WO2018066122A1

WO2018066122A1 - 焼却装置

Info

Publication number: WO2018066122A1
Application number: PCT/JP2016/079931
Authority: WO
Inventors: ▲たか▼男上嶋; 雅美上嶋; 蔦　茂治
Original assignee: 株式会社エバーグリーン
Priority date: 2016-10-07
Filing date: 2016-10-07
Publication date: 2018-04-12

Abstract

【課題】この発明は、被焼却物を火炎噴射手段から噴射される火炎より高い温度の火炎にて焼却処理することができる焼却装置の提供を目的とする。【解決手段】本発明の焼却装置１は、被焼却物Ｄを火炎Ｆｉにて焼却処理する第１焼却室２と、被焼却物Ｄを焼却処理した際に発生する排ガスＤａを螺旋方向に旋回させながら焼却処理する第２焼却室３と、被焼却物Ｄを第１焼却室２内に供給する被焼却物供給装置４と、第１焼却室２内の底部に向けて火炎Ｆｉを噴射する火炎噴射装置５とを備えている。第１焼却室２から第２焼却室３に向けて火炎Ｆｉを吹き込むための吹込み口３ａを、第２焼却室３における第１焼却室２と接する一端側周壁に開口している。被焼却物Ｄを焼却処理した際に発生する排ガスＤａを排気するための吹出し口３ｂを、第２焼却室３における他端側壁部に開口している。

Description

焼却装置

　この発明は、例えばＰＣＢ、可燃性廃棄物、生ゴミ、汚泥、汚水、糞尿、廃油、廃液、塗料、タイヤ、合成樹脂成形品、糠、おから、木製チップ（木屑を含む）などの産業廃棄物、あるいは、使用済み注射器、ガーゼ、包帯などの医療廃棄物等の被焼却物を焼却処理する際に用いられる焼却装置に関する。

　従来、上述のような被焼却物を焼却処理した際に発生する排ガスには、例えばＰＣＢやダイオキシン、煤塵、悪臭の元となる成分等の環境汚染物質が含まれているため、被焼却物を環境汚染物質が完全燃焼するような高い温度にて焼却処理する必要がある。

　上述の被焼却物を焼却処理する装置として、様々なものが多数提案されており、特許文献１に開示の焼却装置も、このような焼却装置の一つである。特許文献１の焼却装置は、焼却室内に供給される被焼却物を、バーナーから噴射される火炎で焼却処理するが、バーナーから噴射される火炎より高い温度で焼却処理することが難しい。

特開２００４－１３２５６７号公報

　この発明は、被焼却物を火炎噴射手段から噴射される火炎より高い温度の火炎にて焼却処理することができる焼却装置を提供することを目的とする。

　この発明は、被焼却物を火炎にて焼却処理する第１焼却室と、前記被焼却物を焼却処理した際に発生する排ガスを螺旋方向に旋回させながら焼却処理する略円筒状の第２焼却室と、前記被焼却物を前記第１焼却室内に供給する被焼却物供給手段と、前記火炎を前記第１焼却室内の上部から該第１焼却室内の底部に向けて噴射する火炎噴射手段とを備え、前記第１焼却室を、前記第２焼却室における一端側の周壁に対して接するように連設し、前記第１焼却室から前記第２焼却室に向けて前記火炎を吹き込ませることが可能な吹込み口を、前記第２焼却室における前記第１焼却室と接する一端側の周壁に開口し、前記第２焼却室内から前記排ガスを室外へ排気することが可能な吹出し口を、前記第２焼却室における他端側の壁部に開口した焼却装置であることを特徴とする。

　上述の被焼却物は、例えばＰＣＢ（ポリ塩化ビフェニル）、可燃性廃棄物、生ゴミ、汚泥、汚水、糞尿、廃油、石炭、石炭を水で洗浄した際の廃液、塗料、タイヤ、合成樹脂成形品、米や玄米などの穀物を精白する際に発生する糠、豆乳を絞った際のかすであるおから、木材を加工する際に発生する木製チップ（木屑を含む）などの産業廃棄物、あるいは、使用済み注射器、ガーゼ、包帯などの医療廃棄物等で構成してもよい。

　上述の被焼却物供給手段は、例えば被焼却物が投入されるホッパ型の投入部と、ホッパに投入された被焼却物を第１焼却室へ供給するスクリュコンベアやベルトコンベア等で構成してもよい。火炎噴射手段は、例えば燃料を吐出する吐出管、燃料を噴射する噴射ノズル、燃料に着火する着火装置等を備えた火炎噴射装置で構成してもよい。

　この発明によれば、被焼却物を火炎噴射手段から噴射される火炎より高い温度の火炎にて焼却処理することができる。　
　詳しくは、被焼却物を被焼却物供給手段により第１焼却室内へ供給する際に、火炎噴射手段から噴射される火炎を、第１焼却室内の底部に向けて吹き付けるとともに、第１焼却室内の底部に向けて吹き付けられる火炎と、第１焼却室内の底部に当たって吹き返される火炎とを互いにぶつかり合わせて、火炎の渦流を第１焼却室内に発生させる。

　火炎噴射手段から噴射される火炎や、被焼却物を焼却処理した際に発生する火炎及び排ガスを、吹込み口を介して第１焼却室から第２焼却室に向けて吹き込むとともに、第２焼却室の内壁面に沿って一端側から他端側に向けて旋回させながら焼却処理して、吹出し口から室外に向けて排ガスを排気する。

　つまり、火炎噴射手段から噴射される火炎よりも、第１焼却室内に発生させた渦巻く火炎の温度が高温となるため、第１焼却室内に供給される被焼却物を、火炎噴射手段から噴射される火炎より高い温度の火炎にて焼却処理することができる。

　この結果、被焼却物を、例えば環境汚染物質が完全燃焼するような高い温度にて焼却処理することができるとともに、焼却処理した際に発生する焼却灰の量を少なくすることができる。

　しかも、燃料吐出管から吐出される燃料の吐出動作を停止又は休止しても、第１焼却室内に発生させた火炎の渦流を火種として、被焼却物供給手段から供給される被焼却物を連続して焼却処理することができる。

　これにより、例えば火炎噴射手段から噴射される燃料に着火して燃焼させて火炎を第１焼却室内の底部に向けて吹き付ける場合、火炎噴射手段から噴射される燃料の消費量を必要最小限に抑えることができる。

　この発明の態様として、前記吹込み口を、前記第２焼却室における一端側の周壁の内壁面又は外壁面の接線方向に開口するとともに、該第２焼却室の外側斜め下方から内側斜め上方に向けて斜め上向きに形成してもよい。

　この発明によれば、火炎中に含まれる未燃焼の被焼却物や、被焼却物を焼却処理した際に発生する排ガスを確実に焼却処理することができる。　
　詳しくは、火炎噴射手段から噴射される火炎や、被焼却物を第１焼却室内で焼却処理した際に発生する火炎を、吹込み口を介して第１焼却室から第２焼却室に向けて接線方向に吹き込ませることにより、第２焼却室における径方向中心部を通る軸芯を中心として、軸回りに旋回する火炎及び空気の螺旋渦流を発生させることができる。

　これにより、火炎中に含まれる未燃焼の被焼却物や、被焼却物を焼却処理した際に発生する排ガスを、第２焼却室内に発生する螺旋渦流の移送力によって、第２焼却室の内壁面に沿って一端側から他端側に向けて螺旋方向に旋回させながら、他端側の吹出し口に向けて積極的に移送することができる。　
　この結果、火炎中に含まれる未燃焼の被焼却物や、被焼却物を焼却処理した際に発生する排ガスを焼却処理するのに十分な処理時間を確保することができる。

　しかも、火炎中に含まれる未燃焼の被焼却物や、被焼却物を焼却処理した際に発生する排ガスを、第２焼却室の内壁面に沿って一端側から他端側に向けて螺旋方向に旋回させながら焼却処理するため、例えば第２焼却室全体を回転させるような回転装置が不要であり、焼却装置全体の構成を簡素化して、小型化することができる。

　またこの発明の態様として、前記第１焼却室と前記第２焼却室とを連通する孔部を、前記第２焼却室における前記吹込み口より下方の周壁に設けるとともに、前記孔部を、前記吹込み口と対応する部分の前記周壁に対して所定間隔を隔てて複数配列してもよい。

　この発明によれば、被焼却物をより高い温度の火炎にて確実に焼却処理することができる。　
　詳しくは、第２焼却室の内壁面に沿って螺旋方向に旋回する一部の火炎を、吹込み口より下方の周壁に設けた複数の孔部を介して、第２焼却室から第１焼却室に向けて吹き出させるとともに、第１焼却室内に発生させた渦巻く火炎にぶつかり合わせる。

　これにより、被焼却物を、第２焼却室内の底部に向けて噴射される火炎で焼却処理するよりも、第２焼却室から第１焼却室に向けて吹き出される火炎を、第１焼却室内に発生させた渦巻く火炎にぶつかり合わせた方が、第１焼却室内に発生する渦巻く火炎の温度がより高温となるため、被焼却物をより確実に焼却処理することができる。

　この結果、被焼却物を第１焼却室内にてより確実に焼却処理することができるとともに、被焼却物を焼却処理するのに必要な高い温度の火炎をより確実に発生させることができる。

　またこの発明の態様として、前記火炎噴射手段を、前記第１焼却室内の底部に向けて空気供給源から供給される高圧の空気を吐出する空気吐出管と、前記空気吐出管から吐出される空気の吐出方向と交差して、燃料供給源から供給される燃料を吐出する燃料吐出管と、前記空気吐出管から吐出される空気の吐出力によって霧状に拡散された燃料に着火する着火手段とで構成してもよい。

　上述の交差とは、例えば空気吐出管及び燃料吐出管における双方の吐出方向が斜めに交差する状態と、双方の吐出方向が直交する状態とを含む概念である。空気吐出管及び燃料吐出管は、例えば略筒状に形成された吐出管、あるいは、噴射孔を備えた１穴式や２穴式の噴射ノズル等で構成してもよい。着火手段は、例えば圧電点火装置やヒーター等で構成してもよい。燃料は、例えば石油（重油、軽油、灯油等）、あるいは、水及び石油を混合した混合燃料、あるいは、石炭を水で洗浄した際に排出される廃液等で構成してもよい。

　この発明によれば、燃料吐出管から吐出される燃料を確実に完全燃焼させることができる。　
　詳しくは、空気吐出管から吐出される空気の吐出力によって、燃料吐出管から吐出される燃料を霧状に拡散させるため、燃料と空気との混合比が、燃料を完全燃焼させるのに最適な状態となる。

　これにより、霧状に拡散された燃料に着火手段で着火することにより、燃料吐出管から吐出される燃料を効率よく完全燃焼させることができる。　
　この結果、被焼却物を焼却処理するのに必要な火力の火炎を確実に発生させることができるとともに、燃焼不良や火力不足が起きることを防止できる。

　またこの発明の態様として、前記吹出し口を、前記第２焼却室における他端側の径方向中心部に対して該第２焼却室と同心円に設けるとともに、該第２焼却室の内径より小径に形成してもよい。

　この発明によれば、被焼却物を焼却処理した際に発生する排ガスをより確実に完全燃焼させることができる。　
　詳しくは、被焼却物を焼却処理した際に発生する未完全燃焼の排ガス（例えば塵より大きい粒や片等）は、完全燃焼した排ガスより比重が重く、螺旋方向に旋回する際に付与される遠心力によって、螺旋渦流の中心部より外周部に向けて積極的に集積されるため、未完全燃焼の排ガスが吹出し口から排気されることを防止することができる。

　一方、完全燃焼した排ガス（例えば無害なガスや微細な塵等）は、未完全燃焼の排ガスより比重が軽く、螺旋渦流の中心部に向けて積極的に集積されるため、第２焼却室の吹出し口から室外に向けて効率よく排気することができる。

　つまり、未完全燃焼の排ガスは、完全燃焼した排ガスと略同等の比重になるまで、螺旋渦流の中心部より外周部に集積されたまま、第２焼却室の内壁面に沿って螺旋方向に旋回される。　
　これにより、第２焼却室に吹き込まれる高温の火炎によって引き続き加熱されるため、未完全燃焼の排ガスを焼却処理するのに十分な処理時間を確保することができる。

　この結果、被焼却物を焼却処理する際に、自然環境に影響を及ぼすような排ガスが室外へ排気されることをより確実に防止することができる。　
　しかも、排ガスを吹出し口から室外へ排気する際に、排ガスの流量が制限され流速が速くなるため、排ガスを第２焼却室内に留まらせることなく、他端側の吹出し口から効率よく排気することができるとともに、被焼却物の焼却効率をより向上することができる。

　またこの発明の態様として、前記被焼却物を焼却処理した際に発生する排ガスを誘導する螺旋渦流誘導路を、前記第２焼却室の内壁面に沿って該第２焼却室の一端側から他端側に向けて設けてもよい。　
　この発明によれば、被焼却物を焼却処理した際に発生する排ガスを焼却処理するのに十分な移送距離及び焼却時間をより確実に確保することができる。

　詳しくは、火炎及び空気からなる螺旋渦流を、第２焼却室の内壁面に設けた螺旋渦流誘導路に沿って、第２焼却室の一端側から他端側に向けて螺旋方向に誘導するため、第２焼却室における径方向中心部を通る軸芯を中心として、軸回りに旋回する螺旋渦流を効率よく発生させることができる。

　これにより、焼却途中の被焼却物や焼却済みの排ガスを、螺旋渦流の移送力によって、第２焼却室の内壁面に沿って一端側から他端側に向けて螺旋方向に旋回させながらスムースに移送することができる。

　この結果、焼却途中の被焼却物や焼却済みの排ガスを、第２焼却室内に留まらせることなく略均一に効率よく焼却処理することができるとともに、自然環境に対する影響が少ない完全燃焼された排ガスを室外へ排気することができる。

　またこの発明の態様として、前記第１焼却室内の中央部に、前記火炎噴射手段と対応する上端側が開口され、前記第１焼却室内の底部と対応する下端側が閉塞された筒状の火炎吹出し筒を垂直に配置し、前記火炎吹出し筒の外周面に、該火炎吹出し筒内に向けて吹き込まれる火炎を、該火炎吹出し筒の径方向外側に向けて吹き出させる複数の火炎吹出し孔を設けてもよい。

　この発明によれば、火炎噴射手段から噴射される火炎を火炎吹出し筒内で完全燃焼させることができる。　
　詳しくは、火炎噴射手段から噴射される燃料を燃焼させた火炎を火炎吹出し筒内に向けて吹き込み、火炎吹出し筒における下端側の閉塞された部分に吹き付けて径方向外側に向けて拡散させるとともに、拡散された火炎を、火炎吹出し筒の内周面に沿って上端側に向けて逆流させる。

　火炎吹出し筒の上端側に向けて逆流する火炎と、火炎噴射手段から噴射される火炎とを、火炎吹出し筒内でぶつかり合わせて入り乱れさせるとともに、径方向外側に向けて拡散された火炎を外側に回り込ませて、火炎の渦流を火炎吹出し筒内に発生させる。火炎吹出し筒内で完全燃焼させた火炎は、火炎吹出し筒の周面に設けた火炎吹出し孔から径方向外側に向けて吹き出させる。

　これにより、火炎噴射手段から噴射される火炎を火炎吹出し筒の火炎吹出し孔から径方向外側に向けて吹き出させるのに比べて、火炎吹出し筒内にて入り乱れさせて渦流を発生させた方が、火炎吹出し筒内で燃焼する燃焼時間が長くなる。　
　この結果、火炎噴射手段から噴射される火炎を火炎吹出し筒内で完全燃焼させて、所望する火力及び高温の火炎を発生させることができる。

　しかも、火炎噴射手段から噴射される火炎の噴射を停止又は休止しても、火炎吹出し筒内に発生させた火炎の渦流を火種として、例えば燃料供給源から供給される燃料を継続して燃焼させることができる。

　この発明によれば、被焼却物を火炎噴射手段から噴射される火炎より高い温度の火炎にて焼却処理することができる焼却装置を提供することができる。

実施例１の焼却装置を長手方向に対して垂直な面で分断した断面図。図１に示す焼却装置を短手方向の中央部で分断した断面図。実施例２の焼却装置を短手方向の中央部で分断した断面図。実施例３の焼却装置を短手方向の中央部で分断した断面図。

　この発明の一実施形態を以下図面に基づいて詳述する。　
　（実施例１）　
　図１は実施例１の焼却装置１を長手方向Ｌに対して垂直な面で分断した断面図、図２は図１に示す焼却装置１を短手方向Ｗの中央部で分断した断面図である。　

　なお、以下の説明における長手方向Ｌとは、焼却装置１の長手方向と一致する方向であり、短手方向Ｗとは、平面方向において長手方向Ｌに対して垂直な面と平行する断面方向である。また、焼却装置１における吹込み口３ａと対応する側を一端側とし、吹出し口３ｂと対応する側を他端側としている。

　実施例１の焼却装置１は、被焼却物Ｄを火炎Ｆｉにて焼却処理する第１焼却室２と、被焼却物Ｄを焼却処理した際に発生する排ガスＤａを螺旋方向に旋回させながら焼却処理する略円筒状の第２焼却室３と、被焼却物Ｄを第１焼却室２内に供給する被焼却物供給装置４と、第１焼却室２内の底部に向けて火炎Ｆｉを噴射する火炎噴射装置５とを備えている（図１参照）。

　第１焼却室２は、耐熱性及び耐火性を有する金属にて形成された縦置き型の焼却室であり、第２焼却室３における一端側の左側周壁（図１中左側）に対して接するように連設している。第１焼却室２における第２焼却室３と接する部分より上部には、第１焼却室２内の底部に向けて火炎Ｆｉを垂直に噴射するための火炎噴射装置５を配置している（図１参照）。

　第１焼却室２の底部には、被焼却物Ｄを焼却処理した際に発生する焼却灰Ｄｂを排出するための排出口２ａを設けている。排出口２ａには、火格子型のシャッター２ｂを開閉自在に設けている。シャッター２ｂの上面には、未燃焼の被焼却物Ｄの通過が阻止され、焼却灰Ｄｂを通過することが可能な孔部２ｃが所定間隔を隔てて複数設けられている（図１参照）。　
　なお、シャッター２ｂの孔部２ｃを通過し、排出口２ａより下方の集積部に集積された焼却灰Ｄｂは、図示しない取出し口から室外へ取り出され、定期的に廃棄処理される。

　第２焼却室３は、耐熱性及び耐火性を有する金属にて略円筒状に形成された横置き型の焼却室であり、第２焼却室３における長手方向Ｌの一端側は閉塞している。第２焼却室３における第１焼却室２と接する一端側の左側周壁には、第１焼却室２から第２焼却室３に向けて火炎Ｆｉを吹き込むことが可能な吹込み口３ａを開口している（図１参照）。

　吹込み口３ａは、第２焼却室３の径方向中心部を通る縦軸Ｖより図１中左側の周壁に、第２焼却室３における内壁面又は外壁面の接線方向Ｔａに向けて開口するとともに、第２焼却室３の外側斜め下方から内側斜め上方に向けて斜め上向きに開口している（図１参照）。

　第２焼却室３における長手方向Ｌの他端側の壁部には、被焼却物Ｄを焼却処理した際に発生する排ガスＤａを室外へ排気することが可能な吹出し口３ｂを開口している。吹出し口３ｂは、第２焼却室３における他端側の径方向中心部に形成され、第２焼却室３と同心円に設けるとともに、第２焼却室３の内径より小径に形成している。吹出し口３ｂには排気ダクト３ｄを連設している（図１、図２参照）。

　第２焼却室３における吹込み口３ａより下方の周壁には、第２焼却室３と第１焼却室２とを連通する孔部３ｃを径方向に貫通して設けている。孔部３ｃは、吹込み口３ａと対応する部分の周壁に対して所定間隔を隔てて複数配列している（図１、図２参照）。

　孔部３ｃは、第１焼却室２から第２焼却室３に向けて火炎Ｆｉを吹き込むよりも、第２焼却室３から第１焼却室２に向けて火炎Ｆｉを積極的に吹き出させることが可能となるように形成している。

　被焼却物供給装置４は、第２焼却室３の一端側上部に対して水平に設置された筒状部４ａと、筒状部４ａの一端側上部に設けられたホッパ型の投入部４ｂと、筒状部４ａの内部に対して回転可能に軸支された移送スクリュ４ｃとを備えている（図１参照）。

　筒状部４ａは、第２焼却室３における一端側の上部周壁に対して長手方向Ｌと直交して設置している。投入部４ｂは、筒状部４ａにおける第１焼却室２と反対側の一端側上部に設けている。移送スクリュ４ｃの一端には、筒状部４ａの一端側に固定された減速機付きモータ４ｄを直結している。

　筒状部４ａにおける第１焼却室２と対応する他端側には、被焼却物Ｄを押し出すための押出口４ｅを開口している。押出口４ｅは、第１焼却室２内に向けて被焼却物Ｄが供給される角度及び長さに設けている。

　火炎噴射装置５は、空気供給源ＡＡから供給される高圧に加圧された空気Ａｒを第１焼却室２内の底部に向けて垂直に吐出する空気吐出管５ａと、空気吐出管５ａから吐出される空気Ａｒの吐出方向と直交して、燃料供給源ＦＦから供給される液状の燃料Ｆｕを吐出する燃料吐出管５ｂと、空気Ａｒの吐出力によって霧状に拡散された燃料Ｆｕに着火する着火装置５ｃとを備えている（図１参照）。

　空気吐出管５ａの一端には、流量調整バルブ５ａ１及び空気供給路５ａ２を介して、高圧に加圧された空気Ａｒを供給する空気供給源ＡＡを接続している。空気吐出管５ａの他端には、空気供給源ＡＡから供給される高圧の空気Ａｒを吐出する吐出口５ａａを設けている。　
　空気吐出管５ａの吐出口５ａａは、吐出口５ａａから吐出される空気Ａｒが下方に向けて垂直に吐出される吐出方向に設けている。

　燃料吐出管５ｂの一端には、燃料供給ポンプ５ｂ１、燃料調整バルブ５ｂ２及び燃料供給路５ｂ３を介して、液状の燃料Ｆｕを供給する燃料供給源ＦＦを接続している。燃料吐出管５ｂの他端には、燃料供給源ＦＦから供給される燃料Ｆｕを吐出する吐出口５ｂｂを設けている。　
　燃料吐出管５ｂの吐出口５ｂｂは、空気吐出管５ａの吐出口５ａａより下方に設けるとともに、空気吐出管５ａの吐出口５ａａに対して所定間隔を隔てて配置している。

　燃料吐出管５ｂの吐出口５ｂｂから吐出される燃料Ｆｕの吐出方向は、空気吐出管５ａの吐出口５ａａから吐出される空気Ａｒの吐出方向に対して所定角度に交差（具体的には直交）している（図１参照）。

　着火装置５ｃは、火花（スパーク）を発生する圧電点火装置で構成され、燃料吐出管５ｂの吐出口５ｂｂより下方に配置するとともに、空気吐出管５ａの吐出口５ａａから吐出される空気Ａｒによって霧状に拡散された燃料Ｆｕに対して着火可能な位置に配置している。

　燃料吐出管５ｂの吐出口５ｂｂから吐出される液状の燃料Ｆｕは、空気吐出管５ａの吐出口５ａａから吐出される空気Ａｒの吐出力によって霧状に拡散されるため、空気Ａｒ中に拡散された燃料Ｆｕの濃度が極めて薄く、着火及び燃焼しやすい霧状の燃料Ｆｕを生成することができる。

　また、第１焼却室２、第２焼却室３、後述する火炎吹出し筒３０における火炎Ｆｉにて加熱される部分は、親水性無機高分子溶液（具体的には、商品名＝ＭＳＬ「メタル・シリコン・リキッド」）を加えてなる耐熱セメント６にて覆っている。

　上述の焼却装置１を用いて、被焼却物Ｄを焼却処理する際の焼却方法について説明する。　
　被焼却物供給装置４の投入部４ｂに投入された被焼却物Ｄを、移送スクリュ４ｃの回転により第１焼却室２内へ供給する際に、空気吐出管５ａの吐出口５ａａから吐出される高圧の空気Ａｒを、燃料吐出管５ｂの吐出口５ｂｂの先端付近に向けて垂直に吐出し、燃料吐出管５ｂの吐出口５ｂｂの先端付近に負圧を発生させる（図１参照）。

　これにより、燃料吐出管５ｂの吐出口５ｂｂから吐出される液状の燃料Ｆｕを強制的に吸引するとともに、液状の燃料Ｆｕを空気Ａｒ中に対して霧状に拡散させる。

　霧状に拡散された燃料Ｆｕに着火装置５ｃで着火して燃焼させた火炎Ｆｉを、第１焼却室２内の底部に向けて吹き付けるとともに、第１焼却室２内の底部に向けて吹き付けられる火炎Ｆｉと、第１焼却室２内の底部に当たって吹き返される火炎Ｆｉとを互いにぶつかり合わせて、火炎Ｆｉの渦流を第１焼却室２内の底部付近に発生させる（図１参照）。

　燃料吐出管５ｂから吐出される燃料Ｆｕを燃焼させた火炎Ｆｉや、被焼却物Ｄを焼却処理した際に発生する火炎Ｆｉ及び排ガスＤａを、吹込み口３ａを介して第１焼却室２から第２焼却室３に向けて接線方向Ｔｒに吹き込むとともに、第２焼却室３における径方向中心部を通る軸芯Ｃを中心として、軸回りに旋回する火炎Ｆｉ及び空気Ａｒの螺旋渦流Ｓｐを発生させる（図２参照）。

　第２焼却室３の内壁面に沿って螺旋方向に旋回する一部の火炎Ｆｉを、吹込み口３ａより下方の周壁に設けた複数の孔部３ｃを介して、第２焼却室３から第１焼却室２に向けて吹き出させるとともに、第１焼却室２内に発生させた渦巻く火炎Ｆｉにぶつかり合わせる（図１参照）。

　すなわち、火炎噴射装置５から噴射される火炎Ｆｉで被焼却物Ｄを焼却処理するよりも、複数の孔部３ｃを介して第２焼却室３から第１焼却室２に向けて吹き出させた火炎Ｆｉを、第１焼却室２内に発生させた渦巻く火炎Ｆｉとぶつかり合わせた方が、渦巻く火炎Ｆｉの温度がより高温となる。　
　これにより、第１焼却室２内に供給される被焼却物Ｄを、火炎噴射装置５から噴射される火炎Ｆｉより高い温度の火炎Ｆｉにて確実に焼却処理することができる。

　火炎Ｆｉ中に含まれる未燃焼の被焼却物Ｄや、被焼却物Ｄを焼却処理した際に発生する排ガスＤａは、第２焼却室３の内壁面に沿って一端側から他端側に向けて螺旋方向に旋回させながら焼却処理し、吹出し口３ｂから排気ダクト３ｄを介して室外へ排気する。　
　この結果、被焼却物Ｄを、環境汚染物質（例えばＰＣＢ）が完全燃焼するような高い温度にて焼却処理することができるとともに、焼却処理した際に発生する焼却灰Ｄｂの量を少なくすることができる。

　しかも、燃料吐出管５ｂから吐出される燃料の吐出動作を停止又は休止しても、第１焼却室２内に発生させた火炎Ｆｉの渦流を火種として、被焼却物供給装置４から供給される被焼却物Ｄを連続して焼却処理することができるため、燃料吐出管５ｂから吐出される燃料Ｆｕの消費量を必要最小限に抑えることができる。

　さらに、火炎Ｆｉ中に含まれる未燃焼の被焼却物Ｄや、被焼却物Ｄを焼却処理した際に発生する排ガスＤａを、第２焼却室３内に発生する螺旋渦流Ｓｐの移送力によって、第２焼却室３の内壁面に沿って一端側から他端側に向けて螺旋方向に旋回させながら焼却処理するため、第２焼却室３の全体を回転させるような回転装置が不要であり、焼却装置１の全体の構成を簡素化して、小型化することができる。

　さらにまた、被焼却物Ｄを焼却処理した際に発生する未完全燃焼の排ガスＤａ（例えば塵より大きい粒や片等）は、完全燃焼した排ガスＤａより比重が重く、第２焼却室３の内壁面に沿って螺旋方向に旋回させる際に、遠心力によって螺旋渦流Ｓｐの中心部より外周部に向けて積極的に集積される。　
　これにより、未完全燃焼の排ガスＤａが吹出し口３ｂから排気されることを防止することができる。

　一方、完全燃焼した排ガスＤａ（例えば無害なガスや微細な塵等）は、未完全燃焼の排ガスＤａより比重が軽く、螺旋渦流Ｓｐの中心部に向けて積極的に集積されるため、第２焼却室３の吹出し口３ｂから室外に向けて効率よく排気することができる。

　未完全燃焼の排ガスＤａは、完全燃焼した排ガスＤａと略同等の比重になるまで、螺旋渦流Ｓｐの中心部より外周部に集積されたまま、第２焼却室３の内壁面に沿って螺旋方向に旋回され、第２焼却室３内に吹き込まれる高温の火炎Ｆｉによって引き続き加熱される。

　これにより、未完全燃焼の排ガスＤａを焼却処理するのに十分な処理時間を確保することができるとともに、被焼却物Ｄを焼却処理する際に、自然環境に影響を及ぼすような排ガスＤａが室外へ排気されることをより確実に防止することができる。

　排ガスＤａを小径の吹出し口３ｂから室外へ排気する際に、排ガスＤａの流量が制限され流速が速くなるため、排ガスＤａを第２焼却室３内に留まらせることなく、他端側の吹出し口３ｂから効率よく排気することができるとともに、被焼却物Ｄの焼却効率をより向上することができる。

　さらにまた、被焼却物供給装置４の筒状部４ａを移送される被焼却物Ｄを、第２焼却室３から放熱される熱で加熱して第１焼却室２内に連続して供給するため、被焼却物Ｄを第１焼却室２内にて燃焼する温度に加熱する際の加熱時間が短くて済み、被焼却物Ｄをより短い時間で効率よく焼却処理することができる。

　さらにまた、第２焼却室３における火炎Ｆｉにて加熱される部分を、親水性無機高分子溶液（具体的には、商品名＝ＭＳＬ「メタル・シリコン・リキッド」）を加えてなる耐熱セメント６にて覆っているため、被焼却物Ｄを、環境汚染物質が燃焼するような高い温度にて焼却処理する際に、第２焼却室３自体が溶解することを防止できる。

　これにより、被焼却物Ｄを、環境汚染物質が完全燃焼するような高い温度にて焼却処理することができるため、被焼却物Ｄを焼却した際に発生する排ガスＤａの量をより少なくすることができるとともに、焼却装置１の耐熱性、及び耐火性が向上し、被焼却物Ｄを高い温度にて焼却する焼却機能が長期に亘り安定して得られる。

　さらにまた、耐熱セメント６に含まれる親水性無機高分子溶液はナトリウム（Ｎａ）を豊富に含んでおり、焼却時に発生する塩素を捕獲して塩化ナトリウムに置換する特性を有するため、ダイオキシンの発生を抑制する効果も得られる。

　以下、上述の焼却装置１における第２焼却室３のその他の例について説明する。この説明において、前記構成と同一または同等の部位については同一の符号を記してその詳しい説明を省略する。

　（実施例２）　
　上述の実施例１では、被焼却物Ｄを螺旋渦流Ｓｐにより螺旋方向へ移送する焼却装置１について説明したが、実施例２では、図３に示すように、螺旋渦流Ｓｐを誘導する螺旋渦流誘導路７を備えた焼却装置１について説明する。　
　図３は実施例２の焼却装置１を短手方向Ｗの中央部で分断した断面図である。

　実施例２の焼却装置１は、螺旋渦流Ｓｐを誘導する螺旋渦流誘導路７を第２焼却室３の内壁面に沿って設けるとともに、螺旋渦流Ｓｐの旋回方向と一致させて第２焼却室３の一端側から他端側に向けて螺旋状に配置している（図３参照）。

　詳しくは、火炎Ｆｉ及び空気Ａｒからなる螺旋渦流Ｓｐを、第２焼却室３の内壁面に設けた螺旋渦流誘導路７に沿って、第２焼却室３の一端側から他端側に向けて螺旋方向に誘導するため、第２焼却室３における径方向中心部を通る軸芯Ｃを中心として、軸回りに旋回する螺旋渦流Ｓｐを効率よく発生させることができる（図３参照）。

　これにより、火炎Ｆｉ中に含まれる未燃焼の被焼却物Ｄや、被焼却物Ｄを焼却処理した際に発生する排ガスＤａを、螺旋渦流Ｓｐにより第２焼却室３の内壁面に沿って第２焼却室３の一端側から他端側に向けて螺旋方向に旋回させながらスムースに移送することができるため、被焼却物Ｄを焼却処理するのに十分な移送距離及び焼却時間をより確実に確保することができる。

　この結果、焼却途中の被焼却物Ｄ、あるいは焼却済みの排ガスＤａを、第２焼却室３内に留まらせることなく効率よく焼却処理することができるとともに、自然環境に対する影響が少ない完全燃焼させた排ガスＤａを吹出し口３ｂから室外へより確実に排気することができるため、実施例１に加えた作用及び効果を奏することができる。

　（実施例３）　
　上述の実施例１では、火炎噴射装置５から噴射される火炎Ｆｉを第１焼却室２内に向けて吹き付ける焼却装置１について説明したが、実施例３では、図４に示すように、火炎噴射装置５から噴射される火炎Ｆｉを筒状の火炎吹出し筒３０内に向けて吹き付ける焼却装置１について説明する。　
　図４は実施例３の焼却装置１を短手方向Ｗの中央部で分断した断面図である。

　詳しくは、火炎吹出し筒３０は、耐熱性及び耐火性を有する金属にて略円筒状に形成されており、図示しない複数の支柱により第１焼却室２内の中央部に対して垂直に支持するとともに、火炎噴射装置５の着火装置５ｃより下方に配置している。

　火炎吹出し筒３０における軸方向の上端側には、火炎Ｆｉ、空気Ａｒ及び被焼却物Ｄの吹き込みが可能な開口部３２を開口している。火炎吹出し筒３０における軸方向の下端側は、火炎Ｆｉの吹き出しを阻止する閉塞部３１にて閉塞している。

　火炎吹出し筒３０における閉塞部３１以外の外周面には、火炎噴射装置５から供給される火炎Ｆｉを、火炎吹出し筒３０の径方向外側に向けて吹き出させるための火炎吹出し孔３３を多数設けている。

　火炎吹出し孔３３は、火炎吹出し筒３０の径方向に貫通して形成するとともに、火炎吹出し筒３０における閉塞部３１以外の外周面に沿って周方向Ｘ、及び軸方向に所定間隔を隔てて配置している。火炎吹出し筒３０における閉塞部３１側の外周面には、焼却灰Ｄｂを排出するための排出口３４を複数設けている。

　この発明によれば、火炎噴射装置５から噴射される火炎Ｆｉを火炎吹出し筒３０内で完全燃焼させることができる。　
　実施例３の焼却装置１は、火炎噴射装置５から噴射される火炎Ｆｉを火炎吹出し筒３０内に向けて吹き込み、火炎吹出し筒３０における下端側の閉塞部３１に吹き付けて径方向外側に向けて拡散させるとともに、拡散された火炎Ｆｉを、火炎吹出し筒３０の内周面に沿って上端側に向けて逆流させる。

　火炎吹出し筒３０の上端側に向けて逆流する火炎Ｆｉと、火炎噴射装置５から噴射される火炎Ｆｉとを、火炎吹出し筒３０内でぶつかり合わせて入り乱れさせるとともに、径方向外側に向けて拡散された火炎Ｆｉを外側に回り込ませて、火炎Ｆｉの渦流を火炎吹出し筒３０内に発生させる。

　火炎吹出し筒３０内で完全燃焼させた火炎Ｆｉは、火炎吹出し筒３０の周面に設けた火炎吹出し孔３３から径方向外側に向けて吹き出させるとともに、吹込み口３ａを介して第１焼却室２から第２焼却室３に向けて接線方向Ｔｒに吹き込む。

　これにより、火炎噴射装置５から噴射される火炎Ｆｉを火炎吹出し筒３０の火炎吹出し孔３３から径方向外側に向けて吹き出させるのに比べて、火炎吹出し筒３０内にて入り乱れさせて渦流を発生させた方が、火炎吹出し筒３０内で燃焼する燃焼時間が長くなる。

　この結果、火炎噴射装置５から噴射される火炎Ｆｉを火炎吹出し筒３０内で完全燃焼させて、所望する火力及び高温の火炎Ｆｉを発生させることができるため、第１焼却室２内に供給される被焼却物Ｄを、火炎噴射装置５から噴射される火炎Ｆｉより高い温度の火炎Ｆｉにて確実に焼却処理することができる。

　しかも、火炎噴射装置５から噴射される火炎Ｆｉの噴射を停止又は休止しても、火炎吹出し筒３０内に発生させた火炎Ｆｉの渦流を火種として、被焼却物供給装置４から供給される被焼却物Ｄを継続して燃焼させることができるため、実施例１に加えた作用及び効果を奏することができる。

　この発明の構成と、前記実施形態との対応において、　
　この発明の被焼却物供給手段は、実施形態の被焼却物供給装置４に対応し、　
　以下同様に、　
　火炎噴射手段は、火炎噴射装置５に対応するも、　
　この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。

　上述の実施例１，２では、１基の第２焼却室３にて焼却処理する焼却装置１について説明したが、例えば第２焼却室３の吹出し口３ｂ側に２基目の第２焼却室３を連設してもよい。この場合、被焼却物Ｄの移送距離及び焼却時間をより長くすることができるため、被焼却物Ｄをより確実に焼却処理することができる。

　なお、第２焼却室３の連設数は２基のみに限定されるものではなく、２基以上連設してもよい。第２焼却室３の連設数に応じて被焼却物Ｄの移送距離及び焼却時間を変更することができる。

　また、例えば図示しない熱交換用の熱伝導管を、第２焼却室３の外周（或いは内周）に配管して、被焼却物Ｄを焼却処理する際に発生する熱により、熱伝導管内を流動する媒体（具体的には液体）を加熱して蒸発気化させ、その蒸気の圧力を利用して発電用蒸気タービンを駆動すれば、実施例１，２の焼却装置１を焼却処理以外の発電にも用いることができる。

　Ａｒ…空気
　Ｆｕ…燃料
　Ｆｉ…火炎
　Ｄ…被焼却物
　Ｄａ…排ガス
　Ｔａ…接線方向
　Ｓｐ…螺旋渦流
　１…焼却装置
　２…第１焼却室
　３…第２焼却室
　３ａ…吹込み口
　３ｂ…吹出し口
　３ｃ…孔部
　４…被焼却物供給装置
　５…火炎噴射装置
　５ａ…空気吐出管
　５ｂ…燃料吐出管
　５ｃ…着火装置
　６…耐熱セメント
　７…螺旋渦流誘導路
　３０…火炎吹出し筒
　３１…閉塞部
　３２…開口部
　３３…火炎吹出し孔

Claims

　被焼却物を火炎にて焼却処理する第１焼却室と、
前記被焼却物を焼却処理した際に発生する排ガスを螺旋方向に旋回させながら焼却処理する略円筒状の第２焼却室と、
前記被焼却物を前記第１焼却室内に供給する被焼却物供給手段と、
前記火炎を前記第１焼却室内の上部から該第１焼却室内の底部に向けて噴射する火炎噴射手段と、が備えられ、
前記第１焼却室が、
前記第２焼却室における一端側の周壁に対して接するように連設され、
前記第１焼却室から前記第２焼却室に向けて前記火炎を吹き込ませることが可能な吹込み口が、
前記第２焼却室における前記第１焼却室と接する一端側の周壁に開口され、
前記第２焼却室内から前記排ガスを室外へ排気することが可能な吹出し口が、
前記第２焼却室における他端側の壁部に開口された
焼却装置。
　前記吹込み口が、
前記第２焼却室における一端側の周壁の内壁面又は外壁面の接線方向に開口されるとともに、該第２焼却室の外側斜め下方から内側斜め上方に向けて斜め上向きに形成された
請求項１に記載の焼却装置。
　前記第１焼却室と前記第２焼却室とを連通する孔部が、
前記第２焼却室における前記吹込み口より下方の周壁に設けられ、
前記孔部が、
前記吹込み口と対応する部分の前記周壁に対して所定間隔を隔てて複数配列された
請求項１又は２に記載の焼却装置。
　前記火炎噴射手段が、
前記第１焼却室内の底部に向けて空気供給源から供給される高圧の空気を吐出する空気吐出管と、
前記空気吐出管から吐出される空気の吐出方向と交差して、燃料供給源から供給される燃料を吐出する燃料吐出管と、
前記空気吐出管から吐出される空気の吐出力によって霧状に拡散された燃料に着火する着火手段とで構成された
請求項１～３のいずれか一つに記載の焼却装置。
　前記吹出し口が、
前記第２焼却室における他端側の径方向中心部に対して該第２焼却室と同心円に設けられるとともに、該第２焼却室の内径より小径に形成された
請求項１～４のいずれか一つに記載の焼却装置。
　前記被焼却物を焼却処理した際に発生する排ガスを誘導する螺旋渦流誘導路が、
前記第２焼却室の内壁面に沿って該第２焼却室の一端側から他端側に向けて設けられた
請求項１～５のいずれか一つに記載の焼却装置。
　前記第１焼却室内の中央部に、
前記火炎噴射手段と対応する上端側が開口され、前記第１焼却室内の底部と対応する下端側が閉塞された筒状の火炎吹出し筒が垂直に配置され、
前記火炎吹出し筒の外周面に、
該火炎吹出し筒内に向けて吹き込まれる火炎を、該火炎吹出し筒の径方向外側に向けて吹き出させる複数の火炎吹出し孔が設けられた
請求項１～６のいずれか一つに記載の焼却装置。