従来、焼却炉は有害物質を分解するために、800℃以上の高温で焼却を行うことが法制化(「ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年法律第105号)」に基づく「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和46年厚生省令第35号)」の一部を改正する環境省令第8号 平成14年12月1日施行)され、一方、使用者の側から紙や木材以外にプラスチックスやコンパネ(コンクリート・パネルの略。コンクリート型枠用合板のこと。)など燃焼時に高い熱量を発生する廃棄物も混入されるケースがある。そして、焼却炉の焼却炉体内部に使用される構成部材は、1000℃以上に耐えることができる耐火キャスタ若しくは耐火レンガによっているが、一部の構成部材については金属製の構成部材であり、焼却炉の長寿命化の観点から、早期疲労が問題となっている。
特に、バーナー装置のドラフトチューブと呼ばれているバーナー本体の噴出し口は、噴出しの火炎にさらされるので、当該バーナー本体の温度上昇により、バーナー本体の材質である金属の劣化が進み、比較的早い時期に変形、亀裂を生じて使用することができなくなる場合があり、問題となっていた。また、ロストル及びロストル台も金属製である場合も多く、バーナー本体と同様に熱的強度が問題となっていた。
ところで、従来のロストル及びロストル台は、図9に一例を示すように、ロストル台8cの架台上に、ロストル22cを載置する。当該架台であるロストル台8cは、鋼線でロストル22cを支持できるように架台状に組み上げられている。また、当該ロストル22cも、同様に鋼線で短冊状の網目に組み上げられている。このように、当該ロストル22c、及びロストル台8cは、製造が容易であり、かつ取扱いも容易であることにより従来からステンレス等の金属製を用いているが焼却による熱劣化により、比較的早期に細りや切れが生じて使用が不能となっていた。
また、従来の焼却炉は、一次燃焼室内に投入された被燃焼物の焼却を促進するための空気の供給をロストルの上部位置に設けられた金属製の一次空気供給管から供給されていたので、一次空気供給管の熱疲労による早期劣化が生じていた。
また、空気供給の方法として、一次燃焼室の燃焼をよくするために焼却炉体側壁内に一次空気供給管を埋設し一次燃焼室全般への空気供給を行っていたが、故障発生時において故障箇所の発見が極めて困難であり、さらに、実際の修理作業を行う場合に焼却炉体の耐火コンクリートあるいは耐火レンガを破壊することが必要とされ、修理作業が困難を極めていた。
特許文献1に記載の発明には、「底部にロストルを備え、前壁に廃棄物投入口を有して一次燃焼室を形成する炉体と、この炉体部に連通し前記一次燃焼室から流れてくる燃焼ガスを高温化するバーナを有する排気筒と、この排気筒に連通して上端に排気口を有するとともに、筒内に加圧空気を供給する二次空気供給管を同心配置して二次燃焼室を形成する燃焼筒とを備えてなる小規模焼却炉と、前記小規模焼却炉の廃棄物投入口に該廃棄物投入口を開閉可能に設けられ、前記廃棄物投入口を閉塞した状態で廃棄物を炉体内の一次燃焼室に投入することができる外気遮断投入装置とからなる」外気遮断投入装置付小規模焼却炉が記載されている。しかし、バーナー本体の冷却、並びにロストル及びロストル台の燃焼熱に対する材質の劣化対策を目的とするものではない。
また、特許文献2に記載の発明には、「上部にごみ投入口と煙突を有する縦型の焼却筒底部にロストルを設置し、焼却筒の中心にロストルを貫通して空気供給筒を起立し、空気供給筒の基端に送風機を接続するとともに空気供給筒の先端を閉じその周壁には多数の噴気口を形成し、さらに空気供給筒の外周をその外径より大きい金属製防護ネットで被覆するようにした」ことが記載されている。しかし、バーナー本体の冷却、並びにロストル及びロストル台の燃焼熱に対する材質の劣化対策を目的とするものではない。
特許文献3に記載の発明には、「好適なオイル燃料が中央オイル通路28からオイル口44へ流れ込む、と同時に、空気等の噴霧流体が中央オイル通路28の外周に設けられた噴霧通路82を通って室36に流れ込む。そして、当該室36に流れ込んだ噴霧流体の一部が複数の噴霧口48を通って流れ、オイル口44を通過するオイル燃料の軸方向の流れに突き当たり、オイル燃料を無数の微細粒子に変換して噴霧されオイル粒子となる。そして、当該オイル粒子は、バーナー先端開口部50の放出円錐部70にて膨張して噴霧して放出される。また、噴霧流体の一部は、放出円錐部70の外周に設けられた輪状通路78から外に向って配送され、当該バーナー先端開口部50から噴霧されたオイル粒子の回りに境界層冷却環を形成する。更に、噴霧通路82の外周に、酸素を供給する室94が形成され、当該室94の開口部19から放出された酸素は、噴霧されたオイル粒子を囲む酸素の袋となる。」(特許文献1の[0019]〜[0025]を要約する。)と記載されている。
このように、オイル燃料の通路として中央オイル通路28を設け、当該中央オイル通路28の外周に噴霧流体の噴霧通路82が設けられ、更に、噴霧通路82の外周に、酸素を供給する室94が形成されている。そして、噴霧流体の噴霧通路82から噴霧された噴霧流体は噴霧されたオイル粒子の回りに境界層冷却環を形成するものであり、噴霧通路82の外周に形成された室94は、噴霧されたオイル粒子を囲む酸素の袋を作るものである。しかし、特許文献3の発明は、バーナー本体の冷却、並びにロストル及びロストル台の燃焼熱に対する材質の劣化対策を目的とするものではない。
特開2003−314810号公報(第2頁、右欄28〜38行目、及び図1〜図4)
特開平10−185150号公報(第2頁、左欄23〜29行目、及び図1)
特開平7−4619号公報(第5頁左欄20行目〜第6頁左欄8行目、及び図1〜図6)
ところで、バーナー本体の高温を維持するために、当該バーナー本体の温度上昇は避けられないものである。従って、当該バーナー本体の材質である金属等の温度上昇により劣化が進み、比較的早い時期に変形、亀裂を生じて使用することができなくなる場合がある。
また、ロストル及びロストル台も金属製である場合も多く、バーナー本体と同様に熱的強度が問題となり、変形、亀裂、等で使用することができなくなる場合がある。
しかし、これらの問題点に対して、特許文献1〜3には、その解決策が示されていない。
そこで、本発明は上記に鑑みてなされたもので、焼却炉の熱的耐久性を向上して長寿命な高耐火性焼却炉を供給するために、バーナー装置のバーナー本体の早期劣化を抑制するためのバーナー装置の冷却構造、並びにロストル及びロストル台の熱的強度の早期劣化を抑制するために、当該ロストル及びロストル台の構造を課題とするものである。
すなわち、本発明は、排気筒若しくは燃焼筒に取付けられたバーナー装置のバーナー本体の火炎により排気筒若しくは燃焼筒の2次燃焼室内の温度が上昇し、当該バーナー本体は、その材質である金属の温度上昇による劣化が進み、比較的早い時期に変形、亀裂が生じて使用することができなくなる場合があったので、バーナー本体の金属の劣化を抑制できるようなバーナー装置の冷却構造を課題とする。
また、本発明は、焼却炉体の底面に設置されるロストル台、及びロストル台上に載置されるロストルは、従来からステンレス等の金属製を用いているが焼却による熱劣化により、比較的早期に細りや切れが生じて使用が不能となる場合があったので、当該ロストル及びロストル台の熱的強度の向上と保守点検の容易な構造を課題とするものである。
また、焼却炉体の一次燃焼室の燃焼をよくするために焼却炉体側壁内に一次空気供給管を埋設し一次燃焼室全般への空気供給を行っているが、当該一次空気供給管の熱疲労による早期劣化等の故障発生時において故障箇所の発見が極めて困難であり、また、実際の修理作業を行う場合に焼却炉体の耐火コンクリートあるいは耐火レンガを破壊することが必要とされ、困難を極めているので、一次燃焼室への空気供給の簡単な構造及び保守点検の容易な構造を課題とする。
更に、ロストル及びロストル台の構造を改善することにより、一次燃焼室の燃焼の効率をよりよくすることを課題とする。
上記目的を達成するために、本発明の冷却機構付バーナー装置においては、下記のような手段を取った。
請求項1に記載の本発明は、被燃焼物を燃焼する一次燃焼室を形成する焼却炉体の下部にロストルを設け、該燃焼炉体には焼却物投入口と焼却灰排出口を設け、該焼却物投入口には投入口密閉扉を開閉自在に設け、該焼却灰排出口には排出口密閉扉を開閉自在に設け、前記燃焼炉体の上面には前記一次燃焼室に連通する排気筒を設け、該排気筒は二次燃焼室を形成すると共に上端部に排気口を有する焼却炉であって、
前記排気筒に一次燃焼室から流れてくる燃焼ガスを昇温させるバーナー装置を取付け、該バーナー装置は、外筒と、該外筒の外周に設置した冷却空気を供給する冷却環と、該外筒の内側に外筒と同心状の2重管として配置したドラフトチューブと呼ばれている内筒と、を有する冷却機構を備えている、ことから構成されている冷却機構付バーナー装置である、ことを特徴とする高耐火性焼却炉である。
請求項2に記載の本発明は、被燃焼物を燃焼する一次燃焼室を形成する焼却炉体の下部にロストルを設け、該燃焼炉体には焼却物投入口と焼却灰排出口を設け、該焼却物投入口には投入口密閉扉を開閉自在に設け、該焼却灰排出口には排出口密閉扉を開閉自在に設け、前記燃焼炉体の上面には前記一次燃焼室に連通する排気筒を設け、該排気筒は二次燃焼室を形成すると共に上端部に排気口を有する焼却炉であって、
前記ロストル及び該ロストルを支えるロストル台は、耐火コンクリート若しくはセラミックの成型品であり、該ロストル台には一次燃焼室への空気供給を行うために焼却炉体外に設置されたブロアに連通した一次空気送風管に接続された空気流通経路を設け、該空気流通経路には焼却炉体内への空気吹出し口を設けた、ことを特徴とする高耐火性焼却炉である。
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の焼却炉であって、前記排気筒に一次燃焼室から流れてくる燃焼ガスを昇温させるバーナー装置を取付け、該バーナー装置は、外筒と、該外筒の外周に設置した冷却空気を供給する冷却環と、該外筒の内側に外筒と同心状の2重管として配置したドラフトチューブと呼ばれている内筒と、を有する冷却機構を備えている、ことから構成されている冷却機構付バーナー装置である、ことを特徴とする高耐火性焼却炉である。
請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載の焼却炉であって、前記冷却機構付バーナー装置は、前記冷却環には外部から冷却空気を供給する空気供給口が立設され、前記外筒には該冷却環から送られた空気を流入させる複数の外筒空気孔が穿設され、前記同心状の外筒と内筒との間には隙間が設けられた、ことから構成されている冷却機構付バーナー装置である、ことを特徴とする高耐火性焼却炉である。
請求項5に記載の本発明は、被燃焼物を燃焼する一次燃焼室を形成する焼却炉体の下部にロストルを設け、該燃焼炉体には焼却物投入口と焼却灰排出口を設け、該焼却物投入口には投入口密閉扉を開閉自在に設け、該焼却灰排出口には排出口密閉扉を開閉自在に設け、前記燃焼炉体の上面には前記一次燃焼室に連通する排気筒を設け、該排気筒に連通して二次燃焼室を形成すると共に上端部に排気口を有する燃焼筒を設けた焼却炉であって、
前記排気筒に一次燃焼室から流れてくる燃焼ガスを昇温させるバーナー装置を斜め上方へ設け、該バーナー装置の火炎が排気筒の中を渦巻状に回流するように配置され、
該バーナー装置は、外筒と、該外筒の外周に設置した冷却空気を供給する冷却環と、該外筒の内側に外筒と同心状の2重管として配置したドラフトチューブと呼ばれている内筒と、を有する冷却機構を備えている、ことから構成されている冷却機構付バーナー装置であり、該冷却機構付バーナー装置は、前記冷却環には外部から冷却空気を供給する空気供給口が立設され、前記外筒には該冷却環から送られた空気を流入させる複数の外筒空気孔が穿設され、前記同心状の外筒と内筒との間には隙間が設けられており、
前記ロストル及び該ロストルを支えるロストル台は、耐火コンクリート若しくはセラミックの成型品であり、該ロストル台には一次燃焼室への空気供給を行うために焼却炉体外に設置されたブロアに連通した一次空気送風管に接続された空気流通経路を設け、該空気流通経路には焼却炉体内への空気吹出し口を設けた、ことを特徴とする高耐火性焼却炉である。
請求項1、請求項3、請求項4、及び請求項5は、バーナー本体の材質である金属の早期劣化を抑制するために、冷却環に供給された冷却空気を、バーナー本体に噴射する構造を提供するものである。具体的には、空気供給用ブロアに接続された空気供給管からの冷却空気を冷却環に供給し、該冷却空気を外筒内に流入させ、換言すると、該外筒から同心状に配置した2重管の内筒の外周に流入させ、該流入した冷却空気をドラフトチューブと呼ばれている内筒に、すなわち、バーナー本体に噴射して、該バーナー本体を冷却するものである。
また、当該冷却空気は、バーナー本体の火炎により燃焼熱となり、当該燃焼熱は搬送されて2次燃焼室へ供給され、被燃焼物の燃焼を助長して完全燃焼を図ることができる。
また、請求項2、請求項3、請求項4、及び請求項5は、ロストル及びロストル台を耐火コンクリート若しくはセラミックの成型品としたことにより、製造容易、取扱い容易、熱的強度及び耐久性を向上させ、且つロストル台に空気流通経路を設けたことにより、従来の焼却炉体の側壁に一次空気供給管を埋設し一次燃焼室全般への空気供給を行う方法による故障発生時において故障箇所の発見の困難性が解消され、さらに、故障が生じても、焼却炉体の修理作業としての耐火コンクリートあるいは耐火レンガを破壊するということもなく、ロストル及びロストル台の交換作業で解消できる、という保守性が容易となった。
また、当該ロストル台の空気吹出し口から供給された空気は、ロストルのロストル空気孔を通過して一次燃焼室へ供給されるので空気の供給が効率よくなり、一次燃焼室の燃焼効率を向上させることができるようになった。
また、請求項4、及び請求項5は、バーナー本体の材質である金属の早期劣化を抑制するために、冷却環に供給された冷却空気を、バーナー本体に噴射する構造を提供するものである。具体的には、空気供給用ブロアに接続された空気供給管からの冷却空気を冷却環に立設した空気供給口に供給し、該冷却空気を外筒に穿設された複数の外筒空気孔から外筒内に流入させ、換言すると、前記同心状の外筒と内筒との隙間に該冷却空気を流入させ、該流入した冷却空気をドラフトチューブと呼ばれている内筒に、すなわち、バーナー本体に噴射して、該バーナー本体を冷却するものである。
また、請求項5は、一対の冷却機構付バーナー装置をお互いに高低差をもって配置し、当該一対の冷却機構付バーナー装置の火炎が排気筒の中を渦巻状に回流することによって、被燃焼物の完全燃焼を図ることができるようにしたものである。尚、当該被燃焼物には、木材、紙類、廃プラ、その他の廃棄物がそれぞれ所定の比率で含まれている。
本発明は、以上の説明から、以下に記載されるような効果を奏する。
本発明の高耐火性焼却炉は、排気筒若しくは燃焼筒に取付けられたバーナー装置のバーナー本体の火炎により排気筒若しくは燃焼筒の2次燃焼室内の温度が上昇し、当該バーナー本体は、その材質である金属の温度上昇による劣化が進み、比較的早い時期に変形、亀裂が生じて使用することができなくなる場合があったが、本発明の高耐火性焼却炉の冷却機構付バーナー装置を取付けることにより、バーナー本体の金属の劣化を抑制することができるようになった。すなわち、本発明の冷却機構付バーナー装置は、バーナー本体に冷却空気を噴射することによって、バーナー本体の材質である金属の劣化を抑制することができる。また、当該冷却機構付バーナー装置は、高耐火性焼却炉に取付けることに限定するものではなく、他の機械、装置等に取付けて利用することができる。
また、本発明の高耐火性焼却炉は、ロストル及びロストル台を耐火コンクリート若しくはセラミックの成型品としたことにより、熱的強度の向上及び製造が容易となり、且つ保守点検が容易になり、更に、従来から当該ロストル及びロストル台をステンレス等の金属製を用いていたので焼却による熱劣化により、比較的早期に細りや切れが生じて使用が不能となる場合が多かったが、当該ロストル及びロストル台を成形品としたことにより、早期の熱劣化による細りや切れが抑制することできるようになった。
また、従来の一次燃焼室の燃焼をよくするために焼却炉体側壁内に一次空気供給管を埋設し一次燃焼室全般への空気供給を行う方法を止めて、ロストル台に空気流通経路を設けたことにより一次燃焼室への空気の供給が簡単になり、且つ故障発生時において故障箇所の発見が極めて容易になり、しかも、従来の修理作業のとき、焼却炉体の耐火コンクリートあるいは耐火レンガを破壊して修理する必要もなく、ロストル台及びロストルの交換で済むようになったので、保守性が改善された。
更に、当該ロストル台の空気吹出し口から供給された空気は、ロストルのロストル空気孔を通過して一次燃焼室へ供給されるので空気の供給が効率よくなり、一次燃焼室の燃焼効率を向上させることができるようになった。
このように、本発明の高耐火性焼却炉は、バーナー装置の冷却機構によりバーナー本体の熱的耐久性を高め、且つロストル及びロストル台を耐火コンクリート若しくはセラミックの成型品とすることにより熱的耐久性を高めると共に保守性の良い高耐火性焼却炉とすることができるようになった。
以下に、本発明の実施をするための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の高耐火性焼却炉の一実施例の正面図である。図2は、本発明の高耐火性焼却炉の側面図の断面図である。図3は、本発明の高耐火性焼却炉の一実施例の背面図である。図4(a)は、本発明の高耐火性焼却炉のロストル及びロストル台を説明するための斜視図であり、(b)は、ロストル及びロストル台を焼却炉体に載置するときの説明用の斜視図である。図5(a)は、冷却機構付バーナー装置のバーナー防護カバーを説明するための部分図であり、(b)は、冷却機構付バーナー装置を説明するための(a)のA−A断面図である。
また、図6(a)は、本発明の高耐火性焼却炉の冷却機構付バーナー装置の一実施例の断面図であり、(b)は、他の実施例の断面図である。図7は、図6(a)のB−B断面図である。図8は、本発明の高耐火性焼却炉の冷却機構付バーナー装置を説明するための斜視図である。(a)は冷却環の斜視図であり、(b)は外筒の斜視図であり、(c)は外筒の第2実施例の斜視図であり、そして(d)は内筒の斜視図である。図9は、従来のロストル及びロストル台の斜視図である。
次に、図1〜図8により本発明の一実施例を説明する。本発明の高耐火性焼却炉の基本構成について、主に図1〜図3に基づいて説明する。図示するように、被燃焼物を燃焼する一次燃焼室21を形成する焼却炉体2の下部にロストル22を設け、該燃焼炉体2には焼却物投入口23と焼却灰排出口24を設け、該焼却物投入口23には投入口密閉扉25を開閉自在に設け、該焼却灰排出口24には排出口密閉扉26を開閉自在に設け、前記燃焼炉体2の上面には前記一次燃焼室21に連通する排気筒3を設け、該排気筒3に連通して二次燃焼室41を形成すると共に上端部に排気口42を有する燃焼筒4を設けた高耐火性焼却炉1である。また、図1〜図3の高耐火性焼却炉1では、焼却物投入口23に、外気遮断投入装置5を取付けている。勿論、当該外気遮断投入装置5を取付けずに、焼却物投入口23に投入口密閉扉25を開閉自在に設けて良い。
次に、図1〜図3では、前記燃焼炉体2の上面には排気筒3を設け、該排気筒3の上部に燃焼筒4を設けて、当該燃焼筒4に二次燃焼室41を形成し上端部に排気口42を有する構造としているが、当該排気筒3に二次燃焼室41を形成し上端部に排気口42を設けても良い。すなわち、図1〜図3では、排気筒3と燃焼筒4とにそれぞれフランジを介して複数のボルトとナットで連結しているが、燃焼筒4を廃止し、排気筒3に二次燃焼室41を形成し上端部に排気口42を設けても良いのである。尚、排気筒3と燃焼筒4とを連結した構造のときには、二次燃焼室41は、当該排気筒3と燃焼筒4とは連通しているので排気筒3にも形成されたことになる。
すなわち、排気筒3と燃焼筒4とを一体化した高耐火性焼却炉1では、前記燃焼炉体2の上面には前記一次燃焼室21に連通する排気筒3を設け、該排気筒3は二次燃焼室41を形成すると共に上端部に排気口42を有する高耐火性焼却炉1である。
また、燃焼筒4内には、二次燃焼室41内に加圧空気を供給する二次空気供給管43が該燃焼筒4と同心に配置され、下端を排気筒3内にのぞませている。尚、前記で説明した燃焼筒4を廃止し、排気筒3に二次燃焼室41を形成し上端部に排気口42を設けた高耐火性焼却炉1においては、排気筒3内に、二次燃焼室41内に加圧空気を供給する二次空気供給管43が該排気筒3と同心に配置されている。
また、該二次空気供給管43の下端面は閉塞されており、周壁には多数の空気噴射孔44が穿設されている。これら空気噴射孔44は、二次空気供給管43の上半分を適宜な孔径に設定するとともに下半分を前記上半分の孔径に対し若干大きめに設定している。前記空気噴射孔44は、上から見て渦巻き方向に噴射するよう設けられている。これにより、サイクロン効果でクリーンな燃焼ができ、さらに煤塵の発生及び排出を少なくできる。また、二次空気供給管43の上端は、二次空気送風管45を介してブロア46に連通されている。
すなわち、ブロア46から二次空気送風管45を経て二次空気供給管43に送給される空気は、空気噴射孔44を通して燃焼筒4内に噴射される。したがって、その送風量は二次空気供給管43の下端に近づくほど減少するため、これを二次空気供給管43の長手軸方向に対して均等に放出させようとすれば、下半分に穿設する空気噴射孔44の孔径を上半分に穿設した孔径より若干大きめにしなければならない。尚、図2及び図3に図示する二次空気送風管45には、上記に説明した空気の流れを示すための矢印を付している。
また、前記焼却物投入口23には、外気遮断投入装置5が設けられている。当該焼却物投入口23には、投入口密閉扉25が設けられている。当該投入口密閉扉25は、外気との遮断をするもので、焼却炉体2内部と外気とが接することなく、焼却炉体2内部において発生するガスの温度が摂氏800度以上の状態で被燃焼物を焼却できるようにしたものである。すなわち、外気遮断投入装置5は、ダイオキシン類対策特別措置法に基づく規制をクリアするものである。
尚、その他の高耐火性焼却炉1の基本構成及び外気遮断投入装置5の詳細については、同一出願人による特開2003−314810号公報にて記載されている廃棄物焼却炉と同様のため、本明細書では省略する。
以上は、焼却炉の一般的な構造を説明したが、次に、本発明の主要な構成である冷却機構付バーナー装置、並びにロストル及びロストル台について説明する。
まず、図1〜図3及び図5(a),(b)により冷却機構付バーナー装置の高耐火性焼却炉1への取付けについて説明する。当該冷却機構付バーナー装置6は、前記排気筒3に一次燃焼室21から流れてくる燃焼ガスを昇温させるもので、排気筒3に燃焼ガスが上方へ流れ易いように取付角度αで斜め上方へ設け、且つ、該冷却機構付バーナー装置6の火炎が排気筒3の中を渦巻状に回流するように配置されている。
尚、上方角度αの適正角度は、実験によれば10度が適正である。しかし、排気筒3の円筒直径等が上方角度αの適正に影響すると思われるので、10度に限定されるものではない。また、当該火炎が排気筒3の中を渦巻状に回流するように、当該冷却機構付バーナー装置6は、排気筒3の中心に対して、当該中心からの離間距離βだけオフセットした状態で設置されている。尚、当該冷却機構付バーナー装置6の火炎は、図5(b)では、反時計回りに回流している。これにより、サイクロン効果でクリーンな燃焼ができ、さらに煤塵の発生及び排出を少なくできる。また、図1では、冷却機構付バーナー装置6は、排気筒3に対して、上方角度αで取付けられているが、上方角度αに限定されるものでは無く、排気筒3に対して直角に取付けても良い。
すなわち、図1〜図3の高耐火性焼却炉1は、冷却機構付バーナー装置6の火炎が排気筒3の中を渦巻状に回流することによって、被燃焼物の完全燃焼を図ることができる。尚、当該被燃焼物には、木材、紙類、廃プラ、その他の廃棄物がそれぞれ所定の比率で含まれている。
また、排気筒3と燃焼筒4とを連通することにより、当該排気筒3と燃焼筒4とは一体となり実質的な二次燃焼室41の容積が大きくなり、当該二次燃焼室41にて黒煙及び悪臭の原因となる化学物質を分解したことにより、排気口42からの排ガス中からは当該黒煙及び悪臭を除去することができるようになった。
また、図1及び図3では、1個の冷却機構付バーナー装置6となっているが、1個の冷却機構付バーナー装置6に限定するものでは無く、複数個の冷却機構付バーナー装置6,6、…を排気筒3に対してそれぞれ高低差を持たせ配置し、且つ排気筒3の中心からの離間距離βだけオフセットして設置しても良い。
また、冷却機構付バーナー装置6は、図1に示すように燃料供給管71を介して燃料タンク7に連通されている。更に、図5(a)に示すように、当該冷却機構付バーナー装置6には、バーナー防護カバー61が取付けられている。当該バーナー防護カバー61は、冷却機構付バーナー装置6を防護すると共に、冷却機構付バーナー装置6の温度測定用の計器類を外部より防護するものである。
図6〜図8により、本発明の一実施例である冷却機構付バーナー装置について説明する。図示するように、本発明の冷却機構付バーナー装置6は、外筒63と、該外筒63の外周に設置した冷却空気を供給する冷却環62と、該外筒63の内側に外筒63と同心状の2重管として配置したドラフトチューブと呼ばれている内筒64と、を有する冷却機構を備えている。また、当該内筒64は、バーナー本体と呼ばれているもので、当該内筒64の先端部は、燃料の噴出し口となっている。
また、本発明の冷却機構付バーナー装置6は、前記冷却環62には図示しない空気供給用ブロアに接続された空気供給管622を接続して外部から冷却空気を供給する空気供給口621が立設され、前記外筒63には該冷却環62から送られた空気を流入させる複数の外筒空気孔631、631、…が穿設され、前記同心状の外筒63と内筒64との間には隙間δが設けられた、冷却機構付バーナー装置6である。尚、図6(b)の他の実施例では、外筒63と内筒64との間の隙間を通り抜ける空気の流れを示すための矢印を付している。また、矢印は排気筒3への空気の流れも示している。
尚、図6(a)に示すように、外筒63の前端部(図6(a)の右側)は、排気筒3に取付けられている。また、冷却機構付バーナー装置6の後端部(図6(a)の左側)には、温度計測等の計器類が取付けられている計器取付け部65がある。また、該計器取付け部65には、内筒64、すなわちバーナー本体へ燃料を供給する燃料供給管66が接続されている。更に、該燃料供給管66の後端部は、図示しない燃料タンクに接続されている。
次に、図6〜図8により、冷却環について説明する。当該冷却環62は、内周に開口するコ字型の断面を有する環状の枠である。当該枠の外周には、外部から冷却空気を供給する空気供給口621が立設され、当該空気供給口621には空気供給管622が嵌挿して接続されている。当該空気供給管622には図示しない空気供給用ブロアに接続して連通している。そして、当該冷却環62の内周623は、外筒63の外周に設置されている。当該設置方法としては、冷却環62の内周623を外筒63に溶接する、又は、冷却環62の内周623にフランジを付けてボルトとナットで締結する等で取付けられている。
また、当該冷却環62は、図示では、円筒形状の場合を示しているが、円筒形に限定するものではなく、多角形等でも対応できるものである。更に、冷却環62は、内周に開口するコ字型の断面を有する環状の枠であるが、当該コ字型に限定するものではなく、U字型でもよく、また、○型若しくは多角形でも良い。当該○型若しくは多角形のときは、外筒63の外筒空気孔631の対応する箇所に空気孔を穿設して、冷却環62から外筒63へ空気を流入するようにすると良い。
次に、図6〜図8により、外筒及び内筒について説明する。当該外筒63には、冷却環62から送られた空気を流入させる複数の外筒空気孔631、631、…が穿設されており、該外筒63の内側には、同心状の2重管としての内筒64が設けられている。そして、該同心状の外筒63と内筒64との間に設けられた隙間δ、すなわち、外筒63の内周と内筒64の外周との間に設けられた隙間δに、当該外筒空気孔631から空気が流入する。尚、図8(b)に示す外筒63は、外筒空気孔631を円筒形の中心軸に対して2列の孔を平行に並べているが、(c)に示す外筒63は、2列の孔を千鳥配置したものである。この千鳥配列は、より良く空気の供給をしようとするものである。いずれを選択するかは、冷却機構付バーナー装置6の大きさ、形状、及び冷却環62の大きさ、形状などを考慮して決めれば良い。
また、当該外筒63及び内筒64は、図示では、円筒形状の場合を示しているが、円筒形に限定するものでは無く、多角形等でも対応できるものである。尚、隙間δは、外筒63と内筒64とが同一多角形でない場合には同一隙間δでない場合もあるが、隙間δの機能としての空気の流通には問題ない。できるならば、同一多角形で、同一隙間δであることが望ましい。尚、上記の説明は、図6(a)のバーナー装置6の実施例を説明しているが、他の実施例である図6(b)のバーナー装置6についても同様であるので説明を省略する。
次に、図6(a)により、バーナー本体、すなわち、ドラフトチューブと呼ばれている内筒について説明する。該内筒64は、該外筒63の内側であって中心線上に設置され、ドラフトチューブと呼ばれており燃料を供給するものであり、材質は金属製である。そして、灯油等の液体燃料の場合には、図示しない燃料タンクから燃料供給管66を経由して燃料を噴霧して燃焼する。また、気体燃料についても同様である。
次に、冷却機構付バーナー装置の冷却機構について説明する。
図6〜図8により、冷却環62の空気の流れを説明すると、まず、図示しない空気供給用ブロアから供給された空気は、空気供給管622を流れて空気供給口621に供給される。当該供給された空気は、冷却環62のコ字型断面の空間を流れて、外筒63に穿設された複数の外筒空気孔631、631、…から噴射されて外筒63の内側へ供給される。
次に、当該供給された空気は、同心状の2重管である外筒63と内筒64との隙間δへ供給される。すなわち、当該外筒63の内側へ供給される。当該供給された空気は、外筒63の内周を周回しながら、換言すると、当該内筒64の外周を周回しながら当該内筒64を冷却する。また、当該供給された空気は、ドラフトチューブと呼ばれている当該内筒64の先端部からの燃焼を助ける燃焼空気となる。また、図6(b)に示す矢印は、上記の空気の流れを示すものであり、空気供給口621から供給された空気は、冷却環62のコ字型断面の空間を流れて、外筒63に穿設された複数の外筒空気孔631、631、…から噴射されて外筒63の内側へ供給される様子を矢印によって示している。当該矢印は、排気筒3へ空気が流れていく様子を示している。
すなわち、冷却機構付バーナー装置6の冷却機構を通じて供給された外部よりの空気は、
内筒64の冷却を助けると共に、内筒64の先端部からの燃焼を助長する燃焼空気としての役割も果たしている。
このように、当該内筒64の先端部から噴霧した燃料の高温を維持しながら、当該冷却機構を通じて供給された空気により、内筒64の材質である金属の温度上昇による劣化を抑制して、比較的早い時期での変形、亀裂を防ぐことができる。
次に、図2及び図4(a),(b)により焼却炉体内に載置されたロストル及びロストル台について説明する。
図示するように、ロストル22及び該ロストル22を支えるロストル台8は、耐火コンクリート若しくはセラミックの成型品であり、該ロストル台8には焼却炉体2内への空気供給を行うために焼却炉体2外に設置されたブロア46に連通した一次空気送風管48に接続された空気流通経路81を設け、該空気流通経路81には複数の空気吹出し口82、82、…を設けている。尚、図3に示す一次空気送風管48には、空気の流れを示すための矢印を付している。
詳細に説明すると、ロストル台8は、ロストル台右8aとロストル台左8bとから構成されている。ロストル台右8aとロストル台左8bとは、左右対称であるので、以下は、ロストル台右8aについて説明する。ロストル台左8bについても同様である。当該ロストル台右8aには、空気流通経路81が穿設されており、当該空気流通経路81には、焼却炉体2の内部へ通気する複数の空気吹出し口82,82、…が穿設されている。当該ロストル台8aは、耐火コンクリート若しくはセラミックの成型品とし、当該空気流通経路81及び空気吹出し口82は、型抜きして穴あけすると良い。また、ロストル台右8aの下部の突き出た段部83は、ロストル22の底面を載置するためのものである。そして、当該ロストル台右8aの上面の頂部85の高さは、ロストル22を焼却灰排出口24より焼却炉体内へ入れるために焼却灰排出口24の高さより低くする必要がある。また、裏面84(図4(a)のロストル台左8bに図示)は、焼却炉体2内の側面に内接する。
すなわち、焼却炉体2内の側面に、左右のロストル台右8aとロストル台左8bのそれぞれの裏面84、84を内接して、当該左右のロストル台右8aとロストル台左8bのそれぞれの段部83、83にロストル22の底面を載置する。尚、図4(b)は、ロストル22及びロストル台8a,8bを焼却炉体2内の底面に載置する様子を示したものである。
次に、ロストル及びロストル台の燃焼を促進する空気の流通について説明する。焼却炉体2内部へ供給される空気は、まず、当該焼却炉体2外の背面に設置されたブロア46から一次空気バルブ47を通して二股に分岐して焼却炉体2外の背面の左右の一次空気送風管48,48へ供給される。尚、図3に示す一次空気送風管48には、空気の流れを示すための矢印を付している。
そして、当該左右の一次空気送風管48、48は、ロストル台右8a,及びロストル台左8bのそれぞれの空気流通経路81,81と接続しているので、当該ロストル台右8a,及びロストル台左8bのそれぞれの複数の空気吹出し口82,82、…から当該供給空気を焼却炉体2の内部へ吹出す。尚、当該一次空気送風管48と空気流通経路81との接続は、当該一次空気送風管48を空気流通経路81に嵌挿させる、若しくはそれぞれの端面同志を接触させて密接させる、等である。
すなわち、当該供給空気は、ロストル22の上面へ供給し、更に、ロストル22の上部へ吹上げて一次燃焼室21へ供給する。また、焼却炉体2の左右に載置されたロストル台右8a、及びロストル台左8bに開口した複数の空気吹出し口82、82、…は、焼却炉体2のロストル22の上面へ偏りのない空気を供給しているので、ロストル22から上部の一次燃焼室21へ偏りのない一様な空気の供給を行う。このように、一次燃焼室21内に投入された被燃焼物の焼却を促進するために、空気の供給を被燃焼物に直接到達できる至近距離から行うことができる。従って、当該供給空気は、ロストル22に置かれた被燃焼物の焼却を促進させ、発生した熱量と炎が上部方向への自然対流を促進させ、一次燃焼室21内の全体の燃焼効率が向上する。また、一次空気送風管48からの外気が直接ロストル台8の空気流通経路81に供給されるので、ロストル台8を内部から冷却して温度を低下させることができ、当該ロストル台8の耐久性が向上する。また、従来の一次空気供給管に替わり空気流通経路81をロストル台8に埋設したことにより、従来の一次空気供給管の熱疲労による早期劣化の問題がなくなった。
また、ロストル22及びロストル台8の材質を耐火コンクリートあるいはセラミック製の成型構造とし、耐熱性を向上させ、空気流通経路81をロストル台8の内部に埋設することにより全体の耐久性を向上させた。尚、ロストル8は、図4(a)では、角型であるが、角型に限定するものではなく、丸型、楕円形状でもよい。そして、ロストル8の形状に従って、ロストル台8の形状も変形させていけばよい。図4(a)では、ロストル台8は、左右のロストル台右8a,ロストル台左8bとなっているが、2体に分離することに限定するものではなく、一体であっても良い。また、ロストル22に穿設された複数のロストル空気孔221、221、…は、焼却灰を落下させるための孔でもあり、また、燃焼空気供給調節口261から供給された外気を上方へ流通させるための孔でもある。
次に、図1及び図2により、排出口密閉扉及び外気調節扉について説明する。図示するように、焼却炉体2の下部に設けられた焼却灰排出口24に排出口密閉扉26が開閉自在に設けられている。当該排出口密閉扉26には、燃焼空気供給調節口261が設けられ、当該燃焼空気供給調節口261には外気調節扉262が開閉自在に設けられている。当該開閉自在は、ヒンジによる開閉、摺動式による開閉等考えられるが、いずれの方式にも限定されるものではない。
また、燃焼の当初は、焼却炉体2前面に設けた当該排出口密閉扉26は閉じた状態で、しかも当該外気調節扉262は、閉じた状態で燃焼を開始し、一定の時間が経過し、燃焼が継続し焼却炉体2の温度が上昇し安定してから当該外気調節扉262を開口し、燃焼空気供給調節口261より適切量の外気を供給すると良い。すなわち、燃焼が継続し焼却炉体2の温度が上昇し安定してから当該燃焼空気供給調節口261を開口して、被燃焼物に必要最小限かつ微量な空気を加えて燃焼を継続させることにより、完全燃焼が図れる。
次に、燃焼の過程について説明する。被燃焼物は、高耐火性焼却炉1の上部に設けられた開閉自在の投入口密閉扉25を開き、被燃焼物を焼却物投入口23より、焼却炉体2の一次燃焼室21へ投入する。
次に、一次燃焼室21で燃焼した被燃焼物の燃焼ガスは、排気筒3に設けられた冷却機構付バーナー装置6にて、当該被燃焼物の燃焼ガスを昇温させて、当該燃焼ガスが燃焼筒4へ流れる。当該燃焼ガスは、燃焼筒4の二次燃焼室41にて二次空気供給管43に設けられた空気噴射口44より噴射された空気により完全燃焼し、当該燃焼ガスは、燃焼筒4の上部に設けられた排気口42により外部へ流出する。尚、排気筒3と燃焼筒4とが一体となった排気筒3の場合も、同様である。
また、当該外部へ流出した燃焼ガスは、ダイオキシン等の有害物質を含まないクリーンな状態のガスで、環境省が規定するダイオキシン等の排出基準を充分にクリアするものである。
以上の説明は、開示された実施の形態のすべての点で例示であり制限的なものではない。従って、本発明の範囲は、上記の説明に限定されたものではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内のすべての変更が含まれることが意図されている。