JP4150837B2 - 誘導加熱定着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子写真式の複写機、プリンタおよびファクシミリなどに用いられる定着装置に関し、さらに詳しくは、低周波誘導加熱を利用してトナー像を記録媒体に定着する定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真式の複写機、プリンタおよびファクシミリなどの画像形成装置には、記録媒体である用紙ないし転写材などのシート上に保持されたトナー像をシートに定着させる定着装置が設けられている。
【0003】
定着装置には種々の方式があるが、近年の省エネルギー化の要請に応えるべく、ハロゲンランプを熱源とする定着装置よりも変換効率の高い誘導加熱方式の定着装置が提案されている。
【0004】
従来の誘導加熱方式の定着装置の分野では、例えば特開平10−207265号公報に示されるように、非回転の状態に固定され中空形状をなすガイド盤と、このガイド盤に支持された、固定されもしくは移動させられる中空形状をなす導電性部材と、この導電性部材の中空部に一部が挿通され、閉磁路を形成する閉磁路鉄心と、この閉磁路鉄心に巻回された誘導コイルと、を有し、誘導コイルに電流を流すことにより、導電性部材に周方向に沿う誘導電流を生じさせる磁束を生成し、これにより電導性部材を誘導加熱するようにした誘導加熱定着装置が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の誘導加熱定着装置では、シートに接触して該シートを搬送する機能を有する中空形状をなす導電性部材は、一般に比較的薄肉形状を呈しており、したがって、熱容量が小さく、シートが通過するときに熱が奪われ、温度降下が著しいという問題があった。このため、定着装置に多数のシートが高速で連続的に通紙されると、導電性部材は定着品質の確保に必要な温度を維持するのが困難になる。
【0006】
一方、導電性部材の温度降下を補うためには、誘導コイルへ供給される電力をアップさせる方法があるが、電力をアップさせたのでは省エネルギー化の要請に反する結果になってしまう。
【0007】
そこで、本発明の目的は、中空形状をなす導電性部材を複数設けて熱容量を増大させると同時に、通紙されるシートに接触する導電性部材にトナーを溶融させるのに十分な熱量を発生させることにより、シートに接触する導電性部材が比較的薄肉形状であっても、供給電力をアップさせることなく、シートに接触する導電性部材のトナー溶融に必要な温度を適切に確保し、かつシートの通紙による温度降下を抑制することができる誘導加熱定着装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記する手段により達成される。
【0009】
(1) 固定されもしくは移動させられる中空形状をなす複数の導電性部材と、前記導電性部材に、トナーを保持した記録媒体を直接的もしくは間接的に密着させる加圧部材と、前記導電性部材内の中空部に一部が挿通され、閉磁路を形成する閉磁路鉄心と、前記閉磁路鉄心に鎖交するように巻回され、前記導電性部材に周方向に沿う誘導電流を生じさせる磁束を生成する誘導コイルと、前記誘導コイルへ交流電力を供給する電源と、前記複数の導電性部材の内の少なくとも1つの導電性部材の抵抗値を変化させることで、複数の前記導電性部材の各々で発生するジュール熱の配分を調節可能な抵抗値変化手段と、を有することを特徴とする誘導加熱定着装置。
【0010】
(2) 前記複数の導電性部材は、第1の導電性部材と、前記第1の導電性部材の外側に配置され、前記記録媒体に接触する第2の導電性部材と、からなることを特徴とする上記(1)に記載の誘導加熱定着装置。
【0011】
(3) 前記抵抗値変化手段は、前記第1の導電性部材に付加される所定の抵抗値を有する抵抗体であって、前記第1の導電性部材は、前記抵抗体が付加されることにより、抵抗値が増大されることを特徴とする上記(2)に記載の誘導加熱定着装置。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る誘導加熱定着装置を組み込んだ画像形成装置としての複写機を示す概略構成図である。
【0014】
複写機100は、図示するように、原稿を読み取るイメージスキャナ部101と、信号処理を行う信号処理部102と、イメージスキャナ部101で読み取られた原稿画像に対応した画像を記録媒体としてのシート10にプリント出力するプリンタ部103と、これら各部を配置ないし収納するケーシング104とを有する。
【0015】
イメージスキャナ部101において、プラテンガラス105上に載置された原稿は、プラテンカバー106で押さえられるが、図示しない自動原稿送り装置を装着するときには、プラテンカバー106に代えて自動原稿送り装置が取り付けられる。プラテンガラス105上の原稿はランプ107で照明され、原稿で反射した光は、ミラー108a、108b、108cおよび集光レンズ109を経てCCDラインイメージセンサ110上に像を結び、イメージ情報に変換されて信号処理部102に送られる。第1スライダ112および第2スライダ113は、スキャナモータ111を駆動することにより、ラインイメージセンサ110の電気的走査方向(主走査方向)に対して垂直方向(副走査方向)に機械的に動き、原稿全面を走査する。このとき第1スライダ112は速度vで移動し、第2スライダ113は速度v/2で移動する。
【0016】
信号処理部102は、ラインセンサ109で読み取った信号を電気的に処理し、プリンタ部103に送る。
【0017】
プリンタ部103は、レーザ発生器115と、像担持体としての感光体ドラム116と、を備え、回転する感光体ドラム116の周辺には、帯電装置としての帯電ローラ117と、現像装置118と、転写装置としての転写ローラ119と、シート10の除電および分離装置である除電針120と、感光体ドラム116上の残留トナーを除去するクリーニング装置121と、が配置されている。レーザ発生器115は、信号処理部102から送られてくる画像信号のレベルに応じて半導体レーザを駆動変調する。レーザ光は、図示しないポリゴンミラー、f−θレンズおよび折り返しミラーなどを経由し、帯電ローラ117と現像装置118との間の位置で、感光体ドラム116に照射される。感光体ドラム116上に形成された静電潜像は、現像装置118においてトナーで現像される。
【0018】
一方、ケーシング104に着脱自在に取り付けられる給紙カセット125には、複数枚のシート10が積層した状態で収納されている。給紙カセット125内のシート10は、給紙ローラ126により1枚ずつ捌かれて給紙され、タイミングローラ127により所定のタイミングで、感光体ドラム116と転写ローラ119との間の転写位置に向けて送り込まれる。感光体ドラム116上に現像された像は、転写ローラ119によってシート10に転写される。転写後のシート10は、感光体ドラム116から分離され、定着装置128に向けて搬送ベルト129により搬送される。シート10上に転写された未定着のトナーが定着装置128において固定され、トナーが定着されたシート10は、排紙トレー129に排紙される。なお、本実施形態の定着装置128は低周波誘導加熱方式によるものであり、構成については後述する。
【0019】
転写ローラ119によってシート10への転写が終了すると、感光体ドラム116上は、図示しないクリーナ前チャージャーでマイナス極性に帯電され、クリーニング装置121にて残留トナーが除去され、イレーサによって残留電荷が除電される。その後、感光体ドラム116上は、帯電ローラ117によって再度帯電され、レーザ光による潜像形成を受け、現像装置118によって現像され、図示しない転写前イレーサによって非現像領域の電荷が除電される。
【0020】
図2は、誘導加熱定着装置を示す断面図、図3は、同定着装置の要部を示す断面図、図4は、同定着装置の回路構成を示す図である。
【0021】
誘導加熱定着装置128は、シート10上に保持されたトナー11を加熱溶融して当該シート10に定着させるものであり、本実施形態では特に、固定されもしくは移動させられる中空形状をなす複数の導電性部材を有している。これら複数の導電性部材は、非回転の状態に固定された第1昇温部材(第1の導電性部材に相当)12と、この第1昇温部材12の外側に配置され、シート10に接触する第2昇温部材(第2の導電性部材に相当)20と、から構成される。
【0022】
また、誘導加熱定着装置128は、トナーを保持したシート10を、第1昇温部材12に間接的に、第2昇温部材20に直接的に密着させる加圧ローラ(加圧部材に相当)13と、昇温部材12,20を誘導加熱する誘導コイル(以下、単にコイルと称する)14と、を有している。ここで、第2昇温部材20は、固定された第1昇温部材12と加圧ローラ13との間に介在されてシート10を搬送する機能をも果たす。
【0023】
第2昇温部材20は、図2中矢印a方向に移動可能に設けられ、加圧ローラ13は、第2昇温部材20およびシート10の移動に伴って図2中矢印c方向に従動回転する。
【0024】
第1昇温部材12は、導電性の中空パイプであり、例えば、炭素鋼管、ステンレス合金管あるいはアルミニウム管、鉄などによって形成され、加圧ローラ13からの圧接力に対して十分な機械的強度を確保できる範囲内で、かつ、熱容量を確保できる肉厚で形成されている。第1昇温部材12の両端は、図示しない定着ユニットのフレームに固定されている。特に、第1昇温部材12を矩形形状に形成し、加圧ローラ13に対向する面を平坦部21にしてある。この平坦部21により、昇温部材12,20と加圧ローラ13との間でシート10を挟持するニップ幅ないしニップ領域Nを拡大している。
【0025】
また、本実施形態の誘導加熱定着装置128は特に、第1昇温部材12の抵抗値を変化させる抵抗値変化手段を有している。この前記抵抗値変化手段は、第1昇温部材12に付加される所定の抵抗値を有する抵抗体25である。抵抗体25は、図2及び図3に示すように、第1昇温部材12の軸方向に沿って帯状を呈しており、第1昇温部材12の図2中上部に設けられている。抵抗体25の第1昇温部材12への固定は、例えば溶接などにより行われる。第1昇温部材12は、抵抗体25が付加されることにより、抵抗値が増大されるようになっている。
【0026】
加圧ローラ13は、軸芯15と、当該軸芯15の周囲に形成されたシリコンゴム層16とから構成されている。シリコンゴム層16は、表面からシート10が離れ易い離型性を有すると共に、耐熱性を有するゴム層である。加圧ローラ13は、図示しないばね材により、第1昇温部材12に向かう方向に押圧されている。
【0027】
第2昇温部材20は、導電性を有するベルトであり、例えば、炭素鋼管、ステンレス合金管、あるいは、アルミニウム管、鉄、ニッケルなどにより、薄肉形状を呈して形成されている。この第2昇温部材20は、矩形形状の第1昇温部材12の外周面に巻き付けられ、図示しない駆動ローラが当接している。この駆動ローラに接続されたモータなどの図示しない駆動源により、第2昇温部材20は、第1昇温部材12をガイド盤としながら回転移動する。また、第2昇温部材20の外周表面には、シート10を分離し易くするために、フッ素樹脂をコーティングして、トナーに対して良好な離型性と耐熱性とを有する離型層が形成されている。
【0028】
この誘導加熱定着装置128はさらに、閉磁路を形成する矩形状のコア17(閉磁路鉄心に相当する)を有し、このコア17の一部が昇温部材12,20内の中空部23を貫通している。コア17は、通常のトランスなどに用いられているいわゆる鉄心であり、例えば、珪素鋼板積層鉄心のように高透磁率のものが好ましい。
【0029】
コイル14は、コア17により挿通され、昇温部材12,20の内部に配置されている。また、コイル14は、巻線18を螺旋状に巻回して形成されており、巻線18は表面に融着層と絶縁層を持つ通常の単一導線が用いられる。なお、コイル14の中には断熱層22が設けられ、昇温部材12,20やコイル14で生じた熱がコア17に伝達されないようにしてある。
【0030】
このような定着装置の基本的な動作は、次の通りである。まず、電源50から、例えば50〜60Hz程度の交流電力がコイル14に印加されて通電すると、昇温部材12,20に周方向に沿う誘導電流を生じさせる磁束がコア17に生成される。これにより、昇温部材12,20は、シート10に接触する表面が定着に適した温度(例えば、150〜200℃)になるまで、低周波誘導によって加熱される。未定着のトナー11を保持したシート10は、図2中矢印bで示すように右方向から搬送され、昇温部材12,20と加圧ローラ13との接触部であるニップ部19に向けて送り込まれる。シート10は、加熱された昇温部材12,20の熱と、加圧ローラ13から作用する圧力が加えられながら、ニップ部19で挟持されつつ搬送される。これにより、未定着トナー11がシート10上に定着される。トナー11は、シート10の両面のうち、第2昇温部材20と接触する側に保持されている。ニップ部19を通過したシート10は、シート自体のコシの強さで第2昇温部材20から自然に分離し、図2中左方向に搬送される。このシート10は、排紙ローラによって搬送され、排紙トレイ129上に排出される。
【0031】
以上のように構成された誘導加熱定着装置の動作原理はトランスと同様であり、コイル14が入力側の1次側コイル(N巻き)に相当し、昇温部材12,20が出力側の2次側コイル(1巻き)に相当する。そして、1次側コイル(コイル14)に交流電圧V1を印加すると、1次側コイルに電流I1が流れる。これにより生じた磁束φが閉磁路を形成するコア17に流れ、その磁束φによって2次側コイル(昇温部材12,20)に誘導起電力V2が生じ、昇温部材12,20の周方向に沿って電流I2が流れる。コア17によって閉磁路が形成されているため原理的には漏れ磁束がなく、1次側エネルギーV1×I1と、2次側エネルギーV2×I2とがほぼ等しくなる。
【0032】
この誘導加熱が行われる系において発熱する部分は、一つ目は、1次側コイルの銅線内の銅損によるコイルの発熱すなわちコイル14自体の発熱、二つ目に2次側コイルの銅線内の銅損によるコイルの発熱すなわち昇温部材12,20の誘導加熱による発熱、三つ目にコア内部に生じるジュール熱損とヒステリシス損によるコア17の発熱である。誘導加熱定着装置は、上記一つ目と三つ目の発熱がエネルギーロスとなるためこれらの発熱を極力抑える一方、二つ目の銅損を利用して昇温部材12を発熱させるようにしたものである。
【0033】
本実施形態の誘導加熱定着装置128は、前述したように、複数の導電性部材としての第1昇温部材12と第2昇温部材20とを有しているので、双方の昇温部材12,20とも誘導加熱される点で、従来の定着装置と相違する。したがって、昇温部材全体としての熱容量が増すため、シート10が通過して第2昇温部材20からいくらか熱が奪われても、第1昇温部材12も誘導加熱されているので、シートに接触する第2昇温部材20の温度降下を抑制することができる。このため、高速でプリント出力可能な複写機において、シートの搬送速度が増し、シートが昇温部材から奪う熱が多くなったとしても、本実施形態の誘導加熱定着装置128は十分追随することができる。
【0034】
図2に示されるように、通常、第1昇温部材12は、肉厚が比較的厚いことから抵抗値が低く、第2昇温部材20は、肉厚が比較的薄いことから抵抗値が高くなる。すなわち、第1昇温部材12の抵抗体25を除く部分の抵抗値をR1、第2昇温部材20の抵抗値をR2とすると、
R1<R2 ……(1)
という関係が成り立つ。
【0035】
今仮に、抵抗体25を無視すれば、前述したように、昇温部材12,20には誘導起電力V2が双方に生じ、昇温部材12,20の周方向に沿って、それぞれ電流I21,I22(I2=I21+I22)が流れる。
【0036】
したがって、第1及び第2昇温部材12,20でそれぞれ発生するジュール熱J21,J22は、
J21=I212 ・R1 ……(2)
J22=I222 ・R2 ……(3)
となる。
【0037】
ここで、
I22=(R1/R2)・I21 ……(4)
と表され、上記(1)式とあわせて考えれば、
J21>J22 ……(5)
となる。
【0038】
このように、第1昇温部材12で発生するジュール熱が大きくなってしまい、一方、第2昇温部材20で発生するジュール熱が比較的小さくなってしまうので、第2昇温部材20と接触するシート上のトナーに付与される熱量が、該トナーを溶融させ得る熱量以下となってしまう虞れがある。
【0039】
そこで、本願発明は、昇温部材12に抵抗体25を付加することにより、昇温部材12の抵抗値を変化させ、各々の昇温部材12,20で発生するジュール熱の配分を調整するようにしたものである。
【0040】
すなわち、図4の回路図に示す通りに、抵抗体25を考慮した場合の第1及び第2昇温部材12,20でそれぞれ発生するジュール熱J21′,J22′は、抵抗体25の抵抗値をRとすると、
J21′=I21′2 ・(R1+R) ……(6)
J22′=I22′2 ・R2 ……(7)
となり、また
I22′=((R1+R)/R2)・I21′ ……(8)
と表される。
【0041】
上記式(6)〜(8)からわかるように、抵抗値Rを有する抵抗体25の付加により、第2昇温部材20で発生するジュール熱が、該第2昇温部材20と接触するシート上のトナーを溶融させ得る熱量となるように、各々の昇温部材12,20で発生するジュール熱の配分を調整することが可能となる。また、定着装置の設計の自由度が大きくなる。
【0042】
このように本実施形態によれば、中空形状をなす複数の導電性部材として、第1及び第2昇温部材12,20を設けることにより、熱容量を増大させることができ、しかも、第1昇温部材12に抵抗体25を付加することにより、昇温部材12の抵抗値を変化させ、各々の昇温部材12,20で発生するジュール熱の配分を調整して、シートに接触する第2昇温部材20にトナーを溶融させるのに十分な熱量を発生させることが可能となる。
【0043】
したがって、シートに接触する第2昇温部材20が比較的薄肉形状であっても、供給電力をアップさせることなく、シートに接触する第2昇温部材20のトナー溶融に必要な温度を適切に確保し、かつシートの通紙による温度降下を抑制することができる。これにより、省電力化が図ることができ、また、複写機の高速プリントに対しても十分対応可能となる。
【0044】
図5は、他の実施形態に係る誘導加熱定着装置を示す断面図である。
【0045】
この誘導加熱定着装置128aは、複数の導電性部材として、回転する金属ローラ(第1の導電性部材に相当する)12aと、この金属ローラ12a及び支持ローラ27に張り渡され、シート10に接触する金属ベルト(第2の導電性部材に相当する)20aと、から構成される。また、金属ローラ12aには、抵抗体25aが付加されている。シート10は、支持ローラ27上を移動されられる金属ベルト20aと加圧ローラ13との間に送り込まれるようになっている。なお、図2に示す部材と共通する部材には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0046】
この誘導加熱定着装置128aによっても、金属ローラ12a及び金属ベルト20aを同時に誘導加熱するので、熱容量が増大し、金属ローラ12aに、別途、抵抗体25aを付加したので、金属ローラ12a及び金属ベルト20aでの発熱配分を調整することができ、前述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、当業者が本発明の技術思想の範囲内において、適宜変更できることはいうまでもない。
【0048】
例えば、第1昇温部材12の抵抗値を変化させる抵抗値変化手段として、第1昇温部材12に帯状の抵抗体25を付加するようにしたが、抵抗体25の形状や大きさは変更可能である。また、例えば、第1昇温部材12への抵抗体25の付加の方法も、溶接に限られるものではなく、機械的に接合したり、第1昇温部材12に孔や凹溝を設け、抵抗体25を溶融して充填させたりすること等、種々の方法を採用することができる。さらには、第1昇温部材12に凹溝等の切欠きを設けて断面積を変えることにより抵抗値を変化させることも可能である。
【0049】
また、2つの導電性部材を同時に誘導加熱するものについて説明したが、3つ以上の導電性部材を同時に誘導加熱するように構成することもできる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、中空形状をなす複数の導電性部材を設けることにより、熱容量を増大させることができ、しかも、抵抗値変化手段により、導電性部材の抵抗値を変化させ、複数の導電性部材の各々に発生するジュール熱の配分を調整して、通紙されるシートに接触する導電性部材にトナーを溶融させるのに十分な熱量を発生させることが可能となる。
【0051】
したがって、シートに接触する導電性部材が比較的薄肉形状であっても、供給電力をアップさせることなく、シートに接触する導電性部材のトナー溶融に必要な温度を適切に確保し、かつシートの通紙による温度降下を抑制することができる。これにより、省電力化が図ることができ、また、複写機の高速プリントに対しても十分対応可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る誘導加熱定着装置を組み込んだ画像形成装置としての複写機を示す概略構成図である。
【図2】 上記誘導加熱定着装置を示す断面図である。
【図3】 上記誘導加熱定着装置の要部を示す断面図である。
【図4】 上記誘導加熱定着装置の回路構成を示す図である。
【図5】 他の実施形態に係る誘導加熱定着装置を示す断面図である。
【符号の説明】
10…シート(記録媒体)、
11…トナー、
12,12a…第1昇温部材(第1の導電性部材)、
13…加圧ローラ(加圧部材)、
14…誘導コイル、
17…コア(閉磁路鉄心)、
20,20a…第2昇温部材(第2の導電性部材)、
23…中空部、
25,25a…抵抗体(抵抗値変化手段)、
50…電源、
128,128a…定着装置。

Claims (3)

  1. 固定されもしくは移動させられる中空形状をなす複数の導電性部材と、
    前記導電性部材に、トナーを保持した記録媒体を直接的もしくは間接的に密着させる加圧部材と、
    前記導電性部材内の中空部に一部が挿通され、閉磁路を形成する閉磁路鉄心と、
    前記閉磁路鉄心に鎖交するように巻回され、前記導電性部材に周方向に沿う誘導電流を生じさせる磁束を生成する誘導コイルと、
    前記誘導コイルへ交流電力を供給する電源と、
    前記複数の導電性部材の内の少なくとも1つの導電性部材の抵抗値を変化させることで、複数の前記導電性部材の各々で発生するジュール熱の配分を調節可能な抵抗値変化手段と、を有することを特徴とする誘導加熱定着装置。
  2. 前記複数の導電性部材は、第1の導電性部材と、前記第1の導電性部材の外側に配置され、前記記録媒体に接触する第2の導電性部材と、からなることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱定着装置。
  3. 前記抵抗値変化手段は、前記第1の導電性部材に付加される所定の抵抗値を有する抵抗体であって、前記第1の導電性部材は、前記抵抗体が付加されることにより、抵抗値が増大されることを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱定着装置。
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