JP4153107B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りタイヤ、特にハイドロ・プレーニング性能を維持しつつ気柱共鳴音の低減および大舵角コーナリング性能を向上して乗用車又はレーシングカー等のタイヤとして好適な空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
図5に、空気入りタイヤ(空気入りラジアルタイヤ)のトレッドパターンを示している。
図5において、トレッド1の中央部にはタイヤ周方向で連続する直線状の縦リブ2が突隆形成され、該縦リブ2の左右外側方には、タイヤ周方向で直線状として連続する左右の縦主溝3L,3Rを介してタイヤ周方向でブロック4L,4Rを並べて構成した左右の中間ブロック列5L,5Rが突隆形成され、該左右の中間ブロック列5L,5Rの左右外側方には、タイヤ周方向で直線状として連続する左右の縦副溝6L,6Rを介してタイヤ周方向でショルダーブロック7L,7Rを並べて構成した左右のショルダーブロック列8L,8Rを突隆形成したリブ・ブロックパターンが例えば周波数分散理論によって構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図5に示したタイヤのようにショルダーブロック列8L,8Rを構成するショルダーブロック7L,7Rが大きくてタイヤ1周当りのブロック個数が少ない場合、ショルダーブロック列8L,8Rの横溝9L,9Rで発生する音及びブロック剛性の強さからくる振動音等でバターンノイズとロードノイズが高くなるという課題があった。
また、ショルダーブロック7L,7Rを横細溝10L,10Rで完全に2分すると大舵角コーナリング性能が低下するという課題があった。
【0004】
更に、中間ブロック4L,4Rの剛性軽減のため、切込み11L,11Rを形成すると、接地の際切込み溝内の空気が圧縮され破裂音を発生し、パターンノイズが高くなるという課題があった。
更に、縦主溝3L,3Rおよび縦副溝6L,6Rはいずれも直線形状であるため気柱共鳴も高くなるという課題があった。
この気柱共鳴は、タイヤ接地面において、縦溝と路面との間で形成される気柱内の空気が、タイヤ転動中におけるタイヤパターンによる加振力、路面からの入力により共振し、気柱の長さの約2倍の波長の音が発生し、乗用車用タイヤの場合耳障な800Hz〜1KHzの騒音の主たる音源となる。
【0005】
この気柱共鳴音の波長は、タイヤの速度によらずほぼ一定周波数となり、車内音及び車外音を増加させるのである。
この気柱共鳴を防止するため縦溝の本数、容積を減らすとウェットグリップ性特にウェット路面を高速走行する際に発生するハイドロプレーニング現象を防止する性能が低下する。
そこで本発明は、トレッドの中央部にタイヤ周方向に連続する縦リブを備え、この縦リブの左右に形成した縦主溝を介して左右の中間ブロック列を備えるとともに、該中間ブロックの左右外方に縦副溝を介して左右のショルダーブロック列を備えたトレッドパターンを有する空気入りタイヤを対象として、前記中間ブロックおよびショルダーブロックの配列と形状を工夫するとともに縦溝の形状を工夫することによって、ハイドロプレーニング性能を低下させることなく、パターンノイズ(騒音)の低減、大舵角コーナリング性能の向上並びにショルダーブロックの偏摩耗を抑制できるようにした空気入りタイヤを提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するために、本発明は次の技術的手段を講じている。
すなわち、請求項1に係る空気入りタイヤは、トレッド20の中央部にタイヤ周方向に連続する縦リブ21を突隆して備え、該縦リブ21の左右外側方に、タイヤ周方向に連続する左右の縦溝22L,22Rを介してタイヤ周方向にブロック23L,23Rを並べて構成した左右の中間ブロック列24L,24Rを突隆して備え、該左右の中間ブロック列24L,24Rの左右外側方に、タイヤ周方向に連続する左右の縦副溝25L,25Rを介してタイヤ周方向にショルダーブロック26L,26Rを並べて構成した左右のショルダーブロック列27L,27Rを突隆して備え、前記左右の中間ブロック列24L,24Rは、周方向の1ピッチP1に横溝28L,28R,29L,29Rを介して3個のブロック23L,23Rが並べられ、前記左右のショルダーブロック列27L,27Rは、前記周方向の1ピッチP1と等ピッチである周方向の1ピッチP2に横溝30L,30R,31L,31Rを介して2個のショルダーブロック26L,26Rが並べられており、前記縦リブ21、ブロック23L,23Rおよびショルダーブロック26L,26Rのいずれかには、前記左右の縦主溝22L,22R又は左右の縦副溝25L,25Rの溝幅を狭くして気柱共鳴音の波長をカットするための突隆部32L,32R,33L,33R,34L,34Rがタイヤ周方向に間隔をおいて形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
ここで、ブロック23L,23Rとショルダーブロック26L,26Rはインサイド側(タイヤを自動車に装着したときの内側)とアウトサイド側(タイヤを自動車に装着したときの外側)とが3個:2個の配列パターンとなることから、パターン・ノイズの周波数分散に有効となる。また、縦リブ21、ブロック23L,23Rおよびショルダーブロック26L,26Rには、縦主溝22L,22R又は縦副溝25L,25Rの溝幅を狭くする突隆部32L,32R,33L,33R,34L,34Rがタイヤ周方向の間隔をおいて形成したことによって、気柱共鳴音の波長をカットすることとなって、騒音低減が期待できるのである。
【0008】
前記突隆部32L,32R,33L,33R,34L,34Rは、タイヤ接地面(通常は、横長楕円形となる)に少なくともひとつ形成(位置)されていればよい。
また、請求項2に係る空気入りタイヤは、前述した請求項1の構成に加えて、前記左右の中間ブロック列24L,24Rの横溝28L,28R,29L,29Rおよび前記左右のショルダーブロック列27L,27Rの横溝30L,30R,31L,31Rは、タイヤ回転方向Fに対して後退角θ1,θ2,θ3,θ4を有しており、前記左右の中間ブロック列24L,24Rの1ピッチP1を構成する横溝28L,28Rの後退角θ1は1ピッチP1内の中間横溝29L,29Rの後退角θ2より大きな角度とされており、前記左右のショルダーブロック列27L,27Rの1ピッチP2を構成する横溝30L,30Rの後退角θ3は1ピッチP2内の中間横溝31L,31Rの後退角θ4より大きな角度とされていることを特徴とするものである。
【0009】
ここで後退角とは、タイヤが回転するとき、横溝の外方端(排水口側)が内方端(集水口側)よりも遅く(後で)接地するように溝長手方向の成分とタイヤ回転方向の成分とのなす角(交角)をいい、この交角が90°であれば、横溝はタイヤ軸方向と平行に形成される(すなわち、横溝の内・外端が同時に接地する)ことになり、これ故、後退角は90°以下であって、90°に近づくほど横溝の傾斜はゆるやかとなり、走行中(回転中)における排水効果が悪化する。一方、90°から遠くほど横溝の傾斜は急となり、排水性が向上することになる。
【0010】
また、請求項2に係る空気入りタイヤによれば、大舵角コーナリング性能が向上するとともに、ショルダーブロックの偏摩耗を抑制して耐久性が向上する。
更に、請求項3に係る空気入りタイヤは、前述した請求項1又は請求項2の構成に加えて、前記左右の中間ブロック列24L,24Rの横溝28L,28R,29L,29Rおよび前記左右のショルダーブロック列27L,27Rの横溝30L,30R,31L,31Rは、排水入口部35L,35R,36L,36Rの溝幅が広い集水部に形成されていて、該排水入口部から左右外方に向って曲線形状として溝長手方向に延伸されていることを特徴とするものである。
【0011】
このような構成を採用することによって、タイヤ回転中(自動車走行中)において、横溝を介しての排水性が良好となるのである。
更に、請求項4に係る空気入りタイヤは、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加えて前記突隆部32L,32R,33L,33R,34L,34R)は、タイヤ回転方向Fの先行側F1において前記縦主溝22L,22Rまたは前記縦副溝25L,25Rの溝幅が徐々に狭くなるようにタイヤ周方向に傾斜し、タイヤ回転方向Fの後行側F2において前記縦主溝22L,22Rまたは前記縦副溝25L,25Rの溝幅が徐々に再び広くなるようにタイヤ周方向に傾斜し、かつ、前記先行側F1におけるタイヤ周方向に対する傾斜の程度が前記後行側F2における傾斜の程度よりも大きい山形状とされていることを特徴とするものである。
【0012】
このような構成を採用することによって、気柱共鳴(騒音)を確実に軽減できるだけでなく、突隆部32L,32R,33L,33R,34L,34Rによる排水乱流が防止されるのである。
また、請求項5に係る空気入りタイヤは、請求項1〜4のいずれかに記載の構成に加えて、前記突隆部32L,32Rが前記縦リブ21に形成されており、該突隆部32L,32Rは、前記左右の中間ブロック列24L,24Rにおける横溝29L,29Rの排水入口部35L,35Rと対向する位置に配置されているを特徴とするものである。
【0013】
このような構成を採用することによって、中間ブロック列における横溝を介しての排水性が良好となったのである。
更に、請求項6に係る空気入りタイヤは、請求項1〜5のいずれかに記載の構成に加えて、前記突隆部33L,33Rが前記左右の中間ブロック列24L,24Rを構成するブロック23L,23Rの外側方に形成されており、該突隆部33L,33Rは、前記左右のショルダーブロック列27L,27Rにおける横溝30L,30Rの排水入口部36L,36Rと対向する位置に配置されていることを特徴とするものである。
【0014】
このような構成を採用することによって、ショルダーブロック列における横溝を介しての排水性が良好となったのである。
また、請求項7に係る空気入りタイヤは、請求項1〜6のいずれかに記載の構成に加えて、前記左右の中間ブロック列24L,24Rの周方向の1ピッチP1を構成する横溝28L,28Rの溝幅は、該1ピッチP1内の中間横溝29L,29Rの溝幅より広幅とされており、更に、前記左右のショルダーブロック列27L,27Rの周方向の1ピッチP2を構成する横溝30L,30Rの溝幅は、該1ピッチP2内の中間横溝31L,31Rの溝幅より広幅とされていることを特徴とするものである。
【0015】
このような構成を採用したことによって、中間ブロック列およびショルダーブロック列によるグリップ性を確保してドライグリップ性能を向上しつつ操縦安定性を約束しながらも排水性を良好としてウェット性能を確保しているのである。
更に、請求項8に係る空気入りタイヤは、請求項1〜7のいずれかに記載の構成に加えて、前記左右のショルダーブロック列27L,27Rにおけるショルダーブロック26L,26Rの接地面には、トレッド幅方向に延伸する独立サイプ37L,37Rが形成されていることを特徴とするものである。
【0016】
このような構成を採用したことによって、インサイドおよびアウトサイドのショルダーブロックの剛性を緩和してブロック剛性の強さに基因する振動音等でパターンノイズおよびロードノイズが高くなるのを抑制しているとともに、サイプによる薄い水膜切断効果を確保しているのであり、該サイプはオープンではなくクローズ(独立)しているので偏摩耗等を抑制できるのである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
空気入りタイヤ、より具体的には空気入りラジアルタイヤ(偏平タイヤ)におけるトレッド20の一部を平面的に示した図1および図1の拡大図を示している図2を参照して実施形態について説明する。
図1で示すように、トレッド20の中央部にはタイヤ周方向(矢符Fがタイヤの回転方向)に直線状として連続する縦リブ21が突隆して備えられ、外縦リブ21の左右(タイヤを自動車に装着したときのインサイドおよびアウトサイドであり、以下同じ)外側方に、タイヤ周方向でほぼ直線状に連続する左右の縦主溝22L,22Rを介してタイヤ周方向にブロック23L,23Rを並べて構成した左右の中間ブロック列24L,24Rを突隆して備えている。
【0018】
左右の中間ブロック列24L,24Rの左右外側方には、タイヤ周方向でほぼ直線状に連続する左右の縦副溝25L,25Rを介してタイヤ周方向にショルダーブロック26L,26Rを並べて構成した左右のショルダーブロック列27L,27Rを突隆して備えている。
前記左右の中間ブロック列23L,23Rは、周方向の1ピッチP1に横溝28L,28R,29L,29Rを介して3個のブロック23L,23Rが周方向に並べられており、更に、前記左右のショルダーブロック列26L,26Rは、前記周方向の1ピッチP1と等ピッチ(完全に等しいものだけでなく多少の長短があるものを含む)である周方向の1ピッチP2に横溝30L,30R,31L,31Rを介して2個のショルダーブロック26L,26Rが周方向に並べられており、左右の中間ブロック列23L,23Rと左右のショルダーブロック列26L,26Rは周方向に符号Tで示すようにオフセット(位相ずれ)されて前記1ピッチP1,P2を基本ピッチとして周方向にブロックが多数個並べられており、前記オフセットTの基でトレッドパターンはタイヤの赤道線を境として左右対称形状とされている。
【0019】
タイヤを自動車(乗用車,レーシングカー等)に装着して走行中に、タイヤ接地面において、縦溝と路面との間で形成される気柱内の空気が、タイヤ転動中におけるタイヤパターンによる加振力、路面からの入力により共振し、気柱共鳴と呼ばれる耳障りな800Hz〜1KHzの騒音の主たる音源となる。
そこで本発明においては、前記左右の縦主溝22L,22Rおよび/または左右の縦副溝25L,25Rの溝幅を狭くして気柱共鳴音の波長をカットするための突隆部32L,32R,33L,33R,34L,34Rを縦リブ21、左右の中間ブロック23L,23R、左右のショルダーブロック26L,26Rのいずれか(実施形態ではリブ、ブロックの双方)にタイヤ周方向の間隔をおいて形成することによって、基柱共鳴音(騒音)を抑制するように構成されている。
【0020】
図1に示す第1実施の形態では、縦リブ21の左右立面に、左右において周方向の位相ずれをもって突隆部32L,32Rが1ピッチP1,P2とほぼ同ピッチのもとで周方向に間隔をおいて形成され、この突隆部32L,32Rの突隆量(タイヤ軸方向の突出量)によって左右の縦主溝22L,22Rの溝幅を狭くしており、また、左右の中間ブロック23L,23Rの縦主溝22L,22Rに面する(位置する)側の立面に、1ピッチP1内のひとつのブロック23L,23Rに突隆部33L,33Rを形成することで縦主溝22L,22Rの溝幅を狭くしており、この中間ブロック23L,23Rにおける突隆部33L,33Rは縦リブ21に形成した突隆部32L,32Rの周方向間隔(長さ)のほぼ中央部位に配置されている。
【0021】
ここに、トレッド1の中央接地部位において、少なくとも1つ以上の気柱共鳴音の波長をカットするための突隆部32L,32R,33L,33Rが形成されることによって耳障りな騒音源を抑制しているのである。
更に、トレッド1の左右側部接地部位においても縦副溝25L,25Rによる気柱共鳴音が発生するので、該縦副溝25L,25Rに面する(位置する)中間ブロック23L,23Rの各外側および左右のショルダーブロック26L,26Rの各内側に縦副溝25L,25Rの溝幅を狭くするための突隆部33L,33R,34L,34Rがそれぞれ周方向の間隔をおいて形成されている。
【0022】
前記左右の中間ブロック列24L,24Rの横溝28L,28R,29L,29Rおよび前記左右のショルダーブロック列27L,27Rの横溝30L,30R,31L,31Rは、タイヤ回転方向Fに対して後退角θ1,θ2,θ3,θ4を有しており、前記左右の中間ブロック列24L,24Rの1ピッチP1を構成する横溝28L,28Rの後退角θ1,θ1は1ピッチP1内の中間横溝29L,29Rの後退角θ2,θ2より大きな角度とされており、前記左右のショルダーブロック列27L,27Rの1ピッチP2を構成する横溝30L,30Rの後退角θ3,θ3は1ピッチP2内の中間横溝31L,31Rの後退角θ4より大きな角度とされている。
【0023】
具体的には、タイヤ形式225/50R16においては、θ1は76°、θ2は67°、θ3は64°、θ4は52°とされている。
ここで後退角θ1〜θ4については、前述した定義の通りであり、その交角(後退角)は90°以下を条件としてθ1>θ2,θ3>θ4の関係にあればよく、その数値は前述した値に特定されるものではなく、また、図1ではトレッド左側に角度θ1〜θ4を付しているが、トレッド右側においてもθ1〜θ4は左側と同じである。
【0024】
更に、前記左右の中間ブロック列24L,24Rの横溝28L,28R,29L,29Rおよび前記左右のショルダーブロック列27L,27Rの横溝30L,30R,31L,31Rは、排水入口部35L,35R,36L,36Rの溝幅が広い集水部に形成されていて、該排水入口部から左右外方(タイヤ軸方向外方)に向って曲線形状として溝長手方向に延伸されている。
ここに、タイヤが路面上を転動するとき、左右の縦主溝22L,22Rを流動する排水は、左右の中間ブロック列24L,24Rにおける横溝28L,28R,29L,29Rの集水部35L,35Rに導入され、各横溝の長手方向に沿って左右外方に排水され、この排水は左右の縦副溝25L,25Rを流れる排水と合流されつつ左右のショルダーブロック列27L,27Rにおける横溝30L,30R,31L,31Rの集水部36L,36Rに導入されて溝長手方向に流下されるのであり、これによって、ハイドロ・プレーニング性能を確保しつつパターンノイズ(気柱共鳴音)の抑制(低減)をしているのである。
【0025】
更に、縦リブ21の左右に形成されている突隆部32L,32Rは、図2において右側で例示(左側も同じ)しているように、中間ブロック列24Rにおける横溝29Rの集水部35Rとほぼ対向する位置に配置されることによって、縦主溝22Rを流れる排水をより一層集水部に導入可能としており、ここに、縦リブ21の左右に形成した突隆部32L,32Rは、気柱共鳴音の波長をカットする機能(段目)と縦主溝22L,22Rを流れる水の排水性を良好にしているのである。
【0026】
また、左右の中間ブロック列24L,24Rの外側方に形成されている突隆部33L,33Rについても左右のショルダーブロック列27L,27Rにおける横溝30L,30Rの集水部36L,36Rとほぼ対向する位置に配置されて、ここに、縦主溝22L,22Rからの水の排水を縦副溝25L,25Rに合流させつつ横溝を介しての左右方向へすばやく排水可能としており、これによって、突隆部33L,33Rは気柱共鳴音の波長カット機能と排水促進機能を備えているのである。
【0027】
更に、図2で示すように前述したそれぞれの突隆部32L,32R,33L,33R,34L,34Rは、タイヤ回転方向Fの先行側F1が急傾斜で後行側F2が緩傾斜されたほぼ山形状とされていることにより、先行側F1においては水の集水機能を向上させ、後行側F2においては水の乱流を防止して、排水機能を向上しているのである。
また、図1で示しているように、左右の中間ブロック列24L,24Rの周方向の1ピッチP1を構成する横溝28L,28Rの溝幅は、該1ピッチP1内の中間横溝29L,29Rの溝幅より広幅とされており、更に、左右のショルダーブロック列27L,27Rの周方向の1ピッチP2を構成する横溝30L,30Rの溝幅は、該1ピッチP2内の中間横溝31L,31Rの溝幅より広幅とされていることによって、1ピッチ内で中間ブロックを3個ショルダーブロックを2個配列したことに相まって大舵角コーナリング性能を確保しているのである。
【0028】
更に、左右のショルダーブロック列27L,27Rにおけるショルダーブロック26L,26Rの接地面には、トレッド幅方向に延伸する独立サイプ37L,37Rが形成されていることによって、サイプによる薄い水膜切断効果を発揮させつつ偏摩耗を防止し、耐久性を向上しているのである。
図3および図4はそれぞれ本発明に係る空気入りタイヤのトレッドパターンの第2及び第3の実施形態を示しており、基本構成と作用は図1及び図2を参照して既述した第1実施形態と同じであることから、同一部位は同一符号を付し、以下、相違点について説明する。
【0029】
図3の第2実施形態では、中央部の縦リブ21には左右の突隆部が形成されてなく所謂ストレートリブとされている。しかし、左右の中間ブロック23L,23Rの各内側に突隆部33L,33Rが形成されていることから、左右の縦主溝22L,22Rにおいての気柱共鳴音の波長はカットされ得るのである。
図4の第3実施形態では、左右の中間ブロック23L,23Rの内側に形成した突隆部33L,33Rをブロック周方向の中途に配置したものである。
但し、図1および図2で示すように、突隆部33L,33R,34L,34Rについてはブロックの周方向端に形成する方がブロック剛性を向上し、異常偏摩耗を防止する観点からは有利となる。
【0030】
なお、図1および図2において(図3,図4でも同じ)、縦主溝22L,22Rの溝深さを100%としたとき、縦副溝25L,25Rの溝深さは90%、ショルダーブロック列の横深さは80%とされており、中間ブロック列の横溝は主溝側が50%で副溝側が80%とれることによって、中間ブロックの剛性を確保している。
また、前述した構成は一例であって、本発明では次のような設計変更は可能である。
【0031】
トレッド中央の縦リブについては、周方向にジグザグ状とされたものでも良いこと。
トレッド中央の縦リブについてはこの接地面に細溝を形成して中央2本の縦リブにすること。
また、ショルダーブロックに形成する独立サイプは2本であっても良く、かつ形状は「へ」の字形、波形であっても良いこと。
【0032】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、ハイドロプレーニング性能を維持しつつ、パターンノイズの低減すなわち、周波数分散を良くし気柱共鳴音の低減による騒音の抑制が図れるし、大舵角コーナリング性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係る空気入りタイヤの一部平面図である。
【図2】 図1の要部拡大図である。
【図3】 第2実施形態に係る空気入りタイヤの一部平面図である。
【図4】 第3実施形態に係る空気入りタイヤの一部平面図である。
【図5】 従来例の平面図である。
【符号の説明】
20 トレッド
21 縦リブ
22L,22R 縦主溝
23L,23R 中間ブロック
24L,24R 中間ブロック列
25L,25R 縦副溝
26L,26R ショルダーブロック
27L,27R ショルダーブロック列
32L,32R 突隆部
Claims (8)
- トレッド(20)の中央部にタイヤ周方向に連続する縦リブ(21)を突隆して備え、
該縦リブ(21)の左右外側方に、タイヤ周方向に連続する左右の縦溝(22L)(22R)を介してタイヤ周方向にブロック(23L)(23R)を並べて構成した左右の中間ブロック列(24L)(24R)を突隆して備え、
該左右の中間ブロック列(24L)(24R)の左右外側方に、タイヤ周方向に連続する左右の縦副溝(25L)(25R)を介してタイヤ周方向にショルダーブロック(26L)(26R)を並べて構成した左右のショルダーブロック列(27L)(27R)を突隆して備え、
前記左右の中間ブロック列(24L)(24R)は、周方向の1ピッチ(P1)に横溝(28L)(28R)(29L)(29R)を介して3個のブロック(23L)(23R)が並べられ、
前記左右のショルダーブロック列(27L)(27R)は、前記周方向の1ピッチ(P1)と等ピッチである周方向の1ピッチ(P2)に横溝(30L)(30R)(31L)(31R)を介して2個のショルダーブロック(26L)(26R)が並べられており、
前記縦リブ(21)、ブロック(23L)(23R)およびショルダーブロック(26L)(26R)のいずれかには、前記左右の縦主溝(22L)(22R)または左右の縦副溝(25L)(25R)の溝幅を狭くして気柱共鳴音の波長をカットするための突隆部(32L)(32R)(33L)(33R)(34L)(34R)がタイヤ周方向に間隔をおいて形成されている
ことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記左右の中間ブロック列(24L)(24R)の横溝(28L)(28R)(29L)(29R)および前記左右のショルダーブロック列(27L)(27R)の横溝(30L)(30R)(31L)(31R)は、タイヤ回転方向(F)に対して後退角(θ1)(θ2)(θ3)(θ4)を有しており、
前記左右の中間ブロック列(24L)(24R)の1ピッチ(P1)を構成する横溝(28L)(28R)の後退角(θ1)は1ピッチ(P1)内の中間横溝(29L)(29R)の後退角(θ2)より大きな角度とされており、
前記左右のショルダーブロック列(27L)(27R)の1ピッチ(P2)を構成する横溝(30L)(30R)の後退角(θ3)は1ピッチ(P2)内の中間横溝(31L)(31R)の後退角(θ4)より大きな角度とされている
ことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。 - 前記左右の中間ブロック列(24L)(24R)の横溝(28L)(28R)(29L)(29R)および前記左右のショルダーブロック列(27L)(27R)の横溝(30L)(30R)(31L)(31R)は、排水入口部(35L)(35R)(36L)(36R)の溝幅が広い集水部に形成されていて、該排水入口部から左右外方に向って曲線形状として溝長手方向に延伸されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。 - 前記突隆部(32L)(32R)(33L)(33R)(34L)(34R)は、
タイヤ回転方向(F)の先行側(F1)において前記縦主溝(22L)(22R)または前記縦副溝(25L)(25R)の溝幅が徐々に狭くなるようにタイヤ周方向に傾斜し、
タイヤ回転方向(F)の後行側(F2)において前記縦主溝(22L)(22R)または前記縦副溝(25L)(25R)の溝幅が徐々に再び広くなるようにタイヤ周方向に傾 斜し、
かつ、前記先行側(F1)におけるタイヤ周方向に対する傾斜の程度が前記後行側(F2)における傾斜の程度よりも大きい山形状とされている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。 - 前記突隆部(32L)(32R)が前記縦リブ(21)に形成されており、
該突隆部(32L)(32R)は、前記左右の中間ブロック列(24L)(24R)における横溝(29L)(29R)の排水入口部(35L)(35R)と対向する位置に配置されている
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。 - 前記突隆部(33L)(33R)が前記左右の中間ブロック列(24L)(24R)を構成するブロック(23L)(23R)の外側方に形成されており、
該突隆部(33L)(33R)は、前記左右のショルダーブロック列(27L)(27R)における横溝(30L)(30R)の排水入口部(36L)(36R)と対向する位置に配置されている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。 - 前記左右の中間ブロック列(24L)(24R)の周方向の1ピッチ(P1)を構成する横溝(28L)(28R)の溝幅は、該1ピッチ(P1)内の中間横溝(29L)(29R)の溝幅より広幅とされており、
更に、前記左右のショルダーブロック列(27L)(27R)の周方向の1ピッチ(P2)を構成する横溝(30L)(30R)の溝幅は、該1ピッチ(P2)内の中間横溝(31L)(31R)の溝幅より広幅とされている
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。 - 前記左右のショルダーブロック列(27L)(27R)におけるショルダーブロック(26L)(26R)の接地面には、トレッド幅方向に延伸する独立サイプ(37L)(37R)が形成されている
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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