JP4152125B2 - 光信号レベル制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
インターネット、携帯電話など利用者の増加に伴いトラヒックが増大しており、かつサービスも電子商取引、電子メールから動画配信まで多様化して容量が増大している。そのため、大容量のネットワークが必要不可欠であり、光通信網の導入が進められ、特にWDM(Wevelength Division Mutiplexing :波長分割多重)技術を利用した波長多重通信網(WDM通信網)の構築が急速に行われている。WDMでは、ファイバーや光アンプ、その他の光部品の特性のばらつきのために、波長多重される光信号間において光パワーレベルのばらつきが生じると、伝送品質の劣化を引き起こす。特に様々な光部品を組み合わせた光ノード(OADM,OXC等)を用いた場合は、そのばらつきが大きくなるため、光レベルを調節する機能が必要となる。本発明はそのようなばらつきを抑制する機能を有し、かつ障害時、プロテクション時に光サージなどが発生しないよう自律的に制御を行う光信号レベル制御方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図1はWDMシステムにおける従来の光信号レベル制御の一例を示す。入力された波長多重信号(λ1 〜λn )は分波器10において波長毎に分波され、分岐器12、光可変減衰器14および分岐器16を経て合波器18において再度波長分割多重され、光増幅器20において増幅される。
【0003】
光検出器22は、光可変減衰器14の出力側に設けられた分岐器16において分岐された光のパワーを検出し、制御回路24により光可変減衰器14をフィードバック制御して当該波長の光パワーレベルを一定にするために設けられている。一方、光検出器26は、当該波長の光信号が正常に入力されているかの検出および信号断の検出のために設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の光信号レベル制御では、波長ごとにフィードバック制御用と信号断検出用とで2つの光検出器が必要であるので、波長数が多くなると装置全体では回路規模およびコストが増大するという問題があった。
【0005】
したがって本発明の目的は、光パワーレベルを一定にする制御と信号断に対する制御の双方を小規模に低コストで実現することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、光可変減衰器と、該光可変減衰器の出力における光パワーレベルを検出する光検出器と、検出された光パワーレベルに応じて光可変減衰器の減衰量を制御する制御回路とを具備し、該制御回路は、検出された光パワーレベルが目標値になるように光可変減衰器の減衰量を制御する手段と、検出された光パワーレベルが第1の閾値以下に低下したとき、光可変減衰器の減衰量を光パワーレベルの復帰の検出が可能なほどに小さい所定値に維持する手段とを含む光信号レベル制御装置が提供される。
【0007】
本発明によれば、光可変減衰器と、該光可変減衰器の入力における光パワーレベルを検出する光検出器と、検出された光パワーレベルに応じて光可変減衰器の減衰量を制御する制御回路とを具備し、該制御回路は、光可変減衰器の入力における光パワーレベルと、光可変減衰器の出力における光パワーレベルを目標値にするための光可変減衰器の設定との関係を記憶する手段と、検出された光パワーレベルおよび前記記憶された関係に従って光可変減衰器の減衰量を設定することによって、光可変減衰器の出力における光パワーレベルを目標値に制御する手段と、検出された光パワーレベルが第1の閾値以下に低下したとき、光可変減衰器の減衰量を所定の値に維持する手段とを含む光信号レベル制御装置もまた提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
図2は本発明の一実施形態を示す図である。図1と同一の構成要素については同一の参照番号を付してその説明を省略する。
【0009】
図2の実施形態において、各波長ごとに設けられる制御回路30は光可変減衰器14の出力側に設けられた分岐器16および光検出器22による、光可変減衰器の出力側の検出結果のみから、光パワーレベル一定の制御とともに、信号断および信号断からの復帰の検出および制御を達成する。図3のフローチャートに示すように、まず、光検出器22で検出される、光可変減衰器14の出力側の光パワーレベルを閾値Th0と比較し(ステップ1000)、出力側の光パワーレベル(出力パワー)が閾値Th0よりも高ければ出力一定制御を行なう。出力一定制御においては、出力パワーが目標レベルL1に実質的に等しければ(ステップ1002)光可変減衰器14の減衰量の調整は行なわず(ステップ1004)、目標レベルL1に等しくなければ等しくなるように減衰量を調整する(ステップ1006)。
【0010】
出力パワーが閾値Th0よりも低ければ、減衰量一定制御を行なう(ステップ1008)。減衰量一定制御においては、光可変減衰器14の減衰量を一定のA1に維持するように設定する。ここで減衰量A1は、信号が正常な状態に復帰したときそれを閾値Th0で検出が可能な程小さく、望ましくは出力一定制御における減衰量よりも充分に大きい値とする。これによって、光可変減衰器の出力側の検出のみにより、正常時に出力を一定に制御するとともに、信号断を検出して減衰量を所定値に維持し、信号断状態から正常状態に復帰したときの異常値の出力を防止することができる。この様な動作をする制御回路30はCPUおよびそのためのプログラムを格納した記憶装置により実現することが可能であるが、論理回路のみによって実現することも可能である。
【0011】
図4、図5および図6は、信号断が発生しその後信号が復帰したときの、それぞれ、光可変減衰器の入力側の光パワーレベル(入力パワーレベル)の推移、光可変減衰器の減衰量の推移、および出力側の光パワーレベル(出力パワーレベル)の推移を示す。図4に示すように、信号断が発生して入力パワーレベルが正常時のレベルから信号断時の入力パワーレベルまで低下すると、図6に示すように、出力パワーレベルは出力一定制御時のレベルL1から無信号のときのレベルまで低下し、閾値Th0によりそれが検出されると、図5に示すように、減衰量が出力一定制御時の減衰量からそれよりも大きいA1に変更される。そうすると、出力パワーレベルはさらにA1だけ低下して実質的に遮断状態になる(図6)。信号断状態から信号が復帰すると(図4)、図6に示すように、閾値Th0は出力一定制御時のレベルL1よりもA1だけ低いレベルよりもさらに低く設定されているので、信号の復帰がTh0で検出され、出力一定制御が再開される。
【0012】
図7は制御回路30における制御の第2の例を示すフローチャートである。図7において、出力一定制御時において(ステップ1100)、出力レベルが閾値Th−d以下になると、減衰量A1による減衰量一定制御に移行する(ステップ1104)。減衰量一定制御時において出力レベルが閾値Th1以上になったら(ステップ1106)、出力一定制御に戻る。このときの出力レベルの推移および減衰量の推移を図8および図9に示す。図8に示すように、閾値Th−dは閾値Th1とは異なる値に、好ましくは、Th−d>Th1に設定する。こうすることにより、減衰量一定制御時の減衰量A1を大きくしてもTh1による復帰の検出が可能になる。
【0013】
図10および図11は、制御回路30の制御の第3の例における、出力パワーレベルおよび減衰量の推移を示す。
【0014】
一般に光可変減衰器は応答が比較的遅く、減衰量を信号断時のA1から出力一定制御時の減衰量に変更しても実際の減衰量は直ちに変化せず、図11に示すように比較的徐々に変化する。第3の例では、このことをふまえて、信号復帰検出の閾値をTh1,Th2…Thmと複数設定し(図10)、それらのそれぞれに対応して減衰量A1,A2…Amを予め記憶しておく。図12は制御回路30における制御の第3の例を示すフローチャートである。図12のステップ1200,1202,1204および1206の処理は図7のそれぞれステップ1100,1102,1104および1106の処理と同様である。ステップ1206において出力パワーが閾値Th1以上であることが検出されたら、光可変減衰器の減衰量の設定を出力一定制御のための減衰量の設定に変更する(ステップ1208)。これにより光可変減衰器の減衰量は減少していくが、ステップ1210において実際の減衰量がA2になったら、これに対応して記憶されている閾値Th2を出力パワーレベルが超えているかを判定する(ステップ1212)。出力パワーレベルがTh2以下であれば、ステップ1204の減衰量一定の制御に戻る。Th2以上であれば、次に減衰量Am(m=3,4…)になったところで(ステップ1214)閾値Thmの判定を行ない(ステップ1216)、出力パワーがThm以下であれば同様にステップ1204の減衰量一定制御に戻る。この様に、閾値Th2,Th3…Thm…について順に同様な判定を行ない、すべての閾値について出力パワーが閾値を上回っていれば、ステップ1200の出力一定制御に完全に移行する。なお、A2 ,A3 …を記憶する代わりにA1 との差分ΔB1 ,ΔB2 …を記憶するようにしても良い。
【0015】
前述のように、光可変減衰器の応答は比較的遅いので、信号断状態から信号が正常に復帰した場合に、図8、図10に示されるように出力一定制御に移行した後、出力パワーは比較的ゆっくりと上昇していく。したがって、それに合わせて変化する閾値Th1,Th2…Thmを用いて出力パワーを複数回判定することにより、低い閾値を用いているにもかかわらず誤検出を防ぐことができる。
【0016】
図13は制御器30における制御の第4の例を示すフローチャートである。図13において、出力一定制御が行なわれるときに(ステップ1300)出力レベルが第1の閾値Th−d以下になると(ステップ1302)、所定のホールドオフ時間が経過するまでは出力一定制御が継続され(ステップ1304)、その間に出力レベルがTh−d以上に復帰すれば、出力一定制御に戻る。ホールドオフ時間経過後も出力レベルがTh−d以下であり続ければ、減衰量一定制御に移行する(ステップ1306)。減衰量一定制御が行なわれている間、出力レベルが第2の閾値Th1以上であることが検知されたら(ステップ1308)、ホールドオフ時間経過後もそれが続いている場合に限り、出力一定制御に戻る(ステップ1300)。
【0017】
この第4の例では、目標値制御の間に閾値Th−d以下の出力レベルが検知されたとき、および減衰量一定制御の間に閾値Th1以上の出力レベルが検知されたとき、直ちに移行するのでなく、ホールドオフ時間経過後にもその状態が続いているとき(またはその状態であるとき)のみ、減衰量一定制御および目標値制御にそれぞれ移行する。これにより、出力レベルの瞬時的な変化による誤動作が防止される。
【0018】
図14および図15はそれぞれ第4の例における出力パワーレベルの推移および減衰量の推移を示す。図14および図15からわかるように、信号断による出力一定制御から減衰量一定制御への移行の際のホールドオフ期間中に出力一定制御が続行されるため、減衰量をゼロにする方向に動き、出力パワーレベルが一時的に上昇する。このときにたまたま光パワーレベルが復帰した場合、瞬断前と同じレベルに復帰したとしても出力レベルが瞬断前よりも高い状態になる。これを防止するためには、出力レベルがTh−dを下回って出力一定制御から減衰量一定制御に移行する際にはTh−dを下回る直前の減衰量の値を維持し、ホールドオフ時間経過後にも出力レベルがTh−d以下であるとき所定減衰量A1にするようにすれば良い。
【0019】
同様に、信号断状態においてTh1以上の出力レベルが検出された際に直ちに目標値一定制御に移行し、ホールドオフ時間経過後に出力レベルがTh1以下であれば減衰量一定制御に戻すようにしても良い。
【0020】
図16は制御器30における制御の第5の例を示すフローチャートである。この例では、複数の閾値Thm(m=1,2…)のそれぞれに対応して複数のホールドオフ時間HTmが設定される。図16において、ステップ1400,1402,1404の処理は、図13のステップ1300,1302,1304と同じである。前述したように、出力パワーがTh−d以下であることが検出されたとき、そのときの減衰量を維持するようにしても良い。減衰量一定の制御が行なわれているとき(ステップ1406)、出力パワーがTh1以上であることが検出されると(ステップ1408)、出力一定制御に移行する(ステップ1409)。Th1に対応するホールドオフ時間HT1が経過するまでに出力レベルがTh1以下になれば減衰量一定制御(ステップ1406)に戻る。ホールドオフ時間HT1経過後も出力レベルがTh1以上であれば、次にホールドオフ時間HTm(m=2,3…)について閾値Thmの判定を行なう(ステップ1412,1414)。すべての閾値についての処理が終了したら、ステップ1400の出力一定制御に戻る。
【0021】
図17に示すように、減衰量一定制御の状態で閾値Th1以上の出力パワーが検出された後、すべての閾値についての処理が終了した後に初めて出力一定制御に移行するようにしても良い。
【0022】
出力一定制御の目標値L1に対して上限値LOC1、下限値LOC2を設定し、出力一定制御が行なわれている間に出力パワーレベルが上限値LOC1を上回るか下限値LOC2を下回った場合に警報を出力して装置や管理者に知らせることが望ましい。下限値LOC2を下回る場合に、下限値LOC2以下で信号断検出のための閾値Th0またはTh−dを上回るときのみ警報を出力するようにしても良い。
【0023】
また、出力一定制御時に出力パワーが上限値LOC1を上回るか、LOC2を下回りかつ信号断検出のための閾値Th0またはTh−d以上であるとき、光可変減衰器の減衰量を最大値に設定してシャットダウンするようにしても良い。
【0024】
信号断から復帰したことを検出するための閾値Th1は、検出を鋭敏にするため、信号回復時の出力レベルにできるだけ近いことが望ましい。そのためには、信号断時の減衰量A1が安定である必要がある。そこで、減衰量の変動要因となる温度などの変動要因と減衰量との関係を予めデータとして記憶しておき、定期的もしくは常時、変動要因が発生するか初期のA1設定時と変動要因に変化が発生していないかを監視して、変動要因に変化があったとき、予め蓄えておいたデータに基づいて減衰量がA1になるように補正値を導出して、光可変減衰器の減衰量を制御する。これにより常にA1に設定、もしくは維持できる。
【0025】
例えば、光可変減衰器の駆動電流が一定であっても、温度が変わると図18中、実線で示すように減衰量が変化する。そこで、図18中破線で示すような特性を予め記憶しておき、温度が変化すればそれに応じて駆動電流を変えることにより減衰量を一定に保つことができる。
【0026】
これまでに説明した制御手法において、信号が復帰したことが検知された後、出力一定制御へ完全に移行した後においても、所定時間経過するまでは閾値Th−dまたはTh0による判定をマスクすることが望ましい。また、出力一定制御中に出力レベルがTh−dまたはTh0以下であることが検出されたとき、複数回連続してそれが検出されたときのみTh−dまたはTh0以下であるものとすることもまた望ましい。
【0027】
図19は、本発明を、光ADM装置(OADM)、光クロスコネクト装置(OXC)において、各チャネルのレベルばらつきへの対応や障害時の対応のために適用した例を示す。波長多重信号が分波器10で分波され、N×N光スイッチ40に入力される。ここで方路を切替えられた信号光は光可変減衰器14に入力され分岐器16を経て合波器18で再び、合波される。その後、光アンプで増幅されて伝送路に送出される。なお、図では、1つの方路からの波長多重信号が分波され光スイッチ40を経て再度1つの波長多重信号に多重されるように描かれているが、実際には、1または複数の方路からの波長多重信号について方路の切替が行なわれ、1または複数の方路の波長多重信号に合波される。
【0028】
光可変減衰器14に入力される信号光は光スイッチなどの部品によってチャネル毎にレベルが異なるので、ここで出力レベルを一定にして次ノードに送出する。信号光レベルを一定にしない場合、チャネル間のばらつきが大きくなり、受信機のダイナミックレンジを越えてしまう。さらに、入力ファイバーの断線などで信号光がない場合、出力一定制御では、減衰量が0になる。そこで、信号光が復帰した場合、出力一定制御のときの減衰量が0でないチャネルはパワーレベルが高くなり、サージを発生するため、VOAの減衰量を自動的にある所定の値に固定する。
【0029】
装置制御部42では、ネットワーク制御情報に従ってN×N光スイッチ40を切り替えてネットワークの構成を変更する。そこで、このスイッチ切替情報を制御回路30へも入力し、当該チャネルの使用または不使用の切り替えに連動して信号断時の減衰量A1を切り換えるようにすれば、信号復帰時の光パワーが小さくても信号の復帰を確実に検出して出力一定制御に移行することができる。
【0030】
図20は本発明の第2の実施形態を示す図である。図1および図2と同一の構成要素については同一の参照番号を付してその説明を省略する。
【0031】
図20の実施形態において、制御回路42は光可変減衰器14の入力側に設けられた分岐器12および光検出器26による検出結果のみから、光パワーレベル一定制御とともに信号断および信号断からの復帰の検出および制御を達成する。
【0032】
光検出器26において検出される信号パワーレベルが閾値Th0を下回ると、光可変減衰器14の減衰量を最大(または或る所定値)にし、閾値Th0以上に回復したら光可変減衰器14の出力を一定値L1にする制御を行なう。図21に示すような、光可変減衰器14の入力パワーレベルと、出力パワーレベルを所定値L1にするための減衰量の関係、および図22に示すような、光可変減衰器の駆動電流または電圧と減衰量の関係から決定された、入力パワーと、出力パワーを所定値L1にするための駆動電流または電圧との関係が予め格納されている。光出力一定制御においてはこれらに基いて、入力パワーレベルから、出力パワーレベルを所定値にするための駆動電流または電圧を決定し、光可変減衰器14に与える。
【0033】
光可変減衰器の出力側のレベルに基いて制御する第1の実施形態と同様に、第2の実施形態においても、信号断を検出する閾値Th−dを信号復帰を検出する閾値Th1を異なる値にすること、制御モードの移行時にホールドオフ時間を設けること、上下限値オーバーの際に警報出力および/またはシャットダウンすること等の変形が可能である。
【0034】
(付記1)(a)光可変減衰器の出力における光パワーレベルを検出し、
検出された光パワーレベルが目標値になるように光可変減衰器の減衰量を制御し、
検出された光パワーレベルが第1の閾値以下に低下したとき、光可変減衰器の減衰量を光パワーレベルの復帰の検出が可能なほどに小さい所定値に維持するステップを具備する光信号レベル制御方法が提供される。
【0035】
(付記2)(d)光減衰器の減衰量を前記所定値に維持しているとき、検出された光パワーレベルが前記第1の閾値以上に復帰すれば、ステップ(b)の目標値制御を再開するステップをさらに具備する付記1記載の方法。
【0036】
(付記3)(d)光減衰器の減衰量を前記所定値に維持しているとき、検出された光パワーレベルが前記第1の閾値よりも低い第2の閾値以上に復帰すれば、ステップ(b)の目標値制御を再開するステップをさらに具備する付記1記載の方法。
【0037】
(付記4)複数の閾値とその各々に対応する複数の減衰量が予め記憶され、
ステップ(d)は、
(i)検出された光パワーレベルが該複数の閾値のうち最低レベルのものを超えたとき、光可変減衰器の減衰量の設定値をステップ(b)の目標値制御のための値に変更し、
(ii)サブステップ(i)の後、光可変減衰器の実際の減衰量が前記複数の減衰量の1つに到達したとき、到達した減衰量に対応して記憶されている閾値を、検出された光パワーレベルが超えていなければ、光可変減衰器の制御をステップ(c)の制御に戻し、
(iii) 記憶されているすべての減衰量について、サブステップ(ii)における光パワーレベルが閾値を超えているとき、光パワーレベルが第2の閾値以上に復帰したとして光可変減衰器の制御をステップ(b)の目標値制御に完全に移行させるサブステップを含む付記3記載の方法。
【0038】
(付記5)ステップ(d)において、検出された光パワーレベルが前記第2の閾値以上であるとき、所定のホールドオフ時間が経過後もそれが続いているときのみステップ(b)における目標値制御が再開される付記3記載の方法。
【0039】
(付記6)ステップ(d)において、検出された光パワーレベルが前記第2の閾値を超えたときに光可変減衰器の制御を目標値制御に変更した後、所定のホールドオフ時間経過後において、検出された光パワーレベルが第2の閾値以下であればステップ(c)の制御に戻す付記3記載の方法。
【0040】
(付記7)複数の閾値とその各々に対応する複数のホールドオフ時間が予め記憶され、
ステップ(d)は、
(i)検出された光パワーレベルが該複数の閾値のうちの最低レベルのものを超えたとき、光可変減衰器の減衰量の設定値をステップ(b)の目標値制御のための値に変更し、
(ii)検出された光パワーレベルが前記複数の閾値の1つを超えたときその閾値に対応して記憶されているホールドオフ時間経過後にも光パワーレベルがその閾値を超えていなければ、光可変減衰器の制御をステップ(c)の制御に戻し、(iii) 記憶されているすべてのホールドオフ時間について、サブステップ(ii)におけるホールドオフ時間経過後の光パワーレベルが閾値を超えているとき、光パワーレベルが第2の閾値以上に復帰したものとして光可変減衰器の制御をステップ(b)の目標値制御に完全に移行させるサブステップを含む付記3記載の方法。
【0041】
(付記8)複数の閾値とその各々に対応する複数のホールドオフ時間が予め記憶され、
ステップ(d)は、
(i)検出された光パワーレベルが前記複数の閾値の1つを超えたときその閾値に対応して記憶されているホールドオフ時間経過後にも光パワーレベルがその閾値を超えていなければ、光可変減衰器の制御をステップ(c)の制御に戻し、
(ii)記憶されているすべてのホールドオフ時間について、サブステップ(ii)におけるホールドオフ時間経過後の光パワーレベルが閾値を超えているとき、光パワーレベルが第2の閾値以上に復帰したものとして光可変減衰器の制御をステップ(b)の目標値制御に移行させるサブステップを含む付記3記載の方法。
【0042】
(付記9)ステップ(c)において、検出された光パワーレベルが前記第1の閾値以下に低下したとき光可変減衰器の減衰量がその時の値に維持され、所定のホールドオフ時間経過後においても光パワーレベルが第1の閾値以下である状態が続いているときのみ光可変減衰器の減衰量が前記所定値に維持される付記1〜8のいずれかに記載の方法。
【0043】
(付記10)(e)ステップ(b)の目標値制御が行なわれているとき、検出された光パワーレベルが上限値以上または下限値以下であれば警報を発生するステップをさらに具備する付記1〜9のいずれかに記載の方法。
【0044】
(付記11)(e)ステップ(b)の目標値制御が行なわれているとき、検出された光パワーレベルが上限値以上または前記第1の閾値と下限値の間にあれば、光可変減衰器の減衰量を最大値に設定するステップをさらに具備する付記1〜10のいずれかに記載の方法。
【0045】
(付記12)(f)ステップ(c)の制御が行なわれているとき、減衰量の変動要因の発生が検出されたら発生した変動要因に応じて減衰量を補正するステップをさらに具備する付記1〜11のいずれかに記載の方法。
【0046】
(付記13)目標値制御の再開後所定時間が経過するまではステップ(c)の第1の閾値による判定がマスクされる付記2〜12のいずれかに記載の方法。
【0047】
(付記14)ステップ(c)における光可変減衰器の減衰量の前記所定値は、該光可変減衰器を含む光信号チャネルの使用または不使用の切り換えに連動して変更される付記1〜13のいずれかに記載の方法。
【0048】
(付記15)(a)光可変減衰器の入力における光パワーレベルと、光可変減衰器の出力における光パワーレベルを目標値にするための光可変減衰器の設定との関係を予め記憶し、
(b)光可変減衰器の入力における光パワーレベルを検出し、
(c)検出された光パワーレベルおよび前記予め記憶された関係に従って光可変減衰器の減衰量を設定することによって、光可変減衰器の出力における光パワーレベルを目標値に制御し、
(d)検出された光パワーレベルが第1の閾値以下に低下したとき、光可変減衰器の減衰量を所定の値に維持するステップを具備する光信号レベル制御方法。
【0049】
(付記16)(e)光減衰器の減衰量を前記所定値に維持しているとき、検出された光パワーレベルが第1の閾値以上に復帰すればステップ(c)の制御を再開するステップをさらに具備する付記15記載の方法。
【0050】
(付記17)(e)光減衰器の減衰量を前記所定値に維持しているとき、検出された光パワーレベルが第1の閾値とは異なる第2の閾値以上に復帰すればステップ(c)の制御を再開するステップをさらに具備する付記15記載の方法。
【0051】
(付記18)ステップ(e)において、検出された光パワーレベルが前記第2の閾値以上であるとき、所定のホールドオフ時間が経過後もそれが続いているときのみステップ(c)における目標値制御が再開される付記17記載の方法。
【0052】
(付記19)(f)ステップ(c)の目標値制御が行なわれているとき、検出された光パワーレベルが上限値以上または下限値以下であれば警報を発生するステップをさらに具備する付記15〜18のいずれかに記載の方法。
【0053】
(付記20)(f)ステップ(c)の目標値制御が行なわれているとき、検出された光パワーレベルが上限値以上または下限値以下であれば、光可変減衰器の減衰量を最大値に設定するステップをさらに具備する付記15〜19のいずれかに記載の方法。
【0054】
(付記21)目標値制御の再開後所定時間が経過するまではステップ(d)の第1の閾値による判定がマスクされる付記15〜20のいずれかに記載の方法。
【0055】
(付記22)ステップ(d)において、検出された光パワーレベルが前記第1の閾値以下に低下したとき光可変減衰器の減衰量がその時の値に維持され、所定のホールドオフ時間経過後においても光パワーレベルが第1の閾値以下である状態が続いているときのみ光可変減衰器の減衰量が前記所定値に維持される付記15〜21のいずれかに記載の方法。
【0056】
(付記23)光可変減衰器と、
該光可変減衰器の出力における光パワーレベルを検出する光検出器と、
検出された光パワーレベルに応じて光可変減衰器の減衰量を制御する制御回路とを具備し、該制御回路は、
検出された光パワーレベルが目標値になるように光可変減衰器の減衰量を制御する手段と、
検出された光パワーレベルが第1の閾値以下に低下したとき、光可変減衰器の減衰量を光パワーレベルの復帰の検出が可能なほどに小さい所定値に維持する手段とを含む光信号レベル制御装置。
【0057】
(1)
(付記24)前記制御回路は、光減衰器の減衰量を前記所定値に維持しているとき、検出された光パワーレベルが前記第1の閾値以上に復帰すれば、目標値制御を再開する手段をさらに含む付記23記載の装置。
【0058】
(付記25)前記制御回路は、光減衰器の減衰量を前記所定値に維持しているとき、検出された光パワーレベルが前記第1の閾値よりも低い第2の閾値以上に復帰すれば、目標値制御を再開する手段をさらに含む付記23記載の装置。
【0059】
(2)
(付記26)前記制御回路は、複数の閾値とその各々に対応する複数の減衰量を記憶する手段をさらに含み、
前記再開手段は、
検出された光パワーレベルが該複数の閾値のうち最低レベルのものを超えたとき、光可変減衰器の減衰量の設定値を目標値制御のための値に変更する手段と、その後、光可変減衰器の実際の減衰量が前記複数の減衰量の1つに到達したとき、到達した減衰量に対応して記憶されている閾値を、検出された光パワーレベルが超えていなければ、光可変減衰器の制御を前記所定値維持の制御に戻す手段と、
記憶されているすべての減衰量について、光パワーレベルが閾値を超えているとき、光パワーレベルが第2の閾値以上に復帰したとして光可変減衰器の制御を目標値制御に完全に移行させる手段とを含む付記25記載の装置。
【0060】
(付記27)前記目標値制御再開手段は、検出された光パワーレベルが前記第2の閾値以上であるとき、所定のホールドオフ時間が経過後もそれが続いているときのみ目標値制御を再開する付記25記載の装置。
(3)
(付記28)前記目標値制御再開手段は、検出された光パワーレベルが前記第2の閾値を超えたときに光可変減衰器の制御を目標値制御に変更した後、所定のホールドオフ時間経過後において、検出された光パワーレベルが第2の閾値以下であれば前記所定値維持の制御に戻す付記25記載の装置。
(4)
(付記29)前記制御回路は、複数の閾値とその各々に対応する複数のホールドオフ時間を記憶する手段をさらに含み、
前記再開手段は、
検出された光パワーレベルが該複数の閾値のうちの最低レベルのものを超えたとき、光可変減衰器の減衰量の設定値を目標値制御のための値に変更する手段と、
検出された光パワーレベルが前記複数の閾値の1つを超えたときその閾値に対応して記憶されているホールドオフ時間経過後にも光パワーレベルがその閾値を超えていなければ、光可変減衰器の制御を前記所定値維持の制御に戻す手段と、記憶されているすべてのホールドオフ時間について、ホールドオフ時間経過後の光パワーレベルが閾値を超えているとき、光パワーレベルが第2の閾値以上に復帰したものとして光可変減衰器の制御を、目標値制御に完全に移行させる手段とを含む付記25記載の装置。
【0061】
(付記30)前記制御回路は、複数の閾値とその各々に対応する複数のホールドオフ時間を記憶する手段をさらに含み、
前記再開手段は、
検出された光パワーレベルが前記複数の閾値の1つを超えたときその閾値に対応して記憶されているホールドオフ時間経過後にも光パワーレベルがその閾値を超えていなければ、光可変減衰器の制御を前記所定値維持の制御に戻す手段と、記憶されているすべてのホールドオフ時間について、ホールドオフ時間経過後の光パワーレベルが閾値を超えているとき、光パワーレベルが第2の閾値以上に復帰したものとして光可変減衰器の制御を目標値制御に移行させる手段とを含む付記25記載の装置。
【0062】
(付記31)前記所定値維持手段は、検出された光パワーレベルが前記第1の閾値以下に低下したとき光可変減衰器の減衰量をその時の値に維持し、所定のホールドオフ時間経過後においても光パワーレベルが第1の閾値以下である状態が続いているときのみ光可変減衰器の減衰量を前記所定値に維持する付記23〜30のいずれかに記載の装置。
【0063】
(付記32)前記制御回路は、前記目標値制御が行なわれているとき、検出された光パワーレベルが上限値以上または下限値以下であれば警報を発生する手段をさらに含む付記23〜31のいずれかに記載の装置。
【0064】
(付記33)前記制御回路は、前記目標値制御が行なわれているとき、検出された光パワーレベルが上限値以上または前記第1の閾値と下限値の間にあれば、光可変減衰器の減衰量を最大値に設定する手段をさらに含む付記23〜32のいずれかに記載の方法。
【0065】
(付記34)前記制御回路は、前記所定値維持の制御が行なわれているとき、減衰量の変動要因の発生が検出されたら発生した変動要因に応じて減衰量を補正する手段をさらに含む付記23〜33のいずれかに記載の装置。
【0066】
(付記35)目標値制御の再開後所定時間が経過するまでは前記所定値維持手段の第1の閾値による判定がマスクされる付記24〜34のいずれかに記載の方法。
【0067】
(付記36)前記所定値維持手段の前記所定値は、光可変減衰器を含む光信号チャネルの使用または不使用の切り換えに連動して変更される付記23〜35のいずれかに記載の装置。
【0068】
(付記37)光可変減衰器と、
該光可変減衰器の入力における光パワーレベルを検出する光検出器と、
検出された光パワーレベルに応じて光可変減衰器の減衰量を制御する制御回路とを具備し、該制御回路は、
光可変減衰器の入力における光パワーレベルと、光可変減衰器の出力における光パワーレベルを目標値にするための光可変減衰器の設定との関係を記憶する手段と、
検出された光パワーレベルおよび前記記憶された関係に従って光可変減衰器の減衰量を設定することによって、光可変減衰器の出力における光パワーレベルを目標値に制御する手段と、
検出された光パワーレベルが第1の閾値以下に低下したとき、光可変減衰器の減衰量を所定の値に維持する手段とを含む光信号レベル制御装置。
(5)
(付記38)前記制御回路は、光減衰器の減衰量を前記所定値に維持しているとき、検出された光パワーレベルが第1の閾値以上に復帰すれば目標値制御を再開する手段をさらに含む付記37記載の装置。
【0069】
(付記39)前記制御回路は、光減衰器の減衰量を前記所定値に維持しているとき、検出された光パワーレベルが第1の閾値とは異なる第2の閾値以上に復帰すれば目標値制御を再開する手段をさらに含む付記37記載の装置。
【0070】
(付記40)前記目標値制御再開手段は、検出された光パワーレベルが前記第2の閾値以上であるとき、所定のホールドオフ時間が経過後もそれが続いているときのみ目標値制御を再開する付記39記載の装置。
【0071】
(付記41)前記制御回路は、前記目標値制御が行なわれているとき、検出された光パワーレベルが上限値以上または下限値以下であれば警報を発生する手段をさらに含む付記37〜40のいずれかに記載の装置。
【0072】
(付記42)前記制御回路は、前記の目標値制御が行なわれているとき、検出された光パワーレベルが上限値以上または下限値以下であれば、光可変減衰器の減衰量を最大値に設定する手段をさらに含む付記37〜41のいずれかに記載の装置。
【0073】
(付記43)目標値制御の再開後所定時間が経過するまでは前記所定値維持手段の第1の閾値による判定がマスクされる付記37〜42のいずれかに記載の方法。
【0074】
(付記44)前記所定値維持手段は、検出された光パワーレベルが前記第1の閾値以下に低下したとき光可変減衰器の減衰量をその時の値に維持し、所定のホールドオフ時間経過後においても光パワーレベルが第1の閾値以下である状態が続いているときのみ光可変減衰器の減衰量を前記所定値に維持する付記37〜43のいずれかに記載の装置。
【0075】
【発明の効果】
以上述べてきたように本発明によれば、1波長あたりの回路規模を削減することができるので波長多重信号全体では大幅な回路規模削減効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】WDMシステムにおける従来の光信号レベル制御の一例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示す図である。
【図3】制御回路30における制御の第1の例を示すフローチャートである。
【図4】入力パワーレベルの推移を示す図である。
【図5】制御の第1の例における減衰量の推移を示す図である。
【図6】制御の第1の例における出力パワーレベルの推移を示す図である。
【図7】制御回路30における制御の第2の例を示すフローチャートである。
【図8】第2の例における出力パワーレベルの推移を示す図である。
【図9】第2の例における減衰量の推移を示す図である。
【図10】第3の例における出力パワーレベルの推移を示す図である。
【図11】第3の例における減衰量の推移を示す図である。
【図12】制御の第3の例を示すフローチャートである。
【図13】制御の第4の例を示すフローチャートである。
【図14】第4の例における出力パワーレベルの推移を示す図である。
【図15】第4の例における減衰量の推移を示す図である。
【図16】制御の第5の例を示すフローチャートである。
【図17】第5の例の一変形を示すフローチャートである。
【図18】減衰量の温度特性と、減衰量を一定にするための温度と駆動電流の関係を示す図である。
【図19】本発明を光ADM装置や光クロスコネクト装置に適用した例を示す図である。
【図20】本発明の第2の実施形態を示す図である。
【図21】入力パワーレベルに対する出力パワーレベルを所定値L1にするための減衰量の関係を示す図である。
【図22】駆動電流または電圧に対する減衰量の関係を示す図である。
Claims (3)
- 光可変減衰器と、
該光可変減衰器の出力における光パワーレベルを検出する光検出器と、
検出された光パワーレベルに応じて光可変減衰器の減衰量を制御する制御回路とを具備し、該制御回路は、
検出された光パワーレベルが目標値になるように光可変減衰器の減衰量を制御する手段と、
検出された光パワーレベルが第1の閾値以下に低下したとき、光可変減衰器の減衰量を光パワーレベルの復帰の検出が可能なほどに小さい所定値に維持する手段とを含み、
前記制御回路は、光可変減衰器の減衰量を前記所定値に維持しているとき、検出された光パワーレベルが前記第1の閾値よりも低い第2の閾値以上に復帰すれば、目標値制御を再開する手段をさらに含む光信号レベル制御装置。 - 前記目標値制御再開手段は、検出された光パワーレベルが前記第2の閾値以上であるとき、所定のホールドオフ時間が経過後もそれが続いているときのみ目標値制御を再開する請求項1記載の装置。
- 前記目標値制御再開手段は、検出された光パワーレベルが前記第2の閾値を超えたときに光可変減衰器の制御を目標値制御に変更した後、所定のホールドオフ時間経過後において、検出された光パワーレベルが第2の閾値以下であれば前記所定値維持の制御に戻す請求項1記載の装置。
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