JP4150225B2 - 送り装置の装置キャリヤ - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、好適には、採掘場で爆破用の孔を削孔するハンマードリルのような少なくとも部分的に打撃を生ずるツール装置のための送り装置の装置キャリヤに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
採掘場で使用するような１０ｋｇ以上の重量のある重たいドリルハンマーは、用途に合わせて装置キャリヤを回転スピンドル駆動装置を有する砲台のような送り装置に着脱自在に取り付け、削孔のために自動的に送りを生ずる。空気的又は電気的に駆動するツール装置の効率を高めるには、空冷又は洗浄媒体で水冷するのが一般的である。
【０００３】
ヨーロッパ特許第１０７，６２９号には、ブラシレスで交流を電子的に整流する空冷の電動モータを設けた空気式打撃機構を有するハンマードリルが記載されている。
【０００４】
米国特許第３，８８０，２４４号には、液圧モータによりねじ棒を介して液圧的に送りの調整を行なう送り装置に着脱自在に配置する打撃ツール装置が記載されている。この装置の場合送り装置からの流体をツール装置に導入することはできない。
【０００５】
ドイツ国特許第３，６１２，７６２号には、装置キャリヤを介して送り装置に配置する液圧モータで駆動する打撃ツール装置が記載されており、この送り装置は他の液圧モータによってねじ棒を介して送りを行なうものである。この装置キャリヤの支持アームによっては流体をツール装置に導入することはできない。
【０００６】
国際出願公開第ＷＯ９６／０６７１４号には、装置キャリヤによって送り装置に固定する直接水冷電動ドリル装置が記載されている。この装置キャリヤ自体はフォーク状のツール装置ホルダと、ボルトにより旋回可能に連結した送り装置の開口とにより構成し、このボルトには装置キャリヤの潤滑を行なうために軸線方向に部分的に延在する潤滑孔及び半径方向に円筒形外面まで延在する潤滑孔を設けており、従って、電動ドリル装置には洗浄流体又は冷却流体を供給することはできない。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、水冷式の少なくとも部分的に打撃を生ずるツール装置に洗浄又は冷却流体を供給することができる送り装置を得るにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明は、流体洗浄すべきツールに連結可能であり、少なくとも部分的に打撃を生ずるツール装置のための送り装置の装置キャリヤであって、前記ツール装置のハウジングに設けた開口に配置し、固定手段に密着し、また前記開口に挿入したボルトにより前記ツール装置と着脱自在に連結可能にした固定手段を設けた装置キャリヤにおいて、前記ボルトに軸線方向の流体導管及び半径方向に円筒形外面まで延在する流体導管を設け、ツール装置の洗浄媒体用の流体導管を前記開口の円筒形内面まで延在させたことを特徴とする。
【０００９】
水導管のような洗浄媒体用流体導管を接続した装置キャリヤを有する送り装置によれば、固定手段の流体導管及びボルトを介してツール装置、又は好適には、ツールにも洗浄媒体の導入を実現することができ、これにより、ツール装置の移動のために、送り装置から洗浄媒体用導管を接続したり分離したりする必要がなくなる。
【００１０】
好適には、ボルトを密着する止め部によって軸線方向に制限された範囲内で移動自在にし、より好適には、このボルトをばね負荷にし、ボルトをツール装置の開口において軸線方向に制限された範囲内で固定手段に対してばね負荷によって移動できるようにし、これにより、組立及び分解が容易になる。
【００１１】
好適には、ボルトは、錠止手段が掛合する止め部によって完全に抜け出すことを防止し、このことは、採掘場での使用に際して整備上必要なことである。
【００１２】
更に、本発明の他の実施例においては、ボルトを片側に突出させて固定手段に固定し、安全割りピンのための貫通孔をボルトに設け、ユーザーが一人で先ず重たいツール装置をボルトで固定し、次に安全に固定することができる。
【００１３】
好適には、ボルトに移動自在の回転止めピンを設け、この回転止めピンをツール装置のハウジングに形成した開口に密着掛合可能にし、この構成によれば、ボルト及び回転止めピンにより装置キャリヤにツール装置を不動に固定することができる。
【００１４】
更に、好適には、ボルト及び回転止めピンをそれぞれＵ字状の脚をなすよう一体にした差し込み素子により構成し、この構成によれば、ボルトと回転止めピンの固定手段及び開口内への挿入が容易になる。
【００１５】
更に、ボルトを角度位置に回転することにより前記装置キャリヤの内部への前記流体導管の連通を遮断するようにすると、個別の遮断機構を付加する必要がなくなる。
【００１６】
更に、ボルトをＵ字状レバーの一部分として構成し、Ｕ字の第１の脚をボルトの角度位置に回転する遮断レバーとして作用させ、Ｕ字の第２の脚をボルトが完全に抜けるのを防止する係止部として作用させる構成とすると好適である。
【００１７】
【発明の実施の形態】
次に図面につき本発明の好適な実施の形態を説明する。
【００１８】
図１には、本発明の好適な実施の形態である第１の実施例として、流体導管４によって流体洗浄すべきツール５を有する打撃ツール装置３の図面の平面に直交するねじ棒を有して、図面の平面に直交する方向に移動する送り装置２の装置キャリヤ１を示し、この装置キャリヤ１には、円筒形の機能外面を有する軸線方向に移動可能なボルト６を設け、このボルト６はフォーク状ヘッドとして構成した固定手段７において、ツール装置３のハウジング９に設けた開口８に差し込む。このフォーク状ヘッドの側面には洗浄用孔１０を設け、この洗浄用孔１０を袋孔１１に開口させ、この袋孔１１をボルト６の端面の中心孔１２に連通させ、この中心孔の反対側は閉鎖し、また中心孔１２は半径方向孔１３に流体密に接続する。レバー１４による開口８に流体密に角度回転可能なボルト６の角度位置に基づいて、半径方向孔１３を介してハウジング９の開口８の円筒形内面に終端する洗浄媒体用の流体導管４との流体連通が左右される。
【００１９】
図２には、本発明の第２の実施例として、流体導管４によって流体洗浄すべきツール５を有する打撃ツール装置３の図面の平面に直交するねじ棒を有して、図面の平面に直交する方向に移動する送り装置２の装置キャリヤ１を示し、この装置キャリヤ１には、円筒形の機能外面を有して片側に突出する固定プラグとして構成したボルト６を設け、このボルト６によって半フォーク状ヘッドとして構成した固定手段７にツール装置３のハウジング９に設けた開口８に差し込んで固定し、安全手段２０としてのボルト６に貫通する割りピン２０によってこの状態に固定する。この半フォーク状ヘッドの側面には洗浄用孔１０を設け、この洗浄用孔１０を袋孔１１に開口させ、この袋孔１１をボルト６の端面の中心孔１２に連通させ、この中心孔の反対側は閉鎖し、また中心孔１２は半径方向孔１３に流体密に接続する。
【００２０】
図３には、本発明の更に他の第３の実施例であり、ボルト６及びこのボルト６に軸線が平行な回転止めピン１５をＵ字状の各脚として一体に構成した素子であり、軸線方向に制限された範囲内で移動自在の差し込み素子１６を示す。この差し込み素子１６の一方の脚シールであるボルト６をフォーク状ヘッドとして構成した固定手段７及び開口８に差し込み、この差し込み素子１６の他方の脚である回転止めピン１５は開口８に平行な挿入孔１７に差し込むため、この差し込み素子１６は回転不能であるが、図３の左端に示す矢印のように、軸線方向のみ制限された範囲内で移動自在であり、この軸線方向移動によりボルト６の流体導管１３とツール装置への流体導管４との間で連通を生じたり、連通が遮断したりする。回転止めピン１５の端面には、錠止手段としての半径方向に拡大するねじ１８を設ける。この錠止手段１８により、この差し込み素子１６の軸線方向の完全な抜けを防止する。フォーク状ヘッドの側面と錠止手段１８との間に回転止めピン１５の周りに同軸状に圧縮コイルばね１９を配置する。このコイルばね１９は、ボルト６の流体導管１３がツール装置への流体導管４に連通する位置に付勢する。コイルばね１９の力に抗して矢印の方向に引っ張ることにより、ボルト６の流体導管１３とツール装置への流体導管４との連通が遮断する。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明による装置キャリヤの好適な実施の形態としての第１の実施例の一部断面とする正面図である。
【図２】 本発明による装置キャリヤの第２の実施例の一部断面とする正面図である。
【図３】 本発明による装置キャリヤの第３の実施例の部分断面図である。
【符号の説明】
1 装置キャリヤ
2 送り装置
3 ツール装置
4 流体導管
5 ツール
6 ボルト
7 固定手段
8 開口
9 ハウジング
10 洗浄用孔
11 袋孔
12 中心孔
13 半径方向孔
14 レバー
15 回転止めピン
16 差し込み素子
17 挿入孔
18 錠止手段
19 圧縮コイルばね
20 割りピン

Claims (8)

1. 流体洗浄すべきツール（５）に連結可能であり、少なくとも部分的に打撃を生ずるツール装置（３）のための送り装置（２）の装置キャリヤであって、前記ツール装置（３）のハウジング（９）に設けた開口（８）に配置し、固定手段（７）に密着し、また前記開口（８）に挿入したボルト（６）により前記ツール装置（３）と着脱自在に連結可能にした固定手段（７）を設けた装置キャリヤにおいて、前記ボルト（６）に軸線方向の流体導管（１２）及び半径方向に円筒形外面まで延在する流体導管（１３）を設け、ツール装置（３）の洗浄媒体用の流体導管（４）を前記開口（８）の円筒形内面まで延在させたことを特徴とする装置キャリヤ。
2. 前記ボルト（６）を前記前記固定手段（７）に密着する止め部により軸線方向に制限された範囲内で移動可能であり、好適には、ばね付加した構成とした請求項１記載の装置キャリヤ。
3. 前記ボルト（６）は、錠止手段（１８）が掛合する止め部によって完全に抜け出すことを防止した請求項１又は２記載の装置キャリヤ。
4. 前記ボルト（６）を、軸線方向にのみ移動自在の回転止めピン（１５）により構成し、この回転止めピン（１５）をツール装置（３）のハウジング（９）に形成した開口に密着掛合可能にした請求項１乃至３のうちのいずれか一項に記載の装置キャリヤ。
5. 前記ボルト（６）及び前記回転止めピン（１５）をそれぞれＵ字状の脚をなすよう一体にした差し込み素子（１６）により構成した請求項４に記載の装置キャリヤ。
6. 前記ボルト（６）を角度位置に回転することにより前記装置キャリヤの内部への前記流体導管（４）の連通を遮断するようにした請求項１乃至３のうちのいずれか一項に記載の装置キャリヤ。
7. 前記ボルト（６）をＵ字状の差し込み素子（１６）の一部分として構成し、Ｕ字の第１の脚はボルト（６）の流体導管（１３）とツール装置（３）の前記流体導管（４）との連通を遮断する部分として作用させ、Ｕ字の第２の脚である回転止めピン（１５）が完全に抜けるのを防止する錠止手段（１８）を回転止めピン（１５）に設ける構成とした請求項４または５記載の装置キャリヤ。
8. 前記ボルト（６）を前記固定手段（７）の片側に突出させ、前記流体導管（１３）が前記洗浄媒体用の流体導管（４）に連通可能な位置に前記ボルト（６）を前記固定手段（７）に固定する安全手段としての割りピン（２０）を設けた請求項１記載の装置キャリヤ。

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