JP4151865B2 - プラスチック被覆用導電性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックシート、特に二次成形をするプラスチックシートに導電性を付与するプラスチック被覆用導電性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プラスチックシートは、耐衝撃性、易成形性、軽量性などの優れた特性を有するため、種々の用途に使用されている。しかし、プラスチックシートは優れた特性を有する反面、静電気を帯びやすく、埃やゴミが付着しやすいので、電子部品などの包装材料として使用すると、静電気の発生により付着した埃やゴミによって、収納された電子部品の性能が阻害されるという不都合があった。
【0003】
かかる不都合を防止するため、従来、プラスチックシートに導電性が付与されてきた。導電性を付与する方法としては、溶剤に溶かした樹脂の溶液やエマルジョンに、帯電防止剤、導電性カーボン、金属粉などの導電性物質を混合、分散したものを、プラスチックシートにコーティングする方法が知られている。
【0004】
しかしながら、上記の方法は、使用溶剤に起因した大気汚染や火災が発生する危険性があり、作業者の健康管理の面からも好ましくなかった。
また、プラスチックシートに塗布成形された被覆膜内の残留溶剤によって、プラスチックシートの物性が低下したり、ブロッキング等が起こるという問題もあった。
さらに、上記の方法において、水を媒体とするエマルジョンを使用した場合、被覆膜の伸びが十分ではなく、プラスチックシートに真空成形、圧空成形、プレス成形などの二次成形を施すと、被覆膜がプラスチックシートの伸びに追従することができないため、被覆膜に亀裂が生じて導電性が損なわれるという問題があった。そこで、被覆膜の伸びを改良するため、可塑剤や軟質ポリマーが使用されるが、それらを使用すると被覆膜が軟質になり、コーティング後のプラスチックシートにブロッキングが起こるという欠点があった。
【0005】
本発明者らは、前記の欠点を解消するため、先に、熱可塑性樹脂の水溶液またはエマルジョン、ワックスエマルジョン及び導電性付与剤を含有し、各成分の固形分比が特定の範囲内にあるプラスチック被覆用導電性組成物を用いると、プラスチックシートの二次成形等において、被覆膜の追従性、導電性及び耐ブロッキング性に優れたプラスチックシートが得られることを提案した(特願平4−102021号)。
【0006】
しかし、さらに研究を進めた結果、前記組成物でコーティングされたプラスチックシートを保管、輸送する場合、一定の環境条件、特に温度50℃以上で保持すると、プラスチックシートにブロッキングが生じ、温度40℃、相対湿度(RH)90%程度の高温高湿状態では被覆膜が膨潤して、組成物中に含有されているワックス分が被覆膜表面にブリードアウトするため、被覆膜がべとついたり、被覆膜の強度が低下して傷つきやすくなるという問題があった。
そのため、特に前記組成物を使用したキャリアテープでは、カバーテープとの間でシール強度が著しく低下したり、前記組成物を使用した包装袋では、シール部が剥離(破袋)するなどの不都合が生じた。このように、従来のプラスチック被覆用導電性組成物では、プラスチックシートの二次成形性、耐ブロッキング性及び耐湿性のすべてを同時に満足させることは非常に困難であった。
【0007】
そこで、本発明者らは、上記問題を解決するため、ポリエステル系樹脂の水性分散液、導電性付与剤及び軟化点100℃以上で粒径2〜10μmのポリオレフィン系樹脂の水性分散液を含有し、各成分の固形分比が特定の範囲内にある組成物を提案した(特願平4−316004号)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記組成物により、物性的には目的とした製品が得られるようになったが、該組成物を使用したキャリアテープは、エンボス加工のロングラン性の点で問題があることが判明した。すなわち、該組成物中に含まれるオレフィン系樹脂の軟化点が130℃前後であるため、該組成物を塗布したキャリアテープの成形を行うと、成形時の熱で該組成物中のオレフィン系樹脂が溶融して、成形金型やキャリアテープに異物として付着することが実際の製造過程の中で明らかになった。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、特にキャリアテープの成形、特に真空成形、圧空成形、プレス成形等の二次成形時において、金型の汚れによる成形不良やキャリアテープへの異物付着を防止することができるプラスチック被覆用導電性組成物の提供を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリエステル系樹脂の水性分散液、導電性付与剤、軟化点120℃以上で粒径1μm以上10μm以下のポリアミド系樹脂の水性分散液を含有する混合物において、各成分の固形分比が特定の範囲内にある場合に優れた効果を奏することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は
▲1▼ポリエステル系樹脂の水性分散液、
▲2▼導電性カーボン、
▲3▼軟化点が120℃以上で、粒径1μm以上10μm以下のポリアミド系樹脂の水性分散液、を含有する混合物であって、前記▲1▼の水性分散液の固形分と前記▲2▼の導電性カーボンの重量比が95:5〜50:50であり、かつ前記▲1▼の水性分散液の固形分及び前記▲2▼の導電性カーボンの合計重量と前記▲3▼の水性分散液の固形分の重量比が99:1〜75:25であることを特徴とするプラスチック被覆用導電性組成物である。
もう一つの本発明は、
▲1▼ポリエステル系樹脂の水性分散液、
▲2▼導電性金属化合物、
▲3▼軟化点が120℃以上で、粒径1μm以上10μm以下のポリアミド系樹脂の水性分散液、を含有する混合物であって、前記▲1▼の水性分散液の固形分と前記▲2▼の導電性金属化合物の重量比が75:25〜40:60であり、かつ前記▲1▼の固形分及び前記▲2▼の導電性金属化合物の合計重量と前記▲3▼の水性分散液の固形分の重量比が99:1〜75:25であることを特徴とするプラスチック被覆用導電性組成物である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明を構成する上記▲1▼のポリエステル系樹脂の水性分散液は、導電性付与剤である上記▲2▼の導電性カーボンあるいは導電性金属化合物と上記▲3▼のポリアミド系樹脂のバインダーとして働き、また、プラスチックシートと導電性付与剤及びポリアミド系樹脂とのバインダーとしても機能する。
本発明で用いるポリエステル系樹脂は、多塩基酸と多価アルコールの重縮合で得られる、カルボキシル基と水酸基との間のエステル結合を主鎖中に有するものであり、飽和、不飽和のいずれでもよい。また、スチレン、アクリレート、ウレタン等との共重合体であってもよい。ポリエステル系樹脂の水性分散液は単独でも二種以上を併用したものでも使用することができる。ポリエステル系樹脂の水性分散液は、従来公知の方法により製造すればよい。
【0012】
本発明を構成する上記▲2▼の導電性カーボンは、プラスチックシートの被覆膜中にほぼ均一に分散されて、良好な導電性及び帯電防止性を付与する。本発明で用いる導電性カーボンとしては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、グラファイト、カーボンウィスカー等が挙げられる。
【0013】
本発明を構成する上記▲3▼のポリアミド系樹脂の水性分散液は、プラスチックシートの被覆面に滑性を与え、プラスチックシートや被覆膜に対して耐ブロッキング性や耐擦傷性を向上させる。特に、無定型シリカ等の無機物を用いた場合に発生する振動による内装電子部品の損傷を解消することができる。また、ポリアミド系樹脂はプラスチックシートとの密着性に優れており、金型の汚れ及びプラスチックシートへの異物付着を防止する。
本発明で用いるポリアミド系樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、共重合ナイロン等が挙げられ、これらの水性分散液は従来公知の方法で製造すればよい。ポリアミド系樹脂は、軟化点が120℃以上で、粒径1μm以上10μm以下の範囲のものを使用する。軟化点が120℃未満であると、成形時の熱で金型に付着し、また十分なブロッキング効果が得られなくなる。また、粒径が1μm未満であるとブロッキング効果に乏しく、10μmを超えると塗膜から脱落するようになる。
【0014】
本発明者らは、従来のキャリアテープの成形において、成形時の金型汚れや成形品への異物の付着が起こる原因は、成形時の加熱温度が高い場合はブロッキング防止剤であるポリオレフィン系樹脂が溶融して金型に付着し、低い場合は塗工剤(ポリエステル系樹脂)とブロッキング防止剤(ポリオレフィン系樹脂)の接着性がよくないため、成形時にポリオレフィン系樹脂が金型に掻き取られる形で金型あるいは成形品に異物が付着することを見出した。
そこで、溶解度指数の近いものほど接着性に優れるという原理に基づき、塗工剤であるポリエステル系樹脂の溶解度指数(SP値:12.5〜13.0)に一番近い溶解度指数をもつポリアミド系樹脂(SP値:12.7〜13.6)を本発明では用いることとした。ポリアミド系樹脂のSP値は、接着性の点から、ポリエステル系樹脂のSP値の±0.5の範囲にあるものが望ましい。
【0015】
本発明の特徴は、上記▲1▼〜▲3▼の各成分の固形分の重量比を特定の範囲内に限定した点にある。その範囲は、まずポリエステル系樹脂の水性分散液の固形分と導電性カーボンとの重量比が95:5〜50:50であることを要する。導電性カーボンの比率が5%未満であると導電性の良好な組成物が得られず、50%を超えると被覆膜が脆くなる。
さらに、ポリエステル系樹脂の水性分散液の固形分と導電性カーボンの合計重量と軟化点が120℃以上で、粒径1μm以上10μm以下のポリアミド系樹脂の水性分散液の固形分の重量比が99:1〜75:25、好ましくは98:2〜80:20であることを要する。ポリアミド系樹脂の水性分散液の固形分の比率が2%未満であると、高温時のブロッキング性が悪くなり、25%を超えるとプラスチックシートへの密着性が悪くなる。
【0016】
本発明では、プラスチック被覆用導電性組成物を構成する導電性カーボンに替えて、導電性金属化合物を使用することもできる。導電性金属化合物としては、例えば白艶華、酸化錫で被覆した酸化チタン粒子、アルミニウムをドープした酸化亜鉛粒子、チタン酸カリウムウィスカーが挙げられる。
導電性金属化合物を使用した場合、各成分の範囲はポリエステル系樹脂の水性分散液の固形分と導電性金属化合物との重量比が75:25〜40:60であることを要する。導電性金属化合物の比率が25%未満であると導電性が良好な組成物が得られず、60%を超えると被覆膜が脆くなる。さらに、ポリエステル系樹脂の水性分散液の固形分及び導電性金属化合物の合計重量と軟化点が120℃以上で、粒径1μm以上10μm以下のポリアミド系樹脂の水性分散液の固形分の重量比が99:1〜75:25、好ましくは98:2〜80:20であることを要する。ポリアミド系樹脂の水性分散液の固形分の比率が2%未満であると、高温時のブロッキング性が悪くなり、25%を超えるとプラスチックシートへの密着性が悪くなる。
【0017】
本発明のプラスチック被覆用導電性組成物には、上記必須成分の他に、二次成形性、ブロッキング性、導電性に影響を及ぼさない範囲で、必要に応じて界面活性剤、可塑剤、融合剤、レベリング剤、潤滑剤、消泡剤、防腐剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、酸化防止剤、無機粉末、その他の添加剤を添加することができる。これらの添加剤は通常用いられているものであれば、どのようなものでもよい。
【0018】
本発明のプラスチック被覆用導電性組成物を製造する方法としては、第一成分であるポリエステル系樹脂の水性分散液、第二成分である導電性カーボンあるいは導電性金属化合物、第三成分であるポリアミド系樹脂の水性分散液を、各々常法にしたがって別々に調製し、前記で示した固形分重量比の範囲内に混合し、さらに必要に応じて、前記の任意成分としての添加剤を適宜加えることによって製造することができる。
【0019】
本発明は、プラスチックシートに塗布して使用されるが、プラスチックシートへのコーティング方法としては、浸漬法、スプレー法、フローコート法、ダイレクトグラビア法、ダイレクトグラビアリバース法、キスリバース法、メイヤーバー法、ロールコート法等が挙げられ、これらの方法により平滑な表面固化被覆膜を形成することができる。
【0020】
本発明を適用するプラスチックシートの素材としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリジエチレングリコールビスアリルカーボネイト、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、アモルファスポリエチレンテレフタレートが挙げられる。特に、電子部品搬送用トレーやキャリアテープ用に使用され、導電性に劣るプラスチックシートに対しては有用である。なお、例示したプラスチックシートの素材を各種混合したり、上記素材に無機充填剤等を添加したものでもよい。
【0021】
本発明の導電性組成物を塗布したプラスチックシートは、各プラスチックの熱変形温度以下の温度で乾燥固化する。具体的には、プラスチックシートの種類によっても異なるが、通常40〜140℃、好ましくは60〜120℃の温度範囲で行い、固化乾燥被覆膜の平均膜厚を通常0.5〜20μm、好ましくは1〜10μmの範囲の厚さに固化する。
【0022】
本発明は、特にプラスチックシートの二次成形時において、被覆膜の追従性、導電性及び耐ブロッキング性、耐湿耐久性を付与する被覆剤として用いることがより効果的である。なお、本発明は、プラスチックシートだけでなく、プラスチック成形品の被覆剤としても使用することができる。
また、本発明は、被覆用製造分野及びプラスチック加工分野においても利用することができるが、特に電子部品用トレー、キャリアテープ、キャリアテープ用リール等、静電気によるトラブルを防止すべき包装材料等の製品に対して有用である。
【0023】
【実施例】
次に、本発明について、実施例及び比較例に基づいて具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0024】
(各成分について)
▲1▼ポリエステル系樹脂の水性分散液
セイコー化成社製のラックスキンUS180(商品名)を用いた。N.V.(不揮発性分)は、20%である。
▲2▼導電性カーボン
ライオン社製のライオンペーストW−376R(商品名)を用いた。N.V.は、12.5%である。
▲3▼軟化点120℃以上で、粒径1μm以上10μm以下のポリアミド系樹脂の水性分散液
東レ社製のSP−500(商品名)を用い、水/アルコールの混合溶媒でN.V.を40%に調整したものを用いた。
▲4▼軟化点100℃以上で、粒径2μm以上10μm以下のポリオレフィン系樹脂の水性分散液
三井化学社製のケミパールW−308(商品名)を用いた。N.V.は、40%である。
【0025】
実施例1〜6、比較例1〜10
上記各成分を用いて、表1に示すような混合割合のプラスチック被覆用組成物を製造した。
実施例1、2、5及び比較例3、4、5、6、9では、ポリエステル系樹脂の水性分散液の固形分と導電性カーボンまたは導電性金属化合物の重量比率を本発明のように規定した場合の効果を明らかにすると共に、オレフィン系樹脂をポリアミド系樹脂に置き換えた場合でも同様な結果が得られることを確認した。
実施例3、5、6及び比較例7、8、10では、ポリエステル系樹脂の水性分散液の固形分及び導電性カーボンまたは導電性金属化合物の合計重量と軟化点120以上で粒径1μm以上10μm以下のポリアミド系樹脂の水性分散液の固形分との重量比率を本発明のように規定した場合の効果を確認した。
実施例4、6及び比較例1、2では、ポリオレフィン系樹脂をポリアミド系樹脂に置き換えることにより、金型汚れ及び成形品への異物の付着に対する効果の違いを確認した。
【0026】
【表1】
【0027】
次に、厚さ0.30mm、幅300mm×長さ400mmのアモルファスポリエチレンテレフタレート(A−PET)プラスチックシート上に、各組成物を5MILバーコーターを用いて塗布した。その後、直ちに熱風乾燥機に入れ、70℃で5分間乾燥及び固化を行い、膜厚2μmの被覆膜を有するプラスチックシートを得た。得られたプラスチックシートの物性について、次の試験により評価を行い、その結果を表2に示した。
【0028】
(試験項目)
1.被覆膜の密着性
プラスチックシートをクロスカット試験機(東洋精機製作所製)に載せ、片刃カミソリを入れクロスハッチを作り、そのクロスハッチの上にセロハン粘着テープを貼りつけ、該テープをプラスチックシートに対して直角方向に強く引っ張り被覆膜の剥離状況を調べた。
2.プラスチックシート状態での導電性
プラスチックシートの被覆面の表面抵抗をコンバーター付き表面抵抗計(三菱油化社製、MCP−TESTER、商品名)を用いて測定した。
3.真空成形後の導電性
プラスチックシートを絞り率25%の条件で真空成形し、このときの被覆面の表面抵抗を上記2と同じ装置で測定した。
4.ブロッキング性
プラスチックシートの被覆面を互いに重ね合わせ、50℃雰囲気中で、1kg/cm2 の荷重をかけ、24時間放置後、室温中に2時間放置した後、2枚のプラスチックシートを剥離して接触面のブロッキング状態を調べた。
5.爪スクラッチ性
プラスチックシートの被覆面を爪で強く擦った時の傷のつき方を調べた。
6.耐高温高湿性
プラスチックシートの被覆面にキャリアテープ用カバーテープSP−82(信越ポリマー社製、商品名)を載せ、140℃、荷重4kg/cm2 、時間1秒の条件でシールしたものを、温度40℃、相対湿度90%の条件で24時間放置した後、直ちに180度剥離を行い、剥離力を調べて常態のものと比較した。
7.プラスチックシート成形時の金型汚れ及び成形品への異物の付着
実施例4及び比較例1の評価用のサンプルのみ実機にてコーティングをして、キャリアテープの成形を行い、金型汚れ及び成形品への異物の付着が始まる経過時間を比較した。
【0029】
(評価)
各試験の評価は以下の基準で行った。
1.被覆膜の密着性
○:100%剥離なし
×:1%以上剥離あり
2.プラスチックシート状態での導電性
○:1×108 Ω以下
×:1×1010Ω以上
3.真空成形後の導電性
○:1×108 Ω以下、
△:成形により部分的に1×1010Ω以上が生じるもの、
×:1×1010Ω以上、
4.ブロッキング性
○:ブロッキングせず、
△:少しブロッキングあり、
×:ブロッキングあり、
5.爪スクラッチ性
○:傷なし、
△:少し傷あり、
×:傷あり、
6.耐高温高湿性
○:変化率10%未満、
△:変化率10%以上50%未満、
×:変化率50%以上、
7.プラスチックシート成形時の金型汚れ及び成形品への異物の付着
金型汚れ及び成形品への異物の付着が始まる経過時間で比較
○:8時間以上でも汚れなし、
△:4時間以上8時間未満で汚れあり、
×:4時間未満で汚れあり、
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】
本発明のプラスチック被覆用導電性組成物によれば、プラスチックシートに塗布、乾燥することにより、導電性、密着性、成形性、成形後の導電性、耐ブロッキング性、耐擦傷性、耐高温高湿性、成形時の金型汚れ及び成形品への異物の付着防止の効果など、全ての性能において優れ、しかも大気を溶剤により汚染することがないので、従来の導電性表面被覆剤に比べてきわめて良好なプラスチック被覆用導電性組成物を提供することができる。
Claims (2)
- ▲1▼ポリエステル系樹脂の水性分散液、
▲2▼導電性カーボン、
▲3▼軟化点が120℃以上で、粒径1μm以上10μm以下のポリアミド系樹脂の水性分散液、を含有する混合物であって、前記▲1▼の水性分散液の固形分と前記▲2▼の導電性カーボンの重量比が95:5〜50:50であり、かつ前記▲1▼の水性分散液の固形分及び前記▲2▼の導電性カーボンの合計重量と前記▲3▼の水性分散液の固形分の重量比が99:1〜75:25であることを特徴とするプラスチック被覆用導電性組成物。 - ▲1▼ポリエステル系樹脂の水性分散液、
▲2▼導電性金属化合物、
▲3▼軟化点が120℃以上で、粒径1μm以上10μm以下のポリアミド系樹脂の水性分散液、を含有する混合物であって、前記▲1▼の水性分散液の固形分と前記▲2▼の導電性金属化合物の重量比が75:25〜40:60であり、かつ前記▲1▼の水性分散液の固形分及び前記▲2▼の導電性金属化合物の合計重量と前記▲3▼の水性分散液の固形分の重量比が99:1〜75:25であることを特徴とするプラスチック被覆用導電性組成物。
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