通させているが、この可変減衰弁はリリーフ弁タイプとしている。そして、この可変減衰弁V1は、次のように接続される。すなわち、可変減衰弁V1はインポート9とアウトポート10とを設けるとともに、インポート9はチェック弁11、12を介して両油室7、8に連通させている。そして、上記チェック弁11、12は、油室7、8からインポート9側への流通のみを許容する構成にしている。
【0010】
また、アウトポート10はチェック弁13、14を介して両油室7、8に連通させている。そして、上記チェック弁13、14は、アウトポート10側から油室7、8への流通のみを許容する構成にしている。
上記のようにした電子式の可変減衰弁V1は、ソレノイド15の電流が大きくなればなるほどその設定圧が高くなるようにしている。言い換えれば、ソレノイド15に流れる電流が大きくなれば、その減衰力が大きくなるようにしている。
【0011】
今、図示していないハンドルバーを切ると、ハウジングhと仕切り部材6とが相対的に回動し、一方の油室の体積を縮小し、他方の油室の体積を拡大する。このとき、体積を縮小される一方の油室の作動油が、電子式の可変減衰弁V1を経由して、体積を拡大する他方の油室に流れる。このように電子式の可変減衰弁V1に作動油が流通することによって、その時の減衰弁V1の設定圧に応じた減衰力が発生する。
【0012】
なお、電子式の可変減衰弁V1としては、図1に示すものだけでなく、図3に示す可変絞り弁タイプの電子式の可変減衰弁V2を用いてもよいが、この可変減衰弁V2の場合には、その開度を制御するようにしている。すなわち、上記両油室7、8を、電子式の可変減衰弁V2を介して連通させている。
上記のようにした電子式の可変減衰弁V2は、そのソレノイド16に流れる電流値に応じて、減衰力を調整できること前記した電子式の可変減衰弁V1の場合と同様である。
【0013】
上記のようにした電子式の可変減衰弁Vの電流値を制御するのがコントローラCであるが、このコントローラCの制御ブロック図を示したのが図2である。この実施態様において、上記ハンドル系検出信号としてハンドルバーの操舵角を用いている。したがって、図2に示したように、コントローラCには車速センサー17とハンドルバーの操舵角を検出する角度センサー18とを接続している。
【0014】
また、このコントローラCは、車速系制御信号出力部Sとハンドル系制御信号出力部Hとからなり、上記車速センサー17を車速系制御信号出力部Sに接続し、角度センサー18をハンドル系制御信号出力部Hに接続している。
一方、ハンドル系制御信号出力部Hは、角速度変換手段19と、絶対値変換手段20と、比較手段21と、一対のディレー手段22、23と、減衰力値DF2を出力する第1出力手段24と、減衰力値DF3を出力する第2出力手段25とからなる。このハンドル系制御信号出力部Hは、ハンドルバーの操舵角速度に基づいて減衰力値DF2あるいはDF3を生成する。
【0015】
上記角速度変換手段19は、ハンドルバーの操舵角から角速度を演算して次の絶対値変換手段20に伝達するためのものである。上記絶対値変換手段20は、ハンドルバーの角速度を絶対値化するとともに、その絶対信号を比較手段21に伝達する。
【0016】
比較手段21は、第1しきい値と第2しきい値とを記憶し、上記絶対値が第1しきい値を超えたか、あるいは第2しきい値を超えたかを比較判定する。上記第1しきい値とは、ハンドルバーの操舵角から導いたハンドルバーの角速度が、通常走行時の範囲内にあるかどうかの値である。したがって、この第1しきい値の範囲内にあれば、通常走行の状況と判断される。
【0017】
また、第1しきい値を超え、かつ第2しきい値以内であれば、例えば大きな障害物を乗り越えた状況ではあるが、第2しきい値を超えたときよりもその外乱状況が緩やかな場合である。第2しきい値を超えたときには、その外乱状況がかなり激しい場合である。
【0018】
上記比較手段21が、第1しきい値を超え、かつ、第2しきい値以下であると判定したとき、すなわち、第1しきい値と第2しきい値との間であると判断したときには、その出力信号が、一方のディレー手段22をオンの状態にする。そして、上記比較手段21は、第1出力手段24の減衰力値DF2を、出力ライン26を介して切換手段27に出力する。
また、比較手段21が、第2しきい値を超えたと判定したときには、その出力信号が、他方のディレー手段23をオンの状態にするとともに、第2出力手段25の減衰力値DF3を、出力ライン26を介して切換手段27に出力する。
【0019】
なお、第1出力手段24から出力される減衰力値DF2と第2出力手段25から出力される減衰力値DF3とは、DF2<DF3となるようにしている。また、車速感応の減衰力値DF1の最大値に対して、上記減衰力値DF2の方が大きくなるようにしている。つまり、最大減衰力値DF1<DF2<DF3の関係を保つようにしている。そして、減衰力は、減衰力値DF1の時よりも減衰力値DF2の時の方が大きくなり、減衰力値DF2の時よりも減衰力値DF3の時の方が、減衰力が大きくなるようにしている。
【0020】
上記車速系制御信号出力部Sは、変換手段28を主要素にしてなる。この変換手段28は、車速信号を減衰力値DF1に変換するもので、原則的には、車速が速くなればなるほど減衰力値DF1を大きくする。言い換えると、車速が速ければハンドルバーの操作力を重くし、車速が遅ければハンドルバーの操作力を軽くする方向に減衰力を調整するようにしている。
また、上記変換手段28は、出力ライン29を介して切換手段27に接続している。
【0021】
この切換手段27には、通常、減衰力値DF1だけが入力される。すなわち、角速度が第1しきい値あるいは第2しきい値を超えないときには、減衰力値DF1が入力されるが、減衰力値DF2あるいはDF3は入力されない。したがって、切換手段27は、上記減衰力値DF1をその下流の電磁減衰弁V側に出力する。
しかし、上記角速度が第1しきい値あるいは第2しきい値を超えると、減衰力値DF2あるいはDF3も、切換手段27に入力されるようになる。上記ハンドル系制御信号出力部Hから減衰力値DF2あるいはDF3が入力されたときには、上記切換手段27には、上記減衰力値DF2あるいはDF3を電磁減衰弁V側に出力するように切り換える。すなわち、減衰力値DF2あるいはDF3が入力されたときには、切換手段27は車速系制御信号出力部Sからの減衰力値DF1をカットし、減衰力信号DF2あるいはDF3を出力するように切り換える。
【0022】
また、切換手段27の下流側には油温センサー33からの油温の状況に応じてゲインを変更するためのゲイン調整手段30を設けているが、このゲイン調整手段30は、油温が高くなればなるほどゲインを大きくして減衰力値を大きくするようにしている。このように、油温の状況に応じてゲインを変更することによって、油温に影響されない最適な制御を可能にすることができる。
なお、図中符号31はコントローラCのリミッタで、ある限界値以上に減衰力を大きくしないようにするためのものである。また、符号32はコントローラCに内蔵したドライバである。
【0023】
次に、この第1の実施態様の作用を説明する。
走行中に、特に外乱が発生しなければ、ハンドルバーの角速度は、第1しきい値の範囲内に収まる。このように角速度が第1しきい値の範囲内にあれば、比較手段21から信号が出力されない。そのために、出力ライン26には、第1出力手段24および第2出力手段25のどちらからも出力信号が出力されない。
出力ライン26にハンドル系制御信号出力部Hからの出力信号が出力されないので、切換手段27には、車速系制御信号出力部Sからの減衰力値DF1だけが入力される。したがって、この切換手段27では、減衰力値DF1をその下流側に出力する。
【0024】
上記出力された減衰力値DF1は、ゲイン調整手段30の補正値で補正されて減衰力値DF4としてドライバ32に出力される。
ドライバ32に車速系制御信号出力部Sからの信号である減衰力値DF1を主とした減衰力値が入力するので、電子式の可変減衰弁Vの設定圧は、車速に応じて変化することになる。つまり、車速が速くなればなるほど、可変減衰弁Vの設定圧を高くしてハンドルバーの操作力を重くする。
【0025】
反対に、車速が遅くなればなるほど、電子式の可変減衰弁Vの設定圧を低くしてハンドルバーの操作力を軽くする。
このように通常走行時には、ハンドルバーの操作力を車速に依存させられるので、操舵フィーリングを良好に保つことができる。
【0026】
上記のように通常走行時には、ハンドルバーの操作力は車速感応型になるが、大きな障害物を乗り越えたりして外乱が生じたときには、ハンドルバーの角速度が通常走行時よりも速くなる。
そして、角速度が第1しきい値よりも大きく、かつ、第2しきい値よりも小さいと比較手段21が判定したときには、一方のディレー手段22をオンにして、切換手段27に第1出力手段24の減衰力値DF2を出力する。
【0027】
切換手段27に減衰力値DF2が入力されると、切換手段27からは、通常走行時に採用していた車速系制御信号出力部Sの減衰力値DF1がカットされて、上記減衰力値DF2が出力される。切換手段27から減衰力値DF2が出力されると、この減衰力値DF2は、ゲイン調整手段30の補正値で補正されて減衰力値DF4としてドライバ32に出力される。
上記減衰力値DF2は、減衰力値DF1の最大値よりも大きくしていること前記したとおりである。したがって、このときの減衰力は、通常走行時よりも大きくなる。
【0028】
また、上記よりももっと大きな障害物を乗り越えて、角速度が第2しきい値よりも大きくなったと比較手段21が判定したときには、他方のディレー手段23をオンにする。なお、このときには、一方のディレー手段22はオフの状態を保つ。
そして、上記比較手段21は、第2出力手段25からの減衰力値DF3を出力して、それを切換手段27に伝達する。切換手段27に減衰力値DF3が入力されると、切換手段27は、上記減衰力値DF3を出力する。切換手段27から減衰力値DF3が出力されると、この減衰力値DF3は、ゲイン調整手段30の補正値で補正されて減衰力値DF4としてドライバ32に出力される。
【0029】
この減衰力値DF3は、前記減衰力値DF2よりも大きいので、このときの減衰力はさらに大きくなる。
【0030】
なお、上記ディレー手段22、23は、これがオンの状態からオフの状態に切り換わるときにディレー機能が働くようにしている。すなわち、ディレー手段22、23がオンというのは、先に説明したように、切換手段27によって上記ハンドル系制御信号出力部Hからの減衰力値DF2あるいはDF3が採用されている状態である。そして、この状態からディレー手段22、23がオフになるというのは、角速度が所定のしきい値以下になって、車速系制御信号出力部Sからの減衰力値DF1に切り換えるときである。
このように減衰力値DF2あるいはDF3から減衰力値DF1に切り換えるとき、即座に車速系制御信号出力部Sからの出力信号に切り換えるのではなく、少しタイミングを遅らせてオフにする。すなわち、しきい値を超える外乱入力後、外乱が収束するであろうと予測される時間をあらかじめ設定しておき、この時間が経過した後に、減衰力値DF2あるいはDF3から減衰力値DF1に切り換えるようにしている。
【0031】
上記のように、ディレー手段22、23によってハンドル系制御信号出力部Hの減衰力値から車速系制御信号出力部Sの減衰力値に切り換えるタイミングをずらすようにしたのは、ハンドル系の制御特性から車速系の制御特性に、違和感なくなめらかに切り換わるようにするためである。
なお、上記ディレー手段を出力ライン26に設けるようにしてもよい。このように出力ライン26にディレー手段を設けることによって、ひとつのディレー手段で減衰力値DF2およびDF3の両方を制御することが可能となる。
また、上記ディレー手段22、23の機能を、切換手段27で行うようにしてもよい。このように切換手段27でディレー手段の機能を果たすようにすることによって、ディレー手段を特別に設けなくてもよい。
【0032】
さらに、減衰力値DF2およびDF3は、固定値としているが、これが可変値であってもよい。減衰力値を可変値にすることによって、上記減衰力値を複数設ける必要がない。したがって、出力手段もひとつで足りるようになる。さらに、上記減衰力値を可変値にすることによって、ハンドル系出力信号部Hから車速系制御信号出力部Sの減衰力値への切り換えをより一層違和感なく行うことができる。なぜなら、切換手段27で出力値をハンドル系の減衰力値から車速系の減衰力値に切り換えるとき、ハンドル系の減衰力値を車速系の減衰力値に徐々に近づけることができるからである。そして、ハンドル系の減衰力値が車速系の減衰力値と近い値になってから、車速系の減衰力値に切り換えるようにする。このように、ハンドル系と車速系の減衰力値とが近い値になってから、車速系の減衰力値に切り換えることによって、より一層切り換え時の違和感がなくなる。
【0033】
なお、この実施態様において、2つのしきい値を設定しているが、このしきい値を3つ以上設定してもよい。このようにしきい値を多く設定することによって、ハンドルバーに生じた外乱に対して、より一層、細かい制御をすることができる。
【0034】
また、別の実施態様としては、ハンドル系検出信号としてハンドルバーの操作速度を用いることやハンドルバーの上下加速度(ジー)を用いることも考えられる。
すなわち、上記ハンドルバーの操作速度を用いた場合、ハンドルバーの軸回りの加速度(ヨー)を検出する加速度センサーを、上記ハンドル系制御信号出力部Hの速度変換手段に接続する。この場合には、上記加速度センサーが前記実施態様の角度センサー18に相当し、速度変換手段が角速度変換手段19に相当する。上記加速度センサーと、速度変換手段以外は先の実施態様と同じである。
【0035】
また、上記速度変換手段は、上記軸回りの加速度をハンドルバーの操作速度に変換して次の絶対値変換手段20に伝達するためのものである。
上記絶対値変換手段20は、ハンドルバーの操作速度を絶対値化するとともに、その絶対信号を比較手段21に伝達する。この比較手段21は、先の実施態様の比較手段と同様である。すなわち、比較手段21は、第1しきい値と第2しきい値とを記憶し、上記絶対値が第1しきい値を超えたか、あるいは第2しきい値を超えたかを比較判定する。上記第1しきい値とは、軸回りの加速度から導いたハンドルバーの操作速度が、通常走行時の範囲内にあるかどうかの値である。したがって、この第1しきい値の範囲内にあれば、通常走行の状況と判断される。
【0036】
また、第1しきい値を超え、かつ第2しきい値以内であれば、例えば大きな障害物を乗り越えた状況ではあるが、第2しきい値を超えたときよりもその外乱状況が緩やかな場合である。第2しきい値を超えたときには、その外乱状況がかなり激しい場合である。
【0037】
比較手段21が、第1しきい値を超えたと判定したときには、第1出力手段24の減衰力値DF2が切換手段27に出力される。
比較手段手段21が、第2しきい値を超えたと判定したときには、第2出力手段25の減衰力値DF3が切換手段27に出力される。
上記以外の構成は、すべて第1の実施態様と同様である。
【0038】
また、ハンドル系検出信号としてハンドルバーの上下加速度(ジー)を用いた場合、ハンドルバーの上下加速度(ジー)を検出する加速度センサーを、上記ハンドル系制御信号出力部Hのハンドルバー速度変換手段に接続する。上記加速度センサーは第1の実施態様の角度センサー18に相当し、ハンドルバー速度変換手段は第1の実施態様の角速度変換手段19に相当する。上記加速度センサーと、ハンドルバー速度変換手段以外は第1の実施態様と同じである。
【0039】
上記ハンドルバー速度変換手段は、ハンドルバーの上下加速度をハンドルバーの上下速度に変換して次の絶対値変換手段20に伝達するためのものである。
上記絶対値変換手段20は、ハンドルバーの上下速度を絶対値化するとともに、その絶対信号を比較手段21に伝達する。この比較手段21は、第1、2の実施態様の比較手段と同様である。すなわち、比較手段21は、第1しきい値と第2しきい値とを記憶し、上記絶対値が第1しきい値を超えたか、あるいは第2しきい値を超えたかを比較判定する。上記第1しきい値とは、上下加速度から導いたハンドルバーの上下速度が、通常走行時の範囲内にあるかどうかの値である。したがって、この第1しきい値の範囲内にあれば、通常走行の状況と判断される。
【0040】
また、第1しきい値を超え、かつ第2しきい値以内であれば、例えば大きな障害物を乗り越えた状況ではあるが、第2しきい値を超えたときよりもその外乱状況が緩やかな場合である。第2しきい値を超えたときには、その外乱状況がかなり激しい場合である。
そして、この比較手段21よりも下流の回路は、第1の実施態様と同様である。
【0041】
【発明の効果】
第1〜第3の発明によれば、可変減衰弁を制御する可変減衰弁の流路抵抗を制御する制御信号を車速に基づいて出力する車速系制御信号出力部と、可変減衰弁の流路抵抗を制御する制御信号をハンドル特性に基づいて出力するハンドル系制御信号出力部とを備え、ハンドルへの外乱を検出するハンドル系検出信号がしきい値を超えたとき、ハンドル系制御信号出力部の出力信号に基づいて可変減衰弁の流路抵抗を制御し、上記ハンドル系検出信号がしきい値以下のとき、車速系制御信号出力部の出力信号に基づいて可変減衰弁の流路抵抗を制御することとしたので、外乱が発生したときには、減衰力を大きくし、外乱が発生していないときには減衰力を小さくすることができる。
したがって、外乱が発生していない通常走行時には操舵フィーリングを良好に保つことができる。
【0042】
特に第2の発明によれば、ハンドル系制御信号出力部から出力される出力信号の出力タイミングをずらすディレー手段を設けたので、例えば、ハンドル系制御信号出力部から車速系制御信号出力部に切り換えるとき、この切換を違和感なくなめらかに行うことができる。
また、特に、第3の発明によれば、油温の状況に応じてゲインを変更するためのゲイン調整手段を設け、ゲイン調整手段に基づいて、可変減衰弁の流路抵抗を制御することとしたので、油温の状況に拘わらず、常に安定した減衰力を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施態様の減衰力調節機構の回路を示した図である。
【図2】この実施形態の制御ブロック図である。
【図3】他の電磁減衰弁の例を示したものである。
【図4】従来の減衰力調整機構の部分断面図である。
【符号の説明】
b ダンパ本体
h ハウジング
6 仕切り部材
7 油室
8 油室
V1 電子式の可変減衰弁
V2 電子式の可変減衰弁
C コントローラ
S 車速系制御信号出力部
H ハンドル系制御信号出力部
22 ディレー手段
23 ディレー手段
30 ゲイン調整手段
Claims (3)
- ハウジング内を仕切り部材で一対の油室に区画するとともに、ハウジングあるいは仕切り部材のいずれか一方を車体側に連係させ、いずれか他方をハンドルバー側に連係させ、ハンドルバーを切ったとき、ハウジングと仕切り部材とが相対移動して、一方の油室の体積を縮小し、他方の油室の体積を拡大する構成にしたダンパ本体と、ハウジングと仕切り部材とが相対移動したとき、いずれか一方の油室から流出する流体に対して流体抵抗を付与する可変減衰弁と、この可変減衰弁を制御するコントローラとを有するステアリングダンパシステムにおいて、上記コントローラは、可変減衰弁の流路抵抗を制御する制御信号を車速に基づいて出力する車速系制御信号出力部と、可変減衰弁の流路抵抗を制御する制御信号をハンドルバーの操舵角速度、ハンドルバーの操舵角、ハンドルバーの上下加速度、または、ハンドルバーの軸周り加速度のいずれかにより定まるハンドル特性に基づいて出力するハンドル系制御信号出力部とを備え、ハンドルへの外乱を検出するハンドル系検出信号の絶対値が、予め設定したしきい値以下のとき、車速系制御信号出力部の出力信号に基づいて車速が早くなるにつれて減衰力が大きくなるように可変減衰弁の流路抵抗を制御し、上記ハンドル系検出信号がしきい値より大きくなったとき、上記車速系制御信号出力部の出力信号に基づく制御から、ハンドル系制御信号出力部の出力信号に基づく制御に切り換えて可変減衰弁の流路抵抗を制御するとともに、上記車速系制御信号出力部の出力信号に基づく制御によって発生する最大減衰力よりハンドル系制御信号出力部の出力信号に基づく制御によって発生する減衰力が大きく設定されたことを特徴とするステアリングダンパシステム。
- ハンドル系制御信号出力部から出力される出力信号の出力タイミングをずらすディレー手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のステアリングダンパシステム。
- 油温の状況に応じてゲインを変更するゲイン調整手段を設け、ゲイン調整手段に基づいて、可変減衰弁の流路抵抗を制御する構成にしたことを特徴とする請求項1または2に記載のステアリングダンパシステム。
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